JPH0424306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［利用分野］ 本考案は、ガス燃焼器、特に、ガスガバナを具
備させたガス燃焼器であつて、しかも、所謂直接
点火式の燃焼器における点火装置に関するもので
あり、ガスガバナの二次圧が安定化した時点で点
火動作させることにより爆発的着火を防止して、
爆発的着火音の発生を無くするとともに、バーナ
の燃焼の安定性を確保するものである。

［従来技術及びその問題点］ 給湯器等のガス燃焼器では、最近、燃焼室の小
型化が進行しており、燃焼用空気を押し込み式あ
るいは吸引式のフアンによつて強制的に燃焼室内
に送り込む、所謂、強制燃焼方式が採用されてい
る。この燃焼方式では、燃焼室断面の単位面積当
たりの燃焼量（単位燃焼量）が大きく設定されて
いることから、又、燃焼室内が大気側に大きくは
開放されていないことから、ガス圧変動による単
位燃焼量の変動は、燃焼騒音の発生や、不安定な
燃焼を招来する。このため、ガスバーナへのガス
回路には、ガスガバナが挿入され、ガスバーナの
炎孔からの噴出ガス量を安定化させるようにして
いる。

ところが、この従来の、所謂、密閉燃焼式のガ
ス燃焼器においても、自然燃焼式の燃焼器（燃焼
域が大気側に大きく開放された燃焼器）と同様の
点火装置がそのまま採用され、元弁が開弁してガ
スガバナへのガス供給が開始されると同時に点火
装置が動作して、バーナ炎孔部に放電され且ガス
バーナへのガス回路が開放される。

上記点火装置及びガスガバナを具備させた形式
のガス燃焼器では、ガスバーナに着火するとき、
爆発的に着火し、爆発音が発生したり、一旦形成
された炎が、この爆発時の風圧によつて消火して
しまうことがある。

これは、ガスガバナの特性に起因するもので、
第３図の如く、ガス回路開放初期において、ガス
ガバナの二次側圧力が一時的に設定二次圧以上の
高圧となり、二次圧が安定するまでの間に一定の
時間を要するからである。すなわち、ガスガバナ
の応動弁が一次圧に応じた安定な絞り状態にない
からである。

［技術的課題］ 本考案は、『ガスバーナへのガス回路が開放さ
れた状態で、ガスバーナの炎孔からのガス噴出域
に直接放電させてガスバーナに着火させる点火動
作用回路を具備し、しかも、前記ガスバーナへの
ガス回路にガスガバナを挿入した形式のガス燃焼
器』において、ガスバーナへの着火時に生じる上
記不都合を防止するため、ガスガバナの応動弁が
安定開度の絞り状態になつた時点でガスバーナに
着火させることをその課題とする。

［技術的手段］ 上記課題を解決するために講じた本考案の技術
的手段は、『ガスガバナの下流側にガスバーナへ
のガス回路を開閉する電磁弁を設けるとともにガ
スガバナの上流側に元弁を設け、前記元弁の開弁
後ガスガバナの応動ガス弁が安定開度の絞り状態
において検知出力状態となる検知スイツチを設
け、この検知スイツチの検知出力によつて上記電
磁弁を開弁させると共に上記点火動作用回路を動
作させるようにし』たことである。

［作用］ 本考案の上記技術的手段は、次のように作用す
る。

始動操作によつてガス燃焼器が始動されると、
ガスバーナへのガス回路のガスガバナの上流側に
設けた元弁が開弁される。この元弁開弁初期には
ガスガバナの応動弁の開度は全開状態にあつて未
だ安定開度の絞り状態にない。従つて、検知スイ
ツチは、非検知出力状態にあつて上記電磁弁は開
弁しない。つまり、ガスバーナへはガス供給され
ていない。

その後、時間の経過と共にガスガバナの応動弁
が安定開度の絞り状態に移行するが、これにより
検知スイツチがこの状態を検知することとなり、
この検知出力により、上記電磁弁が開弁されると
共に点火動作用回路が動作する。このとき、点火
動作用回路の放電手段が動作してガスバーナの炎
孔からのガス噴出域に放電されてガスバーナに着
火する。

［効果］ 本考案は、上記構成であるから次の特有の効果
を有する。

ガスガバナの二次圧が定常状態となる応動弁開
度で、ガスバーナに着火されるから、従来におけ
るような爆発的な着火は生じない。従つて、爆発
着火音の発生が防止されると共に、炎の吹き消え
も生じない。

また、ガスバーナへのガス回路に実公昭50−
38831号公報に開示されるような弁開度が徐々に
大きくなる所謂徐動装置を設ける必要がないか
ら、ガス回路構成が簡素化できる。

［実施例］ 第１図から第２図に示す第１実施例は、給湯器
に実施したものの場合であり、熱交換器１０の缶
体となる燃焼室１内に大小二つのガスバーナ１
１，１２が収容され、この燃焼室１の底部にフア
ン（Ｆ）が連接させ、他方の頂部には排気筒１３
が連接される。

前記ガスバーナの内、一方の燃焼能力の小さい
方のガスバーナ１２の炎孔近傍には点火プラグ２
１が配設され、このプラグ２１は、放電電圧発生
手段としての点火器２０に接続されている。又、
この点火器２０は制御装置２からの出力によりそ
の始動時期あるいは作動時間、さらには停止時期
等が制御されるようになつている。

次に、ガスバーナ１１，１２へのガス回路３
の、最下流側には、これらガスバーナ１１，１２
に各別に対応させて電磁弁３１，３３を挿入し、
この電磁弁３１，３２の上流側にガスガバナ３３
を挿入し、さらに、このガスガバナ３３の上流側
を水圧応動ガス弁４のガス回路部に接続してあ
る。

他方、水回路５の上流端は、水圧応動ガス弁４
の水出口４１に接続され、この水回路５は熱交換
器１０を介して下流端の出湯接続口５１に達す
る。

又、この実施例では、ガスガバナ３３の応動弁
３４が安定開度の絞り状態になつた時点を検知す
る検知スイツチとして、水圧応動ガス弁４の弁軸
４２と連動させたスイツチ６を採用し、このスイ
ツチ６が閉成されたときの信号出力が制御装置２
に入力されている。

同図に示すような、先止め式の給湯器の場合、
水圧応動ガス弁４の弁軸４２は、水回路５の下流
側が開放されると同時にガス回路３側のガス弁４
３を開弁させる方向に移動し、水回路５の開放か
ら一定時間（微小時間）経過した時点で最大開弁
状態になる。そして、この実施例では、このガス
弁４３が元弁として機能する。

他方、ガスガバナ３３の応動弁３４は、ガス回
路３にガスの流れのない状態でその開度は最大と
なつており、ガス回路３の回路が開放されると、
徐々に安定な絞り状態に移行する。

この水圧応動ガス弁４とガスガバナ３３との組
み合わせの場合、ガス弁４３の開度が最大開度近
傍になつたとき、ガスガバナ３３の応動弁３４の
絞り状態は安定状態に落ち付く。そして、通常は
水圧応動ガス弁４の作動時におけるガス弁４３の
最大リフトは６mm程度に設定されている。この場
合、ガス弁４３のリフト量が３mm程度になると、
ガスガバナ３３は安定状態になる。この実施例で
は、弁軸４２に具備させた突片４４とスイツチ６
のアクチエーター６１との関係を所定に設定する
ことにより、ガス弁４３のリフト量が３mmになつ
た時点でスイツチ６が閉成されるようにしてあ
る。

又、以上に詳記した要部の電気的関係は、第２
図の如くであり、スイツチ６の出力はリレー６２
に入力され、このリレー６２の出力接点６３が制
御装置２に内蔵されるタイマー２２への回路に挿
入されるとともに電磁弁３１，３２への回路に挿
入され、このタイマー２２の出力接点２３が点火
器２０への回路に挿入されている。従つて、点火
器２０は、スイツチ６が閉成されたとき、タイマ
ー２２によつて設定される時間だけ動作状態とな
る。

上記した実施例のものでは、ガス燃焼器を先止
め式の給湯器とし、水圧応動ガス弁４の弁軸４２
が一定ストローク動作した時点で閉成されるスイ
ツチ６を既述の検知スイツチとしたものであるか
ら、ガスガバナ３３の下流側での燃焼量が点火の
度に変動する場合でも、スイツチ６の閉成時点と
ガスガバナ３３の二次圧が安定化した時点とが適
正に対応する。又、スイツチ６が先止め給湯器の
制御装置２を始動させるスイツチとしても機能す
るから、水回路５の水流を検知して制御装置２を
動作状態にするための水流スイツチ等を別個に設
ける必要がない。

尚、上記実施例のものでは、検知スイツチとし
て、水圧応動ガス弁４の弁軸４２の動作に直接連
動させたスイツチ６を採用したが、ガスガバナ３
３の応動弁３４やダイヤフラム３５の動作の安定
化時期を電気的手段によつて検知してもよい。

又、上記実施例は、ガス燃焼器を先止め式のガ
ス給湯器としたが、これを第４図のように、手動
弁又は電磁弁からなる元弁４０をガスガバナ３３
の上流側に挿入する形式のガス燃焼器としてもよ
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の説明図、第２図はその
要部の電気回路図、第３図は従来例のガスガバナ
の二次圧変化の説明図、第４図は他の実施例のガ
ス回路の説明図であり、図中、 ４……水圧応動ガス弁、４２……弁軸、６……
スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ガスバーナへのガス回路が開放された状態で、
   ガスバーナの炎孔からのガス噴出域に直接放電さ
   せてガスバーナに着火させる点火動作用回路を具
   備し、しかも、前記ガスバーナへのガス回路にガ
   スガバナを挿入した形式のガス燃焼器において、
   ガスガバナの下流側にガスバーナへのガス回路を
   開閉する電磁弁を設けるとともにガスガバナの上
   流側に元弁を設け、前記元弁の開弁後ガスガバナ
   の応動ガス弁が安定開度の絞り状態において検知
   出力状態となる検知スイツチを設け、この検知ス
   イツチの検知出力によつて上記電磁弁を開弁させ
   ると共に上記点火動作用回路を動作させるように
   したガス燃焼器。