JPH0427277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、各種音響機器のスピーカとして用い
られるもので、特に入力（電圧）が大きく、それ
に比例してコーンの振幅を大きくしてあるウーフ
アにおけるボイスコイル支持構造に関する。詳し
くはマグネツトアツセンブリーのギヤツプ内に挿
入位置させたボイスコイルボビンとその外周に位
置してボイスコイル及びコーンを中心に保持する
ダンパーとを接着剤を介して固着一本化してある
スピーカのボイスコイル支持構造に関する。

＜従来の技術とその問題点＞ 上記のようなスピーカにおいては、コーンの振
幅を十分大きくすること、ならびにスチフネスを
低くする上でボイスコイルボビン及びコーンを保
持するダンパーとして直径の大きいもの、つまり
上述の如く、ボビンをその外周から保持する所
謂、外側保持型式のものが望ましい。

然し乍ら、このような外側保持型式のダンパー
を用いた大入力、大振幅のスピーカにおいては、
入力を定格以上にして振幅を大きくした場合、前
記ダンパーの非直線性及び釣鐘運動によつて、こ
のダンパーの一部、特にボイスコイルボビンと該
ダンパーとを固着一体化するための接着剤（これ
は一般にエポキシ系の硬質のものが使用される）
部分がマグネツトアツセンブリーにおけるトツプ
プレートに衝撃的に接当して、例えばカンカンと
いつた異常音を発生し聴感を損ねたり、ボビンや
ダンパーの破損を早めるといつた難点があり、従
来ではそのための対策がなされていなかつたので
ある。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、かかる実情に鑑み、定格以上の大入
力、大振幅時における前述の如き難点を解消する
点に目的を有する。

上記の目的を達成するために本考案に係るスピ
ーカのボイスコイル支持構造は、冒頭詳記のもの
において、前記マグネツトアツセンブリーにおけ
るプレートの上記で前記ギヤツプに近隣する周辺
部分に弾性クツシヨン材を貼付けたという構成に
特徴を有するものである。

＜作用＞ このような特徴構成を有する本考案に係るスピ
ーカのボイスコイル支持構造によれば、入力を定
格以上にしてボイスコイルボビン及びコーンを大
きく振幅させた場合の釣鐘運動等によつて、ダン
パーの一部、特に硬い接着剤部分がマグネツトア
ツセンブリーにおけるトツププレートに衝突する
ように大きくかつ歪に振動したとしても、その接
着剤部分はトツププレートに直接接当せず、弾性
クツシヨン材に接当し、そのエネルギーがクツシ
ヨン作用にて緩衝されることになり、従つて、異
常音の発生が抑制されるとともに、ダンパーやボ
ビンの破損も十分に抑制されるのである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を図面に基づいて詳述す
る。

第１図乃至第３図において、１はヨーク１Ｂと
ドーナツ状マグネツト１Ｃとセンターポール１Ｄ
及びトツププレート１Ａとからなる外磁形磁気回
路構成用のマグネツトアツセンブリーである。２
は前記マグネツトアツセンブリー１のセンターポ
ール１Ｄとトツププレート１Ａとの間に形成のギ
ヤツプ内に挿入位置されるボイスコイル３を巻付
けたボイスコイルボビンであつて、その上端部に
は振動板であるコーン４が固着連設されている。
９は前記コーン４をフレーム８に対して弾性支持
するためのエツジであり、５は前記エツジ９と協
力してボイスコイル３及びコーン４を中心位置に
保持するダンパーであつて、該ダンパー５は同心
円状の多数のひだをつけて成形したコルゲーシヨ
ン・ダンパーであり、その内周縁部において、エ
ポキシ系の硬質接着剤６を介して前記ボイスコイ
ルボビン２の外周に固着一体化されている。７は
前記マグネツトアツセンブリー１におけるトツプ
プレート１Ａの上面で前記のギヤツプに近隣する
周辺部分に貼付けてある弾性クツシヨン材であ
り、これはスポンジゴムや綿状繊維の積層体など
柔軟性のある多孔物質からリング状に構成されて
いて、大入力、大振幅時において前記ダンパー５
の特に内周縁部分に接当してそのエネルギーを吸
収するものである。

尚、上記実施例では、橢円形コーンで図示した
が、円形コーンであつても良いこともちろんであ
る。

また、前記弾性クツシヨン材７としては、リン
グ状のものが最適であるが、円周方向に断続する
ものであつても良い。

＜考案の効果＞ 以上詳述したことからも明らかなように本考案
による時は、定格以上の入力をもつてコーンを大
きく振幅させた場合のダンパーの対プレート当り
を確実に防止して、その衝撃エネルギーを前記弾
性クツシヨン材にて吸収させることができるの
で、異常音の発生を無くし得ることと、共振によ
る影響を少なくし得ることとの相乗によりレスポ
ンスー周波数特性を改善できる。しかも、過大入
力によるボビンやダンパーなどの破損、破壊を極
力抑制し、スピーカ全体としての寿命を高めるこ
とができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部切欠き斜視図、第２図は要部の縦
断面図、第３図は要部の拡大縦断面図である。 １はマグネツトアツセンブリー、１Ａはプレー
ト、２はボイスコイルボビン、３はボイスコイ
ル、４はコーン、５はダンパー、６は接着剤、７
は弾性クツシヨン材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. マグネツトアツセンブリー１のギヤツプ内に挿
   入位置させたボイスコイルボビン２と、その外周
   に位置してボイスコイル３及びコーン４を中心に
   保持するコルゲーシヨンダンパー５とを、接着剤
   ６を介して固着一本化してあるスピーカのボイス
   コイル支持構造であつて、前記マグネツトアツセ
   ンブリー１におけるプレート１Ａの上面で、前記
   ギヤツプに近隣する周辺部分に、多孔物質から成
   る弾性クツシヨン材７を、大入力、大振幅時にお
   いて、前記コルゲーシヨンダンパー５の特に内周
   縁部分に接当するように貼り付けてあることを特
   徴とするスピーカのボイスコイル支持構造。