JP3047599B2 - 切り花の鮮度保持剤組成物 - Google Patents
切り花の鮮度保持剤組成物Info
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- JP3047599B2 JP3047599B2 JP4043804A JP4380492A JP3047599B2 JP 3047599 B2 JP3047599 B2 JP 3047599B2 JP 4043804 A JP4043804 A JP 4043804A JP 4380492 A JP4380492 A JP 4380492A JP 3047599 B2 JP3047599 B2 JP 3047599B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、切り花の鮮度保持剤に
関する。
関する。
【０００２】
【従来の技術】切り花の鮮度が低下する原因としては、
生け水中の茎の腐敗や導管の閉塞、栄養分の枯渇、内因
性のエチレンの増加などがあげらる。茎の腐敗や導管の
閉塞に対しては、8ーヒドロキシキノリンなどの殺菌剤や
水中汚物を沈澱させるための硫酸アルミニウム、水揚げ
を良くするための各種界面活性剤が用いられている。栄
養分の枯渇に対しては、蔗糖などの糖類が用いられてい
る。しかし、その効果には、ばらつきがあり明確ではな
い。一方、内因性のエチレンの増加に対しては、1978年
にオランダのVeenらにより発見されたSTS（Ag(S
2O3)2 3-）〔プランタ（Planta）140 93〜96〕がエチレ
ンの作用を抑制し、カーネーション、宿根カスミソウ等
のエチレンが花の萎凋の主要因となる切り花に対しては
明確な効果を示す。
生け水中の茎の腐敗や導管の閉塞、栄養分の枯渇、内因
性のエチレンの増加などがあげらる。茎の腐敗や導管の
閉塞に対しては、8ーヒドロキシキノリンなどの殺菌剤や
水中汚物を沈澱させるための硫酸アルミニウム、水揚げ
を良くするための各種界面活性剤が用いられている。栄
養分の枯渇に対しては、蔗糖などの糖類が用いられてい
る。しかし、その効果には、ばらつきがあり明確ではな
い。一方、内因性のエチレンの増加に対しては、1978年
にオランダのVeenらにより発見されたSTS（Ag(S
2O3)2 3-）〔プランタ（Planta）140 93〜96〕がエチレ
ンの作用を抑制し、カーネーション、宿根カスミソウ等
のエチレンが花の萎凋の主要因となる切り花に対しては
明確な効果を示す。
【０００３】現在では、生産者は、多くの切り花に対し
てSTSを使用している。しかし、STSはその有効成分とし
て、重金属である銀を含んでいるため、環境汚染が懸念
されており、重金属を含まない安全な鮮度保持剤の実用
化が望まれているが、STSに代わり得る鮮度保持剤は未
だ存在しない。L-α-(２-アミノエトキシビニル)グリシ
ン(AVGと略す)、アミノオキシ酢酸、2-アミノイソ酪酸
(AIBと略す)は、エチレンの生合成を阻害することによ
り、切り花の鮮度保持効果を示すことが知られているも
のの〔ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ソサイアテ
ィ・フォー・ホーティカルチュラル・サイエンス（Jour
nal Of The American Society For Horticultural Scie
nce）102 517〜520, 1977年, ホートサイエンス（Horts
cience）15805〜806, 1980年, サイエンティア・ホーテ
ィカルチュレ（Scientia Horticulturae）44 127〜134,
1990年〕、高価であり、STSよりも効果が劣るため、実
用化されていない。
てSTSを使用している。しかし、STSはその有効成分とし
て、重金属である銀を含んでいるため、環境汚染が懸念
されており、重金属を含まない安全な鮮度保持剤の実用
化が望まれているが、STSに代わり得る鮮度保持剤は未
だ存在しない。L-α-(２-アミノエトキシビニル)グリシ
ン(AVGと略す)、アミノオキシ酢酸、2-アミノイソ酪酸
(AIBと略す)は、エチレンの生合成を阻害することによ
り、切り花の鮮度保持効果を示すことが知られているも
のの〔ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ソサイアテ
ィ・フォー・ホーティカルチュラル・サイエンス（Jour
nal Of The American Society For Horticultural Scie
nce）102 517〜520, 1977年, ホートサイエンス（Horts
cience）15805〜806, 1980年, サイエンティア・ホーテ
ィカルチュレ（Scientia Horticulturae）44 127〜134,
1990年〕、高価であり、STSよりも効果が劣るため、実
用化されていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、切り
花に対して優れた効果を有する鮮度保持剤を提供するこ
とにある。
花に対して優れた効果を有する鮮度保持剤を提供するこ
とにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明は、AVGとAIBとを
有効成分として含有する切り花の鮮度保持剤に関する。
これらの有効成分はいずれも公知物質であり、AVG、AIB
はいずれも試薬として入手することが可能である。これ
らの有効成分は、各種濃度の水溶液として用いられ、0.
5〜10％のメタノール等のアルコール類を添加して用い
ることも可能である。その濃度は対象とする切り花の種
類により最適値が異なるため、特に限定されない。AVG
は、好ましくは0.001〜1.0重量％、AIBは、好ましくは
0.01〜1.0重量％の範囲で用いられ、AVGとAIBの混合割
合は、好ましくはAVG 1に対してAIB 1〜10倍重量であ
る。
有効成分として含有する切り花の鮮度保持剤に関する。
これらの有効成分はいずれも公知物質であり、AVG、AIB
はいずれも試薬として入手することが可能である。これ
らの有効成分は、各種濃度の水溶液として用いられ、0.
5〜10％のメタノール等のアルコール類を添加して用い
ることも可能である。その濃度は対象とする切り花の種
類により最適値が異なるため、特に限定されない。AVG
は、好ましくは0.001〜1.0重量％、AIBは、好ましくは
0.01〜1.0重量％の範囲で用いられ、AVGとAIBの混合割
合は、好ましくはAVG 1に対してAIB 1〜10倍重量であ
る。
【０００６】本発明の鮮度保持剤の使用法としては、前
処理、後処理あるいは植物体への散布などがあげられ
る。前処理の方法としては、切り花の切り口を薬液に、
好ましくは1〜24時間浸せきすれば良い。後処理の方法
としては、切り花を薬液の入った花瓶などに生けておけ
ば良い。散布処理の方法としては、スプレーなどで、切
り花全体に薬液を散布すれば良い。
処理、後処理あるいは植物体への散布などがあげられ
る。前処理の方法としては、切り花の切り口を薬液に、
好ましくは1〜24時間浸せきすれば良い。後処理の方法
としては、切り花を薬液の入った花瓶などに生けておけ
ば良い。散布処理の方法としては、スプレーなどで、切
り花全体に薬液を散布すれば良い。
【０００７】本発明の鮮度保持剤は、添加剤（殺菌剤、
界面活性剤など）や、市販されている他の鮮度保持剤と
混合して用いても良く、本発明品を用いた後に添加剤や
市販されている他の鮮度保持剤を用いても良い。本発明
の鮮度保持剤を適用できる花としては、カーネーショ
ン、デルフィニウム、スイートピー、宿根カスミソウ、
ユリ、フリージア、チューリップ、洋ラン等の切り花、
あるいは鉢物などがあげられる。
界面活性剤など）や、市販されている他の鮮度保持剤と
混合して用いても良く、本発明品を用いた後に添加剤や
市販されている他の鮮度保持剤を用いても良い。本発明
の鮮度保持剤を適用できる花としては、カーネーショ
ン、デルフィニウム、スイートピー、宿根カスミソウ、
ユリ、フリージア、チューリップ、洋ラン等の切り花、
あるいは鉢物などがあげられる。
【０００８】
カーネーション切り花の鮮度保持効果 神奈川県秦野市の農家において栽培されたカーネーショ
ン（品種；フランシスコ）を10 cmの長さに切り、表１
に示される薬液が50 ml入った管ビン（φ3×12cm）に、
切り花を1本ずつ入れ、その後恒温室に放置し、観賞価
値がなくなるまでの日数を日持ち日数として調査した。
各試験区とも4反復とした。結果を表１に示す。
ン（品種；フランシスコ）を10 cmの長さに切り、表１
に示される薬液が50 ml入った管ビン（φ3×12cm）に、
切り花を1本ずつ入れ、その後恒温室に放置し、観賞価
値がなくなるまでの日数を日持ち日数として調査した。
各試験区とも4反復とした。結果を表１に示す。
【０００９】
【表１】 処理 日持ち日数（日） 対照区 3.3 100 ppm AVG 5.7 200 ppm AIB 4.2 100 ppm AVG＋200 ppm AIB 7.3 表１から明らかなように、AVGとAIBを混合して切り花に
処理することにより、それぞれ単独で処理するよりも高
い鮮度保持効果が得られた。
処理することにより、それぞれ単独で処理するよりも高
い鮮度保持効果が得られた。
【００１０】
【発明の効果】本発明によれば、切り花の鮮度を良好な
状態で長期に保つ鮮度保持剤を提供することができる。
状態で長期に保つ鮮度保持剤を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平７−500250（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A01N 3/02
Claims (1)
- 【請求項１】L-α-(2-アミノエトキシビニル）グリシン
と2ーアミノイソ酪酸とを有効成分として含有する切り花
の鮮度保持剤組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4043804A JP3047599B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 切り花の鮮度保持剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4043804A JP3047599B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 切り花の鮮度保持剤組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05238901A JPH05238901A (ja) | 1993-09-17 |
| JP3047599B2 true JP3047599B2 (ja) | 2000-05-29 |
Family
ID=12673936
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4043804A Expired - Fee Related JP3047599B2 (ja) | 1992-02-28 | 1992-02-28 | 切り花の鮮度保持剤組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3047599B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4728641B2 (ja) * | 2002-08-09 | 2011-07-20 | バレント バイオサイエンシス コーポレーション | エチレン阻害薬によるジャガイモ作物の早期定着の促進 |
| JP6457292B2 (ja) * | 2015-02-15 | 2019-01-23 | 株式会社ナールスコーポレーション | 植物の鮮度保持剤組成物、植物の育成促進剤組成物、植物、並びに、植物の製造方法及び植物の処理方法 |
-
1992
- 1992-02-28 JP JP4043804A patent/JP3047599B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05238901A (ja) | 1993-09-17 |
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