JPH0425025B2 - - Google Patents

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JPH0425025B2
JPH0425025B2 JP59123832A JP12383284A JPH0425025B2 JP H0425025 B2 JPH0425025 B2 JP H0425025B2 JP 59123832 A JP59123832 A JP 59123832A JP 12383284 A JP12383284 A JP 12383284A JP H0425025 B2 JPH0425025 B2 JP H0425025B2
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JP
Japan
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hollow
catheter
monofilament
tapered
tip
Prior art date
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JP59123832A
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English (en)
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JPS612870A (ja
Inventor
Keisuke Igawa
Kunio Yamada
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Toray Monofilament Co Ltd
Original Assignee
Toray Monofilament Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toray Monofilament Co Ltd filed Critical Toray Monofilament Co Ltd
Priority to JP59123832A priority Critical patent/JPS612870A/ja
Publication of JPS612870A publication Critical patent/JPS612870A/ja
Publication of JPH0425025B2 publication Critical patent/JPH0425025B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は血管内の患部の状態検査またはカテー
テル治療のために使用する医療用フローガイドワ
イヤおよびガイドワイヤとカテーテルの役目を兼
備した自己ガイド型カテーテルに関するものであ
る。さらに詳しくは抗血栓性およびすべりに代表
される操作性が著しくすぐれ、患者に与える苦
痛、負担が軽減され、しかも超選択的な血管内患
部の治療および留置型治療が可能な医療用フロー
ガイドワイヤおよび自己ガイド型カテーテルを提
供するものである。 (従来技術) 人体の血管内に発生した患部の状態検査やその
患部に薬液を輸送するために使用するカテーテル
は、従来、あらかじめ血管内へガイドワイヤを送
り込み、その外壁面に沿つて患部へと導入される
ようになつていた。この目的のために使用されて
いるガイドワイヤは、例えば米国COOK社、
UMI社、USCI社などから製造販売されているコ
イル状金属線であり、これらはステンレスステイ
ール線およびステンレスステイール線コイルから
構成されている。他方、カテーテルは、例えば米
国UMI社、ECC社、USCI社などから製造販売さ
れている合成樹脂製チユーブであり、これらは上
記の金属製ガイドワイヤと組合せて用いられる。 上記金属製ガイドワイヤとカテーテルを実際に
使用する場合には、まずガイドワイヤを血管内に
挿入し、これが目的の患部に到達したら、ガイド
ワイヤを中子としてこれを被覆するような形でカ
テーテルを導入し、患部へ到達させた後、ガイド
ワイヤを抜き出し、次いでカテーテルの端部より
治療液を注入し患部へ導入するようにする。この
一連の操作においては、金属製ガイドワイヤは表
面にコイル線特有の凹凸があるため血栓が付着し
やすいこと、ワイヤが金属製で硬いため、血管内
患部までガイドワイヤを送り込む場合に極めて複
雑な操作手順や高度なテクニツクを必要とし、操
作に要する時間も長いこと、および金属線である
ため、ガイドワイヤを先進させるに際し、血管内
膜を損傷したり、血管内膜下にもぐり込んだりし
やすいことなどの問題が生じていた。これを実際
に使用する場合、ガイドワイヤを血管内の目的と
する患部に先進させることがきわめて困難なわざ
であり、しかも治療中の患者に与える苦痛あるい
は負担が大きい。他方、カテーテルを導入する際
には、カテーテル自体がガイドワイヤよりも太い
ため、患者に与える負担がさらに大きく、しかも
ガイドワイヤが先行して到達した個所までカテー
テルの先端を到達させることが困難で、この傾向
は末梢血管になるほど著しい。全体としてみて
も、この方式による操作は、ガイドワイヤの導
入、カテーテルの導入、ガイドワイヤの引き抜
き、薬液の注入等の多くの手順を要するばかり
か、種々の形状を有する複数のガイドワイヤやカ
テーテルを組み合せて用いる場合が多いため、操
作に長時間を要し、目的とする患部血管へカテー
テルを超選択的に到達させることが極めて困難で
あるという欠点を持つ。 したがつて、従来の金属製ガイドワイヤとカテ
ーテルの組合せでは、冠状動脈等を含む末梢血管
内膜を損傷する危険性が大きく、狭窄部やその末
梢にまで金属製ガイドワイヤを挿入することは不
可能であり、そのため、たとえば心筋梗塞症など
で冠状動脈狭窄をきたした症例の場合には、開胸
手術下に大動脈と冠状動脈にバイパスを設けると
いつた外科的手段により治療を行なうしかない
が、これらの治療法は患者の負担が大きく、多大
な費用と時間を要する。 本出願人らは上記従来のカテーテル治療技術の
欠点を改良すべく検討した結果、合成樹脂製中空
モノフイラメントを基本構造とし、これに球部、
フレキシブル部、テーパ部および操作部からなる
外形を付与すると共にその中空部にレントゲン線
不透過金属を封入せしめた医療用フローガイドワ
イヤおよび上記のレントゲン線不透過金属とモノ
フイラメントの中空部との間の空隙を薬液輸送路
として利用してなるガイドワイヤとカテーテルの
役目を兼備した自己ガイド型カテーテルが、いず
れも細くしなやかで操作性にすぐれ、従来困難で
あつた超選択的な治療も可能な治療具となり得る
ことを先に知見し、すでに特願昭54−12814号お
よび特願昭55−83955号として出願した。 (本発明が解決しようとする問題点) 上記本出願人らの提案によるガイドワイヤおよ
び自己ガイド型カテーテルはポリエステル、ポリ
アミドおよびポリオレフインなどの熱可塑性樹脂
からなる中空モノフイラメントを基本構造とする
ものであり、かかる樹脂素材自体に血漿等が付着
しにくい性質、すなわち抗血栓性がないために、
実際に上述のガイドワイヤおよび自己ガイド型カ
テーテルを治療に使用する際には、同じく本出願
人らが提案した特願昭54−137559号に開示したよ
うに、モノフイラメントの表面をシリコーンコー
テイングやプラズマ処理することにより、これら
に抗血栓性およびすべり易さに代表される操作性
を付与して実用に供していた。しかしながらこの
ように改良を施こしたガイドワイヤまたは自己ガ
イド型カテーテルであつても、治療または臨床中
にシリコーン被膜がはがれるなどの原因により、
効果の持久性に乏しく、とくに留置型カテーテル
として使用する際には血栓の付着生成が著しいと
いう問題があつた。 (本発明が解決しようとする問題点) そこで本発明者らは、上述の本出願人らが提案
したガイドワイヤおよび自己ガイド型カテーテル
の抗血栓性を一層改善すると共に、その効果に持
続性を付与することを目的としてさらに検討を続
けた結果、中空モノフイラメントの素材としての
合成樹脂中にオルガノポリシロキサンを特定量緊
密に含有せしめ、これに上記構造を持たせること
により、抗血栓性とその持続性が著しく改善され
るばかりか、治療または臨床中における血管内で
のすべり易さに代表される操作性もが向上し、と
くに定置型として適した医療用フローガイドワイ
ヤおよび自己ガイド型カテーテルが得られること
を見出し、本発明に到達した。 (問題点を解決するための手段) すなわち本発明は熱可塑性ポリエステル、ポリ
アミドおよびポリオレフインから選ばれた少なく
とも1種の樹脂に対し、オルガノポリシロキサン
を0.3〜5重量%緊密に配合した組成物を溶融紡
糸して得られた中空モノフイラメントの先端部
を、端から順に球部、フレキシブル部およびテー
パ部に構成すると共に、テーパ部以降の部分を操
作部に構成し、その球部の中空部にレントゲン線
不透過金属の小片を、またその少なくとも操作部
の中空部にレントゲン線不透過金属の線条をそれ
ぞれ内蔵せしめたことを特徴とする医療用フロー
ガイドワイヤおよび 熱可塑性ポリエステル、ポリアミドおよびポリ
オレフインから選ばれた少なくとも1種の樹脂に
対し、オルガノポリシロキサンを0.3〜5重量%
緊密に配合した組成物を溶融紡糸して得られた中
空モノフイラメントの先端部を、端から順に球
部、フレキシブル部およびテーパ部に構成すると
共に、テーパ部以降の部分を操作部に構成し、そ
の球部の中空部にレントゲン線不透過金属の小片
を、またその少なくとも操作部の中空部に、中空
径よりも小さい直径を有するレントゲン線不透過
金属の線条を内蔵せしめ、上記先端部のいずれか
の個所に薬液導出口を、また操作部の後端に薬液
導入口をそれぞれ設けて、この薬液導出口と薬液
導入口の間を連通するモノフイラメント中空部の
空隙を薬液輸送路として構成したことを特徴とす
る自己ガイド型カテーテルを提供するものであ
る。 本発明の医療用フローガイドワイヤおよび自己
ガイド型カテーテルの基本構造をなす合成樹脂中
空モノフイラメント素材たる合成樹脂としてはポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン12などのポリアミドおよびポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフイン
から選ばれた少なくとも1種が挙げられるが、な
かでも加工性およびモノフイラメント自体に適度
の硬さを持つ点ではポリエステルが好ましい。 そして中空モノフイラメントは合成樹脂中にオ
ルガノポリシロキサンを緊密に含有していること
が重要であり、ここでいうオルガノポリシロキサ
ンとしてはジメチルポリシロキサン、ジフエニル
ポリシロキサンおよびメチルフエニルポリシロキ
サンなどの通常シリコーンオイルと称されるもの
が挙げられ、なかでも生理的に無害な医療用シリ
コーンとして使用されているものが好ましい。 オルガノポリシロキサンの合成樹脂に対する配
合量は0.3〜5重量%、とくに0.5〜3重量%の割
合が好ましく、0.3重量%未満では目的とする抗
血栓性および操作性改良効果が得られず、5重量
%越えるとモノフイラメントの製糸性が低下する
ため好ましくない。 合成樹脂に対するオルガノポリシロキサンの配
合手段はドライブレンド法、ドライブレンド−再
ペレタイズ法および溶融時混合−再ペレタイズ法
などが採用され、とくに制限はないが、とくに均
一分散性が達成できる点では、ポリオルガノシロ
キサンを約10〜20重量%と高濃度含有するマスタ
ーペレツトを調製しておき、これを合成樹脂ペレ
ツトと混合してオルガノポリシロキサン濃度を所
望の範囲に希釈し、溶融紡糸に供する方法が望ま
しい。 次にまず本発明の医療用フローガイドワイヤの
構造につき第1図にしたがつて説明する。第1図
は本発明の医療用フローガイドワイヤの基本構造
を示す縦断面図イおよびA−A′線での横断面図
ロである。第1図においてフローガイドワイヤ1
は全体に連通した中空部分3を有する合成樹脂製
中空モノフイラメントから構成されている。モノ
フイラメントの先端部4には球部5、フレキシブ
ル部6およびテーパ部7が構成され、テーパ部7
以降の部分は中空モノフイラメントの構造そのま
まで操作部8として利用される。そして先端球部
5の中空部にはレントゲン線不透過金属の小片9
が、またその少なくとも操作部8にはレントゲン
線不透過金属の線条10がそれぞれ内蔵されてい
る。 なお本発明で用いるレントゲン線不透過金属と
しては、ステンレスステイール、タングステン、
金、白金およびプラチナなどに代表されるレント
ゲン線照射による造影力のすぐれた金属が挙げら
れる。 ここで先端球部5の形状としては必らずしも幾
何学的な球状に限定されるものではなく、球状以
外にも長球状や先端を球面状にした円筒状に構成
することができる。 フレキシブル部6は中空の極めて細くしなやか
な部分であり、かつ十分な強度を備えている。 テーパ部7はその直径が操作部8に向かうにし
たがい大きくなり、操作部8に至つたところで操
作部8と同し直径となるようにテーパ状に加工さ
れており、好ましくはその中空部の一部にレント
ゲン線不透過金属線条10の先端を内蔵してい
る。 操作部8はそのほぼ全長に亘る中空部分3にレ
ントゲン線不透過金属線条10を内蔵している
が、この金属線条10の先端はテーバ状に加工さ
れていることが操作性の点で望ましい。 操作部8の後端は通常溶封されるが、例えば第
3図に示したように金属線条10の後端を操作部
8端よりも露出させ、この露出端10′に手元部
11を付設して、金属線条10が軸方向に移動可
能な状態で内蔵せしめることにより操作性を一層
向上させた態様となすこともできる。この例によ
れば手元部(つまみ)11の操作によつて金属線
条10を前・後に動かしながらフローガイドワイ
ヤ1を血管内へ挿入させることができ、操作性が
一層改良されるのである。 以上の構造からなる本発明の医療用フローガイ
ドワイヤ1の各部の寸法は治療患者の年齢、体質
および患部の種類、状態などの条件によつて適宜
決められるが、代表的な各部寸法は下記のとおり
である。
【表】 なおテーパ部の直径はフレキシブル部から操作
部へかけて徐々に太くなるものであるため、具体
的な数値としては示していない。また、フレキシ
ブル部とテーパ部の長さが必ずしも明確に区別で
きない場合もあるが、フレキシブル部とテーパ部
の長さの合計を200ミリメートル以内にすること
が適当である。 次に本発明の自己ガイト型カテーテルの構造に
つき説明する。第2図は本発明の自己ガイド型カ
テーテルの基本構造を示す縦断面図イおよびA−
A′線での横断面図ロである。これは全体に連通
し中空部分3を有する合成樹脂製モノフイラメン
トから構成されている。そしてモノフイラメント
の先端部4には上記フローガイドワイヤ1と同様
に球部5、フレキシブル部6およびテーパ部7が
構成されており、この先端部4のいずれかの個
所、好ましくは先端球部5に薬液導出口12が開
口され、操作部8後端の薬液注入口13との間で
モノフイラメント中空部分3が連通している。テ
ーパ部7以降の操作部8は中空モノフイラメント
の構造を基本とし、その中空部3には中空径より
も小さな直径を有するレントゲン線不透過金属線
条10を内蔵している。操作部8の後端は開口し
て薬液注入口13が設けられており、この薬液注
入口13から薬液導出口12へかけての中空部分
3の空隙3′は薬液輸送路として利用される。ま
た内蔵されるレントゲン線不透過金属線条10の
後端は、操作部8の後端、例えば薬液注入口13
にて折り曲げ、チユーブをかぶせるなどの手段で
固定されている。先端球部5に内蔵されるレント
ゲン線不透過金属の小片9には、薬液の流通をよ
りスムースになすために、中空部と平行な中空構
造および/または外周溝付構造を有する管状また
は棒状片となすのが望ましい。さらには先端球部
にゴム製のバルーン機構を装着して、球部を血流
に乗り易くし、操作性をさらに改良することもで
きる。 そして操作部8の後端には必要に応じ注射器等
と接続するためのコネクター14が設けられる。 以上の構造からなる本発明の自己ガイド型カテ
ーテルの各部の寸法は、上記フローガイドワイヤ
の寸法とほぼ同等に構成し得るが、フローガイド
ワイヤに比し太く、すなわちフレキシブル部直径
を0.1〜0.9mm、操作部直径を0.7〜3.5mm程度に形
成することができる。 本発明のフローガイドワイヤおよび自己ガイド
型カテーテルを製造するには、まず中空口金を使
用し、通常の溶融紡糸法により中空モノフイラメ
ントを紡糸し、所望によりこれを適宜延伸して適
当な長さに切断する。 次に上記の切断した中空モノフイラメントの先
端部分について、球部の形成部を残して局部的な
高倍率延伸を施こし、フレキシブル部とテーパ部
を一挙に作成した後、球部形成部の中空部分にレ
ントゲン線不透過金属の小片を挿入し溶封する
か、または薬液導出口を残すように半溶封して球
部を形成する。次に操作部の後端から中空部分の
テーパ部方向へかけてレントゲン線不透過金属線
条を挿入し、この挿入部分を溶封するか、または
その他端を折り曲げ、薬液注入口近辺で固定す
る。なお前記した如くこの際にレンドゲン線不透
過金属線条先端方向の端部を予めテーパ状に加工
しておくことが好ましく、これによりさらに柔軟
性、弾力性が付与されて操作性が一段と向上す
る。また球部を完全に溶封した場合には次いで球
部の外側から中空部分にかけて、極細ドリルなど
で小孔をうがち、薬液導出口を形成することがで
きる。また自己ガイド型カテーテルの場合は続い
て必要に応じて薬液注入口にキヤツプやコネクタ
ーなどの接続端子を形成または取り付ける。なお
自己ガイド型カテーテルの場合に内蔵せしめるレ
ントゲン線不透過金属の小片および線条には、使
用する薬液との反応性を考慮して、通常ポリエチ
レン、ポリエチレンテレフタレートおよびフツ素
樹脂などの樹脂でコーテイングして用いるのが好
ましい。 (本発明の作用) 上記の構成からなる本発明の医療用フローガイ
ドワイヤは、これを血管内にさし入れて、レント
ゲン投射による造影をもとに、先端を選択的に目
的の患部に到達させ、次いでこれに沿つてカテー
テルを導入して血管内患部の状態検査またはその
患部へ治療薬液を輸送するためのいわゆるカテー
テル補助具として用いられる。 また上記の構成からなる本発明の自己ガイド型
カテーテルは、これを血管内に挿入し、レントゲ
ン線投射による造影を監視しつつ、その先端を超
選択的に目的とする末梢血管患部へ到達せしめ、
次いでそのままの状態で薬液輸送路を用いて患部
へ薬液を導入することからなる選択的治療に使用
される。 このような検査または治療の臨床時において、
先端の球部5は血管内で血管に沿つて自由に動く
ことができ、血管内膜を損傷したり、内膜下にも
ぐり込むことがないので、従来の金属ガイドワイ
ヤでの押込む操作に比べ、血管に沿わせた自由な
動きで血管中へ導入でき、無理のない自然な操作
で血管内膜を痛めることなく目的の患部へ到達さ
せることができる。また球部5はレントゲン線不
透過金属の小片9を内蔵しているので、レントゲ
ン線を投射し、X線テレビモニターで監視しつつ
作業する際、その先端の位置を容易に確認できる
うえ、目的とする患部へのみ薬液の注入が可能と
なる。フレキシブル部6は細く柔軟に設計されて
いるため、球部5の血管内における自由運動を一
層効果なものとする。テーパ部7はテーパ状に加
工されているため、血液の異常滞留が防止できる
と共に、球部5を目的とする血管の入口へ導入す
る過程での前進、後退などの微妙な操作を容易に
行なうことができる。かかる構造の球部5、フレ
キシブル部6およびテーパ部7からなる先端部分
4は、たとえば豆腐にも突きささらない程度の柔
軟性、弾力性を有しているので、血管内膜の破壊
や患者に対する苦痛を著しく軽減することができ
る。また操作部8はオルガノポリシロキサンを緊
密に含有する合成樹脂製モノフイラメントから形
成されているため表面が滑らかで弾力性に富み、
操作も容易であり、全長にわたりレントゲン線不
透過金属線条10を内蔵しているもので、モニタ
ーを通じて写し出される影像も極めて鮮明とな
る。 かくして本発明の医療用フローガイドワイヤお
よび自己ガイド型カテーテルは血管の複雑な走行
や微妙な操作に十分追従して血管内へ自由な動き
で導入でき、たとえば血管の蛇行部分や超選択的
な末梢血管へも容易に挿入することができる。そ
して自己ガイド型カテーテルの場合には先端を目
的の患部へ到達させた後、薬液注入口13から薬
液を注入、圧送すれば、薬液は中空部分3の空隙
3′を通つて薬液導出口12から患部へと効果的
に供給され、すぐれた治療効果が得られる上に、
薬液は選択的に患部のみで導入されるので、小量
の薬液で治療が達成でき、副作用などのおそれが
ない。たとえば従来の制がん剤は正常部に対して
副作用を及ぼすことが多く、一度に多くを投与す
ることは不可能なばかりか、患部から遠い部位よ
り投与されるため、希釈されその効能が十分行き
わたらず、治療効果も必然的に低下するが、本発
明のカテーテルによれば、管部に直接薬液を投与
できるため投与量を必要最小限にとどめて大きな
治療効果を得ることができ副作用のおそれも全く
ない。 また本発明の医療用フローガイドワイヤおよび
自己ガイド型カテーテルは、その素材たる合成樹
脂がオルガノポリシロキサンを緊密に含有してい
ることに起因して動摩擦係数が小さく、すべりに
代表される操作性が一層改良され、しかも抗血栓
性が向上して長時間血液中に滞留しても血栓が殆
んど付着しないため、とくに常置型治療用カテー
テル、すなわち持続動脈内薬液注入用留置カテー
テルとして有用である。 かかる本発明の効果は合成樹脂モノフイラメン
ト中に緊密に含有されたポリオルガノシロキサン
が経時的にガイドワイヤまたはカテーテル表面に
ブリードアウトし、操作性および抗血栓性向上効
果が持続することに起因するものと考えられる。 以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに説
明する。 実施例 1 東レ(株)製ポリエチレンテレフタレート(タイプ
900)に対し、トーレ・シリコーン(株)製シリコー
ンオイル(SH200)を10重量%ドライブレンド
し、30mmφ×2軸エクストルーダにて溶融混合
し、ペレタイズしてマスターペレツトを調整し
た。次に上記マスターペレツトとポリエチレテレ
フタレート(タイプ900)ペレツトとを1:10の
重量割合で混合し、これを中空口金を用いて溶融
紡糸することにより外径0.8mm、中空径0.33mm、
シリコーンオイル含有量1重量%の中空モノフイ
ラメントを得た。 上記中空モノフイラメントを1.3mの長さに切
断し、端部の球部形成部分を残して、それに続く
部分を水蒸気中で選択的に約3倍に延伸し、外径
0.3mm、長さ50mmのフレキシブル部および長さ30
mmのテーパ部を一挙に作成した。 次いで球部作成側先端より直径0.3mm、長さ1.5
mmのタングステン小片をさし入れ、先端を溶封す
ることによつて外径0.8mm、長さ2.5mmの長方形球
体のいわゆる先端球部を作成した。 一方他端より直径0.25mm、長さ1.25mの片側先
端のみをテーパ加工したタングステン線条をテー
パ状側を先にしてさし込みテーパ部の一部と操作
部の中空部分を満した後、操作部の端部を溶封し
てフローガイドワイヤを完成した。このフローガ
イドワイヤを〔A〕とする。またポリエチレンテ
レフタレート単独から上記と同寸法の中空モノフ
イラメントを紡糸し、これに上記と同様の加工を
行ない完成したフローガイドワイヤ〔B〕の表面
にシリコーンオイルSH200を塗布した。 上記〔A〕及び〔B〕の各フローガイドワイヤ
を用いて次の評価を行ない表−1の結果を得た。 a 屈曲カテーテル内通過性 COOK社製6.5フレンチのカテーテルチユー
ブを用い円周60m/mで8の字を作りこの中ヘ
フローガイドワイヤを押し入れ通過性を評価し
た。 b 動摩擦係数 直径25m/mのアルミナ質表面に180°フロー
ガイドワイヤを接触させ15m/分の速度で動か
したときの摩擦係数を測定した。 c 内蔵タングステン線のすべり易さ 外径0.8m/m、内径0.33m/mの中空モノ
フイラメントでaと同様8の字を形成してお
き、直径0.25m/mのタングステン線を押し込
みその通過性を比較した。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1で〔A〕作成用に用いたマスターペレ
ツトとポリエチレンテレフタレートペレツト
(1/10)混合物を素材とし、中空口金を用いて、
通常の溶融紡糸法により、直径1.0mmで、かつ中
空孔径0.7mmの中空部分を有する末延伸中空モノ
フイラメントを紡糸し、これを1.3mの長さに切
断した。このモノフイラメントの一端に球部形成
部分約3mmを残して局部延伸装置により約3倍の
延伸を施こし、直径0.4mm、長さ20mmのフレキシ
ブル部と長さ110mmのテーパ部を一挙に作成した。
次に先端部端より外径0.65mm、中空径0.4mm、長
さ2mmの金製中空チツプを挿入して加熱半溶封
し、薬液導出口を有する先端球部を作成した。一
方中空部分へ操作部後端から先端径0.15mm、後端
径0.255mm、長さ1.3mの先端テーパ付ステンレス
ステイール#304番製金属線条を挿入し、後端か
らはみでた金属線条端を操作部外壁に沿つて約20
mmおり曲げた。 次いで操作部後端に外径1.2mm、内径1.0mm、長
さ10mmのポリ塩化ビニル製チユーブとアクリルペ
ツトVH型ルアロツクコネクターを接着剤(三共
(株)製アクリル系ハードロツクE510K)を介して一
挙にとりつけ、金属線条の端部を固定した。 以上の操作により第2図の構成を有する自己ガ
イド型カテーテルが得られた。 上記自己ガイド型カテーテルを大腿動脈に経皮
的に挿入し、大動脈を経て冠状動脈にカテーテル
先端を先進させた状態で20日間薬液を連続投与す
ることからなる臨床試験に供したところ、X線モ
ニター・テレビ監視下に球部の位置を確認しなが
ら冠状動脈末梢まで球部を進め、後端の薬液注入
口に接続した薬液軽量精密ポンプで押圧すること
により、患部へ選択的に薬液を連続供給すること
ができた。 上記カテーテルの患部への挿入は極めて容易で
あり、20日間の留置後の抜き出し操作も患者に何
ら負担を与えることなく容易に行なわれ、処置後
のカテーテル表面の血栓付着は全く認められなか
つた。 一方シリコーンオイル無添加のポリエチレンテ
レフタレートから上記と同様に作成したカテーテ
ルを上記と同じ臨床試験に供した結果、約3日間
の留置後抜き出しカテーテル表面に、すでに血栓
が著しく付着していた。 (発明の効果) 本発明の医療用フローガイドワイヤおよびガイ
ドワイヤとカテーテルの役目を兼備した自己ガイ
ド型カテーテルはそれ自体細く、腰があり、しか
も摩擦係数が小さいため操作性が極めて改良さ
れ、これまで到達できなかつた超選択的な血管内
患部への挿入が可能となる。しかも表面が滑らか
で、改良された抗血栓性を有しており、また血管
の形にあわせて種々の形状に加工することが可能
である。さらに本発明による自己ガイト型カテー
テルは、通常の動脈内留置用カテーテルに比べて
十分細く、内蔵される金属線条により適当な腰が
付与されているため、血流に逆行して血管内に留
置する際に、その位置が良好に保持され目的部位
血管から脱落することが避けられる。したがつて
この自己ガイド型カテーテルは持続動脈内薬液注
入用留置カテーテルとして使用し得るという有用
な特性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の医療用フローガイドワイヤの
基本構造を示す縦断面図イおよびA−A′線横断
面図ロである。第2図は本発明の自己ガイド型カ
テーテルの基本構造を示す縦断面図イおよびA−
A′線横断面図ロである。第3図は本発明の医療
用フローガイドワイヤの他の改良態様を示す縦断
面図である。 1……医療用フローガイドワイヤ、2……自己
ガイド型カテーテル、3……中空部、4……先端
部、5……球部、6……フレキシブル部、7……
テーパ部、8……操作部、9……レントゲン線不
透過金属の小片、10……レントゲン線不透過金
属線条、11……手元部、12……薬液導出口、
13……薬液注入口、14……コネクター。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性ポリエステル、ポリアミドおよびポ
    リオレフインから選ばれた少なくとも1種の樹脂
    に対し、オルガノポリシロキサンを0.3〜5重量
    %緊密に配合した組成物を溶融紡糸して得られた
    中空モノフイラメントの先端部を、端から順に球
    部、フレキシブル部およびテーパ部に構成すると
    共に、テーバ部以降の部分を操作部に構成し、そ
    の球部の中空部にレントゲン線不透過金属の小片
    を、またその少なくとも操作部の中空部にレント
    ゲン線不透過金属の線条をそれぞれ内蔵せしめた
    ことを特徴とする医療用フローガイドワイヤ。 2 熱可塑性ポリエステル、ポリアミドおよびポ
    リオレフインから選ばれた少なくとも1種の樹脂
    に対し、オルガノポリシロキサンを0.3〜5重量
    %緊密に配合した組成物を溶融紡糸して得られた
    中空モノフイラメント先端部を、端から順に球
    部、フレキシブル部およびテーパ部に構成すると
    共に、テーパ部以降の部分を操作部に構成し、そ
    の球部の中空部にレントゲン線不透過金属の小片
    を、またその少なくとも操作部の中空部に、中空
    径よりも小さい直径を有するレントゲン線不透過
    金属の線条を内蔵せしめ、上記先端部のいずれか
    の個所に薬液導出口を、また操作部の後端に薬液
    導入口をそれぞれ設けて、この薬液導出口と薬液
    導入口の間を連通するモノフイラメント中空部の
    空隙を薬液輸送路として構成したことを特徴とす
    る自己ガイド型カテーテル。
JP59123832A 1984-06-18 1984-06-18 医療用フロ−ガイドワイヤおよび自己ガイド型カテ−テル Granted JPS612870A (ja)

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US4739768B2 (en) * 1986-06-02 1995-10-24 Target Therapeutics Inc Catheter for guide-wire tracking
JP2623066B2 (ja) * 1994-01-28 1997-06-25 テルモ株式会社 ガイドワイヤー

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