JPH0428353B2 - - Google Patents

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JPH0428353B2
JPH0428353B2 JP1091676A JP9167689A JPH0428353B2 JP H0428353 B2 JPH0428353 B2 JP H0428353B2 JP 1091676 A JP1091676 A JP 1091676A JP 9167689 A JP9167689 A JP 9167689A JP H0428353 B2 JPH0428353 B2 JP H0428353B2
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mol
enzyme
glutamic acid
glutamate oxidase
substrate specificity
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Hidehiko Ishikawa
Hideo Misaki
Naoki Muto
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Toyo Jozo KK
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、少なくともL−グルタミン酸に基質
特異性を有し、実質的にL−ヒスチジンに基質特
異性を有せず、かつ1モルのL−グルタミン酸、
1モルの酸素および1モルの水から、1モルのα
−ケトグルタル酸、1モルのアンモニアおよび1
モルの過酸化水素を生成する反応〔1〕 を触媒する酵素作用を有するL−グルタミン酸オ
キシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイング);L−
Glutamic acid oxidase(H2O2・generating)、
および該L−グルタミン酸オキシダーゼ(H2
O2・ジエネレイテイング)の製造法に関する。 従来より、L−グルタミン酸に基質特異性を有
する酸化酵素としては、2モルのL−グルタミン
酸、1モルの酸素および1モルの水から、2モル
のα−ケトグルタル酸、2モルのアンモニアおよ
び1モルの水を生成する反応を触媒する酵素作用
を有するL−(+)−グルタミン酸オキシドレダク
ターゼが知られているにすぎない〔Biochimica.
et Biophisica.Acta.,368.(1974)158−172〕。 また従来より、L−アミノ酸に基質特異性を有
し、かつ1モルのアミノ酸、1モルの酸素および
1モルの水から、1モルのα−ケト酸、1モルの
アンモニアおよび1モルの過酸化水素を生成する
反応を触媒する酵素作用を有するL−アミノ酸オ
キシダーゼが知られている〔Methods in
Enzymo−logy,Volume ,204−211(1955)
等〕。 しかしながら、L−(+)−グルタミン酸オキシ
ドレダクターゼは、前述の通り、2モルのL−グ
ルタミン酸に作用して、2モルのα−ケトグルタ
ル酸、2モルのアンモニアおよび1モルの水を生
成する反応を触媒する酵素であり、過酸化水素も
発生しない。またL−アミノ酸オキシダーゼは、
1モルのアミノ酸に作用して1モルのα−ケト
酸、1モルのアンモニアおよび1モルの過酸化水
素を生成する反応を触媒する酵素であるが、その
基質たるアミノ酸としてL−グルタミン酸に作用
する酵素については報告されておらず、従来のL
−アミノ酸オキシダーゼはL−グルタミン酸に対
して作用しないと報告されている。〔Methods in
Enzymo−logy,Volume ,204−211
(1955)〕。 またL−グルタミン酸に基質特異性を有し、か
つ1モルのL−グルタミン酸、1モルの酸素およ
び1モルの水から、1モルのα−ケトグルタル
酸、1モルのアンモニアおよび1モルの過酸化水
素を生成する反応を触媒するL−グルタミン酸オ
キシダーゼが存在する。〔特願昭55−117783号、
特開昭57−43685号公報〕が、このL−グルタミ
ン酸オキシダーゼはL−グルタミン酸に基質特異
性をゆうするのみならず、L−ヒスチジンに対し
ても6.8%(L−グルタミン酸を100%とした相対
活性)も作用するもので、L−ヒスチジンに対し
て作用することからL−ヒスチジンが混在するL
−グルタミン酸被検液の分析では大きな測定誤差
を生じるもので、満足のいくものではなかつた。 本発明者らは、長野県佐久市の畑土壌から分離
した放線菌A7700株および群馬県吾妻郡長野原町
のサツマイモ畑の土壌から分離した放線菌A8063
株が、L−グルタミン酸に基質特異性を有し、実
質的にL−ヒスチジンに基質特異性を有せず、か
つ1モルのL−グルタミン酸、1モルの酸素およ
び1モルの水から、1モルのα−ケトグルタル
酸、1モルのアンモニアおよび1モルの過酸化水
素を生成する反応を触媒する酵素作用を有する新
規な酵素蛋白を産生することを見い出し、かつこ
れを単一な成分として精製、採取することを完成
し、この新規な酵素蛋白をL−グルタミン酸オキ
シダーゼ(H2O2・ジエネレイテイング)と命名
した。さらにこれらの放線菌A7700株および
A8063株を培養して得られたこのL−グルタミン
酸オキシダーゼ(H2O2・ジネレイテイング)を
用いることにより、種々のL−グルタミン酸を含
有する液体の新規な分析方法を確立した。 まず本発明における上記放線菌A7700株および
A8063株の肉眼的および顕微鏡的観察などに基く
各種培地上における培養の特徴は、次に記載する
通りである。 (A) 放線菌A7700株について: 顕微鏡的観察 スターチ・無機塩寒天培地上で、30℃、10〜15
日間培養し、観察した形態的所見は、次の通りで
ある。なお、オートミール寒天培地およびイース
トエキス、麦芽エキス寒天培地上でもほぼ同様な
形態が観察された。 基生菌糸は曲線状で、分岐を伴つて伸長し、直
径0.5〜0.6μで、菌糸の分裂や胞子の着生はない。 基生菌糸より生じた気菌糸は、曲線状で単純分
岐をなして伸長し、直径0.6〜0.8μであり、多数
の連鎖した胞子を形成する。 胞子の連鎖は螺旋を呈し、2〜3回巻いたもの
が多いが、ループ状あるいはフツク状のものもあ
る。 胞子の形は楕円ないし短桿形で、大きさは0.6
〜0.8×0.8〜1.0μであり、その表面は平滑である。 鞭毛胞子や胞子のうは形成しない。 ジアミノピメリン酸組成 全細胞を用いての分析で、L−型のジアシノピ
メリン酸が検出され、meso−型は検出されなか
つた。 肉眼的観察 各種培地上で、30℃、14日間培養し、観察した
所見は、第1表に示す通りである。 また色の表示は、Color harmony manual
第4版1958年(Container Corporation of
America)によつた。
【表】
【表】 生理的性状 生育温度範囲:20〜40℃、 酸素の要求性:好気性、 ゼラチンの液化:陽性(極めて弱い)、 スターチの加水分解:陽性、 脱脂牛乳:ペプトン化;陽性(弱い)、 凝固;陰性、 メラニン様色素の生成: チロシン寒天培地上;陰性、 ペプトン,イーストエキス・鉄寒天培地
上;陽性、 炭素源の利用性:L−アラビノース、D−
フラクトース、D−グルコース、イノシトー
ル、D−アンニトール、ラフイノース、L−ラ
ムノース、シユクロースおよびD−キシロース
の全てを利用する。 以上の通り、本菌A7700株は、真性の基生菌糸
より、多数の胞子の連鎖を有する気菌糸を形成
し、ジアミノピメリン酸がL型であり、鞭毛胞子
や胞子のうを形成せず、好気条件で生育すること
などの特徴を有することから、ストレプトマイセ
ス(Streptmyces)属に属するものと認められ、
よつて本菌A7700株をストレプトマイセス・エ
ス・ピー・A7700(Streptmyces sp・A7700)と
称することとし、また工業技術院微生物工業技術
研究所に受託番号、微工研菌寄第6241号
(FERM P−6241,FERM BP・2676)として
寄託した。 (B) 放線菌A8063株について、 顕微鏡的観察 スターチ・無機塩寒天培地上で、30℃、10〜15
日間培養し、観察した形態的所見は、次の通りで
ある。なお、グリセリン・アスパラギン寒天培
地、チロシン寒天培地およびイーストエキス・麦
芽エキス寒天培地上においても、ほぼ同様な形態
が観察された。 基生菌糸は曲線状で分岐を伴つて伸長し、直径
0.5〜0.6μであり、菌糸の分裂や胞子の着生はな
い。 基生菌糸より生じた気菌糸は曲線状で単純分岐
をなして伸長し、直径0.6〜0.8μであり、多数の
連鎖した胞子を形成する。 胞子の連鎖は、ループ状、フツク状あるいは2
回巻いた螺旋を呈するものが多く、3回以上巻い
た螺旋も少数存在する。 胞子の形は球形で、大きさは直径0.6〜0.8μで
あり、その表面はとげ状を呈している。 鞭毛胞子や胞子のうは形成しない。 ジアミノピメリン酸組成 全細胞を用いての分析で、L型のジアミノピメ
リン酸が検出され、meso−型は検出されなかつ
た。 肉眼的観察 各種培地上で、30℃、14日間培養し、観察した
所見は、第2表に示す通りである。 また色の表示は、Colov harmony manual
第4版1958年によつた。
【表】 生理的性状 生育温度範囲:15〜43℃、 酸素の要求性:好気性、 ゼラチンの液化:陽性(弱い)、 スターチの加水分解:陽性 脱脂牛乳:ペプトン化;陽性、 凝固:陰性、 メラニン様色素の生成:チロシン寒天培地
およびぺプトン・イーストエキス・鉄寒天培地
上で陽性、 炭素源の利用性: 利用するもの;D−フラクトース、D−グルコー
ス、D−マンニトール、L−ラムノースおよび
シユクロース、 利用性の弱いもの;L−アラビノース、イノシト
ール、ラフイノースおよびD−キシロース、 以上の通り、本菌A8063株は、真性の基生菌糸よ
り、多数の胞子の連鎖を有する気菌糸を形成し、
ジアミノピメリン酸がL型であり、鞭毛胞子や胞
子のうを形成せず、好気条件で生育することなど
の特徴を有することから、ストレプトマイセス属
に属するものと認められ、よつて本菌A8063株を
ストレプトマイセス・エス・ピー・A8063
(Streptomyces sp・A8063)と称することとし、
また工業技術院微生物工業技術研究所に受託番
号、微工研菌寄第6242号(FERM P−6242・
FERM BP−2677)として寄託した。 またこの新規な酵素L−グルタミン酸オキシダ
ーゼ(H2O2・ジエネレイテイング)L−グルタ
ミン酸に基質特異性を有し、実質的にL−ヒスチ
ジンに基質特異性を有せず、かつ1モルのL−グ
ルタミン酸、1モルの酸素および1モルの水か
ら、1モルのα−ケトグルタル酸、1モルのアン
モニアおよび1モルの過酸化水素を生成する反応
を触媒する酵素であり、種々の定量手段を用いる
ことにより、L−グルタミン酸を含有する液体に
このL−グルタミン酸オキシターゼ(H2O2・ジ
エネレイテイング)を作用せしめ、次いで反応系
におけるL−グルタミン酸の量に基いて消費され
た酸素の量の定量、または、生成された過酸化水
素の定量、アンモニアの定量またはα−ケトグル
タル酸の定量を行なうことによりL−グルタミン
酸と含有する液体のL−グルタミン酸の定量分析
方法を見い出した。 本発明は以上の知見に基いて完成されたもの
で、少なくとも下記の理化学的性質を有する新規
なL−グルタミン酸オキシターゼ(H2O2・ジエ
ネレイテイング)、 基質特異性:L−グルタミン酸に基質特異性を
有し、実質的にL−ヒスチジンに基質特異性を有
しない 酵素作用:1モルのL−グルタミン酸、1モル
の酸素および1モルの水から、1モルのα−ケト
グルタル酸、1モルのアンモニアおよび1モルの
過酸化水素を生成する反応(反応式〔1〕)を触
媒する 至適PHが5〜7.5付近である。 熱安定性が55℃付近までである。 PH安定性がPH4〜7.5付近である。 およびストレプトマイセス属に属するL−グル
タミン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイ
ング)生産菌を培養し、その培養物からL−グル
タミン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイ
ング)を採取することを特徴とするL−グルタミ
ン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイング)
の製造法である。 本発明における新規なL−グルタミン酸オキシ
ダーゼ(H2O2・ジエネレイテイング〔以下単に
L−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)と称す〕
としては、前記の基質特異性および酵素作用を特
徴として有するものであればよく、等電点、Km
値、至適PH、熱安定性、PH安定性、添加物による
阻害、活性化などにおいて差異を示すものであつ
ても、上記の特徴を有するものは本発明に包含さ
れるものであり、またこの新規なL−グルタミン
酸オキシダーゼ(H2O2)を得るための使用菌と
しては前記の菌はその例である。 また本発明の製造法における使用菌としては、
前記の菌はその例であつて、ストレプトマイセス
属に属するL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2
O2)生産能力を有するものであればすべて本発
明において使用できる。もちろん、微生物は、自
然的、人工的に変異を起しやすく、これらの変異
株であつてもL−グルタミン酸オキシダーゼの生
産能力を失わない限り本発明に使用し得ることは
いうまでもないことであり、さらにこのL−グル
タミン酸オキシダーゼ(H2O2)の生産遺伝子を
細胞工学や遺伝子組み換え操作にて他の細胞へと
形質転換せしめてL−グルタミン酸オキシダーゼ
(H2O2)を製造することも本発明に包含されるも
のである。 本発明を実施するに当つて、ストレプトマイセ
ス属に属するL−グルタミン酸オキシダーゼ
(H2O2)生産菌による製造法について例示すれ
ば、次の如くである。例れば、ストレプトマイセ
ス属に属するL−グルタミン酸オキシダーゼ
(H2O2)生産菌を、抗生物質、酵素などを生産す
る通常の方法で培養する。培養の形態は液体培養
でも固体培養でもよく、工業的にはL−グルタミ
ン酸オキシダーゼ(H2O2)生産菌の細胞をその
生産用培地に接種し、深部通気攪拌培養を行なう
のが有利である。 培地の栄養源としては、微生物の培養に通常用
いられるものが広く使用される。窒素源としては
利用可能な窒素化合物であればよく、例えばコー
ン・スチーブ・リカー、大豆粉、ペプトン、種々
の肉エキス、酵母エキス、硫安、塩化アンモニウ
ムやL−グルタミン酸などの各種アミノ酸などが
使用される。炭素源としては、同化可能な炭素化
合物であればよく、例えばシクロース、グルコー
ス、フラクトース、糖蜜、マルトエキス、スター
チ加水分解物などが使用される。その他、食塩、
塩化カリウム、硫酸マグネシウム、リン酸第一カ
リウム、リン酸第二カリウムなどの種々の無機塩
や消泡剤が必要に応じて使用される。 培養温度は菌が発育し、L−グルタミン酸オキ
シダーゼ(H2O2)を生産する範囲内で適宜変更
し得るが、通常20〜35℃、好ましくは26℃近辺で
ある。培養時間は、条件によつて多少異なるが、
通常50〜120時間程度であつて、L−グルタミン
酸オキシダーゼ(H2O2)が最高力価に達する時
期をみはからつて適当な時期に培養を終了すれば
よい。 このようにして得られた培養物において、L−
グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)はその菌体
内に含有されている。 さらにこのようにして得られた培養物からL−
グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)を抽出し、
粗製のL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2
を得るに当つて例示すれば、まず培養物を固液分
離し得られる湿菌体を、必要に応じてリン酸緩衝
液、トリス−HCl緩衝液、ジメチルグルタル酸−
NaOH緩衝液などの緩衝液に懸濁せしめ、次い
でフレンチプレス処理、超音波処理、ミル処理や
リゾチーム処理などの種々の菌体破砕処理手段を
適宜選択、組合せて処理して、粗製のL−グルタ
ミン酸オキシダーゼ(H2O2)含有液を得る。次
いでこの溶液を、さらに公知の蛋白質、酵素など
の単離、精製されたL−グルタミン酸オキシダー
ゼ(H2O2)を得ることができる。例えば、粗製
のL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)含有
液に、アセトン、メタノール、エタノールやイソ
プロパノールなどの有機溶剤による分別沈澱法、
硫安などによる塩析法などの手段を用いて沈澱せ
しめ、回収して粗製のL−グルタミン酸オキシダ
ーゼ(H2O2)含有物を得てもよい。さらにこれ
を、例えば電気泳動法などにて単一の帯を示すま
で精製してもよく、その精製手段としては、例え
ば上記の粗製のL−グルタミン酸オキシダーゼ
(H2O2)含有物を前記の如くの緩衝液に溶解せし
め、透析手段やジエチルアミノエチルセルロー
ス、ジエチルアミノエチルセフアロースなどのイ
オン交換体、デキストランゲル、ポリアクリルア
マイドゲルなどのゲル過剤によるクロマトグラ
フ法を行なえばよい。またこれらの手段を適宜組
合せて精製すればよく、次いでこれを凍結乾燥手
段により乾燥してL−グルタミン酸オキシダーゼ
(H2O2)の精製粉末を得る。 本発明によつて得られるL−グルタミン酸オキ
シダーゼ(H2O2)の活性測定法および理化学的
性質は、次の通りである。 (1) 活性測定法 0.3%4−アミノアンチピリン 0.3ml ペルオキシダーゼ(50U/ml) 0.1ml 0.2M リン酸緩衝液(PH7.0) 0.6ml 0.2%N.N−ジメチル−m−トルイジン 0.3ml 0.2M L−グルタミン酸(PH7.0に調製) 1.5ml 蒸留水 0.2ml 計3.0ml 上記の組成を有する反応液3.0mlを調製し、37
℃に加温して石英セルに加え、酵素液50μlを加え
てすばやく混合し、37℃に調整された恒温セルホ
ルダーを有する分光光度計に装着し、混合後2分
目から正確に5分間反応を行ない、この間の
545nmにおける吸光度変化(ΔA545)を測定す
る。 また活性測定の算出法は、次式に従う。 L−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)活性
(単位/ml) =ΔA545/32×1/2×1/5×3.05/0.05×希釈倍
率 (2) 基質特異性 ストレプトマイセス・エス・ピー・A7700株の
産生したL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2
〔以下、A7700酵素と略す〕およびストレプトマ
イセス・エス・ピー・A8063株の産生したL−グ
ルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)〔以下、A8063
酵素と略す〕の各酵素を用いて、前記の活性測定
法を利用して、そのL−グルタミン酸の代りに、
第3表に記載の種々の基質を用いて、L−グルタ
ミン酸に対する相対活性(%)を求めた。 その結果、第3表に示す通りで、両酵素ともL
−グルタミン酸に基質特異性を有し、L−チロシ
ン、L−メチオニン、L−フエニルアラニン−L
−アルギニン、L−リジン、L−ヒスチジン、L
−アラニン、L−イソロイシン、L−バリン、L
−スレオニン、L−セリンに実質的に基質特異性
を有さないものと認められた。
【表】
【表】 (3) 酵素作用 基質として0.5μmolesL−グルタミン酸を用い
て、両酵素の作用に基く、消費された酸素の量、
生成されたα−ケトグルタル酸の量、アンモニア
の量および過酸化水素の量を定量した。 その結果は、第4表の通りであつた。
【表】 なお、消費された酸素の量は酸素電極で定量
し、生成したα−ケトグルタル酸の量は2.4−ジ
ニトロフエニルヒドラジン法〔化学の領域、増刊
33第99〜104頁、「生化学領域における光電比色
法」〕で定量し、生成したアンモニアの量はイン
ドフエノール法〔J.Biol.Chem.,102、499
(1933)〕で定量し、生成した過酸化水素の量はペ
ルオキシダーゼ−4−アミノアンチピリン−フエ
ノール系の発色法で定量したものである。 以上の結果、両酵素とも、1モルのL−グルタ
ミン酸、1モルの酸素および1モルの水から、1
モルのα−ケトグルタル酸、1モルのアンモニア
および1モルの過酸化水素を生成する反応(反応
式〔〕)を触媒することが確認された。 (4) 等電点 A7700酵素およびA8063酵素の等電点を、キヤ
リアー・アンフオライトPH3.5〜PH6.0(LKB社
製)を用いて等電点電気泳動法にて、両酵素の等
電点を求めた結果、A7700酵素はPH4.3付近、
A8063酵素はPH4.1付近であつた。 (5) Km値 両酵素のL−グルタミン酸に対するKm値は、
A7700酵素が約5.6×10-4M,A8063酵素が約1.1
×10-3Mと測定された。 (6) 至適PH 活性測定法における緩衝液の代りに、グリシン
−HCl緩衝液(PH2.5〜4.5)、ジメチルグルタル酸
−NaOH緩衝液(PH4〜7)、リン酸緩衝液(PH
6〜8)、トリス−HCl緩衝液(PH7〜9)、グリ
シン−NaOH緩衝液(PH9〜9.5)の各緩衝液を
用いて、両酵素の活性測定を行なつてその至適PH
を測定した。 その結果、第1図はA7700酵素の至適PH曲線を
示し、図中、●はグリシン−HCl緩衝液、×はジ
メチルグルタル酸−NaOH緩衝液、▲はリン酸
緩衝液、■はトリス−HCl緩衝液、◆はグリシン
−NaOH緩衝液の場合を示し、第2図はA8063酵
素の至適PH曲線を示し、図中○はグリシン−HCl
緩衝液、×はジメチルグルタル酸−NaOH緩衝
液、△はリン酸緩衝液、□はトリス−HCl緩衝
液、◇はグリシン−NaOH緩衝液の場合を示す
もので、両酵素ともPH5〜7.5に至適PHを有する
ものと測定された。 (7) 熱安定性 20mMリン酸緩衝液(PH7.0)に、各酵素A7700
酵素、A8063酵素を溶解し、種々の温度で10分間
加熱し、処理後直ちに氷浴に入れて冷した後、各
酵素の残存活性を活性測定法に基いて測定した。 その結果、第3図に示す通りで、図中、●は
A7700酵素の場合を示し、○はA8063酵素の場合
を示し、両酵素とも55℃までは安定であり、70℃
では完全に失活した。 (8) PH安定性 種々の緩衝液を用いて、A7700酵素のPH安定性
曲線(第4図に示す)およびA8063酵素のPH安定
性曲線(第5図に示す)を求めた。 用いた緩衝液としては濃度40mMで、グリシン
−HCl緩衝液(PH2.5〜4.5)(第4図および第5図
中○にて示す)、ジメチルグルタル酸−NaOH緩
衝液(PH4〜7.5)(第4図および第5図中●にて
示す)、リン酸緩衝液(PH6〜8)(第4図および
第5図中▲にて示す)、トリス−HCl緩衝液(PH
7〜9)(第4図および第5図中△に示す)、グリ
シン−NaOH緩衝液(PH9〜9.5)(第4図および
第5図中□にて示す)を用い、各種緩衝液にそれ
ぞれの酵素を溶解し、37℃で60分間加温した後、
直ちに氷冷し、それぞれのPHにおける残存活性を
活性測定法に基いて測定した。 その結果、A7700酵素の場合は第4図に示す通
りでPH4.5〜7.5で安定と認められ、またA8063酵
素の場合は第5図に示す通りでPH4〜7.5で安定
と認められた。 (9) 金属塩の影響 A7700酵素およびA8063酵素の活性に対する金
属イオンの影響を測定した結果、第5表に示す。
Cu2+イオン以外ほとんど影響はなかつた。
【表】
【表】 (10) 界面活性剤およびその他の物質の阻害、活性
化、種々の界面活性剤およびその他の物質の阻
害、活性化の結果について、第6表に示す。 その結果、EDTAによる影響が認められな
いことから、両酵素とも金属酵素でないと推定
される。また両酵素とも、NaN3やKCNによ
つても阻害されず、FAD,FMNによつても大
きく影響されなかつた。
〔試薬 〕
N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイ
ジン 3mM ペルオキシダーゼ 5単位/ml L−アラニン 200mM α−ケトグルタル酸 10mM トリス−HCl緩衝液 50mM L−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2
5単位/ml アスコルビン酸オキシダーゼ 5単位/ml 〔試薬 〕 4−アミノアンチピリン 15mM 上記の組成を有する試薬の1.0mlを石英セル
に分取し、これに血清50μlを添加し、37℃で5分
間反応せしめた後、37℃に加温した試薬0.1ml
をさらに添加し、37℃で種々の時間反応せしめ、
次いで波長550nmにおける吸光度変化を測定し
た。 その結果、第9図に示す通りで、血清中GPT
活性測定においてラグタイムが認められず、原点
を通る良好な直線性が得られた。また本発明方法
で測定することにより第一段反応で非特異的反応
およびラグタイムを改善、除去しているために盲
検を必要としない良好な測定法である。 参考例 4〔血清中GOT活性測定〕 〔試薬 〕 N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイ
ジン 3mM ペルオキシダーゼ 5単位/ml L−アスパラギン酸 200mM α−ケトグルタル酸 10mM トリス−HCl緩衝液 50mM L−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2
5単位/ml アスコルビン酸オキシダーゼ 5単位/ml 〔試薬 〕 4−アミノアンチピリン 15mM 上記の組成を有する試薬の1.0mlを石英セル
に分取し、これに血清50μlを添加し、37℃で5分
間反応せしめた後、37℃に加温した試薬0.1ml
をさらに添加し、37℃で種々の時間反応せしめ、
次いで波長550nmにおける吸光度変化を測定し
た。 その結果、第10図に示す通りで、測定に
おいてラグタイムが認められず、かつ盲検も必要
としない、原点を通る良好な直線性を与える
GOT活性の測定をなし得たものであつた。 参考例 5 参考例3と同一の試薬および試薬を用い
て、血清40サンプルを被検液(各50μl)として、
参考例3と同様に行なつて各血清中GPT活性を
測定した。 また同一サンプルを用いて、従来のGPT活性
測定法〔UV法:和光純薬(株)キツト、GPT−UV
ワコー〕にて測定した。 両方法の結果に基いて相凾を求めた結果、 γ=0.998 y=1.03x+1.6 で、非常に良好な相凾を示した。またその相凾図
は第11図に示す通りであつた。 参考例 6 参考例4と同一の試薬および試薬を用い
て、血清40サンプルを被検液(各50μl)として、
参考例4と同様に行なつて各血清中のGOT活性
を測定した。 また同一サンプルを用いて、従来のGOT活性
測定法〔UV法:和光純薬(株)キツト,GOT−UV
ワコー〕にて測定した。 両方法の結果に基いて相凾を求めた結果、 γ=0.997 y=1.01x+1.1 で非常に良好な相凾を示した。またその相凾図は
第12図に示す通りであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図はL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2
O2)であるA7700酵素の至適PH曲線を示し、第2
図はL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2)で
あるA8063酵素の至適PH曲線を示し、第3図はそ
のA7700酵素およびA8063酵素の熱安定性曲線を
示し、第4図はそのA7700酵素のPH安定性曲線を
示し、第5図はそのA8063酵素のPH安定性曲線を
示し、第6図はそのA7700酵素およびA8063酵素
を用いるL−グルタミン酸の定量曲線を示し、第
7図は血清中GPT活性測定曲線を示し、第8図
は血清中GOT活性測定曲線を示し、第9図は血
清中GPT活性測定曲線を示し、第10図は血清
中GOT活性測定曲線を示し、第11図はGPT活
性測定における相凾図を示し、第12図はGOT
活性測定における相凾図を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 少なくとも下記の理化学的性質を有する新規
    なL−グルタミン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエ
    ネレイテイング)。 基質特異性:少なくともL−グルタミン酸に基
    質特異性を有し、実質的にL−ヒスチジンに基質
    特異性を有しない。 酵素作用:1モルのL−グルタミン酸、1モル
    の酵素および1モルの水から、1モルのα−ケト
    グルタル酸、1モルのアンモニアおよび1モルの
    過酸化水素を生成する反応〔1〕を触媒する。 至適PHが5〜7.5付近である。 熱安定性が55℃付近までである。 PH安定性がPH4〜7.5付近である。 2 ストレプトマイセス属に属する少なくとも下
    記の理化学的性質を有するL−グルタミン酸オキ
    シダーゼ(H2O2・ジエネレイテイング)生産菌
    を培地に培養し、その培養物から該L−グルタミ
    ン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイング)
    を採取することを特徴とする新規な該L−グルタ
    ミン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイン
    グ)の製造法。 基質特異性:少なくともL−グルタミン酸に基
    質特異性を有し、実質的にL−ヒスチジンに基質
    特異性を有しない。 酵素作用:1モルのL−グルタミン酸、1モル
    の酸素および1モルの水から、1モルのα−ケト
    グルタル酸、1モルのアンモニアおよび1モルの
    過酸化水素を生成する反応〔1〕を触媒する。 至適PHが5〜7.5付近である。 熱安定性が55℃付近までである。 PH安定性がPH4〜7.5付近である。 3 ストレプトマイセス属に属する該L−グルタ
    ミン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイン
    グ)生産菌が、ストレプトマイセス・エス・ピ
    ー・A7700,FERM P−6241,FERM BP−
    2676である特許請求の範囲第2項記載の製造法。 4 ストレプトマイセス属に属する該L−グルタ
    ミン酸オキシダーゼ(H2O2・ジエネレイテイン
    グ)生産菌が、ストレプトマイセス・エス・ピ
    ー・A8063,FERM P−6242、FERM BP−
    2677である特許請求の範囲第2項記載の製造法。
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