JPH04240788A - 半導体レーザ - Google Patents
半導体レーザInfo
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- JPH04240788A JPH04240788A JP695091A JP695091A JPH04240788A JP H04240788 A JPH04240788 A JP H04240788A JP 695091 A JP695091 A JP 695091A JP 695091 A JP695091 A JP 695091A JP H04240788 A JPH04240788 A JP H04240788A
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Links
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Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダブルヘテロ接合構造
を有する半導体レーザに関し、特に半導体レーザの結晶
構造に関する。
を有する半導体レーザに関し、特に半導体レーザの結晶
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザの結晶構造としては、図1
0に示すように、レーザ光が発振する領域である活性層
1の両側に、活性層1よりバンドギャップの大きいクラ
ッド層2,3を設けたダブルヘテロ接合構造を有するも
のが知られている。4は基板である。
0に示すように、レーザ光が発振する領域である活性層
1の両側に、活性層1よりバンドギャップの大きいクラ
ッド層2,3を設けたダブルヘテロ接合構造を有するも
のが知られている。4は基板である。
【0003】このようなダブルヘテロ接合構造をとるこ
とにより、クラッド層2,3と活性層1とのバンドギャ
ップ差による活性層1内への注入キャリア閉じ込め効果
及びクラッド層2,3と活性層1との屈折率の差による
光閉じ込め効果が得られ、動作電流(発振閾電流)を小
さくでき、実用温度範囲内で安定な連続動作が得られる
。ただし、ダブルヘテロ接合構造において、良好な注入
キャリア閉じ込め効果を得るには、活性層1とクラッド
層2,3との間のバンドギャップ差が0.3 eV以上
必要であることが知られている。
とにより、クラッド層2,3と活性層1とのバンドギャ
ップ差による活性層1内への注入キャリア閉じ込め効果
及びクラッド層2,3と活性層1との屈折率の差による
光閉じ込め効果が得られ、動作電流(発振閾電流)を小
さくでき、実用温度範囲内で安定な連続動作が得られる
。ただし、ダブルヘテロ接合構造において、良好な注入
キャリア閉じ込め効果を得るには、活性層1とクラッド
層2,3との間のバンドギャップ差が0.3 eV以上
必要であることが知られている。
【0004】かかる半導体レーザにおいて、前記活性層
1及びクラッド層2,3が、レーザに用いる基板結晶と
格子定数が異なると境界部に結晶欠陥が発生しレーザ発
振しない。そして、現在、基板結晶として用いることが
できる良好な特性を有するものは主にGaAs,InP
である。従って、III −V族化合物半導体の格子定
数a(Å)とバンドギャップEg(eV)との関係を示
す図12から明らかなように、これらの基板結晶と格子
定数が同じであり希望の発振波長を有し、且つクラッド
層と活性層との間で少なくとも0.3 eV以上大きな
バンドギャップ差を有する組成は限定される。そして、
現在、製品化されている半導体レーザの活性層はAlG
aInP(GaAs基板),AlGaAs(GaAs基
板),GaInPAs(InP基板)である。
1及びクラッド層2,3が、レーザに用いる基板結晶と
格子定数が異なると境界部に結晶欠陥が発生しレーザ発
振しない。そして、現在、基板結晶として用いることが
できる良好な特性を有するものは主にGaAs,InP
である。従って、III −V族化合物半導体の格子定
数a(Å)とバンドギャップEg(eV)との関係を示
す図12から明らかなように、これらの基板結晶と格子
定数が同じであり希望の発振波長を有し、且つクラッド
層と活性層との間で少なくとも0.3 eV以上大きな
バンドギャップ差を有する組成は限定される。そして、
現在、製品化されている半導体レーザの活性層はAlG
aInP(GaAs基板),AlGaAs(GaAs基
板),GaInPAs(InP基板)である。
【0005】ところで、最近、SHG素子と組み合わせ
て可視コヒーレント光源として用いるとか、Er+ ド
ープドファイバで光増幅を行うための励起光源あるいは
固体レーザの励起用として波長0.98〜1.1 μの
高出力半導体レーザの需要が増えている。この領域で発
振するレーザの活性層としてInGaAsを用いたもの
とか、GaInPAsの組成を変えたもの(InPと格
子整合)が発表されている(App−lied Phy
sics Lett. 55 14 P1378 (1
989), Applied Physics 65
9 P3340 (1989)等)。
て可視コヒーレント光源として用いるとか、Er+ ド
ープドファイバで光増幅を行うための励起光源あるいは
固体レーザの励起用として波長0.98〜1.1 μの
高出力半導体レーザの需要が増えている。この領域で発
振するレーザの活性層としてInGaAsを用いたもの
とか、GaInPAsの組成を変えたもの(InPと格
子整合)が発表されている(App−lied Phy
sics Lett. 55 14 P1378 (1
989), Applied Physics 65
9 P3340 (1989)等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、InGaAs
の場合、信頼性(寿命)が低いという問題がある。また
、GaInPAsの場合、波長0.98〜1.1 μで
発振させようとすると、活性層のバンドギャップEgが
1.13〜1.27eVとなり、クラッド層として用い
ているInPのバンドギャップEgは1.35eVであ
り、バンドギャップ差ΔEgが0.22〜0.08eV
となって、0.3 eVより小さくなってしまう。この
ように、活性層とクラッド層とのバンドギャップ差ΔE
gが0.3 eVより小さいと、図11に示すように、
例えばp形クラッド層2及びn形クラッド層3から活性
層1内にそれぞれ注入されたホールと電子が、図中矢印
のように、層境界部のエネルギバリアを越えて逃げてし
まうため活性層1内への注入キャリアの閉じ込めが不充
分となってしまい、発振閾電流密度の大幅な上昇や温度
特性の低下等を招き良好な特性が得られない(「HIG
H−POWER 1.06 μm GaInPAs
DCPBH LASERS 」ELECT−RONIC
S LETTERS 14th September
1989 Vol.25 NO.19)。
の場合、信頼性(寿命)が低いという問題がある。また
、GaInPAsの場合、波長0.98〜1.1 μで
発振させようとすると、活性層のバンドギャップEgが
1.13〜1.27eVとなり、クラッド層として用い
ているInPのバンドギャップEgは1.35eVであ
り、バンドギャップ差ΔEgが0.22〜0.08eV
となって、0.3 eVより小さくなってしまう。この
ように、活性層とクラッド層とのバンドギャップ差ΔE
gが0.3 eVより小さいと、図11に示すように、
例えばp形クラッド層2及びn形クラッド層3から活性
層1内にそれぞれ注入されたホールと電子が、図中矢印
のように、層境界部のエネルギバリアを越えて逃げてし
まうため活性層1内への注入キャリアの閉じ込めが不充
分となってしまい、発振閾電流密度の大幅な上昇や温度
特性の低下等を招き良好な特性が得られない(「HIG
H−POWER 1.06 μm GaInPAs
DCPBH LASERS 」ELECT−RONIC
S LETTERS 14th September
1989 Vol.25 NO.19)。
【0007】このため、活性層にGaInPAsを使用
して波長λg1.0 〜1.1 μの半導体レーザを得
るには、活性層とクラッド層とのバンドギャップ差を0
.3 eV以上とするために、現状よりも大きなバンド
ギャップを有するクラッド層を用いる必要がある。しか
し、図12から明らかなように、AlGaInP系では
InPと格子定数が大きく異なり格子整合しない。また
、AlGaAsSb系では、組成が大幅に異なるためG
aInPAsの前後に成長させることが難しく、良好な
結晶成長ができない。更に、GaInPAs系(含In
GaP)では、InPより大きなバンドギャップを有す
る組成では、格子定数がInPより小さくなり活性層と
の接合面に結晶欠陥が発生しレーザ発振が不可能となる
。
して波長λg1.0 〜1.1 μの半導体レーザを得
るには、活性層とクラッド層とのバンドギャップ差を0
.3 eV以上とするために、現状よりも大きなバンド
ギャップを有するクラッド層を用いる必要がある。しか
し、図12から明らかなように、AlGaInP系では
InPと格子定数が大きく異なり格子整合しない。また
、AlGaAsSb系では、組成が大幅に異なるためG
aInPAsの前後に成長させることが難しく、良好な
結晶成長ができない。更に、GaInPAs系(含In
GaP)では、InPより大きなバンドギャップを有す
る組成では、格子定数がInPより小さくなり活性層と
の接合面に結晶欠陥が発生しレーザ発振が不可能となる
。
【0008】本発明は上記の事情に鑑みなされたもので
、通常のダブルヘテロ接合構造では、活性層とクラッド
層の間に所定のバンドギャップ差が得られない結晶組成
でも、所定以上のバンドギャップ差を設けることができ
、且つ、接合面において良好な結晶性を有することがで
きる構造の半導体レーザを提供することを目的とする。
、通常のダブルヘテロ接合構造では、活性層とクラッド
層の間に所定のバンドギャップ差が得られない結晶組成
でも、所定以上のバンドギャップ差を設けることができ
、且つ、接合面において良好な結晶性を有することがで
きる構造の半導体レーザを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明は、活
性層の両側にクラッド層を設けたダブルヘテロ接合構造
の半導体レーザにおいて、活性層とクラッド層との間に
、クラッド層よりバンドギャップが大きく活性層と所定
値以上のバンドギャップ差を有する歪薄膜層を設けるよ
うにした。
性層の両側にクラッド層を設けたダブルヘテロ接合構造
の半導体レーザにおいて、活性層とクラッド層との間に
、クラッド層よりバンドギャップが大きく活性層と所定
値以上のバンドギャップ差を有する歪薄膜層を設けるよ
うにした。
【0010】また、活性層がバンドギャップ1.0 〜
1.35eVのGaInPAsである半導体レーザとし
た。また、活性層がGaInPAs,クラッド層がIn
P,歪薄膜層がバンドギャップ1.35eVを越えるG
aInPからなる半導体レーザとした。また、活性層が
GaInPAs,クラッド層がInP,歪薄膜層がバン
ドギャップ1.35eVを越えるGaInPAsからな
る半導体レーザとした。
1.35eVのGaInPAsである半導体レーザとし
た。また、活性層がGaInPAs,クラッド層がIn
P,歪薄膜層がバンドギャップ1.35eVを越えるG
aInPからなる半導体レーザとした。また、活性層が
GaInPAs,クラッド層がInP,歪薄膜層がバン
ドギャップ1.35eVを越えるGaInPAsからな
る半導体レーザとした。
【0011】また、歪薄膜層の厚さは10Å〜 500
Åの範囲とした。
Åの範囲とした。
【0012】
【作用】かかる構成において、活性層とクラッド層との
間に、バンドギャップがクラッド層より大きく活性層と
のバンドギャップ差が所定値以上の歪薄膜層を設けてク
ラッド層を二重構造としたことにより、活性層とのバン
ドギャップ差を充分に得ることができ、注入キャリアの
閉じ込め効率を高めることができる。そして、活性層及
びクラッド層との格子定数の違いによる歪は、薄膜構造
によって吸収し、接合面の結晶欠陥の発生を防止して接
合面における光の吸収をなくし、良好なレーザ発振が可
能となる。
間に、バンドギャップがクラッド層より大きく活性層と
のバンドギャップ差が所定値以上の歪薄膜層を設けてク
ラッド層を二重構造としたことにより、活性層とのバン
ドギャップ差を充分に得ることができ、注入キャリアの
閉じ込め効率を高めることができる。そして、活性層及
びクラッド層との格子定数の違いによる歪は、薄膜構造
によって吸収し、接合面の結晶欠陥の発生を防止して接
合面における光の吸収をなくし、良好なレーザ発振が可
能となる。
【0013】また、歪薄膜層の厚さを、10Å〜 50
0Åとし、より好ましくは30Å〜 200Åとするこ
とにより、トンネル効果に起因する電子の閉じ込め効果
の低下を抑制できる。
0Åとし、より好ましくは30Å〜 200Åとするこ
とにより、トンネル効果に起因する電子の閉じ込め効果
の低下を抑制できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1に本実施例の半導体レーザの結晶構造をし、
ブロードコンタクト構造の例を示す。図において、n形
InPからなる基板11上に、活性層12の両側にクラ
ッド層13,14を設けたダブルヘテロ接合構造が形成
されている。前記活性層12は厚さ0.05〜0.6
μのGaInPAsからなり、活性層12の上側のクラ
ッド層13は厚さ0.5 〜2μのp形InPからなり
、活性層下側のクラッド層14は厚さ0.5 〜2μの
n形InPからなっている。
する。図1に本実施例の半導体レーザの結晶構造をし、
ブロードコンタクト構造の例を示す。図において、n形
InPからなる基板11上に、活性層12の両側にクラ
ッド層13,14を設けたダブルヘテロ接合構造が形成
されている。前記活性層12は厚さ0.05〜0.6
μのGaInPAsからなり、活性層12の上側のクラ
ッド層13は厚さ0.5 〜2μのp形InPからなり
、活性層下側のクラッド層14は厚さ0.5 〜2μの
n形InPからなっている。
【0015】そして、活性層12と各クラッド層13,
14との間に、本実施例の特徴である歪薄膜層15を設
けてある。該歪薄膜層15は、図2に示すように、バン
ドギャップがクラッド層13,14のバンドギャップよ
り大きく活性層12とのバンドギャップ差ΔEgが所定
値(0.3 eV)以上有するGaInPからなってい
る。前記歪薄膜層15について、GaInPAs(Ga
x In1−x P1−y Asy )系の各組成にお
ける格子定数とバンドギャップとの関係を示す図3を参
照しながら更に詳述する。尚、図中、実線は等バンドギ
ャップ線、点線は等格子定数線をそれぞれ示す。
14との間に、本実施例の特徴である歪薄膜層15を設
けてある。該歪薄膜層15は、図2に示すように、バン
ドギャップがクラッド層13,14のバンドギャップよ
り大きく活性層12とのバンドギャップ差ΔEgが所定
値(0.3 eV)以上有するGaInPからなってい
る。前記歪薄膜層15について、GaInPAs(Ga
x In1−x P1−y Asy )系の各組成にお
ける格子定数とバンドギャップとの関係を示す図3を参
照しながら更に詳述する。尚、図中、実線は等バンドギ
ャップ線、点線は等格子定数線をそれぞれ示す。
【0016】InPのクラッド層13,14に格子整合
し波長λg 1.1 に対応するGaInPAs活性層
12の組成のバンドギャップEgは1.13eVとなる
。これに対しInPのクラッド層13,14のバンドギ
ャップは1.35eVであり、その差ΔEgは0.22
eVとなり注入キャリア閉じ込め効果を充分に得るのに
必要なバンドギャップ差0.3 eVを下回る。
し波長λg 1.1 に対応するGaInPAs活性層
12の組成のバンドギャップEgは1.13eVとなる
。これに対しInPのクラッド層13,14のバンドギ
ャップは1.35eVであり、その差ΔEgは0.22
eVとなり注入キャリア閉じ込め効果を充分に得るのに
必要なバンドギャップ差0.3 eVを下回る。
【0017】従って、活性層12の境界面でバンドギャ
ップ差ΔEgを0.3 eV以上とするには、クラッド
層、言い換えれば歪薄膜層15のバンドギャップを1.
43eV以上とする必要がある。ここで、バンドギャッ
プを大きくすればInPのクラッド層13,14及びク
ラッド層と格子整合しているGaInPAsの活性層1
2との格子定数差が大きくなるので、歪薄膜層15のバ
ンドギャップを格子定数差が最小となる1.43eVと
する。この場合、GaInPAsよりもGaInPの方
が同じバンドギャップでは格子定数が大きくInPの格
子定数差が小さくなるので、歪薄膜層15としてはGa
InPの方が望ましい。そして、歪薄膜層15の組成と
して、バンドギャップが1.43eVに対応するGa0
.77In0.13P(Eg=1.43eV)を用いる
。この組成のGaInPの格子定数は5.82Åであり
、InPの格子定数5.87Åとの格子定数のズレの割
合は1%であり、互いの格子定数のズレを充分に吸収す
ることが可能であり、活性層12と歪薄膜層15との接
合面に結晶欠陥が発生するのを防止できる。
ップ差ΔEgを0.3 eV以上とするには、クラッド
層、言い換えれば歪薄膜層15のバンドギャップを1.
43eV以上とする必要がある。ここで、バンドギャッ
プを大きくすればInPのクラッド層13,14及びク
ラッド層と格子整合しているGaInPAsの活性層1
2との格子定数差が大きくなるので、歪薄膜層15のバ
ンドギャップを格子定数差が最小となる1.43eVと
する。この場合、GaInPAsよりもGaInPの方
が同じバンドギャップでは格子定数が大きくInPの格
子定数差が小さくなるので、歪薄膜層15としてはGa
InPの方が望ましい。そして、歪薄膜層15の組成と
して、バンドギャップが1.43eVに対応するGa0
.77In0.13P(Eg=1.43eV)を用いる
。この組成のGaInPの格子定数は5.82Åであり
、InPの格子定数5.87Åとの格子定数のズレの割
合は1%であり、互いの格子定数のズレを充分に吸収す
ることが可能であり、活性層12と歪薄膜層15との接
合面に結晶欠陥が発生するのを防止できる。
【0018】また、歪薄膜層15の厚みは薄い程、格子
定数差によって発生する応力は小さいが、図4に示すよ
うに逆にトンネル効果により電子の閉じ込め効果が悪く
なる。そして、厚さ30Å以上であれば、実質上トンネ
ル確率はほとんどゼロと見なせる。従って、歪薄膜層1
5の厚さとしては、30Å以上であることが望ましい。 尚、図4は、障壁の高さV1 =0.5 eV,電子の
エネルギE=0.1 eV,有効質量m=0.08m0
における障壁の厚さとトンネル確率との関係を示して
ある。
定数差によって発生する応力は小さいが、図4に示すよ
うに逆にトンネル効果により電子の閉じ込め効果が悪く
なる。そして、厚さ30Å以上であれば、実質上トンネ
ル確率はほとんどゼロと見なせる。従って、歪薄膜層1
5の厚さとしては、30Å以上であることが望ましい。 尚、図4は、障壁の高さV1 =0.5 eV,電子の
エネルギE=0.1 eV,有効質量m=0.08m0
における障壁の厚さとトンネル確率との関係を示して
ある。
【0019】また、多層薄膜構造において、転位の発生
が起こらない限界の層厚hc は理論的に次式で表され
(J.of Crystal Growth, 27
、118 (1974)) 、実験的にも確認されてい
る(Appl. Phys. Lett. ,46 9
67 (1985))。 hc =〔{b(1−νcos2α)}/{2πf(1
+ν)cosλ}]・{ln(hc/b)+1} b=a・(2)1/2 (a;格子定数)f=2ε(ε
;歪) ν:ポアソン比 α:転位線とバーガーズベクトルのなす角λ:滑り面と
界面の交線に垂直な面の方向と滑りの方向のなす角 hc :限界層厚 この式を基に計算すればGaInPの場合、膜厚が 2
00Å以下であれば転位が発生しないことがわかる。
が起こらない限界の層厚hc は理論的に次式で表され
(J.of Crystal Growth, 27
、118 (1974)) 、実験的にも確認されてい
る(Appl. Phys. Lett. ,46 9
67 (1985))。 hc =〔{b(1−νcos2α)}/{2πf(1
+ν)cosλ}]・{ln(hc/b)+1} b=a・(2)1/2 (a;格子定数)f=2ε(ε
;歪) ν:ポアソン比 α:転位線とバーガーズベクトルのなす角λ:滑り面と
界面の交線に垂直な面の方向と滑りの方向のなす角 hc :限界層厚 この式を基に計算すればGaInPの場合、膜厚が 2
00Å以下であれば転位が発生しないことがわかる。
【0020】このようにして選定された歪薄膜層15を
、活性層12とクラッド層13,14との間に形成した
本実施例の半導体レーザによれば、図2に示すように、
短波長化によってバンドギャップが上昇した活性層12
の接合面において、所定値(0.3 eV)以上のバン
ドギャップ差ΔEgを設けることができ、n形クラッド
層14及びp形クラッド層13からそれぞれ活性層12
に注入された電子及びホールが、図中矢印で示すように
エネルギバリヤで移動を阻止される。このため、活性層
12における注入キャリアの閉じ込め効果が充分となる
。また、活性層12と歪薄膜層15との格子整合のズレ
による歪は、歪薄膜層15側で吸収されるため、両者の
接合面における格子ズレや転位等の結晶欠陥の発生を防
止でき、活性層12内で発生した光の吸収を抑制できる
。
、活性層12とクラッド層13,14との間に形成した
本実施例の半導体レーザによれば、図2に示すように、
短波長化によってバンドギャップが上昇した活性層12
の接合面において、所定値(0.3 eV)以上のバン
ドギャップ差ΔEgを設けることができ、n形クラッド
層14及びp形クラッド層13からそれぞれ活性層12
に注入された電子及びホールが、図中矢印で示すように
エネルギバリヤで移動を阻止される。このため、活性層
12における注入キャリアの閉じ込め効果が充分となる
。また、活性層12と歪薄膜層15との格子整合のズレ
による歪は、歪薄膜層15側で吸収されるため、両者の
接合面における格子ズレや転位等の結晶欠陥の発生を防
止でき、活性層12内で発生した光の吸収を抑制できる
。
【0021】従って、例えばGaInPAs/InP半
導体レーザの短波長化を行った場合に従来問題となって
いた、閾電流の上昇及び温度特性の劣化等を防止でき、
小さい閾電流で安定した動作が行える波長0.98〜1
.1 μの高出力半導体レーザを得ることができる。次
に本発明の半導体レーザの液相成長法による作製例につ
いて述べる。
導体レーザの短波長化を行った場合に従来問題となって
いた、閾電流の上昇及び温度特性の劣化等を防止でき、
小さい閾電流で安定した動作が行える波長0.98〜1
.1 μの高出力半導体レーザを得ることができる。次
に本発明の半導体レーザの液相成長法による作製例につ
いて述べる。
【0022】使用した液相成長炉としては、3ゾーンマ
スター・スレーブ方式の電気炉を用い、ボートスライド
法で作製した。図5及び図6において、石英管21の中
央部外周囲には、ヒータ22が設けられている。該ヒー
タ22は、所定の温度制御条件が入力されたPID制御
コントローラ23により温度制御される。24はヒータ
22及びコントローラ23の電源である。前記石英管2
1内には、結晶成長に用いるグラファイトボート25が
収納されている。該グラファイトボート25には、熱電
対26が設けられ、デジタル温度計27に接続されてい
る。
スター・スレーブ方式の電気炉を用い、ボートスライド
法で作製した。図5及び図6において、石英管21の中
央部外周囲には、ヒータ22が設けられている。該ヒー
タ22は、所定の温度制御条件が入力されたPID制御
コントローラ23により温度制御される。24はヒータ
22及びコントローラ23の電源である。前記石英管2
1内には、結晶成長に用いるグラファイトボート25が
収納されている。該グラファイトボート25には、熱電
対26が設けられ、デジタル温度計27に接続されてい
る。
【0023】前記グラファイトボート25は、図6に示
すように、複数の溶液溜めを有するグラファイトからな
る溶液ホルダ31には、基板結晶33を支持するスライ
ド板32がスライド自由に設けられている。該スライド
板32の一端には、石英で形成した引き棒34が係合し
ている。35は熱電対26が挿入された石英管である。 前記溶液溜めには、左から順次n形クラッド層用の溶液
A,歪薄膜層用の溶液B,活性層用の溶液C,歪薄膜層
用の溶液D及びp形クラッド層用の溶液Eが設けられて
いる。結晶の成長は、InPを過剰に入れた2相成長法
で行った。
すように、複数の溶液溜めを有するグラファイトからな
る溶液ホルダ31には、基板結晶33を支持するスライ
ド板32がスライド自由に設けられている。該スライド
板32の一端には、石英で形成した引き棒34が係合し
ている。35は熱電対26が挿入された石英管である。 前記溶液溜めには、左から順次n形クラッド層用の溶液
A,歪薄膜層用の溶液B,活性層用の溶液C,歪薄膜層
用の溶液D及びp形クラッド層用の溶液Eが設けられて
いる。結晶の成長は、InPを過剰に入れた2相成長法
で行った。
【0024】各溶液A〜Eを溶融状態にしておき、石英
管21内に純化水素を流した状態で、スライド板32を
スライドさせて溶液Aから溶液Eまで順次基板結晶33
を接触させつつ徐冷することで各層を積層形成していく
。そして、降温速度毎分0.2 ℃,歪薄膜層の成長時
間5秒間の条件下で、膜厚 200Åの歪薄膜層の成長
が確認できた。
管21内に純化水素を流した状態で、スライド板32を
スライドさせて溶液Aから溶液Eまで順次基板結晶33
を接触させつつ徐冷することで各層を積層形成していく
。そして、降温速度毎分0.2 ℃,歪薄膜層の成長時
間5秒間の条件下で、膜厚 200Åの歪薄膜層の成長
が確認できた。
【0025】また、図7に示す工程、即ち、基板結晶上
への液相エピタキシャル成長によるダブルヘテロ接合構
造の形成、スパッタリングによるSiO2 絶縁膜の形
成、フォトリソグラフによるストライプ形成、基板研磨
、スパッタリングによる電極形成及び結晶側面の劈開に
よる共振器形成の各工程を経て酸化膜ストライプ構造の
素子を作製して特性を評価し、図8及び図9にその結果
を示す。
への液相エピタキシャル成長によるダブルヘテロ接合構
造の形成、スパッタリングによるSiO2 絶縁膜の形
成、フォトリソグラフによるストライプ形成、基板研磨
、スパッタリングによる電極形成及び結晶側面の劈開に
よる共振器形成の各工程を経て酸化膜ストライプ構造の
素子を作製して特性を評価し、図8及び図9にその結果
を示す。
【0026】図8は規格化発振閾値電流密度の測定結果
であり、波長1.1 μmでは従来構造のものに比べ、
30〜40%低下した。また、図10は電流−光出力の
関係を温度を変えて測定したもので、発振閾値電流は同
じ温度で1/4 〜1/8 の割合で小さくなり、光出
力も数倍の値が得られ、温度特性の大幅な改善が得られ
た。また、歪薄膜層の厚さは、前述したように好ましく
は30Å〜 200Åの間であるが、形成組成によって
も少し異なり、10Å〜 500Åの間で効果が認めら
れた。
であり、波長1.1 μmでは従来構造のものに比べ、
30〜40%低下した。また、図10は電流−光出力の
関係を温度を変えて測定したもので、発振閾値電流は同
じ温度で1/4 〜1/8 の割合で小さくなり、光出
力も数倍の値が得られ、温度特性の大幅な改善が得られ
た。また、歪薄膜層の厚さは、前述したように好ましく
は30Å〜 200Åの間であるが、形成組成によって
も少し異なり、10Å〜 500Åの間で効果が認めら
れた。
【0027】尚、本実施例では、GaInPAs/In
Pの結晶構造の例を示したがこれに限定するものではな
く、その他の結晶構造のものにも適用できる。また、作
製方法は、液相成長法の他、気相成長法や分子線成長法
でもよい。
Pの結晶構造の例を示したがこれに限定するものではな
く、その他の結晶構造のものにも適用できる。また、作
製方法は、液相成長法の他、気相成長法や分子線成長法
でもよい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、活
性層とクラッド層との間にバンドギャップの大きい厚さ
の薄い歪薄膜層を設ける構成としたので、活性層との格
子定数のズレを吸収でき活性層接合面の結晶欠陥を防止
しつつバンドギャップ差が充分とれるため、レーザ光の
短波長化に伴う発振閾電流値の上昇及び温度特性の劣化
を防止でき、高い信頼性を有する高出力の半導体レーザ
を形成できる。
性層とクラッド層との間にバンドギャップの大きい厚さ
の薄い歪薄膜層を設ける構成としたので、活性層との格
子定数のズレを吸収でき活性層接合面の結晶欠陥を防止
しつつバンドギャップ差が充分とれるため、レーザ光の
短波長化に伴う発振閾電流値の上昇及び温度特性の劣化
を防止でき、高い信頼性を有する高出力の半導体レーザ
を形成できる。
【図1】本発明の一実施例を示す半導体レーザの結晶構
造の図
造の図
【図2】同上実施例の活性層キャリア注入状態を示す図
【図3】GaInPAs系の各組成における格子定数と
バンドギャップとの関係図
バンドギャップとの関係図
【図4】層厚とトンネル確率との関係図
【図5】本実施
例の結晶作製に使用する電気炉の構成図
例の結晶作製に使用する電気炉の構成図
【図6】同上電
気炉で使用するグラファイトボートの構成図
気炉で使用するグラファイトボートの構成図
【図7】特性評価に用いた半導体レーザ素子の作製工程
を示す図
を示す図
【図8】図7の工程で作製した半導体レーザ素子の規格
化発振電流閾値密度と発振波長との関係図
化発振電流閾値密度と発振波長との関係図
【図9】同じ
く電流と光出力との関係図
く電流と光出力との関係図
【図10】従来の半導体レー
ザの結晶構造例を示す図
ザの結晶構造例を示す図
【図11】従来構造の活性層キ
ャリア注入状態を示す図
ャリア注入状態を示す図
【図12】III −V族化合
物半導体の格子定数とバンドギャップの関係図
物半導体の格子定数とバンドギャップの関係図
12 活性層
13 p型クラッド層
14 n型クラッド層
15 歪薄膜層
Claims (5)
- 【請求項1】活性層の両側にクラッド層を設けたダブル
ヘテロ接合構造の半導体レーザにおいて、活性層とクラ
ッド層との間に、クラッド層よりバンドギャップが大き
く活性層と所定値以上のバンドギャップ差を有する歪薄
膜層を設けたことを特徴とする半導体レーザ。 - 【請求項2】活性層がバンドギャップ1.0 〜1.3
5eVのGaInPAsである請求項1記載の半導体レ
ーザ。 - 【請求項3】活性層がGaInPAs,クラッド層がI
nP,歪薄膜層がバンドギャップ1.35eVを越える
GaInPからなる請求項1記載の半導体レーザ。 - 【請求項4】活性層がGaInPAs,クラッド層がI
nP,歪薄膜層がバンドギャップ1.35eVを越える
GaInPAsからなる請求項1記載の半導体レーザ。 - 【請求項5】歪薄膜層の厚さが10Å〜 500Åであ
る請求項1〜4のいずれかに記載の半導体レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP695091A JPH04240788A (ja) | 1991-01-24 | 1991-01-24 | 半導体レーザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP695091A JPH04240788A (ja) | 1991-01-24 | 1991-01-24 | 半導体レーザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04240788A true JPH04240788A (ja) | 1992-08-28 |
Family
ID=11652511
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP695091A Pending JPH04240788A (ja) | 1991-01-24 | 1991-01-24 | 半導体レーザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04240788A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08228040A (ja) * | 1995-02-22 | 1996-09-03 | Nec Corp | 半導体レーザ装置 |
US5573960A (en) * | 1994-07-11 | 1996-11-12 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing semiconductor layers by bonding without defects created by bonding |
-
1991
- 1991-01-24 JP JP695091A patent/JPH04240788A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5573960A (en) * | 1994-07-11 | 1996-11-12 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Method of manufacturing semiconductor layers by bonding without defects created by bonding |
JPH08228040A (ja) * | 1995-02-22 | 1996-09-03 | Nec Corp | 半導体レーザ装置 |
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