JPH04244268A - 模様塗膜の形成方法 - Google Patents
模様塗膜の形成方法Info
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- JPH04244268A JPH04244268A JP1054491A JP1054491A JPH04244268A JP H04244268 A JPH04244268 A JP H04244268A JP 1054491 A JP1054491 A JP 1054491A JP 1054491 A JP1054491 A JP 1054491A JP H04244268 A JPH04244268 A JP H04244268A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベース塗料中に含有せ
しめた粉末状磁性材料を磁石を利用して種々に配向させ
塗膜に模様を形成する方法に関する。
しめた粉末状磁性材料を磁石を利用して種々に配向させ
塗膜に模様を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塗膜表面に文字やマークあるいは
図柄などの模様を形成する方法として、所定の模様を印
刷した粘着テープを塗膜表面に貼着したり、あるいは、
所定の模様部分を切り取ったマスキング紙を塗膜表面に
被せてその上からさらに塗料を塗布する方法などが知ら
れていた。ところが、このような模様の形成方法は何れ
も塗膜表面に粘着テープあるいは塗膜による段差が生じ
、外観上好ましくないだけでなく、粘着テープやマスク
ング紙の貼着作業等に多大の労力と時間とを要するため
コスト的にも問題を有していた。また、模様の段差部分
に塵埃等が付着し清掃作業が困難であり、しかも、この
段差部分から粘着テープあるいは塗膜の剥れが生じる虞
れもあった。
図柄などの模様を形成する方法として、所定の模様を印
刷した粘着テープを塗膜表面に貼着したり、あるいは、
所定の模様部分を切り取ったマスキング紙を塗膜表面に
被せてその上からさらに塗料を塗布する方法などが知ら
れていた。ところが、このような模様の形成方法は何れ
も塗膜表面に粘着テープあるいは塗膜による段差が生じ
、外観上好ましくないだけでなく、粘着テープやマスク
ング紙の貼着作業等に多大の労力と時間とを要するため
コスト的にも問題を有していた。また、模様の段差部分
に塵埃等が付着し清掃作業が困難であり、しかも、この
段差部分から粘着テープあるいは塗膜の剥れが生じる虞
れもあった。
【0003】かかる問題点を解消するために塗料中に粉
末状の磁性材料を混入し、磁石を利用してこの磁性材料
を配向させ、これにより塗膜中に所望の模様を形成する
方法が提案されている。従来、この種の技術としては、
例えば特開昭63−175,670号公報に記載された
ものがある。この模様塗膜の形成方法は、粉末状磁性材
料を含有せしめた液状塗膜を被塗物等の表面に形成し、
当該塗膜が流動状態にあるうちに目的とする部分の磁性
材料に磁石を作用させることにより模様を形成する方法
であって、流動性を有している塗膜に目的とする模様の
大きさや形状に磁石で磁力を作用させることによって塗
膜内全体に均一に分散している粉末状磁性材料のうち磁
力の作用を受けた部分の磁性材料のみの配向を他の部分
と異ならしめて模様を形成するものである。
末状の磁性材料を混入し、磁石を利用してこの磁性材料
を配向させ、これにより塗膜中に所望の模様を形成する
方法が提案されている。従来、この種の技術としては、
例えば特開昭63−175,670号公報に記載された
ものがある。この模様塗膜の形成方法は、粉末状磁性材
料を含有せしめた液状塗膜を被塗物等の表面に形成し、
当該塗膜が流動状態にあるうちに目的とする部分の磁性
材料に磁石を作用させることにより模様を形成する方法
であって、流動性を有している塗膜に目的とする模様の
大きさや形状に磁石で磁力を作用させることによって塗
膜内全体に均一に分散している粉末状磁性材料のうち磁
力の作用を受けた部分の磁性材料のみの配向を他の部分
と異ならしめて模様を形成するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
模様塗膜を量産する場合には、ワークの表面に形成され
た模様の形状、色彩等を一定品質に維持する必要がある
が、本発明者が探求したところによれば、磁石を作用さ
せるタイミング如何によって模様塗膜の輪郭の表われ方
や色彩が大きく変化することが判明した。例えば、上記
公報に記載された「粉末状磁性材料を含有せしめた液状
塗膜が流動状態にあるうちに」磁石を作用させたとして
も、磁石の取り付けを塗料を塗布する前に行った場合と
塗布した後に行った場合とでは磁性材料の配向度が異な
り、模様の色彩に差異が生じた。また、磁石を取り外す
タイミングについても塗料を塗布してから取り外すまで
の時間により模様の色彩が大きく異なった。一般に2コ
ート1ベーク型塗装におけるベース塗料には、クリヤ塗
料との相溶性および塗装設備との関係上、速乾性の溶剤
が使用されており、塗膜が流動性を有する時間が短いこ
とから上述した問題点が顕著に現れた。本発明は、この
ような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、
ベース塗料の溶剤種類や塗装条件に拘らず模様塗膜の現
出パターンを一定品質に維持することを目的とする。
模様塗膜を量産する場合には、ワークの表面に形成され
た模様の形状、色彩等を一定品質に維持する必要がある
が、本発明者が探求したところによれば、磁石を作用さ
せるタイミング如何によって模様塗膜の輪郭の表われ方
や色彩が大きく変化することが判明した。例えば、上記
公報に記載された「粉末状磁性材料を含有せしめた液状
塗膜が流動状態にあるうちに」磁石を作用させたとして
も、磁石の取り付けを塗料を塗布する前に行った場合と
塗布した後に行った場合とでは磁性材料の配向度が異な
り、模様の色彩に差異が生じた。また、磁石を取り外す
タイミングについても塗料を塗布してから取り外すまで
の時間により模様の色彩が大きく異なった。一般に2コ
ート1ベーク型塗装におけるベース塗料には、クリヤ塗
料との相溶性および塗装設備との関係上、速乾性の溶剤
が使用されており、塗膜が流動性を有する時間が短いこ
とから上述した問題点が顕著に現れた。本発明は、この
ような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、
ベース塗料の溶剤種類や塗装条件に拘らず模様塗膜の現
出パターンを一定品質に維持することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、非磁性材料により構成された被塗物の裏面
に磁石を配した後に、粉末状磁性材料を含有するベース
塗料を前記被塗物の表面に塗布し、ついで、このベース
塗料上にクリヤ塗料を塗布し、所定の間隔をおいて前記
磁石を取り外した後に、前記ベース塗料およびクリヤ塗
料を乾燥させることを特徴とする模様塗膜の形成方法で
ある。
の本発明は、非磁性材料により構成された被塗物の裏面
に磁石を配した後に、粉末状磁性材料を含有するベース
塗料を前記被塗物の表面に塗布し、ついで、このベース
塗料上にクリヤ塗料を塗布し、所定の間隔をおいて前記
磁石を取り外した後に、前記ベース塗料およびクリヤ塗
料を乾燥させることを特徴とする模様塗膜の形成方法で
ある。
【0006】
【作用】このように構成した本発明にあっては、非磁性
材料により構成された被塗物の裏面に磁石を取り付けた
後に、粉末状磁性材料を含有するベース塗料を前記被塗
物の表面に塗布することにより、ベース塗料を塗布した
直後からベース塗料中の粉末状磁性材料に磁力が作用し
、この磁力線に沿って磁性材料の配向が開始する。ベー
ス塗料の塗膜粘度は溶剤が蒸発することにより徐々に上
昇するが、クリヤ塗料を塗布した後に所定の間隔をおい
て磁石を取り外すように構成しているため、ベース塗料
の塗膜粘度が上昇し過ぎて磁性材料が配向できない状態
となっても、クリヤ塗料中の溶剤がベース塗料中に浸透
して再びベース塗料の塗膜粘度を一旦低下させるため、
磁性材料の配向が促進する。このように、ベース塗料の
塗膜粘度の変化と磁力の作用時間とを一定に維持するこ
とによって模様塗膜の輪郭や色彩等を一定品質に維持す
ることができる。
材料により構成された被塗物の裏面に磁石を取り付けた
後に、粉末状磁性材料を含有するベース塗料を前記被塗
物の表面に塗布することにより、ベース塗料を塗布した
直後からベース塗料中の粉末状磁性材料に磁力が作用し
、この磁力線に沿って磁性材料の配向が開始する。ベー
ス塗料の塗膜粘度は溶剤が蒸発することにより徐々に上
昇するが、クリヤ塗料を塗布した後に所定の間隔をおい
て磁石を取り外すように構成しているため、ベース塗料
の塗膜粘度が上昇し過ぎて磁性材料が配向できない状態
となっても、クリヤ塗料中の溶剤がベース塗料中に浸透
して再びベース塗料の塗膜粘度を一旦低下させるため、
磁性材料の配向が促進する。このように、ベース塗料の
塗膜粘度の変化と磁力の作用時間とを一定に維持するこ
とによって模様塗膜の輪郭や色彩等を一定品質に維持す
ることができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明の一実施例を示す工程図、図2は
同実施例の第1工程におけるワークを示す断面図、図3
は同実施例の第2工程におけるワークおよび塗膜を示す
断面図、図4は同実施例の第3工程におけるワークおよ
び塗膜を示す断面図、図5は同実施例の第4工程および
第5工程におけるワークおよび塗膜を示す断面図、図6
は同実施例に係る磁石を示す正面図、図7は図6に示す
磁石を用いて形成された塗膜を示す正面図である。
明する。図1は本発明の一実施例を示す工程図、図2は
同実施例の第1工程におけるワークを示す断面図、図3
は同実施例の第2工程におけるワークおよび塗膜を示す
断面図、図4は同実施例の第3工程におけるワークおよ
び塗膜を示す断面図、図5は同実施例の第4工程および
第5工程におけるワークおよび塗膜を示す断面図、図6
は同実施例に係る磁石を示す正面図、図7は図6に示す
磁石を用いて形成された塗膜を示す正面図である。
【0008】本実施例に係る被塗物は、本実施例の模様
塗膜を形成するための基材であって非磁性材料により構
成されている。具体的な材質や形状などは特に限定され
ることなく、プラスチックやアルミニウム等を用いるこ
とができる。自動車用部品としてはバンパー、プロテク
ションモール、フロントグリル、リヤグリル、ホイール
カバー、ベントルーバ等の外装部品や、インストルメン
トパネル等の内装部品を例示することができる。これら
の被塗物は必要に応じて前処理、下塗り塗装、中塗り塗
装を行っても良い。
塗膜を形成するための基材であって非磁性材料により構
成されている。具体的な材質や形状などは特に限定され
ることなく、プラスチックやアルミニウム等を用いるこ
とができる。自動車用部品としてはバンパー、プロテク
ションモール、フロントグリル、リヤグリル、ホイール
カバー、ベントルーバ等の外装部品や、インストルメン
トパネル等の内装部品を例示することができる。これら
の被塗物は必要に応じて前処理、下塗り塗装、中塗り塗
装を行っても良い。
【0009】本実施例に係るベース塗料は、ビヒクル成
分と溶剤とを主成分とする塗料中に粉末状磁性材料を混
入した液状塗料であって、必要に応じて着色顔料、染料
、アルミニウム粉、パール状顔料、雲母等を配合するこ
とができる。ビヒクル成分としては通常の塗料用樹脂を
用いることができ、常温で乾燥もしくは反応硬化する樹
脂や、加熱して硬化もしくは溶融する樹脂などが挙げら
れる。具体的には、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、アミノ樹脂
、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが好ましい。 また、溶剤としては有機溶剤や水が挙げられる。塗料の
形態としては、有機溶剤型、非水ディスパージョン型、
水溶液型、エマルジョン型などの液状が挙げられる。
粉末状磁性材料は、磁力により配向が変化する粉
末であって、例えば、ニッケル、鉄含有率の高いステン
レス、鉄などの粉末が好ましい。磁性材料の形状は、鱗
片状、薄板状、粒状など何れでも良く、一方、磁性材料
の大きさは長手方向もしくは直径が1〜50μm、好ま
しくは20〜30μmである。この粉末状磁性材料の配
合比は、前述したビヒクル成分100重量部(固形分)
に対して1〜30重量部、特に10〜20重量部が好ま
しい。
分と溶剤とを主成分とする塗料中に粉末状磁性材料を混
入した液状塗料であって、必要に応じて着色顔料、染料
、アルミニウム粉、パール状顔料、雲母等を配合するこ
とができる。ビヒクル成分としては通常の塗料用樹脂を
用いることができ、常温で乾燥もしくは反応硬化する樹
脂や、加熱して硬化もしくは溶融する樹脂などが挙げら
れる。具体的には、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂、アミノ樹脂
、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが好ましい。 また、溶剤としては有機溶剤や水が挙げられる。塗料の
形態としては、有機溶剤型、非水ディスパージョン型、
水溶液型、エマルジョン型などの液状が挙げられる。
粉末状磁性材料は、磁力により配向が変化する粉
末であって、例えば、ニッケル、鉄含有率の高いステン
レス、鉄などの粉末が好ましい。磁性材料の形状は、鱗
片状、薄板状、粒状など何れでも良く、一方、磁性材料
の大きさは長手方向もしくは直径が1〜50μm、好ま
しくは20〜30μmである。この粉末状磁性材料の配
合比は、前述したビヒクル成分100重量部(固形分)
に対して1〜30重量部、特に10〜20重量部が好ま
しい。
【0010】本実施例に係るクリヤ塗料は、ビヒクル成
分と溶剤とを主成分とする塗料中に粉末状磁性材料を混
入した液状塗料であって、ビヒクル成分としては通常の
塗料用樹脂を用いることができ、常温で乾燥もしくは反
応硬化する樹脂や、加熱して硬化もしくは溶融する樹脂
などが挙げられる。具体的には、アルキド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂
、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが好
ましく、前述したベース塗料のビヒクル成分と同一の樹
脂を用いることがさらに好ましい。また、溶剤としては
有機溶剤や水が挙げられる。塗料の形態としては、有機
溶剤型、非水ディスパージョン型、水溶液型、エマルジ
ョン型などの液状が挙げられる。
分と溶剤とを主成分とする塗料中に粉末状磁性材料を混
入した液状塗料であって、ビヒクル成分としては通常の
塗料用樹脂を用いることができ、常温で乾燥もしくは反
応硬化する樹脂や、加熱して硬化もしくは溶融する樹脂
などが挙げられる。具体的には、アルキド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ビニル樹脂
、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが好
ましく、前述したベース塗料のビヒクル成分と同一の樹
脂を用いることがさらに好ましい。また、溶剤としては
有機溶剤や水が挙げられる。塗料の形態としては、有機
溶剤型、非水ディスパージョン型、水溶液型、エマルジ
ョン型などの液状が挙げられる。
【0011】次に本実施例の模様塗膜の形成方法につい
て説明する。図2に示すように、必要に応じて前処理、
下塗り塗装、中塗り塗装等を施した被塗物1の裏面1b
にまず磁石2を取り付ける。この磁石2は可撓性を有
する永久磁石であって、例えばマグネットラバーなどを
用いることが好ましい。特に被塗物1の形状が複雑であ
る場合には所定の形状に予め形成しておくことも可能で
ある。磁石2の形状は目的とする模様の輪郭によって種
々に形成され、例えば、「N」という文字を塗膜に描き
たい場合には、図6に示すような薄板状の磁石2を用い
ると良い。被塗物1の裏面1b に磁石2を取り付けた
後に、粉末状磁性材料3を含有したベース塗料4を被塗
物1の表面1a (すなわち、塗布面)に乾燥膜厚で1
5〜35μmとなるように塗布する。このとき、図3に
示すように、磁石2から発せられた磁力がベース塗料4
中の粉末状磁性材料3に作用し、この粉末状磁性材料3
が流動性を有するベース塗料4中で配向を開始する。ベ
ース塗料4を塗布した後に、所定の間隔(3〜5分が好
ましい)をおいて、このベース塗料4上にクリヤ塗料5
を乾燥膜厚が15〜35μmとなるように塗布する。こ
のクリヤ塗料5を塗布している間も磁石2から粉末状磁
性材料3に磁力が作用しており、図4に示すように、粉
末状磁性材料3の配向は進行を続ける。通常、ベース塗
料4に含まれる溶剤はウェットオンウェットで塗布され
るクリヤ塗料5との相溶性や塗装ブース等の設備条件等
の制約によりソリッド塗料やクリヤ塗料に用いられる溶
剤に比べ沸点が低く、速乾性の溶剤が用いられている。 したがって、ベース塗料4を塗布してからクリヤ塗料5
を塗布するまでの間にベース塗料4の塗膜粘度は上昇し
、これにより粉末状磁性材料3の配向は一時抑制される
こととなるが、本実施例にあっては、クリヤ塗料5を塗
布している間も磁石2を取り付けているために、クリヤ
塗料5に含まれる溶剤がベース塗料4中に浸透して一旦
ベース塗料4の塗膜粘度を低下させ、これにより再び粉
末状磁性材料3の配向は促進されることとなる。クリヤ
塗料5を塗布した後、一定時間経過後(例えば5分)に
被塗物1の裏面1b に取り付けた磁石2を取り外し、
この状態でベース塗料4およびクリヤ塗料5を所定の乾
燥条件で焼き付ける(図5参照)。
て説明する。図2に示すように、必要に応じて前処理、
下塗り塗装、中塗り塗装等を施した被塗物1の裏面1b
にまず磁石2を取り付ける。この磁石2は可撓性を有
する永久磁石であって、例えばマグネットラバーなどを
用いることが好ましい。特に被塗物1の形状が複雑であ
る場合には所定の形状に予め形成しておくことも可能で
ある。磁石2の形状は目的とする模様の輪郭によって種
々に形成され、例えば、「N」という文字を塗膜に描き
たい場合には、図6に示すような薄板状の磁石2を用い
ると良い。被塗物1の裏面1b に磁石2を取り付けた
後に、粉末状磁性材料3を含有したベース塗料4を被塗
物1の表面1a (すなわち、塗布面)に乾燥膜厚で1
5〜35μmとなるように塗布する。このとき、図3に
示すように、磁石2から発せられた磁力がベース塗料4
中の粉末状磁性材料3に作用し、この粉末状磁性材料3
が流動性を有するベース塗料4中で配向を開始する。ベ
ース塗料4を塗布した後に、所定の間隔(3〜5分が好
ましい)をおいて、このベース塗料4上にクリヤ塗料5
を乾燥膜厚が15〜35μmとなるように塗布する。こ
のクリヤ塗料5を塗布している間も磁石2から粉末状磁
性材料3に磁力が作用しており、図4に示すように、粉
末状磁性材料3の配向は進行を続ける。通常、ベース塗
料4に含まれる溶剤はウェットオンウェットで塗布され
るクリヤ塗料5との相溶性や塗装ブース等の設備条件等
の制約によりソリッド塗料やクリヤ塗料に用いられる溶
剤に比べ沸点が低く、速乾性の溶剤が用いられている。 したがって、ベース塗料4を塗布してからクリヤ塗料5
を塗布するまでの間にベース塗料4の塗膜粘度は上昇し
、これにより粉末状磁性材料3の配向は一時抑制される
こととなるが、本実施例にあっては、クリヤ塗料5を塗
布している間も磁石2を取り付けているために、クリヤ
塗料5に含まれる溶剤がベース塗料4中に浸透して一旦
ベース塗料4の塗膜粘度を低下させ、これにより再び粉
末状磁性材料3の配向は促進されることとなる。クリヤ
塗料5を塗布した後、一定時間経過後(例えば5分)に
被塗物1の裏面1b に取り付けた磁石2を取り外し、
この状態でベース塗料4およびクリヤ塗料5を所定の乾
燥条件で焼き付ける(図5参照)。
【0012】粉末状磁性材料3の配向作用は以下のよう
に生じる。すなわち、図4に示すように、磁力が作用し
ていないか、あるいは磁力の作用が比較的弱い部位につ
いては、磁石2を取り付けずに塗装した場合と同様に、
粉末状磁性材料3はベース塗料4中でランダムに配列す
る。これに対して、磁石2が取り付けられて磁力が作用
している部位についてはこの磁力線に沿って粉末状磁性
材料3が配向する。特に、磁石2の端部2a は磁力が
強いことから、この端部2aの近傍に粉末状磁性材料3
が吸引されて粉末の密度が高くなる。一方、磁石2の中
央部2b は磁力線が塗膜に対してほぼ垂直に作用する
ため、粉末状磁性材料3が直立することとなる。したが
って、形成された模様塗膜を観察すると、磁石2の端部
2a に沿って粉末状磁性材料3が高密度となり、この
部分は磁性材料の色彩が強くなる。また、磁石2の中央
部2b は磁性材料3が直立しているために反射光が弱
くなって黒っぽい色彩となる。図6に示すような磁石2
を用いて形成された模様で説明すれば、図7に示すよう
に、「N」の文字の周縁部6はその周囲7の色彩に比べ
て白っぽく見え、「N」の文字の中央部8は周囲7の色
彩に比べて黒っぽく見える。また、このような色彩のコ
ントラストによって「N」の文字の周縁部6はあたかも
壁が形成されているように観察され、これにより「N」
の文字全体が立体的に浮き出て見える。しかも、本実施
例の模様塗膜の形成方法は、ベース塗料4の塗膜粘度の
変化と磁力の作用時間とを一定に維持するように構成し
ているため、季節変動によってベース塗料4の溶剤種類
や塗装条件が変化しても、粉末磁性材料3の配向作用を
一定状態に維持することができ、模様塗膜の輪郭や色彩
等を一定品質に維持することができる。
に生じる。すなわち、図4に示すように、磁力が作用し
ていないか、あるいは磁力の作用が比較的弱い部位につ
いては、磁石2を取り付けずに塗装した場合と同様に、
粉末状磁性材料3はベース塗料4中でランダムに配列す
る。これに対して、磁石2が取り付けられて磁力が作用
している部位についてはこの磁力線に沿って粉末状磁性
材料3が配向する。特に、磁石2の端部2a は磁力が
強いことから、この端部2aの近傍に粉末状磁性材料3
が吸引されて粉末の密度が高くなる。一方、磁石2の中
央部2b は磁力線が塗膜に対してほぼ垂直に作用する
ため、粉末状磁性材料3が直立することとなる。したが
って、形成された模様塗膜を観察すると、磁石2の端部
2a に沿って粉末状磁性材料3が高密度となり、この
部分は磁性材料の色彩が強くなる。また、磁石2の中央
部2b は磁性材料3が直立しているために反射光が弱
くなって黒っぽい色彩となる。図6に示すような磁石2
を用いて形成された模様で説明すれば、図7に示すよう
に、「N」の文字の周縁部6はその周囲7の色彩に比べ
て白っぽく見え、「N」の文字の中央部8は周囲7の色
彩に比べて黒っぽく見える。また、このような色彩のコ
ントラストによって「N」の文字の周縁部6はあたかも
壁が形成されているように観察され、これにより「N」
の文字全体が立体的に浮き出て見える。しかも、本実施
例の模様塗膜の形成方法は、ベース塗料4の塗膜粘度の
変化と磁力の作用時間とを一定に維持するように構成し
ているため、季節変動によってベース塗料4の溶剤種類
や塗装条件が変化しても、粉末磁性材料3の配向作用を
一定状態に維持することができ、模様塗膜の輪郭や色彩
等を一定品質に維持することができる。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、非磁
性材料により構成された被塗物の裏面に磁石を配した後
に、粉末状磁性材料を含有するベース塗料を前記被塗物
の表面に塗布し、ついで、このベース塗料上にクリヤ塗
料を塗布し、所定の間隔をおいて前記磁石を取り外した
後に、前記ベース塗料およびクリヤ塗料を乾燥させるよ
うにしているため、ベース塗料の塗膜粘度の変化と磁力
の作用時間とを一定に維持することによって模様塗膜の
輪郭や色彩等を一定品質に維持することができ、量産に
適した塗装を行うことができる。
性材料により構成された被塗物の裏面に磁石を配した後
に、粉末状磁性材料を含有するベース塗料を前記被塗物
の表面に塗布し、ついで、このベース塗料上にクリヤ塗
料を塗布し、所定の間隔をおいて前記磁石を取り外した
後に、前記ベース塗料およびクリヤ塗料を乾燥させるよ
うにしているため、ベース塗料の塗膜粘度の変化と磁力
の作用時間とを一定に維持することによって模様塗膜の
輪郭や色彩等を一定品質に維持することができ、量産に
適した塗装を行うことができる。
【図1】は本発明の一実施例を示す工程図である。
【図2】は同実施例の第1工程におけるワークを示す断
面図である。
面図である。
【図3】は同実施例の第2工程におけるワークおよび塗
膜を示す断面図である。
膜を示す断面図である。
【図4】は同実施例の第3工程におけるワークおよび塗
膜を示す断面図である。
膜を示す断面図である。
【図5】は同実施例の第4工程および第5工程における
ワークおよび塗膜を示す断面図である。
ワークおよび塗膜を示す断面図である。
【図6】は同実施例に係る磁石を示す正面図である。
【図7】は図6に示す磁石を用いて形成された塗膜を示
す正面図である。
す正面図である。
1…被塗物、
1a …被塗物の表面(塗布面)、1b …被塗物の
裏面、 2…磁石、3…粉末状
磁性材料、 4…ベース塗料、5…クリ
ヤ塗料。
1a …被塗物の表面(塗布面)、1b …被塗物の
裏面、 2…磁石、3…粉末状
磁性材料、 4…ベース塗料、5…クリ
ヤ塗料。
Claims (1)
- 【請求項1】 非磁性材料により構成された被塗物の
裏面に磁石を配した後に、粉末状磁性材料を含有するベ
ース塗料を前記被塗物の表面に塗布し、ついで、このベ
ース塗料上にクリヤ塗料を塗布し、所定の間隔をおいて
前記磁石を取り外した後に、前記ベース塗料およびクリ
ヤ塗料を乾燥させることを特徴とする模様塗膜の形成方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3010544A JP2924201B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 模様塗膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3010544A JP2924201B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 模様塗膜の形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04244268A true JPH04244268A (ja) | 1992-09-01 |
JP2924201B2 JP2924201B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=11753204
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3010544A Expired - Fee Related JP2924201B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 模様塗膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2924201B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5364689A (en) * | 1992-02-21 | 1994-11-15 | Hashimoto Forming Industry Co., Ltd. | Painting with magnetically formed pattern and painted product with magnetically formed pattern |
WO2009122796A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 本田技研工業株式会社 | 柄模様を有する塗膜の形成方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62201676A (ja) * | 1986-02-28 | 1987-09-05 | Toshiba Corp | 塗装面の製造方法 |
JPS63175670A (ja) * | 1987-01-13 | 1988-07-20 | Kansai Paint Co Ltd | 模様塗膜の形成法 |
-
1991
- 1991-01-31 JP JP3010544A patent/JP2924201B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62201676A (ja) * | 1986-02-28 | 1987-09-05 | Toshiba Corp | 塗装面の製造方法 |
JPS63175670A (ja) * | 1987-01-13 | 1988-07-20 | Kansai Paint Co Ltd | 模様塗膜の形成法 |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5364689A (en) * | 1992-02-21 | 1994-11-15 | Hashimoto Forming Industry Co., Ltd. | Painting with magnetically formed pattern and painted product with magnetically formed pattern |
US5630877A (en) * | 1992-02-21 | 1997-05-20 | Hashimoto Forming Industry Co., Ltd. | Painting with magnetically formed pattern and painted product with magnetically formed pattern |
WO2009122796A1 (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-08 | 本田技研工業株式会社 | 柄模様を有する塗膜の形成方法 |
JP2009240922A (ja) * | 2008-03-31 | 2009-10-22 | Honda Motor Co Ltd | 柄模様を有する塗膜の形成方法 |
CN102026739A (zh) * | 2008-03-31 | 2011-04-20 | 本田技研工业株式会社 | 形成带图案的涂膜的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2924201B2 (ja) | 1999-07-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |