JPH0424721Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、リニアモータを用いる磁気浮上式
鉄道の軌道構造に関するものである。

〔従来の技術およびその問題点〕

周知のように、磁気浮上式鉄道は、電磁石の吸
引力で車体を浮かせ、レールから数mmの間隔を保
つたまま、リニアモータで推進する構成であるた
め、浮上用レールと推進用のリアクシヨンプレー
トの二種のレールを布設する必要がある。

また、車上一次リニアモータ方式を採用する磁
気浮上式鉄道においては、車体の両側部に設けた
一対の電磁石を浮上用レールの下方に対向させる
必要があるため、車両の進行方向に設けた桁上に
所要のレールを取付けるという容易な支持方法を
採用することができず、また、その支持方法に応
じて桁や浮上用レールの形状を適切な形状に設計
する必要があるため、施工に非常に手間がかか
り、コストも高いという不都合がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

そこで、この考案は上記の不都合を解消し、軌
道の施工を容易とし、コストの低減を図ることを
技術的課題としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するために、この考案は、車
両の進行方向に長い桁の上部に上下にフランジを
備えたレール支持部材を桁の長さ方向と直交する
方向に所要の間隔をおいて取付け、このレール支
持部材の両端部下方に浮上用レールを配置し、レ
ール支持部材の上方に座板を介してリアクシヨン
プレートを配置し、上記浮上用レールをレール支
持部材の下部フランジに固定し、リアクシヨンプ
レートの座板をレール支持部材の上部フランジに
固定した構成としたものである。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図乃至第３図に示すように、車両の走行方
向に長い桁１は、コンクリートや適宜の鋼材によ
つて形成される。この桁１の上部には、レール支
持部材２が桁１の長さ方向と直交する方向に所要
の間隔をおいて取付けられ、その各レール支持部
材２の両端部が桁１の両側面から側方に突出して
いる。

上記レール支持部材２は、上下にフランジ３，
４を備え、そのレール支持部材２の両端部下方に
配置した浮上用レール５は、その両側面に取付け
たＬ字形の取付金具６がボルト７−ナツト８の締
付けによつてレール支持部材２の下部フランジ４
に固定されている。

また、レール支持部材２の両端部上方には、リ
アクシヨンプレート９が配置されている。このリ
アクシヨンプレート９はアルミニウム板１０と鉄
板１１の複合材から成り、レール支持部材２の上
面に対向する下面には溶接等の手段を介して座板
１２が取付けられ、その座板１２の両側部が一対
の締付金具１３，１４を介してレール支持部材２
の上部フランジ３に固定されている。

一対の締付金具１３，１４のうち、座板１２の
外側部を固定する締付金具１３はコの字形にな
り、互いに対向する挾持片１５，１５の一方に締
付ボルト１６をねじ込み、他方の挾持片１５の先
端部に内向きに突部１７を設けてある。この締付
金具１３は、レール支持部材２の端部から互いに
重なり合う上部フランジ３と座板１２の外側に嵌
合され、ボルト１６の締付けにより、そのボルト
１６の先端と突部１７とで両部材を挾持するよう
になつている。

また、座板１２の内側部を固定する締付金具１
４は、上記と同様にコの字形になり、互いに対向
する挾持片１５，１５の一方に締付ボルト１６を
ねじ込み、他方の挾持片１５の側部に押圧片１８
を連成し、その押圧片１８の先端部に突部１７を
設けてある。この締付金具１４は、上部フランジ
３の側方からその上部フランジ３の外側に嵌合さ
れ、締付ボルト１６の締付けによりボルト１６の
先端と突部１７とで上部フランジ３と座板１２と
を挾持するようになつている。

上記のようなリアクシヨンプレート９の締付構
造では、そのリアクシヨンプレート９が長手方向
に移動するおそれがあるため、座板１２を溶接等
の手段により、レール支持部材２に固定してリア
クシヨンプレート９の安定化を図るのが好まし
い。

なお、リアクシヨンプレート９の構成は、第３
図に示すものに限定されず、例えば、第４図に示
すように、アルミニウム板１０の両側部を折り曲
げて鉄板１１の両側部を包み込み、その鉄板１１
の下面にスペーサ１９を重ね合わせたものであつ
てもよい。このようなリアクシヨンプレート９
は、座板１２の上面にスペーサ１９を対向して、
座板１２、スペーサ１９および鉄板１１をボルト
２０で締付けるようにする。

第１図に示す実施例においては、浮上用レール
５としてチヤンネル材から成るものを示したが、
第５図に示すように、一対のアングル材をコの字
形に組み合わせたものであつてもよい。第１図お
よび第５図に示すように、浮上用レール５の両側
部に一対のフランジ５′を設け、浮上用レール５
に対向して車両に取付けた電磁石のＮ極を一方の
フランジ５′に対向し、Ｓ極を他方のフランジ５
に対向させることにより、車両の横ずれに対して
これを自動的に修正することができ、車両の案内
性を向上することができる。

第６図は、浮上用レール５のさらに他の実施例
を示している。この浮上用レール５は、互いに重
ね合わせた複数の帯状鉄板５″から成り、その帯
状鉄板５″と一対の取付金具６とをボルト２１−
ナツト２２で締結してある。上記浮上用レール５
をレール支持部材２に取付け、車両に取付けた電
磁石のＮ極とＳ極とを車両の走行方向に配置する
ことにより、過電流の発生を防止することができ
る。

〔効果〕

以上のように、この考案においては、桁上にレ
ール支持部材を取付け、そのレール支持部材の両
端部下方に配置した浮上用レールをレール支持部
材の下部フランジに固定し、レール支持部材の上
方に配置した推進用のリアクシヨンプレートをレ
ール支持部材の上部フランジに固定するようにし
たので、施工がきわめて容易であり、しかもレー
ル支持部材として入手の容易なＨ型鋼を用いるこ
とができ、浮上用レールとしてチヤンネル材、ア
ングル材あるいは帯状鉄板などの入手の容易な材
料を使用することができるため、コストの低減を
図ることができる。

なお、レール支持部材との間に任意厚みの調整
用ライナを介在するようにすれば、浮上用レール
およびリアクシヨンプレートを精度よく布設する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る軌道の一実施例を示
す縦断正面図、第２図は同上の浮上用レール及び
リアクシヨンプレートの支持部を示す斜視図、第
３図は同上のリアクシヨンプレートの支持部を示
す断面図、第４図は同上リアクシヨンプレートの
他の実施例を示す断面図、第５図及び第６図は同
上の浮上用レールの他の実施例を示す断面図であ
る。 １……桁、２……レール支持部材、３……上部
フランジ、４……下部フランジ、５……浮上用レ
ール、６……取付金具、７……ボルト、９……リ
アクシヨンプレート、１２……座板、１３，１４
……締付金具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車両の進行方向に長い桁の上部に上下にフラ
   ンジを備えたレール支持部材を桁の長さ方向と
   直交する方向に所要の間隔をおいて取付け、上
   記レール支持部材の両端部下方に浮上用レール
   を配置し、レール支持部材の上方に座板を介し
   てリアクシヨンプレートを配置し、上記浮上用
   レールをレール支持部材の下部フランジに固定
   し、上記リアクシヨンプレートの座板をレール
   支持部材の上部フランジに固定した磁気浮上式
   鉄道の軌道構造。 (2) 前記浮上用レールの両側に取付金具を取付
   け、その取付金具をボルトの締付けによつてレ
   ール支持部材の下部フランジに取付けた実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の磁気浮上式鉄道
   の軌道構造。 (3) 前記リアクシヨンプレートの座板とレール支
   持部材の上部フランジとを締付金具で締結した
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の磁気浮上式鉄道の軌道構造。