JPH04274884A - 窒化珪素製セラミックガイドピン及びその製造方法 - Google Patents
窒化珪素製セラミックガイドピン及びその製造方法Info
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- B23K11/14—Projection welding
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
などにナット等の小物物品を溶接するプロジェクション
溶接機等に用いられるセラミックガイドピン及びその製
造方法に関する。
を取り付ける方法として、プロジェクション溶接機によ
るスポット溶接が一般的に行なわれている。ナットは、
円筒状電極の中央部より突出したガイドピンの先端部に
嵌め込まれた後、ガイドピンに嵌め込まれたままの状態
でナットとパネル(車体)が上下電極により押し付けら
れ、溶接されるが、ガイドピンとナット間にアークが発
生し溶損するのでガイドピンは絶縁されている。
表面にAl2 O3 被膜を酸化処理や溶射により形成
して絶縁している。このような金属製ガイドピンは、表
面層の硬度がヌープ硬度で数GPa程度と低く耐摩耗性
に劣るため、ナット案内時の摩擦やかじり等により絶縁
膜が剥離し、絶縁不良を起し易いのでガイドピンの早期
の交換が必要となる。
斜していると、金属製ガイドピン案内面の表面粗さはR
max 30〜35μmと非常に粗く、滑りが悪いので
そのままの状態、即ち片当りのまま押し付けられること
となり、ガイドピンが折損することはないものの、ナッ
トが当っている部分が凹んで変形したり、あるいはナッ
トのコーナー部によるかじり摩耗のため絶縁被膜が剥離
し、その結果絶縁不良を起すこととなる。その結果、さ
らにナットは傾いたまま、あるいは真の位置からずれて
プレートに溶接されるためナット溶接不良が多発するこ
ととなり、ガイドピンは折損していなくても使用不能と
なってしまう。
ープ硬度で14〜16GPaの高硬度を有し、絶縁性、
耐熱性に優れたセラミック製ガイドピンが提案されてい
る。本発明者等も金属製ガイドピンに比べ、使用回数が
5万回以上と数倍の耐久性を持つセラミック製ガイドピ
ンを特開平1−221475号で提案した。
1−221475号で提案したセラミック製ガイドピン
は金属製ガイドピンに比べて耐久性は2〜5倍あるもの
の、製造コストが約25倍と高く、工業的には決して有
利といえるものではなかった。製造コストを高くしてい
る最大の原因は焼結後の研削加工工程であり、ダイヤモ
ンド砥石を用いて精密な仕上げ加工を毒するので加工時
間が長くなり、製造効率が悪い(量産性に乏しい)こと
にある。
を簡略化すべくセラミックガイドピンの加工仕上げ面、
即ち表面粗さ (Rmax)と耐久性について種々検討
したところ、必ずしも表面粗さと耐久性が比例しないこ
とを知見した。即ち、折損したセラミックガイドピン1
0を観察すると、案内部のテーパー部11(図1参照)
から斜め下方に向って破断しており、この原因は電極で
ナットが押し付けられた時、ナットがガイドピン案内面
の正しい位置まで滑らず傾斜した状態であると片当りし
、このため破損することが判明した。
クガイドピンの耐久性は表面粗さでなく、表面のなだら
かさ或いは滑らかさに依存することを見出したのである
。そうとすると、焼結後の研削加工工程として、表面粗
さが所定以下となるまで精密に仕上げ加工することは必
要なく、表面のなだらかさを確保するように研磨するこ
とでナットの滑りをよくすることが重要となる。尚、こ
こでいう表面粗さとは、ガイドピン案内面を軸方向、つ
まりナットのメリ込む方向に測定したときの表面粗さで
ある。
くものであり、本発明によれば、セラミックガイドピン
であって、少なくともその案内部表面形状を微視的にみ
た場合において、外方に突出した凸部の頂上部がなだら
かな曲面状を呈することを特徴とするセラミックガイド
ピンが提供される。
、外方に突出した凸部の少なくともナットが当接する頂
上部をなだらかな曲面状に形成することが、ナットの滑
りをよくし好ましい。さらに本発明では、案内部表面を
ナット滑り方向に表面粗さを測定したとき、その中心線
深さRpが3μm以下となるように形成することが好ま
しい。尚、凸部頂上部のなだらかな曲面状とは、軸方向
のみならず、いずれの方向から見てもなだらかな曲面状
態をいう。
率を掛けた大きさに成形又は機械加工して形成したセラ
ミックガイドピン成形体を焼結した後、バレル研磨する
ことを特徴とするセラミックガイドピンの製造方法が提
供される。通常、成形体を機械加工する場合、旋盤でバ
イト切削加工されるが、この時加工条痕はサンドペーパ
ーや乾布などで取り除いておく必要がある。尚、本発明
ではセラミックガイドピンと称するが、同じ機能のもの
でも実際には位置決めピンあるいは溶接治具等名称が異
なる場合があり、これらも包含するものである。
ピンの破損の原因が、電極でナットが押し付けられた際
にナットが滑らず傾斜した状態で片当りすることにある
ことを見出したことに基づく。
さを鏡面に近づけるほど摩擦抵抗が減少するので、ナッ
トの滑りは良好になることは当業者に常識であるが、一
方、表面粗さが後述の実施例の如く、表面粗さRmax
0.1μm以下の鏡面仕上げ品と表面粗さRmax
3〜9μm程度のバレル研磨でも、ナットの滑り特性は
殆ど変わらないのである。
ガイドピンの表面形状を微視的にみた場合において、図
2〜図4に示すように、表面粗さが所定以下であれば、
その値に拘らず、外方に突出した凸部の頂上部をなだら
かな曲面状に形成すると、ナットの滑り特性は殆ど変わ
らなく良好である。
を掛けた大きさの成形体を作製し、これを焼結した後に
、バレル研磨を施してセラミックガイドピンを製造する
ことにより、ナットの滑り特性を維持しつつ、セラミッ
クガイドピンの製造効率を上げ、量産性を向上させるこ
とを可能とした。
ガイドピンを用いることにより、ナットの溶接不良発生
頻度は低減し、かつ耐久性が向上するので、プロジェク
ション溶接における生産性が向上し、ガイドピン交換回
数も減り、メンテナンスコストの低減も可能となる。
く説明するが、本発明はこれらの実施例に限られるもの
ではない。
焼結助剤を添加したSi3N4 造粒粉末を少なくとも
1ton/cm2 以上の圧力により円柱状にラバープ
レス成形し、焼結収縮を見込んだ図1に示すガイドピン
所定形状(M6用)に旋盤により切削加工し、サンドペ
ーパーで表面を特に案内面について加工条痕がなくなる
まで仕上げ加工を行い、バインダー除去後窒素雰囲気下
1700℃で焼成した。ガイドピン形状は大方金属製ガ
イドピンと同一であるが、ワークの衝突による機械的衝
撃に対する構造強度を向上させるため、根元部RはR1
以上になるよう切削加工形成した。
結体を7.5リットルの六角柱状鋼製容器内に50個入
れ、さらにφ3mm〜φ5mmのアルミナボールメディ
アを容器60 vol%になるまで投入し、さらに水を
加えて80 vol%とし、これに微量の界面活性剤を
加えて容器を閉じ、チップトン社製遠心バレル研磨機に
セットし、回転数150〜200rpm にて10分間
以上回転させ、ガイドピンの表面バレル処理を行った。
バレル処理ガイドピンを、特開平1−224175号に
示す方法と同様の方法にてナットのプロジェクション溶
接に用い、並行して従来用いられていた金属製ガイドピ
ン(KCF)及びSi3 N4 材料を用いて焼結後の
機械加工により表面粗さを種々変えたガイドピンについ
ても同様にナット溶接に使用した。
と電食摩耗、変形、折損等によるガイドピン寿命を、試
験中1万回毎に装置を止め、損傷状況を確認しつつ比較
した。結果を表1に示す。
不良発生頻度が多く、耐久性が2〜5万回であるが、本
発明によるSi3 N4 製ガイドピンはナット溶接不
良もほとんどなく、耐久性は15万回使用しても何ら損
傷は認められず、溶接不良発生頻度(メタルの約1/1
0)、耐久性(メタルの3倍以上)ではSi3 N4
製#400加工品及び鏡面研磨品と同等の性能を有して
いることが判明した。
の製造工程においてバレル研磨を止めた全面焼結面のS
i3 N4 ガイドピンを製作し試験に供したところ、
バレル研磨品よりもナット溶接不良が多く、耐久性も低
下した。すなわち、ナット溶接不良が多くなることはナ
ットの傾斜、位置ずれが多くなり、ガイドピンに対して
ナットが片当り状態で加圧される頻度が増えるため、耐
久性の低下につながることが判明した。
ンクテーラーホブソン社製フォームタリサーフにより測
定したところ、メタルガイドピンはRmax 30〜3
5μmと非常に粗く、Si3 N4 製焼成品はRma
x 5〜11μm,Si3 N4 製バレル処理品はR
max 3〜9μm,Si3 N4 製#400加工品
はRmax 2〜3μm,Si3 N4 製鏡面研磨品
はRmax 0.1μm以下であった。 鏡面品に対しバレル品はRmax で3〜9μmも粗い
のにもかかわらず、ガイドピンとしては同等の性能を有
しているのに対し、焼成面品とバレル品のRmax に
はバレル品が全体的に2μm程小さくなるだけで大差が
ないにもかかわらず、ガイドピンの性能に明らかな差が
生じており、表面粗さRmax だけではガイドピンの
性能は決定されないことが判明した。
結果、以下の知見を得た。焼成面品の粗さ曲線とバレル
品の粗さ曲線を比較したところ、図2〜4(本発明)、
図5〜7に示すように焼成面品の粗さ曲線の山には微小
凸起が多数見られ、山が凹凸状になっているのに対し、
バレル品では微小凸起先端が丸められ、山が滑らかに形
成されていることがわかった。さらに焼成面及びバレル
研磨面のナットとの静止摩擦係数はバレル研磨面では焼
結面よりも半減することがわかった。
場合、案内面表面の山の部分のみがナットの滑りに影響
を及ぼし、谷の部分は関係なく、すなわち表面粗さRm
ax とナットの滑り具合とは何ら関係ないのである。 ナットの滑り具合に影響を及ぼすのは山の高さ、すなわ
ち中心線から上の部分であり、表面粗さRp(中心線深
さ)で表わされる値と山の形状すなわち滑らかさであり
、#400研削加工あるいは鏡面研磨面のような精密仕
上げの必要はないことを見い出したものである。
ため、Si3 N4 焼結体を#240ダイヤモンド砥
石加工を施しバレル処理したガイドピンをナットのプロ
ジェクション溶接に供した結果、ナットの溶接不良発生
率は焼成面品の2倍と逆に悪化した。#240加工とバ
レル処理品案内面の表面粗さはRp2〜4μm,Rma
x 5〜7μmであった。したがって、バレル品の表面
粗さがRp1〜3μm,焼成面品ではRp3〜5μmな
ので、山の高さはRp3μm以下であることが好ましい
。また、これは前述したように山頂上がなだらかである
ことが前提であることは言うまでもない。
メタルの約25倍以上と高価なため工業的には実用でき
ないが、本発明によればコストはメタルの2〜4倍と比
較的安価になり工業的にも十分実用可能なレベルであり
、ナット溶接不良発生頻度の大幅低減、耐久性の向上を
考慮すればメタルよりも十二分にメリットがあることは
明白である。
少なくともその案内部表面形状を微視的にみた場合に、
外方に突出した凸部の頂上部がなだらかな曲面状を呈す
るように、案内部表面形状を形成したので、ナットの滑
り特性を維持し、耐久性が向上した製造効率の高いセラ
ミックガイドピンを提供することができる。
る。
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
の一例を示すグラフである。
線の一例を示すグラフである。
線の一例を示すグラフである。
線の一例を示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】 セラミックガイドピンであって、少な
くともその案内部表面形状を微視的にみた場合において
、外方に突出した凸部の頂上部がなだらかな曲面状を呈
することを特徴とするセラミックガイドピン。 - 【請求項2】 外方に突出した凸部の少なくともナッ
トが当接する頂上部が、なだらかな曲面状であることを
特徴とする請求項1のセラミックガイドピン。 - 【請求項3】 案内部表面をナット滑り方向に表面粗
さを測定したとき、その中心線深さRpが3μm以下で
あることを特徴とする請求項1のセラミックガイドピン
。 - 【請求項4】 製品寸法に焼成割掛率を掛けた大きさ
に成形又は機械加工して形成したセラミックガイドピン
成形体を焼結した後、バレル研磨することを特徴とする
セラミックガイドピンの製造方法。
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Publications (2)
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JPH0822467B2 JPH0822467B2 (ja) | 1996-03-06 |
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ID=13013104
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (2)
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