JPH04246479A - インクジェット記録用インク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用イ
ンクとそのインクによるインクジェット記録方法、特に
一般に市販されている普通紙においてにじみが生じず高
印字品質な保存安定性に優れたインクジェット記録用イ
ンクに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェット等の水系顔料分散
インクは顔料粒子の比重と液媒体の比重の差により顔料
が沈降したり凝集したりしてしまいインクとしての保存
安定生に欠けるものであった。そこでその問題を解決す
る手段として、例えば特開昭５７ー１８７３７０のよう
に水性溶剤に可溶な樹脂等を分散剤として添加したり、
顔料粒子を細かくしたりして均一な溶液系にして保存安
定生を付加していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしこの様な従来の
提案のものでは、次のような問題があった。

【０００４】保存安定生に優れていても普通紙に対して
高速印字を行なった場合、紙の繊維に沿ってインクが拡
散してしまい、にじみが生じ、印字品質が劣化してしま
うという問題があった。そこで、本発明はこの様な問題
点を解決するもので、本発明の第一の目的は液体インク
により文字・画像記録を行なうインクジェット記録装置
において、一般に市販される普通紙に対してにじみが生
じない高印字品質であるインクジェット記録用インクを
提供することである。

【０００５】本発明の第二の目的は、保存安定性に優れ
、目詰まりしにくいインクジェット記録用インクを提供
することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の水系顔料分散イ
ンクジェット記録用インクは常温の環境で放置したとき
、顔料成分の沈降が飽和に達したときの上澄み液層の高
さがインク全体の高さの２０〜６０％である顔料分散イ
ンクであることを特徴とし、この顔料分散インクは少な
くとも強塩基物質とトルエンスルホンアミド系添加剤を
含むことを特徴とする。

【０００７】本発明に使用する着色剤としての顔料は、
カーボンブラックの他、染料便覧及びカラーインデック
スに記載されている有機顔料のほとんどすべてが使用で
きる。例えば、アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合
アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料やフタロシア
ニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アトラキノン顔
料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料チオインジゴ
顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多
環式顔料や塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の
染料レーキやニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラ
ック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄
系等の無機顔料を挙げることができる。また、カラーイ
ンデックスに記載されていない顔料であっても水相に分
散可能なものはいずれも本発明において使用することが
できる。

【０００８】さらに上記顔料を界面活性剤や高分子分散
剤等で表面処理したもの、例えば、グラフトカーボン等
ももちろん使用可能である。

【０００９】これらの顔料は本発明のインクに対して、
０．５から２０重量％の割合で用いられる。好ましくは
３から１５重量％の範囲で用いられる。顔料が０．５重
量％未満では、所望の色調・濃度が得られず、２０重量
％以上を越えると目詰まり・保存安定性に支障をきたす
。

【００１０】本発明に用いる強塩基性物質としては、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を
用いることができる。

【００１１】強塩基性物質の添加量としては０．５〜５
重量％が好ましく、０．５重量％未満もしくは５重量％
を越えると、初期のインクの高さと顔料成分の沈降によ
る上澄み液の高さが６０％以上になってしまい、保存安
定性が得られなくなる。

【００１２】本発明に用いるトルエンスルホンアミド系
の添加剤としては、Ｎ−２−ヒドロキシエチル−ｏ／ｐ
−トルエンスルホンアミド、Ｎ−２，３−ジヒドロキシ
プロピル−ｏ／ｐ−トルエンスルホンアミド、Ｎ，Ｎ−
ジ−（２−ヒドロキシエチル）−ｏ／ｐ−トルエンスル
ホンアミド、Ｎ，Ｎ−ジ−（２，３−ヒドロキシプロピ
ル）−ｏ／ｐ−トルエンスルホンアミド、Ｎ−２−ヒド
ロキシプロピル−ｏ／ｐ−トルエンスルホンアミド等が
ある。上記トルエンスルホンアミドの使用量はインク重
量に対して０．１重量％から２０重量％の割合で用いら
れる。好ましくは０．５重量％から１５重量％である。 ０．１重量％未満だとわじみができず、にじみが生じ印
字品質が悪くなり、２０重量％を越えると前述の保存安
定性が悪くなり、インクジェット記録用インクとしては
不適当になる。

【００１３】本発明のインクを作成するには、顔料は適
当な分散剤、溶剤、純水及び必要に応じて他の添加剤と
共に従来知られている方法により分散処理するのが好ま
しい。

【００１４】分散剤としては顔料分散に用いられる高分
子分散剤や界面活性剤が使用でき、高分子分散剤として
は、アラビアゴム、トラガントゴム等の天然ゴム類、ゼ
ラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質、サポニ
ン等のグルコシド類、メチルセルロース、カルボキシセ
ルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース
誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分
子、ポリアクリル酸塩、スチレン−アクリル酸共重合物
の塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物の塩、ス
チレン−マレイン酸共重合物の塩、β−ナフタレンスル
ホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、ビニルナフタ
レン−マレイン酸共重合物の塩、リン酸塩等の陰イオン
性高分子やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコール等の非イオン性高分子等の
高分子分散剤、界面活性剤としては脂肪酸塩類、高級ア
ルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩
類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ソルビ
タンアルキルエステルポリオキシエチレンソルビタンア
ルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤があり、こ
れらの１種または２種以上を適宜選択して使用できる。 その使用量はインク全量に対して０．１〜２０重量％が
好ましい。

【００１５】水溶性有機溶剤としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、ｎ−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコール、ｓｅｃ−
ブチルアルコール、ｔｅｒｔ−ブチルアルコール、イソ
ブチルアルコール、ｎ−ペンタノール等の炭素数１〜５
のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジアセトン
アルコール等のケトンまたはケトアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアル
キレングリコール類、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、プロピレングリコールブチレングリコール
、トリエチレングリコール、１，２，６−ヘキサントリ
オール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール等の
アルキレン基が２〜６個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類、グリセリン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリ
エチレングリコールジエチルエーテル等の多価アルコー
ルの低級ジアルキルエーテル類、スルホラン、Ｎ−メチ
ル−２−ピロリドン、１，３−ジメチル−２−イミダゾ
リジノン等が挙げられる。

【００１６】上記水溶性有機溶剤の使用量は、一般的に
はインクの全重量に対して０．１〜４０重量％で好まし
くは３〜３０重量％である。

【００１７】上記成分の他にも必要に応じて、各種界面
活性剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、非記録材上での
インクの定着性を改善するためのバインダー樹脂等を添
加することができる。

【００１８】例えば、ポリビニルアルコール、セルロー
ス類、水溶性樹脂、エマルジョン樹脂等の粘度調整剤ま
たはバインダー、カチオン、アニオン、あるいはノニオ
ン系の界面活性剤、第２アルコールまたはそのエチレン
オキサイド付加体等の界面活性剤、ジエタノールアミン
、トリエタノールアミン等の表面張力調整剤、緩衝液に
よるｐＨ調整剤、防カビ剤等を挙げることができる。

【００１９】本発明を実現させるインクジェット記録用
インクの顔料分散方法としては、ボールミル、サンドミ
ル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘ
ンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザ
ー、パールミル、ジェットミル等の微粉散機・超音波粉
散機が使用できる。

【００２０】

【作用】インクジェット記録用インクとしては保存安定
性が重要な課題であるが本発明によれば、水系顔料分散
インクは着色成分としての顔料がある程度沈降しやすい
方が印字品質がよい。これは、顔料インクが紙の表面に
付着したとき顔料が表面にそのまま残り、顔料を保持し
ていた分散媒のみが速やかに表面に拡散し内部に浸透し
やすいからである。この分散媒のみの拡散・浸透を着色
成分に対してわじみと呼ぶ。わじみができやすいインク
ほど印字がにじむことがない。本発明の水系顔料分散イ
ンクジェット記録用インクは顔料成分の沈降による上澄
み液の高さがインク全体の高さの２０〜６０％であれば
前述のわじみができ印字品質がよくなることが分かった
。さらに、インクが紙に浸透・拡散した全体の径に対す
るわじみの径の比が０．２以上の時ににじみが生じず印
字品質が良く、０．２より小さいとわじみができず、に
じんでしまう。また、沈降度が２０％以下だと顔料イン
クとして安定性が良くなるがわじみができずにじみが生
じ、６０％以上だとわじみはできるが顔料が凝集してし
まい、インクとしての保存安定性に欠け、インクジェッ
トの微小なノズルが目詰まりしてしまう。

【００２１】

【実施例】以下、実施例・比較例を挙げることにより本
発明を具体的に説明するが、本例が本発明を限定するも
のではない。

【００２２】実施例１〜６のインクは顔料を除いた下記
の成分を７０℃、３０分間撹拌し、その溶液を室温に戻
してから顔料を加えてサンドミル（（株）安川電機製作
所製）で分散処理し、得られた分散液を５μｍのメッシ
ュフィルターによって濾過してゴミ及び粗大粒子を除去
し、インクとした。

【００２３】 　　実施例１ 　　　　Ｎ，Ｎ−ジ−（２，３−ヒドロキシプロピル）
−Ｏ／Ｐ−トルエンスルホン　　　　アミド　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０ｗ
ｔ％　　　　水酸化カリウム　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　５ｗｔ％　　　　アラビアゴム　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２ｗｔ％
　　　　ジエチレングリコール　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　２０ｗｔ％　　　　カーボンブラック　　ＭＡ−７
（三菱化成工業（株）製）　　　　　　　　　　５ｗｔ
％　　　　純水　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　４８ｗｔ％　　実施例２ 　　　　Ｎ−２−ヒドロキシエチル−ｐ−トルエンスル
ホンアミド　　　　０．１ｗｔ％　　　　水酸化カリウ
ム　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　０．５ｗｔ％　
　　　グリセリン　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　１８ｗｔ％　　　　ボンコート５４５４（
アクリル−スチレン系エマルジョン樹脂、東北ディッ　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ク（
株）製）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　１．８ｗｔ％　　　　ポリビニルアルコール（重
合度５００、ケン化度８６．５〜８９ｍｏｌ％）　０．
１ｗｔ％　　　　ゼラチン　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　１ｗｔ％　　　　カーボ
ンブラック　　＃５Ｂ（三菱化成工業（株）製）　　　
　　　　　　　　　５ｗｔ％　　　　純水　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　７３．５ｗｔ
％　　実施例３ 　　　　Ｎ−２，３−ジヒドロキシプロピル−ｏ−トル
エンスルホンアミド１ｗｔ％　　　　水酸化カリウム　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１ｗｔ％　
　　　ポリビニルピロリドン　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　３ｗｔ％　　　　エチレングリコール　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　１５ｗｔ％　　　　トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル　　　　　　　　　　　
　　　　　０．３ｗｔ％　　　　アニリンブラック　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　２０ｗｔ％　　　　純
水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　５９．７ｗｔ％　　実施例４ 　　　　Ｎ，Ｎ−ジ−（２−ヒドロキシエチル）−ｏ−
トルエンスルホンアミド　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
３ｗｔ％　　　　水酸化リチウム　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　１ｗｔ％　　　　トリエタノー
ルアミン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　１５ｗｔ％　　　
　ウォーターゾールＳ−６９５（メラミン樹脂、大日本
インキ化学工業（株）　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　製）　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　８ｗｔ
％　　　　カーボンブラック　　ＭＡ−１００（三菱化
成工業（株）製）　　　　　　５ｗｔ％　　　　純水　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　６８ｗｔ％　　実施例５ 　　　　Ｎ−２−ヒドロキシエチル−ｐ−トルエンスル
ホンアミド　　　　　　１５ｗｔ％　　　　水酸化カリ
ウム　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　３ｗ
ｔ％　　　　ジエチレングリコール　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　２０ｗｔ％　　　　ボンコート４００１（アク
リル系エマルジョン樹脂、大日本インキ化学工業　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（株）製
）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　１０ｗｔ％　　　　カーボンブラック　　＃４
０（三菱化成工業（株）製）　　　　　　　　　　　　
６ｗｔ％　　　　純水　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　４６ｗｔ％　　実施例６ 　　　　Ｎ−２−ヒドロキシプロピル−ｏ−トルエンス
ルホンアミド　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　０．５ｗｔ％　　　
　水酸化カリウム　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
０．５ｗｔ％　　　　グリセリン　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　１８ｗｔ％　　　　ゼラチ
ン　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　３ｗｔ％　　　　ボンコート２３１０（酢酸ビニ
ル系エマルジョン樹脂、大日本インキ化学工　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　業（株）製）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　１０ｗｔ％　　　　エタノール　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　３ｗｔ％　　　　カー
ボンブラック　　＃５Ｂ　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　５ｗｔ
％　　　　純水　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　６０ｗｔ％　　実施例７ 　　　　Ｎ−２，３−ジヒドロキシプロピル−ｏ−トル
エンスルホンアミド２ｗｔ％　　　　水酸化ナトリウム
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　１ｗｔ％　　
　　グリセリン　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　１５ｗｔ％　　　　ポリビニルアルコール　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　３ｗｔ％　　　　カーボ
ンブラック　　ＭＡ−１００　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　８ｗｔ％　　　
　純水　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　７１ｗｔ％　　比較例１、２ 実施例１のインク中のトルエンスルホンアミド系の添加
剤をそれぞれ２５ｗｔ％、２０ｗｔ％にし、水酸化カリ
ウムをそれぞれ５ｗｔ％、７ｗｔ％に変えて実施例１と
同様に処理する。

【００２４】比較例３，４ 実施例２のインク中のトルエンスルホンアミド系の添加
剤をそれぞれ０．０５ｗｔ％、０．１ｗｔ％にし、水酸
化カリウムをそれぞれ０．５ｗｔ％、０．１ｗｔ％に変
えて実施例１と同様に処理する。

【００２５】以上得られたインクを用いて、インク１０
０ｍｌを同容量のガラス瓶（ラボランスクリュー管瓶、
（株）井内盛栄堂製）にいれて常温の環境に１週間放置
する。この評価は先に常温の環境で１カ月間顔料成分の
沈降を観察したが、１週間以後の顔料成分の沈降がほと
んど変わらなかったので常温、１週間の放置を顔料成分
の沈降が飽和に達したと見なしている。その後初期のイ
ンクと比べて沈降の度合がどれくらいかを初期のインク
の高さと放置後のインクの顔料成分の沈降による上澄み
液の高さで比較した。

【００２６】沈降度 インク１００ｍｌを同容量のラボランスクリュー管瓶（
（株）井内盛栄堂製）に　　入れ、常温の環境で１週間
放置した。そして、初期のインクの高さと顔料成分　　
の沈降による上澄み液の高さから計算する。

【００２７】 上澄み液の高さ／初期状態のインクの高さ×１００さら
に、得られたインクの印字品質と保存安定性を調べるた
めに以下の評価を行った。

【００２８】わじみ評価 代表的な汎用普通紙であるＸｅｒｏｘＰ（富士ゼロック
ス商標）にインク１μｌスポットし、インクが紙に浸透
・拡散した全体の径に対するわじみの径（インクが紙に
浸透・拡散した全体の径から紙の表面に残った着色成分
の径を引いたもの）との比により評価する。 比が０．２以上で均一なわじみができる　　　　　　○
比が０．２以上だが分散媒の浸透・拡散が不均一である
（　紙の繊維に沿ったわじみができる）　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　△ 比が０．２より小さくてわじみができない　　　　×保
存安定性 ２４ノズルのインクジェットプリンタ　　ＨＧ−２５０
０（セイコーエプソン（株）製）によって、前記インク
を用いて印字を行い、全ノズル吐出可能であることを確
認後、プリンタを停止して常温で放置する。１ヶ月後再
びプリンタを駆動させて印字状態を調べ、以下の基準に
したがって判断する。

【００２９】 全ノズル吐出可能　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　○目詰まりにより１ノズル以上吐出
不能　　　　　　　　×上記結果を表１に示す。

【００３０】

【表１】

【００３１】表１より明らかなように、沈降度が６０％
以上の比較例１、２はわじみができるが保存安定性が悪
く、沈降度２０％以下の比較例３、４は保存安定性は良
いがわじみができない。沈降度が２０％〜６０％の実施
例１から７はわじみが０．２以上で印字品質が良く、か
つ保存安定性も良好であり、両方を満たすのは沈降度２
０％〜６０％のもののみであった。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように本発明のインクジェ
ット記録用インクによれば、着色剤として顔料を使用し
た液体インクにおいて、一般に市販される普通紙に対し
てにじみが生じず、高品質の印字が得られ、かつ、保存
安定性に優れたインクジェット記録用インクが得られる
。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】水系顔料分散インクジェット記録用インク
   において、常温の環境で放置したときの顔料成分の沈降
   が飽和に達したときの上澄み液の層の高さがインク全体
   の高さの２０〜６０％であることを特徴とするインクジ
   ェット記録用インク。
2. 【請求項２】請求項１記載のインクが少なくとも強塩基
   物質とトルエンスルホンアミド系添加剤を含むことを特
   徴とするインクジェット記録用インク。