JPH04241306A - 光ファイバテープ心線およびこれを用いた光ケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、光ファイバテープ心
線およびこれを用いた多芯のスロット型光ケーブルに関
する。

【０００２】

【従来の技術】光ケーブルとして、スロットを用いた構
造のものが知られている。これは図８に示したように、
テンションメンバ１の周囲に複数本のスロット２…を集
合し、介在３を介してシース４を被覆したものである。

【０００３】スロット２は、図９に示すように長尺の丸
棒状のものであって、その中心はサブテンションメンバ
５が挿通されており、その周辺には複数条の溝部６…が
形成されている。この溝部６は、図９に示すようにいず
れもスロット２の周面にその長手方向に沿ってラセン状
に形成されたものである。これら溝部６のそれぞれには
、複数枚の光ファイバテープ心線７…が収容されている
。

【０００４】光ファイバテープ心線７は、図１０に示す
ように、複数本の光ファイバ素線８…を並列にならべ、
紫外線硬化性樹脂などの被覆材９で一体化したテープ状
の多芯心線である。

【０００５】このような構造の光ケーブルでは、比較的
細径にもかかわらず、極めて多数芯の光ファイバ心線を
収容することができ、将来の加入者光ケーブル等に好適
とされてる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
光ケーブルに、曲げ外力が加わったとき、ケーブル内の
スロット２…にも曲げ変形が生じ、スロット２の溝部６
…に収容されている光ファイバテープ心線７…の内の一
部のものがその幅方向に曲げられることになる。

【０００７】すなわち、図１１に示すようにテープ心線
７が幅方向に強制的に湾曲させられ、テープ心線７の一
端側にある光ファイバ素線８には引張応力が、他端側に
ある光ファイバ素線８には座屈応力が与えられることに
なる。かかる状態では、当然これら光ファイバ素線８…
の伝送損失が増加することになる。

【０００８】よって、この発明における課題は、上述の
ような光ケーブルに曲げが加わった際に、かかる伝送損
失の増加の不都合が生じない光ファイバテープ心線とこ
れを用いた光ケーブルを得ることにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】かかる課題は、複数本の
光ファイバ素線を並列に並べて一体化してなる素テープ
心線を、複数これら素テープ心線間に隙間を配した状態
で平行に並べ、これら素テープ心線の一側面に可撓性薄
片を貼り付けて一体化した光ファイバテープ心線および
複数本の光ファイバ素線を並列に並べて一体化してなる
素テープ心線を複数平行に並べ、これら素テープ心線の
一側面に可撓性薄片を貼り付けて一体化するとともに、
隣り合う素テープ心線間の隣接部付近においては前記素
テープ心線と可撓性薄片とが接着していない非接着部を
形成した光ファイバテープ心線によって解決される。

【００１０】以下、本発明を詳しく説明する。

【００１１】図１は、請求項１〜２に記載の光ファイバ
テープ心線（以下、テープ心線と略記する。）の一例を
示すもので、図中符号１１は本発明のテープ心線である
。このテープ心線１１は２条の素テープ心線１２．１２
と、これをつなぐ可撓性薄片１３とから構成されている
。

【００１２】素テープ心線１２は、４本の光ファイバ素
線１４…を並列にならべ、紫外線硬化性樹脂などからな
る被覆材１５で一体化したものである。また、可撓性薄
片１３は、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ナイロンなどの合成樹脂製シート、フィルムあるい
は織布、不織布、編布からなる薄く、可撓性に富む材料
から構成されたテープ状のもので、２条の素テープ心線
１２．１２の側面に接着剤などによって接合されている
。

【００１３】また、図１に示すように２条の素テープ心
線１２．１２はその間に隙間１６が形成された状態で可
撓性薄片１３により一体化されている。この隙間１６を
介して一体化した点がこの発明のポイントである。また
、隙間１６の間隔ｌは、素テープ心線１２の厚さを２ｒ
としたとき、ｒ／５以上であるようになっており、かつ
隙間１６を挟んで隣接する光ファイバ素線１４．１４の
間隔Ｌが６０μｍ以下となっている。

【００１４】このようなテープ心線１１にあっては、そ
れの幅方向に曲げが加った際、図２に示すように、２条
の素テープ心線１２．１２がそれぞれ独立に動くことが
でき、一方の素テープ心線１２が図示のように内側に曲
がることになって、他方の素テープ心線１２の光ファイ
バ素線１４…にかかる座屈応力が解消できる。

【００１５】このとき、一方の素テープ心線１２の内側
への曲がり角度　　は、下記の数式で表される。

【００１６】

【数１】

【００１７】上記数式から角度　　は素テープ心線１２
．１２の隙間ｌが大きいほど、また素テープ心線１２の
厚さ２ｒが薄いほど大きくなることがわかる。この角度
　　が１０度以上となるように決めることで、実用上各
素テープ心線１２の各素線１４…、特に両側端にある素
線１４に座屈応力が加れらず、伝送損失の増加が認めら
れないことが実験的に確認された。この角度　　を１０
度以上とするには、上述のように間隔ｌをｒ／５以上と
することで可能となる。さらに、間隔Ｌはテープ心線の
一括融着接続の作業性の点から、６０μｍ以下とするこ
とが好ましい。

【００１８】この例のテープ心線は図１に示したものに
限られず、素テープ心線１２は３枚以上であってよく、
可撓性薄片１３は図３に示すように素テープ心線の両側
面に交互に張り付けてもよい。

【００１９】図４は、請求項３〜４に記載のテープ心線
の例を示すもので、図中符号１２は素テープ心線、１３
は可撓性薄片である。素テープ心線１２および可撓性薄
片１３は先の例のものと同一である。２条の素テープ心
線１２．１２は平行に隣接して並列に並べられて可撓性
薄片１３に貼り付けられて一体化されており、かつ２条
の素テープ心線１２．１２間の隣接部Ａの付近では素テ
ープ心線１２．１２と可撓性薄片１３とが接着していな
い非接着部Ｂとなっている。

【００２０】この非接着部Ｂの幅はそれぞれの素テープ
心線１２．１２の幅の１／１０〜９／１０とされる。非
接着部Ｂの幅がこの範囲より大きくなると、素テープ心
線１２．１２間の接合強度が小さくなって不都合であり
、またこの範囲より小さくなると後述するようにテープ
心線１１に曲げ外力が加った際の個々の素テープ心線１
２．１２の動きが阻害され、本発明の目的を達し得ない
。

【００２１】この例のテープ心線１１にあっても、それ
の幅方向に曲げが加った際、図５ないし図７に示すよう
に、曲げ外力に応じて２条の素テープ心線１２．１２が
それぞれ独立に動くことができる。このため、先の例の
ものと同様に素テープ心線１２の光ファイバ素１４…に
かかる座屈応力が解消される。

【００２２】請求項５記載の光ケーブルは、上述のよう
なテープ心線１１を複数枚スロット２の溝部６に収容し
、このスロット２を複数本テンションメンバ１の周囲に
集合してなるものである。このような光ケーブルでは、
曲げ外力が加えられても、上述のような理由によりテー
プ心線の各素線に座屈外力などが加わることがなく、伝
送損失が増加することがなくなる。

【００２３】（実施例１）径２００μｍのシングルモー
ド光ファイバ素線を７本並列にならべ、紫外線硬化性樹
脂を用いて一体化し７芯の素テープ心線を作成した。こ
の素テープ心線２枚用い、可撓性薄片として厚さ１０μ
ｍのポリエレチレンテレフタレートフィルムを用いて、
第１の例のテープ心線を作成した。この際、素テープ心
線の厚さ（２ｒ）素テープ心線間の隙間（１）および素
線間間隔（Ｌ）を変化させた。但し、テープ心線の幅は
３．０ｍｍで一定とした。このようにして得られた６種
のテープ心線の曲げ角度（θ）を求めたところ、次の表
１の通りであった。

【００２４】

【表１】

【００２５】つぎに、この６種のテープ心線を用い、図
８に示すような光ケーブルを作成した。使用したスロッ
トはポリエレチレン製で径１４ｍｍであり、それの溝部
は深さが３．３ｍｍ、幅が３．９ｍｍである。また、光
ケーブル仕上がり外径は４５ｍｍである。

【００２６】この光ケーブルについて、曲げ試験および
温度特性試験を行った。曲げ試験は、曲げ半径２７０ｍ
ｍ、曲げ角度１８０度、１０往復の条件で行い、波長１
．５５μｍでの伝送損失変化量を求めた。温度特性試験
は、温度範囲−３０℃〜＋６０℃で、２４時間×３サイ
クルの条件で行い、同様に波長１．５５μｍでの伝送損
失変化量を求めた。結果を表２に示す。

【００２７】

【表２】

【００２８】表２の結果から、光ケーブルの曲げ特性を
良好とするには、最大曲げ角度が１０度以上であること
が必要であることがわかり、ｌをｒ／５以上とする必要
があることが理解できる。また、上記テープ心線の一括
融着接続性を検討したところ、接続損失はすべて０．０
２ｄＢ以下であり、全く問題はなかった。

【００２９】（実施例２）径２００μｍのシングルモー
ド光ファイバ素線を８本並列にならべ、紫外線硬化性樹
脂を用いて一体化し、厚さ０．２５ｍｍ、幅１．７ｍｍ
の８芯の素テープ心線を作成した。この素テープ心線を
２枚用い、可撓性薄片として厚さ１０μｍ、幅３．０ｍ
ｍのポリエレチレンテレフタレートフィルムを用い、第
２の例のテープ心線を作成した。このとき、２枚の素テ
ープ心線の隣接部付近の非接着部の幅は１．７ｍｍとし
、両方の素テープ心線に対して０．８５ｍｍづつの非接
着部分を形成した。

【００３０】つぎに、このテープ心線を用いて、実施例
１と同様にして光ケーブルを作成した。この光ケーブル
について実施例１と同様の曲げ試験および温度特性試験
を行ったところ、いずれも伝送損失の増加は認められな
かった。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明のテープ
心線は複数本の光ファイバ素線を並列に並べて一体化し
てなる素テープ心線を、複数これら素テープ心線間に隙
間を配した状態で平行に並べ、これら素テープ心線の一
側面に可撓性薄片を貼り付けて一体化したものおよび素
テープ心線を複数平行に並べこれら素テープ心線の一側
面に可撓性を貼り付けて一体化するとともに隣り合う素
テープ心線間の隣接部付近において前記素テープ心線と
可撓性薄片とが接着していない非接着部を形成したもの
であり、光ケーブルはこのテープ心線をスロットの溝部
に収容したものである。したがって、光ケーブルに大き
な曲げが加わり、この曲げ外力がテープ心線が伝えられ
ても、素テープ心線がそれぞれ独立に動くことができ、
光ファイバ素線そのものに座屈応力や引張応力が生じる
ことがなく、伝送損失が増加することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバテープ心線の第１の例を示
す概略断面図である。

【図２】第１の例の光ファイバテープ心線に曲げが加わ
った時の状態を示す正面図である。

【図３】第１の例の光ファイバテープ心線の他の例を示
す正面図である。

【図４】本発明の光ファイバテープ心線の第２の例を示
す概略断面図である。

【図５】第２の例の光ファイバテープ心線に曲げが加っ
た時の状態を示す正面図である。

【図６】第２の例の光ファイバテープ心線に曲げが加っ
た時の状態を示す正面図である。

【図７】第２の例の光ファイバテープ心線に曲げが加っ
た時の状態を示す正面図である。

【図８】従来の光ケーブルの例を示す概略断面図である
。

【図９】光ケーブルに用いられるスロットの例を示す斜
視図である。

【図１０】従来の光ファイバテープ心線の例を示す概略
断面図である。

【図１１】従来の光ファイバテープ心線が強制的に曲げ
られた状態を示す斜視図である。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数本の光ファイバ素線を並列に並べ
   て一体化してなる素テープ心線を、複数これら素テープ
   心線間に隙間を配した状態で平行に並べ、これら素テー
   プ心線の一側面に可撓性薄片を貼り付けて一体化したこ
   とを特徴とする光ファイバテープ心線。
2. 【請求項２】　　素テープ心線間の隙間をｌ、素テープ
   心線の厚さを２ｒとしたとき、ｌはｒ／５以上であり、
   素テープ心線間の隙間を挟んで隣接する光ファイバ素線
   間の間隔がＬが６０μｍ以下であることを特徴とする請
   求項１記載の光ファイバテープ心線。
3. 【請求項３】　　複数本の光ファイバ素線を並列に並べ
   て一体化してなる素テープ心線を複数平行に並べ、これ
   ら素テープ心線の一側面に可撓性薄片を貼り付けて一体
   化するとともに、隣り合う素テープ心線間の隣接部付近
   においては前記素テープ心線と可撓性薄片とが接着して
   いない非接着部を形成したことを特徴とする光ファイバ
   テープ心線。
4. 【請求項４】　　非接着部の幅が、素テープ心線の幅の
   １／１０〜９／１０である請求項３記載の光ファイバテ
   ープ心線。
5. 【請求項５】　　請求項１ないし４のいずれかに記載の
   光ファイバテープ心線をスロットの溝部に収容したこと
   を特徴とする光ケーブル。