JPH04241115A - 感温変色性複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

感温変色性複合繊維およびその製造方法

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JPH04241115A
JPH04241115A JP3065710A JP6571091A JPH04241115A JP H04241115 A JPH04241115 A JP H04241115A JP 3065710 A JP3065710 A JP 3065710A JP 6571091 A JP6571091 A JP 6571091A JP H04241115 A JPH04241115 A JP H04241115A
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憲二 平松
Kazuhiko Tanaka
和彦 田中
Eiji Akiba
英治 秋庭
Masao Kawamoto
正夫 河本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感温変色性複合繊維に関
する。詳細には、本発明は、優れた感温変色性、変色時
の色の鮮明性、洗濯耐久性および耐光性を兼備した可逆
熱変色性複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維表面上に可逆熱変色性材料を
付着させた可逆熱変色性繊維は公知である。しかし、こ
の繊維は表面に付着した熱変色性材料が容易に脱落する
ため洗濯耐久性に乏しく実用性が低い。また、繊維を形
成する重合体中に可逆熱変色性材料を配合して可逆熱変
色性繊維を製造することも知られているが、可逆熱変色
性材料の耐熱性等の点から使用する重合体の種類が限ら
れ実用上問題を有している。すなわち、可逆熱変色性材
料は、一般に顔料および熱によって顔料による呈色を変
化させる他の成分の複合体からなっており、その各々が
それぞれの機能を発揮したときにはじめて可逆熱変色性
が達成される。ところで、これまで知られている可逆熱
変色性材料は、顔料と組み合わせて使用される該他の成
分の耐熱性が低く、そのために可逆熱変色性材料を配合
する繊維形成性重合体は融点の低いものであることが要
求される。例えば、ポリエチレンやポリプロピレンのよ
うな比較的低融点の重合体に可逆熱変色性材料を混入す
る場合は支障が少ないが、一般衣料用に広く使用されて
いるポリエステルのような比較的高融点の重合体中に配
合した場合には、重合体の溶融時の高熱によって呈色を
変化させる該他の成分の機能低下が生じて、可逆熱変色
性が発現されなくなる。
【0003】熱変色性材料のこのような低耐熱性を改良
する手段として、熱変色性材料をマイクロカプセルに内
包することが提案されている。しかし、マイクロカプセ
ル化した熱変色性材料をそのまま重合体中に混合して通
常の手段で繊維化した場合には、繊維製造上の工程安定
性が充分ではない。しかも、そこで得られた繊維は、繊
維表面に存在する熱変色性材料が実着時の屈曲、引張り
、摩擦、洗濯等によって損傷を受けたり繊維から脱落す
るという欠点を有し、また、熱変色性材料の低耐光性と
相俟って、可逆熱変色性能や発色性能が低下するという
問題を生じていた。その上、マイクロカプセル化した熱
変色性材料は、一般顔料よりも粒径が大きく(通常約1
〜20μm)、且つ呈色濃度が低いことから、重合体中
にそのまま混合して所定の呈色濃度を得るためには一般
顔料の10倍以上の量で重合体中に混合する必要があっ
た。更に、マイクロカプセル化した顔料の大きな粒径に
伴い、マイクロカプセル粒子が繊維表面に多量に露出し
て繊維表面を凹凸にし、この表面の凹凸によって光が乱
反射して繊維外観の白化現象を生じていた。また、熱変
色性材料を含有する繊維形成性重合体から溶融紡糸等の
通常の方法によって繊維を製造する場合に、繊維表面に
存在する熱変色性材料が紡糸時の高温によって蒸発、昇
華、酸化等により失われたり劣化、分解したりして、そ
の変色能が低下するという問題を生じていた。
【0004】
【発明の課題】したがって、本発明の目的は、可逆変色
性および変色時の色の鮮明性がともに優れている感温変
色性繊維を提供することである。更に、本発明は、洗濯
耐久性および耐光性が良好で、堅牢で実用性の高い感温
変色性繊維の提供を目的とする。また、本発明は、繊維
表面の凹凸がないか又は少なく、白化現象による色の鮮
明度の低下のない感温変色性繊維の提供を目的としてい
る。更に、本発明は、繊維化工程におけるトラブルがな
く、しかも繊維化時の高温条件下において熱変色性材料
の機能低下を生ずることなく感温変色性繊維を円滑に製
造できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために研究を続けてきた。その結果、上記
の目的は、下記の本発明の複合繊維により達成できるこ
とを見出して本発明を完成した。したがって本発明は、
(A)熱変色性材料を含有する融点または軟化点が21
0℃以下である熱可塑性ポリエステルからなる熱変色性
ポリエステル部分(以後「A部分」という);および(
B)ポリエステルを構成する酸成分のうちの50モル%
以上がテレフタル酸そして0〜50モル%がイソフタル
酸からなり且つポリエステルを構成するジオールの70
モル%以上がブタンジオールおよび/またはヘキサンジ
オールからなる繊維形成性ポリエステルから実質的にな
るポリエステル部分(以後「B部分」という);の2つ
のポリエステル部分が接合した複合繊維であって、しか
も繊維強度が少なくとも1.5g/デニール、繊維伸度
が80%以下および沸水収縮率が25%以下であること
を特徴とする感温変色性複合繊維である。
【0006】更に、本発明は、上記感温変色性複合繊維
を、熱変色性材料を含有する融点または軟化点が210
℃以下である熱可塑性ポリエステルからなる熱変色性ポ
リエステル;およびポリエステルを構成する酸成分のう
ちの50モル%以上がテレフタル酸そして0〜50モル
%がイソフタル酸からなり且つポリエステルを構成する
ジオールの70モル%以上がブタンジオールおよび/ま
たはヘキサンジオールからなる繊維形成性ポリエステル
の2つのポリエステルを用いて、1800〜4500m
/分の紡糸速度で溶融複合紡糸し、更に下記の数式1;
【数1】−3.7×10−4TU+3.16≧HD≧−
4×10−4TU+2.12 [式中、TUは紡糸速度(m/分)、そしてHDは延伸
倍率(倍)を表す]を満足する延伸倍率で延伸すること
によって製造する方法を包含する。更に、本発明は上記
複合繊維を使用して製造された種々の繊維製品をも包含
する。
【0007】上記本発明の基本的な考え方は、可逆熱変
色性材料を繊維中に混入するにあたって、熱変色性材料
をA部分中に混入し、そのA部分をB部分によって出来
るだけ包囲するようにしてA部分とB部分とを複合させ
るというものであり、これによって上記した従来技術の
欠点および問題の解決が可能になったのである。
【0008】以下に本発明の内容を詳細に説明する。本
発明では熱変色性材料として公知の可逆熱変色性材料を
使用することができる。可逆熱変色性材料は温度の変化
によって発色、変色または色が消失する顔料であり、そ
のような変化は可逆的に行われる。この例としては、電
子供与性呈色性の有機化合物、電子受容性化合物および
この両者の反応媒体となる化合物の3成分からなる熱変
色性顔料、あるいは該3成分の樹脂固溶体を微粒子の形
態にした熱変色性顔料を挙げることができる。好ましい
熱変色性材料としては、米国特許第4,028,118
号明細書(対応日本特許公告公報:44706/76、
同44707/76、同44708/76および同44
709/76)、米国特許第4,732,810号明細
書(対応日本特許公告公報:29398/89)および
米国特許第4,865,648号明細書(対応日本特許
公開公報:264285/85)に記載されたものを挙
げることができる。
【0009】好ましい熱変色性材料の具体例は次のとお
りである。電子供与性呈色有機化合物としては、ジアリ
ールフタライド類、インドリルフタライド類、ポリアリ
ールカルビノール類、ロイコオーラミン類、アシルオー
ラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタ
ム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類等
から選ばれた少なくとも1種が好ましい。また、電子受
容性化合物としては、フェノール化合物、フェノール化
合物の金属塩、芳香族カルボン酸類、脂肪族カルボン酸
類、カルボン酸類の金属塩、酸性リン酸エステル類、酸
性リン酸エステル類の金属塩、トリアゾール化合物等か
ら選ばれた少なくとも1種が好ましい。さらに、反応媒
体としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エ
ーテル類、アミド類等から選ばれた少なくとも1種が好
ましい。
【0010】この熱変色性材料が熱によって可逆的に変
色する機構は必ずしも明確ではないが、推測されている
ところを簡単に説明すると、熱変色性材料は、前述のよ
うに電子を失うと発色する色素である電子供与性呈色性
有機化合物と、その有機化合物から電子を奪う電子受容
性化合物と、そして一定の温度を境にして溶けたり固ま
ったりする反応媒体となる化合物の3成分からなり、低
温では固まった反応媒体の中で電子受容性化合物が電子
供与性呈色性有機化合物と結合してそれから電子を奪い
発色させる。一方、高温では、反応媒体が溶けて電子受
容性化合物は電子供与性呈色性有機化合物に電子を返し
て電子供与性呈色性有機化合物から離れるので色が消え
る。発色温度は反応媒体のほぼ溶融温度によって決まる
ことが多い。
【0011】上記の熱変色性材料を顔料化するに際して
は、公知のマイクロカプセル化技術を用いて熱変色性材
料をマイクロカプセルに内包するのが望ましいが、それ
に限定されない。マイクロカプセルにする場合は、粒径
が1〜30μm、好ましくは2〜20μmにするのが有
利である。マイクロカプセル化技術としては、例えば界
面重合法、イン・スツ(in  Situ)重合法、液
中硬化被覆法、水溶液からの相分離法、有機溶媒からの
相分離法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレー
ドライニング法等を挙げることができ、用途に応じて適
宜選択採用することができる。
【0012】本発明の複合繊維のA部分を構成する熱可
塑性ポリエステルは、融点または軟化点が210℃以下
のものであることが必要である。融点または軟化点が2
10℃を越えるポリエステルを使用すると、熱変色性材
料を加えて溶融混合した場合に熱変色性材料の低耐熱性
に起因すると思われる分解ガスの発生および変色性能の
低下が顕在化してポリエステルと熱変色性材料との均一
な混合が実質上困難になる。熱可塑性ポリエステルとし
ては、特に融点または軟化点が120〜200℃の範囲
のものが好ましい。A部分を形成する熱可塑性ポリエス
テルの具体例としては、ポリヘキサメチレンテレフタレ
ート、変性ポリヘキサメチレンテレフタレート、変性ポ
リブチレンテレフタレート、変性ポリエチレンテレフタ
レート等の融点が210℃以下のポリエステル類を挙げ
ることができる。これらの熱可塑性ポリエステルは単独
で使用しても、または2種以上を混合して使用してもよ
い。
【0013】得られる感温変色性複合繊維におけるA部
分とB部分との剥離防止、感温変色時の色の鮮明さ、更
に得られる複合繊維の繊維強度、繊維伸度、沸水収縮率
等の点から、A部分を形成する熱可塑性ポリエステルと
B部分を形成するポリエステルとの溶解度パラメータが
互いに近く両者が相溶性であるのが望ましい。かかる点
から、A部分を形成する熱可塑性ポリエステルをB部分
を形成するポリエステルと同じかまたは類似したポリエ
ステルから形成するのがよく、特に、A部分の熱可塑性
ポリエステルを、ポリエステルを構成する酸成分のうち
の50モル%以上がテレフタル酸、そして0〜50モル
%がイソフタル酸からなり、且つポリエステルを構成す
るジオールの70モル%以上がブタンジオールおよび/
またはヘキサンジオールからなるポリエステルから形成
するのが望ましい。
【0014】そして、本発明において、A部分に含まれ
る熱変色性材料の量は、A部分の全重量に基づいて0.
5〜50重量%、特に5〜40重量%であるのが望まし
い。熱変色性材料の含量が0.5重量%より少ないと得
られる複合繊維の変色性および色濃度が充分に発揮され
ない傾向がある。一方、熱変色性材料の含量を50重量
%よりも多くしても熱変色性の一層の向上は認められず
、A部分の流動性が著しく低下して紡糸性が極端に悪化
して、紡糸パックにおけるフィルターの目詰まり等を生
じて紡糸パックの寿命が著しく短くなり、しかも繊維製
造時の工程安定性が失われる。
【0015】更に、本発明の複合繊維を構成するもう一
方の成分であるB部分は、繊維化の際に良好な工程安定
性を維持し、且つ複合繊維の強度等の物性を良好なもの
にするのに重要な役割を担っており、そのため曳糸性や
強度等の物性の劣る重合体はB部分用の重合体としては
不適当である。本発明の複合繊維におけるB部分が、A
部分を単に保護する目的で使用されるのであれば、B部
分の重合体としては、透明性の高い非結晶性重合体を使
用してA部分の色を鮮やかに発現させるだけで足りるが
、B部分の重合体として非結晶性重合体を使用した場合
には、透明性は優れているものの曳糸性および強度等の
性能がかなり劣ったものとなる。したがって、本発明の
複合繊維では、B部分を形成する重合体として、透明性
の点では非結晶性重合体に比べて若干劣るが、曳糸性お
よび得られる複合繊維の性能の両方が優れた結晶性重合
体を使用することが必要である。しかも、熱変色性材料
の耐熱温度等を考慮した場合には、B部分を形成する重
合体の融点が210℃以下であるのが好ましい。
【0016】そこで、本発明ではB部分を形成する重合
体として、ポリエステルを構成する酸成分のうちの50
モル%以上がテレフタル酸、そして0〜50モル%がイ
ソフタル酸からなり、且つポリエステルを構成するジオ
ールの70モル%以上がブタンジオールおよび/または
ヘキサンジオールからなるポリエステルを使用すること
が必要である。B部分を形成するポリエステルにおいて
、テレフタル酸の割合が50モル%より少ないと、複合
繊維製造時の工程性が良好でなく、しかも得られる複合
繊維の性能が劣ったものとなる。特に、B部分を形成す
るポリエステルにおけるテレフタル酸の割合が60モル
%以上であるのが望ましい。また、該ポリエステルにお
けるイソフタル酸の割合は、上記した0〜50モル%の
範囲内で重合体の融点、繊維の品質、繊維化時の工程性
等を考慮して決めることができ、特にイソフタル酸の割
合を0〜40モル%とするのが望ましい。イソフタル酸
の割合が50モル%を越えると、得られる複合繊維の品
質、繊維製造時の工程性等が劣ったものになり不適当で
ある。
【0017】更に、B部分を形成する上記ポリエステル
では、上記したようにポリエステルを構成するジオール
の全量に基づいて、70モル%以上のブタンジオールお
よび/またはヘキサンジオールを使用して製造されたも
のであるが、ブタンジオールおよび/またはヘキサンジ
オールの割合が70モル%より少ないと、繊維製造時の
工程性、得られる複合繊維の品質が劣ったものになる。 ブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールは特に
80モル%以上の割合であるのが好ましい。また、B部
分を形成するポリエステルは、上記した条件を守る限り
、染色性、紡糸温度(通常約150〜220℃)での重
合体の流動性等を良好なものにするために上記した成分
以外の成分を共重合成分として含むことができる。その
ような他の共重合成分としては、具体的には、フタル酸
、オキシ安息香酸、オキシエトキシ安息香酸、ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビスフェノールA、5
−ナトリウムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン
酸;芳香族オキシ酸;芳香族ジオール;アジピン酸、セ
バシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;エチレングリコール
、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、シ
クロヘキサンジオール、1,2−プロピレングリコール
、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール化合物を
挙げることができる。
【0018】そして、本発明の複合繊維では、B部分が
複合繊維の全重量に基づいて20〜95重量%、すなわ
ちA部分が複合繊維の全重量に基づいて80〜5重量%
であるのが望ましく、B部分が複合繊維の全重量に基づ
いて25〜90重量%でA部分が複合繊維の全重量に基
づいて75〜10重量%であるのが特に望ましい。B部
分が95重量%を超え、そしてA部分が5重量%より少
なくなると、良好な複合繊維構造が得られにくくなり、
しかも熱変色性材料の量が少なくなって良好な感温変色
性、発色性を有する複合繊維を得るのが困難になる。一
方、A部分が80重量%を越え、そしてB部分が20重
量%より少なくなると、B部分を形成するポリエステル
の繊維形成性能が充分高い場合であっても、A部分の性
質がそのまま現れて複合繊維の紡糸性能、延伸性能、物
性等が極端に低下し実用性を失う場合が多い。
【0019】本発明の感温変色性複合繊維では、A部分
とB部分とが互いに接合して複合繊維を形成しているが
、複合繊維の表面積の60%以上をB部分が占めている
のが望ましい。B部分が複合繊維の表面積の60%以上
を占めることによって、B部分が複合繊維の保護層の役
割を果して、複合繊維表面の多くの部分がB部分で覆わ
れていることになる。B部分の複合繊維の表面積に占め
る割合が60%よりも少ないと、良好な感温変色性およ
び色濃度が達成されにくくなる。その理由は現時点では
明確ではないが、熱変色性材料の高温雰囲気での耐熱性
が1つの大きな要因になっており、複合繊維の表面積に
占めるB部分の割合が60%より低くなると、逆に複合
繊維の表面におけるA部分の割合が多くなり、ひいては
熱変色性材料が複合繊維表面に存在する量が多くなり、
表面に多量に存在する熱変色性材料が繊維製造時の高温
雰囲気の影響を強く受けてその感温変色性能が劣化する
ものと考えられる。そして、このことは別の面からも確
認されている。本発明の複合繊維では複合繊維の表面積
の80%以上をB部分が占めているのが特に望ましい。 かかる点から、本発明の複合繊維を例えば芯鞘型の複合
繊維とする場合は、鞘部がB部分から形成され、芯部が
A部分から形成されるようにするのがよく、その逆であ
ると複合繊維の発色性能および感温変色性能は満足にゆ
くものが得られにくくなる。
【0020】上記の点は、複合繊維の表面部により多量
の感温変色性材料、すなわちA部分が存在する方がその
発色性能や感温変色性能、呈色の鮮明性がより良好にな
るであろうと通常予想されるところからすると、全く予
想外のことである。また、複合繊維の表面積の60%以
上をB部分が占めるようにすると、複合繊維の強度等の
物性が良好になって、実着時の苛酷な屈曲、引っ張り、
摩耗の繰り返しに対する耐久性が優れたものになる。し
かも耐洗濯性や耐光性も良好になり、熱変色性材料の繊
維からの剥離、脱落が防止されて良好な感温変色性を保
つことができる。更に、その場合には複合繊維の表面の
多くの部分が熱変色性材料を含まないB部分から構成さ
れているために、繊維加工時や編織時における耐久性も
良好である。また、複合繊維の表面の多くがB部分によ
り覆われていると、熱変色性材料、特にマイクロカプセ
ル化した熱変色性材料を含有するA部分の表面の凹凸が
B部分により覆われて、複合繊維表面の凹凸が実質的に
存在しないか、または極めて少なくなって、凹凸表面に
伴う光の乱反射による繊維の白化現象が起こらす、色の
くすみが生じず鮮明に発色する複合繊維が得られる。
【0021】そして、本発明の複合繊維では、その繊維
強度が少なくとも1.5g/デニール(以後「1.5g
/d以上」という」で且つ繊維伸度が80%以下である
ことが必要である。複合繊維の繊維強度が1.5g/d
よりも低いと、また繊維伸度が80%よりも大きいと、
複合繊維を使用して織物や編物等の布帛を製造する際の
加工性や工程性、特にトリコット等の編物が作成する際
の編立性が劣ったものになり、しかも品質の良好な布帛
を得ることができなくなる。更に、本発明の複合繊維は
、その沸水収縮率が25%以下であることも必要である
。複合繊維の沸水収縮率が25%より大きいと、複合繊
維から製造される布帛等の製品の風合や外観が不良なも
のとなる。例えば、布帛等に付着している油剤等を除去
するために布帛を熱水中で精練処理する場合に、布帛を
構成する複合繊維の沸水収縮率が25%よりも大きいと
、布帛の収縮が大きくなって風合が硬くなり好ましくな
い。
【0022】ここで、本明細書における複合繊維の繊維
強度、繊維伸度および沸水収縮率は下記のようにして測
定したときの値をいう。 繊維強度の測定 インストロン1122型引張試験機を用いて、チャック
間距離20cmにした該試験機に、測定サンプルを弛ま
ない程度の伸度を付与した状態で装着し、そして測定サ
ンプルに初荷重1/20g/dの張力をかけて伸ばした
状態を起点として、22℃、60%RHの条件下で引張
速度10cm/分で測定した。 繊維伸度の測定 同    上 沸水収縮率の測定 50mg/dの荷重を掛けた状態で長さ50cmの繊維
を採取し、その後に0.5mg/dの荷重を掛けた状態
で98℃の沸騰水中に30分間浸漬し、次いで再び50
mg/dの荷重を掛けてその長さL(cm)を測定し、
下記の数式2により沸水収縮率を求めた。
【数2】 沸水収縮率(%)=(50−L)/50×100
【00
23】本発明の複合繊維の複合形態は特に限定されすど
のような複合形態であってもよい。本発明の複合繊維は
、例えば芯鞘型、海島型、貼合型、繊維表面の一部にA
部分が露出して存在する形態等とすることができる。本
発明の複合繊維の複合形態の代表例を図1〜図6で示す
。図1〜図6は、複合繊維の長さ方向に対して直角に切
断した場合の断面模式図である。図1および図2は芯鞘
型複合繊維であって、典型的な芯鞘型複合繊維を示す図
1では芯部がA部分から構成され鞘部がB部分から構成
されている。また図2は多重芯鞘型複合繊維の例であり
、そこではB部分が繊維の中心部分と表面部分とに配置
され、それらの間にA部分が挟まれた構造となっている
。図1および図2の芯鞘型複合繊維では、A部分とB部
分とが同心円状に設けられているが、必ずしも同心円で
なくてもよく偏心していてもよい。また、多重芯鞘型複
合繊維の場合は、図2におけるような3重構造だけでな
く5重またはそれ以上の層数であってもよい。
【0024】図3は海島型複合繊維を示し、B部分から
なる海部の中にA部分が島として存在している。A部分
からなる島の数や大きさ、繊維断面における島の配置状
態等は特に限定されず、また島の一部が繊維表面に露出
していてもよい。更に、図4および図5は貼合型の複合
繊維を示し、図4ではB部分がA部分によって複数のブ
ロックに分けられた貼合構造となっており、図5ではB
部分がA部分によって左右に分けられた貼合構造となっ
ている。貼合構造は、図4および図5のものに限定され
す、任意の数の層からなる貼合構造であることができ、
またその貼合構造は図4および図5におけるように左右
対称または点対象になっておらず偏っていてもよい。そ
して、図6はB部分中にA部分がその一部を表面に露出
して壷状または円型状をなして存在する本発明の複合繊
維を示した図である。図6のような複合繊維においてA
部分はB部分の表面部分にほぼ均等に配置されていても
、または偏って配置されていてもよい。上記した複合形
態のうちで、図1〜図3に示したような、A部分が表面
に露出していない複合繊維が、繊維表面に熱変色性材料
が存在しないために、表面の凹凸および該凹凸に伴う繊
維の白化がなく、しかも繊維製造時の高温雰囲気下での
熱変色性材料の劣化がないために可逆感温変色性能、呈
色の鮮明性等の点から望ましい。しかしながら、本発明
の複合繊維は図1〜図6に示したものに限定されないこ
とは上記したとおりである。
【0025】また、図1〜図6の複合繊維では繊維の断
面形状がいずれも円形になっているが、必ずしも円形で
ある必要はなく、種々の異形複合繊維であることができ
、例えば楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、星
型等任意の断面形状とすることができる。更に、本発明
の複合繊維の太さは5デニール以上であるのが望ましく
、8デニール以上であるのが一層望ましく。5デニール
より小さいと、得られる複合繊維の強度が大きく低下し
、その強度低下を防止するために熱変色性材料の添加量
を少なくすると、色の鮮明さが失われる。本発明の複合
繊維においては、熱変色性材料を配合したA部分の色が
直接そのまま、またはB部分を通して繊維表面に現れる
ために、B部分はA部分の呈色の妨害をしない無色透明
なものが望ましい。しかしながら、B部分は必ずしも無
色透明でなくてもよく、半透明、着色透明または着色半
透明であってもよく、B部分が半透明、着色透明または
着色半透明の場合は、B部分のそのような呈色状態を種
々選択し、変えることによって、A部分の呈色状態とB
部分の呈色状態とが複合して、A部分の呈色のみでは得
られない呈色状態を発揮させることも可能である。
【0026】本発明の複合繊維の感温変色性能を長時間
安定に持続させるために、ヒドロキベンゾフェノン系、
ヒドロキシナフトフエノン系、フェニルサリシレート系
、ベンゾトリアゾール系等の従来既知の紫外線吸収剤を
複合繊維に吸着または含有させておくのが望ましい。 吸着させる場合は、例えば繊維の染浴に約1〜10%o
wfの紫外線吸収剤を添加しておいて染色と同時に繊維
に紫外線吸収剤を吸着させるのが便利であるが、特にこ
の方法に限定されない。また、複合繊維中に紫外線吸収
剤を含有させる場合は、重合体中に紫外線を加えておい
て溶融紡糸するのが便利である。紫外線吸収剤を複合繊
維に含有させる場合は、A部分およびB部分の両方に添
加しておいても、またはいずれか一方に添加しておいて
もよく、特にB部分に添加するのが好ましい。紫外線吸
収剤は複合繊維の重量に基づいて約0.5〜5重量%の
割合で使用するのが望ましい。複合繊維に紫外線吸収剤
を使用することによって、その感温変色性が長時間低下
せずに維持され、しかも鮮明な呈色状態を保つことがで
きる。例えば、紫外線吸収剤を使用した本発明の複合繊
維をカーボン・フエードメーターを使用して63℃の温
度条件下で20時間光照射しても3級以上の感温変色性
能が維持されている。また、本発明の複合繊維は、繊維
の可逆感温変色性を損なわない限り、A部分および/ま
たはB部分を構成するポリエステル中に、ポリエステル
に通常配合される添加剤(例えば蛍光増白剤、安定剤等
)を必要に応じて含有することができる。
【0027】そして、本発明では、上記した複合繊維を
、A部分を形成する感温変色性材料含有熱可塑性ポリエ
ステル、およびB部分を形成する上記した特定のポリエ
ステルの2者を溶融複合紡糸することによって製造する
が、その際に1800m〜4500m/分以上の紡糸速
度で紡糸し、更に下記の数式1;
【数1】−3.7×10−4TU+3.16≧HD≧−
4×10−4TU+2.12 [式中、TUは紡糸速度(m/分)、そしてHDは延伸
倍率(倍)を表す]を満足する延伸倍率で延伸すること
によって目的とする特性を有する複合繊維を安定に製造
することができる。
【0028】紡糸速度が1800m/分より低いと、紡
糸した複合繊維が自発伸長して長時間安定に紡糸し巻き
取ることができなくなる。一方、紡糸速度が4500m
/分を超えると、紡糸性が悪くなって、紡糸時に毛羽、
断糸が発生する。紡糸速度は2000〜4000m/分
であるのが好ましい。そして、延伸時の工程性を良好に
し、且つ得られる複合繊維の繊維強度を1.5g/d以
上、および繊維伸度を80%以下にするために、溶融複
合紡糸して得た複合繊維を上記の数式1の範囲の延伸倍
率(HD)で延伸する。延伸倍率(HD)が“−3.7
×10−4TU+3.16”倍を超えると、延伸時の工
程性が悪くなり延伸毛羽・断糸の発生が多くなると共に
延伸糸にボイドが発生して白化現象を生じ鮮明な発色が
達成されない。一方、延伸倍率(HD)が“−4×10
−4TU+2.12”より低いと、得られる複合繊維の
伸度が大きくなって製編織時に断糸が発生してトラブル
を生ずる。紡糸速度が低めの場合(1800m/分に近
い場合)には、高めの延伸倍率とし、紡糸速度が増加す
るに伴って延伸倍率を低くしてゆくのがよい。その際の
延伸方法は、複合繊維を紡糸し巻取った後にあらためて
延伸する分離方式であっても、または紡糸した複合繊維
をそのまま連続して延伸する紡糸延伸連続方式であって
もよい。
【0029】更に、上記したように本発明の複合繊維は
、25%以下の沸水収縮率であることが必要である。 したがって、紡糸・延伸によって製造された複合繊維の
沸水収縮率が25%よりも高い場合には、熱セットを適
宜施して複合繊錐の沸水収縮率を25%以下にする。こ
の場合に熱セットは重合体の融点以上の温度で行うのが
よく、熱セットは緊張状態で行ってもまたは繊維をオー
バーフィードして弛緩状態で行ってもよい。延伸時に熱
セットを一緒に実施するのが工程面等から便利であるが
、勿論それに限定されず延伸後に改めて熱セットを行う
こともできる。紡糸速度を高くするとそれ自体で25%
以下の沸水収縮率を有する複合繊維を製造することが可
能であり、その場合には沸水収縮率を低下させるための
熱セットを省略できる。しかしながら、紡糸または紡糸
・延伸して得た複合繊維がそれ自体で25%以下の沸水
収縮率を有する場合であっても、その沸水収縮率を更に
低くするために熱セットを施してもよい。
【0030】そして、本発明において「繊維」という用
語は、フィラメント、短繊維、またはこれらの糸条物の
撚糸、加工糸、紡績糸、更にそれらの糸条物から形成さ
れた織編物、不織布等の繊維素材を総称する。また、本
発明において「繊維製品」とは、上記した繊維素材を用
いて製造された繊維製品の総称であり、例えば、ぬいぐ
るみ、人形の服、人形の毛髪、クリスマスツリー用の綿
、セータ、カーデイガン、ベスト、スポーツシャツ、ポ
ロシャツ、ワイシャツ、Tシャツ、ブラウス、スーツ、
ブレザー、ジャケット、スラックス、スカート、ジャー
ジ、ジャンパー、トレーニングウエア、子供服、ベビー
服、学生服、作業服、コート、レインコート、ガウン、
パジャマ、バスロープ、肌着、水着、スキーウエアおよ
びそれらの生地、和服、帯およびそれらの生地、靴下、
手袋、スカーフ、ショール、マフラー、帽子、耳あて、
スリッパ、ネクタイ、ベール、足袋、ワッペン、ハンド
バッグ、かばん、袋物、風呂敷、タオル、ハンカチ、手
拭、毛布、シーツ、ひざ掛け、布団、布団カバー、カー
ペット、椅子張り地、ジュータン、クッション、モケッ
ト、こたつ上掛け、こたつ下敷、シート、壁装用生地、
造花、刺繍、レース、リボン、カーテン、クロス、のれ
ん、ラグマット、ロープ、帆布、テント、寒冷紗、ホー
ス、幌、登山靴、運搬用袋、リュックサック、救命ボー
ト、包装用布、パラシュート、ベルト、網、つけひげ、
つけまつげ、かつら、ヘアーピース、ボール、保温材、
ナプキン、ランプシェード、間仕切スクリーン、紐等を
挙げることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、下記の実施例および比較例中、「部」とある
は、特に断らない限り「重量部」を意味する。また、融
点、軟化点および洗濯試験は下記の方法により測定した
。 融    点: A部分を形成する熱可塑性重合体の融点を、示差走査型
熱量計(DSC)を用いて昇温速度10℃/分にて測定
した吸熱ピークの発現温度を融点とした。 軟  化  点: A部分を形成する熱可塑性重合体の軟化点を日本工業規
格のJIS  K  7260−1982に示されてい
る方法にしたがって測定した。 洗濯試験: JIS  L  0217−103法によって実施した
。すなわち、液温40℃の水1リツトルに2gの割合で
衣料用合成洗剤を添加溶解して洗濯液とする。この洗濯
液に浴比が1:30になるように試料および必要に応じ
て負荷布を投入して洗濯機の運転を開始する。5分間処
理した後、運転を止め、試料および負荷布を脱水機で脱
水し、次に洗濯液を40℃の新しい水に替えて同一の浴
比で2分間すすぎ洗いをした後、脱水し、再び2分間す
すぎ洗いを行って風乾させた。
【0032】[実施例  1]クリスタルバイオレット
ラクトン、ビスフェノールAおよびミリスチン酸ウンデ
シルからなる熱変色性材料をエポキシ樹脂/アミンの界
面重合法によってマイクロカプセル化して、平均粒子径
7μ側の熱変色性材料のマイクロカプセルを製造した。 次に、このマイクロカプセル(含水率40%)100部
とケミパールM−200[三井石油化学工業(株)製;
ポリオレフィン系ディスパージョン;固形分40%]5
0部を混合、乾燥して加工顔料(ナイクロカプセル)を
調製した。次いで、このマイクロカプセル14部をイソ
フタル酸35モル%変性ポリブチレンテレフタレート(
融点168℃)のチップ86部と195℃で溶融混合し
、フィルターで15μm以上のものを除去して、熱変色
性材料を混合したチップ(A部分用チップ)を得た。次
いで、その熱変色性材料混合チップ(A部分用チップ)
とイソフタル酸30モル%変性ポリブチレンテレフタレ
ート(融点177℃)(B部分用ポリエステル)とを別
々のエクストルーダーで溶融し、汎用の複合紡糸装置を
使用して、A部分用チップ:B部分用ポリエステルとの
複合比を重量で50:50として、4孔の吐出孔を有す
る口金から200℃で紡出し、紡速3000m/分で巻
取り66d/4fのA部分が芯部を形成し、B部分が鞘
部を形成する図1の芯鞘型複合繊維からなる紡糸原糸を
得た。次に、この紡糸原糸を通常の延伸機で延伸倍率1
.1倍で延伸し、更に140℃で熱セットして、60d
/4fの延伸糸を得た。この延伸糸の場合には、紡糸、
延伸処理時等の工程性、および得られた複合繊維の品質
が共に極めて良好であった。また、延伸糸の物性は、繊
維強度が3.5g/d、繊維伸度が20%、そして沸水
収縮率が14%であった。
【0033】得られた延伸糸を用いて28ゲージでトリ
コットで編物を作成し、この編物を80℃の温水で精練
処理した後、140℃で乾熱セットしたところ、その加
工性は良好で何らトラブルがなかった。この編物は約3
2℃以上で白色、20℃以下で青色を呈し、可逆変色性
および発色性に優れ、発色時の色は白っぽくなく鮮明で
あった。また、上記の編物を上記した洗濯試験によって
洗濯したところ、洗濯試験50回繰り返し後においても
良好な可逆変色性および発色性が維持されており、洗濯
耐久性が優れていた。
【0034】[実施例2〜12および比較例1〜2]A
部分における熱変色性材料の添加量、A部分とB部分と
の複合比率、複合繊維の断面形状、紡糸速度および延伸
倍率を表1に記載されているとおりにした他は実施例1
と同様にして、溶融複合紡糸、延伸、およびトリコット
編物の作成を行ったところ、表2に示す結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】表2の結果から、実施例2〜12で得られ
た複合繊維は、繊維強度、繊維伸度および沸水収縮率の
いずれもが本発明の上記で規定した範囲内にあり、しか
も繊維化時および加工時の工程性のいずれもが良好であ
ることがわかる。また、実施例2〜12で得られたトリ
コット編物の感温変色性を調べたところ、いずれも可逆
変色性および発色性に優れ、発色時の色は白っぽくなく
鮮明であっり呈色状態が良好であった。更に、実施例2
〜12の編物を上記した洗濯試験によって洗濯したとこ
ろ、洗濯試験50回繰り返し後で良好な可逆変色性およ
び発色性が維持されており、洗濯耐久性が優れていた。 また、紡糸速度が1500m/分であって本発明の範囲
から外れる比較例1では、紡糸した繊維の巻取り時に自
発伸長現象が激しく生じて紡糸不能であり、複合繊維が
得られなかった。更に、紡糸速度は2200m/分で本
発明の範囲内にあるが、延伸倍率が2.8倍で上記数式
1による本発明の範囲から外れる比較例2では、延伸毛
羽が多発すると同時に得られた延伸糸にボイドが多く発
生して発色性が劣り、白っぽく色が鮮明でなく呈色性が
不良であり、また繊維化時の工程性も劣っていた。
【0038】[実施例  13]A部分を形成する熱可
塑性ポリエステルとして、ポリヘキサメチレンテレフタ
レート(融点149℃)を使用した以外は実施例1にお
けるのと同様に行った。その結果、繊維強度3.1g/
d、繊維伸度20%および沸水収縮率16%の延伸複合
繊維が得られた。この実施例13では繊維化時およびト
リコット編物作成時の工程性は良好であり、且つ得られ
たトリコット編物は、可逆変色性および発色性に優れ、
発色時の色は白っぽくなく鮮明であり、洗濯耐久性が優
れていた。
【0039】[実施例  14]A部分用の熱可塑性ポ
リエステルおよびB部分用のポリエステルとして、共に
ポリヘキサメチレンテレフタレート(融点149℃)を
50:50の重量割合で用いて紡糸速度2000m/分
、延伸倍率2.00倍を採用して実施例1におけるのと
同様にして図1の断面形状を有する複合延伸糸を製造し
、そしてトリコット編物を作成した。その結果、繊維強
度2.5g/d、繊維伸度30%および沸水収縮率18
%の延伸複合繊維が得られた。この実施例14では繊維
化時およびトリコット編物作成時の工程性は良好であり
、且つ得られたトリコット編物は、可逆変色性および発
色性に優れ、発色時の色は白っぽくなく鮮明であり、洗
濯耐久性が優れていた。
【0040】[実施例  15]A部分用の熱可塑性ポ
リエステルとしてイソフタル酸10モル%変性ポリヘキ
サメチレンテレフタレート(融点134℃)を用い、B
部分用のポリエステルとして実施例14で用いたのと同
じポリヘキサメチレンテレフタレート(融点149℃)
を使用し、紡糸速度2000m/分、延伸倍率2.00
倍を採用して実施例1におけるのと同様にして図1の断
面形状を有する複合延伸糸を製造し、そしてトリコット
編物を作成した。その結果、繊維強度2.2g/d、繊
維伸度30%および沸水収縮率19%の延伸複合繊維が
得られた。この実施例15では繊維化時およびトリコッ
ト編物作成時の工程性は良好であり、且つ得られたトリ
コット編物は、可逆変色性および発色性に優れ、発色時
の色は白っぽくなく鮮明であり、洗濯耐久性が優れてい
た。
【0041】[実施例  16]3−ジエチルアミノ−
7,8−ベンツフルオラン、ビスフェノールA、および
ステアリン酸デシルの相溶体からなる熱変色性材料をエ
ポキシ樹脂/アミンの界面重合法によってマイクロカプ
セル化して平均粒子径8μmの熱変色性材料のマイクロ
カプセルを製造した。この熱変色性材料のマイクロカプ
セルを実施例1における熱変色性材料の代わりに用いた
他は実施例1と同様にして、図1の断面形状を有する複
合延伸糸を製造し、そしてトリコット編物を作成した。 その結果、繊維強度3.5g/d、繊維伸度21%およ
び沸水収縮率15%の延伸複合繊維が得られた。この実
施例15では繊維化時およびトリコット編物作成時の工
程性は良好であり、且つ得られたトリコット編物は、お
よそ33℃以上で白色、28℃以下でピンク色を呈し、
可逆変色性および発色性に優れ、発色時の色は白っぽく
なく鮮明であり、洗濯耐久性が優れていた。
【0042】[比較例  3]B部分用ポリエステルと
して、テレフタル酸45モル%、セバシン酸55モル%
、ブタンジオール100モル%からなるポリエステル(
融点約150℃)を用いた他は実施例1と同様に行った
ところ、紡糸原糸の単繊維間の膠着現象がボビン内で発
生して解舒性が不良であり延伸が不可能であった。これ
は、B部分用ポリエステルのガラス転移温度が低く、且
つ配向結晶化速度が遅いことに起因するものと考えられ
る。
【0043】[比較例  4]B部分用ポリエステルと
して、テレフタル酸100モル%、ブタンジオール50
モル%およびエチレングリコール50モル%からなるポ
リエステル(融点182℃)を用いた他は実施例1と同
様に行った。その結果、比較例3ほど激しくはないが、
紡糸原糸の単繊維間の膠着現象がボビン内で発生して解
舒性が不良であり延伸がしにくく工程性が劣っていた。 しかも、得られた延伸複合繊維の繊維強度が1.2g/
d、繊維伸度が110%および沸水収縮率が35%であ
り、強度、伸度および沸水収縮率のいずれもが不良であ
り、特に伸度が大きいことによって製編織時に断糸が多
発した。
【0044】[比較例  5]B部分用ポリエステルと
して、テレフタル酸55モル%、イソフタル酸45モル
%、およびエチレングリコール100モル%からなる非
結晶性ポリエステル(軟化点約110℃、ガラス転移点
約65〜70℃))を用いた他は実施例1と同様に行っ
た。その結果、紡出された複合繊維は延伸性が劣り延伸
処理がしにくく工程性が劣っていた。しかも得られた延
伸複合繊維の繊維強度が1.1g/d、繊維伸度が15
0%および沸水収縮率が45%であり、強度、伸度およ
び沸水収縮率のいずれもが不良であり、特に伸度が大き
いことによって製編織時に断糸が多発した。
【0045】[比較例  6]複合繊維の溶融紡糸を本
発明における紡糸速度から外れる4700m/分の紡糸
速度で行った他は実施例1と同様にして行ったところ、
紡糸性が悪く、紡糸時に毛羽、断糸を生じて、良好な複
合繊維を連続して得ることができなかった。 [比較例  7]紡糸された複合繊維を本発明の延伸倍
率の範囲(上限値)から外れる2.50倍の延伸倍率で
延伸した他は実施例1と同様にして行ったところ、延伸
時の工程性が悪く、延伸時に毛羽、断糸が多発して、良
好な延伸複合繊維を得ることができなかった。
【0046】[比較例  8]複合繊維の溶融紡糸を4
000m/分の紡糸速度で行い、そして紡糸された複合
繊維を本発明の延伸倍率の範囲(上限値)から外れる2
.20倍の延伸倍率で延伸した他は実施例1と同様にし
て行ったところ、延伸時の工程性が悪く、延伸時に毛羽
、断糸が多発して、良好な延伸複合繊維を得ることがで
きなかった。 [比較例  9]複合繊維の溶融紡糸を2000m/分
の紡糸速度で行い、そして紡糸された複合繊維を本発明
の延伸倍率の範囲(下限値)から外れる1.20倍の延
伸倍率で延伸した他は実施例1と同様にして行ったとこ
ろ、延伸複合繊維の繊維強度が1.1g/d、繊維伸度
が150%および沸水収縮率が43%であり、強度、伸
度および沸水収縮率のいずれもが不良であり、特に伸度
が大きいことによって製編織時に断糸が多発した。 [比較例  10]複合繊維の溶融紡糸を2500m/
分の紡糸速度で行い、そして紡糸された複合繊維を本発
明の延伸倍率の範囲(下限値)から外れる1.00倍の
延伸倍率で延伸した他は実施例1と同様にして行ったと
ころ、延伸複合繊維の繊維強度が1.3g/d、繊維伸
度が110%および沸水収縮率が33%であり、強度、
伸度および沸水収縮率のいずれもが不良であり、特に伸
度が大きいことによって製編織時に断糸が多発した。
【0047】
【発明の効果】本発明においては、上記した本発明の要
件を満たす複合繊維とすることによって、可逆変色性お
よび発色性が良好で、且つ白っぽくなく呈色が鮮明で、
耐光性にも優れた良好な複合繊維および繊維製品を得る
ことができる。また、本発明の複合繊維および繊維製品
は洗濯耐久性が優れており、多数回の洗濯後の当初の良
好な特性を維持できる。更に、本発明の方法によるとき
は、複合繊維の製造時、延伸処理やインターレース処理
等の処理加工時、編織時等における毛羽の発生、断糸、
単糸切れ等がなく、工程性が極めて良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合繊維の断面形状の一例を示した図
である。
【図2】本発明の複合繊維の断面形状の別の例を示した
図である。
【図3】本発明の複合繊維の断面形状の更に別の例を示
した図である。
【図4】本発明の複合繊維の断面形状の別の例を示した
図である。
【図5】本発明の複合繊維の断面形状の一例を示した図
である。
【図6】本発明の複合繊維の断面形状の別の例を示した
図である。
【符号の説明】
A  熱変色性のポリエステル部分(A)B  ポリエ
ステル部分(B)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (A)熱変色性材料を含有する融点ま
    たは軟化点が210℃以下である熱可塑性ポリエステル
    からなる熱変色性ポリエステル部分;および(B)ポリ
    エステルを構成する酸成分のうちの50モル%以上がテ
    レフタル酸そして0〜50モル%がイソフタル酸からな
    り且つポリエステルを構成するジオールの70モル%以
    上がブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールか
    らなる繊維形成性ポリエステルから実質的になるポリエ
    ステル部分;の2つのポリエステル部分が接合した複合
    繊維であって、しかも繊維強度が少なくとも1.5g/
    デニール、繊維伸度が80%以下および沸水収縮率が2
    5%以下であることを特徴とする感温変色性複合繊維。
  2. 【請求項2】  熱変色性ポリエステル部分(A)にお
    ける熱変色性材料の含有量が、熱可塑性ポリエステル部
    分(A)の全重量に基づいて、0.5〜50重量%であ
    る請求項1の複合繊維。
  3. 【請求項3】  熱変色性ポリエステル部分(A)が、
    ポリエステルを構成する酸成分のうちの50モル%以上
    がテレフタル酸、そして0〜50モル%がイソフタル酸
    からなり、且つポリエステルを構成するジオールの70
    モル%以上がブタンジオールおよび/またはヘキサンジ
    オールからなるポリエステルから形成されている請求項
    1の複合繊維。
  4. 【請求項4】  熱変色性材料を含有する融点または軟
    化点が210℃以下である熱可塑性ポリエステルからな
    る熱変色性ポリエステル;およびポリエステルを構成す
    る酸成分のうちの50モル%以上がテレフタル酸そして
    0〜50モル%がイソフタル酸からなり且つポリエステ
    ルを構成するジオールの70モル%以上がブタンジオー
    ルおよび/またはヘキサンジオールからなる繊維形成性
    ポリエステル;の2つのポリエステルを用いて、180
    0〜4500m/分の紡糸速度で溶融複合紡糸し、更に
    下記の数式1; 【数1】−3.7×10−4TU+3.16≧HD≧−
    4×10−4TU+2.12 [式中、TUは紡糸速度(m/分)、そしてHDは延伸
    倍率(倍)を表す]を満足する延伸倍率で延伸すること
    を特徴とする請求項1の感温変色性複合繊維の製造方法
  5. 【請求項5】  熱変色性ポリエステルにおける熱変色
    性材料の含有量が、熱変色性材料および熱可塑性ポリエ
    ステルの合計重量に基づいて、0.5〜50重量%であ
    る請求項4の製造方法。
  6. 【請求項6】  熱変色性ポリエステルにおける熱可塑
    性ポリエステルが、ポリエステルを構成する酸成分のう
    ちの50モル%以上がテレフタル酸、そして0〜50モ
    ル%がイソフタル酸からなり、且つポリエステルを構成
    するジオールの70モル%以上がブタンジオールおよび
    /またはヘキサンジオールからなるポリエステルである
    請求項4の製造方法。
  7. 【請求項7】  請求項1の複合繊維を使用して製造し
    た繊維製品。
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