JPH04274308A - 磁気媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気媒体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH04274308A
JPH04274308A JP3493591A JP3493591A JPH04274308A JP H04274308 A JPH04274308 A JP H04274308A JP 3493591 A JP3493591 A JP 3493591A JP 3493591 A JP3493591 A JP 3493591A JP H04274308 A JPH04274308 A JP H04274308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
substrate
groove
pits
magnetic medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3493591A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3135130B2 (ja
Inventor
Masayuki Togawa
雅之 外川
Kiyoshi Toyama
潔 外山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nabtesco Corp
Original Assignee
Teijin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Seiki Co Ltd filed Critical Teijin Seiki Co Ltd
Priority to JP03034935A priority Critical patent/JP3135130B2/ja
Priority to US07/842,057 priority patent/US5350618A/en
Priority to EP94112094A priority patent/EP0634758B1/en
Priority to EP92301703A priority patent/EP0501815B1/en
Priority to DE69215717T priority patent/DE69215717T2/de
Priority to DE69215385T priority patent/DE69215385T2/de
Publication of JPH04274308A publication Critical patent/JPH04274308A/ja
Priority to US08/011,791 priority patent/US5336586A/en
Priority to US08/136,279 priority patent/US5580639A/en
Priority to US08/179,707 priority patent/US5429911A/en
Priority to US08/437,569 priority patent/US5527663A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3135130B2 publication Critical patent/JP3135130B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)
  • Analogue/Digital Conversion (AREA)
  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気媒体に関し、例え
ば、磁気スケールや直動型電動機の磁気パターンとして
用いられる磁気媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気記録・再生装置においては
、電磁石等からなる磁気ヘッドおよび微小磁石等からな
る磁性体が用いられる。磁気記録の場合、磁気ヘッドは
記録情報に対応して変化する磁界を発生し、磁界中を移
動する磁性体に残留磁気の位置的変化を生じさせて、磁
性体に情報を記録する。一方、磁気再生の場合、磁気ヘ
ッドは、磁性体の残留磁気の位置的変化を電圧変化とし
て検出して、磁性体から記録情報を再生する。
【0003】上述の磁気記録・再生の原理は、磁気セン
サにも利用されている。すなわち、記録用磁気ヘッドに
より所定の磁気パターンを高い位置精度で製造し、検出
用磁気ヘッドにより磁気パターンを検出して位置情報を
得るようにしている。ここで、従来の磁気媒体の製造方
法の一例として、直線型の磁気パターンを製造する場合
の例を説明する。
【0004】まず、図21に示される磁気パターン製造
装置1を準備する。磁気パターン製造装置1は位置検出
器2、連動部材3、4、アクチュエータ5、磁気ヘッド
6およびI/V回路(電流電圧変換回路)7から構成さ
れる。磁気記録媒体8は、位置検出器2とアクチュエー
タ5とに連動部材3および4で連結されている。アクチ
ュエータ5は磁気記録媒体8を図21の矢印A、B方向
に高い位置精度で移動させ、位置検出器2で磁気記録媒
体8の位置を検出する。
【0005】次いで、アクチュエータ5により磁気記録
媒体8を所定位置に移動させて固定し、磁気ヘッド6の
先端を磁気記録媒体8に接触させる。次いで、磁気ヘッ
ド6のコイルにI/V回路7から電流を流して磁界を発
生させ、磁気ヘッド6の先端の空隙部近傍の磁気記録媒
体8を着磁する。次いで、アクチュエータ5により磁気
記録媒体8を他の位置に移動させる。詳しくは、移動中
の磁気記録媒体8の位置は位置検出器2により検出され
ており、アクチュエータ5は位置検出器2の検出結果に
基づいて磁気記録媒体8を所望の位置に移動させ固定す
る。次いで、上述同様に磁気ヘッド6により磁気記録媒
体8を着磁する。以下、同様に磁気記録媒体8の所定部
分を全て着磁すると、所定の磁気パターンを有する磁気
記録媒体8が製造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の磁気媒体およびその製造方法にあっては、磁
気媒体が例えば磁気スケールである場合、下述のような
理由のため、磁気検出時の検出信号のS/N比が小さく
なり、また磁気検出の分解能の向上が困難になり、さら
に製造時間が増大するといった問題点があった。
【0007】すなわち、磁気記録媒体8を着磁するとき
磁気ヘッド6の漏れ磁束を利用しているため、磁気記録
媒体8に強い磁界を与えることができなく、スケールと
して使用して位置を検出するときの信号のS/N比が小
さくなる。また、磁気スケールの分解能が磁気ヘッド6
の着磁精度により決るため、分解能を向上するには製造
装置に多額の設備投資が必要になり、分解能の向上が困
難になる。さらに、磁気記録媒体8に磁気パターンを形
成するのに何回も着磁作業が必要になり、磁気スケール
を製造するのに長時間を要する。
【0008】そこで、本発明は、基板に形成されたピッ
トに段差を設け、または、ピットをを構成する複数の溝
のうち少なくとも一つの溝の深さを残りの溝の深さと異
なるようにすることにより、磁気検出時の検出信号のS
/N比を大きくし、また磁気検出の分解能を向上し、さ
らに製造時間を短縮することができる磁気媒体およびそ
の製造方法を提供することを課題としている。なお、本
発明におけるピットおよび溝は、底面を有する穴状のも
のおよび貫通した穴状のもののどちらであってもよい。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、ピットを有する基板と、前記
ピットに埋設された磁性体と、を備えた磁気媒体であっ
て、前記ピットに段差を形成したことを特徴とするもの
である。請求項2記載の発明は、上記課題を解決するた
め、ピットを有する基板と、前記ピットに埋設された磁
性体と、を備えた磁気媒体であって、前記ピットが互い
に近接した複数の溝から構成され、複数の溝のうち少な
くとも一つの溝の深さが残りの溝の深さと異なることを
特徴とするものである。
【0010】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るため、所定パターンに配置されたピットを有する基板
と、前記ピットに埋設された磁性体と、を備え、磁気パ
ターンとして用いられる磁気媒体であって、前記ピット
の深さがピットの所定断面の中央に向うにしたがって段
階的に大きくなるように、ピットに複数の段差を形成し
たことを特徴とするものである。
【0011】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るため、所定パターンに配置されたピットを有する基板
と、前記ピットに埋設された磁性体と、を備え、磁気パ
ターンとして用いられる磁気媒体であって、前記ピット
が互いに近接して並ぶ3個以上の溝から構成され、前記
3個以上の溝のうち中央寄りの溝の深さが大きくなるよ
うにしたことを特徴とするものである。
【0012】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るため、保護被膜を形成した異方性エッチング可能な基
板材料に、フォトエッチングプロセスにより所定パター
ンの第1の溝を蝕刻形成する第1の工程と、第1の工程
で形成された第1の溝内または該溝に隣接した所定部分
に、フォトエッチングプロセスにより第1の溝の深さと
異なる深さを有する所定パターンの第2の溝を形成する
第2の工程と、第1の溝および第2の溝の中に磁性体を
埋め込む第3の工程と、を有することを特徴とするもの
である。
【0013】請求項6記載の発明は、上記課題を解決す
るため、保護被膜を形成した異方性エッチング可能な基
板材料に、P型およびN型のうちの少なくとも一方の不
純物を所定パターンで導入する第1の工程と、フォトエ
ッチングプロセスを用い、基板材料中の不純物導入部分
と非導入部分との境界の近傍を蝕刻することにより所定
パターンの第1の溝を形成し、基板材料中の不純物導入
部分のみを蝕刻することにより第1の溝の深さと異なる
深さを有する所定パターンの第2の溝を形成する第2の
工程と、前記第1の溝および第2の溝の中に磁性体を埋
め込む第3の工程と、を有することを特徴とするもので
ある。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、基板に形成されたピ
ットに磁性体を埋設させることにより、磁性体を強い磁
界で着磁することが可能になり、また分解能の精度が着
磁精度ではなくピットの位置精度によって決り、さらに
基板上にピットが多数有る場合でも、各ピットに埋設さ
れた磁性体を一度に着磁することが可能になる。また一
方、ピットに段差を設けることにより、磁性体の厚さが
段階的に変化し、段差の数や位置を適当に設定すること
によって、磁性体を着磁した場合、磁界強度分布を任意
に設定することが可能になる。
【0015】請求項2記載の発明では、基板に形成され
たピットに磁性体を埋設させることにより、磁性体を強
い磁界で着磁することが可能になり、また分解能の精度
が着磁精度ではなくピットの位置精度によって決り、さ
らに基板上にピットが多数有る場合でも、各ピットに埋
設された磁性体を一度に着磁することが可能になる。ま
た一方、ピットを構成する複数の溝のうち少なくとも一
つの溝の深さを残りの溝の深さと異なるようにすること
により、磁性体の厚さが断続的に変化し、溝の数や配置
や深さを適当に設定することによって、磁性体を着磁し
た場合、磁界強度分布を任意に設定することが可能にな
る。
【0016】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明と同様の作用を示し、また、磁気パターンとして用
いられる磁気媒体において、ピットの深さをピットの所
定断面の中央に向うにしたがって段階的に大きくしたこ
とにより、磁性体の厚さが中央に向うにしたがって段階
的に大きくなり、磁性体を着磁した場合、磁界強度の分
布が均一になる。
【0017】請求項4記載の発明では、請求項3記載の
発明と同様の作用を示し、また、磁気パターンとして用
いられる磁気媒体において、ピットを構成する3個以上
の溝のうち中央寄りの溝の深さを大きくしたことにより
、磁性体の厚さが中央に向うにしたがって断続的に大き
くなり、磁性体を着磁した場合、磁界強度の分布が均一
になる。
【0018】請求項5記載の発明では、異方性エッチン
グ可能な基板材料に、フォトエッチングプロセスによっ
て第1の溝および第2の溝を蝕刻形成し、各溝に磁性体
を埋設しているため、高い精度を有する磁気媒体が容易
に製造され、またフォトリソグラフィーのマスクパター
ンを交換するだけで、各種高精度の磁気媒体が製造され
る。さらに磁性体を着磁する場合、一度に着磁し、各工
程においても一度に多数の基板材料を処理することが可
能になり、また磁性体を強い磁界で着磁することが可能
になる。また一方、第1の溝および第2の溝の深さを異
なるようにしたことにより、請求項1〜請求項4記載の
発明に係る磁気媒体を製造することが可能になる。
【0019】請求項6記載の発明では、異方性エッチン
グ可能な基板材料に、P型およびN型のうちの少なくと
も一方の不純物を所定パターンで導入した後、第1およ
び第2の溝を形成し、各溝に磁性体を埋設しているため
、高い精度を有する磁気媒体が容易に製造され、またフ
ォトリソグラフィーのマスクパターンを交換するだけで
、各種高精度の磁気媒体が製造される。さらに磁性体を
着磁する場合、一度に着磁し、各工程においても一度に
多数の基板材料を処理することが可能になり、また磁性
体を強い磁界で着磁することが可能になる。また一方、
第1の溝および第2の溝の深さを異なるようにしたこと
により、請求項1〜請求項4記載の発明に係る磁気媒体
を製造することが可能になる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は請求項1記載の発明に係る磁気媒体の一実施例を示
す図である。図1において、30は磁気媒体であり、磁
気媒体30は、基板31と磁性体32から構成される。 基板31はシリコン単結晶基板またはシリコンの単結晶
に例えば窒素またはボロン等の不純物を拡散させた基板
からなる。 また、基板31にはピット33が形成されており、磁性
体32はピット33に埋設されている。ピット33には
段差33aが形成されている。なお、ピット33に形成
された段差33aは2つ以上あってもよく、また段差を
介して隣合う部分のピットの深さの大小を逆にしてもよ
く、さらにピット33は図2に示すように、基板31を
貫通するものであってもよい。
【0021】上述のように構成される磁気媒体30を着
磁する場合、磁性体32はピット33に埋設されている
ので、磁気ヘッドの漏れ磁界によって着磁する必要があ
る従来のものに比較すると、強い磁界によって磁性体3
2を着磁することができる。また、分解能の精度が着磁
精度ではなくピットの位置精度によって決ることになる
ので、ピットを後述するフォトエッチングプロセスによ
り形成することにより、ピットの位置精度を向上するこ
とができ、分解能を向上することができる。さらに基板
31上にピット33が多数有る場合でも、各ピットに埋
設された磁性体32を一度に着磁することができ、着磁
作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0022】また一方、ピット33に段差33aを設け
ているので、磁性体32の厚さを段階的に変化させるこ
とができ、段差の数や位置を適当に設定することによっ
て、磁性体32を着磁した場合、磁界強度分布を任意に
設定することが可能になる。詳しくは、図3に示すよう
に、着磁された磁性体34の厚さが均一である場合、磁
性体34を3つの磁石34a、34b、34cに分割し
て考えると、磁石34bは、自身の磁化の向きとは反対
向きの磁化を磁石34a、34cから受ける。この結果
、磁石34bの磁力は弱くなり、磁性体34の上面から
、ある高さで磁界強度を示した場合、磁界強度の分布は
図3のように示される。一方、ピットに2つの段差を形
成して、図4に示すように、磁性体35の厚さを中央部
が深くなるように段階的に変化させた場合、磁性体35
を3つの磁石35a、35b、35cに分割して考える
と、磁石35bの磁力は上述同様に弱められるが、磁石
35bの厚さは磁石35a、cに比較して大きいので、
磁界強度分布は、図4のようになり、磁界強度分布は図
3に示すものに比較すると均一になる。図4に示される
ものは意図的に均一化を図ったものであるが、ピットの
段差の数や位置を適当に変化させ組み合わせることによ
り、任意の磁界強度分布を得ることができる。
【0023】図5は請求項2記載の発明に係る磁気媒体
の一実施例を示す図である。図5において、40は磁気
媒体であり、磁気媒体40は、上記基板31と同様の材
料からなる基板41と磁性体42から構成される。基板
41にはピット43が形成されており、磁性体42はピ
ット43に埋設されている。またピット43は互いに近
接した2つの溝43a、43bから構成され、溝43a
の溝の深さは溝43bの深さより深い。なお、ピット4
3を構成する溝の数は3つ以上あってもよく、また境界
壁41a介して隣合う溝の深さの大小を逆にしてもよく
、さらにピット43は基板41を貫通するものであって
もよい。
【0024】上述のように構成される磁気媒体40を着
磁する場合、磁性体42はピット43に埋設されている
ので、磁気ヘッドの漏れ磁界によって着磁する必要があ
る従来のものに比較すると、強い磁界によって磁性体4
2を着磁することができる。また、分解能の精度が着磁
精度ではなくピットの位置精度によって決ることになる
ので、ピット43を後述するフォトエッチングプロセス
により形成することにより、ピット43の位置精度を向
上することができ、分解能を向上することができる。さ
らに基板41上にピット43が多数有る場合でも、各ピ
ットに埋設された磁性体42を一度に着磁することがで
き、着磁作業に要する時間を大幅に短縮することができ
る。
【0025】また一方、ピット43を互いに近接した深
さの異なる溝43a、43bから構成しているので、磁
性体43の厚さを断続的に変化させることができ、溝の
数や深さを適当に設定することによって、磁性体42を
着磁した場合、磁界強度分布を任意に設定することがで
きる。なお、本実施例では、各磁性体42間に隙間が生
じて、磁界強度がこの隙間の部分だけ多少低くなるが図
1または図2の磁界強度分布に近いほぼ均一な磁界強度
分布を得ることができる。
【0026】図6、図7は請求項3記載の発明に係る磁
気媒体の一実施例を示す図であり、磁気スケールの磁気
パターンとして用いられるものに適用した例である。図
6、図7において、50は磁気パターンとして用いられ
る磁気媒体であり、磁気媒体50はシリコン単結晶等の
基板51および磁性体52から構成される。基板51に
は所定パターンで配置されたピット53が形成されてお
り、磁性体52はピット53に埋設されている。また、
ピット53には2つの段差53a、53bが形成されて
おり、ピット53の深さが図7に示される断面の中央に
向うにしたがって段階的に大きくなっている。なお、ピ
ット53に設ける段差の数は3以上であってもよく、例
えばピット53の断面形状を図8に示されるようにして
もよい。
【0027】本実施例は、図1に示される実施例の構成
を含むので、請求項1記載の発明に係る磁気媒体の一実
施例で説明した効果と同様な効果を得ることができる。 また、本実施例の磁性体52を着磁すると、図4に示さ
れる磁性体35と同様な構成になるので、磁界強度の分
布を均一にすることができる。さらに、中央部近傍の磁
界強度が大きくなるので、平均の磁界強度を大きくする
ことができ、磁気媒体50を磁気スケールの磁気パター
ンとして用いる場合、磁気を検出する際の検出信号のS
/N比を大きくすることができる。
【0028】図9は請求項4記載の発明に係る磁気媒体
の一実施例を示す図であり、磁気スケールの磁気パター
ンとして用いられるものに適用した例である。図9にお
いて、60は磁気パターンとして用いられる磁気媒体で
あり、磁気媒体60はシリコン単結晶等の基板61およ
び磁性体62から構成される。基板61には所定パター
ンで配置されたピット63が形成されており、磁性体6
2はピット63に埋設されている。また、ピット63は
、互いに近接して並ぶ3個の溝63a、63b、63c
から構成され、中央の溝63bの深さが溝63a、63
cの溝の深さより深い。なお、ピット63を構成する溝
の数は3個以上であってもよい。
【0029】本実施例は、図5に示される実施例の構成
を含むので、請求項2記載の発明に係る磁気媒体の実施
例の効果と同様な効果を得ることができる。また、本実
施例の磁性体62を着磁すると、図4に示される磁性体
35とほぼ同様の構成になるので、磁界強度の分布を均
一にすることができる。さらに、中央部近傍の磁界強度
が大きくなるので、平均の磁界強度を大きくすることが
でき、磁気媒体60を磁気スケールの磁気パターンとし
て用いる場合、磁気を検出する際の検出信号のS/N比
を大きくすることができる。
【0030】次に、請求項5記載の発明に係る磁気媒体
の製造方法の一例として、上述の磁気媒体50と同じよ
うな構成の磁気パターンの製造方法を図10〜図15を
参照しながら説明する。なお、図10〜図15(u)は
磁気媒体の一つのピット近傍に相当する部分の断面を示
している。まず、図10(a)に示すように、シリコン
単結晶基板又はシリコンの単結晶に例えば窒素又はボロ
ン等の不純物を拡散させたもの(以下Si基板とする)
11を準備し、Si基板11に付着している塵、汚れ等
を半導体プロセスと同様の洗浄方法で除去し、Si基板
11を清浄にする。Si基板11としては、例えば半導
体IC用の基板を用いることができ、Si基板は酸また
はアルカリに反応し、反応の方向が結晶方位により選択
的であるいわゆる異方性エッチングが可能である。
【0031】次いで、清浄なSi基板11の表面を酸化
プロセスにより酸化させて、図10(b)に示すように
、Si部12およびSiO2層13から構成されるSi
O2/Si基板14を形成する。詳しくは、Si基板1
1を1000℃まで加熱させた横型の環状炉によって5
時間かけて酸化させる。ここで、SiO2は、後述する
異方性エッチングの際の非蝕刻部分の保護被膜として作
用する。酸化処理中、約80℃に加熱した水の中を通し
た酸素を環状炉内に供給する。加熱した水を通過後の酸
素は湿気(H2O)を十分に含んでおり、湿気を含んだ
酸素はシリコンの酸化速度を早めることが知られている
。実際には水蒸気の酸素がSi基板11を酸化させる。 例えば、内径50φ長さ1000mmの環状炉内に10
mm角で厚さ0.3mm程度のSi基板を処理する場合
の供給酸素流量は、0.2 リットル/分である。なお
、前述の酸化プロセスに代え、CVDスパッタ等の薄膜
形成技術を使用することができる。また保護被膜に代え
、エッチング液に耐性を有するTi、Cr等の金属、S
i3N4等の窒化物、TiC等の炭化物、Al2O3等
の酸化物及び有機物の使用が可能である。
【0032】次いで、図10(c)に示すように、Si
O2/Si基板14の基板面上に後述のレジスト剤から
なるレジスト15をスピンコーター等によりコーティン
グする。詳しくは、SiO2/Si基板14の基板面上
の中心部に有機系樹脂からなるフォトレジスト剤を数滴
垂らし、この中心部を通り基板面に垂直な軸線回りにS
iO2/Si基板14を回転させて、レジスト剤を基板
面に均一に薄く引き延ばし、約100℃に加熱した恒温
槽の中に入れレジスト剤を安定させる。レジスト剤とし
ては、プラズマドライエッチングに対して耐性のあるA
Z−1350J(ポジ型)ONNR−20(ネガ型)等
が考えられる。
【0033】次いで、レジスト剤の安定化後、図10(
d)に示すように、所定パターンが書き込まれたガラス
板16を置き、レジスト15にガラス板16を通して紫
外線を照射する。詳しくは、ガラス板16には、紫外線
を透過させない材料16aが選択的に塗られており、こ
の材料16aが塗られた部分と塗られていない部分、す
なわち、紫外線を透過させない部分と紫外線を透過させ
る部分により上述の所定パターンが形成されている。図
10(d)は一つのピットに相当する部分のみを示して
いるので、一つのピットに相当する部分には、紫外線を
透過させる部分を2箇所設けて互いに離隔させている。 したがって、紫外線を透過させる部分に対応する2箇所
のレジストだけが選択的に紫外線により照射され、光化
学反応を起こす。なお、光源としては、紫外線の他に可
視光や電子線あるいはx線等が使用される。フォトレジ
ストには紫外線露光により光不溶化反応を起すネガ型の
ものと、光可溶化反応を起すポジ型のものとが在るが、
ここでは、後者を使用した例について説明する。
【0034】次いで、SiO2/Si基板14をレジス
ト15と共に現像液に浸して現像し、図11(e)に示
すように、レジスト15の露光された部分のみを溶かし
出してSiO2/Si基板14から除去し、SiO2/
Si基板14の基板面を選択的に露出させる。この現像
処理により生じたSiO2/Si基板14の基板面のS
iO2露出部および非露出部によって形成されるパター
ンは上述のガラス板16の所定パターンと同じであり、
ガラス板16の所定パターンが転写されたものである。
【0035】次いで、RIE装置、すなわち、リアクテ
ィブイオンエッチング装置により、図11(f)に示す
ようにSiO2層13の露出部分を除去して、浅い溝1
7を形成する。RIE装置の代わりに電子サイクロトン
共鳴(ECR)エッチング装置や反応性イオンビームエ
ッチング装置等が知られている。詳しくは、SiO2/
Si基板14を入れた真空容器内にCF4ガスを供給し
、CF4をCF3とF*のプラズマ状態にし、この露出
部分を気化させる。CF4のF元素は非常に反応性に富
みSiO2とも反応して結合する。反応式は次式に示さ
れる。
【0036】 4CF4+SiO2→4CF3↑+SiF4↑+O2↑
上式に示すよう反応により生成される分子は室温で全て
気化し、気化した分子は真空ポンプにより真空容器から
排気される。なおエッチングガスとしてはCF4以外に
SF6やCF4にH2を加えたものが用いられる。次い
で、真空容器内にO2ガスを供給してプラズマを発生さ
せて、図11(g)に示すように、レジスト15を燃焼
させて除去する。
【0037】次いで、図11(h)に示すように、Si
O2/Si基板14を水酸化カリウム(KOH)水溶液
18に浸して反応させ、Si部12の露出部分を基板面
に垂直な方向にエッチングして、言いかえれば、浅い溝
17をさらに深さ方向に拡大して、図12(i)に示す
ように、SiO2/Si基板14に互いに離隔した一対
の第1の溝19を形成する。このエッチング処理が異方
性エッチング処理である。詳しくは、水酸化カリウムを
秤量してビーカに入れ、44重量%濃度の溶液になるよ
うに、純水をメスシリンダで計量して両者を混ぜ合わせ
る。両者を混ぜ合わせるとき発熱反応が生じるため、純
水を静かに何回かに分けてビーカに注ぎ入れた後、水を
入れた大型のボールにビーカを浸けて水酸化カリウム水
溶液18の熱を除去する。水酸化カリウムは親水性がよ
く容易に44重量%濃度の水溶液を作ることができる。 次いで、水酸化カリウム水液18を大型平底ビーカ20
に入れ、大型平底ビーカ20をホットプレート付き溶液
撹拌装置(図示しない)の上に載せ、大型平底ビーカ2
0に攪拌子(図示しない)を入れ、水酸化カリウム水溶
液18の液温が80℃、攪拌子の回転数が600rpm
になるように設定して、SiO2/Si基板14を水酸
化カリウム水溶液18に浸す。Si部12の露出部分が
所定の深さまでエッチングされた時点で、SiO2/S
i基板14を水酸化カリウム水溶液18から取り出し、
純水で洗浄して水酸化カリウム水溶液18を完全に除去
する。次いで、SiO2/Si基板14を加熱し乾燥さ
せて水分を除去し、光学顕微鏡でSiO2/Si基板1
4のSiO2層13およびエッチング面等の状態を確認
する。なお、Siの単結晶のエッチングの速度比はその
結晶方向によって決まっており、<111>方向に対し
<110>方向のエッチング速度比は500倍程度であ
る。いま、Si基板の面を(110)面にとると、Si
基板の厚さ方向のエッチング速度は基板の厚さ方向に垂
直な方向のエッチング速度の約500倍である。したが
って、Si基板を厚さ方向に 500μmエッチングし
た場合、基板の厚さ方向に垂直な方向にエッチングされ
る量は1.0μmであるため、異方性エッチングが可能
になる。以下に本実施例の異方性エッチングの条件を示
す。
【0038】 エッチング溶液  :水酸化カリウム(KOH)水溶液
濃度            :44重量%濃度エッチ
ング温度  :80℃ エチャント回転数:600rpm エッチングレート:0.7〜 1.5μm/minなお
、KOH等のアルカリ金属水酸化物の代りにエチレンジ
アミン、ヒドラジン等のアミン系水溶液も使用できる。
【0039】上述の一連の工程が、保護被膜を形成した
異方性エッチング可能なSiO2/Si基板14に、フ
ォトエッチングプロセスにより所定パターンの第1の溝
19を蝕刻形成する第1の工程に相当する。次いで、S
iO2/Si基板14を1000℃まで加熱した横型の
環状炉内で酸化させ、図12(j)に示すように、Si
O2/Si基板14全体をSiO2層13により覆う。
【0040】次いで、図12(k)に示すように、Si
O2/Si基板14の基板面上に後述のレジスト剤から
なるレジスト26をスピンコーター等によりコーティン
グする。次いで、レジスト剤の安定化後、図12(l)
に示すように、所定パターンが書き込まれたガラス板2
7を置き、レジスト26にガラス板27を通して紫外線
を照射する。ガラス板27は図10(d)のガラス板1
6と同じような構成になっており、ガラス板27の光を
透過させる部分は一対の第1の溝19の中間に1箇所設
けられ、一対の第1の溝19の両方に跨がるように延在
している。
【0041】次いで、SiO2/Si基板14をレジス
ト26と共に現像液に浸して現像し、図13(m)に示
すように、レジスト26の露光された部分のみを溶かし
出してSiO2/Si基板14から除去し、SiO2/
Si基板14の基板面を選択的に露出させる。次いで、
前述のRIE装置により、図13(n)に示すようにS
iO2層13の露出部分を除去する。
【0042】次いで、真空容器内にO2ガスを供給して
プラズマを発生させて、図13(o)に示すように、レ
ジスト27を燃焼させて除去する。次いで、図13(p
)に示すように、SiO2/Si基板14を水酸化カリ
ウム(KOH)水溶液18に浸して反応させ、Si部1
2の露出部分を基板面に垂直な方向にエッチングして、
図14(q)に示すように、SiO2/Si基板14に
第1の溝19より深い第2の溝29を形成する。なお、
図13(p)におけるSiO2層13の側壁13aはエ
ッチング中に崩れて除去される。
【0043】図12(j)〜図14(q)に示される上
述の一連の工程が、第1の工程で形成された第1の溝1
9内または溝19に隣接した所定部分(本実施例では隣
接した所定部分)に、フォトエッチングプロセスにより
第1の溝19の深さと異なる深さを有する所定パターン
の第2の溝29を形成する第2の工程に相当する。ここ
に、第1の溝内に第2の溝を形成する場合は、例えば、
一対の第1の溝を境界壁のない一つの大きな溝として形
成して、第1の溝内のほぼ中央に第2の溝を形成するよ
うにする。
【0044】次いで、図14(r)に示すように、Si
O2/Si基板14の溝19、29に磁性体21を埋め
込む。磁性体21の埋め込み方法として、以下の4通り
の方法がある。第1の方法は、直径1〜5μmのフェラ
イト磁性粉を溝19に入れて、別個に用意されたSi基
板で溝19、29に蓋をして圧力を加え、フェライトの
ハード磁性粉の密度を増大させる方法である。
【0045】第2の方法は、真空薄膜形成装置にSiO
2/Si基板14をセットし、スパッタ材料(ハードフ
ェライト)をターゲットにしてスパッタし、溝19、2
9に磁性体21を埋め込んでいく方法であり、通常のス
パッタ法と同じである。第3の方法は、磁気テープ、磁
気ディスケット等に用いられる磁性粉を含む塗布剤をS
iO2/Si基板14の溝19、29に流し込み、揮発
性物質を気化させて磁性粉の体積比を高める方法である
。詳しくは、フェライトの磁性粉を有機系のバインダ液
に入れて磁性粉が均一に分布するように十分に混ぜ合わ
せる。ただし、混合中に空気の混入による気泡が発生し
ないように、十分注意する必要がある。また、磁性粉の
混合比が磁界強度の強さに大きく依存する。混ぜ合わせ
る体積比にほぼ比例して磁界強度が変化する。次いで、
磁性粉を混ぜ合わせたバインダ液をSiO2/Si基板
14の溝19、29に垂らして溝19、29からやや溢
れるようになるまで入れる。次いで、SiO2/Si基
板14をホットプレートの上に載せ50℃程度に加熱し
てバインダ液に含まれた揮発物質を気化させ、相対的に
磁性粉の体積比を増大させる。
【0046】第4の方法は電気メッキ法に溝19の中に
金属磁性体を折出させ、これを充填する。次いで、上述
の4つのうちの何れの方法においても、図14(r)に
示すように磁性体21の表面は凹凸が発生するため、図
14(s)に示すようにSiO2/Si基板14の基板
面を研磨し、平坦にする。
【0047】図14(r)(s)に示される上述の工程
が、第1の溝19および第2の溝29の中に磁性体21
を埋め込む第3の工程に相当する。次いで、図14(t
)に示すように、SiO2/Si基板14上にSiO2
等からなる保護膜22を形成する。詳しくは、CVD法
(化学的気相成膜法)により約1.0μmのSiO2膜
をSiO2/Si基板14上に形成したり、あるいは、
薄いフィルムをSiO2/Si基板14に貼ったり樹脂
や塗料等を塗布して保護膜22を形成する。
【0048】次いで、磁性体21を着磁機により着磁す
る。詳しくは、図15(u)に示すように、基板面に沿
って延在する磁極間にSiO2/Si基板14を挟み、
磁性体21を基板面に垂直な方向の磁界により着磁する
。以上の工程により、図15(v)に示される磁気パタ
ーン25が製造される。上述のような製造方法によれば
、異方性エッチング可能な基板材料に、フォトエッチン
グプロセスによって第1の溝19および第2の溝29を
蝕刻形成し、各溝に磁性体21を埋設しているので、高
い精度を有する磁気媒体を容易に製造することができ、
またフォトリソグラフィーのマスクパターンを交換する
だけで、各種高精度の磁気媒体が製造することができる
。さらに磁性体21を着磁する場合、磁性体21を一度
に着磁することができ、各工程においても一度に多数の
基板材料を処理することができ、さらにまた磁性体21
を強い磁界で着磁することができる。一方、第1の溝1
9および第2の溝29の深さを異なるようにしているの
で、フォトリソグラフィーのマスクパターンを変更した
り、フォトエッチングプロセスを追加することにより、
前述の図1〜図9に示される磁気媒体の製造方法に適用
することができる。
【0049】次に、請求項6記載の発明に係る磁気媒体
の製造方法の一例として、上述の磁気媒体50と同じよ
うな構成の磁気パターンの製造方法を図10〜図11(
g)、図16〜図20を参照しながら説明する。なお、
図16〜図19においても磁気媒体の一つのピット近傍
に相当する部分の断面を示している。まず、図10〜図
11(g)に示される工程と同一の工程により形成され
たSiO2/Si基板14上にほう素Bを熱拡散させる
。熱拡散法には、大きく分けて気相拡散法と固相拡散法
との2種類があるが、ここでは、固相拡散法について説
明する。なお、不純物の導入方法としては他にイオン打
込み法等が知られている。詳しくは、固相熱拡散法によ
って、図16(a)に示すように、ほう素ガラス(B2
O3)81を堆積させる。例えば、図20に示すような
熱拡散炉100の反応室内にSiO2/Si基板14を
入れ、不純物の原材料であるガスB2H6と少量のO2
をキャリアガスN2にのせて反応室内に送り込む。反応
室内の温度は900℃に保たれており、次の反応式で示
される化学反応が起こり、ほう素ガラス81がSiO2
/Si基板14上に堆積される。なお、図20中、10
1はヒータ、102は流量調節弁、103はストップ弁
である。
【0050】 2B2H6+6O2  →  2B2O3+6H2Oほ
う酸ガラス81を堆積させる工程はプレデポジション拡
散と呼ばれており、この工程中、少量のBはSiO2/
Si基板14中に拡散するが、基板表面に高濃度で分布
する。次いで、不純物ガス(B2H6)を止め、反応室
内の温度を1100℃に上げ、反応を進める。第2の反
応は次の反応式で示される。
【0051】 2B2O3+3Si  →  4B+3SiO2この第
2の反応により、SiO2/Si基板14上のB2O3
のBはSi部12中に拡散(ドライブ拡散)し、SiO
2はSiO2/Si基板14上に堆積し、Si部12の
露出部分がSiO2層13に覆われる。図16(b)は
ドライブ拡散後の状態を示しており、図中の82はP型
不純物が導入されたP+層を示している。なお、本実施
例ではP型不純物を導入しているが、N型不純物を導入
してもよい。
【0052】上述の図10〜図11(g)および図16
(a)(b)に示される工程が、保護被膜を形成した異
方性エッチング可能な基板材料に、P型およびN型のう
ちの少なくとも一方の不純物(本実施例ではP型)を所
定パターンで導入する第1の工程に相当する。次いで、
図16(c)に示すように、SiO2/Si基板14の
基板面上にレジスト剤からなるレジスト83をスピンコ
ーター等によりコーティングし、約100℃に加熱した
恒温槽の中に入れレジスト剤を安定させる。次いで、レ
ジスト剤の安定化後、図16(d)に示すように、所定
パターンが書き込まれたガラス84を置き、レジスト8
3にガラス板86を通して紫外線を照射する。ガラス板
86の紫外線を透過させる部分は一対のP+層82の中
間で両層に跨がるようにして形成されている。
【0053】次いで、SiO2/Si基板14をレジス
ト83と共に現像液に浸して現像し、図17(e)に示
すように、レジスト83の露光された部分のみを溶かし
出してSiO2/Si基板14から除去し、SiO2/
Si基板14の基板面を選択的に露出させる。次いで、
RIE装置により、図17(f)に示すようにSiO2
層13の露出部分を除去する。
【0054】次いで、真空容器内にO2ガスを供給して
プラズマを発生させて、図17(g)に示すように、レ
ジスト83を燃焼させて除去する。次いで、図17(h
)に示すように、SiO2/Si基板14を水酸化カリ
ウム(KOH)水溶液18に浸して反応させ、Si部1
2およびP+層82の両方の露出部分を基板面に垂直な
方向にエッチングして、第1の溝87を形成する。なお
、このエッチングはP型不純物のドーピングの影響を受
けない。
【0055】次いで、図18(i)に示すように、干渉
弗酸88でSiO2層13を除去する。次いで、図18
(j)に示すように、弗酸、硝酸および酢酸の混合液8
9により、BをドーピングしたP+層だけをエッチング
し、図18(h)に示すように第2の溝90を形成する
。 上述の図16(c)〜図18(j)に示される工程が、
フォトエッチングプロセスを用い、基板材料中の不純物
導入部分と非導入部分との境界の近傍を蝕刻することに
より所定パターンの第1の溝を形成し、基板材料中の不
純物導入部分のみを蝕刻することにより第1の溝の深さ
と異なる深さを有する所定パターンの第2の溝を形成す
る第2の工程に相当する。
【0056】次いで、図18(l)に示すように、Si
O2/Si基板14の溝87、90に磁性体91を埋め
込む。磁性体91の埋め込み方法は、前述した方法と同
様の方法をとる。この図43に示される工程が、第1の
溝および第2の溝の中に磁性体を埋め込む第3の工程に
相当する。 次いで、図19(m)に示すように、SiO2/Si基
板14の基板面を研磨し、磁性体91の凹凸を平坦にす
る。
【0057】図18(l)、図19(m)に示される上
述の工程が、第1の溝87および第2の溝90の中に磁
性体91を埋め込む第3の工程に相当する。次いで、図
19(n)に示すように、SiO2/Si基板14上に
SiO2等からなる保護膜92を形成する。次いで、磁
性体91を着磁機により着磁する。詳しくは、図19(
o)に示すように、基板面に沿って延在する磁極間にS
iO2/Si基板14を挟み、磁性体91を基板面に垂
直な方向の磁界により着磁する。
【0058】以上の工程により、図15に示される磁気
パターン25とほぼ同様の磁気パターンが製造される。 上述の製造方法によれば、異方性エッチング可能な基板
材料に、P型およびN型のうちの少なくとも一方の不純
物(本実施例ではP型)を所定パターンで導入した後、
第1および第2の溝87、90を形成し、各溝87、9
0に磁性体91を埋設しているので、高い精度を有する
磁気媒体を容易に製造することができ、またフォトリソ
グラフィーのマスクパターンを交換するだけで、各種高
精度の磁気媒体を製造することができる。さらに磁性体
91を着磁する場合、一度に着磁することができ、各工
程においても一度に多数の基板材料を処理することがで
き、さらにまた磁性体を強い磁界で着磁することが可能
になる。一方、第1の溝87および第2の溝90の深さ
を異なるようにしているので、一方、第1の溝87およ
び第2の溝90の深さを異なるようにしているので、フ
ォトリソグラフィーのマスクパターンを変更したり、エ
ッチングプロセスを追加したりすることにより、前述の
図1〜図9に示される磁気媒体の製造方法に適用するこ
とができる。
【0059】なお、請求項5記載の磁気媒体の製造方法
における第1の溝19、第2の溝29および請求項6記
載の磁気媒体の製造方法における第1の溝87、第2の
溝90の断面形状、形成順序、溝深さ等は上述の実施例
に限定されるものではない。
【0060】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、基板に形
成されたピットに磁性体を埋設させているので、磁性体
を強い磁界で着磁することができ、また分解能の精度を
向上することができ、ピットに埋設された磁性体を一度
に着磁することができる。また一方、ピットに段差を設
けているので、磁性体の厚さを段階的に変化させること
ができ、段差の数や位置を適当に設定することによって
、磁性体を着磁した場合、磁界強度分布を任意に設定す
ることができる。
【0061】請求項2記載の発明によれば、基板に形成
されたピットに磁性体を埋設させ、ピットを構成する複
数の溝のうち少なくとも一つの溝の深さを残りの溝の深
さと異なるようにしているので、請求項1記載の発明に
よる効果と同様の効果を得ることができる。請求項3記
載の発明によれば、磁気パターンとして用いられる磁気
媒体において、ピットの深さをピットの所定断面の中央
に向うにしたがって段階的に大きくしているので、請求
項1記載の発明による効果に加え、磁性体の厚さを中央
に向うにしたがって段階的に大きくすることができ、磁
性体を着磁した場合、磁界強度の分布を均一にすること
ができる。
【0062】請求項4記載の発明によれば、磁気パター
ンとして用いられる磁気媒体において、ピットを構成す
る3個以上の溝のうち中央寄りの溝の深さを大きくして
いるので、請求項1記載の発明による効果に加え、磁性
体の厚さを中央に向うにしたがって断続的に大きくする
ことができ、磁性体を着磁した場合、磁界強度の分布を
均一にすることができる。
【0063】請求項5記載の発明によれば、異方性エッ
チング可能な基板材料に、フォトエッチングプロセスに
よって第1の溝および第2の溝を蝕刻形成し、各溝に磁
性体を埋設しているので、高い精度を有する磁気媒体を
容易に製造することができ、またフォトリソグラフィー
のマスクパターンを交換するだけで、各種高精度の磁気
媒体が製造することができる。さらに磁性体を着磁する
場合、一度に着磁し、各工程においても一度に多数の基
板材料を処理することができ、また磁性体を強い磁界で
着磁することができる。また一方、第1の溝および第2
の溝の深さを異なるようにしているので、請求項1〜請
求項4記載の発明に係る磁気媒体の製造方法に適用する
ことができる。
【0064】請求項6記載の発明によれば、異方性エッ
チング可能な基板材料に、P型およびN型のうちの少な
くとも一方の不純物を所定パターンで導入した後、互い
に深さの異なる第1および第2の溝を形成し、各溝に磁
性体を埋設しているので、請求項5記載の発明による効
果と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明に係る磁気媒体の一実施例
を示す断面図である。
【図2】図1におけるピットの他の実施態様を示す断面
図である。
【図3】図1における磁性体の厚さが均一である場合の
作用説明図である。
【図4】図1における磁性体の厚さが変化している場合
の作用説明図である。
【図5】請求項2記載の発明に係る磁気媒体の一実施例
を示す断面図である。
【図6】請求項3記載の発明に係る磁気媒体の一実施例
を示す断面図である。
【図7】図6におけるK−K矢視断面図である。
【図8】図7におけるピットの他の実施態様を示す断面
図である。
【図9】請求項4記載の発明に係る磁気媒体の一実施例
を示す断面図である。
【図10】請求項5記載の発明に係る磁気媒体の製造方
法における最初の工程を示す図であり、(a)は基板の
準備工程、(b)は第1SiO2層形成工程、(c)は
第1レジストコーティング工程、(d)は第1露光工程
を示す。
【図11】図10に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(e)は第1現像工程、(f)は第1ドライエッ
チング工程、(g)は第1レジスト除去工程、(h)は
第1ウエットエッチング工程を示す。
【図12】図11に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(i)はウエットエッチング後の基板断面、(j
)は第2SiO2層形成工程、(k)は第2レジストコ
ーティング工程、(l)は第2露光工程を示す。
【図13】図12に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(m)は第2現像工程、(n)は第2ドライエッ
チング工程、(o)は第2レジスト除去工程、(p)は
第2ウエットエッチング工程を示す。
【図14】図13に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(q)はウエットエッチング後の基板断面、(r
)は磁性体埋設工程、(s)は基板表面研磨工程、(t
)は保護膜形成工程を示す。
【図15】図14に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(u)は着磁工程、(v)は製造された磁気媒体
を示す。
【図16】請求項6記載の発明に係る磁気媒体の製造方
法における最初の工程を示す図であり、(a)はほう素
ガラス堆積工程、(b)はドライブイン拡散工程、(c
)はレジストコーティング工程、(d)は露光工程を示
す。
【図17】図16に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(e)は現像工程、(f)はドライエッチング工
程、(g)はレジスト除去工程、(h)はウエットエッ
チング工程を示す。
【図18】図17に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(i)はSiO2層除去工程、(j)はP+層エ
ッチング工程、(k)はP+層エッチング後の基板断面
、(l)は磁性体埋設工程を示す。
【図19】図18に示される工程の次の工程を示す図で
あり、(m)は基板表面研磨工程、(n)は保護膜形成
工程、(o)は着磁工程を示す。
【図20】図16(a)におけるほう素ガラスの堆積工
程に用いられる熱拡散炉を示す図。
【図21】従来の磁気パターンの製造装置を示す図。
【符号の説明】
30、40、50、60  磁気媒体 31、41、51、61  基板 32、42、52、61  磁性体 33、43、53、63  ピット 33a、53a、53b  段差 43a、43b、63a、63b、63c  溝14 
 SiO2/Si基板(保護被膜を形成した異方性エッ
チング可能な基板材料)1 19  第1の溝 29  第2の溝 21  磁性体 82  P+層(P型不純物の導入部)87  第1の
溝 90  第2の溝 91  磁性体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  ピットを有する基板と、前記ピットに
    埋設された磁性体と、を備えた磁気媒体であって、前記
    ピットに段差を形成したことを特徴とする磁気媒体。
  2. 【請求項2】  ピットを有する基板と、前記ピットに
    埋設された磁性体と、を備えた磁気媒体であって、前記
    ピットが互いに近接した複数の溝から構成され、複数の
    溝のうち少なくとも一つの溝の深さが残りの溝の深さと
    異なることを特徴とする磁気媒体。
  3. 【請求項3】  所定パターンに配置されたピットを有
    する基板と、前記ピットに埋設された磁性体と、を備え
    、磁気パターンとして用いられる磁気媒体であって、前
    記ピットの深さがピットの所定断面の中央に向うにした
    がって段階的に大きくなるように、ピットに複数の段差
    を形成したことを特徴とする磁気媒体。
  4. 【請求項4】  所定パターンに配置されたピットを有
    する基板と、前記ピットに埋設された磁性体と、を備え
    、磁気パターンとして用いられる磁気媒体であって、前
    記ピットが互いに近接して並ぶ3個以上の溝から構成さ
    れ、前記3個以上の溝のうち中央寄りの溝の深さが大き
    くなるようにしたことを特徴とする磁気媒体。
  5. 【請求項5】保護被膜を形成した異方性エッチング可能
    な基板材料に、フォトエッチングプロセスにより所定パ
    ターンの第1の溝を蝕刻形成する第1の工程と、第1の
    工程で形成された第1の溝内または該溝に隣接した所定
    部分に、フォトエッチングプロセスにより第1の溝の深
    さと異なる深さを有する所定パターンの第2の溝を形成
    する第2の工程と、第1の溝および第2の溝の中に磁性
    体を埋め込む第3の工程と、を有することを特徴とする
    磁気媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】保護被膜を形成した異方性エッチング可能
    な基板材料に、P型およびN型のうちの少なくとも一方
    の不純物を所定パターンで導入する第1の工程と、フォ
    トエッチングプロセスを用い、基板材料中の不純物導入
    部分と非導入部分との境界の近傍を蝕刻することにより
    所定パターンの第1の溝を形成し、基板材料中の不純物
    導入部分のみを蝕刻することにより第1の溝の深さと異
    なる深さを有する所定パターンの第2の溝を形成する第
    2の工程と、前記第1の溝および第2の溝の中に磁性体
    を埋め込む第3の工程と、を有することを特徴とする磁
    気媒体の製造方法。
JP03034935A 1991-03-01 1991-03-01 磁気媒体およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3135130B2 (ja)

Priority Applications (10)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03034935A JP3135130B2 (ja) 1991-03-01 1991-03-01 磁気媒体およびその製造方法
US07/842,057 US5350618A (en) 1991-03-01 1992-02-26 Magnetic medium comprising a substrate having pits and grooves of specific shapes and depths
EP92301703A EP0501815B1 (en) 1991-03-01 1992-02-28 Method of manufacturing a magnetic medium
DE69215717T DE69215717T2 (de) 1991-03-01 1992-02-28 Herstellung eines magnetischen Mediums
DE69215385T DE69215385T2 (de) 1991-03-01 1992-02-28 Magnetischer Träger und Herstellungsverfahren
EP94112094A EP0634758B1 (en) 1991-03-01 1992-02-28 Magnetic medium and method of manufacturing the same
US08/011,791 US5336586A (en) 1991-03-01 1993-02-01 Magnetic medium and method of manufacturing the same
US08/136,279 US5580639A (en) 1991-03-01 1993-11-23 Method of manufacturing magnetic patterns
US08/179,707 US5429911A (en) 1991-03-01 1994-01-11 Method of manufacturing a medium having a magnetic pattern
US08/437,569 US5527663A (en) 1991-03-01 1995-05-09 Method of manufacturing a medium having a magnetic pattern

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03034935A JP3135130B2 (ja) 1991-03-01 1991-03-01 磁気媒体およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04274308A true JPH04274308A (ja) 1992-09-30
JP3135130B2 JP3135130B2 (ja) 2001-02-13

Family

ID=12428048

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03034935A Expired - Fee Related JP3135130B2 (ja) 1991-03-01 1991-03-01 磁気媒体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3135130B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7220482B2 (en) 2001-01-24 2007-05-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Aligned fine particles, method for producing the same and device using the same
JP2008185405A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Yamaha Corp スライド操作装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7220482B2 (en) 2001-01-24 2007-05-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Aligned fine particles, method for producing the same and device using the same
JP2008185405A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Yamaha Corp スライド操作装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3135130B2 (ja) 2001-02-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5350618A (en) Magnetic medium comprising a substrate having pits and grooves of specific shapes and depths
JP2019514042A (ja) 予めパターン形成されたリソグラフィ・テンプレート、該テンプレートを使用した放射線パターニングに基づくプロセス、及び該テンプレートを形成するためのプロセス
JPH0611040B2 (ja) 導体パタ−ンの形成方法
US5445707A (en) Method of manufacturing article having magnetic patterns
JPH0562404A (ja) 磁気ヘツド用スライダーの製造方法
JP3105990B2 (ja) X線マスクおよびx線マスクの製造方法
US10233538B2 (en) Demagnetization of magnetic media by C doping for HDD patterned media application
JP3043394B2 (ja) 磁気スケールの製造方法
JPH04274308A (ja) 磁気媒体およびその製造方法
Wise et al. Solid-state processes to produce hemispherical components for inertial fusion targets
JP3005311B2 (ja) 磁気パターンの製造方法
CN1272770C (zh) 用于制造薄膜磁头的方法
JPH04329612A (ja) 磁気パターンの製造方法
US10361068B2 (en) Methods of forming features
JPH04176123A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH11186161A (ja) 磁場制御によるレジスト現像方法、レジスト現像装置および半導体装置の製造方法
JPH0766191B2 (ja) 非平坦面リソグラフィを用いたデバイス製作法
JPH0542810B2 (ja)
JPH05190441A (ja) レジストパターン形成方法
JPH076359A (ja) 磁気記録媒体用基板及びその製造方法
JPS58130528A (ja) 半導体のエツチング方法
JPH06274872A (ja) 磁気記録媒体の製造方法
JPH0391233A (ja) パターン形成方法
JPS5972136A (ja) レジスト・パタ−ン形成方法
JPS5827655B2 (ja) アパ−チャ絞りの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees