JPH04283501A

JPH04283501A - 切花の鮮度保持剤

Info

Publication number: JPH04283501A
Application number: JP4796791A
Authority: JP
Inventors: Hikari Yamagata; 光山形; Osamu Oki; 修大木
Original assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Current assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date: 1991-03-13
Filing date: 1991-03-13
Publication date: 1992-10-08

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は切花の鮮度を保持するた
めの鮮度保持剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、切花の鮮度保持剤として、例えば
硝酸銀、チオ硫酸銀、硫酸アルミニウム、８−ヒドロキ
シキノリン、ショ糖およびサイトカイニン等の植物ホル
モンなどが実用化されている〔農耕と園芸４１（３），
１２０〜１３４（１９８６）〕。また防腐、殺菌作用の
ある化合物が切花の鮮度保持剤として使用されており、
例えばアンモニアミョウバンと糖類を併用したもの（特
公昭３８−２２３５８号）、ラウリルモノメチルベンジ
ルアンモニウムクロライドを含有するもの（特公昭５７
−１００８１号）、２−ピリジンチオール−１−オキサ
イドを含有するもの（特開昭５９−９８００１号）など
がある。さらに植物の萎縮に深く関与しているエチレン
の生成を抑制するポリアミン類およびアミノオキシ酢酸
などが、切花の鮮度を延長することが知られている〔Ｈ
ＯＲＴＳＣＩＥＮＣＥ１５（６）、８０５〜８０６（１
９８０）〕。

【０００３】最近では、Ｎ−エチルマレイミド、ｐ−ク
ロロメルクリ安息香酸、ｐ−クロロメルクリベンゼンス
ルホン酸、ヨード酢酸および５，５’−ジチオビス（２
−ニトロ安息香酸）等のＳＨ試薬を含有する切花の鮮度
保持剤も知られている（特開平２−１７４７０１号）。一方、青果物の鮮度保持剤として、天然多糖類、油脂お
よびロウ等の塗布剤、湿度調節剤ならびに多孔質活性炭
および炭酸ガス発生剤等のガス調節剤が知られている〔
ＦＯＯＤ　　ＰＡＣＫＩＮＧ　　Ｎｏ．６、４２−４９
（１９９０）〕。

【０００４】しかし、これら従来の鮮度保持剤は、切花
の開花後の観賞期間を延長（萎凋抑制）することはでき
るが、切花のつぼみの開花を抑制することはできない。このため、切花の流通時につぼみが開花して観賞期間を
短縮させるという問題があり、つぼみの開花を抑制する
ことができる鮮度保持剤が要望されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、切花
のつぼみの開花を抑制することにより、切花の観賞期間
を延長することができ、さらに毒性が小さくて、安全性
および取扱性に優れた切花の鮮度保持剤を提供すること
である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は次の切花の鮮度
保持剤である。（１）ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体を含有する
ことを特徴とする切花の鮮度保持剤。（２）ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体が下記化２
で表わされる化合物である上記（１）記載の切花の鮮度
保持剤。

【化２】（式中、Ｘはハロゲン原子、水酸基またはニトロ基、Ｒ
はアルキル基、官能基を有するアルキル基、アルコキシ
基またはアリール基、Ｒ２は水素原子、アルキル基、官
能基を有するアルキル基、アリール基または糖類を示す
。ｍは０〜３、ｎは０〜３で、かつ０≦ｍ＋ｎ≦４を満
たす。ｍまたはｎが２以上の場合、ＸまたはＲはそれぞ
れ同一でも異なっていてもよい。）

【０００７】本発明で使用するヒドロキシケイ皮酸また
はその誘導体としては、前記化２で表わされるヒドロキ
シケイ皮酸またはその誘導体をあげることができる。

【０００８】前記化２のＸとしては、ハロゲン原子、水
酸基またはニトロ基などをあげることができる。ハロゲ
ン原子の具体的なものとしては、塩素、臭素およびヨウ
素などをあげることができる。

【０００９】前記化２のＲとしては、アルキル基、官能
基を有するアルキル基、アルコキシ基またはアリール基
などをあげることができる。官能基としては、ハロゲン
、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオール基
、アルケニル基、アルキニル基およびアリール基などの
反応性基があげられる。

【００１０】前記アルキル基および官能基を有するアル
キル基の具体的なものとしては、メチル基、エチル基お
よびプロピル基等の炭素数１〜４のアルキル基、ならび
にこれらのアルキル基の水素原子がハロゲン、水酸基、
カルボキシル基、カルボニル基、チオール基、アルケニ
ル基、アルキニル基またはアリール基等の官能基で置換
されたアルキル基などをあげることができる。前記アル
コキシ基の具体的なものとしては、メトキシ基、エトキ
シ基およびプロポキシ基等の炭素数１〜４のアルコキシ
基などをあげることができる。前記アリール基としては
、フェニル基、トリル基およびナフチル基などをあげる
ことができる。

【００１１】前記化２のＲ２としては、水素原子、アル
キル基、官能基を有するアルキル基、アリール基または
糖類などをあげることができる。Ｒ２のアルキル基、官
能基を有するアルキル基およびアリール基の具体的なも
のとしては、前記Ｒと同じものをあげることができる。前記糖類の具体的なものとしては、単糖としてグルコー
ス、フルクトース、リボース、アラビノースなどを、糖
アルコールとしてグリセリン、ソルビトール、マンニト
ール、イノシトールなどを、糖誘導体としてアスコルビ
ン酸、ウロン酸、キナ酸、シキミ酸などをあげることが
できる。これらの中では水素原子または糖類が好ましい
。

【００１２】前記化２のｍは０〜３、ｎは０〜３で、か
つ０≦ｍ＋ｎ≦４を満たす。ｍまたはｎが２以上の場合
、ＸまたはＲはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。

【００１３】前記化２で表わされるヒドロキシケイ皮酸
またはその誘導体の具体的なものとしては、４−ヒドロ
キシケイ皮酸、３，４−ジヒドロキシケイ皮酸、３，４
，５−トリヒドロキシケイ皮酸、４−ヒドロキシ−３−
メトキシケイ皮酸、４−ヒドロキシ−３，５−ジメトキ
シケイ皮酸およびこれらのエステル類などをあげること
ができる。エステル類としては、クロロゲン酸などをあ
げることができる。これらの中では４−ヒドロキシケイ
皮酸およびクロロゲン酸が好ましい。ヒドロキシケイ皮
酸またはその誘導体は１種単独で使用することもできる
し、２種以上を組合せて使用することができる。

【００１４】前記化２で表わされるヒドロキシケイ皮酸
またはその誘導体は、切花のつぼみの開花を抑制すると
ともに、観賞期間を延長することができる。また前記化
２で表わされるヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体は
植物起源のものであり、毒性が小さくて、安全性および
取扱性に優れている。

【００１５】本発明の切花の鮮度保持剤は、前記ヒドロ
キシケイ皮酸またはその誘導体を含有するものであり、
さらに水等の溶媒、界面活性剤等の補助剤または他の鮮
度保持剤などを含有していてもよい。本発明の好ましい
鮮度保持剤としては、ヒドロキシケイ皮酸またはその誘
導体を水等の溶媒に溶解した溶液、ヒドロキシケイ皮酸
またはその誘導体と従来用いられている切花の他の鮮度
保持剤との混合物、ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導
体と界面活性剤との混合物、ヒドロキシケイ皮酸または
その誘導体と他の鮮度保持剤と界面活性剤との混合物、
およびこれらの混合物を水等の溶媒に溶解した溶液など
をあげることができる。

【００１６】ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体と混
合することができる他の鮮度保持剤としては特に制限は
なく、ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体の効果を損
わない範囲で、硝酸銀、チオ硫酸銀、硫酸アルミニウム
、８−ヒドロキシキノリン、ショ糖、サイトカイニン、
アンモニアミョウバン、ラウリルモノメチルベンジルア
ンモニウムクロライド、２−ピリジンチオール−１−オ
キサイド、ポリアミン類、アミノオキシ酢酸、Ｎ−エチ
ルマレイミド、ｐ−クロロメルクリ安息香酸、ｐ−クロ
ロメルクリベンゼンスルホン酸、ヨード酢酸および５，
５’−ジチオビス（２−ニトロ安息香酸）などを使用す
ることができる。

【００１７】またヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体
と混合することができる界面活性剤に特に制限はなく、
ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体の効果を損なわな
い範囲で、アニオン系、カチオン系およびノニオン系界
面活性剤を使用することができる。

【００１８】本発明の切花の鮮度保持剤中に含まれる前
記ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体の濃度は、処理
する切花の種類および生育状態、ならびに使用するヒド
ロキシケイ皮酸またはその誘導体の種類にもよるが、実
際に切花を処理する時の溶液中の濃度が通常０．１〜１
００００ｐｐｍ、好ましくは１０〜１０００ｐｐｍとな
るように含有させるのが望ましい。

【００１９】本発明の切花の鮮度保持剤の処理対象とな
る切花としては特に限定されず、例えばカーネーション
、バラ、ユリ、キク、フリージア、スイートピー、カス
ミソウ、ガーベラ、ストック、スターチス、リンドウ、
グラジオラス、トルコキキョウ、チューリップおよび洋
ラン類等の切花などをあげることができる。

【００２０】本発明の切花の鮮度保持剤は通常溶液状態
で使用する。溶液状態の鮮度保持剤を用いて切花を処理
する方法としては、従来の切花の鮮度保持剤と同様な方
法が採用でき、例えば切花の切口を溶液に浸漬する方法
および切花の花、茎、葉または全体に溶液を噴霧する方
法、あるいは切花の包装紙または包装容器に溶液を含浸
させる方法などが採用できる。

【００２１】溶液に浸漬する場合は０〜５５℃で５分間
以上、好ましくは５〜４０℃で５分ないし２４時間処理
するのが望ましい。溶液を噴霧する場合は、花を切る前
、あるいは花を切った後のどの段階で噴霧してもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、切花の鮮
度保持剤成分としてヒドロキシケイ皮酸またはその誘導
体を用いるようにしたので、切花のつぼみの開花を抑制
することにより、切花の観賞期間を延長することができ
、さらに毒性が小さくて、安全性および取扱性に優れた
切花の鮮度保持剤を得ることができる。

【００２３】

【実施例】次に本発明の実施例について説明する。

【００２４】実施例１第一花（最初に咲く花）のつぼみ長９ｃｍの鉄砲ユリ（
品種：ひのもと）切花を、１０００ｐｐｍのクロロゲン
酸水溶液からなる鮮度保持剤に室温で１時間浸漬した。次に浸漬した切口部分を水洗し、花瓶にさして室温下に
保持した。鮮度保持剤で処理した後つぼみの外花皮の先
端が開き始めた時までの期間（開花日数）と、鮮度保持
剤で処理した後花弁または葉が萎縮して花弁が褐変し始
めるまでの期間（観賞期間）を調べた。結果を表１に示
す。なお花瓶の水は毎日取替えた。

【００２５】比較例１〜２１０００ｐｐｍのクロロゲン酸水溶液の代わりに、５０
ｐｐｍの８−ヒドロキシキノリン水溶液（比較例１）ま
たは水（比較例２）を用いた以外は実施例１と同様に行
った。結果を表１に示す。

【００２６】実施例２市販の新鉄砲ユリ切花（第一花のつぼみ長：１０ｃｍ）
を、１０ｐｐｍの４−ヒドロキシケイ皮酸水溶液からな
る鮮度保持剤に室温で一晩浸漬した。その後は実施例１
と同様にして開花日数および観賞期間を調べた。結果を
表１に示す。

【００２７】実施例３１０００ｐｐｍのクロロゲン酸水溶液の代わりに、１０
ｐｐｍの４−ヒドロキシケイ皮酸と１００ｐｐｍのチオ
硫酸銀との混合水溶液からなる鮮度保持剤を用いた以外
は実施例２と同様に行った。結果を表１に示す。

【００２８】比較例３〜４１０ｐｐｍの４−ヒドロキシケイ皮酸水溶液の代わりに
、５０ｐｐｍの８−ヒドロキシキノリン水溶液（比較例
３）または水（比較例４）を用いた以外は実施例２と同
様に行った。結果を表１に示す。

【００２９】

【表１】

【００３０】表１から、実施例１の切花は、比較例１お
よび２に比べて開花日数が長く、つぼみの開花が抑制さ
れていることがわかる。また実施例１の切花は、比較例
１および２に比べて観賞期間が長く、鮮度が良好に保持
されていることがわかる。実施例２および３の切花は、
実施例１の場合と同様に、比較例３および４に比べてつ
ぼみの開花が抑制されているとともに、鮮度が良好に保
持されていることがわかる。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体
を含有することを特徴とする切花の鮮度保持剤。
【請求項２】　　ヒドロキシケイ皮酸またはその誘導体
が下記化１で表わされる化合物である請求項１記載の切
花の鮮度保持剤。【化１】（式中、Ｘはハロゲン原子、水酸基またはニトロ基、Ｒ
はアルキル基、官能基を有するアルキル基、アルコキシ
基またはアリール基、Ｒ２は水素原子、アルキル基、官
能基を有するアルキル基、アリール基または糖類を示す
。ｍは０〜３、ｎは０〜３で、かつ０≦ｍ＋ｎ≦４を満
たす。ｍまたはｎが２以上の場合、ＸまたはＲはそれぞ
れ同一でも異なっていてもよい。）