JPH0425497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、起立させて収納する舞台をその倒伏
状態から起立させるための初期起立動を補助する
機構に関するものである。

【従来の技術】

従来の起立収納式舞台は、舞台を起立収納させ
るためにシリンダー等を用いているが、その初期
起立動に多大な力を要して大きなシリンダー設備
が必要であつた。したがつて舞台の倒伏状態にお
いて初期起立動を補助するために、ねじりバネで
舞台使用に支障がない程度に起立を付勢して初期
起立動を簡易にすることも併用していたのであ
る。

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ねじりバネでは付勢力が弱いた
め多数備えることが必要であり、大きな舞台には
使用できない問題点があつた。 そこで本考案は、簡単な構成で大きな付勢力を
付与できるものを提供することを目的としてい
る。

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、基端側を固定軸に回動可能
に連結して舞台を起立動及び倒伏動できるように
成した舞台において、該固定軸にガイド輪を軸着
固定すると共に舞台側にコイルバネを設置し、ガ
イド輪の円周部の一部に係合させた牽引材の一端
を該コイルバネに連繋させると共に牽引材の他端
をガイド輪或いは固定側部材に連結した構成とし
ている。 また、ガイド輪をスプロケツトホイールとする
共に牽引材をチエンとし、コイルバネを舞台側に
固着したバネ函に収納し、コイルバネにバネ押え
ロツドを挿通して該ロツド端部にチエンの一端を
連結すると共にチエンの他端を、係合させたスプ
ロケツトホイール側に止着した構成も採用してい
る。

【作用】 使用に際して、起立状態の舞台を倒伏回動する
と、固定軸に固着されたガイド輪は不動のため、
その円周部に係合した牽引材が舞台と共に回動す
ることから牽引材がガイド輪の円周で1/4周部だ
け広く係合して巻き付け状態となる。このため、
その広く巻き付けられた円周距離から直線距離を
差し引いた長さ分だけ牽引材がコイルバネを引つ
張り、或いは圧縮しコイルバネに作用するのであ
る。したがつて、コイルバネの弾性復元力によつ
て舞台に起立方向回動が付勢されるのである。こ
のため舞台を起立収納する際に、舞台を少し持ち
上げればコイルバネによる付勢で舞台かが30〜40
度位まで起立回動するのであり、後は舞台支持装
置によつて舞台を起立させ収納すればよい。 また、請求項第２項の補助機構では、チエンが
スプロケツトホイールに確実に係合でき、チエン
でロツドを引つ張つてコイルバネを圧縮させる作
用のためコイルバネによる付勢を良好且つ円滑に
できるのである。

【実施例】

以下、本考案の詳細を図示実施例で説明する。 第１図乃至第２図は本例補助機構Ｓを用いた舞
台装置であつて、舞台Ｋの回動基端側を、設置固
定された固定軸１に回動可能に連結して舞台Ｋを
起立動及び倒伏動できるように成している。また
舞台Ｋの回動を支持すると共に起立収納を保持す
る舞台支持装置として多数のステイダンパ２を舞
台内に備え、夫々その一端を固定軸１に回動可能
に装着した取付板２ｂに連結すると共にその他端
を舞台Ｋの支持部材Ｎに連結している。なお、ス
テイダンパ２は舞台Ｋの起立状態ではそのロツド
２ａが押し込まれた状態となつて舞台Ｋを押圧保
持し、舞台Ｋの倒伏状態ではその倒伏開動につれ
所定群のロツド２ａが徐々に引き出されて舞台を
支持することにより舞台Ｋの急速な倒伏開動を防
止するのである。第２図は舞台Ｋの倒伏状態を示
している。 そして本例の補助機構Ｓは、第３図乃至第６図
ように、該固定軸１にスプロケツトホイール３を
軸着固定して不動状態に配置すると共に、舞台Ｋ
の支持部材Ｎにコイルバネ４を収容したバネ函５
を取付材Naで保持して固着し、コイルバネ４に
バネ押えロツド６を挿通してそのロツド端部６ａ
をバネ函５からスプロケツトホイール３に向け外
に突出させている。 また、該ロツド端部６ａにチエン７の一端をピ
ン結合すると共にチエン７をスプロケツトホイー
ル３の一部に係合させてその他端をスプロケツト
ホイール３に固着している。その連結は、第４図
のように、スプロケツトホイール３に挿通したピ
ン３ａにブラケツト様金具８を取り付け、該金具
８に挿通したピン８ａにチエン７を挿通して結合
している。 このように構成した本例Ｓによると、まず舞台
Ｋの起立状態ではチエン７による張設力がコイル
バネ４に作用していないが、舞台Ｋを倒伏回動す
ると、スプロケツトホイール３が不動のためチエ
ン７がスプロケツトホイール３に巻き付けられ、
これによつてロツド６を引つ張るのである（第５
図及び第６図参照）。即ち、舞台Ｋの90度の回動
でチエン７がスプロケツトホイール３の1/4周部
だけ余分に係合して巻き付け状態となり、その余
分に巻き付けられた円周距離から直線距離を差し
引いた長さ分だけチエン７がロツド６を引つ張る
のである。これによりコイルバネ４がバネ函５内
で圧縮されるため、コイルバネ４の弾性復元力に
よつて舞台Ｋに起立方向への回動が付勢されるの
である。したがつて舞台Ｋを起立収納する際に、
舞台Ｋを少し持ち上げればコイルバネ４による付
勢で舞台が30〜45度位まで回動するのであり、後
は手動で舞台Ｋを起立させ或いは支持装置によつ
て舞台を起立させて収納すればよい。これによ
り、チエン７は第３図の状態に復位するのであ
る。 このように本例Ｓによると、舞台Ｋの倒伏によ
つて舞台の使用状態に支障がない程度で起立回動
付勢されるため舞台の起立初期回動が簡単にでき
るのである。 本例は前記のように構成したが本考案において
はこれに限定されない。 例えば、本例では舞台の回動を支持すると共に
その起立を保持する支持装置を効果的に併用した
が、これを用いなくてもよい。この場合は、舞台
を手動で倒伏回動してもコイルバネの弾性のよつ
て急速に舞台が倒伏することがなく安全であり、
起立付勢のため手動で起立が容易にできるのであ
る。 また、ガイド輪とそれに係合させる牽引材も本
例のスプロケツトホイール及びチエンに限定され
ない。 さらに、牽引材でコイルバネを直接引つ張る構
成でもよく、コイルバネの配置も舞台側であれば
よい。また、コイルバネに連結させた牽引材の他
端は固定側に止着させてもよい。

【考案の効果】

本考案によると、舞台の倒伏状態において舞台
の使用状態に支障がない程度でコイルバネによつ
て起立回動付勢されるため舞台の起立初期回動が
簡単にできる効果が大きい。 また、請求項第２項の機構では、チエンがスプ
ロケツトホイールに確実に係合でき、チエンでロ
ツドを引つ張つてコイルバネを圧縮させる作用の
ためコイルバネによる付勢を良好且つ円滑にでき
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を用いた舞台の起立
状態における底板を除いた状態の正面図、第２図
はその倒伏状態の正面図、第３図は本考案の一実
施例を示す舞台の起立状態における要部拡大縦断
側面図、第４図はチエンの取付部位の拡大平面
図、第５図はその舞台の倒伏状態における舞台板
を除いた要部の平面図、第６図はその舞台の倒伏
状態における要部の縦断側面図である。 ３……スプロケツトホイール、４……コイルバ
ネ、５……バネ函、６……バネ押えロツド、７…
…チエン、Ｓ……補助機構、Ｎ……支持部材、Ｋ
……舞台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基端側を固定軸に回動可能に連結して舞台を
   起立動及び倒伏動できるように成した舞台にお
   いて、該固定軸にガイド輪を軸着固定すると共
   に舞台側にコイルバネを設置し、ガイド輪の円
   周部の一部に係合させた牽引材の一端を該コイ
   ルバネに連繋させると共に牽引材の他端をガイ
   ド輪或いは固定側部材に連結したことを特徴と
   する起立収納式舞台における初期起立動の補助
   機構。 (2) ガイド輪をスプロケツトホイールとする共に
   牽引材をチエンとし、コイルバネを舞台側に固
   着したバネ函に収納し、コイルバネにバネ押え
   ロツドを挿通して該ロツド端部にチエンの一端
   を連結すると共にチエンの他端を、係合させた
   スプロケツトホイール側に止着した請求項第１
   項記載の起立収納式舞台における初期起立動の
   補助機構。