JPH0227323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、強制給気型ガス湯沸器等の各種ガ
ス燃焼機器における風量制御装置に関する。

従来の技術 強制給気型ガス燃焼機器はその燃焼開始時にプ
リパージ→緩点火→出湯燃焼の各動作を連続的に
行うものであるが、従来はの緩点火から出湯燃焼
に移行の際、制御器による設定時間の緩点火動作
後、緩点火用電磁弁が閉止すると同時にメイン電
磁弁が開放し、かつ、風量制御用ダンパソレノイ
ドも作動する構造となつている。

考案の解決しようとする問題点 しかし、上記従来の技術では、第３図に示した
ように、燃焼開始時にプリパージａ→緩点火ｂ→
出湯燃焼ｃの各動作を連続的に行うにあたり、ま
ず、プリパージに適する風量f₁で設定時間のプリ
パージａを行い、緩点火ｂに移行すると緩点火に
必要なガス量e₁の供給とそのガス量e₁に見合つた
燃焼用空気量f₂を供給してメインバーナに緩点火
動作で着火し、この緩点火が確実に設定時間だけ
行われた後、出湯燃焼ｃに移るのであるが、特
に、そのガス量が一気に増大した場合ガス量が先
行し、このガス量e₂に見合う量の燃焼用空気f₂が
得られない。すなわち、メイン電磁弁の開放によ
りガス量が急激に増加するのに対し風量制御用ダ
ンパソレノイドの作動による空気量がそれに見合
う必要量に達するまでに強制給気用フアンの回転
の慣性遅れによるフアンの立上りの遅れ等と相ま
つて相当遅れるため燃焼開始時においてガス量が
先行しメインバーナの空気不足の現象が生じ、赤
火が発生したり、炎が振動して不快な音が出た
り、不完全燃焼が生じたりするという不具合があ
つた。

そこで、この考案は緩点火から出湯燃焼に移行
するとき、出湯燃焼に先行して該出湯燃焼に見合
つた燃焼用の空気量を燃焼室へ供給することで上
記従来の諸欠点を解消した強制給気型ガス燃焼機
器の風量制御装置を提供するにある。

問題点を解決するための手段 この考案は、強制給気型ガス燃焼機器におて、
燃焼開始時の緩点火ｂから出湯燃焼ｃに移ると
き、メインバーナ１へのガス供給路５からバイパ
スせる緩点火通路６に設けた緩点火用電磁弁v₁の
閉止による設定時間の緩点火終了からメインバー
ナ１へのガス供給路５に設けたメイン電磁弁v₂の
開放によるメインバーナ１の出湯燃焼に至る前ｄ
に制御器２からの指令で風量制御用ダンパソレノ
イド３を作動せしめてメインバーナ１の出湯燃焼
に見合う燃焼用空気量を出湯燃焼に先行して燃焼
室４へ供給するように設けた技術的手段を採り上
記問題点を解決したものである。

作 用 上記構成において、燃焼開始時の緩点火ｂから
出湯燃焼ｃに移行する際、緩点火用電磁弁v₁の閉
止による設定時間の緩点火が終了した後、メイン
電磁弁v₂が開放されてメインバーナ１の出湯燃焼
に至る前、すなわち、出湯燃焼ｃに一定時間ｄだ
け先行して風量制御用ダンパソレノイド３が作動
し出湯燃焼に見合つた燃焼用空気量がガス量に先
行して燃焼室４へ供給されるようにしたのであ
る。しかして、緩点火ｂから出湯燃焼ｃへ移行の
際における赤火の発生、炎の振動等による不快な
音の発生及び不完全燃焼等が解消できるものであ
る。

実施例 以下この考案による強制給気型ガス燃焼機器の
風量制御装置の一実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図はこの考案を強制給気型ガス湯沸器に適
用した実施例の切断展開説明図、第２図はその燃
焼開始時におけるガス量と空気量の関係を示した
グラフであつて、強制給気用フアンＦからの燃焼
用空気は空気通路７，７′を介して燃焼室４へ押
込み式に供給されてメインバーナ１の燃焼用に供
され、燃焼排気は上方の排気筒８から器外へ押出
し状に放出される強制給気型ガス湯沸器におい
て、その燃焼開始時には、第２図に示したよう
に、制御器２により設定された時間、プリパージ
ａと緩点火ｂを行い、その後出湯燃焼ｃに移行す
る動作を連続的に行うものである。

そこで、第１図において、v₁は緩点火用電磁弁
で、メインバーナ１へのガス供給路５からバイパ
スした緩点火通路６に設けられ、緩点火ｂの動作
時に制御器２からの指令で開閉するようになつて
いる。v₂は上記メインバーナ１へのガス供給路５
に設けたメイン電磁弁で、出湯燃焼ｃの動作時に
制御器２からの指令で開閉するようになつてい
る。２は制御器で、上記燃焼開始時におけるプリ
パージａ及び緩点火ｂの時間設定、緩点火ｂから
出湯燃焼ｃへ至る前に風量制御用ダンパソレノイ
ド３をメイン電磁弁v₂の開動作に一定時間先行し
ての作動、その他ガス系統及び給水系統等の各機
能部の作動、停止等の指令等を行うものである。
３は風量制御用ダンパソレノイドで、一方の空気
通路７に設けた風量制御用ダンパ９の開度調節を
行うためのものである。また、第２図及び第３図
において、e₁，e₂はメインバーナ１への供給ガス
量、f₁，f₂，f₃は同燃焼用空気量を示したもので
ある。

なお、Ａは給水圧に応じて供給ガス量を比例制
御するダイヤフラム式の水圧応動装置である。s₁
は水流スイツチで、水圧応動装置Ａの動きを感知
して、オン、オフするようになつている。s₂は風
圧スイツチで、他方の空気通路７′に設けられて
いる。１０は操作部、１１はイグナイタ、１２は
フレームロツドv₃は緩点火ニードル弁である。

上記構成において、その作動を次に説明する。
まず、操作部１０の電源スイツチをオンにする
と、器具はいつでも使用できる状態になる。そこ
で、今、給湯のため給湯栓１３を「開」にすると
器具内の水が流れ、これを水流スイツチs₁が水圧
応動装置Ａを介して検知し強制給気用フアンＦを
回転してプリパージに適する風量f₁でプリパージ
ａを開始する。ここに、プリパージとは器具内に
残留する排気ガスを点火燃焼に先だつて器外へ放
出する動作をいい、このプリパージ時間は1.5〜
３秒程度である。燃焼に必要な空気量が得られて
いることを風圧スイツチs₂で検知すると制御器２
のプリパージタイマでセツトされた時間（1.5〜
３秒）ａだけのプリパージ動作が終了する。上記
プリパージ動作が終了すると、元電磁弁v₄、緩点
火用電磁弁v₁が制御器２からの指令で同時に開い
てメインバーナ１へ緩点火に必要な量e₁のガスを
供給すると同時に点火用のイグナイタ１１に通電
されて放電を開始するとともに、風量制御用ダン
パソレノイド３が作動してそのダンパ９の開度を
絞り燃焼室４へ供給される風量、すなわち、燃焼
用空気量を緩点火に見合つた空気量f₂とし、メイ
ンバーナ１に緩点火動作で着火される。この緩点
火動作による着火が確実に行われたことはフレー
ムロツド１２で検知する。ここに、緩点火とはメ
インバーナ１への点火が爆発的に行われるのを防
ぐための動作をいい、この緩点火時間ｂは1.8〜
3.8秒程度である。

上記緩点火ｂが終了すると、次は給湯栓１３の
開度で設定された湯量を得るために必要なガス量
を自動的に設定するものであるが、アウトプツト
の設定の方法によつてガス量最小からガス量最大
までの範囲のいずれかに進行してゆくことにな
る。この場合、出湯燃焼時に一気にガス量最大に
移行する場合に特に問題となる。ここで、ガス量
が例えばe₂になる場合は燃焼用空気量も当然ガス
量に見合う量f₃だけ必要となるため風量制御用ダ
ンパソレノイド３が作動してダンパ９の開度を大
にしてその風量をf₃にしなければならない。そこ
で、ガス量がe₂に移行する場合、すなわち、緩点
火動作ｂで点火されたものが、ガス量e₂に移行す
るとき、制御器２の緩点火タイマで設定された時
間（1.8〜3.8秒）が経過する一定時間前ｄに緩点
火用電磁弁v₁の閉止、メイン電磁弁v₂の開放に先
行して風量制御用ダンパソレノイド３を作動さ
せ、緩点火用電磁弁v₁の閉止、メイン電磁弁v₂の
開放により急激に増加したガス量がメインバーナ
１へ供給されても増加したガス量に見合う燃焼用
空気量f₃が先行して供給されているので、赤火の
発生、炎の振動等は生じない。

考案の効果 この考案は以上説明したように、強制給気型ガ
ス燃焼機器において、緩点火から出湯燃焼に移る
場合、ガス量の変化に先行して風量をそのガス量
に見合つた量とするため、緩点火から出湯燃焼に
移行する際に空気不足による赤火の発生、炎の振
動による不快な音の発生、さらには、不完全燃焼
の発生等がなくなるから安定した状態でガス量大
への移行ができる。したがつて、常に良好な燃焼
が行い得て熱交換器の目詰り防止などに多大の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示した切断展開
説明図、第２図はガス量と空気量の関係を示した
グラフ、第３図は従来例の同グラフである。 １……メインバーナ、２……制御器、３……風
量制御用ダンパソレノイド、４……燃焼室、v₁…
…緩点火用電磁弁、v₂……メイン電磁弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 強制給気型ガス燃焼機器において、燃焼開始時
   の緩点火ｂから出湯燃焼ｃに移るとき、緩点火用
   電磁弁v₁の閉止による緩点火終了からメイン電磁
   弁v₂の開放によるメインバーナ１の出湯燃焼に至
   る前ｄに制御器２からの指令で風量制御用ダンパ
   ソレノイド３を作動せしめて出湯燃焼に見合う燃
   焼用空気量を出湯燃焼に先行して燃焼室４へ供給
   するように設けてなる強制給気型ガス燃焼機器の
   風量制御装置。