JPH04276485A - 多色感熱記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、多色感熱記録方法に関
し、更に詳しくは色のにじみがない画面枠を形成する方
法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のカラー感熱記録材料としては、例
えば特開昭６１ー２１３１６９号公報に記載されている
ように、支持体上にマゼンタ感熱発色層，シアン感熱発
色層，イエロー感熱発色層を順次層設して、多色画像を
直接に熱記録するものが知られている。このカラー感熱
記録材料は、表面の感熱発色層から順に熱記録を行うが
、次の感熱発色層に熱記録する際に、その上にある熱記
録済みの感熱発色層が再度熱記録されないようにするた
め、熱記録後に個々の感熱発色層に特有な波長域の電磁
波を照射して発色能力を失わせている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記多色感熱記録では
、イエロー画像，マゼンタ画像，シアン画像がカラー感
熱記録材料の記録エリアに順次記録され、減色法混色に
よって多色画像を構成する。そして、記録エリアの外側
は、感熱発色層に用いられるジアゾニウム塩化合物によ
り黄色になっているが、熱記録後に残ったジアゾニウム
塩化合物が光分解されて白枠又は画面枠となる。しかし
、３種類の画像にずれがあると、画面枠の部分に画像が
入り込むから、色のにじみが発生して画面の縁がはっき
りしなくなる。本発明は、画面枠に色のにじみを生じる
ことがない多色感熱記録方法を提供することを目的とす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、画面枠の部分に電磁波を照射して、この
部分の発色能力をなくしてから、画面枠の内側である記
録エリアに多色画像を熱記録するようにしたものである
。本発明は、定着によって画面枠を予め形成しておき、
この画面枠の内側の記録エリアに多色画像を記録するこ
とを特徴とするものであるから、画面の縁がくっきりし
た多色画像を記録することができる。

【０００５】

【実施例】図１及び図２において、プラテンドラム１０
は、その外周にシート状をしたカラー感熱記録材料１１
を保持し、熱記録時にパルスモータ（図示せず）によっ
て回転される。このカラー感熱記録材料１１の少なくと
も１ケ所例えば先端は、クランプ部材１２で固定される
。前記プラテンドラム１０の外周には、サーマルヘッド
１３が配置されている。このサーマルヘッド１３は、周
知のように多数の発熱素子をライン状に配列したもので
あり、各発熱素子は記録すべき色及びその発色濃度に応
じた熱エネルギーをカラー感熱記録材料１１に印加する
。このサーマルヘッド１３は、スプリング１４で付勢さ
れたホルダー１５に取り付けられている。

【０００６】前記カラー感熱記録材料１１は、給送路１
８を通ってプラテンドラム１０に送られる。なお、この
給送路１８内には、搬送ローラ等が配置されているが、
図面では省略してある。搬送路１８には、画面枠を決定
するためのマスク板１９が配置されている。このマスク
板１９は、カラー感熱記録材料１１よりも多少大きめの
矩形状をしており、図３の（Ａ）に示すように、不透明
部１９ａと透明部１９ｂとからなる。この不透明部１９
ａは、多色画像が記録される記録エリアを形成し、また
透明部１９ｂは画面枠を形成する。

【０００７】前記マスク板１９の下方には、プラテンド
ラム１０の軸方向に伸びた棒状の紫外線ランプ２０が配
置されている。この紫外線ランプ２０は、図４に示すよ
うに、ほぼ３６５ｎｍと４２０ｎｍに発光ピークを持っ
ている。この紫外線ランプ２０から放出された電磁波は
、マスク板１９の透明部１９ｂを透過してカラー感熱記
録材料１１の画面枠部分を光定着する他に、絞り２１を
通ってプラテンドラム１０に巻き付けられたカラー感熱
記録材料１１を光定着する。シャープカットフイルタ２
１は、イエロー感熱発色層の光定着のときに絞り２１の
前にセットされ、マゼンタ感熱発色層の光定着のときに
絞り２１の前から退避する。このシャープカットフイル
タ２２としては、図４の点線で示すようにほぼ４１０ｎ
ｍ以上の波長域の電磁波を透過するＳＣ−２１が用いら
れる。

【０００８】多色画像が記録されたカラー感熱記録材料
１１は、プラテンドラム１０が逆転した時に、分離爪２
３で後端側から分離され、受け台２４の上に排出される
。なお、符号２５はプラテンドラム１０の軸であり、こ
れに前述したパルスモータが連結されている。

【０００９】図５は、カラー感熱記録材料の一例を示す
ものである。支持体３０の上に、シアン感熱発色層３１
，マゼンタ感熱発色層３２，イエロー感熱発色層３３が
順次層設されている。これらの各感熱発色層３１〜３３
は、熱記録される順番に表面から層設されているが、例
えばマゼンタ，イエロー，シアンの順番に熱記録する場
合には、イエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層との
位置が入れ換えられる。

【００１０】前記支持体３０としては、不透明なコート
紙又はプラスチックフイルムが用いられ、またＯＨＰシ
ートを作成する場合には透明なプラスチックフイルムが
用いられる。シアン感熱発色層３１は、電子供与性染料
前駆体と電子受容性化合物を主成分として含有し、加熱
されたときにシアンに発色する。マゼンタ感熱発色層３
２としては、最大吸収波長が約３６５ｎｍであるジアゾ
ニウム塩化合物と、これと熱反応してマゼンタに発色す
るカプラーとを含有している。このマゼンタ感熱発色層
３２は、サーマルヘッド２０でマゼンタ画像を熱記録し
た後に、３６５ｎｍ付近の紫外線を照射するとジアゾニ
ウム塩化合物が光分解して発色能力が失われる。イエロ
ー感熱発色層３３は、最大吸収波長が約４２０ｎｍであ
るジアゾニウム塩化合物と、これと熱反応してイエロー
に発色するカプラーとを含有している。このイエロー感
熱発色層３３も、４２０ｎｍ付近の近紫外線を照射する
と光定着して発色能力が失われる。これらのマゼンタ感
熱発色層３２及びイエロー感熱発色層３３には、ジアゾ
ニウム塩化合物が含まれているため、カラー感熱記録材
料１１はもともと薄い黄色をしているが、これらが光定
着されると、カラー感熱記録材料１１が白色に変化する
。なお、このカラー感熱記録材料１１の構成は、平成２
年４月４日に本出願人によって出願された特願平２ー８
９３８４号に詳細に説明されている。

【００１１】図６は、各感熱発色層３１〜３３の特性を
示すものである。横軸の熱エネルギーは、カラー感熱記
録材料１１に印加される熱エネルギーを表しており、イ
エロー感熱発色層３３の熱エネルギーが最も低く、シア
ン感熱発色層３１の熱エネルギーが最も高い。この熱エ
ネルギーの差異の主たる要因は、シアン感熱発色層３１
は、イエロー感熱発色層３３，マゼンタ感熱発色層３２
を介して加熱しなければならないからである。

【００１２】次に、上記装置の作用について説明する。 給紙時には、搬送機構によってシート状をしたカラー感
熱記録材料１１が給送路１８内を搬送され、図１に示す
マスキング位置にセットされる。このセット後に、紫外
線ランプ２０が点灯して、図４に示す分光特性の電磁波
をマスク板１９に向けて放射する。このマスク板１９は
、周辺部が透明部１９ｂになっているから、これに重な
っているカラー感熱記録材料１１の部分だけに電磁波が
照射される。これにより、電磁波が照射された部分のイ
エロー感熱発色層３３及びマゼンタ感熱発色層３２は、
これらに含まれているジアゾニウム塩化合物が光分解し
て発色能力が消失され、薄い黄色から白くなる。これに
より、カラー感熱記録材料１１の周辺に白い画面枠が形
成され、そしてその内側部分が熱記録可能な記録エリア
となる。

【００１３】画面枠の形成後に、カラー感熱記録材料１
１がプラテンドラム１０に向けて搬送され、クランプ解
除状態となっているクランプ部材１２とプラテンドラム
１０との間に、カラー感熱記録材料１１の先端が挿入さ
れる。この直後に、クランプ部材１２がクランプ位置に
移動し、カラー感熱記録材料１１の先端部をクランプす
る。

【００１４】プラテンドラム１０が矢線で示す反時計方
向に回転すると、カラー感光材料１１がプラテンドラム
１０の外周に巻き付けられる。そして、カラー感光材料
１１の記録エリアの先頭がサーマルヘッド２０に達した
ときに、サーマルヘッド１３による熱記録が開始される
。まず、サーマルヘッド１３は、カラー感熱記録材料１
１にイエロー画像を１ラインずつ記録する。このイエロ
ー画像の記録に際しては、イエロー画像データに応じて
、ほぼ２５〜３５ｍＪ／ｍｍ２　の熱エネルギーを発生
し、イエロー感熱発色層３３を発色させる。ここで、も
しイエロー画像の記録位置にずれが発生すると、サーマ
ルヘッド１３は画面枠内の部分も加熱する。しかし、こ
の画面枠の部分は最初に光定着されているから、この画
面枠内にイエロー画像が記録されることはない。したが
って、画面枠内に位置する記録エリア内にのみ画像が記
録されるから、画面の縁がくっきりとなる。

【００１５】前記熱記録の開始時に紫外線ランプ２０が
点灯するから、イエロー画像が熱プリントされた部分が
絞り２１の前に到達すると、シャープカットフイルタ２
２を透過した電磁波で照射される。このシャープカット
フイルタ２２は、ほぼ４１０ｎｍ以上の電磁波を透過す
るから、イエロー感熱発色層３３に含有されたジアゾニ
ウム塩化合物が分解して発色能力が消失される。

【００１６】プラテンドラム１０が１回転して、記録エ
リアの先頭が再びサーマルヘッド１３の位置に達すると
、マゼンタ画像データに応じて、ほぼ４５〜６５ｍＪ／
ｍｍ２　の熱エネルギーがカラー感熱記録材料１１に印
加され、マゼンタ感熱発色層３２が１ラインずつ熱記録
される。このマゼンタ画像の熱記録では、シャープカッ
トフイルタ２２が絞り２１から退避しているので、紫外
線ランプ２０から放出された全ての電磁波が、マゼンタ
画像を記録したカラー感熱記録材料１１の部分に照射さ
れる。この紫外線ランプ２０から放射された電磁線のう
ち、３６５ｎｍ付近の紫外線によってマゼンタ感熱発色
層３２が光定着される。

【００１７】前記プラテンドラム１０が更に１回転する
と、カラー感熱記録材料１１がサーマルヘッド１３に対
面するから、このサーマルヘッド１３によってシアン画
像がカラー感熱記録材料１１に１ラインずつ熱記録され
る。このシアン感熱発色層３１は、感熱発色するに必要
な熱エネルギーがほぼ８０ｍＪ／ｍｍ２　以上であるた
め、通常の保管状態では発色することはない。そこで、
このシアン感熱発色層３１の記録中は、紫外線ランプ２
０がＯＦＦしている。

【００１８】イエロー画像，マゼンタ画像，シアン画像
の熱記録が終了した後に、プラテンドラム１０が逆転す
る。このプラテンドラム１０の逆転により、カラー感熱
記録材料１１の後端が分離爪２３によって剥離され、か
つこれに案内されて受け台２４の上に乗り上げる。最後
に、クランプ部材１２が作動し、カラー感熱記録材料１
１の先端のクランプを解除する。

【００１９】図３の（Ｂ）は、マスク板３５の透明部３
５ｂに、不透明文字３６を設けたものである。この不透
明文字３６に重なった部分には電磁波が照射されないか
ら、この部分は発色能力を持っている。そこで、熱記録
時に、サーマルヘッド１３でこの部分を一様に加熱する
ことにより、サーマルヘッド１３の熱エネルギーに応じ
た色の文字が現れる。例えば、発熱素子が最高熱エネル
ギーを発生すると、３つの感熱発色層３１〜３３が同時
に発色して黒文字となる。また、不透明文字３６の部分
の分光透過率を変えて特定の感熱発色層だけを光定着す
れば、青色文字又は緑色文字が現れる。なお、符号３５
ａは不透明部である。

【００２０】前記実施例では、１個の紫外線ランプをマ
スク用と定着用とに兼用しているが、これらを別個に設
けてもよい。また、プラテンドラムの代わりに搬送ベル
トやスライドテーブルを用い、カラー感熱記録材料を往
復動させてもよい。

【００２１】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、熱記録の前に、カラー感熱記録材料に電磁波を照
射して画面枠を光定着するから、画像の一部か画面枠内
に入り込むことがなく、それにより色のにじみがないき
れいな画面枠を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】画面枠の部分に電磁波を照射して光定着してい
る状態を示すサーマルプリンタの概略図である。

【図２】イエロー画像の記録状態を示す図１と同様な図
である。

【図３】画面枠の光定着に使用するマスク板の各実施例
を示す平面図である。

【図４】紫外線ランプの発光特性とシャープカットフイ
ルタの分光透過特性を示すグラフである。

【図５】カラー感熱記録材料の層構造を示す説明図であ
る。

【図６】カラー感熱記録材料の発色特性を示すグラフで
ある。

【符号の説明】

１０　　プラテンドラム １１　　カラー感熱記録材料 １３　　サーマルヘッド １９　　マスク板 １９ａ　　不透明部 １９ｂ　　透明部 ２０　　紫外線ランプ ２２　　シャープカットフイルタ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　発色する色が異なった第１ないし第３
   の少なくとも３種類の感熱発色層が支持体上に順次層設
   されており、少なくとも第２及び第３の感熱発色層は特
   有の波長域の電磁波による光定着性を備え、また深層ほ
   ど熱記録感度が低くなったカラー感熱記録材料を用い、
   これに多色画像を記録する多色感熱記録方法において、
   前記多色画像を熱記録する前に、カラー感熱記録材料の
   周辺に電磁波を照射して第２及び第３の感熱発色層を光
   定着して画面枠を形成することを特徴とする多色感熱記
   録方法。