JPH04279555A - 新規β−グルクロニダーゼ阻害物質7−ヒドロキシベナノマイシノン及びその製造法 - Google Patents

新規β−グルクロニダーゼ阻害物質7−ヒドロキシベナノマイシノン及びその製造法

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JPH04279555A
JPH04279555A JP3038645A JP3864591A JPH04279555A JP H04279555 A JPH04279555 A JP H04279555A JP 3038645 A JP3038645 A JP 3038645A JP 3864591 A JP3864591 A JP 3864591A JP H04279555 A JPH04279555 A JP H04279555A
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JP
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hydroxybenanomycinone
medium
growth
glucuronidase
compound
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JP3038645A
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English (en)
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Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Masa Hamada
雅 浜田
Shinichi Kondo
信一 近藤
Kazumichi Uotani
和道 魚谷
Satoshi Imai
敏 今井
Satoshi Miyagawa
聡 宮川
Shuichi Gomi
修一 五味
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Microbial Chemistry Research Foundation
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はβ−グルクロニダーゼ阻
害活性をもつ新規物質である7−ヒドロキシベナノマイ
シノンならびにその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明によるβ−グルクロニダーゼ阻害
物質である7−ヒドロキシベナノマイシノンと構造上類
似する化合物のうち微生物代謝産物としては、本発明者
らによって発見されたベナノマイシンAおよびB(特開
平1−121293号)、ベナノマイシンC(特開平2
−83351号)、ベナノマイシノン〔「J. Ant
ibiotics」41巻,1019頁(1988)〕
、デキシロシルベナノマイシンB(特開平1−1686
94号)、デキシロシルベナノマイシンA(特開平1−
248143号)、2′−デメチルベナノマイシンAが
あり、沖らのプラディマイシン群抗生物質〔Sawad
aら:「J.Antibiotics」43巻,136
7頁(1990)〕、その他SF−2446〔Take
daら:「J. Antibiotics」41巻,4
17頁(1988)〕、KS−619−1〔Matsu
da ら:「J. Antibiotics」40巻,
1104頁(1987)〕、G−2NおよびG−2A〔
Gerberら:「Canad. J. Chem.」
62巻,2818頁(1984)〕などが知られている
。しかし、7−ヒドロキシベナノマイシノンはこれら既
知の物質とは理化学的および生物学的性状が異なり、明
確に区別される。ベナノマイシンA、B、デキシロシル
ベナノマイシンA、Bおよび2′−デメチルベナノマイ
シンAは有効な抗かび活性および抗ウイルス活性を示し
、ベナノマイシンCはα−グルコシターゼを阻害する。 しかし、本発明の7−ヒドロキシベナノマイシンは抗か
び活性およびα−グルコシターゼ阻害活性を示さない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】β−グルクロニダーゼ
を阻害する物質は抗ウイルス活性、癌転移抑制作用など
を示す可能性があるとして最近注目を集めているところ
であり、新規なβ−グルクロニダーゼ阻害物質の出現が
要望されている。
【0004】本発明の目的は新規なβ−グルクロニダー
ゼ阻害物質である7−ヒドロキシベナノマイシノンなら
びにその製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アクチノ
マジュラ・スパジックスMH193−16F4株の培養
液中にβ−グルクロニダーゼ阻害活性をもつ物質が存在
することを認め、この物質を単離・精製することに成功
した。そして、その物質の化学構造を確定して、この物
質が7−ヒドロキシベナノマイシノンと命名できる新規
な化合物であることを認めた。
【0006】第1の本発明の要旨とするところは、次式
【0007】
【0008】で表わされる新規なβ−グルクロニダーゼ
阻害物質7−ヒドロキシベナノマイシノン及びその塩に
ある。
【0009】1.7−ヒドロキシベナノマイシノンの理
化学的性状を列記すると次の通りである。
【0010】 (1)色および形状:暗紫色粉末 (2)分子式:C28H23NO12 (3)マススペクトル(FD−MS):m/z  56
5(M+ ) (4)融点:>220℃ (5)比旋光度:〔α〕  測定不可能(c  0.0
5,DMSO) (6)紫外、可視部吸収スペクトル(λmax ,nm
(ε)) 〔MeOH〕;282(24400), 517(14
800)〔0.1N  HCl−MeOH〕;236(
28500), 286(22500), 511(1
4400) 〔0.1N NaOH−MeOH〕;252(2700
0), 327(7800), 564(16200) (7)赤外部吸収スペクトル(KBr)(cm−1) 
:3420, 3260, 2950, 2320, 
1730, 1635, 1600, 1450, 1
390,1320, 1245, 1205, 117
0, 1140, 1065, 1035, 990,
 960, 865,780(8) 1H −NMRス
ペクトル(400MHz,DMSO−d6 ) δ(ppm) :1.38(3H, d), 2.33
(3H, s),3.95(3H, s), 4.43
(1H, dq),4.51(1H, d), 5.0
9(1H, d), 6.83(1H, s), 6.
91(1H, d),7.33(1H, d), 8.
50(1H, d), 8.78(1H, br), 
12.22(1H, s),12.70(1H, s)
, 14.55(1H, br)(9)13C−NMR
スペクトル(100MHz,DMSO−d6 ) δ(ppm) :187.9s, 186.2s, 1
74.0s, 167.1s, 166.1s, 16
4.4s,155.5d,154.3s,152.1s
,139.9s, 138.0s,137.6s,13
4.6s, 132.8s,127.7s, 123.
7s, 115.1s, 112.4s, 110.9
s, 110.1s, 107.4d,71.0d, 
62.8d, 56.4q, 18.7q, 16.9
q (10)溶解性:水、メタノール、アセトンにわずかに
溶け、ジメチルスルホキシド、アルカリ水に良く溶ける
。 (11)塩基性、酸性、中性の区別:酸性物質7−ヒド
ロキシベナノマイシノンの塩としては、金属塩特にナト
リウム塩の如きアルカリ金属塩、カルシウム塩の如きア
ルカリ土類金属塩があり、更にアミンとの塩などがある
【0011】2.7−ヒドロキシベナノマイシンのβ−
グルクロニダーゼ阻害活性 後記の試験例1により測定した7−ヒドロキシベナノマ
イシノンのβ−グルクロニダーゼに対する50%阻害濃
度(IC50)は72μg/mlであった。
【0012】試験例1 基質としてフェノールフタレインβ−D−グルクロニド
を用い、β−グルクロニダーゼ(ウシ肝臓、シグマ社製
、米国)に対する阻害活性は下記の測定法により求めた
【0013】β−グルクロニダーゼを1mg/ml含有
する0.1M酢酸緩衝液(pH5.0)5μl,1mM
フェノールフタレインβ−D−グルクロニドの同緩衝溶
液95μlおよび7−ヒドロキシベナノマイシノンのジ
メチルスルホキシド溶液2μlを混合し、37℃で30
分間反応させた後1M炭酸ナトリウム水溶液100μl
を加えて反応を停止させた。その後反応液の540nm
における吸光度を測定して阻害率を求めた。また50%
阻害濃度は7−ヒドロキシベナノマイシノンの濃度を変
えて測定した阻害率より算定した。
【0014】3.7−ヒドロキシベナノマイシノンの抗
かび活性 本発明による7−ヒドロキシベナノマイシノンの各種か
びに対する最小発育阻止濃度を、下記の試験菌を用いて
100μg/mlの濃度で測定したところ、抗かび活性
を示さなかった。
【0015】 Candida tropicalis F−1Can
dida pseudotropicalis F−2
Candida albicans 3147Cand
ida Yu−1200 Candida Krusei F−5Sacchar
omyces cerevisiae F−7Cryp
tococcus neoformans F−10C
ochliobolus miyabeanusPyr
icularia oryzaePellicular
ia sasakiiAspergillus fum
igatus F−181Aspergillus n
iger F−16Trichophyton ast
eroides 429Trichophyton m
entagrophytes(883)。
【0016】本発明の7−ヒドロキシベナノマイシノン
はβ−グルクロニダーゼ阻害活性をもち、抗ウイルス剤
及び癌転移抑制剤として有用である。
【0017】第2の本発明の要旨とするところは、放線
菌に属する7−ヒドロキシベナノマイシノン生産菌を培
養し、その培養物から7−ヒドロキシベナノマイシノン
を採取することを特徴とする7−ヒドロキシベナノマイ
シノンの製造法にある。
【0018】本発明の方法で使用できる7−ヒドロキシ
ベナノマイシノン生産菌の一例としては、下記に記載す
る放線菌MH193−16F4株がある。本放線菌は他
の放線菌に属する菌株の場合に見られるように、その性
状が変化しやすく、紫外線、エックス線、ニトロプグア
ニジンなどの変異剤などによる人工的変異手段によって
も変異しうるものであって、いかなる変異株も7−ヒド
ロキシベナノマイシノンの生産能を有する放線菌に属す
る菌株はすべて本発明に使用することができる。
【0019】(イ)MH193−16F4株の菌学的性
状 この生産菌は昭和59年3月、微生物化学研究所におい
て当研究所構内の土壌より分離された放線菌(Acti
nomycete)でMH193−16F4の菌株番号
が付された。この菌株の菌学的性質は次の通りである。
【0020】〔1〕形  態 MH193−16F4株は、顕微鏡下で分枝した基中菌
糸より気菌糸を形成する。基中菌糸の分断は認められな
い。気菌糸の着生はISP−培地2、ISP−培地3で
見られる程度であり、胞子形成はISP−培地3で通常
27℃で培養後18日目頃より観察される。気菌糸には
輪生枝、らせん形成及び胞子のう形成は認められず、気
菌糸にほぼ垂直に短い胞子柄を生じ、その先端に通常3
−7個、稀に2個の胞子の連鎖がみられる。なお胞子鎖
がループ状を呈することもある。個々の胞子は円柱状(
0.8×1.0−1.2μm)〜球状(0.8−1.2
μm)を示し、胞子表面は平滑である。
【0021】〔2〕各種培地における生育状態色の記載
について〔  〕内に示す標準は、コンティナー・コー
ポレーション・オブ・アメリカのカラー・ハーモニー・
マニュアル(Container Corporati
on ofAmericaの Color Harmo
ny Manual)を用いた。
【0022】(1)シュクロース・硝酸塩寒天培地(2
7℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。ビタミンB群補強培地では発育は無色〜ピンク灰
〔5ec, Dusty Peach〕、気菌糸は着生
せず、溶解性色素はわずかに赤味をおびる程度である。
【0023】(2)グルコース・アスパラギン寒天培地
(27℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。ビタミンB群補強培地では、発育は無色〜うすピ
ンク〔4gc,Nude Tan〕、気菌糸は着生せず
、溶解性色素は赤味をおびる。
【0024】(3)グリセリン・アスパラギン寒天培地
(ISP−培地5、27℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。ビタミンB群補強培地では、灰味赤紫〔8g,R
ose Mauve〕〜にぶ赤紫〔8e,Rose W
ine 〕の発育上に、わずかにうっすらと白の気菌糸
を着生し、にぶ赤紫〔8pc,Cranberry 〕
の溶解性色素を生産する。
【0025】(4)スターチ・無機塩寒天培地(ISP
−培地4、27℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。ビタミンB群補強培地では、溶解性色素がわずか
に赤味をおびる。
【0026】(5)チロシン寒天培地(ISP−培地7
、27℃培養) 発育は無色〜うす黄茶〔3ic,Lt Amber〕、
気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められない。ビタミ
ンB群補強培地では、発育は無色〜灰味赤紫、気菌糸は
着生せず、溶解性色素はわずかに赤味をおびる。
【0027】(6)栄養寒天培地(27℃培養)発育は
うす黄〔2gc,Bamboo〕、気菌糸は着生せず、
溶解性色素も認められない。ビタミンB群補強培地の場
合も同様の性状を示した。
【0028】(7)イースト・麦芽寒天培地(ISP−
培地2、27℃培養) うす黄〔2ec,Biscuit 〕〜暗い赤〔7pi
,DK Wine−71/2 pe,Dk Red〕〜
灰味赤〔7pg,Wine〕の発育上に、培養後14日
目頃より灰白の気菌糸を着生する。にぶ赤〔6 1/2
 pe ,Tomato Red〕の溶解性色素は、培
養初期に発育の周辺のみにみられるが、次第に拡散する
。発育の色素、溶解性色素ともにHClでだいだいに変
色し、NaOHでは変化はみられない。ビタミンB群補
強培地でも同様の性状である。
【0029】(8)オートミール寒天培地(ISP−培
地3、27℃培養) うすピンク〔4gc,Nude Tan〕〜灰味赤〔6
e, Cedar 〕〜暗い赤〔7pe,Cherry
 Wine 〕〜紫味灰〔8ig,Mauve Gra
y〕の発育上に、培養後10日目頃よりうっすらと灰白
〔3cd,Sand〕の気菌糸を着生する。溶解性色素
は赤味をおびる程度である。発育の色、溶解性色素とも
にHClでだいだいに変色し、NaOHでは変化はみら
れない。ビタミンB群補強培地でも同様の性状を示した
【0030】(9)グリセリン・硝酸塩寒天培地(27
℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。ビタミンB群補強培地でも同様の性状である。
【0031】(10)スターチ寒天培地(27℃培養)
発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。ビタミンB群補強培地では、発育は無色、気菌糸
は着生せず、溶解性色素はわずかに赤味をおびる程度で
ある。
【0032】(11)リンゴ酸石灰寒天培地(27℃培
養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素はわずかに
赤味をおびる程度である。ビタミンB群補強培地では、
発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められ
ない。
【0033】(12)セルロース(ろ紙片添加合成液、
27℃培養) 生育は認められない。
【0034】(13)ゼラチン穿刺培養15%単純ゼラ
チン培地(20℃培養)、グルコース・ペプトン・ゼラ
チン培地(27℃培養)ともに生育が貧弱で、発育は無
色、気菌糸は着生せず、溶解性色素も認められない。
【0035】(14)脱脂牛乳(37℃培養)生育は極
めて貧弱であり、発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解
性色素も認められない。
【0036】〔3〕生理的性質 (1)生育温度範囲 スターチ・イースト寒天(可溶性でんぷん1.0%、イ
ースト・エキス0.2%、紐寒天3.0%、pH 7.
0)を用い、20℃、24℃、27℃、30℃、37℃
、50℃の各温度で試験の結果、50℃を除いてそのい
ずれの温度でも生育したが、最適生育温度は27℃〜3
7℃付近と思われる。
【0037】(2)ゼラチンの液化(15%単純ゼラチ
ン培地、20℃培養;グルコース・ペプトン・ゼラチン
培地、27℃培養) 単純ゼラチン培地、グルコース・ペプトン・ゼラチン培
地ともに培養後3カ月間観察したが、液化を認めなかっ
た。
【0038】(3)スターチの加水分解(スターチ・無
機塩寒天培地およびスターチ寒天培地、いずれも27℃
培養) スターチ・無機塩寒天培地、スターチ寒天培地ともに水
解性は認められない。 (4)脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳、37℃
培養) 生育が貧弱であり、培養後3カ月間の観察では凝固・ペ
プトン化ともに認められなかった。
【0039】(5)メラニン様色素の生成(トリプトン
・イースト・ブロス、ISP−培地1;ペプトン・イー
スト・鉄寒天、ISP−培地6;チロシン寒天、ISP
−培地7;いずれも27℃培養) いずれの培地でも陰性であった。
【0040】(6)炭素源の利用性(プリドハム・ゴト
リーブ寒天培地、ISP−培地9、27℃培養)グルコ
ース、L−アラビノース、D−キシロース、D−フラク
トース、シュクロース、ラムノース、ラフィノース、D
−マンニトールを利用して発育し、イノシトールを利用
しない。
【0041】(7)リンゴ酸石灰の溶解(リンゴ酸石灰
寒天、27℃培養) 陰性である。
【0042】(8)硝酸塩の還元反応(0.1%硝酸カ
リウム含有ペプトン水、ISP−培地8、27℃培養)
陽性である。
【0043】(9)セルロースの分解(ろ紙片添加合成
液、27℃培養) 生育しない。
【0044】以上の性状を要約すると、MH193−1
6F4株は気菌糸の主軸にほぼ垂直に、3−7個(稀に
2個)の胞子からなる胞子連鎖を形成し、輪生枝、らせ
ん形成および胞子のう形成は観察されない。また、基中
菌糸の分断はみられない。胞子表面は平滑である。IS
P−培地2、ISP−培地3の2種の培地で灰味赤〜暗
い赤の発育上に灰白の気菌糸をうっすらと形成する。な
お、斜面培地(イースト・エキス0.2%、可溶性でん
ぷん1.0%、紐寒天3.0%、pH7.0)に継代す
ると、わずかなピンクの気菌糸を着生することがある。 また、ISP−培地2でにぶ赤の溶解性色素を産生する
。その他種々の培地では発育は無色、気菌糸は着生せず
、溶解性色素もほとんど認められない。しかし、培地に
ビタミンB群を添加することにより発育が良好となり、
発育が赤くなる培地がある。発育の色および溶解性色素
ともにHClで赤からだいだいに変色し、NaOHでは
変化はみられない。メラニン様色素の生成および蛋白分
解力、スターチの水解性はいずれも陰性であり、硝酸塩
の還元反応は陽性である。また、ビタミンB群補強培地
で生育が良好となる場合があり、ビタミン要求性をもつ
ことが考えられる。ところでMH193−16F4株は
菌体成分として全菌体中にメソ・ジアミノピメリン酸、
および糖成分としてグルコース、リボース、マジュロー
スを含み、リシバリエら(Lechevalier e
t al, International Journ
al of Systematic Bacterio
logy, 20巻,435頁,1970)の提唱する
細胞壁の主要構成成分のタイプ IIIBを示した。ま
たリン脂質のタイプはPIV型(ホスファチジル・エタ
ノールアミンおよび未知のグルコサミン含有リン脂質を
含み、ホスファチジル・グリセロールを含まない)、メ
ナキノンの組成はMK−9(H8 )を主成分とし、M
K−9(H6 ),MK−9(H4 ),MK−9(H
2 ),MK−9(H10)、DNAのGC含量は71
.5%であった。なお、菌体のガスクロマトグラフィー
による分析の結果、イソ分枝脂肪酸(i−16:0)、
アンテイソ分枝脂肪酸(a−17:0)、10メチル脂
肪酸(10Me−17:0) を特徴的に含むことがわ
かった。
【0045】既知の放線菌で胞子連鎖を有し、細胞壁タ
イプ IIIBを示すものは、アクチノマジュラ(Ac
tinomadura)、ミクロビスポラ(Micro
bispora)、ミクロテトラスポラ(Microt
etraspora)の3属である。MH193−16
F4株と上記の3属の特徴を表1及び表1(続)に示し
た。表中メナキノンの*は主成分として含まれることを
示す。
【0046】
【表1】
【0047】〔表1〕(続)
【0048】
【0049】引用文献は次の通りである。
【0050】1)放線菌の同定実験法,日本放線菌研究
会編,1985年 2) J. Poschnerら: DNA−DNA 
Reassociation and Chemota
xonomic Studieson Actinom
adura, Microbispora, Micr
otetraspora, Micropolyspo
raand Nocardiopsis. Syste
matic and Applied  Microb
iology, 6巻,264−270頁,1985年 3)A. Fischerら: Molecular−
genetic and Chemotaxonomi
c Studies onActinomadura 
and Nocardiopsis. Journal
 of General Microbiology,
 129巻,3433−3446頁,1983年 4)Thiemannら:A New Genus o
f the Actinomycetales:Mic
rotetraspora gen.nov.. Jo
urnal of General Microbio
logy,50巻,295−303頁,1968年5)
野々村ら:土壌中における放線菌の分布(第11報)A
ctinomadura Lechevalier e
t al. 属の数新種。発酵工学会誌49巻, 90
4−912頁,1971年。
【0051】表1に示されるように、MH193−16
F4株がすんなりと該当する属は見当たらない。これら
の属は極めて微妙に変遷しており、バージイズ・マニュ
アル(Bergey’s Manual of Det
erminative Bacteriology) 
の次版にどのように掲載されるかが期待されている。た
だしアクチノマジュラ属には多くの種が記載されており
、性状にも広い幅があるが、その中のアクチノマジュラ
・スパジックス (Actinomadura spa
dix)とは形態、菌体の脂肪酸組成およびメナキノン
組成にかなりの類似点が見いだされる(前記1),3)
,5)の文献)。更に、比較検討したところ、このMH
193−16F4株は、アクチノマジュラ・スパジック
スの一菌株であると認められた。
【0052】なお、MH193−16F4株は工業技術
院微生物工業技術研究所に寄託申請し、昭和62年8月
21日に微工研条寄第9529号として受託された。さ
らに、昭和63年(1988年)9月13日ブダペスト
条約の規約により国際寄託され微工研条寄第2051号
(FERM  BP−2051)の受託番号が付された
。   (ロ)7−ヒドロキシベナノマイシノン生産菌のア
クチノマジュラ・スパジックスMH193−16F4株
の培養法 本発明の7−ヒドロキシベナノマイシノンの製造法にお
いては7−ヒドロキシベナノマイシノン生産株を通常の
微生物培養に使用されている栄養物を含有する培地で培
養する。栄養源としては通常の微生物培養に利用されて
いる公知のものが使用できる。例えば炭素源としては、
グルコース、澱粉、グリセリン、シュークロース、水飴
、糖蜜等があげられる。これらは単独あるいは組み合わ
せて用いられる。また窒素源としては、大豆粉、小麦胚
芽、肉エキス、ペプトン、乾燥酵母、コーンスティープ
リカー、硫酸アンモニア、硝酸アンモニアなどが単独あ
るいは組み合わせて用いられる。その他必要に応じて炭
酸ナトリウム、食塩、塩化カリウム、燐酸塩等の無機塩
類を添加することができる。培養法としては液体培養法
、特に深部培養法が最も適している。培養は好気的条件
下で行われ培養に適した温度は25〜35℃であるが2
8〜32℃が更に好ましい。培養日数は4〜9日が適当
であり5〜7日が更に好ましい。
【0053】(ハ)7−ヒドロキシベナノマイシノンの
精製法 7−ヒドロキシベナノマイシノンの培養物からの採取に
あたっては、その性状を利用した通常の分離手段、例え
ば溶剤抽出法、イオン交換樹脂法、吸着または分配クロ
マト法、ゲルろ過法、透析法、沈澱法等を単独でまたは
適宜組み合わせて抽出精製することができる。例えば7
−ヒドロキシベナノマイシノンは培養菌体中からはアセ
トン−水またはメタノール−水で抽出される。培養液中
に蓄積された7−ヒドロキシベナノマイシノンは合成吸
着剤であるダイヤイオンHP−20(三菱化成社製)等
に吸着される。またpHを3程度まで下げると7−ヒド
ロキシベナノマイシノンは水溶液から沈澱する。7−ヒ
ドロキシベナノマイシノンを更に精製するにはシリカゲ
ル(ワコーゲルC−300,和光純薬工業社製)、セフ
ァデックスLH−20(ファルマシア社製)、逆相シリ
カゲル(コスモシール75C18−OPN,ナカライテ
スク社製)等を用いるクロマトグラフィーを行うとよい
【0054】このようにして培養物中に生産された7−
ヒドロキシベナノマイシノンは遊離の形、すなわち7−
ヒドロキシベナノマイシノンそれ自体として分離するこ
とができ、また7−ヒドロキシベナノマイシノンを含有
する溶液またはその濃縮液を塩基、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、水酸化
カルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属
化合物、アンモニウム塩等のような無機塩基、エタノー
ルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン
等の有機塩基により各工程の操作中例えば抽出、分離ま
たは精製の各工程の操作中に処理した場合、7−ヒドロ
キシベナノマイシノンは対応するその塩類の形に変化し
分離される。また、別に、このようにして製造された7
−ヒドロキシベナノマイシノンの塩類は常法により遊離
の形、7−ヒドロキシベナノマイシノンそれ自体に変化
させることができる。更に遊離の形で得られた7−ヒド
ロキシベナノマイシノンを前記の塩基により常法で対応
するその塩類に変化させてもよい。従って7−ヒドロキ
シベナノマイシノンと同様に前記のようなその塩類も、
この発明の範囲内に包含されるものとする。
【0055】以下に本発明の7−ヒドロキシベナノマイ
シノンの製造について実施例を示すが7−ヒドロキシベ
ナノマイシノンの性状が本発明によって明らかにされた
ので、それらの性状に基づき7−ヒドロキシベナノマイ
シノンの製造法を種々考案することができる。従って本
発明は実施例に限定されるものでなく、実施例の修飾手
段は勿論、本発明によって明らかにされた7−ヒドロキ
シベナノマイシノンの性状に基づいて公知の手段を施し
て7−ヒドロキシベナノマイシノンを生産、濃縮、精製
する方法をすべて包括する。
【0056】実施例1 アクチノマジュラ・スパジックスMH193−16F4
株(微工研条寄第2051号)を前培養培地(可溶性澱
粉2.0%,ポリペプトン1.0%,肉エキス0.3%
,K2 HPO4 0.05%,pH7.0)に接種し
た。これを28℃で24時間振とう培養し、更に可溶性
澱粉1.0%,大豆粉3.0%(pH6.2)からなる
培養培地80mlに継代して28℃で48時間培養した
ものをジャーファーメンター(明治エンジニアリング社
製,3.0L容量,2.0L仕込み)の種母とした。ジ
ャーファーメンターではグリセリン2.0%,大豆粉1
.5%,KH2 PO4 0.1%,K2 HPO4 
0.025%,塩化コバルト0.0005%(pH6.
8)の組成の生産培地に植菌し30℃で通気かくはん培
養(通気0.5vvm,24時間後1.0vvm,ペラ
回転数650rpm)を行った。培養中のpH6.0〜
7.0にコントロールするのが望ましい。150時間培
養後、培養液を遠心分離して菌体を除去し上清液約1.
5Lを得た。
【0057】この上清液中の活性物質は1N塩酸を用い
てpH3.0に調整することにより紫色の沈澱として得
られた。この沈澱物をろ取し減圧下乾燥すると、主とし
て7−ヒドロキシベナノマイシノンをふくむ暗紫色粉末
(134mg)が得られた。この粗粉末を少量のアルカ
リ水に溶解し、水で充填したコスモシール75C18−
OPN(350ml)のカラムにかけ、メタノールを含
む水で展開した。活性物質のみを含む分画84〜176
(1分画20ml)を集め、1N塩酸でpH3.0に調
整することにより紫色の沈澱を得た。この沈澱物をろ取
し40℃で減圧下乾燥することにより高純度の7−ヒド
ロキシベナノマイシノンが暗紫色粉末として得られた。
【0058】β−グルクロニダーゼに対する7−ヒドロ
キシベナノマイシノンの50%阻害濃度は72μg/m
lであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】7−ヒドロキシベナノマイシノンのメタノール
中(20μg/ml,曲線A)、0.1N塩酸メタノー
ル中(20μg/ml,曲線B)および0.1N水酸化
ナトリウム−メタノール中(20μg/ml,曲線C)
での紫外部および可視部吸収スペクトルを示す。
【図2】7−ヒドロキシベナノマイシノンの臭化カリウ
ム錠での赤外部吸収スペクトルを示す。
【図3】7−ヒドロキシベナノマイシノンの重ジメチル
スルホキシド溶液中での400MHz水素核核磁気共鳴
スペクトルを示す。
【図4】7−ヒドロキシベナノマイシノンの重ジメチル
スルホキシド溶液中での100MHz炭素核核磁気共鳴
スペクトルを示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  次式(I) で表わされるβ−グルクロニダーゼ阻害物質7−ヒドロ
    キシベナノマイシノンおよびその塩。
  2. 【請求項2】  放線菌に属する7−ヒドロキシベナノ
    マイシノン生産菌を培養し、その培養物から7−ヒドロ
    キシベナノマイシノンを採取することを特徴とする7−
    ヒドロキシベナノマイシノンの製造法。
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