JPH04238812A - 球状炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

球状炭酸カルシウムの製造方法

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JPH04238812A
JPH04238812A JP41586390A JP41586390A JPH04238812A JP H04238812 A JPH04238812 A JP H04238812A JP 41586390 A JP41586390 A JP 41586390A JP 41586390 A JP41586390 A JP 41586390A JP H04238812 A JPH04238812 A JP H04238812A
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salt
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acid
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小刀禰 明
Masayoshi Hirota
広田 正義
Katsutoshi Shibata
柴田 勝利
Yukio Nakai
中井 幸男
Mitsutomo Tsunako
津波古 充朝
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、球状炭酸カルシウムの
製造方法に関し、より詳しくはインキ、ゴム、合成樹脂
、塗料、紙、医薬品、食品、化粧品、電子工業、セラミ
ック等における添加剤、充填剤等に利用可能な球状炭酸
カルシウムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭酸カルシウムの結晶形には六方晶系(
菱面体)のカルサイト形、斜方晶系(針状体)のアラゴ
ナイト形および擬六方晶系(球状体)のバテライト形が
ある。このうちカルサイト形およびアラゴナイト形は天
然に存在するが、バテライト形は天然中に存在せず、不
安定であるとされている。すなわち、炭酸カルシウムの
結晶形のうち、カルサイト形が安定であるのに対して、
アラゴナイト形およびバテライト形は準安定であり、と
くにバテライト形は水と接触すると容易にカルサイト形
またはアラゴナイト形に転移するという特質がある。
【0003】ところで、炭酸カルシウムの製造方法には
、一般に下記の3種類が知られている。 (1)塩化カルシウムと炭酸塩(炭酸ナトリウム等)ま
たは炭酸水素塩とを反応させる方法 (2)水酸化カルシウムと炭酸塩または炭酸水素塩とを
反応させる方法 (3)水酸化カルシウムと炭酸ガスとを反応させる方法
これらの方法のうち、最も広く採用されているのは(3
)の方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記(
1)〜(3)の方法で製造される炭酸カルシウムはいず
れもカルサイト形か、あるいはこれにアラゴナイト形を
含むものであり、バテライト形である球状の炭酸カルシ
ウムを安定して得るのはきわめて困難であった。その原
因は前述のようにバテライト形がきわめて不安定であり
、容易にカルサイト形またはアラゴナイト形に転移して
しまうためである。
【0005】しかしながら、炭酸カルシウム粉末を球状
化することにより、炭酸カルシウムの充填性、分散性、
研磨性などの種々の特性が改善され、好ましい特性が付
与されることから、従来より、球状炭酸カルシウムを提
供することが多方面から求められていた。そのため、例
えば、バテライト形炭酸カルシウムの表面を高級脂肪酸
で処理して安定化することが提案されているが( 特開
昭55−95617号公報)、高級脂肪酸で処理するた
め、水への分散性が非常に悪化するという問題が生じる
。また、カルシウム塩と炭酸塩との水溶液反応により炭
酸カルシウムを製造するに際して、カルシウム以外の2
価金属イオンを添加して反応を行わせる方法も提案され
ているが(特公昭63−5331号公報)、充分な安定
化効果が得られない。さらに、球状バテライト形炭酸カ
ルシウムを高温で熱処理して球状のままカルサイトに転
移させる方法も提案されているが( 特公昭63−10
923号公報)、高温処理のため粒子同士の融着が生じ
たり、コストが高くなる等の問題がある。
【0006】従って、本発明の目的は、安定なバテライ
ト形を含む球状炭酸カルシウムおよびその製造方法を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねた結果、バテライト形を30
%以上含有する球状炭酸カルシウムが、上記目的を達成
しうるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに
到ったのである。かかる本発明の球状炭酸カルシウムを
製造するためには、塩化カルシウムと炭酸水素塩および
/または炭酸塩とを水系媒体中にて反応させるにあたっ
て、前記水系媒体中に、下記一般式(I) 〜(VII
I)で表されるリン酸化合物のうち少なくとも1種を、
生成する炭酸カルシウムの理論収量に対して0.3重量
%以上の割合で存在させる。
【0008】 Mn+2 Pn O3n+1            
  ・・・(I )(式中、Mは水素原子またはアルカ
リ金属、nは1または1より大きい整数である) (MPO3)m                  
 ・・・(II)(式中、Mは前記と同じ、mは3また
は4の整数である)
【0009】
【化7】 (式中、M3a,M3b, M3c, M3dおよびM
3eは同一または異なって、水素原子またはアルカリ金
属である)
【0010】
【化8】 (式中、M4a,M4b, M4cおよびM4dは同一
または異なって、水素原子またはアルカリ金属である)
【0011】
【化9】 (式中、M5a,M5b, M5c, M5d,M5e
およびM5fは同一または異なって、水素原子またはア
ルカリ金属である)
【0012】
【化10】 (式中、M6a,M6b, M6c, M6d,M6e
,M6f,M6gおよびM6hは同一または異なって、
水素原子またはアルカリ金属、zは1〜4の整数である
【0013】
【化11】 (式中、M7a,M7bおよびM7cは同一または異な
って、水素原子またはアルカリ金属、xとyとの和は4
〜16である)
【0014】
【化12】 (式中、M8aおよびM8bは同一または異なって、水
素原子またはアルカリ金属、qは1〜18の整数である
)上記一般式(I)および(II)で表されるリン酸化
合物中のMはすべてがアルカリ金属である場合のほか、
一部がアルカリ金属で他が水素原子である場合も包含す
るものである。
【0015】本発明の球状炭酸カルシウムを得る反応は
、塩化カルシウムと炭酸水素塩および/または炭酸塩と
の反応を基本としている。炭酸水素塩としては、炭酸水
素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムがあげられる。 また炭酸塩としては、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウ
ムがあげられる。両成分の反応比(モル比)は、塩化カ
ルシウム:炭酸水素塩の場合で1:0.5〜1:2の範
囲であるのが適当であり、好ましくは1:2である。塩
化カルシウム:炭酸塩の場合で1:0.5〜1:2の範
囲であるのが適当であり、好ましくは1:1である。
【0016】反応は、両成分のそれぞれの水溶液を調製
し、一方の成分の水溶液中に他方の成分の水溶液を添加
し、所定時間だけだけ攪拌することによって行う。この
とき、前記一般式(I) 〜(VIII)で表されるリ
ン酸化合物は予め他方の成分の添加前に水溶液中に溶解
させておく。かかるリン酸化合物は、いわゆる結晶改質
剤として作用するものと推定され、球状炭酸カルシウム
を優先的に生成させることができる。
【0017】リン酸化合物としては、前記一般式(I)
 〜(VIII)で表される化合物であり、以下に具体
的に例示する。一般式(I) または(II)で表され
るリン酸化合物としては、例えばオルトリン酸、オルト
リン酸ナトリウム、オルトリン酸カリウム、ピロリン酸
、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポ
リリン酸、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸
カリウム; トリメタリン酸、トリメタリン酸ナトリウ
ム、トリメタリン酸カリウム、テトラメタリン酸、テト
ラメタリン酸カリウム、テトラメタリン酸ナトリウム、
ヘキサメタリン酸、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキ
サメタリン酸カリウムなどの直鎖状または環状のリン酸
化合物があげられる。
【0018】また、一般式(III), (IV), 
(V), (VI), (VII) で表されるホスホ
ン酸( またはその塩) およびホスフィン酸( また
はその塩) としては、例えば2−ホスホノブタントリ
カルボン酸−1,2,4、2−ホスホノブタントリカル
ボン酸−1,2,4−一ナトリウム塩、2−ホスホノブ
タントリカルボン酸−1,2,4−一カリウム塩、2−
ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−二ナトリ
ウム塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,
4−二カリウム塩、2−ホスホノブタントリカルボン酸
−1,2,4−三ナトリウム塩、2−ホスホノブタント
リカルボン酸−1,2,4−三カリウム塩、2−ホスホ
ノブタントリカルボン酸−1,2,4−四ナトリウム塩
、2−ホスホノブタントリカルボン酸−1,2,4−四
カリウム塩;1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホス
ホン酸−一ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−
1,1−ジホスホン酸−一カリウム塩、1−ヒドロキシ
エチリデン−1,1−ジホスホン酸−二ナトリウム塩、
1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸−二
カリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホ
スホン酸−三ナトリウム塩、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸−三カリウム塩;アミノトリ(
メチレンホスホン酸)、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)−一ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)−一カリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸
)−二ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸
)−二カリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)
−三ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)
−三カリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−
四ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−
四カリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−五
ナトリウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)−五
カリウム塩;エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホ
ン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸
)−一ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレ
ンホスホン酸)−一カリウム塩、エチレンジアミンテト
ラ(メチレンホスホン酸)−二ナトリウム塩、エチレン
ジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−二カリウム塩
、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−三
ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホス
ホン酸)−三カリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メ
チレンホスホン酸)−四ナトリウム塩、エチレンジアミ
ンテトラ(メチレンホスホン酸)−四カリウム塩、エチ
レンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)−五ナトリ
ウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸
)−五カリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレン
ホスホン酸)−六ナトリウム塩、エチレンジアミンテト
ラ(メチレンホスホン酸)−六カリウム塩;ビス(ポリ
−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸、ビス(ポリ−
2−カルボキシエチル)ホスフィン酸ナトリウム、ビス
(ポリ−2−カルボキシエチル)ホスフィン酸カリウム
などがあげられる。
【0019】前記一般式(VIII)で表されるリン酸
化合物は、ジアルキルエステルとモノアルキルエステル
との混合物であり、かかる混合物の形態で工業的に入手
することができるものである。具体的には、例えばメチ
ルアシッドホスフェイト、メチルアシッドホスフェイト
−一ナトリウム塩、メチルアシッドホスフェイト−一カ
リウム塩、メチルアシッドホスフェイト−二ナトリウム
塩、メチルアシッドホスフェイト−二カリウム塩;エチ
ルアシッドホスフェイト、エチルアシッドホスフェイト
−一ナトリウム塩、エチルアシッドホスフェイト−一カ
リウム塩、エチルアシッドホスフェイト−二ナトリウム
塩、エチルアシッドホスフェイト−二カリウム塩;イソ
プロピルアシッドホスフェイト、イソプロピルアシッド
ホスフェイト−一ナトリウム塩、イソプロピルアシッド
ホスフェイト−一カリウム塩、イソプロピルアシッドホ
スフェイト−二ナトリウム塩、イソプロピルアシッドホ
スフェイト−二カリウム塩;ブチルアシッドホスフェイ
ト、ブチルアシッドホスフェイト−二ナトリウム塩、ブ
チルアシッドホスフェイト−二カリウム塩;2−エチル
ヘキシルアシッドホスフェイト、2−エチルヘキシルア
シッドホスフェイト−一ナトリウム塩、2−エチルヘキ
シルアシッドホスフェイト−一カリウム塩、2−エチル
ヘキシルアシッドホスフェイト−二ナトリウム塩、2−
エチルヘキシルアシッドホスフェイト−二カリウム塩な
どがあげられる。
【0020】リン酸化合物の添加量は、生成する炭酸カ
ルシウムの理論収量に対して0.3重量%以上の割合で
あり、好ましくは0.3〜50重量%、より好ましくは
0.6〜20重量%である。リン酸化合物の添加量が0
.3重量%に満たないときは、生成した球状炭酸カルシ
ウム中に菱面体の炭酸カルシウムの混在が認められるよ
うになるため、好ましくない。
【0021】リン酸化合物の存在下での塩化カルシウム
と炭酸水素塩および/または炭酸塩との反応は、0〜6
0℃、好ましくは10〜40℃で行なうのが適当である
。また、反応時間は攪拌下で5〜30分程度、好ましく
は10〜20分程度が適当である。反応後の反応液のp
Hは、炭酸水素塩の場合で6〜8、炭酸塩の場合で8〜
10であった。
【0022】反応後、生成物を濾別し、水で洗浄、乾燥
することより、目的とする炭酸カルシウムが得られる。 このものは、平均粒径(メジアン径)が約4〜8μmの
範囲にあり、粒径は約2〜12μmの範囲には50%以
上の粒子が存在する。このようにして得られた炭酸カル
シウムは、X線回折の結果、少なくともバテライト形を
30%以上含むほぼ球状物である。かくして得られる球
状炭酸カルシウムは室温大気中で長期間にわたって安定
である。
【0023】なお、本発明でいう球状とは、真円形の球
状のほか、楕円形に近いものをも含む概念である。また
、反応は水溶液のほか、水に低級アルコール等の溶剤を
混合したような水系媒体中にて行ってもよい。
【0024】
【作用】本発明の球状炭酸カルシウムは、大気中での安
定性にすぐれており、その球形状態を長期間にわたって
維持することができる。また、本発明の方法では、所定
量の特定リン酸化合物の存在下で反応を行わせるので、
該リン酸化合物が結晶改質剤として作用し、安定な球状
炭酸カルシウムを高収率で経済的に得ることができる。
【0025】
【実施例】つぎに実施例をあげてこの発明の球状炭酸カ
ルシウムおよびその製造方法を説明する。 実施例1 生成する炭酸カルシウムの理論収量に対して0.3重量
%となるようにトリメタリン酸ナトリウム30mgを添
加した、0.5モル/l のCaCl2 水溶液200
 ml を1000mlビーカーに入れ、室温下、マグ
ネチックスターラーで攪拌しながら、この水溶液に0.
5モル/l のNa2 CO3 水溶液200mlを加
えた。混合後、さらに10分間攪拌を続行し、ついで反
応物をメンブランフィルタで濾別し、充分に水で洗浄し
たのち、約120℃で乾燥させ、炭酸カルシウムを得た
。 実施例2 トリメタリン酸ナトリウムの60mg( 生成する炭酸
カルシウムの理論収量に対して0.6 重量%) を添
加したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを
得た。 実施例3 トリメタリン酸ナトリウムの2000mg(生成する炭
酸カルシウムの理論収量に対して20重量%) を添加
したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを得
た。 実施例4 トリメタリン酸ナトリウムの5000mg(生成する炭
酸カルシウムの理論収量に対して50重量%) を添加
したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを得
た。 実施例5 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、テトラメタリン酸
ナトリウムの60mg(生成する炭酸カルシウムの理論
収量に対して0.6重量%)を添加したほかは、実施例
1と同様にして炭酸カルシウムを得た。 実施例6 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、トリポリリン酸ナ
トリウムの60mg(生成する炭酸カルシウムの理論収
量に対して0.6重量%)を添加したほかは、実施例1
と同様にして炭酸カルシウムを得た。 実施例7 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、2−ホスホノブタ
ントリカルボン酸−1,2,4の60mg(生成する炭
酸カルシウムの理論収量に対して0.6重量%)を添加
したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを得
た。 実施例8 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、1−ヒドロキシエ
チリデン−1,1−ジホスホン酸の60mg(生成する
炭酸カルシウムの理論収量に対して0.6重量%)を添
加したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを
得た。 実施例9 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、アミノトリ(メチ
レンホスホン酸)の60mg(生成する炭酸カルシウム
の理論収量に対して0.6重量%)を添加したほかは、
実施例1と同様にして炭酸カルシウムを得た。 実施例10 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、エチレンジアミン
テトラ(メチレンホスホン酸)の60mg(生成する炭
酸カルシウムの理論収量に対して0.6重量%)を添加
したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを得
た。 実施例11 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、ビス(ポリ−2−
カルボキシエチル)ホスフィン酸ナトリウムの60mg
(生成する炭酸カルシウムの理論収量に対して0.6重
量%)を添加したほかは、実施例1と同様にして炭酸カ
ルシウムを得た。 実施例12 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、メチルアシッドホ
スフェイトの60mg(生成する炭酸カルシウムの理論
収量に対して0.6重量%)を添加したほかは、実施例
1と同様にして炭酸カルシウムを得た。 実施例13 トリメタリン酸ナトリウムに代えて、ブチルアシッドホ
スフェイトの60mg(生成する炭酸カルシウムの理論
収量に対して0.6重量%)を添加したほかは、実施例
1と同様にして炭酸カルシウムを得た。 実施例14 炭酸塩として炭酸ナトリウムに代えて、1.0モル/l
の炭酸水素ナトリウム水溶液200mlを用いたほかは
、実施例2と同様にして炭酸カルシウムを得た。 実施例15 トリメタリン酸ナトリウムの10000mg(生成する
炭酸カルシウムの理論収量と同量である100重量%)
を添加したほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウ
ムを得た。 比較例 トリメタリン酸ナトリウムの10mg(生成する炭酸カ
ルシウムの理論収量に対して0.1重量%)を添加した
ほかは、実施例1と同様にして炭酸カルシウムを得た。
【0026】各実施例および比較例で得られた炭酸カル
シウムの収量、平均粒径、比表面積、バテライトの割合
をそれぞれ表1に示した。平均粒径はメジアン径であり
、比表面積はBET法で求めた。なお、粒径は、堀場製
作所製のレーザ回折式粒度分布測定装置「LA−500
」を用いた。また、バテライトの割合は、下記式に従っ
て算出した  M.S.Rao,Bull.Chem.
Soc.Japan,46,1414(1973)。
【0027】             バテライトの割合F(v) 
=f(v) ×100ここで、f(v) = 1− I
104(C)/(I110(V)  +I112(V)
+I114(V)+I104(C))   式中、I1
04(C)  はカルサイトの104 面におけるX線
回折強度、        I110(V)  はバテ
ライトの110 面におけるX線回折強度、     
   I112(V)  はバテライトの112 面に
おけるX線回折強度、        I114(V)
  はバテライトの114 面におけるX線回折強度で
ある。
【0028】
【表1 】 また、炭酸カルシウムの理論収量に対するトリメタリン
酸ナトリウムの添加量(重量%)とバテライトの割合と
の関係を図1に示す。図2および図3はそれぞれ実施例
1および4のX線回折の結果を示すグラフである。また
、図4は、実施例2で得られた球状炭酸カルシウムの示
差熱分析(DTA)曲線および重量変化(TG)曲線を
示すグラフである。DTA曲線に見られる420℃での
発熱は、バテライトからカルサイトへの転移によるもの
と考えられる。
【0029】図5〜図19はそれぞれ実施例1〜15で
得た球状炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真、図20は比
較例で得た球状炭酸カルシウムの電子顕微鏡写真である
。また、実施例2で得られた球状炭酸カルシウムを室温
大気中(約25℃)に放置してその安定性を調べた。 その結果を表2に示す。また、120日経過後の炭酸カ
ルシウムの電子顕微鏡写真を図21に示す。なお、以上
の電子顕微鏡写真の倍率はいずれも1000倍である。
【0030】これらの実施例および比較例から、所定量
の特定リン酸化合物の存在下で反応を行わせることによ
り、球状炭酸カルシウムが得られることがわかる。また
、球状炭酸カルシウムは大気中で安定であり、容易にカ
ルサイト形等に転移することがない。
【0031】
【発明の効果】本発明の球状炭酸カルシウムは、大気中
で安定であり、その球形の粒子形状を長期間にわたって
維持することができ、従って分散性、充填性、滑性、伸
展性、研磨性、塗装性、展着性等の特性にすぐれ、添加
剤、充填剤として好適に使用できるという効果がある。
【0032】また、本発明の球状炭酸カルシウムの製造
方法によれば、塩化カルシウムと炭酸水素塩および/ま
たは炭酸塩とを、所定量の特定リン酸化合物の存在下で
反応させることにより、球状炭酸カルシウムを容易に製
造することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】生成炭酸カルシウムの理論収量に対するトリメ
タリン酸ナトリウムの添加量(重量%)とバテライトの
割合との関係を示すグラフである。
【図2】実施例1のX線回折の結果を示すグラフである
【図3】実施例4のX線回折の結果を示すグラフである
【図4】実施例2で得られた球状炭酸カルシウムの示差
熱分析曲線および重量変化曲線を示すグラフである。
【図5】実施例1で得た球状炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例2で得た球状炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例3で得た球状炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図8】実施例4で得た球状炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図9】実施例5で得た球状炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図10】実施例6で得た球状炭酸カルシウムの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真である。
【図11】実施例7で得た球状炭酸カルシウムの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真である。
【図12】実施例8で得た球状炭酸カルシウムの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真である。
【図13】実施例9で得た球状炭酸カルシウムの粒子構
造を示す電子顕微鏡写真である。
【図14】実施例10で得た球状炭酸カルシウムの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図15】実施例11で得た球状炭酸カルシウムの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図16】実施例12で得た球状炭酸カルシウムの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図17】実施例13で得た球状炭酸カルシウムの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図18】実施例14で得た球状炭酸カルシウムの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図19】実施例15で得た球状炭酸カルシウムの粒子
構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図20】比較例で得た球状炭酸カルシウムの粒子構造
を示す電子顕微鏡写真である。
【図21】実施例2で得られた炭酸カルシウムを室温大
気中で120日間放置したときの粒子構造を示す電子顕
微鏡写真である。
【表2】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バテライト形を30%以上含有することを
    特徴とする球状炭酸カルシウム。
  2. 【請求項2】塩化カルシウムと炭酸水素塩および/また
    は炭酸塩とを水系媒体中にて反応させる炭酸カルシウム
    の製造方法において、前記水系媒体中に、下記一般式(
    I) 〜(VIII)で表されるリン酸化合物のうち少
    なくとも1種を、生成する炭酸カルシウムの理論収量に
    対して0.3重量%以上の割合で存在させることを特徴
    とする球状炭酸カルシウムの製造方法。 Mn+2 Pn O3n+1            
      ・・・(I )(式中、Mは水素原子またはアルカ
    リ金属、nは1または1より大きい整数である) (MPO3)m                  
     ・・・(II)(式中、Mは前記と同じ、mは3また
    は4の整数である) 【化1】 (式中、M3a,M3b, M3c, M3dおよびM
    3eは同一または異なって、水素原子またはアルカリ金
    属である)【化2】 (式中、M4a,M4b, M4cおよびM4dは同一
    または異なって、水素原子またはアルカリ金属である)
    【化3】 (式中、M5a,M5b, M5c, M5d,M5e
    およびM5fは同一または異なって、水素原子またはア
    ルカリ金属である) 【化4】 (式中、M6a,M6b, M6c, M6d,M6e
    ,M6f,M6gおよびM6hは同一または異なって、
    水素原子またはアルカリ金属、zは1〜4の整数である
    ) 【化5】 (式中、M7a,M7bおよびM7cは同一または異な
    って、水素原子またはアルカリ金属、xとyとの和は4
    〜16である) 【化6】 (式中、M8aおよびM8bは同一または異なって、水
    素原子またはアルカリ金属、qは1〜18の整数である
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