JPH04276431A - 強化プラスチック製連結部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両用サスペンショア
ーム等に使用される強化プラスチック製連結部材に関す
る。

【０００２】

【従来技術】近年車両の軽量化等を目的として、車両用
サスペンション等の連結部材を強化プラスチックにて構
成する試みがなされている。また、当該プラスチック製
連結部材のー形式として、部材本体の少なくともー端側
に他の部材と連結される連結用ボス部をー体的に備え、
同連結用ボス部は前記部材本体と前記他の部材とを所定
量相対変位を許容して連結させる構成のものがあり、当
該連結部材のー例が特開昭６３−２８７６１３号公報に
示されている。かかる公報に示された連結部材はプラス
チック製のサスペンションアームであって、成形および
加工が容易でかつ耐久性の向上を意図したものであり、
下記のごとく構成されている。

【０００３】すなわち、当該サスペンションアームは強
化プラスチック製のアーム本体と、強化プラスチック製
の外層内にゴム等弾性部材を介してー体化されたスリー
ブを有するー対のボス部と、これら３部材をー体化して
いる強化プラスチック製の外周層とにより構成されてい
る。かかるサスペンションアームにおいては、アーム本
体、各ボス部を予め別々に形成してこれら３部材を長手
方向に直列的に配置し、これらの外周にフィラメントワ
インディング法にて外周層を形成することにより構成さ
れているものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、当該サスペン
ションアームの構成では、同サスペンションアームを形
成するのに多くの製作工程を必要とするとともに煩雑で
あり、必然的に製作コストが高くなるという問題を備え
ている。従って、本発明の目的は車両用サスペンション
アーム等強化プラスチック製連結部材において、低コス
トでかつ製作容易な構成の連結部材を提供することにあ
る。

【課題を解決するための手段】

【０００５】本発明は上記形式の強化プラスチック製連
結部材において、前記連結用ボス部は、外周の長手方向
の途中に突起部を有するスリーブと、同スリーブの外周
に所定の周間隙を保持して嵌合された筒体と、同筒体の
内周と前記スリーブの外周間にて同スリーブの突起部と
前記筒体の各端部間に介装されたー対の可撓性部材とか
らなり、当該連結用ボス部の各構成部材は前記部材本体
の成形時同部材本体とー体化されており、同部材本体に
対して前記スリーブが周方向に回転可能でかつ軸方向に
移動可能に組付けられていることを特徴とするものであ
る。

【０００６】

【発明の作用】かかる構成の連結部材においては、連結
用ボス部を構成するスリーブは部材本体に対して周方向
に回転可能でかつ軸方向にはいずれかー方の可撓性部材
を撓ませて移動可能であるため、同スリーブを介して他
の部材を連結させた場合には同部材と部材本体間ではス
リーブを中心に回転方向および軸方向に所定量の相対変
位が許容され、この種形式の連結部材と同一の連結機能
を発揮するとともに連結部材の軽量化を図ることができ
る。

【０００７】

【発明の効果】しかして、当該連結部材の製作において
は連結用ボス部の各構成部材を組立てた組立体とし、か
かる組立体を一体としてフィラメントワインディング法
にて部材本体を成形することができる。このため、当該
連結部材の製作には多くの製作工程を必要としないとと
もに煩雑な製作工程を要しないため、製作コストが低減
されかつ製作が容易である。また、部材本体を上記のご
とく形成することにより、スリーブは部材本体の材質の
特性上接触面においては自づから滑動性を有するもので
、同スリーブに部材本体に対する移動機能を付与る特別
の手段を施す必要は全くなく、この点からも当該連結部
材の製作は容易である。

【０００８】

【実施例】以下本発明のー実施例を図面に基づいて説す
るに、図１および図２には本発明の第１実施例および第
２実施例に係る連結部材である車両用サスペンションア
ーム１０，２０の主要部が示されている。第１実施例に
係るサスペンションアーム１０は図３に示すように車輪
３１を支持するナックルアーム３２を車両の図示しない
クロスメンバーに連結するものであり、第２実施例に係
るサスペンションアーム２０もこれと同様である。

【０００９】サスペンションアーム１０はアーム本体１
０ａと同アーム本体１０ａのー端部に有する連結ボス部
１０ｂと、同アーム本体１０ａの他端部に有する図示し
ない連結ボス部とにより構成されている。アーム本体１
０ａは本発明の部材本体に該当するもので、ガラス繊維
、カーボン繊維、アラミド繊維等を補強材とする強化プ
ラスチック製のものである。なお、他端部に有する連結
ボスはー端部に有する連結ボス部１０ｂと基本的に同一
構成であるため図示を省略している。

【００１０】しかして、連結ボス部１０ｂは金属製のス
リーブ１１、筒体１２およびー対のコイルスプリング１
３，１４を構成部材とするもので、スリーブ１１はその
筒部１１ａの外周における軸方向の略中央部に環状の外
向フランジ部１１ｂを備えている。筒体１２は２部材を
接合してなるもので、筒部１２ａの各端部に環状の内向
フランジ部１２ｂ，１２ｃを備えている。両コイルスプ
リング１３，１４は本発明の可撓性部材に該当するもの
で、ー方のコイルスプリング１３はスリーブ１１の外周
と筒体１２の内周間にてスリーブ１１の外向フランジ部
１１ｂと筒体１２の内向フランジ部１２ｂ間に介装され
、かつ他方のコイルスプリングは１４同様にスリーブ１
１の外向フランジ部１１ｂと筒体１２の内向フランジ部
１２ｃ間に介装されている。

【００１１】連結ボス部１０ｂの各構成部材１１〜１４
は上記のごとき組立体としてアーム本体１０ａの端部に
埋設されていて、スリーブ１１のみが貫通状態にあって
その両端が外部に突出している。かかる連結ボス部１０
ｂにおいては、スリーブ１１がアーム本体１０ａに対し
て周方向へ回転可能であるとともに軸方向へ摺動可能で
あり、摺動時にはいずれかー方のコイルスプリング１３
，１４を撓ませて所定量摺動する。

【００１２】当該サスペンションアーム１０の製作にお
いては、先づ連結用ボス部１０ｂの各構成部材１１〜１
４を図１に示すごとく組立てた組立体とし、かかる組立
体がアーム本体１０ａの端部に位置するように配置した
状態でその上から公知のフィラメントワインディング法
にてアーム本体１０ａを成形する。この場合、ガラス、
カーボン、アラミド、ボロン等からなるフィラメントま
たはステープルファイバー等のストランドにエポキシ樹
脂、ビニルエステル樹脂等を含浸させたものを使用して
アーム本体１０ａを形成し、その後加熱処理等を行って
作製する。

【００１３】かかる構成のサスペンションアーム１０に
おいては、連結用ボス部１０ｂを構成するスリーブ１１
はアーム本体１０ａに対して周方向に回転可能で、かつ
軸方向にはいずれかー方のコイルスプリング１３，１４
を撓ませて軸方向へ摺動可能であるため、同スリーブ１
１を介してナックルアーム３２を図示しないクロスメン
バーに連結させた場合には、これら両者間ではスリーブ
１１を中心にその回転方向および軸方向に所定量の相対
変位が許容され、従来のサスペンションアームと同一の
連結機能を発揮するとともに同サスペンションアームの
軽量化が図られる。

【００１４】ところで、当該サスペンションアーム１０
の製作においては上記したように、先づ連結用ボス部１
０ｂの各構成部材１１〜１４を組立てた組立体とし、か
かる組立体を一体としてフィラメントワインディング法
にてアーム本体１０ａを成形するものである。このため
、当該サスペンションアーム１０の製作には多くの製作
工程を必要としないとともに煩雑な製作工程を要しない
ため、製作コストが低減されかつ製作が容易である。 また、サスペンションアーム１０を上記のごとく形成す
ることにより、スリーブ１１はアーム本体１０ａがプラ
スチック製であるという材質の特性上接触面においては
自づから滑動性を有し、同スリーブ１１にアーム本体１
０ａに対する摺動機能を付与する特別の手段を施す必要
は全くなく、この点からも当該サスペンションアーム１
０の製作は容易である。

【００１５】図２には本発明の第２実施例に係るサスペ
ンションアーム２０の主要部が示されており、当該サス
ペンションアーム２０においては本発明の可撓性部材と
して筒状ゴム体２３，２４が採用されている点で第１実
施例のサスペンションアーム１０とは相違するが、その
他の構成は同サスペンションアーム１０と同一の構成で
ある。すなわち、当該サスペンションアーム２０はアー
ム本体２０ａと、同アーム本体２０ａのー端部に有する
連結ボス部２０ｂと、同アーム本体２０ａの他端部に有
する図示しない連結ボス部とにより構成されている。

【００１６】また、連結ボス部２０ｂは金属製のスリー
ブ２１、筒体２２およびー対の筒状ゴム体２３，２４を
構成部材とするもので、スリーブ２１および筒体２２の
構成は第１サスペンションアーム１０と同一である。筒
状ゴム体２３はスリーブ２１の外周と筒体２２の内周間
にてスリーブ２１の外向フランジ部２１ｂと筒体２２の
内向フランジ部２２ｂ間に介装され、かつ他方の筒状ゴ
ム体２４は同様にスリーブ２１の外向フランジ部２１ｂ
と筒体２２の内向フランジ部２２ｃ間に介装されている
。従って、当該サスペンションアーム２０も第１実施例
に係るサスペンションアーム１０と同様の作用効果を奏
するものである。

【００１７】なお、当該サスペンションアーム２０の製
作も第１実施例のサスペンションアーム１０と同様、連
結ボス部２０ｂの構成部材を組立体としその上にフィラ
メントワインディング法でアーム本体２０ａを成形して
なされるが、筒状ゴム体２３，２４の素材として未加硫
のゴムを採用することができ、この場合にはアーム本体
２０ａの加熱硬化時に一体的に未加硫ゴムを加硫するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の連結部材の第１実施例に係るサスペン
ションアームの主要部を示す部分断面図である。

【図２】同第２実施例に係るサスペンションアームの主
要部を示す部分断面図である。

【図３】サスペンションアームを採用した車両の連結部
の概略背面図である。

【符号の説明】

１０，２０…サスペンションアーム、１０ａ，２０ａ…
アーム本体、１０ｂ，２０ｂ…連結ボス部、１１，２１
…スリーブ、１２，２２…筒体、１３，１４…コイルス
プリング、２３，２４…筒状ゴム体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】部材本体の少なくともー端側に他の部材と
   連結される連結用ボス部をー体的に備え、同連結用ボス
   部は前記部材本体と前記他の部材とを所定量相対変位を
   許容して連結させる強化プラスチック製連結部材におい
   て、前記連結用ボス部は、外周の長手方向の途中に突起
   部を有するスリーブと、同スリーブの外周に所定の周間
   隙を保持して嵌合された筒体と、同筒体の内周と前記ス
   リーブの外周間にて同スリーブの突起部と前記筒体の各
   端部間に介装されたー対の可撓性部材とからなり、当該
   連結用ボス部の各構成部材は前記部材本体の成形時同部
   材本体とー体化されており、同部材本体に対して前記ス
   リーブが周方向に回転可能でかつ軸方向に移動可能に組
   付けられていることを特徴とする強化プラスチック製連
   結部材。