JPH04268553A - 感光材料処理装置 - Google Patents

感光材料処理装置

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JPH04268553A
JPH04268553A JP7870991A JP7870991A JPH04268553A JP H04268553 A JPH04268553 A JP H04268553A JP 7870991 A JP7870991 A JP 7870991A JP 7870991 A JP7870991 A JP 7870991A JP H04268553 A JPH04268553 A JP H04268553A
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JP
Japan
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processing
photosensitive material
roller
liquid
tank
Prior art date
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Application number
JP7870991A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hayashi
博司 林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH04268553A publication Critical patent/JPH04268553A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、感光材料の湿式処理装
置に関するものであり、更に詳しくは、迅速処理性に優
れた高品質な感光材料を安定に処理するための新規な感
光材料処理装置に関する。 【0002】 【従来の技術】感光材料処理装置として、露光後の感光
材料に対して現像、漂白、定着、漂白定着、水洗、安定
化及び乾燥等の処理を行い、感光材料上に画像を形成す
る装置がある。上記処理のうち水洗、安定化処理工程は
洗浄工程とも呼ばれる。通常、これらの処理は、露光後
の感光材料を搬送しながら各処理液中へ浸漬する過程か
らなっている。 【0003】最近の動向として、いずれの感光材料も処
理の簡易化及び迅速化が望まれているが、従来の処理液
浸漬方式では、簡易化(小型化)すれば全体の処理時間
に対する浸漬時間の比率が下がり実質の処理時間が減少
するなどの障害がある。 【0004】この欠点を補う手段として、洗浄装置(水
洗装置)については、浸漬以外の手段としては、特開昭
62−240967号、同62−240969号公報に
記載のように、流下水により感光材料表面を洗浄する装
置や、実開昭50−947号、同51−147442号
公報に記載のように、感光材料に洗浄水を吹き付けて水
洗を行う装置が提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
処理では、迅速処理時に充分に性能が発揮できず、その
原因の一つは、感光材料表面付近に位置する処理液と新
鮮な処理液と交換が円滑に行われない。 【0006】例えば、水洗工程を例に説明すると、漂白
定着液が付着した感光材料をそのまま乾燥すると、漂白
定着液に含まれるチオ硫酸塩、チオ硫酸銀錯塩等の処理
液成分が膜面に結晶として析出したり、保存中に画像銀
と処理液成分が反応して画像が変色したり、退色したり
、また処理液に溶解されている銀錯塩が硫化銀になって
汚染を生じたりする。したがって、感光材料表面や乳剤
膜内部の処理液成分を除去するために水洗処理及び安定
化処理を行う。 【0007】感光材料を水洗水中に浸漬して水洗する方
式においては、感光材料を浸漬するための水洗水を多量
に収容した水洗槽内で感光材料を搬送するための搬送手
段を必要とするので、搬送機構が複雑であり装置が大型
になる。また、感光材料を水洗水中に所定時間浸漬する
ので水洗時間が長くなる。 【0008】また、特開昭63−216050号公報に
記載の、スリット状水洗槽内の水洗水中に感光材料を浸
漬する装置は、少量の水洗水で効率の良い水洗を行える
が、装置が複雑で保守が難しい。 【0009】また、特開昭62−240967、同62
−240969号公報に記載の、流下水により感光材料
表面を洗浄する装置にあっては、水洗水の流下だけでは
十分な水洗を行うことができない。 【0010】更に、特開昭62−240970号公報に
記載の、流下水を実質的に多段供給する装置は、装置が
大型かつ複雑で保守が難しい。更に、実開昭50−94
7号、同51−147442号公報に記載の、感光材料
に水洗水を吹きつけて水洗を行う装置にあっては、水洗
水の噴流だけでは十分な水洗を行うことができない。 【0011】以上述べてきたことから明らかなように、
本発明の目的は高品質でしかも簡易で超迅速処理可能な
感光材料の処理装置を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段及び作用】本発明に係る上
記目的は、下記(1)から(3)に記載の処理装置によ
り達成される。 (1)  連続した複数の処理槽と、少なくとも一部が
処理液に浸漬されて回転する処理ローラと、該処理ロー
ラの処理液中の周面に感光材料の乳剤面を係合させて感
光材料を搬送する手段とを備え、前記処理槽の液面より
下方にシャッタ手段を備えた感光材料移送口を形成し、
前記処理ローラと感光材料との係合を維持した状態で、
前記処理ローラの周速度の絶対値が感光材料搬送速度の
絶対値の1.5倍以上で前記処理ローラを回転させて感
光材料を処理し、隣接する処理槽間で感光材料を前記移
送口を通して搬送することを特徴とする感光材料処理装
置。 (2)  前記処理が洗浄処理であることを特徴とする
感光材料処理装置。 (3)  前記処理ローラの周速度の絶対値が、感光材
料搬送速度の絶対値の60倍以上であることを特徴とす
る感光材料処理装置。 【0013】本発明によれば、処理ローラの処理液中の
周面に感光材料を係合させて処理ローラの周速度の絶対
値が感光材料搬送速度の絶対値の1.5倍以上で処理ロ
ーラを回転させて処理し、しかも隣接する処理槽間で感
光材料を処理液中に位置する移送口を通して搬送し処理
槽間の渡り時間を省略することにより、少量の処理液で
短時間で良好な処理を行うことができる。また、少量の
処理液で処理できるので、処理装置の小型化が図れる。 【0014】また、感光材料を処理液中で移送すること
により、処理槽に天板を設けるなど処理槽の密閉化が極
めて容易であり、処理ローラを高速回転しても処理液の
酸化や蒸発を防止することができる。 【0015】本発明によれば、例えば洗浄工程では、感
光材料に付着していた処理液成分が、迅速に交換される
洗浄水により除去され、効率の良い洗浄を行うことがで
きる。 【0016】本発明は特に特願平1−232590号明
細書に開示されているような、ゼラチンを減量した感光
材料の洗浄工程に対して有効である。感光材料中にゼラ
チン量が少ないと、感光材料表面での洗浄の寄与が高く
なり、本発明の洗浄工程をもつ装置で感光材料を処理す
ることにより効率の良い洗浄を行うことができる。また
、処理液中で感光材料は膨潤し難く、高温で乾燥して乾
燥時間を短縮しても感光材料にひび割れやシワが生じる
ことがない。 【0017】また現像工程では、感光材料乳剤面と接す
る現像液が新鮮な現像液と迅速に交換され、現像の迅速
化が可能である。このように、洗浄、現像などを始めと
する処理工程の迅速化を実現できる他、少量の処理液で
効率良く処理を行え、しかも構成要素が少ないので装置
を簡略かつ小型に構成することができ保守も容易である
。 【0018】本発明は、感光材料が処理液と接触して処
理される方式であれば、処理液の種類は限定されないが
、特にある処理液で濡れた状態の感光材料に他の種類の
処理液を供給する場合に好適である。濡れた状態の感光
材料とは、例えば現像液、漂白定着液、漂白液、定着液
等から搬出された直後の感光材料を意味する。 【0019】乳剤等の液体の塗設方法等においては、一
定の塗設量確保のために、液体に接した塗布ローラを感
光材料と接触回転させて用いることが知られているが、
一般にこのような塗布ローラは感光材料の搬送速度とほ
ぼ等しい周速度で搬送方向と同一方向に回転駆動される
。塗布ローラの周速度を感光材料の搬送速度より速くし
て回転すると、感光材料表面に傷がつくことや、塗設精
度が維持できないなどの問題があり、塗布ローラの周速
度を感光材料搬送速度より速くすることは実現には到っ
ていない。 【0020】ところが、本発明のように処理ローラを感
光材料搬送速度より高速度で回転させて処理を行っても
、感光材料表面には傷がまったく生じないことが判明し
た。これは、処理ローラと感光材料との間で処理液の膜
が形成されしかも連続的かつ高速で液の交換(流れ)が
あるためと考えられる。 【0021】このように、処理ローラを高周速度で回転
することは、液の交換の点からも重要であり、従来の塗
設手段の考え方を延長しただけでは到達し得ない、全く
新規な方法である。 【0022】前記処理ローラの回転方向は限定されない
が、感光材料搬送方向とは逆方向に回転することが好ま
しい。処理ローラの周速度の絶対値は、感光材料搬送速
度の絶対値の少なくとも1.5倍以上であり、1500
倍の速度比までは本発明の効果が確認されている。上記
速度比は、好ましくは20〜1000倍、更に好ましく
は30〜500倍、特に好ましくは60〜300倍であ
る。上記速度比は、処理液の飛沫が上がらない限度内で
高くすることができる。処理ローラの周速度は、上記速
度比と感光材料搬送速度とから設定される。実際には、
処理ローラの周速が150km/時までは本発明の効果
が確認されている。 【0023】本発明に使用可能な処理ローラの表面形状
や材質は特に限定されない。処理ローラとしては、例え
ば処理液を担持可能にするために周面に凹部や凸部を有
するローラや、吸水性を有するローラがある。処理ロー
ラ周面の凹部の深さ及び凸部の高さは0.1〜5mmが
好ましい。また、処理ローラとして、ワイヤーを螺旋状
に巻き付けたいわゆるワイヤーロッドを用いてもよく、
この場合ワイヤーの直径は1〜5mmであることが好ま
しい。更にグラビヤ印刷用ローラ、平面ローラ、スポン
ジローラを用いることもできる。 【0024】本発明によれば少ない処理液量でも良好な
処理を行うことができる。したがって、処理槽の容量が
450ml以下であっても良好な処理が行われる。更に
、処理槽の容量が45ml以下であっても本発明の処理
ローラを用いることにより良好な処理を行うことができ
る。処理槽の容量の下限値は特に限定されないが、処理
を可能にする量を含んでいればよい。 【0025】これに対し、処理液に感光材料を浸漬して
処理する方式で処理槽の小型化を図った場合には、感光
材料搬送速度を遅くして所定の液接触時間を得るように
する必要があり、迅速処理を達成することができない。 また、搬送速度が遅いと感光材料表面付近の液が良好に
交換されず、これを防止するために処理液を攪拌すると
、液面が安定せず浸漬時間が一定でなくなり処理ムラが
生じる。更に、処理液中で感光材料を搬送したり反転さ
せる構成では各構成部材の配置の上で小型化に限界があ
る。 【0026】特に、低補充、閑散処理の状況下では処理
液が平衡濃度に達するのが遅く処理の不安定化につなが
り、これを改良するには処理槽の小型化及び処理液量を
少なくすることが有効である。 【0027】本発明のように処理液に少なくとも一部が
浸漬される処理ローラの処理液中の周面に感光材料を係
合させて処理することにより、処理槽の容量が少なくて
も良好な処理を行え、処理槽の小型化が図れる。 【0028】本発明の実施に際しては、処理液の蒸発防
止や酸化防止のために処理液上方を密閉化することが好
ましい。処理液に少なくとも一部浸漬された処理ローラ
を回転すると、処理液が空気と接する機会が多く、処理
液の蒸発や酸化が急速に進行し処理機能が低下する。特
に迅速処理の水洗工程は、迅速化のために洗浄液を高温
度にすることが多く、蒸発や酸化が促進される傾向にあ
る。 【0029】また、処理ローラにより洗浄を行う場合、
洗浄液の蒸発量が多いと液面が処理ローラより下方に下
がってしまうことがあり、感光材料に傷がつくなどの問
題がある。 【0030】これらを防止するために、処理液の上方を
実質的に密閉することが好ましい。処理液の蒸発及び酸
化を防止するために、処理液が完全に空気と接しないよ
うにすることが好ましいが、完全に密閉されなくても実
質的に密閉されればよい。 【0031】密閉化の態様の一つとして、処理液の上部
空間を密閉蓋等により閉塞する構成や、液面と空気との
接触を防止する浮き蓋等を設ける構成がある。密閉は特
に感光材料の搬入口と搬出口の密閉及び液表面の開口度
が重要であるが、実質的に密閉されているとは、特開平
2−84642号公報に記載されているように、最大ス
リット幅でカラー現像液、漂白定着液、漂白液、定着液
及び安定化液では、1.5mm、洗浄液では2.5mm
である。また、密閉された装置内部に窒素ガスやアルゴ
ンガスなどの不活性気体を封入してもよい。 【0032】本発明に使用可能な処理液は、感光材料の
現像液、定着液、漂白定着液、水洗液及び安定化液など
である。更に、使用可能な処理液のpHは3〜13、粘
度は500CP以下、表面張力は15〜75dyne/
cm、比重は0.75〜1.30であり、これらのもの
を任意に選択して使用できる。 【0033】本発明を洗浄処理に適用する場合、使用可
能な洗浄液には、イオン交換水、水道水等があり、これ
らは防腐剤、キレート剤、界面活性剤、pH緩衝剤、蛍
光増白剤、防黴剤及び硬膜剤等を含んでいてもよい。 【0034】また、感光材料においては乳剤面だけに洗
浄液が供給されることにより、その後の乾燥が容易であ
る。また、洗浄工程において、洗浄槽を複数配置して多
段洗浄処理を行う場合は、複数の槽のうち少なくとも1
槽に本発明の構成を適用することにより良好な洗浄を行
うことができる。更に、多段洗浄処理においては最後段
槽に洗浄液が補充され、後段槽からその前槽に順次洗浄
液が補充されるいわゆる対向流方式が好ましい。更に、
最後段槽への洗浄液補充量は、感光材料によりその前段
槽から持ち込まれる洗浄液の量の0.5〜3倍であるこ
とが好ましい。更に、洗浄工程の時間は30秒以内であ
ることが好ましい。 【0035】本発明における感光材料は、処理液を用い
る感光材料であればよく、例えば印刷用、医療用及び一
般用の黒白写真感光材料や、カラーネガフィルム、カラ
ー反転フィルム及びカラーペーパー等のカラー写真感光
材料がある。本発明の処理は、迅速性を活かしてカラー
プリントを処理することができ、迅速化をより望まれる
インテリジェントカラーハードコピーの処理に適用する
ことができる。 【0036】特に、本発明をインテリジェントカラーハ
ードコピーに適用する態様では、レーザー(例えば半導
体レーザー)あるいは発光ダイオード等の高密度光を用
いて走査露光することが好ましい。 【0037】また、本発明は、本発明の実施態様及び特
願平1−232590号明細書に記載されているような
カラー写真感光材料を極めて短時間で洗浄処理する場合
に、特に優れた洗浄効果を発揮する。 【0038】特願平1−232590号明細書に記載の
ように、ゼラチンなどのバインダーを少なくすることや
、使用する有機素材の選択などによっても処理システム
として超小型で超迅速処理が可能になる。特に、ゼラチ
ンなどのバインダーを少なくすることで薄層化した感光
材料と組み合わせることにより、本発明の処理装置は本
発明の目的をより有効なものとすることができる。ゼラ
チン量としては、6g/m2 以下が好ましく、特に5
g/m2 以下が好ましい。 【0039】本発明に係わる感光材料に用いられるハロ
ゲン化銀としては、塩化銀、臭化銀、(沃)塩臭化銀、
沃臭化銀などを用いることができるが、特に迅速処理の
目的には沃化銀を実質的に含まない塩化銀含有率が90
モル%以上、更には95%以上、特に98%以上の塩臭
化銀または塩化銀乳剤の使用が好ましい。 【0040】本発明に係わる感光材料には、画像のシャ
ープネス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧
州特許EP0,337,490A2 号明細書の第27
〜76頁に記載の、処理により脱色可能な染料(なかで
もオキソノール系染料)を該感光材料の680nmに於
ける光学反射濃度が0.70以上になるように添加した
り、支持体の耐水性樹脂層中に2〜4価のアルコール類
(例えばトリメチロールエタン)等で表面処理された酸
化チタンを12重量%以上(より好ましくは14重量%
以上)含有させるのが好ましい。 【0041】また、本発明に係わる感光材料には、カプ
ラーと共に欧州特許EP0,277,589A2号明細
書に記載のような色像保存性改良化合物を使用するのが
好ましい。特にピラゾロアゾールカプラーとの併用が好
ましい。 【0042】即ち、発色現像処理後に残存する芳香族ア
ミン系現像主薬と化学結合して、化学的に不活性でかつ
実質的に無色の化合物を生成する化合物および/または
発色現像処理後に残存する芳香族アミン系発色現像主薬
の酸化体と化学結合して、化学的に不活性でかつ実質的
に無色の化合物を生成する化合物を同時または単独に用
いることが、例えば処理後の保存における膜中残存発色
現像主薬ないしその酸化体とカプラーの反応による発色
色素生成によるステイン発生その他の副作用を防止する
上で好ましい。 【0043】また、本発明に係わる感光材料には、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に
記載のような防黴剤を添加するのが好ましい。 【0044】また、本発明に係わる感光材料に用いられ
る支持体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル
系支持体または白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層
を有する側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよ
い。更に鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション
層を支持体のハロゲン化銀乳剤層塗布側または裏面に塗
設するのが好ましい。特に反射光でも透過光でもディス
プレイが観賞できるように、支持体の透過濃度を0.3
5〜0.8の範囲に設定するのが好ましい。 【0045】本発明に係わる感光材料は可視光で露光さ
れても赤外光で露光されてもよい。露光方法としては低
照度露光でも高照度短時間露光でもよく、特に後者の場
合には一画素当たりの露光時間が10−4秒より短いレ
ーザー走査露光方式が好ましい。 【0046】また、露光に際して、米国特許第4,88
0,726 号明細書に記載のバンド・ストップフイル
ターを用いるのが好ましい。これによって光混色が取り
除かれ、色再現性が著しく向上する。 【0047】露光済みの感光材料はカラー現像処理が施
されうるが、迅速処理の目的からカラー現像の後、漂白
定着処理するのが好ましい。特に前記高塩化銀乳剤が用
いられる場合には、漂白定着液のpHは脱銀促進等の目
的から約6.5以下が好ましく、更に約6以下が好まし
い。 【0048】本発明に係わる感光材料に適用されるハロ
ゲン化銀乳剤やその他の素材(添加剤など)および写真
構成層(層配置など)、並びにこの感光材料を処理する
ために適用される処理法や処理用添加剤としては、下記
の特許公報、特に欧州特許EP0,355,660A2
 号(特願平1−107011号)明細書に記載されて
いるものが好ましく用いられる。 【0049】 【表1】 【0050】 【表2】 【0051】 【表3】 【0052】 【表4】 【0053】 【表5】 【0054】また、シアンカプラーとして、特開平2−
33144 号公報に記載のジフェニルイミダゾール系
シアンカプラーの他に、欧州特許EP0,333,18
5A2 号明細書に記載の3−ヒドロキシピリジン系シ
アンカプラー(なかでも具体例として列挙されたカプラ
ー(42)の4当量カプラーに塩素離脱基をもたせて2
当量化したものや、カプラー(6)や(9)が特に好ま
しい)や特開昭64−32260号公報に記載された環
状活性メチレン系シアンカプラー(なかでも具体例とし
て列挙されたカプラー例3、8、34が特に好ましい)
の使用も好ましい。 【0055】本発明に使用されるカラー写真感光材料は
、カラー現像、漂白定着、水洗処理(または安定化処理
)が施されるのが好ましい。漂白と定着は1浴で行って
もよいし別浴で行ってもよい。 【0056】本発明に使用されるカラー現像液中には、
公知の芳香族第1級アミンカラー現像主薬を含有する。 好ましい例はp−フェニレンジアミン誘導体であり、代
表例を以下に示すがこれらに限定されるものではない。 【0057】D−1  N,N−ジエチル−p−フェニ
レンジアミン D−2  4−アミノ−N,N−ジエチル−3−メチル
アニリン D−3  4−アミノ−N−(β−ヒドロキシエチル)
−N−メチルアニリン D−4  4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロ
キシエチル)アニリン D−5  4−アミノ−N−エチル−N−(β−ヒドロ
キシエチル)−3−メチルアニリン D−6  4−アミノ−N−エチル−N−(3−ヒドロ
キシプロピル)−3−メチルアニリン D−7  4−アミノ−N−エチル−N−(4−ヒドロ
キシブチル)−3−メチルアニリン D−8  4−アミノ−N−エチル−N−(β−メタン
スルホンアミドエチル)−3−メチルアニリンD−9 
 4−アミノ−N,N−ジエチル−3−(β−ヒドロキ
シエチル)アニリン D−10  4−アミノ−N−エチル−N−(β−メト
キシエチル)−3メチル−アニリン D−11  4−アミノ−N−(β−エトキシエチル)
−N−エチル−3−メチルアニリン D−12  4−アミノ−N−(3−カルバモイルプロ
ピル−N−n−プロピル−3−メチルアニリンD−13
  4−アミノ−N−(4−カルバモイルブチル−N−
n−プロピル−3−メチルアニリンD−14  N−(
4−アミノ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシピ
ロリジン D−15  N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)
−3−(ヒドロキシメチル)ピロリジン D−16  N−(4−アミノ−3−メチルフェニル)
−3−ピロリジンカルボキサミド 【0058】上記p−フェニレンジアミン誘導体のうち
特に好ましくは例示化合物D−5,D−6,D−7,D
−8及びD−12である。また、これらのp−フェニレ
ンジアミン誘導体と硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、ナフタ
レンジスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの塩で
あってもよい。該芳香族第1級アミン現像主薬の使用量
は現像液1リットル当たり好ましくは0.002モル〜
0.2モル、更に好ましくは0.005モル〜0.1モ
ルである。 【0059】本発明の実施にあたっては、実質的にベン
ジルアルコールを含有しない現像液を使用することが好
ましい。ここで実質的に含有しないとは、好ましくは2
ml/リットル以下、更に好ましくは 0.5ml/リ
ットル以下のベンジルアルコール濃度であり、最も好ま
しくは、ベンジルアルコールを全く含有しないことであ
る。 【0060】本発明に用いられる現像液は、亜硫酸イオ
ンを実質的に含有しないことがより好ましい。亜硫酸イ
オンは、現像主薬の保恒剤としての機能と同時に、ハロ
ゲン化銀溶解作用及び現像主薬酸化体と反応し、色素形
成効率を低下させる作用を有する。このような作用が、
連続処理に伴う写真特性の変動の増大の原因の1つと推
定される。ここで実質的に含有しないとは、好ましくは
 3.0×10−3モル/リットル以下の亜硫酸イオン
濃度であり、最も好ましくは亜硫酸イオンを全く含有し
ないことである。但し、本発明においては、使用液に調
液する前に現像主薬が濃縮されている処理剤キットの酸
化防止に用いられるごく少量の亜硫酸イオンは除外され
る。 【0061】本発明に用いられる現像液は亜硫酸イオン
を実質的に含有しないことが好ましいが、さらにヒドロ
キシルアミンを実質的に含有しないことがより好ましい
。これは、ヒドロキシルアミンが現像液の保恒剤として
の機能と同時に自身が銀現像活性を持ち、ヒドロキシル
アミンの濃度の変動が写真特性に大きく影響すると考え
られるためである。ここでいうヒドロキシルアミンを実
質的に含有しないとは、好ましくは 5.0×10−3
モル/リットル以下のヒドロキシルアミン濃度であり、
最も好ましくはヒドロキシルアミンを全く含有しないこ
とである。 【0062】本発明に用いられる現像液は、前記ヒドロ
キシルアミンや亜硫酸イオンに替えて有機保恒剤を含有
することがより好ましい。ここで有機保恒剤とは、カラ
ー写真感光材料の処理液へ添加することで、芳香族第一
級アミンカラー現像主薬の劣化速度を減じる有機化合物
全般を指す。即ち、カラー現像主薬の空気などによる酸
化を防止する機能を有する有機化合物類であるが、中で
も、ヒドロキシルアミン誘導体(ヒドロキシルアミンを
除く。以下同様)、ヒドロキサム酸類、ヒドラジン類、
ヒドラジド類、フェノール類、α−ヒドロキシケトン類
、α−アミノケトン類、糖類、モノアミン類、ジアミン
類、ポリアミン類、四級アンモニウム塩類、ニトロキシ
ラジカル類、アルコール類、オキシム類、ジアミド化合
物類、縮環式アミン類などが特に有効な有機保恒剤であ
る。これらは、特開昭63−4235号、同63−30
845号、同63−21647号、同63−44655
号、同63−53551号、同63−43140号、同
63−56654号、同63−58346号、同63−
43138号、同63−146041号、同63−44
657号、同63−44656号、米国特許第3,61
5,503 号、同2,494,903 号、特開昭5
2−143020号、特公昭48−30496号などの
各公報又は明細書に開示されている。 【0063】その他保恒剤として、特開昭57−441
48号及び同57−53749号公報に記載の各種金属
類、特開昭59−180588号公報に記載のサリチル
酸類、特開昭54−3532号公報に記載のアルカノー
ルアミン類、特開昭56−94349号公報に記載のポ
リエチレンイミン類、米国特許第3,746,544 
号明細書等に記載の芳香族ポリヒドロキシ化合物等を必
要に応じて含有しても良い。特に、トリエタノールアミ
ンのようなアルカノールアミン類、ジエチルヒドロキシ
ルアミンのようなジアルキルヒドロキシルアミン、ヒド
ラジン誘導体あるいは芳香族ポリヒドロキシ化合物の添
加が好ましい。 【0064】前記の有機保恒剤のなかでもヒドロキシル
アミン誘導体やヒドラジン誘導体(ヒドラジン類やヒド
ラジド類)が特に好ましく、その詳細については、特開
平1−97953 号、同1−186939号、同1−
186940号、同1−187557号公報などに記載
されている。 【0065】また前記のヒドロキシルアミン誘導体また
はヒドラジン誘導体とアミン類を併用して使用すること
が、カラー現像液の安定性の向上、しいては連続処理時
の安定性向上の点でより好ましい。 【0066】前記のアミン類としては、特開昭63−2
39447号公報に記載されたような環状アミン類や特
開昭63−128340号公報に記載されたようなアミ
ン類やその他特開平1−186939号や同1−187
557号公報に記載されたようなアミン類が挙げられる
。 【0067】本発明においてカラー現像液中に塩素イオ
ンを3.5 ×10−2〜1.5 ×10−1モル/リ
ットル含有することが好ましい。特に好ましくは、4×
10−2〜1×10−1モル/リットルである。塩素イ
オン濃度が 1.5×10−1モル/リットルより多い
と、現像を遅らせるという欠点を有し、迅速で最大濃度
が高いという本発明の目的を達成する上で好ましくない
。また、 3.5×10−2モル/リットル未満では、
カブリを防止する上で好ましくない。 【0068】本発明において、カラー現像液中の臭素イ
オンが 1.0×10−3モル/リットル以下であるこ
とが好ましい。より好ましくは、5×10−4モル/リ
ットル以下である。臭素イオン濃度が1×10−3モル
/リットルより多い場合、現像を遅らせ、最大濃度及び
感度が低下する。 【0069】ここで塩素イオン及び臭素イオンは現像液
中に直接添加されてもよく、現像処理中に感光材料から
現像液に溶出してもよい。カラー現像液に直接添加され
る場合、塩素イオン供給物質として、塩化ナトリウム、
塩化カリウム、塩化アンモニウム、塩化リチウム、塩化
ニッケル、塩化マグネシウム、塩化マンガン、塩化カル
シウム、塩化カドミウムが挙げられるが、そのうち好ま
しいものは塩化ナトリウム、塩化カリウムである。 【0070】また、現像液中に添加されている蛍光増白
剤から供給されてもよい。臭素イオンの供給物質として
、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化アンモニウム、
臭化リチウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭
化マンガン、臭化ニッケル、臭化カドミウム、臭化セリ
ウム、臭化タリウムが挙げられるが、そのうち好ましい
ものは臭化カリウム、臭化ナトリウムである。 【0071】現像処理中に感光材料から溶出する場合、
塩素イオンや臭素イオンは共に乳剤から供給されてもよ
く、乳剤以外から供給されても良い。本発明に使用され
るカラー現像液は、好ましくはpH9〜12、より好ま
しくは9〜11.0であり、そのカラー現像液には、そ
の他に既知の現像液成分の化合物を含ませることができ
る。 【0072】上記pHを保持するためには、各種緩衝剤
を用いるのが好ましい。緩衝剤としては、炭酸塩、リン
酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、
グリシル塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩
、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシ
フェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−
アミノ−2−メチル−1, 3−プロパンジオール塩、
バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロキシアミノメタン
塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、
リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解
性、pH 9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、
カラー現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブ
リなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これ
らの緩衝剤を用いることが特に好ましい。 【0073】これらの緩衝剤の具体例としては、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カ
リウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン
酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、ホウ酸ナトリウム
、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナトリウム(ホウ砂)、四
ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム(
サリチル酸ナトリウム)、o−ヒドロキシ安息香酸カリ
ウム、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸ナトリウム
(5−スルホサリチル酸ナトリウム)、5−スルホ−2
−ヒドロキシ安息香酸カリウム(5−スルホサリチル酸
カリウム)などを挙げることができる。しかしながら本
発明は、これらの化合物に限定されるものではない。 【0074】該緩衝剤のカラー現像液への添加量は、 
0.1モル/リットル以上であることが好ましく、特に
 0.1モル/リットル〜 0.4モル/リットルであ
ることが特に好ましい。 【0075】その他、カラー現像液中にはカルシウムや
マグネシウムの沈澱防止剤として、あるいはカラー現像
液の安定性向上のために、各種キレート剤を用いること
ができる。例えば、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリア
ミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N−ト
リメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N
′,N′−テトラメチレンスルホン酸、トランスシロヘ
キサンジアミン四酢酸、1,2−ジアミノプロパン四酢
酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジア
ミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、2−ホスホノブタ
ン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチ
リデン−1,1−ジホスホン酸、N,N′−ビス(2−
ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N′−ジ
酢酸等が挙げられる。 【0076】これらのキレート剤は必要に応じて2種以
上併用しても良い。これらのキレート剤の添加量はカラ
ー現像液中の金属イオンを封鎖するのに充分な量であれ
ば良い。例えば1リットル当り 0.1g〜10g程度
である。 【0077】カラー現像液には、必要により任意の現像
促進剤を添加できる。現像促進剤としては、特公昭37
−16088号、同37−5987号、同38−782
6号、同44−12380号、同45−9019号及び
米国特許第3,813,247 号等の各公報又は明細
書に表わされるチオエーテル系化合物、特開昭52−4
9829号及び同50−15554号公報に表わされる
p−フェニレンジアミン系化合物、特開昭50−137
726号、特公昭44−30074号、特開昭56−1
56826号及び同52−43429号公報等に表わさ
れる4級アンモニウム塩類、米国特許第2,494,9
03 号、同3,128,182 号、同4,230,
796 号、同3,253,919 号、特公昭41−
11431号、米国特許第2,482,546 号、同
2,596,926 号及び同3,582,346 号
等の各公報又は明細書に記載のアミン系化合物、特公昭
37−16088号、同42−25201号、米国特許
第3,128,183 号、特公昭41−11431号
、同42−23883号及び米国特許第3,532,5
01 号等の各公報又は明細書に表わされるポリアルキ
レンオキサイド、その他1−フェニル−3−ピラゾリド
ン類、イミダゾール類、等を必要に応じて添加すること
ができる。 【0078】本発明においては、必要に応じて、任意の
カブリ防止剤を添加できる。カブリ防止剤としては、塩
化ナトリウム、臭化カリウム、沃化カリウムの如きアル
カリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用でき
る。有機カブリ防止剤としては、例えばベンゾトリアゾ
ール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニトロイソ
インダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、5−ニ
トロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾ
ール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2−チア
ゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾール、ヒ
ドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒素ヘテ
ロ環化合物を代表例としてあげることができる。 【0079】本発明に適用されうるカラー現像液には、
蛍光増白剤を含有するのが好ましい。蛍光増白剤として
は、4,4′−ジアミノ−2,2′−ジスルホスチルベ
ン系化合物が好ましい。添加量は0〜5g/リットル好
ましくは 0.1〜4g/リットルである。 【0080】又、必要に応じてアルキルスルホン酸、ア
リールスルホン酸、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン
酸等の各種界面活性剤を添加しても良い。本発明に適用
されうるカラー現像液の処理温度は30〜50℃好まし
くは35〜50℃である。処理時間は5秒〜30秒、好
ましくは5秒〜20秒、更に好ましくは5〜15秒であ
る。補充量は少ない方が好ましいが、感光材料1m2 
当たり20〜600mlが適当であり、好ましくは30
〜100mlである。 【0081】補充量を低減する場合には処理槽の空気と
の接触面積を小さくすることによって液の蒸発、空気酸
化を防止することが好ましい。処理槽での写真処理液と
空気との接触面積は、以下に定義する開口率で表すこと
ができる。即ち 開口率=処理液と空気との接触面積(cm2 )/処理
液の容量(cm3 ) 上記開口率は、0.1 以下であることが好ましく、よ
り好ましくは0.001 〜0.05である。 【0082】このように開口率を低減させる方法として
は、処理槽の写真処理液面に浮き蓋等の遮蔽物を設ける
他に、特開平 1−82033号公報に記載された可動
蓋を用いる方法、特開昭 63−216050号公報に
記載されたスリット現像処理方法等を挙げることができ
る。 【0083】開口率を低減させることは、発色現像及び
黒白現像の両工程のみならず、後続の諸工程、例えば、
漂白、漂白定着、定着、水洗、安定化等のすべての工程
において適用することが好ましい。 【0084】また現像液中の臭化物イオンの蓄積を抑え
る手段を用いることにより補充量を低減することもでき
る。次に本発明に適用されうる脱銀工程について説明す
る。脱銀工程は、一般には、漂白工程−定着工程、定着
工程−漂白定着工程、漂白工程−漂白定着工程、漂白定
着工程等いかなる工程を用いても良い。 【0085】以下に本発明に適用されうる漂白液、漂白
定着液及び定着液を説明する。漂白液又は漂白定着液に
おいて用いられる漂白剤としては、いかなる漂白剤も用
いることができるが、特に鉄(III) の有機錯塩(
例えばエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン
五酢酸等のアミノポリカルボン酸類、アミノポリホスホ
ン酸、ホスホノカルボン酸および有機ホスホン酸等の錯
塩)もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸;
過硫酸塩;過酸化水素等が好ましい。 【0086】これらのうち、鉄(III) の有機錯塩
は迅速処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄
(III) の有機錯塩を形成するために有用なアミノ
ポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、もしくは有機
ホスホン酸またはそれらの塩を列挙すると、エチレンジ
アミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−
ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、
ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、メチ
ルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、グリコールエーテルジ
アミン四酢酸、などを挙げることができる。これらの化
合物はナトリウム、カリウム、リチウム又はアンモニウ
ム塩のいずれでも良い。これらの化合物の中で、エチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、シク
ロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン
四酢酸、メチルイミノ二酢酸の鉄(III) 錯塩が漂
白力が高いことから好ましい。これらの第2鉄イオン錯
塩は錯塩の形で使用しても良いし、第2鉄塩、例えば硫
酸第2鉄、塩化第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモ
ニウム、燐酸第2鉄などとアミノポリカルボン酸、アミ
ノポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸などのキレート
剤とを用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させても
よい。また、キレート剤を第2鉄イオン錯塩を形成する
以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体のなかでもアミノポ
リカルボン酸鉄錯体が好ましく、その添加量は0.01
〜1.0 モル/リットル、好ましくは0.05〜0.
50モル/リットルである。 【0087】漂白液、漂白定着液及び/またはこれらの
前浴には、漂白促進剤として種々の化合物を用いること
ができる。例えば、米国特許第3,893,858 号
明細書、ドイツ特許第1,290,812 号明細書、
特開昭53−95630号公報、リサーチディスクロー
ジャー第17129 号( 1978年7月号)に記載
のメルカプト基またはジスルフィド結合を有する化合物
や、特公昭45−8506号、特開昭52−20832
号、同53−32735号、米国特許3,706,56
1 号等に記載のチオ尿素系化合物、あるいは沃素、臭
素イオン等のハロゲン化物が漂白力に優れる点で好まし
い。その他、本発明に適用されうる漂白液又は漂白定着
液には、臭化物(例えば、臭化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化アンモニウム)または塩化物(例えば、塩化カ
リウム、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム)または沃
化物(例えば、沃化アンモニウム)等の再ハロゲン化剤
を含むことができる。所望に応じ硼砂、メタ硼酸ナトリ
ウム、酢酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、亜燐酸、燐酸、燐酸ナトリウム、クエン酸、ク
エン酸ナトリウム、酒石酸などのpH緩衝能を有する1
種類以上の無機酸、有機酸およびこれらのアルカリ金属
またはアンモニウム塩または、硝酸アンモニウム、グア
ニジンなどの腐蝕防止剤などを添加することができる。 【0088】漂白定着液又は定着液に使用される定着剤
は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸
アンモニウムなどのチオ硫酸塩;チオシアン酸ナトリウ
ム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩;
エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,
8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物および
チオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、
これらを1種あるいは2種以上混合して使用することが
できる。また、特開昭55−155354号公報に記載
された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物
などの組み合わせからなる特殊な漂白定着液等も用いる
ことができる。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ
硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。1リットルあた
りの定着剤の量は、 0.2〜2モルが好ましく、更に
好ましくは 0.3〜1.0 モルの範囲である。漂白
定着液又は定着液のpH領域は、3〜9が好ましく、更
には4〜8が特に好ましい。 【0089】又、漂白定着液には、その他各種の蛍光増
白剤や消泡剤あるいは界面活性剤、ポリビニルピロリド
ン、メタノール等の有機溶媒を含有させることができる
。漂白定着液や定着液は、保恒剤として亜硫酸塩(例え
ば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモ
ニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモ
ニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など
)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、
メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、
など)等の亜硫酸イオン放出化合物を含有するのが好ま
しい。これらの化合物は亜硫酸イオンに換算して約0.
02〜1.0 モル/リットル含有させることが好まし
く、更に好ましくは0.04〜0.6 モル/リットル
である。 【0090】保恒剤としては、亜硫酸塩の添加が一般的
であるが、その他、アスコルビン酸や、カルボニル重亜
硫酸付加物、あるいは、カルボニル化合物等を添加して
も良い。 【0091】更には緩衝剤、蛍光増白剤、キレート剤、
消泡剤、防カビ剤等を所望に応じて添加しても良い。定
着又は漂白定着等の脱銀処理後、水洗及び/又は安定化
処理をするのが一般的である。 【0092】水洗工程での水洗水量は、感光材料の特性
(例えばカプラー等使用素材による)や用途、水洗水温
、水洗タンクの数(段数)、その他種々の条件によって
広範囲に設定し得る。このうち、多段向流方式における
水洗タンク数と水量の関係は、ジャーナル・オブ・ザ・
ソサエティ・オブ・モーション・ピクチャー・アンド・
テレヴィジョン・エンジニアズ (Journal o
f the Society of Motion P
ictureand Television Engi
neers)第64巻、p.248 〜253 (19
55 年5月号)に記載の方法で、求めることができる
。通常多段向流方式における段数は2〜6が好ましく、
特に2〜5が好ましい。 【0093】多段向流方式によれば、水洗水量を大巾に
減少でき、例えば感光材料1m2 当たり500 ml
以下が可能であり、本発明の効果が顕著であるが、タン
ク内での水の滞留時間増加により、バクテリアが繁殖し
、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じ
る。この様な問題の解決策として、特開昭62−288
838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減
させる方法を、極めて有効に用いることができる。また
、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン
化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145
号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の
塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載
のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防
菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編
、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工
業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1
986年)、に記載の殺菌剤を用いることもできる。 【0094】更に、水洗水には、水切り剤として界面活
性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレー
ト剤を用いることができる。以上の水洗工程に続くか、
又は水洗工程を経ずに直接安定液で処理することも出来
る。安定液には、画像安定化機能を有する化合物が添加
され、例えばホルマリンに代表されるアルデヒド化合物
や、色素安定化に適した膜pHに調製するための緩衝剤
や、アンモニウム化合物があげられる。又、液中でのバ
クテリアの繁殖防止や処理後の感光材料に防黴性を付与
するため、前記した各種殺菌剤や防黴剤を用いることが
できる。 【0095】更に、界面活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤を
加えることもできる。本発明の感光材料の処理において
、安定化が水洗工程を経ることなく直接行われる場合、
特開昭57−8543号、同58−14834号、同6
0−220345号公報等に記載の公知の方法を、すべ
て用いることができる。 【0096】その他、1−ヒドロキシエチリデン−1,
1−ジホスホン酸、エチレンジアミン四メチレンホスホ
ン酸等のキレート剤、マグネシウムやビスマス化合物を
用いることも好ましい態様である。 【0097】脱銀処理後に用いられる水洗液又は安定化
液としていわゆるリンス液も同様に用いられる。水洗工
程又は安定化工程の好ましいpHは4〜10であり、更
に好ましくは5〜8である。温度は感光材料の用途・特
性等で種々設定し得るが、一般には20℃〜50℃、好
ましくは25℃〜45℃である。時間は任意に設定でき
るが短い方が処理時間の低減の見地から望ましい。好ま
しくは10秒〜60秒、更に好ましくは15秒〜45秒
である。補充量は、少ない方がランニングコスト、排出
量減、取扱い性等の観点で好ましい。 【0098】具体的な好ましい補充量は、感光材料単位
面積あたり前浴からの持込み量の0.5倍〜50倍、好
ましくは3倍〜40倍である。または感光材料1m2 
当たり500ml以下、好ましくは300ml以下であ
る。また補充は連続的に行っても間欠的に行ってもよい
。 【0099】水洗及び/又は安定化工程に用いた液は、
更に、前工程に用いることもできる。この例として多段
向流方式によって削減して水洗水のオーバーフローを、
その前浴の漂白定着浴に流入させ、漂白定着浴には濃縮
液を補充して、廃液量を減らすことが挙げられる。 【0100】 【実施態様】以下、添付図面を参照して本発明の一実施
態様を説明する。ただし本発明は本実施態様のみに限定
されず、本発明の技術的思想に基づいてあらゆる変形が
可能である。 【0101】図1は本発明が適用された銀塩写真式カラ
ーペーパー処理装置である。本処理装置はポジ原稿に基
づいて露光されたカラーペーパーを現像、漂白定着、水
洗(リンス)した後に乾燥して、カラーペーパー上に画
像を形成するものである。本処理装置により処理される
カラーペーパー(以下、感光材料という)は、95モル
%以上の塩化銀を含有するハロゲン化銀乳剤を支持体上
に少なくとも1層有するカラー写真感光材料であり、芳
香族第1級アミン発色現像主薬を含有する発色現像液に
より発色現像される。 【0102】処理装置内には現像槽2、漂白定着槽4、
水洗槽6、水切り部7、乾燥部8が連続して設けられ、
露光後の感光材料10は、現像、漂白定着、水洗後に乾
燥されて処理装置内から搬出される。現像槽2、漂白定
着槽4、水洗槽6、水切り部7及び乾燥部8には、図示
の経路で感光材料を搬送する搬送ローラ12が配設され
ており、感光材料10は水平状態で乳剤面を上方に向け
て搬送される。また、水切り部7における搬送ローラ1
2は、感光材料10上の水滴をスクイズ、吸収等により
除去する機能を有する除水ローラを兼ねている。 【0103】水洗槽6は好ましくは複数の槽からなり、
本実施態様では水洗槽6は5槽6a〜6e設けられてい
る。各水洗槽6a〜6eはカスケード配管されており、
最後段槽6eから最前段槽6aに向かって順次水洗水の
清浄度が低くなっている。 【0104】現像槽2、漂白定着槽4、水洗槽6には感
光材料10の処理量に応じて補充液が補充されるように
なっており、水洗槽6においては最後段槽6eに新鮮な
水洗水が補充されるようになっている。 【0105】現像槽2、漂白定着槽4及び水洗槽6で感
光材料10は処理液に浸漬されて搬送される。特に水洗
槽6a〜6eにおいて、感光材料10は一度も空中に出
ることなく処理される。また、各処理液に浸漬後の感光
材料10はスクイズローラ16により処理液を除去され
る。スクイズローラ16は搬送ローラとしても機能する
ことができる。 【0106】水洗槽6には、本発明の特徴である処理ロ
ーラ18が設けられている。図2は水洗槽6の部分拡大
断面図である。各水洗槽の間の壁面には感光材料移送口
20が形成されており、移送口20には感光材料10を
通過可能に移送口22を液密に遮蔽するシャッタ22が
設けられている。シャッタ22は例えば一対の弾性部材
からなり、先端部が長手方向にわたって弾性的に接する
構成である。シャッタ22は隣設する水洗槽内の水洗水
が混ざり合わないように移送口20を液密に遮蔽してい
るが、搬送される感光材料10はシャッタ22間を通過
可能になっている。 【0107】処理ローラ18は図示しない駆動手段によ
り回動可能であり、液中の周面の一部に感光材料10の
乳剤面が接触するように配置される。感光材料10は搬
送ローラ12等により処理ローラ18と接触しながら搬
送され、このとき処理ローラ18は感光材料搬送方向と
逆方向(図2において時計回転方向)に回転する。ここ
で、処理ローラ18の周速度の絶対値は感光材料搬送速
度の絶対値の1.5倍以上であり、好ましくは20〜1
000倍、更に好ましくは30〜500倍、更に好まし
くは60〜300倍である。 【0108】処理液中で感光材料10と処理ローラ18
とが接触していても、実際にこれらの間には薄い液膜が
介在しており、実質的に感光材料10と処理ローラ18
とは接触はしていない。感光材料10はこの液膜により
処理される。処理ローラ18が感光材料搬送速度に比べ
て極めて速く回転すると、処理ローラ18と感光材料1
0との間の液膜が処理ローラ18と共に回転し、処理ロ
ーラ18の回転に従って拡散する。そして、感光材料1
0と処理ローラ18との間には、処理ローラ18の回転
により新鮮な処理液が供給されるので、感光材料10の
表面で処理液が迅速に交換される。この感光材料10と
処理ローラ18との間隔は2mm以下と推測されるが、
処理ローラ18が高速でしかも感光材料搬送方向と逆方
向に回転することにより、感光材料表面で処理液が迅速
に交換され、短時間で良好な処理が行われる。 【0109】処理ローラ18による処理は、乾いた状態
の感光材料10へ処理液を浸透させる処理よりも、処理
液等で濡れた状態にある感光材料10に対して他の処理
液で処理を施すのに好適であり、感光材料表面又は乳剤
膜中の処理液を交換することにより、先の処理で付着し
ていた処理液を除去する処理に有効である。具体的には
、図1に示す装置における漂白定着工程、水洗工程に対
して特に顕著な効果がある。 【0110】上述の処理ローラ18は感光材料10と処
理液中で接触することができれば、完全に処理液に浸漬
していなくてもよく、少なくとも一部が処理液に浸漬し
ていればよい。なお、処理ローラ18の少なくとも一部
が処理液に浸漬した状態とは、装置停止時の処理液面が
処理ローラ18を横切る状態をいう。また、感光材料1
0は処理ローラ18の周面の一部に係合して処理される
ことが好ましいが、処理ローラ18に対して接線状に搬
送されて線接触下で処理されてもよい。 【0111】上述の各処理ローラ18は各水洗槽6に対
して1つだけ配置されているが、各水洗槽6a〜6eに
複数の同種又は異種の処理ローラ18を連続して配設す
ることもできる。 【0112】図1に示す構成は本発明の特徴である処理
ローラ18を水洗槽6に設けた処理装置であるが、現像
槽2及び漂白定着槽4における搬送ローラ12のうち、
感光材料10の乳剤面と接するローラ12が上記処理ロ
ーラ18と同じ機能を備えていてもよい。乳剤面と接す
るローラ12を感光材料搬送方向と逆方向に回転するこ
とにより、感光材料10の表面近傍で処理液が迅速に交
換され、少量の処理液でも良好な処理を行うことができ
る。 【0113】図3は処理装置の他の変形例の構成図であ
る。この装置は図1に示す装置とほぼ同じ構成であるの
で、異なる部分についてのみ説明する。水洗槽6はカス
ケード配管で5槽6a〜6eが設けられており、各水洗
槽6の底部は処理ローラ18の周面に対応した半円筒状
の曲面に形成されている。水洗槽6は処理ローラ18を
収容しかつ感光材料10を搬送できる領域が形成されれ
ば、矩形の底部である必要はなく、底部を半円筒状の曲
面にすることにより収容する処理液量を低減でき装置の
小型化が図れる。 【0114】また、水洗槽6には逆浸透膜23が設けて
あり、逆浸透膜23により水洗水を逆浸透することによ
り、水洗水中の不要成分(特に定着及び漂白定着成分)
が除去され、感光材料10に与える影響を低減すること
ができる。第4水洗槽6d内の水はポンプ24により逆
浸透膜23に圧送され、逆浸透膜23を透過した透過水
は第5水洗槽6eに供給され、逆浸透膜23を透過しな
かった不要成分を含む濃縮水は第4水洗槽6dに戻され
るようになっている。 【0115】次に処理装置の他の変形例を説明する。図
4に示す処理装置は複数の処理室を鉛直方向に連続して
設けた構成の多室型処理装置である。各処理室25内に
は搬送ローラ26及び処理ローラ28が配設されており
、処理室25内には処理液が充填されている。搬送ロー
ラ26は感光材料10に支持体側の面に接して感光材料
10を下方へ向けて搬送する。処理ローラ28は感光材
料10の乳剤面に線接触した状態で、感光材料搬送方向
と逆方向に回転する。各処理室25間にはローラシャッ
タ30が設けてあり、ローラシャッタ30は感光材料1
0の通過時には搬送路を開口し、感光材料10が通過し
ないときは搬送路を閉塞し、処理液の移動を防止するよ
うになっている。また、感光材料10の乳剤面に対向し
て処理液噴出部材32が設けてあり、処理液噴出部材3
2から感光材料10の乳剤面に向けて処理液がジェット
状に高速で噴出される。 【0116】図4に示す処理ローラ28も前述の処理ロ
ーラ18と同様に、感光材料搬送方向と逆方向に回転す
ることが好ましいが、感光材料搬送方向と同方向に回転
してもよい。処理ローラ28の回転速度も前述と同様で
ある。 【0117】図5に示す処理装置も複数の処理室34を
鉛直方向に連続して設けた構成の多室型処理装置である
。各処理室34間にはローラシャッタ30が設けてあり
、ローラシャッタ30は感光材料10の通過時には搬送
路を開口し、感光材料10が通過しないときは搬送路を
閉塞し、処理液の移動を防止するようになっている。 各処理室34内には処理ローラ36が配設してあり、処
理ローラ36の周面の一部に係合して感光材料10が搬
送される。この処理ローラ36は前述の処理ローラ18
と同様の速度で回転するが、回転方向は感光材料搬送方
向と同方向でもよく、逆方向でもよい。処理ローラ36
が感光材料搬送速度と同方向に回転する場合、感光材料
10は処理ローラ36の周面とスリップしながら搬送さ
れる。また、処理ローラ36が感光材料搬送方向と逆方
向に回転する場合、搬送ローラ、搬送ベルト等の感光材
料搬送手段が別に設けられる。 【0118】図4及び図5に示す多室型処理装置は処理
室以外をスリット状に形成でき、処理液面をスリット部
に位置させることにより、処理液と空気との接触面積が
極めて小さくなり、処理液の蒸発及び酸化を防止するこ
とができる。また図示の多室型処理装置は、同種の処理
液が充填されてもよく、異なる処理液が充填されてもよ
い。 【0119】 【発明の効果】本発明によれば、処理ローラの処理液中
の周面に感光材料を係合させて処理ローラの周速度の絶
対値が感光材料搬送速度の絶対値の1.5倍以上で処理
ローラを回転させて処理し、しかも隣接する処理槽間で
感光材料を処理液中に位置する移送口を通して搬送し処
理槽間の渡り時間を省略することにより、少量の処理液
で短時間で良好な処理を行うことができる。また、少量
の処理液で処理できるので、処理装置の小型化が図れる
。 【0120】また、感光材料を処理液中で移送すること
により、処理槽に天板を設けるなど処理槽の密閉化が極
めて容易であり、処理ローラを高速回転しても処理液の
酸化や蒸発を防止することができる。 【0121】 【実施例】実施例1 試料1の作製 ポリエチレンで両面ラミネートした紙支持体表面にコロ
ナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを含むゼラチン下塗層を設け、更に種々の写真
構成層を塗布して以下に示す層構成の多層カラー印画紙
(試料1)を作製した。塗布液は下記のようにして調製
した。 【0122】第五層塗布液調製 シアンカプラー(Exc) 32.0g 、色像安定剤
(Cpd−2)3.0g 、色像安定剤(Cpd−4)
2.0g 、色像安定剤(Cpd−6) 18.0g 
、色像安定剤(Cpd−7) 40.0g および色像
安定剤(Cpd−8)5.0g に、酢酸エチル50.
0ccおよび溶媒(Solv−6)14.0g を加え
溶解し、この溶液をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム8ccを含む20%ゼラチン水溶液500cc に
添加した後、超音波ホモジナイザーにて乳化分散させて
乳化分散物を調製した。一方、塩臭化銀乳剤(立方体、
平均粒子サイズ0.58μmの大サイズ乳剤と、0.4
5μmの小サイズ乳剤との1:4混合物(Agモル比)
。粒子サイズ分布の変動係数は0.09と0.11、各
サイズ乳剤とも臭化銀0.6 モル%を粒子表面の一部
に局在含有させた)が調製された。この乳剤には下記に
示す赤感性増感色素Eが銀1モル当たり大サイズ乳剤に
対しては、0.9 ×10−4モル、また小サイズ乳剤
に対しては、1.1 ×10−4モル添加されている。 また、この乳剤の化学熟成は硫黄増感剤と金増感剤が添
加して行われた。前記の乳化分散物とこの赤感性塩臭化
銀乳剤とを混合溶解し、以下に示す組成となるように第
五層塗布液を調製した。 【0123】第一層から第四層、第六層および第七層用
の塗布液も第五層塗布液と同様の方法で調製した。各層
のゼラチン硬化剤としては、1−オキシ−3,5−ジク
ロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。 【0124】また、各層にCpd−10とCpd−11
をそれぞれ全量が25.0mg/m2 と50.0mg
/m2 となるように添加した。各感光性乳剤層の塩臭
化銀乳剤には下記の分光増感色素をそれぞれ用いた。 【0125】 【化1】 【0126】 【化2】 【0127】 【化3】 【0128】また青感性乳剤層、緑感性乳剤層、赤感性
乳剤層に対し、1−(5−メチルウレイドフェニル)−
5−メルカプトテトラゾールをそれぞれハロゲン化銀1
モル当たり 8.5×10−5モル、 7.7×10−
4モル、 2.5×10−4モル添加した。 【0129】また、青感性乳剤層と緑感性乳剤層に対し
、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テ
トラザインデンをそれぞれハロゲン化銀1モル当たり、
1×10−4モルと2×10−4モル添加した。  ま
た、イラジエーション防止のために乳剤層に下記の染料
(カッコ内は塗布量を表す)を添加した。 【0130】 【化4】 【0131】(層構成)以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2 ) を表す。ハロゲン化銀乳剤は
銀換算塗布量を表す。 【0132】支持体 ポリエチレンラミネート紙 〔第一層側のポリエチレンに白色顔料( TiO2 )
 と青味染料(群青)を含む〕 【0133】第一層(青感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.88μmの
大サイズ乳剤と0.70μmの小サイズ乳剤との3:7
混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそれ
ぞれ0.88と0.10、各サイズ乳剤とも臭化銀0.
3 モル%を粒子表面の一部に局在含有させた)  0
.30ゼラチン                  
           1.86イエローカプラー(E
xY)                0.82色像
安定剤(Cpd−1)               
     0.19溶媒(Solv−3)      
                   0.18溶媒
(Solv−7)                 
        0.18色像安定剤(Cpd−7) 
                   0.06【0
134】第二層(混色防止層) ゼラチン                     
        0.99混色防止剤(Cpd−5) 
                   0.08溶媒
(Solv−1)                 
        0.16溶媒(Solv−4)   
                      0.0
8【0135】第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.55μmの
大サイズ乳剤と、0.39μmの小サイズ乳剤との1:
3混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数はそ
れぞれ0.10と0.08、各サイズ乳剤ともAgBr
 0.8モル%を粒子表面の一部に局在含有させた) 
          0.12ゼラチン       
                      1.2
4マゼンタカプラー(ExM)           
     0.23色像安定剤(Cpd−2)    
                0.03色像安定剤
(Cpd−3)                  
  0.16色像安定剤(Cpd−4)       
             0.02色像安定剤(Cp
d−9)                    0
.02溶媒(Solv−2)            
             0.40【0136】第四
層(紫外線吸収層) ゼラチン                     
        1.58紫外線吸収剤(UV−1) 
                  0.47混色防
止剤(Cpd−5)                
    0.05溶媒(Solv−5)       
                  0.24【01
37】第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤(立方体、平均粒子サイズ0.58μmの
大サイズ乳剤と、0.45μmの小サイズ乳剤との1:
4混合物(銀モル比)。粒子サイズ分布の変動係数は0
.09と0.11、各サイズ乳剤ともAgBr 0.6
モル%を粒子表面の一部に局在含有させた)  0.2
3 ゼラチン                     
        1.34シアンカプラー(ExC) 
                 0.32色像安定
剤(Cpd−2)                 
   0.03色像安定剤(Cpd−4)      
              0.02色像安定剤(C
pd−6)                    
0.18色像安定剤(Cpd−7)         
           0.40色像安定剤(Cpd−
8)                    0.0
5溶媒(Solv−6)              
           0.14【0138】第六層(
紫外線吸収層) ゼラチン                     
        0.53紫外線吸収剤(UV−1) 
                  0.16混色防
止剤(Cpd−5)                
    0.02溶媒(Solv−5)       
                  0.08【01
39】第七層(保護層) ゼラチン                     
        1.33ポリビニルアルコールのアク
リル 変性共重合体(変性度17%)         0.
17流動パラフィン                
       0.03【0140】 【化5】 【0141】 【化6】 【0142】 【化7】 【0143】 【化8】 【0144】 【化9】 【0145】 【化10】 【0146】 【化11】 【0147】 【化12】 【0148】試料2の作製 上記本発明試料1に対して以下のようにゼラチン量を変
更して試料2を作製した。 【0149】 第1槽  ゼラチン     0.74 g/m2 第
2槽  ゼラチン     0.75 g/m2 第3
槽  ゼラチン     0.64 g/m2 第4槽
  ゼラチン     0.61 g/m2 第5槽 
 ゼラチン     0.89 g/m2 第6槽  
ゼラチン     0.40 g/m2 第7槽  ゼ
ラチン     0.62 g/m2 【0150】感
光材料として上記の本発明試料1及び2を用いた。 【0151】該試料に感光計(富士写真フイルム(株)
製FW型、光源の色温度は3200°K)を使用し、セ
ンシトメトリー用3色分解フィルターの階調露光を与え
た。この時の露光は0.1秒の露光時間で250CMS
の露光量になるように行った。 【0152】露光の終了した試料は、図1に示す構成の
処理装置により処理した。この装置で、ローラの周速度
は、感光材料の搬送速度の75倍であり、回動方向は搬
送方向と逆方向である。処理工程を以下に示す。 【0153】 処理工程  温    度  時間  補充液*  タ
ンク容量カラー現像  42℃    20秒    
80ml     0.7リットル漂白定着    4
0℃    20秒    60ml     0.7
リットルリンス■    45℃     7秒  ─
──     0.4リットルリンス■    45℃
     7秒  ───     0.4リットルリ
ンス■    45℃     7秒  ───   
  0.4リットルリンス■    45℃     
7秒  ───     0.4リットルリンス■  
  45℃     7秒   100ml     
0.4リットル乾    燥  70〜80℃  15
秒*補充量は感光材料1m2 あたり (リンス■→■への3タンク向流方式とした。)【01
54】各処理液の組成は以下の通りである。 カラー現像液                タンク
液  補充液水                  
        800 ml  800 mlエチレ
ンジアミン−N, N, N,N−テトラメチレン ホスホン酸                1.5 
g  2.0 g臭化カリウム           
     0.015 g───トリエタノールアミン
        8.0 g  12.0g塩化ナトリ
ウム              1.4 g  ──
─炭酸カリウム                25
  g  25  gN−エチル−N−(β−メ タンスルホンアミドエチ ル)−3−メチル−4− アミノアニリン硫酸塩      5.0 g  7.
0 gN,N−ビス(カルボキシ メチル)ヒドラジン        4.0 g  5
.0 gN,N−ジ(スルホエチル) ヒドロキシルアミン・1Na   4.0 g  5.
0 g蛍光増白剤 (Uritex CK, チバガイギー製)          1.0 g  
2.0 g────────────────────
──水を加えて                  
1000ml  1000mlpH (25℃)   
              10.05   10.
45【0155】漂白定着液(タンク液と補充液は同じ
)水                       
           400 mlチオ硫酸アンモニ
ウム(70%)        100 ml亜硫酸ナ
トリウム                     
17 gエチレンジアミン四酢酸鉄(III) アンモニウム                   
    55 gエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム
    5 g臭化アンモニウム          
           40 g──────────
────────────水を加えて        
                 1000 mlp
H (25℃)                  
        6.0【0156】リンス液(タンク
液と補充液は同じ)イオン交換水(カルシウム、マグネ
シウムは各々3ppm 以下) 【0157】比較例として図1のリンス■〜■のタンク
の処理ローラ18を感光材料の搬送と同速度で同方向に
回転させて上記と同等の処理を行った。更に、補充量が
リンス■のタンクの容量の2倍になるまで連続処理を行
った。連続処理前後の試料を80℃、70%下に7日間
放置した時のステインを表6に示す。 【0158】 【表6】 表6に示す結果から、本発明装置による洗浄効果が大き
いことがわかる。 【0159】実施例2 図3に示す構成の装置を作製した。実施例1と変更した
部分を以下に説明する。 【0160】各リンスタンク■〜■の形状を図示のよう
に変更し、1タンクの容量を0.25リットルとした。 逆浸透膜は、ダイセル化学工業(株)製スパイラル型R
OモジュールエレメントDRA−80(有効膜面積1.
1m2 、ポリサルホン系複合膜)を使用し、これを同
社製プラスチック耐圧ベッセルPV−0321型に装填
した。 【0161】逆浸透膜にポンプを用いて8kg/cm2
 の送液圧力をかけ、送液流量1.7リットル/分の条
件にて、第4リンスタンクの水を圧送し、透過水は第5
リンスタンクに供給、濃縮水は第4リンスタンクに戻し
た。比較例として、図3のリンス■〜■のタンクのロー
ラを感光材料の搬送と同速度で同方向に回転させて上記
と同等の処理を行った。感光材料は実施例1で用いた本
発明の試料2を用いた。表7に白地の黄色濃度を示す。 【0162】 【表7】 【0163】表7に示す結果から本発明装置による洗浄
効果が大きいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施態様である感光材料処理装
置の概略構成図である。
【図2】図2は水洗槽の部分拡大断面図である。
【図3】図3は感光材料処理装置の変形例の概略構成図
である。
【図4】図4は多室型処理装置の断面図である。
【図5】図5は多室型処理装置の変形例の断面図である
【符号の説明】
2  現像槽 4  漂白定着槽 6  水洗槽 7  水切り部 8  乾燥部 10  感光材料 12  搬送ローラ 16  スクイズローラ 18  処理ローラ 20  移送口 23  逆浸透膜 24  ポンプ 25  処理室 26  搬送ローラ 28  処理ローラ 30  ローラシャッタ 32  処理液噴出部材 34  処理室 36  処理ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続した複数の処理槽と、少なくとも一部
    が処理液に浸漬されて回転する処理ローラと、該処理ロ
    ーラの処理液中の周面に感光材料の乳剤面を係合させて
    感光材料を搬送する手段とを備え、前記処理槽の液面よ
    り下方にシャッタ手段を備えた感光材料移送口を形成し
    、前記処理ローラと感光材料との係合を維持した状態で
    、前記処理ローラの周速度の絶対値が感光材料搬送速度
    の絶対値の1.5倍以上で前記処理ローラを回転させて
    感光材料を処理し、隣接する処理槽間で感光材料を前記
    移送口を通して搬送することを特徴とする感光材料処理
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1における処理が洗浄処理であるこ
    とを特徴とする感光材料処理装置。
  3. 【請求項3】請求項1における処理ローラの周速度の絶
    対値が、感光材料搬送速度の絶対値の60倍以上である
    ことを特徴とする感光材料処理装置。
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