JPH04273911A - 廃棄物焼却炉の燃焼制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、廃棄物焼却炉の燃焼制
御方法に係り、特に都市ごみ、汚泥、産業廃棄物等を焼
却する流動層廃棄物焼却炉の燃焼制御方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来の廃棄物焼却方法に使用さ
れる流動層焼却炉の装置系統図である。この装置は、焼
却炉１０と、該焼却炉１０の底部に設けられた散気ノズ
ル４と、該散気ノズル４を経て導入される一次空気２に
よって形成される流動層１と、該流動層１の上部の空塔
部１５に二次空気３を供給する二次空気供給管１３と、
前記一次空気２を散気ノズル４に送る一次空気供給管１
２とから主として構成されている。一次空気２は、散気
ノズル４を経て焼却炉１０の底部に供給され、流動媒体
（砂等）の流動を開始して流動層１を形成する。一方、
廃棄物８は前記流動層１の上部から炉内に供給され、流
動層１でガス化分解し、部分燃焼され、必要に応じて補
助燃料または水を添加して燃焼される。燃焼ガスに同伴
する未燃分は、流動層１の上方の空塔部１５で二次空気
３と反応して完全燃焼し、排ガス１４は焼却炉１０の上
部から系外に取り出される。

【０００３】このような流動層焼却炉において、一次空
気２および被燃焼物である廃棄物８の投入量は、通常、
一定に制御され、総合空気比ｍＴ　は１．５〜２．０程
度に調整されるが、従来の廃棄物焼却方法では、焼却炉
へ投入される廃棄物量が変動しても、一定の供給量に対
応した制御が基本とされ、廃棄物が燃焼した時に生じる
炉内圧力、排ガス温度、排ガス中の酸素濃度等の異常を
検出した時にはじめて廃棄物の導入量を制御するという
、いわゆるフィードバック方式の制御が取られていた。

【０００４】しかしながら、前記炉内圧力、排ガス温度
または排ガス中の酸素濃度の変化は、炉内へ投入された
廃棄物が燃焼されてはじめて検出できるものであり、こ
れを基に投入量を制御しても、時間的な遅れを回避する
ことはできず、一時的な不完全燃焼により、例えば排ガ
ス中の一酸化炭素（ＣＯ）等の有害成分が増加するとい
う問題が生じる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点を解決し、焼却炉への廃棄物投入量の
変動を予め正確に検出し、これを直ちに修正すること、
および廃棄物投入量の変化に基づいて燃焼条件を前もっ
て制御することにより、例えばＣＯの発生が少なく、安
定燃焼を継続することができる廃棄物焼却炉のフィード
フォワード燃焼制御方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明者は、流動層焼却
炉を用いた廃棄物焼却方法において、焼却炉に投入され
る廃棄物中に大きな塊があったり、投入量が一次的に増
大したりすると廃棄物投入管と焼却炉との結合部に設け
られたエアーシール装置のシール板が前記増大した廃棄
物によって持ち上げられ、その傾斜角度が変化すること
に着目し、鋭意研究の結果、シール板の傾斜角度が大き
くなって予め大きな塊状が投入されること、または投入
量が一時的に増大することを検知したときに、前記エア
ーシール装置の給じん器の回転数を素早く制御して一時
的に投入量を少なくし、全体としての投入量を調整すれ
ばよいこと、および一次的な投入量の増大に対しては一
次空気量、二次空気量、炉床温度、炉内温度等を前もっ
て調節することにより、不完全燃焼の発生を回避し、安
定した完全燃焼を継続できることを見出し、本発明に到
達した。

【０００７】すなわち本願の第１の発明は、回転式のシ
ール板を有するエアーシール装置を経て炉内に投入され
る廃棄物を一次空気による流動層の形成下で焼却し、未
燃分を二次空気で燃焼する廃棄物焼却炉の燃焼制御方法
であって、前記エアーシール装置のシール板の傾斜角度
を監視し、この傾斜角度を基に廃棄物投入量の変動を検
知し、前記エアーシール装置の給じん機の回転数を制御
して廃棄物投入量を調節することを特徴とする廃棄物焼
却炉の燃焼制御方法に関する。

【０００８】本発明の第２は、回転式のシール板を有す
るエアーシール装置を経て炉内に投入される廃棄物を一
次空気による流動層の形成下で焼却し、未燃分を二次空
気で燃焼する廃棄物焼却炉の燃焼制御方法であって、前
記エアーシール装置のシール板の傾斜角度を監視し、こ
の傾斜角度を基に廃棄物投入量の変動を検知し、一次空
気量、二次空気量、炉床温度および炉内温度のうち少な
くとも一つを前もって制御することを特徴とする廃棄物
焼却炉の燃焼制御方法に関する。

【０００９】

【作用】エアーシール装置の給じん機に押圧されたシー
ル板は、焼却炉内に投入される廃棄物量が極端に増大し
たり、廃棄物中に大きな塊が混入すると該廃棄物に押し
上げられて固定部を軸として上向きに回転し、その傾斜
角度が変化する。したがってこのシール板の傾斜角度を
監視することにより、廃棄物投入量の急激な増大および
塊の混入による一次的な増大を検知することができる。

【００１０】図２は、本発明の原理を説明する廃棄物焼
却炉のエアーシール装置の説明図である。図において焼
却炉１０の側壁に廃棄物８の投入管５が連結されており
、連結部には分散機６が配置されている。この分散機６
の上流の廃棄物投入管５内にはエアーシール装置２１と
これを押圧するシール板２２が配置されている。シール
板２２の傾斜角度はリミットスイッチ１８によって常時
監視されている。

【００１１】図３は図２のシール板２２の傾斜角度の変
化を示す説明図である。図においてシール板２２は、炉
内の負圧に打ち勝ち、廃棄物供給側よりの漏れ込み空気
を防止するために、一定の力でエアーシール装置２１に
押し付けられているが、エアーシール装置のポケット容
積よりも大きな廃棄物が投入されたり、多量の廃棄物が
一度に投入されると上方に押し上げられて取付け部２３
を軸として上向きに回転し、この変位がＬＩＳ１８によ
って検出される。従ってこのシール板２２の変位量を監
視することにより、一時的に廃棄物投入量が増大したこ
とを検知することができる。

【００１２】エアーシール装置のシール板の傾斜角度を
監視し、その変化によって廃棄物投入量が大幅に増大し
たことを検出したときに、前記エアーシール装置の給じ
ん器の回転速度を落とし、一時的に廃棄物投入量を少な
くすることにより、全体として廃棄物の一定供給が図れ
る。

【００１３】また、エアーシール装置のシール板の傾斜
角度を監視し、その変化によって廃棄物投入量が大幅に
増大したことを検出したときに、焼却炉に供給される一
次空気量、二次空気量、炉床温度および炉内温度の少な
くとも一つを前もって制御することにより、酸素不足、
急速燃焼等に起因する不完全燃焼を回避することができ
、完全燃焼による安定したごみ焼却処理を継続すること
ができる。

【００１４】本発明において、炉床温度、炉内温度、炉
出口ガスの酸素濃度等の燃焼条件を基に、前記エアーシ
ール装置の給じん器の回転数を制御して廃棄物投入量を
炉内の燃焼条件に合致したものになるように制御するこ
ともできる。

【００１５】

【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。

【００１６】図１は、本発明の一実施例を示す装置系統
図である。この装置は、焼却炉１０と、該焼却炉１０の
底部に設けられた散気ノズル４と、該散気ノズル４を経
て導入される一次空気２によって形成される流動層１と
、該流動層１の上部の空塔部１５に二次空気３を供給す
る二次空気供給管１３と、該二次空気供給管１３に設け
られた二次空気ブロア１７と、前記一次空気２を散気ノ
ズル４に送る一次空気供給管１２と、該一次空気供給管
１２に設けられた一次空気ブロア１６と、前記流動層１
にその上方から廃棄物８を導入する廃棄物導入管５と、
該廃棄物導入管５と焼却炉１０との連結部に設けられた
分散機６と、該分散機の上流側廃棄物導入管５内に配置
された、エアーシール装置２１とこれに押圧されたシー
ル板２２と、該エアーシール装置２１を駆動するモータ
７と、前記シール板２２の傾斜角度を検出するリミット
スイッチ１８と、前記焼却炉１の流動層１および空塔部
１５にそれぞれ配置された温度検出器１９および２０と
、焼却炉１０の冷却部１１の出口に設けられた酸素濃度
検出機２４と、前記ＬＩＳ１８、温度検出機１９、２０
および酸素濃度検出機２４の検出データを基に前記エア
ーシール装置２１の回転数、一次空気量、二次空気量、
流動層１への補助燃料または水の添加量等をコントロー
ルするコンピュータ９とから主として構成されている。 ２５は水または補助燃料の供給管、２６および２７はそ
れぞれ補助燃料および水の流量調節バルブである。

【００１７】このような構成において、一次空気ブロア
１６により、一次空気供給管１２、散気ノズル４を経て
焼却炉１０内に供給された一次空気２は、例えば砂等か
らなる流動媒体を流動して流動層１を形成する。一方、
廃棄物導入管５からエアーシール装置および分散機６を
経て前記流動層１にその上方から導入さた廃棄物８は流
動層１でガス化、分解されて燃焼する。このとき廃棄物
８に大きな塊が含まれていなかったり、廃棄物の供給量
が安定していると、エアーシール装置２１の各ポケット
に廃棄物が一様に分配して導入されるので、シール板２
２が上方に回転移動することはないが、廃棄物８中に大
きな塊があったり、導入量が極端に多くなって前記ポケ
ットに収納しきれなくなると、廃棄物はポケットの上方
にはみ出し、前記シール板２２を押し上げる。押上られ
たシール板２２は軸２３を回転軸として上方に回転し、
この変位量をリミットスイッチ１８が検出する。次にこ
の検出信号がコンピュータ９に送られ、該コンピュータ
９によって前記エアーシール装置２１の回転数が制御さ
れ、多量に導入された余剰の廃棄物に相当するだけの廃
棄物量が低減され、全体として投入量が一定になるよう
に調節される。

【００１８】一方、一時的に多量に投入される廃棄物を
安定燃焼するために、前記リミットスイッチ１８による
検出信号を基に前記コンピュータ９で一次空気量、二次
空気量、炉床温度、炉内温度のうち少なくとも１つが制
御される。すなわち、前記シール板２２の傾斜角度が変
化し、一次的に廃棄物の大きな塊が投入されたか、また
は廃棄物投入量の一時的な増大が検出されたときは、例
えば一次空気量を絞り、その減少分に相当する空気を、
例えば二次空気とともに供給して全体の空気比を保持す
ることにより流動層でのガス化、分解の鈍化と床燃焼の
緩慢化が促進されるとともに、空塔部での高酸素濃度燃
焼とで完全燃焼が図られる。また廃棄物投入量が一時的
に増大して炉床温度が急激に低下した場合などは、補助
燃料の流量調節バルブ２６を開いて流動層内へ補助燃料
として、例えばオイルを補給し、炉内温度の低下が防止
される。このようにして廃棄物導入量の一時的な増大に
対して種々の燃焼条件が制御され、全体として安定した
完全燃焼が継続される。

【００１９】本実施例によれば、廃棄物導入管５と焼却
炉１０との連結部に配置されたエアーシール装置のシー
ル板の傾斜角度により廃棄物投入量の急激な増大を予め
検出し、これを基にしてエアーシール装置２１の回転数
を制御して廃棄物の安定供給を図ることができる。また
、廃棄物の大幅な増大を予め感知してそれに見合った燃
焼条件を前もって設定することができるので、不完全燃
焼を起こすことなく安定した焼却処理を継続することが
できる。

【００２０】

【発明の効果】本願の請求項１に記載された発明によれ
ば、廃棄物導入管に設けられたエアーシール装置のシー
ル板の移動角度を監視することにより、流動層に導入さ
れる廃棄物投入量の大幅な増大を予め検出し、これを基
に給じん機の回転数を制御して廃棄物投入量を安定させ
ることができる。

【００２１】請求項２に記載された発明によれば、廃棄
物の急激な増大に対しては、燃焼条件を前もって制御し
て完全燃焼を図ることができ、不完全燃焼を生ずること
なく安定した廃棄物の焼却処理が可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す装置系統図である。

【図２】本発明の原理を説明する説明図である。

【図３】図２の一部詳細図である。

【図４】従来技術を示す説明図である。

【符号の説明】

１…流動層、２…一次空気、３…二次空気、４…散気ノ
ズル、６…分散機、７…モータ、８…廃棄物、９…コン
ピュータ、１０…焼却炉、１２…一次空気供給管、１３
…二次空気供給管、１５…空塔部、１８…リミットスイ
ッチ、１９、２０…温度検出器、２１…エアーシール装
置、２２…シール板、２４…酸素濃度検出器。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　回転式のシール板を有するエアーシー
   ル装置を経て炉内に投入される廃棄物を一次空気による
   流動層の形成下で焼却し、未燃分を二次空気で燃焼する
   廃棄物焼却炉の燃焼制御方法であって、前記エアーシー
   ル装置のシール板の傾斜角度を監視し、この傾斜角度を
   基に廃棄物投入量の変動を検知し、前記エアーシール装
   置の給じん機の回転数を制御して廃棄物投入量を調節す
   ることを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼制御方法。
2. 【請求項２】　　回転式のシール板を有するエアーシー
   ル装置を経て炉内に投入される廃棄物を一次空気による
   流動層の形成下で焼却し、未燃分を二次空気で燃焼する
   廃棄物焼却炉の燃焼制御方法であって、前記エアーシー
   ル装置のシール板の傾斜角度を監視し、この傾斜角度を
   基に廃棄物投入量の変動を検知し、一次空気量、二次空
   気量、炉床温度および炉内温度のうち少なくとも一つを
   前もって制御することを特徴とする廃棄物焼却炉の燃焼
   制御方法。