JPH04247826A - 連続焼鈍による表面性状の優れたAlキルド冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

連続焼鈍による表面性状の優れたAlキルド冷延鋼板の製造方法

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JPH04247826A
JPH04247826A JP600891A JP600891A JPH04247826A JP H04247826 A JPH04247826 A JP H04247826A JP 600891 A JP600891 A JP 600891A JP 600891 A JP600891 A JP 600891A JP H04247826 A JPH04247826 A JP H04247826A
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輝昭 山田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Alキルド冷延鋼板の
製造方法に関するものであり、Alキルド鋼の冷間圧延
において鋼板表面の中心線平均粗さRaおよび中心線谷
深さRvを特定の範囲内とし、さらに特定の過時効を持
つ連続焼鈍を施した後、特定の伸び率範囲の調質圧延を
行うことによって、プレス加工後の冷延鋼板の表面性状
の優れたAlキルド冷延鋼板の製造方法を提供するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車外板等に使用される冷延鋼板には
、美観の点より、プレス成形時の降伏伸び現象によるス
トレッチャーストレインを防止する必要がある。Alキ
ルド鋼を素材とした耐ストレッチャーストレイン性の良
好な冷延鋼板を製造するためには焼鈍後の固溶炭素を充
分に低減し、さらに調質圧延のような軽度の加工により
鋼板中に転位を導入する必要がある。
【0003】Alキルド冷延鋼板中の固溶炭素を低減す
る方法としては、例えば特開平2−93025号公報に
開示されているように再結晶焼鈍後200〜310℃に
急速冷却し、過時効処理を行う方法があり、鋼板中の固
溶炭素は充分に低減できる。しかし、鋼板表面の凹凸の
状態によっては調質圧延により導入される転位が充分に
均一に入りにくく、部分的には調質圧延による転位が導
入されない部分が形成されることがある。このような冷
延鋼板にプレス成形を行うと、微小なストレッチャース
トレインが鋼板全面にわたって生じ、美観を損ねる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Alキルド
鋼を素材として、生産性、製造コストの面で有利である
連続焼鈍により製造された冷延鋼板のストレッチャース
トレインを完全に消去することにより表面外観を優れた
ものとする方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは連続焼鈍法
で製造したAlキルド冷延鋼板のプレス成形における表
面性状を良好にする製造条件について検討してきた。そ
の結果、鋼板表面の中心線谷深さ(Rv)および中心線
平均粗さ(Ra)が特定の範囲となるように冷延を行い
、さらに特定の過時効を持つ連続焼鈍を行った後、特定
の伸び率を持つ調質圧延を行うことによってストレッチ
ャーストレインが完全に消去でき、時効後もストレッチ
ャーストレインのない表面性状の極めて優れた冷延鋼板
が製造できることを見出した。
【0006】本発明の要旨とするところは次のとおりで
ある。重量比にてC:0.010〜0.038%,Si
:0.040%以下,Mn:0.05〜0.25%,P
:0.080%以下,S:0.002〜0.020%,
Al:0.020〜0.10%,N:0.0060%以
下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
鋳片を熱間圧延した後、冷間圧延を行い、冷間圧延後の
鋼板表面の中心線谷深さ(Rv)および中心線平均粗さ
(Ra)を各々0.5〜10μmおよび0.5μm以上
とし、さらに700〜850℃での焼鈍後200〜35
0℃の範囲に50℃/secl以上の冷却速度で冷却し
、冷却終点温度に対して30℃以上の加熱を行い、加熱
到達温度を320〜400℃の範囲とし、300〜20
0℃の範囲に120sec 以上の時間をかけて冷却す
る過時効を持つ連続焼鈍を行い、続いて0.7〜2.5
%の伸び率の調質圧延を行うことを特徴とする連続焼鈍
による表面性状の優れたAlキルド冷延鋼板の製造方法
【0007】まず、本発明の方法を適用する鋼の化学成
分の限定理由について説明する。Cは0.010%未満
では連続焼鈍後の時効劣化が大きいので望ましくない。 また0.038%を越えると製品の加工性が劣化する。 したがってC量を0.010〜0.038%に限定した
。Siは微量では問題はないが、含有量が多くなると加
工性を低下させる。したがってSiは0.040%以下
でなければならない。
【0008】Mnは熱間脆性を防止するために必要な成
分であるが、0.05%未満ではFeSが生成し、その
効果がない。また、0.25%を越えると深絞り性が劣
化する。したがってMn量を0.05〜0.25%に限
定した。Pは時効特性には大きく影響しない元素である
が、含有量が多くなると加工性を低下させるため少ない
方が良く、その上限は0.080%でなければならない
【0009】Sは0.002%未満ではMnSの生成量
が少なく、熱延板の結晶粒が粗粒化しやすく、肌荒れの
原因となる。また0.020%を越えると熱間脆性の原
因となる。したがってS量を0.002〜0.020%
に限定した。Alは鋼中の酸素、窒素量をコントロール
するのに必要な元素であり、熱延板の巻取後にNをAl
Nとして析出させるためには最低0.020%は必要で
ある。しかし、0.10%を越えると加工性を劣化させ
る。したがって、0.020〜0.10%に限定した。 特に、析出するAlNのサイズを肌荒れが起きない程度
に粗大化させ、加工性を向上させるためには0.035
〜0.085%の範囲が望ましい。
【0010】また、析出したAlNも加工性を劣化させ
るため、その量は少ない方が良く、そのためにN量は0
.0060%以下でなければならない。次に、冷間圧延
条件について述べる。冷間圧延率は、通常行われている
通りでよいが、加工性のより優れた鋼板とするためには
60%以上が好ましい。また、本発明者らは種々の試験
により冷間圧延によって形成される表面の微少な凹凸が
プレス成形時の表面性状に影響をおよぼし、特に中心線
谷深さ(Rv)、中心線平均粗さ(Ra)および調質圧
延の伸び率がストレッチャーストレインに深く関係して
いることを見出した。
【0011】図1は表1に示す本発明範囲内の成分の鋼
を、熱間圧延および中心線平均粗さ(Ra)が1.0μ
mで種々の中心線谷深さ(Rv)を持たせた総圧下率8
0%の冷間圧延し、800℃での焼鈍後250℃に10
0℃/sec の冷却速度で冷却し、360℃に再加熱
し、270℃まで200sec で等速冷却する過時効
を持つ連続焼鈍を行い、続いて1.0%の伸び率の調質
圧延を行って製造した冷延鋼板に張り出し試験を実施し
、表面性状におよぼす中心線谷深さ(Rv)の影響を示
したものである。
【0012】
【表1】
【0013】図1より中心線谷深さ(Rv)が0.5〜
10μmの範囲では良好な表面性状が得られ、この範囲
外ではストレッチャーストレインが発生することがわか
る。これは、中心線谷深さ(Rv)が0.5μm未満で
は可動転位の密度にばらつきが生じ、中心線谷深さ(R
v)が10μmを越えると材質劣化の生じない程度の伸
び率の調質圧延では谷の部分における可動転位密度に不
足が生じ、いずれもストレッチャーストレインが発生す
る条件となるためである。
【0014】また、図2は上記条件のうち中心線谷深さ
(Rv)を5.0μmの一定とし、中心線平均粗さ(R
a)を種々変えた場合の表面性状におよぼす中心線平均
粗さ(Ra)の影響を示したものである。図2より中心
線平均粗さ(Ra)は0.5μm以上で良好な表面性状
が得られることがわかる。中心線平均粗さ(Ra)が0
.5μm以上で良好な表面性状となる理由は可動転位が
均一に導入されるためである。また、中心線平均粗さ(
Ra)が0.5μm未満では連続焼鈍設備の通板性が劣
化し、表面にすべりキズが発生しやすくなり好ましくな
い。
【0015】以上のことから冷間圧延により鋼板の表面
状態を中心線谷深さ(Rv)が0.5〜10μmで、か
つ中心線平均粗さ(Ra)を0.5μm以上にする必要
がある。中心線谷深さ(Rv)および中心線平均粗さ(
Ra)以外の条件を本発明範囲内で変えた場合も同様の
結果が得られた。なお、以上の中心線平均粗さ(Ra)
および中心線谷深さ(Rv)は冷間圧延ロール表面の凹
凸状態を調整することによって得られたものである。
【0016】次に、連続焼鈍条件について述べる。連続
焼鈍は再結晶焼鈍後時効特性を向上させるために特別な
過時効処理を必要とする。再結晶焼鈍温度は加工用冷延
鋼板としての良好な成形性を付与するためには700℃
以上必要である。しかし、850℃を越えると異常粒成
長が起こりやすく、表面性状が劣化する。したがって再
結晶焼鈍温度は700〜850℃とした。
【0017】また、プレス成形時の表面性状を良好にす
るためには固溶炭素を充分に低減して良好な時効特性と
する必要があり、そのためには以下の過時効条件が必要
である。まず、結晶粒内にセメンタイトの核を形成させ
るために再結晶焼鈍後50℃/sec 以上  の冷却
速度で200〜350℃に冷却を行う必要がある。次に
、セメンタイトの析出速度を速くするために、この冷却
温度よりも高温で、かつ320〜400℃に再加熱する
。さらに、固溶している炭素を充分にセメンタイトとし
て析出させるために過時効時間を120sec 以上と
し、この過時効経過と共に過時効温度を低下させ、20
0〜300℃で過時効を終了させる。
【0018】以上のような過時効処理により鋼板中の固
溶炭素は充分に低減され、以下で述べる調質圧延条件と
併用することにより時効後もストレッチャーストレイン
のない良好な表面性状の鋼板とすることができる。調質
圧延は鋼板に可動転位を導入し、プレス成形時のストレ
ッチャーストレインの発生防止のために必要である。
【0019】図3は図1で示した条件のうち中心線谷深
さ(Rv)を5.0μm、中心線平均粗さ(Ra)を1
.0μmと一定とし、伸び率を種々変えた調質圧延を行
った場合の表面性状と伸びにおよぼす調質圧延の伸び率
の影響を示したものである。図3より0.7%以上の伸
び率の調質圧延でプレス成形時のストレッチャーストレ
インを防止でき、良好な表面性状を得ることができる。 しかし、調質圧延の伸び率が2.5%を越えると伸びの
劣化が大きい。したがって、調質圧延の伸び率は0.7
〜2.5%にする必要がある。なお、調質圧延以外の条
件を本発明範囲内で変えた場合も本結果と同様に調質圧
延の伸び率は0.7〜2.5%が必要であることがわか
った。
【0020】以上のように本発明は冷間圧延における鋼
板の表面状態、連続焼鈍における固溶炭素、調質圧延に
おける伸び率等を制御することにより冷延鋼板の表面性
状および加工性を優れたものとすることができる。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例と共に示す。 実施例1 表2に示す化学成分の鋳片を1100℃に加熱し熱間圧
延を行い、さらに冷間圧延を実施した後に、それぞれ図
4に示す連続焼鈍条件を与えて連続焼鈍を施した。試料
A,B,C,D,E,F,G,HおよびIは本発明の成
分範囲内であり、試料J,K,L,M,N,O,Pおよ
びQは化学成分のいずれかが本発明の範囲から外れてい
る。これらの鋼の冷間圧延率は80%であり、冷間圧延
による鋼板の表面状態は本発明範囲内とし、中心線谷深
さ(Rv)は5μmで中心線平均粗さ(Ra)は1.2
μmである。また、連続焼鈍後の調質圧延条件も本発明
の範囲内である1.0%とした。
【0022】この結果得られた冷延鋼板について、JI
S5号引張り試験片を用いて引張り試験を行い、表面性
状、降伏強度および伸びを調査した。材質調査結果を表
3に示す。表3より化学成分が本発明の範囲外のものは
本発明の範囲内のものに比べて表面性状、伸びのいずれ
か一方または両方が劣っていることがわかる。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】実施例2 表4に示す化学成分の鋳片を1100℃に加熱し、熱間
圧延を行い、それぞれ表5に示すような冷間圧延の表面
状態および調質圧延伸び率を与えた。冷間圧延の総圧下
率はいずれも80%とし、試料(1) 〜(9) は鋼
の表面状態が本発明範囲内にあり、試料(10)〜(1
6)は中心線谷深さ(Rv)、中心線平均粗さ(Ra)
または調質圧延伸び率のいずれか一つ以上の条件が本発
明範囲から外れている。なお、いずれの試料も図4に示
す連続焼鈍条件を与えた。
【0026】この結果得られた冷延鋼板について、JI
S5号引張り試験片を用いて引張り試験を行い、伸びお
よび表面性状を調査した。材質調査結果を表6に示す。 表6より成分、条件が本発明の範囲に入っているものは
、本発明の範囲外のものに比べて表面性状および加工性
のいずれも優れていることがわかる。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、Alキルド冷延鋼
板を製造するに際して、本発明に従い鋼板表面の中心線
平均粗さ(Ra)および中心線谷深さ(Rv)が特定の
範囲となるように冷延を行い、さらに特定の過時効を持
つ連続焼鈍を行った後、特定の伸び率を持つ調質圧延を
行うことによってストレッチャーストレインが完全に消
去でき、時効後もストレッチャーストレインのない表面
性状の極めて優れた冷延鋼板が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、表面性状におよぼす中心線谷深さ(R
v)の影響を示す図(表面性状の1〜4は冷延鋼板の成
形後のストレッチャーストレインのレベルを表す)であ
る。
【図2】図2は、表面性状におよぼす中心線平均粗さ(
Ra)の影響を示す図である。
【図3】図3は、表面性状および伸びにおよぼす調質圧
延の伸び率の影響を示す図である。
【図4】図4は、連続焼鈍の温度履歴を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  重量比にてC:0.010〜0.03
    8%,Si:0.040%以下,Mn:0.05〜0.
    25%,P:0.080%以下,S:0.002〜0.
    020%,Al:0.020〜0.10%,N:0.0
    060%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
    物よりなる鋳片を熱間圧延した後、冷間圧延を行い、冷
    間圧延後の鋼板表面の中心線谷深さ(Rv)および中心
    線平均粗さ(Ra)を各々0.5〜10μmおよび0.
    5μm以上とし、さらに700〜850℃での焼鈍後2
    00〜350℃の範囲に50℃/sec 以上の冷却速
    度で冷却し、冷却終点温度に対して30℃以上の加熱を
    行い、加熱到達温度を320〜400℃の範囲とし、3
    00〜200℃の範囲に120sec 以上の時間をか
    けて冷却する過時効を持つ連続焼鈍を行い、続いて0.
    7〜2.5%の伸び率の調質圧延を行うことを特徴とす
    る連続焼鈍による表面性状の優れたAlキルド冷延鋼板
    の製造方法。
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