JPH0220573Y2

JPH0220573Y2 -

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Publication number: JPH0220573Y2
Application number: JP13475584U
Authority: JP
Priority date: 1984-09-04
Filing date: 1984-09-04
Publication date: 1990-06-05
Also published as: JPS6148214U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案はパルス燃焼器の安全装置に関し、もつ
と詳しくは燃焼用空気を始動時にブロアで供給す
るようにしたパルス燃焼器の安全装置に関する。

背景技術一般にパルス燃焼器は燃料ガスおよび燃焼用空
気を燃焼室の一端側に逆止弁を介して供給し、前
記燃焼室の他端側に燃焼排ガスの排出路を形成す
るテールパイプの一端を接続し、前記燃焼室内に
て混合気を爆発燃焼させ、前記爆発に伴なうテー
ルパイプ内を流れる燃焼排ガスの高速流の動慣性
によつて燃焼室が負圧となることによつて前記逆
止弁を介して再び燃料ガスおよび燃焼用空気を吸
引・爆発する動作を周期的に繰返すようにしてい
る。このようなパルス燃焼器では始動時には強制
的に燃焼用空気を供給することが必要である。始
動に際して操作スイツチを押圧するとブロアが電
力付勢され、このブロアによつて燃焼用空気がパ
ルス燃焼器の燃焼室内に供給される。その後タイ
マによつて予め定めた時間経過後に、燃料ガス供
給管路に備えられている電磁弁が開弁状態となつ
て、燃料ガスが燃焼室内に流入する。このように
して燃焼室内に燃料ガスと、強制的に供給された
燃焼用空気とが混合されて点火プラグによつて爆
発的に燃焼させることで始動が行なわれる。

考案が解決しようとしている問題点上記先行技術では、ブロアの電気系統の故障な
どによつてブロアが停止したまま、またはブロア
出口の手動弁が閉止のままであつてもその後予め
定めた一定時間経過後に電磁弁が開弁状態となつ
て燃料ガスのみが燃焼室内に供給された状態にな
る。そのため始動ができないのは勿論、燃焼室に
ガスが充満し、大きな爆発が生じるおそれがあ
る。

本考案の目的は、始動のための燃焼用空気がパ
ルス燃焼器に供給されないときにおいても安全性
が向上されたパルス燃焼器の安全装置を提供する
ことである。

問題点を解決するための手段パルス燃焼器にゼロガバナを介して燃料ガスを
供給し、該ゼロガバナに、始動時には燃焼用空気
を供給するためのブロアの圧力を絞りを介して作
動させ、パルス燃焼続行時には、逆止弁を介して
大気圧を作動させることを特徴とするパルス燃焼
器の安全装置である。

作用パルス燃焼器の始動時にブロアからの空気によ
つてパルス燃焼器の燃焼室内の残存気体がパージ
され、このときブロアからの空気の圧力が絞りを
介してゼロガバナに作動し、これがゼロガバナの
下流側の圧力よりも高くなることによつてゼロガ
バナが開き、燃料ガスがパルス燃焼器の燃焼室内
に供給される。パルス燃焼器のパルス燃焼続行中
にはブロアは停止している。このときパルス燃焼
用空気供給管路および燃料ガス管路のゼロガバナ
よりも下流側はパルス燃焼器の燃焼室内に吸引さ
れ負圧となる。ゼロガバナには逆止弁を介して大
気圧が作動し、これがゼロガバナ下流側の燃料ガ
ス管路の圧力よりも高く、その圧力は大気圧とな
り、ゼロガバナは開弁状態となる。

始動時にブロアの電気系統の故障によつてブロ
アが停止し、または手動弁が閉止しているときに
は、ゼロガバナに作動する圧力は大気圧となり燃
料ガス管路のゼロガバナよりも下流側の圧力と等
しく、これによつてゼロガバナは閉弁状態を維持
している。したがつて電磁弁が開いても燃料ガス
がパルス燃焼器の燃焼室内に供給されることはな
く、安全性が保たれる。

実施例第１図は本考案の一実施例の系統図である。パ
ルス燃焼器１の燃焼室２の一端側には、始動時に
おける燃焼用空気を供給する第１管路ｌ１と、パ
ルス燃焼続行時に燃焼用空気が供給される空気供
給管路ｌ２と、都市ガスなどの燃料ガスが供給さ
れる燃料供給管路ｌ３が接続されている。燃料ガ
ス供給管路ｌ３には、上流側から下流側に向けて
電磁弁３と、電磁弁４と、ゼロガバナ５と、クツ
シヨンタンク６と、逆止弁７とがこの順序で設け
られている。電磁弁３は緊急遮断用に用いられ、
また電磁弁４はガス流量を調整するために用いら
れる。クツシヨンタンク６はパルス燃焼運転続行
中における衝撃圧を緩和するために用いられる。

第１管路ｌ１にはブロア８が備えられており、
始動時に始動スイツチSW（第３図参照）の操作
によつて電力付勢され、第１管路ｌ１から始動操
作用開閉弁９を介して燃焼室２内に燃焼用空気が
供給される。このブロア８は遠心形または軸流形
などの構成を有しており、始動時のみに電力付勢
され、パルス燃焼運転続行中においては消勢され
ている。第１管路ｌ１の操作弁９とパルス燃焼器
１との間には、第２管路ｌ４の一端が連結されて
いる。この第２管路ｌ４には絞りであるオリフイ
ス１０が接続され、この第２管路ｌ４の他端部に
は第２管路ｌ４への空気の吸引を許容する逆止弁
１１が接続されている。第２管路ｌ４のオリフイ
ス１０と逆止弁１１との間の部分laは、管路ｌ５
を介してゼロガバナ５に接続されている。パルス
燃焼続行時における空気供給管路ｌ２には、消音
器１２と逆止弁１３とがパルス燃焼器１に向けて
この順序で設けられている。

パルス燃焼器１の燃焼室２内には始動時のみに
用いられる点火プラグ１５が設けられている。ま
た燃焼室２内には点火が始まつた際に燃焼室２内
の圧力または燃焼室の炎を検出するための検出器
１６が備えられている。この検出器１６によつて
燃焼室内で点火が行なわれたことが検出される
と、ブロア８および点火プラグ１５が消勢されて
停止する。燃焼室２の他端側には燃焼排ガスの排
出路を形成するテールパイプ１７の一端が接続さ
れている。始動時においては第１管路ｌ１を介し
て強制的に燃焼用空気が供給され、燃料ガス管路
ｌ３から燃料ガスが供給され、燃焼室２内で混合
された混合気が点火プラグ１５によつて爆発燃焼
する。この爆発に伴なつてテールパイプ１５内を
流れる排ガスの高速流の動慣性によつて燃焼室２
内が負圧になることによつて逆止弁７を介して再
び燃料ガスが燃焼室２内に供給され、また空気供
給管路ｌ２および第１管路ｌ１から逆止弁１４を
介して燃焼用空気が吸引され、燃焼室２内で爆発
動作が周期的に繰返されてパルス燃焼運転が続行
される。

第２図はゼロガバナ５の簡略化した断面図であ
る。燃料ガス管路ｌ３に接続された弁箱３０は、
弁孔３１を有する弁座３２が形成されている。こ
の弁孔３１を開閉するために弁座３２から離間お
よび着座する弁体３３は弁棒３４に固定され、こ
の弁棒３４はダイヤフラム３５に固定される。ダ
イヤフラム３５の一方のダイヤフラム室３６は、
管路ｌ５を介して第２管路ｌ４の部分laに接続さ
れる。ダイヤフラム３５にはばね３７が設けられ
ており、ダイヤフラム３５を介して弁体３３を弁
座３２から離間する方向にばね付勢している。も
う１つのダイヤフラム室３８は、管路３９を介し
てガス燃料供給管路ｌ３の弁座３２よりも下流側
に接続されている。ゼロガバナ５の作動は、この
下流側の圧力、したがつてダイヤフラム室３８の
圧力（P₁）とオリフイス１０と逆止弁１１の間
の圧力、したがつてダイヤフラム室３６の圧力
（P₀）とを比較し、P₁＜P₀のときは弁体３３を弁
座３２から離間しガスをゼロガバナ５を通して流
す。これに反してP₁≧P₀のときは、弁体３３を
弁座３２に着座させてガスを閉止する。

第３図は本考案に従う燃料装置の電気的構成を
示すブロツク図である。始動スイツチSWおよび
検出器１６はマイクロコンピユータなどによつて
実現される処理回路５０に接続されている。ブロ
ア８、点火プラグ１５および電磁弁３，４は処理
回路５０に接続されており、その動作が制御され
ている。また処理回路５０にはタイマ５１が内蔵
されており、このタイマ５１によつて始動スイツ
チSWが操作された後、予め定めた時間経過後に
電磁弁３，４を開弁状態にする。

次に本考案の動作状態を説明する。始動時には
始動スイツチSWが操作され、これによつてブロ
ア８が電力付勢される。これにより燃焼用空気が
第１管路ｌ１から操作弁９を経て燃焼室２内に供
給される。これによつて燃焼器１内の残存気体が
パージされると、すなわちスイツチSWが操作さ
れて処理回路５０に内蔵されているタイマ５１に
よつてブロア８の電力付勢開始後から予め定めた
時間経過後に電磁弁３，４が開弁状態となる。ま
た、ブロア８による燃焼用空気によつて第２管路
ｌ４の圧力は上昇し、それに伴なつて第２管路ｌ
４の部分la、管路ｌ５およびダイヤフラム室３６
の圧力が上昇する。なお、このときガス供給管路
ｌ３のゼロガバナ５よりも下流側の圧力、すなわ
ち、ダイヤフラム室３８の圧力は大気圧である。
そのため、ダイヤフラム室３６内の圧力は、ダイ
ヤフラム室３８内の圧力およびばね３７のばね力
との和に抗してダイヤフラム３５を第２図の上方
に変位させ、これによつて弁体３３が弁座３２か
ら離間して開弁状態となり、パルス燃焼器１の燃
焼室２内に空気と燃料ガスが入る。ここで点火プ
ラグ１５に通電し、スパークが発し、燃焼室２内
の燃料ガスと空気の混合気に点火し、爆発的に燃
焼させる。燃焼が順調に進めば、検出器１６によ
りこれが検出され、ブロア８と点火プラグ１５へ
の通電が停止される。パルス燃焼運転続行中は電
磁弁３は開弁状態に保たれる。

始動スイツチSWが操作されても電気系統の故
障、始動操作開閉弁９の閉止などで第１管路ｌ１
の圧力が上昇しないときには、管路ｌ４の部分la
は大気圧のままであり、したがつてガス供給管路
３のゼロガバナ５よりも下流側も大気圧であり、
したがつて弁体３３は弁座３２に着座したままと
なつて閉弁状態が維持される。そのためタイマ５
１によつて電磁弁３，４が開弁状態となつても燃
料ガスは燃焼室に供給されることはなく安全が保
たれる。

パルス燃焼続行中において、各燃焼サイクルで
燃焼室２が大気圧未満の負圧になると、燃料ガス
供給管路ｌ３の逆止弁７から燃焼室２までの管路
部分ｌ６も負圧となる。したがつて管路３９内お
よびダイヤフラム室３８も負圧となり、これによ
つてもう１つのダイヤフラム室３６の圧力によつ
てダイヤフラム３５はばね３７のばね力に抗して
第２図の上方に変位し、ダイヤフラム室３８は縮
小され、ダイヤフラム室３６は負圧になる。ダイ
ヤフラム３５が第２図の上方に変位することによ
つて、弁体３３は弁座３２から離間し、開弁状態
となる。このときダイヤフラム室３６に接続され
ている管路ｌ５には大気が逆止弁１１を介して吸
入され、ダイヤフラム室３６および管路ｌ５は大
気圧に戻り、したがつて上方に変位したダイヤフ
ラム３５および弁体３３の位置が維持される。弁
体３３が弁座３２から離間されたままとなること
によつて、燃料ガスは、弁孔３１を経て管路ｌ６
から燃焼室２に導入される。

ゼロガバナ５よりも下流側における負圧は、逆
止弁７と燃焼室２との管路部分ｌ６の長さを調整
することによつて、設定することができ、たとえ
ば燃料ガスの燃焼室２への供給圧を下げたいとき
には、その管路部分ｌ６を長くすればよく、また
これとは逆に供給圧を上げたいときは、管路部分
ｌ６を短くすればよい。

オリフイス１０は、燃焼室２および管路ｌ４が
負圧になつたとき、管路la，ｌ５への悪影響を最
小限に抑える働きをする。なお前述のブロア８
は、始動時においてブロア８の吐出圧をダイヤフ
ラム室３６に伝達するに必要な風量ないしは圧力
が必要であり、この風量ないしは圧力はオリフイ
ス１０の絞り量に関連するものである。

このようにしてパルス燃焼運転中には燃料ガス
の供給圧が変動しても、ゼロガバナ５の働きによ
つて燃料ガスの流入量を大略的に一定値に維持す
ることが可能となる。本件考案者の実験によれば
供給ガス圧力をたとえば100〜250mmH₂Oの範囲
としたときにガス流入量の偏差が従来では±５％
であつたのに対して本考案に従えば±0.6％とな
り、パルス燃焼の燃焼効率が向上される。

効果以上のように本考案によれば、パルス燃焼器に
ゼロガバナを介して燃料ガスを供給し、該ゼロガ
バナに始動時には燃焼用空気を供給するためのブ
ロアの圧力を絞りを介して作動させ、パルス燃焼
続行時には逆止弁を介して大気圧を作動させるよ
うに構成したので、始動時にブロア８から空気が
供給されない状態のときはゼロガバナは閉弁状態
となつて、燃料ガスが燃焼室内に供給されること
はなく、そのため安全性が向上される。またパル
ス燃焼続行中においていは燃料ガスの供給流量を
予め定めた量に大略的に維持することができ、パ
ルス燃焼の燃焼効率を向上させることが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の系統図、第２図は
ゼロガバナ５の簡略化した断面図、第３図は本考
案に従う燃焼装置の電気的構成を示すブロツク図
である。１……パルス燃焼器、２……燃焼室、５……ゼ
ロガバナ、８……ブロア、１０……オリフイス、
１１……逆止弁、ｌ１……第１管路、ｌ３……燃
料ガス供給管路、ｌ４……第２管路、la……第２
管路ｌ４の部分。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

パルス燃焼器にゼロガバナを介して燃料ガスを
供給し、該ゼロガバナに、始動時には燃焼用空気
を供給するためのブロアの圧力を絞りを介して作
動させ、パルス燃焼続行時には、逆止弁を介して
大気圧を作動させることを特徴とするパルス燃焼
器の安全装置。