JPH0426999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビデオテープレコーダその他の機器
にカセツトの装填を行うのに供されるカセツト装
填装置にするものである。

〔従来技術〕

従来より、この種のカセツト装填装置は、第４
図に示すように、カセツトを保持するための図示
しないカセツトホルダに突設されたガイドピン２
を、フレームに形成されたガイド溝１に嵌入して
これを案内すべく設ける一方、前記フレームに枢
着されたドライブギアアーム３のアーム部３ａに
長孔３ｂを形成し、この長孔３ｂに前記ガイドピ
ン２の突出先部を嵌入し、上記ドライブギアアー
ム３の回動によつて、カセツトホルダのガイドピ
ン２を前記ガイド溝１に沿わせながらカセツトホ
ルダの水平移動および垂直移動を行わせるように
構成されている。また、上記ドライブギアアーム
３にはスプリング４の一端部が固定されており、
このスプリング４の作用端部を前記ガイドピン２
に圧接させて、ガイドピン２が下降終了位置に達
した後もさらに時計方向に付勢するようになつて
いる。これにより、カセツトホルダに保持された
カセツトは、前記スプリング４にて押し上げられ
たガイドピン２の下降終了位置でテープトランス
ポート部に押圧される。

ところが、上記従来の構造では、カセツトホル
ダが水平移動中であつてそのガイドピン２に対し
てバネ力を付与する必要のないときにも、このガ
イドピン２に対しスプリング４の力が作用する構
成となつている。それ故、カセツトホルダの水平
移動中に前記スプリング４が変位することがあ
り、これがカセツトホルダの水平移動において不
規則な動きが発生する原因をなしていた。また、
カセツトホルダが垂直移動するときには、カセツ
トやカセツトホルダ等の自重に起因して、その上
昇時と下降時では駆動力に大きな差を生じる。そ
のため、カセツトホルダに円滑な昇降動作が得ら
れ難いと共に、駆動源及びその力の伝達部への負
荷の差が大きくなり、それだけ過大な容量を必要
とし、かつ耐久性を損なわれがちになるといつた
問題を有していた。

また、第５図に示すようなカセツト装填装置に
ついても既に提案されている。この装置は、ドラ
イブギア７とドライブアーム９とを別体に構成し
てこれらを同軸上に枢着し、一端部をドライブギ
ア７に固定されたスプリング８の他端作用部側を
ドライブアーム９に固定して、フレームのガイド
溝５によつて案内されるカセツトホルダのガイド
ピン６に対して、上記従来例と同様の作用力を付
与するように構成したものである。しかしなが
ら、かかるカセツト装填装置についても、上述し
たのと同様の問題点を有しており、これらの問題
を解決するための手段には何らなつていないのが
実情である。

〔考案の目的〕

本考案は、上記従来の問題点を考慮してなされ
たものであつて、カセツトホルダの規則的な水平
移動を保障すると共に、同カセツトホルダの垂直
移動時においては、その円滑な昇降動作を行わ
せ、かつ駆動源及びその力の伝達部への負荷を軽
減して、これらが必要とする最大負荷容量を低減
し、耐久性を向上させたカセツト装填装置の提供
を目的とするものである。

〔考案の構成〕

本考案のカセツト装填装置は、上記の目的を達
成するために、カセツトを保持しうるカセツトホ
ルダに突設されたガイドピンが、フレームに形成
された水平ガイド溝及び垂直ガイド溝からなるガ
イド溝に嵌入され、このガイド溝に沿つてカセツ
トの挿入・取り出し位置と動作位置とに駆動され
るカセツト装填装置において、上記垂直ガイド溝
に沿つて移動自在に設けられたガイドホルダに、
前記水平ガイド溝との連通可能な位置にて上記ガ
イドピンを保持しうる保持溝を形成するととも
に、このガイドホルダが垂直ガイド溝の上位に位
置するときはこれを上方に付勢し、下位に位置す
るときは下方に付勢しうる付勢手段を設けて、駆
動源及びその力の伝達部が必要とする最大負荷容
量を低減するとともにカセツトホルダの円滑な水
平・垂直移動を保障しうるように構成したことを
特徴とするものである。

〔実施例〕

本考案の一実施例を第１図ないし第３図に基づ
いて説明すれば、以下の通りである。

ビデオテープレコーダ等の機器には、第１図に
示すように、フレーム１５が設けられている。こ
のフレーム１５における左右に相対峙して形成さ
れた左右一対と立上壁１５ａ，１５ａには、機器
の奥行き方向に延成された水平ガイド溝１６，１
６がそれぞれ対向配置に形成されている。これら
水平ガイド溝１６，１６の奥端部には更に垂直ガ
イド溝１７，１７が形成され、水平ガイド溝１６
と垂直ガイド溝１７とは連通形状に形成されてい
る。上記フレーム１５の両立上壁１５ａ，１５ａ
間には、矢印Ａ方向から挿入されるカセツト１１
を保持するためのカセツトホルダ１２が設けられ
ている。このカセツトホルダ１２には、その左右
両側に形成された立上壁１２ａ，１２ａに、ガイ
ドピン１３，１３がそれぞれ外向きに突設されて
いる。これらガイドピン１３，１３は、それぞれ
前記ガイド溝１６又は１７に貫挿されている。ま
た、上記フレーム１５における両立上壁１５ａ，
１５ａの外壁面側には、図示しない駆動手段に接
続されたドライブギアアーム１４，１４がそれぞ
れ枢着されており、このドライブギアアーム１４
に形成された二股状アーム部１４ａ，１４ａ間の
長溝部１４ｂに前記ガイドピン１３の突出先部が
遊嵌されている。

一方、前記フレーム１５における両立上壁１５
ａ，１５ａに形成された垂直ガイド溝１７，１７
には、この垂直ガイド溝１７，１７に内壁面側か
ら摺嵌されこれに沿つて昇降自在に摺動しうるガ
イドホルダ１８がそれぞれ設けられている。この
ガイドホルダ１８は、第２図にも示すように、横
向きに開口された保持溝１８ａを有し、ガイドホ
ルダ１８の最上昇位置において保持溝１８ａが前
記水平ガイド溝１６と連通し、ガイドホルダ１８
の最下降位置においては保持溝１８ａの開口側が
垂直ガイド溝１７の周壁によつて閉塞されるよう
になつている。また、前記フレーム１５における
両立上壁１５ａ，１５ａの内壁面側には付勢手段
としてのスプリング１９の一端部が固定され、他
端作用部側は上記ガイドホルダ１８に固定されて
いて、ガイドホルダ１８が垂直ガイド溝１７の上
位に位置するときは、これを上方に付勢し、垂直
ガイド溝１７の下位に位置するときは、ガイドホ
ルダ１８を下方へ付勢しうるように設定して設け
られている。

上記の構成において、カセツトホルダ１２のガ
イドピン１３は、第３図ａに示すように水平ガイ
ド溝１６の最前端位置（Ｂ点位置）に予め設定さ
れている。ここで、カセツト１１をカセツト挿入
口へ押し込むと、このカセツト１１はカセツトホ
ルダ１２上に載置される。このとき図示しない駆
動手段が起動してドライブギアアーム１４を回動
させるので、ドライブギアアーム１４の二股状ア
ーム部１４ａ，１４ａによつてカセツトホルダ１
２のガイドピン１３が水平ガイド溝１６に沿つて
送り込まれる。カセツトホルダ１２のガイドピン
１３は、水平ガイド溝１６の最奥端に達してか
ら、第３図ａに示すＣ点位置で、予め垂直ガイド
溝１７の最上位に位置しているガイドホルダ１８
の保持溝１８ａに嵌め込まれて保持される。この
ような状態において、上記ドライブギアアーム１
４が更に回動すると、カセツトホルダ１２のガイ
ドピン１３はガイドホルダ１８と共に下降する
が、このときドライブギアアーム１４の駆動エネ
ルギがスプリング１９に蓄積される。そして、ガ
イドピン１３が同図ｂに示すＤ点位置を通過する
ときに、スプリング１９への駆動エネルギの蓄積
が終わり、Ｄ点位置を通過した後は、同スプリン
グ１９による下向きの力がガイドホルダ１８を介
してガイドピン１３に加えられる。この下向きの
力は、ガイドピン１３が、カセツトの動作位置で
あり且つ下降終了位置である同図ｃのＥ点位置に
達したときに、カセツトホルダ１２にて保持され
たカセツト１１を図示しない動作部としてのテー
プトランスポート部へ押圧するのに必要な押圧力
となる。

一方、カセツト１１を取り出す場合、ガイドピ
ン１３が垂直ガイド溝１７のＥ点位置からＤ点位
置に到達するまでの僅かな区間だけ、ドライブギ
アアーム１４には、カセツト１１やカセツトホル
ダ１２等の自重に加えて、スプリング１９の蓄勢
力に抗するだけの駆動力を必要とするが，垂直ガ
イド溝１７のＤ点位置からＣ点位置までの上昇区
間ではスプリング１９に蓄積されたエネルギによ
つてカセツト１１等の自重を打ち消す方向に付勢
されるので、駆動源及びその力の伝達部への負荷
が軽減されることになる。

以上のように、カセツトホルダ１２のガイドピ
ン１３が垂直ガイド溝１７に沿つて下降するとき
に、カセツト１１等の自重その他の力を付勢手段
としてのスプリング１９に蓄積し、これをカセツ
トホルダ１２の下降終了位置での押圧力および上
昇時の付勢上昇力に変換する構成であるから、駆
動源及びその力の伝達部への負荷が軽減され、駆
動源等に必要な最大負荷容量が低減される。ま
た、カセツトホルダ１２が水平移動するときに
は、上記付勢手段の影響を全く与えないので、カ
セツトホルダ１２において円滑な水平移動が保障
されることになる。

〔考案の効果〕

本考案に係るカセツト装填装置は、以上のよう
に、カセツトを保持しうるカセツトホルダに突設
されたガイドピンが、フレームに形成された水平
ガイド溝及び垂直ガイド溝からなるガイド溝に嵌
入され、このガイド溝に沿つてカセツトの挿入・
取り出し位置と動作位置とに駆動されるカセツト
装填装置において、上記垂直ガイド溝に沿つて移
動自在に設けられたガイドホルダに、前記水平ガ
イド溝との連通可能な位置にて上記ガイドピンを
保持しうる保持溝を形成するとともに、このガイ
ドホルダが垂直ガイド溝の上位に位置するときは
これを上方に付勢し、下位に位置するときは下方
に付勢しうる付勢手段を設けた構成である。これ
により、カセツトホルダには安定した規則的な水
平移動が保障されるばかりでなく、カセツトホル
ダの垂直移動時において、円滑な昇降動作が行わ
れ、かつ駆動源及びその力の伝達部への負荷を軽
減して最大負荷容量を低減し、耐久性を向上させ
ることができる。しかも、少ない部品点数にて構
成し得るので、コスト高を招来しないという効果
も併せて奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第３図は本考案の一実施例を示す
ものであつて、第１図は要部斜視図、第２図はガ
イドホルダの斜視図、第３図ａ〜ｃはそれぞれカ
セツトホルダの移動位置における各動作状態を示
す説明図、第４図及び第５図はそれぞれ従来例を
示す説明図である。 １１はカセツト、１２はカセツトホルダ、１３
はガイドピン、１４はドライブギアアーム、１５
はフレーム、１６は水平ガイド溝、１７は垂直ガ
イド溝、１８はガイドホルダ、１８ａは保持溝、
１９はスプリング（付勢手段）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カセツトを保持しうるカセツトホルダに突設さ
   れたガイドピンが、フレームに形成された水平ガ
   イド溝及び垂直ガイド溝からなるガイド溝に嵌入
   され、このガイド溝に沿つてカセツトの挿入・取
   り出し位置と動作位置とに駆動されるカセツト装
   填装置において、上記垂直ガイド溝に沿つて移動
   自在に設けられたガイドホルダに、前記水平ガイ
   ド溝との連通可能な位置にて上記ガイドピンを保
   持しうる保持溝を形成するとともに、このガイド
   ホルダが垂直ガイド溝の上位に位置するときはこ
   れを上方に付勢し、下位に位置するときは下方に
   付勢しうる付勢手段を設けたことを特徴とするカ
   セツト装填装置。