JPH04280945A - 粉末高速度工具鋼 - Google Patents
粉末高速度工具鋼Info
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- JPH04280945A JPH04280945A JP6409891A JP6409891A JPH04280945A JP H04280945 A JPH04280945 A JP H04280945A JP 6409891 A JP6409891 A JP 6409891A JP 6409891 A JP6409891 A JP 6409891A JP H04280945 A JPH04280945 A JP H04280945A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切削工具や圧造工具に
用いられ、特に高温における硬さと耐摩耗性が要求され
る高速使用条件下において、顕著に優れた耐摩耗性と同
時に高い靭性を有する粉末高速度工具鋼に関するもので
ある。
用いられ、特に高温における硬さと耐摩耗性が要求され
る高速使用条件下において、顕著に優れた耐摩耗性と同
時に高い靭性を有する粉末高速度工具鋼に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】切削工具、圧造工具に用いられる高速度
工具鋼は、高硬度で耐摩耗性が優れること、および靭性
に優れること、の2つの要求を満足することが望まれて
いる。溶製高速度工具鋼の靭性を向上させる方法として
は、Nb等の元素を微量添加し、結晶粒を微細化させて
靭性を向上する方法(例えば特開昭58−73753号
、同58−117863号等)、Nbと希土類元素を複
合添加することにより、Nbを主体としたMC型炭化物
を均一微細化する方法(特公昭61−896号)等種々
提案されている。
工具鋼は、高硬度で耐摩耗性が優れること、および靭性
に優れること、の2つの要求を満足することが望まれて
いる。溶製高速度工具鋼の靭性を向上させる方法として
は、Nb等の元素を微量添加し、結晶粒を微細化させて
靭性を向上する方法(例えば特開昭58−73753号
、同58−117863号等)、Nbと希土類元素を複
合添加することにより、Nbを主体としたMC型炭化物
を均一微細化する方法(特公昭61−896号)等種々
提案されている。
【0003】一方、耐摩耗性を向上させる方法としては
、炭化物を均一微細に分布させ、かつ結晶粒の微細化が
可能な粉末高速度工具鋼において、炭化物量を増大させ
る方法が最も一般的である。例えば、特公昭57−21
42号、特開昭55−148747号は、主にW当量を
高めることにより、W,Moを主体とするM6C型炭化
物量を増加させ、高硬度化により耐摩耗性の向上を図っ
たものである。また、粉末高速度工具鋼において、結晶
粒の微細化と、さらには、焼入温度を高めても結晶粒を
粗大化させないことを目的として、Nbを含有せしめる
ことが検討されている{Metall.Trans.1
9A(1988) P1395〜1401,特開平1−
212736号}。
、炭化物を均一微細に分布させ、かつ結晶粒の微細化が
可能な粉末高速度工具鋼において、炭化物量を増大させ
る方法が最も一般的である。例えば、特公昭57−21
42号、特開昭55−148747号は、主にW当量を
高めることにより、W,Moを主体とするM6C型炭化
物量を増加させ、高硬度化により耐摩耗性の向上を図っ
たものである。また、粉末高速度工具鋼において、結晶
粒の微細化と、さらには、焼入温度を高めても結晶粒を
粗大化させないことを目的として、Nbを含有せしめる
ことが検討されている{Metall.Trans.1
9A(1988) P1395〜1401,特開平1−
212736号}。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開昭5
8−73753号、同58−117863号の溶製高速
度工具鋼では、Nbを過度に添加すると、Nbを主体と
したNbCの粗大な炭化物を晶出し、W,Moを主体と
するM6C型炭化物も、凝固時に粗大な炭化物を晶出さ
せるために、結晶粒微細化による靭性向上効果が減殺さ
れ、かえって靭性が低下するといった問題点があった。 また、上記の粉末高速度工具鋼で、耐摩耗性を向上させ
る目的で、炭化物量の富化や工具の高硬度化が行なわれ
てきたが、靭性が低下してしまい、工具の折損や欠けが
問題となっていた。
8−73753号、同58−117863号の溶製高速
度工具鋼では、Nbを過度に添加すると、Nbを主体と
したNbCの粗大な炭化物を晶出し、W,Moを主体と
するM6C型炭化物も、凝固時に粗大な炭化物を晶出さ
せるために、結晶粒微細化による靭性向上効果が減殺さ
れ、かえって靭性が低下するといった問題点があった。 また、上記の粉末高速度工具鋼で、耐摩耗性を向上させ
る目的で、炭化物量の富化や工具の高硬度化が行なわれ
てきたが、靭性が低下してしまい、工具の折損や欠けが
問題となっていた。
【0005】また、前記特開昭55−148747号に
、Nbを添加した粉末高速度鋼が提案されているが、こ
の例ではNbをVの代替として添加し、硬質の炭化物を
形成することを主眼においたものである。さらに、Me
tall.Trans.19A(1988) P139
5〜P1401、特開昭1−212736号に開示され
る高速度工具鋼は、Nbを添加することにより、結晶粒
を粗大化せずに焼入温度を高めることを可能としている
が、本発明者の考えによると合金元素量、特にW当量が
低いために、苛酷な工具使用条件下では高温焼もどし軟
化抵抗が不十分で、また炭化物量も少ないため、耐摩耗
性も不十分である。
、Nbを添加した粉末高速度鋼が提案されているが、こ
の例ではNbをVの代替として添加し、硬質の炭化物を
形成することを主眼においたものである。さらに、Me
tall.Trans.19A(1988) P139
5〜P1401、特開昭1−212736号に開示され
る高速度工具鋼は、Nbを添加することにより、結晶粒
を粗大化せずに焼入温度を高めることを可能としている
が、本発明者の考えによると合金元素量、特にW当量が
低いために、苛酷な工具使用条件下では高温焼もどし軟
化抵抗が不十分で、また炭化物量も少ないため、耐摩耗
性も不十分である。
【0006】したがって、以上説明した従来の高速度工
具鋼は、高速化が要求されている近時の工具使用条件に
対応することが困難であった。そこで、本発明は工具使
用条件の高速化に対応できる高温焼もどし軟化抵抗特性
を顕著に高めるとともに、高耐摩耗性かつ高靭性の粉末
高速度工具鋼の提供を課題とする。
具鋼は、高速化が要求されている近時の工具使用条件に
対応することが困難であった。そこで、本発明は工具使
用条件の高速化に対応できる高温焼もどし軟化抵抗特性
を顕著に高めるとともに、高耐摩耗性かつ高靭性の粉末
高速度工具鋼の提供を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】近年、工具の使用条件が
高速化されるにつれ、工具の高硬度化が重要な要因とな
っている。本発明者も、実際にエンドミル等の工具を使
用して、工具寿命と材質要因との関係について解析した
結果、寿命向上には硬さ、特に工具使用中に、工具が高
温になるため、焼もどし軟化抵抗特性が最も重要である
ことを知見した。
高速化されるにつれ、工具の高硬度化が重要な要因とな
っている。本発明者も、実際にエンドミル等の工具を使
用して、工具寿命と材質要因との関係について解析した
結果、寿命向上には硬さ、特に工具使用中に、工具が高
温になるため、焼もどし軟化抵抗特性が最も重要である
ことを知見した。
【0008】本発明は、この知見を考慮してなされたも
ので、下記の2点を基本的な技術思想とするものである
。■焼もどし軟化抵抗を最大限に高めるために、化学成
分上、特に、W+2Mo、W/2MoおよびC−Ceq
を特定範囲内に規制することが有効であることを見出し
た。すなわち、W+2Mo量を増すことにより、硬い炭
化物を分散させ、マトリックス中に固溶する合金元素量
を増すことが有効である。さらに、Wの量を多くし、W
/2Mo≧1とすると、高い焼もどし硬さが得られ、高
Mo系の材料よりはより高い焼もどし軟化抵抗が得られ
る。 C量は他の炭化物形成元素量との兼ね合いで決める必要
があり、C−Ceqで調整される。高い焼もどし軟化抵
抗を得るためには、C−Ceqを規制し、マトリックス
中に固溶するC量を確保することが必要である。
ので、下記の2点を基本的な技術思想とするものである
。■焼もどし軟化抵抗を最大限に高めるために、化学成
分上、特に、W+2Mo、W/2MoおよびC−Ceq
を特定範囲内に規制することが有効であることを見出し
た。すなわち、W+2Mo量を増すことにより、硬い炭
化物を分散させ、マトリックス中に固溶する合金元素量
を増すことが有効である。さらに、Wの量を多くし、W
/2Mo≧1とすると、高い焼もどし硬さが得られ、高
Mo系の材料よりはより高い焼もどし軟化抵抗が得られ
る。 C量は他の炭化物形成元素量との兼ね合いで決める必要
があり、C−Ceqで調整される。高い焼もどし軟化抵
抗を得るためには、C−Ceqを規制し、マトリックス
中に固溶するC量を確保することが必要である。
【0009】■多くの合金元素をマトリックス中へ固溶
せしめんとして焼入温度を高くすると、結晶粒が粗大化
するが、これをNbを含有せしめ、かつそのNb/V比
を規制することにより、結晶粒の粗大化を防止し、微細
結晶粒を確保し、靭性の低下を防止する。NbはVと同
様MC炭化物を形成するが、結晶粒の粗大化を防止する
のに有効な1μm以下の微細NbCを形成するためには
、原子比でVよりも多いNbを含有しなければならない
。 重量比ではNb/Vが0.5以上必要である。
せしめんとして焼入温度を高くすると、結晶粒が粗大化
するが、これをNbを含有せしめ、かつそのNb/V比
を規制することにより、結晶粒の粗大化を防止し、微細
結晶粒を確保し、靭性の低下を防止する。NbはVと同
様MC炭化物を形成するが、結晶粒の粗大化を防止する
のに有効な1μm以下の微細NbCを形成するためには
、原子比でVよりも多いNbを含有しなければならない
。 重量比ではNb/Vが0.5以上必要である。
【0010】そして、これらは以下に示すような成分バ
ランスを満たして、はじめて上記の特性を満足できるこ
とを見い出した。本発明は、重量比でC 1.5%を越
え2.2%以下、Si≦1.0%、Mn≦0.6%、C
r 3.0〜6.0%、WまたはさらにMoをW+2M
oで 20〜30%かつ、W/2Mo≧1、V≦5.0
%、Nb 2.0〜7.0%、但しNb/V≧0.5、
Co 4.0〜15.0%、残部がFeおよび不可避的
不純物よりなり、C−Ceqが−0.15〜0.05(
Ceq=0.24+0.033・W+0.063・Mo
+0.2V+0.1・Nb)の関係を満たすことを特徴
とする粉末高速度工具鋼である。
ランスを満たして、はじめて上記の特性を満足できるこ
とを見い出した。本発明は、重量比でC 1.5%を越
え2.2%以下、Si≦1.0%、Mn≦0.6%、C
r 3.0〜6.0%、WまたはさらにMoをW+2M
oで 20〜30%かつ、W/2Mo≧1、V≦5.0
%、Nb 2.0〜7.0%、但しNb/V≧0.5、
Co 4.0〜15.0%、残部がFeおよび不可避的
不純物よりなり、C−Ceqが−0.15〜0.05(
Ceq=0.24+0.033・W+0.063・Mo
+0.2V+0.1・Nb)の関係を満たすことを特徴
とする粉末高速度工具鋼である。
【0011】
【作用】以下に成分の限定理由を説明する。Cは同時に
添加されるCr,W,Mo,V,Nbと硬い炭化物を形
成して耐摩耗性向上に寄与する。さらに、焼入時にマト
リックス中に固溶して焼もどし2次硬化を向上する作用
もある。しかし、多すぎるとマトリックス中に固溶する
炭素量が著しく増え靭性を低下させる。したがって、C
量はCr,W,Mo,V,Nb含有量との兼ね合いで決
める必要があり、本発明では1.5〜2.2%の範囲と
C−Ceqの値が−0.15〜0.05の関係を満足す
るようC量を調整する。この関係を満足させることによ
り、高い高温焼もどし軟化抵抗を得るための1条件が達
成される。
添加されるCr,W,Mo,V,Nbと硬い炭化物を形
成して耐摩耗性向上に寄与する。さらに、焼入時にマト
リックス中に固溶して焼もどし2次硬化を向上する作用
もある。しかし、多すぎるとマトリックス中に固溶する
炭素量が著しく増え靭性を低下させる。したがって、C
量はCr,W,Mo,V,Nb含有量との兼ね合いで決
める必要があり、本発明では1.5〜2.2%の範囲と
C−Ceqの値が−0.15〜0.05の関係を満足す
るようC量を調整する。この関係を満足させることによ
り、高い高温焼もどし軟化抵抗を得るための1条件が達
成される。
【0012】Si,Mnは脱酸剤として添加するが、多
量に添加すると靭性を害する等の問題があるので、Si
1.0%以下、Mn 0.6%以下に限定する。Cr
は焼入性を高め、また焼もどし2次硬化性を高める目的
で3〜6%添加する。3%より少ないと上記効果が少な
く、逆に6%より多いとCrを主体とするM23C6型
の炭化物が極端に増えて全体の靭性を害し、さらに焼も
どし時に炭化物の凝集を速め軟化抵抗を減ずる。
量に添加すると靭性を害する等の問題があるので、Si
1.0%以下、Mn 0.6%以下に限定する。Cr
は焼入性を高め、また焼もどし2次硬化性を高める目的
で3〜6%添加する。3%より少ないと上記効果が少な
く、逆に6%より多いとCrを主体とするM23C6型
の炭化物が極端に増えて全体の靭性を害し、さらに焼も
どし時に炭化物の凝集を速め軟化抵抗を減ずる。
【0013】本発明の目的である顕著な耐摩耗性を付与
するためには、硬い炭化物を多量に分散させ、しかもマ
トリックス硬度を高める必要がある。本発明で、W,M
o量は、上記の目的で重要な元素である。Wまたはさら
にMoをW+2Moで20〜 30%とする。20%よ
り少ないと上記効果が少ない。しかし、W+2Moが3
0%を越えると、連結した炭化物が急増し、マトリック
ス中に固溶する合金元素も極端に多くなって靭性の低下
が著しくなるので、WまたはさらにMoをW+2Moで
20〜30%とする。また、W/2Mo比を1以上に高
めることにより、本発明の特徴である焼もどし軟化抵抗
を著しく向上するための、他の1条件(1方はC−Ce
qの条件)を満たすことができる。
するためには、硬い炭化物を多量に分散させ、しかもマ
トリックス硬度を高める必要がある。本発明で、W,M
o量は、上記の目的で重要な元素である。Wまたはさら
にMoをW+2Moで20〜 30%とする。20%よ
り少ないと上記効果が少ない。しかし、W+2Moが3
0%を越えると、連結した炭化物が急増し、マトリック
ス中に固溶する合金元素も極端に多くなって靭性の低下
が著しくなるので、WまたはさらにMoをW+2Moで
20〜30%とする。また、W/2Mo比を1以上に高
めることにより、本発明の特徴である焼もどし軟化抵抗
を著しく向上するための、他の1条件(1方はC−Ce
qの条件)を満たすことができる。
【0014】Vもまた耐摩耗性を高めるのに有効な元素
である。耐摩耗性の目的からは、できるだけ多く含有さ
せたい。しかし、5%を越えると粗大なMC型炭化物が
晶出し易くなり、靭性や工具の被研削性を害するので、
5%以下とした。Nbは、本発明において最も重要な元
素の一つである。Nbを特定の成分範囲に限定すると、
耐摩耗性に有効な1〜5μmのNbを主体とした硬質の
炭化物と、1μm以下の微細な炭化物とが晶出する。本
発明者は、この微細なNbCが結晶粒成長を抑制し、焼
入温度を高めても結晶粒の粗大化を効果的に抑制する成
分範囲を見出した。この微細なNbCはNb量、Nb/
V比と密着に関係しておりNb量及びNb/V比が低い
と、微細なNbCがほとんど晶出しないため、Nb≧2
%およびNb/V≧0.5となるようNb量を調整した
。しかし、Nbが7%を越えると、極めて粗大なNbC
を晶出し、靭性や被研削性を害するので、7%以下とし
た。
である。耐摩耗性の目的からは、できるだけ多く含有さ
せたい。しかし、5%を越えると粗大なMC型炭化物が
晶出し易くなり、靭性や工具の被研削性を害するので、
5%以下とした。Nbは、本発明において最も重要な元
素の一つである。Nbを特定の成分範囲に限定すると、
耐摩耗性に有効な1〜5μmのNbを主体とした硬質の
炭化物と、1μm以下の微細な炭化物とが晶出する。本
発明者は、この微細なNbCが結晶粒成長を抑制し、焼
入温度を高めても結晶粒の粗大化を効果的に抑制する成
分範囲を見出した。この微細なNbCはNb量、Nb/
V比と密着に関係しておりNb量及びNb/V比が低い
と、微細なNbCがほとんど晶出しないため、Nb≧2
%およびNb/V≧0.5となるようNb量を調整した
。しかし、Nbが7%を越えると、極めて粗大なNbC
を晶出し、靭性や被研削性を害するので、7%以下とし
た。
【0015】Coは本発明の目的である軟化抵抗の向上
に極めて有効な元素である。マトリックス中に固溶し、
炭化物の析出および凝集を遅らせ、高温における硬さと
強度を著しく向上させる効果がある。しかし、Coが1
5.0%を越えると固溶によるCo単独相の晶出が生ず
ることにより靭性が低下するので15.0%以下とした
。
に極めて有効な元素である。マトリックス中に固溶し、
炭化物の析出および凝集を遅らせ、高温における硬さと
強度を著しく向上させる効果がある。しかし、Coが1
5.0%を越えると固溶によるCo単独相の晶出が生ず
ることにより靭性が低下するので15.0%以下とした
。
【0016】
【実施例】表1に窒素ガスアトマイズ粉末をHIP(熱
間静水圧プレス処理)する方法により作製した8種類の
実験材の化学組成を示す。それぞれの材料は、HIP後
、鍛伸により約16mm角とした棒鋼である。
間静水圧プレス処理)する方法により作製した8種類の
実験材の化学組成を示す。それぞれの材料は、HIP後
、鍛伸により約16mm角とした棒鋼である。
【0017】
【表1】
【0018】表2にこれら実験材の焼入、焼もどしの条
件とそれによる焼もどし後の硬さ、インターセプト法に
よる結晶粒度(焼入後)、650℃で1時間加熱保持後
、空冷した際の硬さ(焼もどし軟化抵抗)および、靭性
を評価するため上記鍛伸材より5φ×70 lの試験片
を採取し、前記と同様の熱処理を施した後、スパン50
lで曲げ試験を行った際の抗折力を示す。表2に示す
熱処理における焼入れは、結晶粒が粗にならない温度範
囲で、可能な限り高い温度(試料により1210℃また
は1250℃)で15分間のオーステナイト化を行なっ
た後、550℃の熱浴焼入を行なったものである。なお
、焼もどしは560℃×1時間の3回である。
件とそれによる焼もどし後の硬さ、インターセプト法に
よる結晶粒度(焼入後)、650℃で1時間加熱保持後
、空冷した際の硬さ(焼もどし軟化抵抗)および、靭性
を評価するため上記鍛伸材より5φ×70 lの試験片
を採取し、前記と同様の熱処理を施した後、スパン50
lで曲げ試験を行った際の抗折力を示す。表2に示す
熱処理における焼入れは、結晶粒が粗にならない温度範
囲で、可能な限り高い温度(試料により1210℃また
は1250℃)で15分間のオーステナイト化を行なっ
た後、550℃の熱浴焼入を行なったものである。なお
、焼もどしは560℃×1時間の3回である。
【0019】
【表2】
【0020】以下、各試料について詳細に説明を行なう
。No.5,6は比較鋼で、Coを含まないため、ある
いはW当量が低いために、焼入れ時にマトリックス中へ
固溶する合金元素量が不十分で、焼もどし軟化抵抗が低
い。 No.7は、Nbを添加していないために、焼入温度を
高めたときに、結晶粒が粗大化しやすい。そのため、焼
入温度の上限が1210℃程度で、この焼入温度では、
マトリックス中への合金元素の固溶が不十分で、焼もど
し軟化抵抗も低い。No.8は、C−Ceqで計算され
る△Cが多く、マトリックス中に過剰にCが固溶し、抗
折強度が著しく低下した。No.1〜4は、本発明鋼で
C量は、合金元素量のバランスが適当で、HRC65以
上の高い焼もどし軟化抵抗と、250kgf/mm2以
上の抗折強度が得られた。
。No.5,6は比較鋼で、Coを含まないため、ある
いはW当量が低いために、焼入れ時にマトリックス中へ
固溶する合金元素量が不十分で、焼もどし軟化抵抗が低
い。 No.7は、Nbを添加していないために、焼入温度を
高めたときに、結晶粒が粗大化しやすい。そのため、焼
入温度の上限が1210℃程度で、この焼入温度では、
マトリックス中への合金元素の固溶が不十分で、焼もど
し軟化抵抗も低い。No.8は、C−Ceqで計算され
る△Cが多く、マトリックス中に過剰にCが固溶し、抗
折強度が著しく低下した。No.1〜4は、本発明鋼で
C量は、合金元素量のバランスが適当で、HRC65以
上の高い焼もどし軟化抵抗と、250kgf/mm2以
上の抗折強度が得られた。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、従来不十分であった高
温での軟化抵抗特性を大幅に向上できるので高温での耐
摩耗性を顕著に改善し、かつ結晶粒が微細なままで、靭
性も従来と同等以上に高いため、工具の高速使用条件下
で、大幅な寿命向上が達成できる。
温での軟化抵抗特性を大幅に向上できるので高温での耐
摩耗性を顕著に改善し、かつ結晶粒が微細なままで、靭
性も従来と同等以上に高いため、工具の高速使用条件下
で、大幅な寿命向上が達成できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量比でC 1.5%を越え2.2%
以下、Si≦1.0%、Mn≦0.6%、Cr 3.0
〜6.0%、WまたはさらにMoをW+2Moで 20
〜30%かつ、W/2Mo≧1、V≦5.0%、Nb
2.0〜7.0%、但しNb/V≧0.5、Co 4.
0〜15.0%、残部がFeおよび不可避的不純物より
なり、C−Ceqが−0.15〜0.05(ただしCe
q=0.24+0.033・W+0.063・Mo+0
.2V+0.1・Nb)の関係を満たすことを特徴とす
る粉末高速度工具鋼。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6409891A JPH04280945A (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | 粉末高速度工具鋼 |
DE69117870T DE69117870T2 (de) | 1990-10-31 | 1991-10-24 | Durch Sintern von Pulver hergestellter Schnellarbeitsstahl und Verfahren zu seiner Herstellung |
EP91118165A EP0483668B1 (en) | 1990-10-31 | 1991-10-24 | High speed tool steel produced by sintering powder and method of producing same |
US07/784,587 US5252119A (en) | 1990-10-31 | 1991-10-29 | High speed tool steel produced by sintering powder and method of producing same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6409891A JPH04280945A (ja) | 1991-03-05 | 1991-03-05 | 粉末高速度工具鋼 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04280945A true JPH04280945A (ja) | 1992-10-06 |
Family
ID=13248263
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6409891A Pending JPH04280945A (ja) | 1990-10-31 | 1991-03-05 | 粉末高速度工具鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04280945A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009504922A (ja) * | 2005-08-18 | 2009-02-05 | エラスティール クロスター アクチボラグ | 粉末冶金製造された鋼、その鋼を含む工具、およびその工具の製造方法 |
-
1991
- 1991-03-05 JP JP6409891A patent/JPH04280945A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009504922A (ja) * | 2005-08-18 | 2009-02-05 | エラスティール クロスター アクチボラグ | 粉末冶金製造された鋼、その鋼を含む工具、およびその工具の製造方法 |
KR101333740B1 (ko) * | 2005-08-18 | 2013-11-28 | 에라스텔 클로스터 악티에볼락 | 분말 야금학적으로 제조된 스틸, 상기 스틸을 포함하는공구 및 상기 공구의 제조 방법 |
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