JPH04280920A - 伸線用鋼線材の製造装置 - Google Patents

伸線用鋼線材の製造装置

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JPH04280920A
JPH04280920A JP4024791A JP4024791A JPH04280920A JP H04280920 A JPH04280920 A JP H04280920A JP 4024791 A JP4024791 A JP 4024791A JP 4024791 A JP4024791 A JP 4024791A JP H04280920 A JPH04280920 A JP H04280920A
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JP
Japan
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steel wire
wire rod
cooling
heating
wire drawing
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JP4024791A
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English (en)
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Masatake Tomita
富田 正威
Takashi Tsukamoto
塚本 孝
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伸線用鋼線材、特にコ
ードワイヤー用の伸線用鋼線材の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、一般にタイヤその他に用いら
れるコードワイヤ、ビードワイヤは、直径 0.2mm
前後の高炭素鋼製フィラメント、つまりコードワイヤを
撚って得たストランドで、現状ではフィラメントの強度
は320kgf/mm2前後のものが多い。
【0003】コードワイヤーの従来の製造方法とそれに
よって得られる特性は次の通りである。従来法の製造工
程を示す。
【0004】
【数1】
【0005】最終鉛パテンティング (LP) 工程で
は、約 900℃に加熱後、最終パテンテイング処理と
して、 600℃前後の鉛浴に浸漬して引張強度TSを
125kgf/mm2とした伸線用鋼線材を得、この伸
線用鋼線材に酸洗およびメッキを行った後伸線すること
により、引張強度TSが320kgf/mm2程度のフ
ィラメントを得ていた。この製造工程および製造条件に
おいては、伸線加工度εは 3.2程度が限界であり、
これをさらに上げて強度を高めようとしても延性が低下
して断線してしまうため、伸線加工度εを上げることは
不可能であった。
【0006】本発明者らは、特開平2−19444 号
公報により、最終パテンティング処理後の引張強度TS
を115kgf/mm2前後に調整して伸線性を向上さ
せる方法を提案したが、この方法でも伸線加工度εは 
4.5程度が限界であり、得られる引張強度TSも38
0kgf/mm2程度であった。
【0007】本発明者らは、特開昭64−15322 
号公報により、最終パテンティング処理の代わりに加工
熱処理を行い、パーライトブロックサイズを6〜7μm
 程度に微細化して伸線性を向上させることにより、4
00kgf/mm2クラスの引張強度を有する伸線用鋼
線材を提供する方法を提案したが、この方法ではその実
施に際して、加工後に再びオーステナイト域へ加熱し、
次いで徐冷するという再結晶化処理を行う必要があり、
安定した微細化が達成されないことがあるとともに、工
程数が増加して所要時間が延長してしまうため、製造コ
ストの上昇を免れなかった。しかも、高加工度域への加
工を行うため、伸線後の絞りが30%台と低く、その後
のコードワイヤーへの撚り線加工で断線等が起こり易く
、安定性に欠けていた。
【0008】特公昭57−19168 号公報には、同
じく炭素鋼の加工熱処理による強靱化法が提案されてい
るが、この方法により得られる伸線用鋼線材は、直径が
 4.0〜13.0mm程度のものであり、最終伸線を
行うことなく熱処理ままの状態で使用する鋼材である。 その加工熱処理も、比較的低温域 ( 450℃以下、
Ms点以上) での準安定オーステナイト組織に10〜
40%の減面率で加工を加え、その後恒温熱処理して微
細なフェライトとセメンタイトとからなる組織を得てい
る。この場合、加工熱処理による微細化といってもラメ
ラ間隔の微細化であって、前述のようなパーライトブロ
ックサイズの微細化については何ら言及することがなく
、また得られる強度も200kgf/mm2以下である
【0009】この他、素線のC含有量を例えば 1.0
重量%以上というように高くして伸線前の強度を高める
ことが考えられるが、初析セメンタイトの影響で伸線性
が劣化するため、得られる強度はやはり向上せず、むし
ろ低下してしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、今日、自動
車の高速走行時における走行安定性の向上の観点からタ
イヤに要求される仕様が一層厳しくなっており、それに
伴いタイヤのスチールコードの高張力化が求められてい
る。したがって、例えばコードワイヤーに対しても、伸
線後の機械的特性として、引張強度:400kgf/m
m2以上、絞り:40%以上が要求されるようになって
きた。
【0011】通常、フィラメントの強度は、素材である
高炭素鋼線材を伸線して細線化する過程で徐々に高めら
れていくものであるが、従来の共析成分を有する直径が
1〜2mmの伸線用鋼線材をパテンティング処理してか
ら伸線しても、前述のように、伸線加工度εは 3.2
程度しか得られず、到達強度も320kgf/mm2程
度が限界であった。
【0012】また、伸線前の組織を粗めに調整して加工
限界を高める方法や、本発明者らが特開昭64−153
22 号公報により提案した方法のように、加工熱処理
によって結晶粒径 (パーライトブロック) を微細化
して伸線性を向上させる方法では、いずれもその後に行
う伸線によって400kgf/mm2以上の強度と40
%以上の延性とをともに有するフィラメントを製造する
ことはできない。
【0013】したがって、本発明の一般的目的は、例え
ば上述のような今日求められているコードワイヤを製造
することができる伸線用鋼線材の製造装置を提供するこ
とである。本発明の具体的目的は、伸線後強度が 40
0kgf/mm2 以上であって、かつ絞りが40%以
上のフィラメントの製造を可能にする、例えばコードワ
イヤーへの適用を可能にする伸線用鋼線材の製造装置を
提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、400kg
f/mm2以上の強度と40%以上の延性とを有するフ
ィラメントを製造することができる手段を種々検討した
ところ、■伸線前TS:115kgf/mm2を目標に
するとともに、■最終伸線の前に加工熱処理を施し、パ
ーライトブロックサイズが 5.0μm 以下、好まし
くは 1.0μm 以下の微細パーライト組織とするこ
とにより、伸線性が向上することを知り、この微細パー
ライト組織を簡便な手段でもって得るための加工熱処理
条件を詳細に比較検討した。
【0015】その結果、本発明者らは、従来は、パーラ
イトブロックサイズを小さくするために加工後オーステ
ナイト領域への加熱によって再結晶処理を行い、次いで
オーステナイト域からの徐冷によってパーライト変態を
行うことが必要であると考えられていたが、加工条件を
加工時にコントロールすることができれば恒温変態を行
ってパーライト化を図るだけで十分にパーライトブロッ
クサイズを微小化することができることを知り、先に特
願平2−34525 号により、「炭素: 0.7 〜
0.9重量%含有する鋼線材を、最終伸線前のパテンテ
ィング処理においてAc3 点以上のオーステナイト域
温度に加熱してから、恒温変態曲線におけるパーライト
変態開始温度を切らない範囲の冷却速度で、 Ae1点
以下500 ℃以上の温度範囲に冷却し、この温度域で
加工度20%以上の塑性加工を行い、次いでオーステナ
イト域に加熱することなくパーライト変態させることを
特徴とする伸線用鋼線材の製造方法」を提案した。
【0016】そして、本発明者は、前記の製造方法を実
施するための具体的手段についてさらに検討を重ねた結
果、前記塑性加工は、圧延機による圧延または温間ダイ
スによる引き抜きによって行っているが、前記鋼線材の
オーステナイト域から加工温度域までの冷却および加工
を、加熱装置、冷却装置、ローラーダイスおよび捲取機
を連続的に備えた装置を用いて行うことが生産性の低下
を防ぐとともに、より一層の伸線性の向上を図るという
観点から好ましいことを知見して、本発明を完成した。
【0017】ここに、本発明の要旨とするところは、炭
素含有量が 0.7〜0.9 重量%である伸線用鋼線
材の製造装置であって、最終伸線前のパテンティング処
理を行うための (i) 前記炭素含有量と同じ炭素含有量の鋼線材を 
Ac3点以上のオーステナイト域に加熱する加熱手段と
、(ii) 前記鋼線材を恒温変態曲線におけるパーラ
イト変態開始温度を切らない範囲の冷却速度で Ae1
点以下 500℃以上の温度範囲に冷却する冷却手段と
を有し、さらに(iii) 前記温度範囲で、前記鋼線
材に加工度:20%以上の塑性加工を行うローラーダイ
スと、 (iv) オーステナイト域に加熱することなくパーラ
イト変態させる恒温保持手段とを上流側からこの順に有
することを特徴とする伸線用鋼線材の製造装置である。
【0018】なお、本明細書において、最終伸線前の伸
線用鋼線材は「伸線用鋼線材」あるいは「素線」または
「母線」などと称するが、「伸線鋼線材」は最終伸線後
の鋼線材をいう。
【0019】
【作用】本発明者らが先に特願平2−34525 号に
より提案した伸線用鋼線材の製造方法を実施することが
できる、本発明にかかる伸線用鋼線材の製造装置 (以
下、単に「本発明装置」という) を添付図面を参照し
て更に詳細に説明する。
【0020】本発明装置が対象とする伸線用鋼線材は、
炭素を 0.7〜0.9 重量%含有する鋼線材である
【0021】炭素は、鋼線の強度を確保するのに必要な
元素である。その下限値を0.7 重量%としたのは、
これより少ない含有量では目標とする400kgf/m
m2以上の強度が得られないためである。また上限値を
0.9 重量%としたのは、これを超えると初析セメン
タイトの影響で、伸線性が悪くなり、強度がかえって低
下するためである。
【0022】その他、必要によりSiおよびMnさらに
PおよびSの各含有量を適宜限定してもよい。例えば、
C:0.70〜0.90重量%、Si: 0.15〜1
.20重量%、Mn: 0.30〜0.90重量%、P
:0.01重量%以下、S:0.002 重量%以下の
組成が例示される。図1は、本発明装置の一例を示す略
式説明図であり、図2は本発明装置で製造される伸線用
鋼線材のヒートパターンの一例を、その中心部および表
面部について示すグラフである。
【0023】本発明装置は、図1に示すように、加熱装
置1、冷却装置2、ローラーダイス3および巻取機4を
上流からこの順に有し、さらに加熱装置1の出口側、ロ
ーラーダイス3の入口側および出口側には、それぞれ伸
線用鋼線材wの測温装置5が設けられている。これらの
測温装置5の測温データは、一般にはマイクロコンピュ
ーターから構成される制御装置6に入力され、制御装置
6により、加熱装置1の加熱温度、冷却装置2による冷
却速度、ローラーダイス3による加工度等の最適製造条
件が決定・制御され、一般的には冷却水調整弁である冷
却水調整装置7によってローラーダイス3の温度調整を
行うための冷却水量も調整されるように構成されている
【0024】加熱装置1は、慣用の加熱装置であればよ
く何ら限定を要するものではない。例えば、誘導加熱方
式の加熱炉を例示することができる。冷却装置2も、慣
用の冷却装置であればよく何ら限定を要するものではな
い。例えば、水噴射ノズルを複数並べて構成した冷却装
置でよい。
【0025】ローラーダイス3も、特定の型式のものに
限定する必要はなく、例えば孔型が対を成す複数のロー
ルスタンドから構成されており、コンパクトに配置され
た水平、垂直のロールスタンドを有するローラーダイス
であればよい。それぞれのロールの孔型は、口唇状オー
バル形状 (楕円形) 、ラウンド形状 (円形) に
切ってある。巻取機4によって伸線用鋼線材wは張力を
受け、ローラーダイス3の出側張力が伸線用鋼線材の抗
張力以上になると断線が生じるため、ローラーダイス3
も駆動して出側張力を低下させることができるように構
成してもよい。
【0026】ローラーダイス3は、その温度調整を行う
ことができるように構成することが、特願平2−345
25 号により提案した伸線用鋼線材の製造方法を実施
するためには重要であり、ローラーダイス3の内部に適
宜冷却水流路を設けて、制御装置6により制御される冷
却水調整装置7により、冷却水量を制御して、温度調整
を行うことが望ましい。以上の構成を有する本発明装置
により行う伸線用鋼線材の■加熱工程、■冷却工程、■
塑性加工工程、■恒温保持および巻取工程を説明する。
【0027】■加熱工程 図1に示すように、伸線用鋼線材wを加熱装置1の紙面
上の左側にあたるEから送り込み、この加熱装置1で 
Ac3点以上のオーステナイト域に加熱する。最終伸線
前のパテンティング処理において、加熱温度を Ac3
点以上のオーステナイト域の温度に加熱するのは、オー
ステナイト域より低い温度での加熱では前工程での予備
伸線における内部欠陥が十分回復せずに延性が不足する
ためである。しかし、余り高い温度では結晶粒 (オー
ステナイト粒) が粗大化してその後の加工熱処理にお
いても十分微細化できなくなるため、(Ac3点+50
) ℃〜(Ac3点+200)℃の範囲に制限するのが
好ましい。なお、通常の伸線用鋼線材では、この温度範
囲は 850〜950 ℃である。
【0028】この際に、本発明装置では、加熱装置1の
出口側に設けられた測温装置5により測定された伸線用
鋼線材wの温度測定値が制御装置6に送られ、制御装置
6により、加熱装置1の最適な設定値が決定され、加熱
装置1の加熱温度はこの最適値に制御される。
【0029】■冷却工程 伸線用鋼線材wは、このようにして加熱装置1によりオ
ーステナイト化域にまで加熱された後、冷却装置2によ
り、恒温変態曲線におけるパーライト変態開始温度を切
らない範囲の冷却速度で Ae1点以下500 ℃以上
の加工温度にまで急冷される。この際に、本発明装置で
は、加熱装置1の入口側および出口側のそれぞれに設け
られた測温装置5、5の温度測定値が制御装置6に送ら
れ、制御装置6により、前記冷却速度の範囲および前記
加工温度の範囲を満足するように、冷却装置2による冷
却速度が制御される。
【0030】前記加工温度まで冷却する際の冷却速度は
、恒温変態曲線のパーライト変態開始線を切らない範囲
の冷却速度であればよく、特に限定されない。これは加
工完了まではパーライト変態を起こさせないためであり
、パーライト変態を生じると目的とする強度上昇が図れ
ず、また上記温度範囲を外れて塑性加工を行っても微細
化を実現することはできず、また余り低いとマルテンサ
イトを生成する恐れがあるからである。前記範囲を満足
する冷却速度である限り、前述のオーステナイト組織は
過冷オーステナイトとしてそのまま保存される。
【0031】パーライト変態を起こさせない冷却速度は
、一般には、170 ℃/秒以上、通常は190 ℃/
 秒以上であれば十分である。しかし、余り遅い冷却速
度では冷却に時間が掛かり過ぎ、その結果、加工前に過
冷オーステナイト中に、炭化物の析出が始まり、加工性
を阻害するため200℃/秒以上とすることが好ましい
。前記加工温度は、 500℃以上 Ae1点以下であ
れば何ら制限はない。加工に先立ってパーライト変態あ
るいはマルテンサイト変態が生じなければ何ら制限はな
いのである。しかし、500 ℃を下回る低い温度では
伸線性が低下し、一方余り高い温度ではパーライト組織
が粗くなり過ぎ、十分な強度が得られなくなる。
【0032】■塑性加工工程 このようにして、 Ae1点以下 500℃以上の加工
温度にまで急冷された伸線用鋼線材wは、ローラーダイ
ス3により、20%以上好ましくは40%以上の伸線加
工度の塑性加工を受ける。この際に、本発明装置では、
塑性加工機3の入口側および出口側に設けられた測温装
置5、5の温度測定値が制御装置6に送られ、前記加工
温度を維持するためのローラーダイス3の冷却水量を冷
却水制御装置7を介して、最適な量に制御する。
【0033】前述のように、急冷して得た過冷オーステ
ナイト、つまり未変態オーステナイトは塑性加工するこ
とによりオーステナイト粒が展伸粒となるとともにパー
ライトの生成核が粒界および粒内に導入される。この生
成核の数の多い程、後続の恒温変態でパーライトのブロ
ックサイズは微細化される。なお、導入される生成核は
、加工温度Tcが低い程、さらに加工度Rdが大きい程
、増える傾向を示す。
【0034】過冷オーステナイトを塑性加工する際の臨
界加工度を前述の如くに限定したのは、20%未満では
、限界加工度は 4.0前後であり350kgf/mm
2前後の強度しか得られず、目標の400kgf/mm
2以上を達成できないからである。つまり、臨界加工度
が20%未満では導入する生成核の数が十分でないため
結晶粒 (パーライトブロックサイズ) が、5.0 
μm 以下にならないためである。さらに、臨界加工度
を40%以上とすることにより、パーライトブロックサ
イズは 1.0μm 以下とすることができる。
【0035】本発明装置においては、ローラーダイス3
を用いて塑性加工を行うことにより、■ダイスの摩擦の
低減、■減面率の向上、■硬さ上昇が少ないことに起因
した、伸線加工度の上昇を図ることができる。なお、加
工温度は、 600±50℃とすることが好ましい。こ
の範囲外では、伸線前の強度が115kgf/mm2前
後から外れ、伸線性もしくは伸線後の到達強度が低下す
ることがあるためである。
【0036】また、本発明装置において何ら限定はされ
ないが、オーステナイト加工時の加工の歪速度は、好ま
しくは1.0s−1(1/秒)以上とする。歪速度を1
.0s−1(1/秒)以上とすることで、伸線時の限界
加工度が 4.8以上、伸線後の到達強度も410kg
f/mm2以上、絞りも45%以上と改善できる。
【0037】■恒温保持および巻取工程過冷オーステナ
イトの塑性加工後、本発明ではオーステナイト域への加
熱・再結晶化を行うことなく、そのまま恒温保持してパ
ーライト変態させる。通常これは、溶融鉛または空気中
でのパテンティング処理によって行えばよい。これまで
の工程は、いずれも過冷オーステナイト領域での処理で
あったが、この段階では恒温変態によってパーライト変
態を起こす。生成するパーライトブロックの数で最終的
に形成されるパーライト粒径が決まる。 すなわち、生成する数は上述の第二段階で導入された生
成核の数に比例する。前述の各展伸オーステナイト粒が
生成核に応じたパーライト粒に分割されるのである。
【0038】このときオーステナイト域への再加熱を行
うと、工程数が多くなるばかりか、その間にオーステナ
イト粒の成長が起こり、その後徐冷によるパーライト変
態を行っても冷却に時間を要するばかりでなく十分安定
した微細化は実現できない。一方、塑性加工後急冷する
とベーナイトの生成が起こり、変態組織の中に低温変態
組織が混在し、その後の伸線工程での伸線加工性が劣化
してしまい、所期の目的達成はできない。そして、本発
明装置では、捲取機4により、伸線用鋼線材wが捲き取
られる。
【0039】かくして、本発明装置によれば、図2に示
すようなヒートサイクルにより伸線用鋼線材wを処理す
ることが可能である。すなわち、オーステナイト域温度
に加熱してから恒温変態曲線におけるパーライト変態開
始温度領域を切らない範囲の冷却速度で500 ℃以上
Ac1 点以下の温度範囲に冷却し、ローラーダイスに
より、この温度域で加工度20%以上の塑性加工を行い
、次いでオーステナイト域に加熱することなくパーライ
ト変態させることが可能である。
【0040】このようにして得られた伸線用鋼線材は、
好ましくはTSが115kgf/mm2に調整される。 伸線に先立って、必要に応じて、慣用の酸洗、潤滑処理
が行われる。 伸線工程は特に制限されず、これも慣用の手段で行えば
よい。このようにして、本発明装置により、伸線後強度
が400kgf/mm2 以上であって、かつ絞りが4
0%以上のフィラメントの製造を可能にする、例えばコ
ードワイヤーへの適用を可能にする伸線用鋼線材を製造
することが可能となる。次に、本発明を実施例に基づい
てさらに具体的に説明する。
【0041】
【実施例】表1に示す組成を有する鋼を、真空溶解炉に
より溶製 200kg溶製し、熱間圧延を行うことによ
って直径 5.5mmの線材とした後、従来から用いて
いる慣用の伸線装置によって伸線を行い、直径:3.0
mm とした。
【0042】
【表1】
【0043】次に、このようにして得られた鋼線を伸線
用鋼線材として、表2に示す加熱条件で図1に示す装置
によって、前述の特願平2−34525 号により提案
した方法を実施した。処理および加工条件は、以下の通
りである。加熱装置1によってAc3 点以上の温度域
である950 ℃に加熱してから冷却装置2に送り、パ
ーライト変態を起こすことなく、190 ℃/sec 
で急冷し、次いでローラーダイス3によって減面率40
%の塑性加工を加え、該塑性加工を行った後、オーステ
ナイト域に再加熱することなく、恒温保持してパーライ
ト変態を行わせた。このようにして、得られた伸線用鋼
線材の特性を、表2に示す。最終伸線後の伸線鋼線材は
、TS=410kgf/mm2、RA =40%であっ
た。
【0044】
【表2】
【0045】表2において、従来例は、加工熱処理を行
わずに、オーステナイト域まで加熱後直ちに鉛浴炉中に
浸漬してパテンティング処理を行った例であり、比較例
は、本発明装置を適用せず、変態点以下に適冷されたオ
ーステナイトを圧延機で加工し、その後オーステナイト
域に加熱することなくパーライト変態させた例である。
【0046】表2からも明らかなように、従来例および
比較例に較べて本発明例によって処理したものは、パテ
ンティング材として延性および伸線性に優れていること
が判明した。特に、比較例と本発明例とを較べると、オ
ーステナイト加工中の温度を特願平2−34525 号
により規定した範囲とすることの効果が大きいことが分
かる。
【0047】
【発明の効果】以上詳述してきたように、本発明により
、直径0.2 mmクラスでTS=410kgf/mm
2であってRA≧40%という高強度・高延性の伸線鋼
線材が得られコードワイヤーの高張力化、さらにはタイ
ヤの性能向上が可能となる。かかる効果を有する本発明
の意義は極めて著しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の構成の一例を示す略式説明図であ
る。
【図2】図1に示す本発明装置を用いた場合の伸線用鋼
線材のヒートパターンの一例を、その中心部と表面部と
について示すグラフである。
【符号の説明】
1:加熱装置 2:冷却装置 3:ローラーダイス 4:捲取機 5:測温装置 6:制御装置 7:冷却水制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  炭素含有量が 0.7〜0.9 重量
    %である伸線用鋼線材の製造装置であって、最終伸線前
    のパテンティング処理を行うための (i) 前記炭素含有量と同じ炭素含有量の鋼線材を 
    Ac3点以上のオーステナイト域に加熱する加熱手段と
    、(ii) 前記鋼線材を恒温変態曲線におけるパーラ
    イト変態開始温度を切らない範囲の冷却速度で Ae1
    点以下 500℃以上の温度範囲に冷却する冷却手段と
    を有し、さらに(iii) 前記温度範囲で、前記鋼線
    材に加工度:20%以上の塑性加工を行うローラーダイ
    スと、 (iv) オーステナイト域に加熱することなくパーラ
    イト変態させる恒温保持手段とを上流側からこの順に有
    することを特徴とする伸線用鋼線材の製造装置。
JP4024791A 1991-03-06 1991-03-06 伸線用鋼線材の製造装置 Withdrawn JPH04280920A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7354493B2 (en) * 2002-06-06 2008-04-08 Le Four Industriel Belge Method and device for patenting steel wires
JP2010065274A (ja) * 2008-09-10 2010-03-25 Bridgestone Corp 高炭素鋼線材のパテンティング方法
ES2365462A1 (es) * 2010-03-24 2011-10-06 Automat Industrial S.L. Procedimiento y dispositivo para el patentado de alambre por transferencia de calor por radiación-convección.

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