JPH04276499A - 樹脂化粧板を形成するためのエンボスシート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、化粧板、特に樹脂を含
浸したコアー紙、パターン紙等の材料によって形成され
る樹脂化粧板に対して、その成形時に表面に対して所定
の凹凸模様を賦型するためのエンボスシートに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】樹脂化粧板は、その樹脂の耐水性、硬度
性等を利用して、キッチン、オフィス等の家具の表面を
化粧するために使用されるものであるが、例えば特開昭
５９−１２０４５０号公報等において示されているよう
に、熱硬化性樹脂を含浸してプリプレグ化したコアー紙
、パターン紙、必要によりオーバレイ紙を所定枚数積層
して、これを所定の温度と圧力によりプレスして一体化
したものである。このような樹脂化粧板に対しては、そ
の表面の光沢を消したり、あるいは肌触りを良好にした
りするため等の理由によって、凹凸模様（エンボスメン
ト）を表面に施すことが行われている。この凹凸模様を
施すために使用されているのがエンボスシートと呼ばれ
ているものである。

【０００３】エンボスシートは、その表面に凹凸模様を
有していて、この凹凸模様を樹脂化粧板の表面に賦型さ
せるものであるが、その形態としては紙を使用して構成
したエンボスペーパーと、金属板を使用して構成した賦
型板とに大きく分けることができる。エンボスペーパー
は、一般に耐熱性のある厚紙を水蒸気で膨潤させ、これ
を加熱されたエンボスロールにて加熱加圧することによ
りこれに凹凸模様を賦型して、その表面側にシリコン系
等の離型剤を塗布して乾燥することにより製造されるも
のである。このようなエンボスペーパーにおいては、上
記のように製造されることから、製造それ自体が容易で
ある半面、図５の（イ）及び（ロ）に示すように、エン
ボスペーパー全体が凹凸模様になっているため裏面も凹
凸であり、ペーパーの厚みによりその凹凸模様の深さ及
びシャープさ等に限界がある。また、深い凹凸模様がで
きても、樹脂化粧板をプレスにて成型するとエンボスペ
ーパー自身がプレス圧力で変形してしまい、エンボスペ
ーパーが有している凹凸模様そのものを樹脂化粧板の表
面に表現することができない。所謂シャープな凹凸模様
や深い凹凸模様を賦型することには限界があり、またそ
の賦型作用の耐久性も小さいのである。これに対して、
金属板を使用した賦型板は、その凹凸模様をシャープな
ものとすることができて賦型作用を比較的持続すること
ができる半面、コストが高い。

【０００４】そこで、本発明者等は、シャープな凹凸模
様や深い意匠性のある質感を有した模様を賦型すること
ができて、しかも製造をも容易に行うことのできるエン
ボスシートとするにはどうしたらよいかについて種々検
討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な実状に鑑みてなされたもので、その解決しようとする
課題は、エンボスシートにおける意匠性及び賦型性の向
上と、製造容易性との同時達成である。

【０００６】そして、本発明の目的とするところは、シ
ャープな凹凸模様や深い意匠性のある質感を有した模様
を有して十分かつ耐久性のある賦型性を有するとともに
、比較的安価かつ容易に製造することができ、しかもそ
の取り扱いを容易にする十分な柔軟性を有したエンボス
シートを簡単な構造によって提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上のような課題を解決
するために、本発明の採った手段は、実施例において使
用する符号を付して説明すると、「連続したまたは単葉
に切断したシート状のコアー紙１１と、このコアー紙１
１に一体化されて樹脂化粧板２０の表面に凹凸模様を賦
型するための凹凸１３を有した樹脂層１２とにより構成
したことを特徴とする樹脂化粧板２０を形成するための
エンボスシート１０」である。

【０００８】

【発明の作用】以上のように構成した本発明に係るエン
ボスシート１０においては、図１及び図２に示すように
、その樹脂層１２の表面に樹脂化粧板２０の凹凸模様を
賦型するための多数の凹凸１３を有したものとなってお
り、これらの凹凸１３の反対側の樹脂層１２はコアー紙
１１によって言わば裏打ちされたものとなっているので
ある。

【０００９】このエンボスシート１０を構成している樹
脂層１２は、以下の実施例において例示するように、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルあるいはメ
ラミンを材料とするものであるが、その表面に形成して
ある凹凸１３は耐久性のあるものとなっている。すなわ
ち、このエンボスシート１０において重要な要素である
凹凸１３は、これを形造っているのが樹脂層１２である
から、少なくとも従来のエンボスシートに比較すれば、
この樹脂層１２が有している耐久性に従って耐久性のあ
るものとなっているのである。また、このエンボスシー
ト１０における凹凸１３は、樹脂層１２によって形造ら
れているのであるから、例えば従来のエンボスペーパー
であればその凹凸の深さは、プレス圧力下でのへたりを
考慮すると、せいぜい２０〜３０μｍ程度のものとしか
できなかったのであるが、本発明に係るエンボスシート
１０においては、図２の（イ）及び（ロ）にて示したよ
うに、その凹凸１３の深さが５０〜８０μｍ程度のもの
にまでになっている。また凹凸模様のシャープさにおい
てもペーパー自身の凹凸模様であるため丸味がありかつ
細かい模様ができなかったが、本発明に係るエンボスシ
ート１０においては、凹凸模様が樹脂層で構成されてい
ることにより、１μｍまでの細かい模様も表現できるの
である。このため、本発明のエンボスシート１０によれ
ば、樹脂化粧板２０に形成すべき凹凸模様を所謂シャー
プなものまたは深いものとし得るものであり、エンボス
メントとして有効な細密で、尚かつ浅いものから深いも
のまで意匠性の高いものを形成し得るものとなっている
のである。

【００１０】また、このような凹凸１３を形造っている
樹脂層１２は、前述したようにその裏面をコアー紙１１
によって裏打ちされているのであるから、当該エンボス
シート１０を図４のようなバッチ成形機４０において使
用する場合は勿論のこと、図３に示すような連続成形機
３０のロール３１に巻回しあるいは巻取りながら使用す
るに際して、このコアー紙１１の有している柔軟性と引
張り強度によって十分保護されたものとなっているので
ある。従って、このエンボスシート１０は、長尺状のも
のとして連続成形機３０において使用する場合の追随性
や耐久性を十分備えたものとなっているとともに、単葉
のものとしてバッチ成形機４０において使用する場合に
も、その取り扱いのため柔軟性や作業上必要なある程度
の剛性が十分なものとなっているのである。勿論、この
コアー紙１１は、多数の紙繊維を絡ませて形成したもの
であるから、これに樹脂層１２を一体化する際にこの樹
脂層１２の一部が各紙繊維間に浸み込むのであり、これ
により、エンボスシート１０として完成されたときには
、樹脂層１２の一部がコアー紙１１内に入ってコアー紙
１１に対する樹脂層１２の一体化が強固なものとなって
いるのである。

【００１１】さらに、このエンボスシート１０の凹凸１
３は、樹脂層１２を構成している樹脂材料が露出するこ
とにより構成されているのであるから、この樹脂材料そ
のものの有する離型性によって、エンボス加工の終了し
た樹脂化粧板２０からのエンボスシート１０の剥離を容
易なものとしているのである。勿論、このエンボスシー
ト１０の離型性は、後述の実施例において例示するよう
に、各凹凸１３を離型被膜１４によって被覆することに
より、一層十分なものとなる。

【００１２】

【実施例】次に、本発明に係るエンボスシート１０につ
いて、図面に示した実施例を参照して説明する。

【００１３】（実施例１）図１には、本発明の実施例１
に係るエンボスシート１０の部分拡大断面図が示してあ
り、このエンボスシート１０は、コアー紙１１に一体化
した樹脂層１２の表面に多数の凹凸１３を形成したもの
である。コアー紙１１としては種々なものを適用するこ
とができるが、樹脂層１２を一体化する際の樹脂層１２
のためのアンカー効果を有するとともに、所定の柔軟性
及び引張り強度を有したものである。また、本実施例に
係るエンボスシート１０においては、このエンボスシー
ト１０を図３に示したような加熱加圧機３３に架けて、
樹脂化粧板２０を連続的に形成するようにするために、
これを構成しているコアー紙１１としては連続した長尺
材を採用しているものである。

【００１４】以上のようなコアー紙１１に対して、溶融
させたポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂、あ
るいはアセトン・トルエン等の溶媒に溶かしたポリエス
テルやメラミン等の合成樹脂を塗布するとともに、これ
を凹凸１３に対応する凹凸模様を表面に付した図示しな
い凹凸ロールによって圧接することにより、コアー紙１
１上に樹脂層１２を一体化するとともにこの樹脂層１２
の表面に凹凸１３を連続的に形成したのである。本実施
例における凹凸１３の深さは、平均６０μｍであった。

【００１５】以上のように構成したエンボスシート１０
は、図３に示した連続成形機３０に架けて樹脂化粧板２
０を連続成形するために使用される。連続成形機３０は
、一対の駆動ロール間に掛装したステンレス等の耐熱材
料からなる一対のベルト３２を有しているものであり、
これらのベルト３２間に樹脂化粧板２０となるべき材料
とエンボスシート１０とを重ねて搬入し、各ベルト３２
内に配置した加熱加圧機３３を互いに近接させることに
より、樹脂化粧板２０となるべき材料にエンボスシート
１０を圧着しながら、必要な樹脂化粧板２０を連続的に
成形するものである。この連続成形機３０においては、
使用後のエンボスシート１０は図示しないロールに巻き
取られるのであり、そしてこのエンボスシート１０は同
様に再使用されるのであり、本発明に係るエンボスシー
ト１０はこの再使用回数が２０回であった。

【００１６】（実施例２）図２には、本発明の実施例２
に係るエンボスシート１０の部分拡大断面図が示してあ
り、このエンボスシート１０はその凹凸１３の表面に離
型被膜１４を有していること、及びこれを単葉のものと
して図４に示したバッチ成形機４０において使用される
こと以外は、上記実施例に係るエンボスシート１０の構
成と略同様である。

【００１７】すなわち、本実施例に係るエンボスシート
１０においては、樹脂層１２の凹凸１３を形成した表面
に、シリコン系樹脂あるいはフッ素系樹脂を塗布するこ
とにより形成した離型被膜１４が形成してあるが、この
離型被膜１４の厚さとしては約１０μｍ程度のものとし
て、各凹凸１３のシャープさを損なわないようにしたも
のである。勿論、この離型被膜１４は、樹脂化粧板２０
を構成するための材料であるプリプレグ化した樹脂に対
する十分な離型性を有しているものであり、完成後の樹
脂化粧板２０からの当該エンボスシート１０の剥離を容
易にするものである。

【００１８】そして、このエンボスシート１０は、バッ
チ成形機４０において使用されるものであり、そのため
に、単葉のものとして形成してある。すなわち、バッチ
成形機４０は、樹脂化粧板２０となるべき材料と、各単
葉のエンボスシート１０とを交互に多数積み重ねて、そ
の全体を加熱加圧して大量の樹脂化粧板２０を同時に成
形するものであり、そのために本実施例におけるエンボ
スシート１０は単葉のものとしたのである。なお、この
バッチ成形機４０を採用する場合には、単葉に形成した
樹脂化粧板２０となるべき材料及びエンボスシート１０
を順次積み重ねていく作業を要するものであるが、この
作業中において、各エンボスシート１０が樹脂層１２を
コアー紙１１によって裏打ちしたものとして構成したか
ら、例えば吸着装置によってコアー紙１１側を吸引する
ようにすることによって、各凹凸１３に損傷を与えない
ようにし得るものである。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述した通り、本発明においては、
表面に凹凸１３を形成した樹脂層１２をコアー紙１１に
一体化したことにその構成上の特徴があり、これにより
、シャープな凹凸模様や深さも浅いものから深いものま
で意匠性のある凹凸模様を有して十分かつ耐久性のある
賦型性を有するとともに、比較的安価かつ容易に製造す
ることができ、しかもその取り扱いを容易にする十分な
柔軟性を有したエンボスシートを簡単な構造によって提
供することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１に係るエンボスシートの部分
拡大断面図である。

【図２】本発明の実施例２に係るエンボスシートの部分
拡大断面図である。

【図３】連続状のエンボスシートを使用する連続成形機
の概略斜視図である。

【図４】単葉のエンボスシートを使用するバッチ成形機
の概略正面図である。

【図５】従来のエンボスペーパーを示す部分拡大断面図
である。

【符号の説明】

１０　　エンボスシート １１　　コアー紙 １２　　樹脂層 １３　　凹凸 １４　　離型被膜 ２０　　樹脂化粧板 ３０　　連続成形機 ４０　　バッチ成形機

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　連続したまたは単葉に切断したシート
   状のコアー紙と、このコアー紙に一体化されて樹脂化粧
   板の表面に凹凸模様を賦型するための凹凸を有した樹脂
   層とにより構成したことを特徴とする樹脂化粧板を形成
   するためのエンボスシート。