JPH04271832A

JPH04271832A - 成形吸着体の製造方法

Info

Publication number: JPH04271832A
Application number: JP5607791A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Maeda; 武士前田; Takayoshi Kaneda; 隆義金田; Yoshitaka Nakahigashi; 中東　義貴
Original assignee: Osaka Gas Co Ltd
Current assignee: Osaka Gas Co Ltd
Priority date: 1991-02-26
Filing date: 1991-02-26
Publication date: 1992-09-28

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、組成あよび組織が均一
で、一体性に優れた抄紙構造の成形吸着体の製造方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】吸着剤として粉末状活性炭が知られてい
るが、粉末状であるため、取扱いが煩雑である。また、
バインダーを用いて造粒した造粒活性炭も知られている
。しかしながら、この造粒活性炭も、浄水器などの吸着
装置への充填、取出し作業が煩雑化し、取扱い性が劣る
。

【０００３】そこで、前記粉末状活性炭と多量のバイン
ダーとを混合し、成形した成形吸着体が提案されている
。しかしながら、この成形吸着体において、一体性を高
めるためには、バインダーの含有量を多くすると、活性
炭のミクロポアが閉塞され、塩素成分などに対する吸着
能及び吸着除去効率が低下する。

【０００４】一方、活性炭素繊維をバインダーで接合し
た抄紙構造の成形吸着体も提案されている。この成形吸
着体は、抄紙構造とするため、活性炭素繊維とバインダ
ーを含むスラリー中で、吸引成形型を用いて吸引成形す
ることにより製造されている。この成形吸着体は、前記
活性炭素繊維がバインダーに接合保持されているので、
一般に吸着能が高い。しかしながら、原料スラリーを調
製する場合、撹拌工程でバインダーの種類などによって
はスラリーが発泡する。そして、発泡したスラリー中で
吸引成形すると、成形吸着体に、発泡に起因して空隙部
が生成する場合がある。さらに、成形吸着体の一体性を
高めるには、バインダーの含有量を多くする必要がある
ので、前記活性炭素繊維の含有量の低下に伴ない、吸着
能をさらに高めるには限界がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、活性炭素繊維の含有量が多く、しかも組成及び組織
が均一で、一体性に優れた抄紙構造の成形吸着体の製造
方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
、本発明は、少なくとも活性炭素繊維を含むスラリーを
、吸引成形型により吸引成形した後、成形体の少なくと
も表面にバインダーを含有せしめる抄紙構造の成形吸着
体の製造方法を提供する。

【０００７】以下、必要に応じて添付図面を参照しつつ
、本発明を説明する。

【０００８】活性炭素繊維は、例えば、ポリアクリロニ
トリル、フェノール樹脂、セルロース、レーヨン、ピッ
チなどを出発原料とする炭素繊維を賦活処理することに
より得られる。活性炭素繊維の比表面積は、例えば、５
００〜２５００ｍ２　／ｇ程度であり、その特異なミク
ロポアの構造に起因して、吸着速度および吸着能が大き
いという特徴を有する。

【０００９】スラリーは、少なくとも前記活性炭素繊維
を含んでいればよく、吸着能などを損わない範囲で、粉
粒状活性炭、補強繊維などを含んでいてもよい。

【００１０】粉粒状活性炭としては、吸引成形型の目詰
りを防止できる粒径、例えば、粒径１５０μｍ以上、好
ましくは２００μｍ〜５ｍｍ程度のものが使用でき、こ
れらの粉粒状活性炭の比表面積は、例えば、５００〜２
５００ｍ２　／ｇ程度である。

【００１１】粉粒状活性炭の添加量は、例えば、活性炭
素繊維１００重量部に対して０〜３００重量部程度であ
る。

【００１２】補強繊維としては、例えば、パルプ；木綿
、麻等の天然繊維；ポリエチレン、ポリプロピレンなど
のオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系
繊維、ポリアクリロニトリル繊維やこれらの複合繊維、
芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポリエステル繊維等の合
成繊維；レーヨンなどの半合成繊維；ガラス繊維、炭素
繊維、アルミナ繊維、金属繊維等の無機繊維が例示され
る。これらの非熱接着性繊維は、一種又は二種以上使用
できる。機械的強度の大きな合成繊維及び無機繊維は、
成形吸着体の補強効果が大きい。

【００１３】補強繊維は、活性炭素繊維１００重量部に
対して、例えば、０〜２００重量部、好ましくは０〜１
００重量部、さらに好ましくは０〜３０重量部程度の割
合で使用できる。

【００１４】また、スラリーは、必要に応じて、粉粒状
の熱溶融性樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどのオレフィン系ポリマー、ポリ酢酸ビニル、ポリ
ビニルアルコール、ポリエステル、ナイロン、アクリル
樹脂、ポリアクリロニトリル、スチレン系ポリマーなど
を含んでいてもよい。

【００１５】さらに、前記スラリーは、吸着能及び強度
などに悪影響を及ぼさない範囲で、分散剤、安定剤、粘
度調整剤、沈降防止剤、増粘剤、充填剤、紙力増強剤、
凝集作用を有する界面活性剤、特に高分子凝集剤や歩留
り向上剤などの種々の添加剤を含有していてもよい。

【００１６】スラリーの固形分濃度は、吸引成形性を損
わない範囲で選択でき、例えば０．１〜５重量％、好ま
しくは０．５〜２重量％程度である。また、前記活性炭
素繊維の含有量は、スラリーの固形分中、例えば、３０
〜１００重量％、好ましくは５０〜９９重量％、さらに
好ましくは９５〜９９重量％程度である。

【００１７】このようなスラリーを用いて、吸引成形型
により吸引成形する。吸引成形型は、成形面に微小な多
数の孔が形成された成形型本体と吸引口を備えている。図１は吸引成形型の一例を示す断面図、図２は吸引成形
型の他の例を示す断面図、図３は吸引成形型のさらに他
の例を示す概略斜視図である。

【００１８】図１に示す吸引成形型は、中空筒状の成形
型本体１と、この成形型本体１の一方の開口部を閉塞す
る閉塞板２ａと、他方の開口部に、成形型本体１の内部
と連通して形成された装着部２ｂと、前記成形型本体１
にメッシュ状に形成された多数の小孔３とで構成されて
いる。前記装着部２ｂには、吸引パイプ４が接続され、
前記吸引成形型本体１をスラリー中で吸引することによ
り、前記成形型本体１の表面に、スラリー中の成分を堆
積でき、成形体５を形成できる。

【００１９】また、図２に示す吸引成形型は、断面凹状
の二重壁１２ａ，１２ｂで構成された成形型本体１１と
、二重壁１２ａ，１２ｂの底板１３に形成された多数の
小孔１４と、装着部１５とで構成されている。この装着
部１５には、前記と同様に接続パイプ（図示せず）が接
続され、成形型本体１１の二重壁１２ａ，１２ｂ間の凹
部に前記スラリーを注入したり、成形型本体１１をスラ
リー中に浸漬して、接続パイプを通じて成形型本体１１
を吸引することにより、二重壁１２ａ，１２ｂ間の凹部
に対応した形状の成形体１６を得ることができる。

【００２０】図３に示す吸引成形型は、一端が閉塞され
た中空円筒状の成形型本体２１と、この成形型本体２１
の周面に形成された多数の小孔２３とで構成されている
。前記成形型本体２１の他方の端部には、吸引パイプ２
４が接続される。

【００２１】そして、本発明では、このようにして吸引
成形された成形体の少なくとも表面にバインダーを含有
せしめる。バインダーは、吸引成形型により吸引成形し
た後、バインダーを含む液をさらに吸引する方法、吸引
成形した成形体の表面にバインダーを塗布する方法によ
り含有させることができる。

【００２２】前記バインダーは、少量で一体性を高める
ため、液状であるのが好ましい。バインダーとしては、
例えば、アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ポ
リエステルなどの溶剤可溶性のポリマーも使用できるが
、作業性などの点から、水溶性又は水分散性バインダを
使用するのが好ましい。水溶性又は水分散性バインダー
としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、メチルセルロースなどのセルロース
系ポリマー、カルボキシ基含有のアクリル系ポリマー、
アラビアゴム、アルギン酸とその塩などの種々の水溶性
ポリマー；酢酸ビニル系エマルジョン、アクリル系エマ
ルジョン、スチレン−ブタジエンなどのスチレン系エマ
ルジョンなどの種々の水分散性ポリマーが挙げられる。

【００２３】バインダーの濃度は、前記成形体に適用で
きる粘度範囲であれば特に制限はなく、通常、１〜５０
重量％程度である。

【００２４】液状バインダーを吸引する場合、活性炭素
繊維などに付着しなかったバインダーは成形体中を通過
するので、必要最少限度のバインダーで活性炭素繊維を
接合できる。また、液状バインダーを塗布する場合、成
形体の表面での一体性が高く形状保持性に優れた成形吸
着体が得られる。なお、前記バインダーは、吸引と塗布
とを組合せて成形体に適用してもよい。バインダーを塗
布する場合、慣用の塗布方法、例えば、スプレー、ロー
ルコーティング、含浸塗布などの方法が採用できる。

【００２５】成形吸着体中のバインダーの含有量は、バ
インダーによる活性炭素繊維のミクロポアの閉塞を抑制
でき、かつ成形吸着体の一体性を高めることができる範
囲であればよく、例えば１〜３０重量％、好ましくは１
〜２５重量％程度である。

【００２６】バインダーを吸引又は塗布した後、成形体
を加熱乾燥することにより、少なくとも表面において、
活性炭素繊維とバインダーとが接合し、一体性および取
扱い性に優れた成形吸着体が得られる。加熱乾燥は、例
えば、１００〜２００℃程度の温度で行なうことができ
る。

【００２７】このような成形吸着体は、多量の活性炭素
繊維を含んでいるにも拘らず、組成及び組織が均一で、
機械的強度、一体性が高く、取扱い性に優れている。ま
た、活性炭素繊維の含有量を高めることができるので、
成形吸着体は吸着能に優れている。

【００２８】なお、吸引成形型は、図示する例に限らず
、成形吸着体の用途に応じた種々の形状の吸引成形型を
用いることができる。成形吸着体の形状は、例えば、シ
ート状、波型シート状、中空筒状などであってもよい。また、シート状の成形吸着体は、エンボス加工が施され
ていたり、ハニカム構造に加工されていてもよい。

【００２９】本発明の製造方法においては、活性炭素繊
維の含有量が、例えば、７０〜９９重量％程度の成形吸
着体を得ることができ、前記補強繊維などを併用する場
合であっても、例えば、活性炭素繊維の含有量１０〜９
５重量％の成形吸着体を得ることができる。さらに、通
水性及び通気性に優れた抄紙構造を有する成形吸着体が
得られ、成形吸着体は、吸着能及び吸着除去効率が高い
。

【００３０】本発明の方法により得られた成形吸着体は
、上水中の塩素成分などの除去、液体の脱臭脱色、溶剤
や有用物などの回収、気体及び液体中の不純物の除去・
精製などの吸着処理に使用できる。

【００３１】

【発明の効果】本発明の製造方法では、活性炭素繊維の
含有量が多く、組成及び組織が均一で、しかも一体性に
優れた成形吸着体が得られる。

【００３２】

【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明する。

【００３３】実施例１比表面積１０００ｍ２　／ｇのピッチ系活性炭素繊維［
（株）アドール製、商品名Ａ−１０］７０重量部、ポリ
アセテート繊維３０重量部を水２０００重量部に添加し
、同時に叩解し、均一なスラリーを調製した。

【００３４】得られたスラリー中に、図３に示すように
、吸引パイプが接続され、多数の小孔が形成された吸引
成形型本体（径１０ｍｍφ、長さ１２０ｍｍ）を有する
吸引成形型を浸漬し、吸引成形した。次いで、前記スラ
リー液から吸引成形型を取出し、水溶性ポリエステル樹
脂の水溶液（１０重量％）に浸漬し、約１秒間吸引した
。成形型から成形体を脱型し、成形体を１４０℃で２時間
加熱乾燥することにより、成形吸着体を得た。得られた
成形吸着体の比表面積は６８０ｍ２　／ｇであり、密度
は０．１２ｇ／ｃｃであった。

【００３５】実施例２比表面積１０００ｍ２　／ｇのピッチ系活性炭素繊維［
（株）アドール製、商品名Ａ−１０］７０重量部、ポリ
アセテート繊維３０重量部を水２０００重量部に添加し
、同時に叩解し、均一なスラリーを調製した。

【００３６】得られたスラリー中に、実施例１と同様に
して、吸引成形型を浸漬し、吸引成形した。次いで、成
形型から成形体を脱型し、成形体に、ポリエステル樹脂
の水溶液（５重量％）を塗布した後、１４０℃で２時間
加熱乾燥することにより、成形吸着体を得た。得られた
成形吸着体の比表面積は６９０ｍ２／ｇであり、密度は
０．１１ｇ／ｃｃであった。

【図面の簡単な説明】

【図１】吸引成形型の一例を示す断面図である。

【図２】吸引成形型の他の例を示す断面図である。

【図３】吸引成形型のさらに他の例を示す概略斜視図で
ある。

【符号の説明】

１，１１，２１…成形型本体５，１６…成形体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　少なくとも活性炭素繊維を含むスラリ
ーを、吸引成形型により吸引成形した後、成形体の少な
くとも表面にバインダーを含有せしめる抄紙構造の成形
吸着体の製造方法。
【請求項２】　　少なくとも活性炭素繊維を含むスラリ
ーを、吸引成形型により吸引成形した後、バインダーを
含む液をさらに吸引する請求項１記載の成形吸着体の製
造方法。
【請求項３】　　成形体の表面にバインダーを塗布する
請求項１記載の成形吸着体の製造方法。