JPH11108354A - 給湯器の点火作動制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 給湯燃焼排気筒と暖房燃焼排気筒を連通結合
した一つの排気筒を有する給湯器において、暖房燃焼中
に、給湯バーナ部への、点火時暖房バーナ部の異常音を
発生させずに円滑な点火を行うことを目的とする。 【解決手段】 暖房燃焼中、給湯の燃焼開始信号が入力
された際に、所定の時間、暖房燃焼ファン５の回転を制
御範囲内の最小回転数で回転させ、さらに暖房燃焼ガス
量を制御範囲内の最小ガス量に制御するか、または、給
湯の燃焼開始信号が入力された際、所定の時間暖房燃焼
ファン５および暖房燃焼ガスを停止させる制御装置１５
または、制御装置１６を備えた給湯器の点火作動の制御
装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給湯器の点火時作
動制御に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の給湯器は、図４に示すように、給
湯燃焼に必要な空気を供給する給湯燃焼ファン１と、供
給されるガスを円滑に燃焼させ火炎１４を形成する給湯
バーナ部２と、供給された水を加熱する給湯熱交換器３
と、給湯燃焼排気ガスを給湯バーナ部２から排出する給
湯燃焼排気筒４と、暖房燃焼に必要な空気を供給する暖
房燃焼ファン５と暖房バーナ部６と暖房熱交換器７と暖
房燃焼排気筒８をそれぞれ独立して配置し、給湯燃焼排
気筒４と暖房燃焼排気筒８を連通する一つの排気筒９を
形成していた。そして図５に示すように暖房燃焼中に給
湯の燃焼開始信号が入力された場合、風量を回転数によ
り最大回転数と最小回転数の間で制御する給湯燃焼ファ
ン１を数秒間回転制御範囲内の最大回転数で回転された
後、所定の給湯ファン回転数で回転させた状態で給湯バ
ーナガス弁１０を開き、給湯バーナ部２でガス供給部１
１から供給されるガスに点火し火炎１４を形成させてい
た。その際給湯点火動作とは関係なく暖房燃焼は継続し
ていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような構成では、給湯の燃焼開始信号が入力された場
合、給湯燃焼ファン１を数秒間給湯ファン回転数の制御
範囲内の最大回転数で回転させた後に所定の給湯ファン
回転数で回転させた状態で給湯バーナガス弁１０を開き
給湯バーナ部２でガス供給部１１から供給されるガスに
点火し火炎１４を形成させるよう制御装置１７で制御し
ていたため、給湯燃焼ファン１の風量が多く、給湯燃焼
排気筒４からの排気量が多いために、暖房燃焼排気筒８
を閉塞するような状態となり、暖房燃焼排ガスの排気抵
抗が大きくなり暖房バーナ部６で異常音を発生するとい
う課題を有していた。そこで本発明は、前記する従来例
の課題を解決しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は、暖房燃焼中に給湯の燃焼開始信号が入力
された際に、給湯バーナ部に円滑な火炎が形成されるま
での所定の時間暖房燃焼量を燃焼制御範囲内の最小燃焼
量で燃焼する制御装置を備えるか、あるいは給湯の燃焼
開始信号が入力された際に、給湯バーナ部に円滑な火炎
が形成されるまで所定の時間暖房給湯燃焼を停止させる
制御装置を備えた給湯器の点火作動制御装置としたもの
である。

【０００５】上記発明によれば、給湯燃焼排気筒からの
排気量が多い給湯バーナの点火動作時の所定の時間、暖
房燃焼量を最小限に減らすか、暖房燃焼を停止すること
により、暖房燃焼排ガスの排気抵抗を少なくするか、な
くすることにより給湯バーナ点火時の暖房バーナ部での
異常音の発生を防止して給湯バーナの円滑な点火を行う
ことができる。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明は各請求項に記載した形態
とすることにより実施できるものである。すなわち、請
求項１記載の発明のように、給湯燃焼に必要な空気を供
給する給湯燃焼ファンと、供給されるガスを円滑に燃焼
させ火炎を形成する給湯バーナ部と、供給された水を加
熱する給湯熱交換器と、燃焼排気ガスを前記給湯バーナ
部から排出する給湯燃焼排気筒と、暖房燃焼に必要な空
気を供給する暖房燃焼ファンと、暖房バーナ部と、暖房
熱交換器と、暖房燃焼排気筒をそれぞれ独立して配置
し、前記給湯燃焼排気筒と前記暖房燃焼排気筒を連通結
合する一つの排気筒を有し、暖房燃焼中に給湯の燃焼開
始信号が入力された際に、前記給湯バーナ部に円滑な火
炎が形成されるまでの所定の時間暖房燃焼を一旦燃焼制
御範囲内の最小燃焼量で燃焼させた後、再度暖房燃焼量
を燃焼制御範囲で自由に制御する制御装置を備えるよう
にすることによって、暖房燃焼中に給湯の燃焼開始信号
が入力された際に、点火作動制御装置により給湯バーナ
部に円滑な火炎が形成されるまでの所定の時間暖房燃焼
量を燃焼制御範囲内の最小燃焼量で燃焼するよう制御す
るので、給湯燃焼排気筒からの排気量が多い給湯バーナ
の点火動作時の所定の時間、暖房燃焼排ガスが減り排気
抵抗が少なくなることにより、給湯バーナ部点火時の暖
房バーナ部での異常音の発生を防止して給湯バーナ部の
円滑な点火を行うことができる。

【０００７】また、本発明の請求項２記載の発明のよう
に、暖房燃焼中に給湯の燃焼開始信号が入力された際
に、給湯バーナ部に円滑な火炎が形成されるまでの所定
の時間、暖房燃焼を一旦停止した後、再度暖房燃焼を開
始するよう制御する制御装置を備えることにより暖房燃
焼中に給湯の燃焼開始信号が入力された際に、点火作動
制御装置により給湯バーナ部に円滑な火炎が形成される
までの所定の時間暖房燃焼を停止するよう制御して、給
湯燃焼排気筒からの排気量が多い給湯バーナの点火動作
時の所定の時間においても暖房バーナ部で異常音の発生
もなく給湯バーナ部の円滑な点火が行える。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の給湯器の点火作動制御装置の
実施例について、図面を用いて説明する。尚、実施例
１，実施例２および従来例において、同一構成要素には
同一符号を付与し一部説明を省略する。

【０００９】（実施例１）図１は本発明の実施例１の給
湯器の概略構成図である。

【００１０】図１において１は給湯燃焼に必要な空気を
供給する給湯燃焼ファン、２は供給されるガスを円滑に
燃焼させる給湯バーナ部３は供給された水を加熱する給
湯熱交換器、４は給湯燃焼排気ガスを給湯バーナ部２か
ら排出する給湯燃焼排気筒である。

【００１１】また、５は暖房燃焼に必要な空気を供給す
る暖房燃焼ファンであり、６は暖房バーナ部、７は暖房
熱交換器、８は暖房燃焼排ガスを暖房バーナ部６から排
出する暖房燃焼排気筒である。そしてそれぞれ独立して
配設され給湯燃焼排気筒４と暖房燃焼排気筒８が連通結
合して一つの排気筒９を形成している。１０は給湯バー
ナ部２に給湯バーナガス供給部１１から供給するガスを
制御する給湯バーナガス弁である。また、１２は暖房バ
ーナ部６に暖房バーナガス供給部１３から供給するガス
を制御する暖房バーナガス弁である。１４は給湯バーナ
部で形成される火炎であり１５は給湯器の制御装置であ
る。図２は同給湯器の給湯点火時の時間経過による動作
状態図であり、暖房燃焼中に、給湯の開始信号が入力さ
れたときの給湯燃焼ファン１の回転動作と給湯バーナガ
ス弁の開閉によるガスの点火動作の制御からなる給湯燃
焼制御と暖房燃焼ファン５の回転動作と暖房バーナガス
弁の開閉による暖房燃焼ガス量の制御からなる暖房燃焼
制御の関係を時間経過とともに示したものである。

【００１２】図１および図２において、暖房燃焼中に給
湯燃焼開始信号が入力されると、制御装置１５により給
湯燃焼ファン１は約４秒間給湯燃焼ファン１の回転制御
範囲の最大回転数で回転した後に点火時の給湯ファン１
の回転数まで回転数が低下し、給湯バーナガス弁１０が
開き給湯バーナガス供給部１１を通過した給湯バーナ２
から噴出し、点火スパーク（図示せず）により点火し火
炎１４が形成される。一方、暖房燃焼ファン５は給湯燃
焼開始信号が入力されると、給湯バーナ部２の点火動作
が終了し、円滑な火炎１４が形成されるまでの数秒間、
回転制御範囲の最小回転数で回転し、また、暖房燃焼ガ
スの供給は暖房バーナガス弁１２よりガス量制御範囲の
最小ガス量で制御され、給湯バーナ部２の火炎１４が形
成された後再度暖房燃焼ファン５の所定の回転数および
所定のガス供給量に制御される。従って給湯燃焼排気筒
４からの排気量が多い給湯バーナ２の点火動作時の所定
の時間帯には暖房バーナ部６からの暖房燃焼排ガスが減
少するので暖房燃焼排気筒８の排気抵抗が小さくなり、
給湯バーナ部２の点火時に暖房バーナ部６の異常音の発
生もなく給湯バーナ部の円滑な点火を行うことができ
る。

【００１３】（実施例２）以下、本発明の実施例２につ
いて、図面を用いて説明する。給湯器の概略構成は制御
装置１６を除き実施例１と同一であるので、異なる制御
装置１６の動作のみ説明する。図３は本発明の実施例２
の給湯器の給湯点火時の時間経過による動作状態図であ
り、暖房燃焼中に、給湯の燃焼開始信号が入力されたと
きの給湯燃焼ファン１の回転動作と給湯バーナガス弁の
開閉によるガスの点火動作の制御からなる給湯燃焼制御
と暖房燃焼ファン５の回転動作と暖房バーナガス弁の開
閉による暖房燃焼ガス量の制御からなる暖房燃焼制御の
関係を時間経過とともに示したものである。

【００１４】図１および図３において、暖房燃焼中に、
給湯燃焼開始信号が入力されると、制御装置１６により
給湯燃焼ファン１は約４秒間給湯燃焼ファン１の回転制
御範囲の最大回転数で回転した後に点火時の給湯燃焼フ
ァン１の回転数まで回転数が低下し、給湯バーナガス弁
１０が開き給湯バーナガス供給部１１を通過したガスが
給湯バーナ２から噴出し点火スパーク（図示せず）によ
り点火し火炎１４が形成される。一方、暖房燃焼中の暖
房燃焼ファン５は、給湯燃焼開始信号が入力されると、
給湯バーナ部２の点火動作が終了し、円滑な火炎１４が
形成されるまでの数秒間、一旦停止し、また、暖房燃焼
ガスの供給も暖房バーナガス弁１２が閉じて一旦停止
し、給湯バーナ部２の火炎１４が形成された後暖房バー
ナガス弁１２が開き暖房バーナガス供給部１３から暖房
バーナ部６にガスが供給され再度点火し、暖房燃焼ファ
ン５も所定の回転数で制御され、ガス量も所定の制御が
行われる。

【００１５】従って給湯燃焼排気筒４からの排気量が多
い給湯バーナ部２の点火動作時の所定の時間帯は暖房燃
焼ファン５および燃焼ガスの供給が止まり、暖房燃焼が
一旦停止するので暖房バーナ部６での異常音の発生もな
く、給湯バーナ部２への点火を円滑に行うことができ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
１記載の発明によれば、暖房燃焼中に給湯の燃焼開始信
号が入力された場合、給湯燃焼排気筒からの排気量が多
い給湯バーナの点火動作時の所定の時間帯には暖房バー
ナ部の燃焼量を減らして暖房燃焼排気筒への排気ガスを
減らすことにより暖房燃焼排気筒の排気抵抗が小さくな
り給湯バーナ部点火時に暖房バーナ部の異常音を発生さ
せることなく円滑な点火を行うことができる。

【００１７】また、請求項２記載の発明によれば、暖房
燃焼中に給湯の燃焼開始信号が入力された場合、給湯燃
焼排気筒からの排気量が多い給湯バーナの点火動作時の
所定の時間帯には暖房燃焼を一旦停止するので暖房バー
ナ部での異常音の発生もなく、給湯バーナ部への点火を
円滑に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１における給湯器の概略構成説
明図

【図２】同給湯器の給湯点火時の時間経過による動作状
態説明図

【図３】本発明の実施例２における給湯器の給湯点火時
の時間経過による動作状態説明図

【図４】従来の給湯器の概略構成説明図

【図５】同給湯器の給湯点火時の時間経過による動作状
態説明図

【符号の説明】

１ 給湯燃焼ファン ２ 給湯バーナ部 ３ 給湯熱交換器 ４ 給湯燃焼排気筒 ５ 暖房燃焼ファン ６ 暖房バーナ部 ７ 暖房熱交換器 ８ 暖房燃焼排気筒 ９ 排気筒 １０ 給湯バーナガス弁 １２ 暖房バーナガス弁 １４ 火炎 １５，１６ 制御装置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給湯燃焼に必要な空気を供給する給湯燃焼
   ファンと、供給されるガスを円滑に燃焼させ火炎を形成
   する給湯バーナ部と、供給された水を加熱する給湯熱交
   換器と、燃焼排気ガスを前記給湯バーナ部から排出する
   給湯燃焼排気筒と、暖房燃焼に必要な空気を供給する暖
   房燃焼ファンと、暖房バーナ部と、暖房熱交換器と、暖
   房燃焼排気筒をそれぞれ独立して配置し、前記給湯燃焼
   排気筒と前記暖房燃焼排気筒を連通結合する一つの排気
   筒を有し、暖房燃焼中に給湯の燃焼開始信号が入力され
   た際に、前記給湯バーナ部に円滑な火炎が形成されるま
   での所定の時間、暖房燃焼を一旦燃焼制御範囲内の最小
   燃焼量で燃焼させた後、再度暖房燃焼量を燃焼制御範囲
   で自由に制御させる制御装置を備えた給湯器の点火作動
   制御装置。
2. 【請求項２】暖房燃焼中に給湯の燃焼開始信号が入力さ
   れた際に、給湯バーナ部に円滑な火炎が形成されるまで
   の所定の時間、暖房燃焼を一旦停止した後、再度暖房燃
   焼を開始させるよう制御する制御装置を備えた請求項１
   記載の給湯器の点火作動制御装置。