JPH04237476A - 生肉片類の接着方法 - Google Patents

生肉片類の接着方法

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JPH04237476A
JPH04237476A JP3065707A JP6570791A JPH04237476A JP H04237476 A JPH04237476 A JP H04237476A JP 3065707 A JP3065707 A JP 3065707A JP 6570791 A JP6570791 A JP 6570791A JP H04237476 A JPH04237476 A JP H04237476A
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meat
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JP3065707A
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Haruo Negishi
晴夫 根岸
Motoi Matsuura
松浦 基
Sumio Yoshikawa
吉川 純夫
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Meiji Milk Products Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生肉片類を接着して、
一定形状にする方法及び接着して得られた肉類に関する
ものである。一般に、生肉の加工工程に於いて副次的に
様々の形態の小肉片を生ずるが、これらの小肉片は利用
価値が低く、挽き肉等にしか利用されない。本発明はこ
れらの小肉片を有効利用するため、小肉片同志を接着し
て大きな肉塊に再構成するための生肉片類の接着方法及
び接着して得られた肉類に関するものである。生肉の段
階で接着出来れば、小肉片の大型化、不定形肉の定形化
が可能になり、生産性、歩留り、並びに資源の有効利用
のために資するところが大である。
【0002】
【従来の技術】従来、生肉片類を接着させる方法は種々
試みられ、大別すると接着部を強アルカリ性にして接着
させる方法と微酸性の肉pH付近で接着させる方法とが
ある。前者の例としては、タンパク材、多糖類を強いア
ルカリ剤(水酸化カルシウム、酸化カルシウム、卵殻焼
成粉、など)と混合して、生肉表面に付着させた後、生
肉片相互を接着させる方法(特公昭47−14905、
同52−12789、同58−32858、同63−5
065など);生肉にコンニャクマンナンを加えたのち
、水酸化カルシウム溶液に浸漬し、加圧接着してブロッ
ク状肉とする方法(特開昭55−13031);D−ソ
ルビットと水酸化カルシウムとの錯体を結着剤として生
肉片を結着させる方法(特公昭64−11273);血
清粉末にアルカリ土類金属の水酸化物、又は酸化物、或
いは骨粉、貝殻粉末よりなるアルカリ剤を少量混合した
粉体を結着剤とする生肉片の結着方法(特開昭61−2
65070)などがある。
【0003】一方、後者の肉pH付近(微酸性)での接
着法の例としては、本発明者らの開発に係る、アルカリ
処理を行った大豆タンパク質に酸性ピロリン酸カルシウ
ムを混合したものを接着剤とし、これを予め塩化カルシ
ウムで表面処理をした生肉片に付着させた後、生肉片同
志を接着させる方法(特開平1−132354);動物
タンパク質からミオシン区タンパク質を回収し、結着剤
とする肉塊結着法(特公昭51−24582);無塩凍
結乾燥粉末すり身或いは動物筋肉タンパク質の粉末と食
塩とを生肉片類に併用添加する肉類の結着法(特公昭5
5−30345、特公昭58−50703);ミルク・
カゼインとカルシウム塩・グルコノデルタラクトンの混
合粉末を肉塊類に添加し、形成したカゼインの凝固ゲル
を利用する肉類の結着法(特公昭54−984);アル
ギン酸塩及び石灰化合物の混合粉末を結着剤とする肉塊
結着法(特公昭47−22258);アルギン酸塩、カ
ルシウム塩、グルコノデルタラクトン及びナトリウムエ
リソルベートの混合粉末を結着剤とする結着肉の製造法
(特公昭62−502238)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術にお
いて、アルカリ剤を使用する接着剤が最もポピュラーで
実用化されているが、これらアルカリ剤を使用する接着
剤は、pH10〜12という強力なアルカリ剤の作用で
生肉表面の筋肉タンパク質を溶解し接着するので、接着
生肉表面並びに接着剤の浸透した部分の生肉のpHが6
以上、多くの場合7〜9にも達する。一般に、生肉のp
Hは5.3〜5.9の範囲内にあり、pHが6以上のも
のは異常、時には腐敗とみなされる。この場合、異臭の
発生、変色を伴い、栄養成分も変化し、製品に与える損
害は大きく、また強アルカリであるので、取扱上も危険
であり、とうてい良好で安全な生肉接着剤とは言い難い
ものである。
【0005】また、リン酸三カルシウムを使用するもの
や、すり身、アルギン酸カルシウム、カゼインを使用す
るものは、強アルカリ剤を使用するものに較べれば、条
件的には温和なものであるが、接着力が弱く、生肉用と
して実用化することは困難である。しかもアルギン酸カ
ルシウム、カゼインによる接着は、加熱により更に接着
力が弱められるという欠点がある。
【0006】このような事情に鑑み、本発明者らは、先
に、アルカリ処理大豆タンパク質と酸性ピロリン酸カル
シウムとを組合せた接着剤組成物による生肉片の接着方
法(特開平1−132354)を開発したのである。こ
の方法は、アルカリ性下で起こる生肉の品質低下を避け
ると同時に、従来報告されている非アルカリ性下での接
着方法により得られる接着力よりも強度を増すことを目
的として発明されたものである。この発明は、肉pH付
近という理想的な温和な条件で肉片同志を非加熱下で接
着させ、その後の加熱によって、更に接着強度が強化さ
れ、食味性も良好である等の優れた点を多々有している
【0007】しかしながら、この方法も満足すべきもの
ではなく、特に産業上の利用に際してなおこの方法でも
解決すべき問題があった。
【0008】すなわち本発明者らが開発した上記技術は
、接着の対象となる肉表面を予め塩化カルシウムで処理
することによって、肉表面に塩溶性肉タンパク質が抽出
され、この塩溶性タンパク質とアルカリ処理大豆タンパ
ク質とが肉中の遊離水分の存在下で酸性ピロリン酸カル
シウムの作用により凝固反応を起こすことによって接着
させるものであるが、原料肉の種類によっては接着性が
低下する場合があった。即ち、原料肉の品質が悪いと、
塩化カルシウムによる塩溶性タンパク質の抽出性が低下
し、そのために接着性が悪く、接着以降の加工・調理の
際に接着部が剥がれるという欠点があることが判った。 更に、鮮度の悪い肉では接着部が褐変化をするという問
題もあった。
【0009】原料肉の塩溶性タンパク質の抽出性の低下
は、pHが低いPSE様肉(色が淡く(pale)、柔
らかく(soft)、水っぽい(exudative)
肉の略)、繰り返しの凍結・解凍によって凍結変性を受
けた肉、並びに鮮度低下のすすんだ肉等にみられること
が多いが、このような肉でも十分に接着させることがで
きなければ、真に産業上役に立つ接着方法とは言い難い
。むしろ、このような肉片を接着、再構成して貴重な肉
資源を有効に利用することが、当業界において切望され
ているのである。
【0010】本発明は、上記した技術の現状に鑑み、特
に先に本発明者らによって開発された生肉片類の接着法
に関する発明を更に改良する目的でなされたものであっ
て、具体的には、生肉表面の塩溶性タンパク質の抽出性
を増す方法、及び接着部の凝固反応と相互作用を高め接
着強度を向上させる方法並びに接着部の褐変化を防止す
る方法等について種々の検討を加え、本発明を完成する
に至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものであるが、特に、本発明者らは
、生肉片の接着に際し、原料肉の塩溶性タンパク質の抽
出性が悪いために起こる接着力の低下、及び鮮度の悪い
肉で起こる接着部の褐変化の防止方法を中心として各方
面から鋭意研究した。その結果、大豆タンパク質をアル
カリ処理したものを粉末とし、これに酸性ピロリン酸カ
ルシウムを加え混合してなる先に本発明者らが開発した
接着剤の中に、更にピロリン酸ナトリウムとアルギン酸
ナトリウム及びL−アスコルビン酸ナトリウムを混合す
ること、並びに原料肉の表面処理剤として従来の塩化カ
ルシウムの中に更に界面活性剤を添加したものを用いる
ことによって、従来の接着方法の欠点を改良することに
成功した。
【0012】以下に、本発明の内容について更に詳細に
説明する。先ずはじめに、本発明においては生肉片接着
剤作製のための接着基材(第一物質)として、大豆タン
パク質溶液をアルカリ処理したものとアルギン酸ナトリ
ウムとを使用する。大豆タンパク質のアルカリ処理は、
既に本発明者らが特開平1−132354に記載した方
法に準じて行う。即ち、適当濃度に溶解した濃縮又は分
離大豆タンパク質溶液を水酸ナトリウム又はカリウムで
pH10〜13に調整し、反応温度を20〜40℃とし
て、4〜6時間保持後、pHを塩酸で6.0〜7.5に
まで戻し中和する。これを噴霧乾燥、凍結乾燥などによ
り粉末とする。これらの処理pH、温度、時間及び最終
調整pHを組合せた範囲内でアルカリ処理した大豆タン
パク質であれば、何れの条件に於いても接着性が良いタ
ンパク質基材を得ることができる。一方、アルギン酸ナ
トリウムは化学的にはD−マンヌロン酸(以下Mと略)
とL−グルロン酸(以下Gと略)とで構成され、公知の
ようにカルシウムと反応してアルギン酸カルシウムのゲ
ルを形成する性質がある。本発明はこの性質を利用し、
接着部にアルギン酸カルシウムのゲルを形成させること
によって、接着強度の向上を達成するものである。アル
ギン酸ナトリウムの種類としては、Gが多くM/G比の
低いものほど固いゲルを形成し、接着剤としては望まし
い。
【0013】次に第二の物質として、酸性ピロリン酸カ
ルシウムとピロリン酸ナトリウムを添加する。酸性ピロ
リン酸カルシウムは水に溶け難いが、懸濁液のpHは2
.4〜2.5と低いため、接着面で徐々に溶解し接着部
のpHをpH5.0〜6.0の範囲内に調整する作用を
有する。更に、接着部において、カルシウムイオンが遊
離するため、第一物質の接着基材と表面処理により生成
した被着肉表面の塩溶性タンパク質との反応物に作用し
、接着部を硬化させるための凝固剤としても作用するも
のである。一方、ピロリン酸ナトリウムは、塩化ナトリ
ウム、塩化カルシウムなどの塩類よりも肉タンパク質に
対する溶解作用が強く、生肉表面の塩溶性タンパク質の
抽出性を高める作用があり、同時に接着部のpHを5.
0〜6.0の範囲内に調整する作用も併有する。そして
更に、ピロリン酸ナトリウムより遊離したピロリン酸イ
オンは、前述の酸性ピロリン酸カルシウム並びに後述す
る表面処理剤中に含まれている塩化カルシウムから遊離
したカルシウムイオンと強い結合反応を起こし、接着強
度を高めていると考えられる。
【0014】次に第三物質として、L−アスコルビン酸
ナトリウムなどの還元性のある物質を、接着部の褐変化
による変色防止の目的で添加する。還元性物質としては
、L−アスコルビン酸ナトリウムのほか、トコフェロー
ル等還元性物質ないし抗酸化性物質が天然物、合成品を
問わず各種使用できる。
【0015】これら接着剤の組成は、アルカリ処理大豆
タンパン質を主成分として、接着剤中に少なくとも50
%以上含むことを特徴とし、更にこの中にアルギン酸ナ
トリウムを5〜30部、酸性ピロリン酸カルシウムを3
〜20部、ピロリン酸ナトリウムを5〜30部、及び還
元性物質(L−アスコルビン酸ナトリウム)を1〜10
部混合したもので、望ましくはアルカリ処理大豆タンパ
ク質を55〜75部、アルギン酸ナトリウムを5〜15
部、酸性ピロリン酸カルウシウムを4〜10部、ピロリ
ン酸ナトリウムを8〜15部並びに還元性物質(L−ア
スコルビン酸ナトリウム)を3〜6部混合し、接着剤を
調製する。
【0016】本発明を実施するには、予め塩化カルシウ
ムで表面処理をした生肉片表面に、上記によって調製し
た新規接着剤を付着せしめ、次いで生肉片同志を圧着せ
しめれば良い。具体的に本接着剤を用いて生肉片を接着
するには、予め塩化カルシウムで表面処理した2枚もし
くは2枚以上の生肉片の片側、または、両側に本接着剤
粉末を被着せしめ、接着面に空隙を生じないように圧着
し、30分以上、常温又は冷蔵下におくことにより、接
着が完了する。接着は強固であって、従来の接着方法よ
りも格段に接着強度は上昇しており、本発明の所期の目
的は充分に達成される。
【0017】しかしながらそれぞれも未だ、原料肉によ
っては接着強度の弱い場合が認められたり、接着自体も
均一でなく接着性にバラツキが生じるといった問題点も
認められた。本発明は、これらの問題点も更に解決して
きわめてすぐれた生肉片の接着方法を更に提供するもの
である。
【0018】既に述べたように、原料肉による接着性低
下の主たる原因は、表面処理後の肉表面からの塩溶性タ
ンパク質の抽出性が悪いためである。そこで従来より肉
の塩溶性タンパク質の抽出性を高める手段として、塩化
ナトリウム、塩化カルシウムなどの塩類のイオン強度を
高めたり、ピロリン酸ナトリウムやトリポリリン酸ナト
リウムなどのポリリン酸塩を使用したりしていたが、前
者の塩類はPSE様のpHの低い肉や鮮度の低下した肉
に対しては効果がなく、また後者のポリリン酸塩類は溶
液中で塩化カルシウムと共存すると、カルシウムと反応
して沈澱を形成するという問題があり、理想的な表面処
理剤として使用できなかったのである。
【0019】そこで、本発明の目的を達成しうる表面処
理剤を各方面からスクリーニングした結果、全く予期せ
ざることに界面活性剤が肉の塩溶性タンパク質の抽出性
を高めるという知見を得た。
【0020】本発明において使用可能な界面活性剤とし
ては、食品添加物に含まれ、上記した要件を備えたもの
であり、しかも望ましくは水溶性の物質であればすべて
の界面活性剤が使用可能である。その例としては、HL
B(親水性親油性バランス)が10以上好ましくは13
以上のショ糖脂肪酸エステル類が挙げられ、具体的には
ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エス
テル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エ
ステルなどである。これらの物質の何れか一つ、又は二
種類以上のものを組合せて塩化カルシウムに混ぜ、表面
処理剤として使用すると、先に述べた原料肉の性質に起
因する接着性の低下を防止することが出来、かつ通常の
肉の接着強度も一層、強固にすることが出来るのである
【0021】本表面処理剤において、塩化カルシウムに
対する界面活性剤の混合割合としては、塩化カルシウム
50〜95部に対して、界面活性剤を5〜50部添加す
ることを特徴とするが、望ましくは、塩化カルシウム6
5〜85部に対して、界面活性剤を15〜35部添加す
るのが良い。このようにして調製した表面処理剤に依る
生肉片の表面処理方法としては、例えば次に記載した方
法に従って行うのがよい。即ち、■生肉片重量に対し0
.5〜1.5%の上記表面処理剤の粉末をまぶす方法。 ■上記■で述べた表面処理剤を少量の水と混ぜペースト
にして添加する方法。■1.0〜6.0%の表面処理剤
溶液に浸漬する方法、及び■1.0〜10%の表面処理
剤溶液を刷毛などで肉表面に塗布する方法がある。 表面処理の時間は10〜60分間で、溶液状態の方が処
理時間を短縮出来る。
【0022】以上述べた表面処理剤と接着剤に依り生肉
片を接着するには、先に述べた塩化カルシウムのみから
なる表面処理剤の場合と同様に行えばよい。先づ2枚も
しくは2枚以上の生肉片の表面を本表面処理剤で処理後
、生肉片の片側、又は、両側に本接着剤粉末を被着せし
め、接着面に空隙を生じないように圧着し、30分以上
、常温、又は、冷蔵下におくことにより、接着が完了す
る。このようにして接着した接着肉の接着力は非常に強
く、接着肉のpHは5.0〜6.0、好ましくは5.3
〜5.8の範囲内であり、変色・異味・異臭の発生もな
く、塩化カルシウム単独使用の場合よりもすぐれていた
。接着剤の被着量は、被着面の状態や面積により異なる
が、通常被接着物100部に対して0.1〜10部程度
で十分である。
【0023】本発明による接着剤は、牛肉、豚肉、鶏肉
のみならず、ターキー肉、マトン、うさぎ肉等の全ての
生肉に適用できる。
【0024】以下に、本発明の実施例を示す。
【0025】
【実施例1】接着用生肉片として牛肉、豚肉、鶏肉の2
0×50×120mm程度の大きさのもの、夫々2枚ず
つを用意した。濃縮大豆タンパク質(フジピュリナプロ
ティン(株)製)の6%溶液を作製し、5N−NaOH
でpH10に調整し、反応温度を40℃として、6時間
保持後、pHを5N−HClでpH7.5にまで戻した
。この溶液を凍結乾燥し、固形物を粉砕してタンパク質
基材とした。このタンパク質基材75部に、アルギン酸
ナトリウム7部、酸性ピロリン酸カルシウム5部、ピロ
リン酸ナトリウム9部、及びL−アスコルビン酸ナトリ
ウムを4部混合したものを接着剤とした。次に5%の表
面処理液(塩化カルシウム65部とショ糖ステアリン酸
エステル35部の混合物)を調製し、予め用意した上記
各種の生肉片を、この液の中に30分浸漬して表面処理
を行い、取り出してペーパータオルで過剰の付着液を拭
き取った夫々の生肉片の接着面に予め調製した前述の接
着剤粉末を付着し、2枚を重ね合せた。これを50×5
0×120mmの小型リティナーに詰め、冷蔵庫内で3
時間放置し接着した。各生肉片は十分に接着しており、
接着面のpHは夫々5.5、5.7、5.6で、接着面
の変色もなく良好であった。この接着生肉片をスライス
してホットプレートで調理した結果、生肉片同士は一層
強く固着し、試食の結果、味・香りとも本来の肉と全く
変りがなかった。
【0026】
【実施例2】分離大豆タンパク質(フジピュリナプロテ
ィン(株)製)の4%溶液を作製し、5N−NaOHで
pH13に調整し、反応温度を20℃として5時間保持
後、pHを5N−HClでpH6.5まで戻し、実施例
1と同様に乾燥・粉砕処理してタンパク質基材とし、全
く同じ組成で接着剤の混合粉末を調製した。次に10%
表面処理液(塩化カルシウム85部とショ糖パルミチン
酸エステル、又はショ糖オレイン酸エステル、又はショ
糖ラウリン酸エステル15部の混合品)を調製し、実施
例1で使用したのと同じ各種生肉片の表面に、上記表面
処理液を刷毛で塗布した。塗布した肉表面の水分蒸発を
防止するためにポリエチレンフィルムなどのシートで覆
い、30分間放置して表面処理を行った。この生肉表面
に予め調製した接着剤を、実施例1と同様な手順で付着
させ、リティナーに詰め接着肉を作製した。何れの界面
活性剤を用いて生肉片の表面処理を行った場合も、各生
肉片は十分に接着しており、接着面のpHも正常で、変
色もなく良好であった。また、このスライス肉を加熱調
理した場合も、本来の肉と変わりなく良好な食味であっ
た。
【0027】
【実施例3】実施例2と同じ大豆タンパク質溶液を、5
N−NaOHでpH11に調製し、反応温度を30℃と
して、4時間保持後、pHを6.0にまで戻した溶液を
実施例1、2と同様に乾燥・粉砕処理してタンパク質基
材とし、次の組成の接着剤の混合粉末を調製した。アル
カリ処理大豆タンパク質67部、アルギン酸ナトリウム
10部、酸性ピロリン酸カルシウム7部、ピロリン酸ナ
トリウム12部、L−アスコルビン酸ナトリウム4部。 次に表面処理剤として、塩化カルシウム75部とショ糖
ラウリン酸エステル25部の混合物の3%溶液を調製し
、実施例1と同様に、各種生肉片の表面処理を行った。 これら生肉表面に上記配合の接着剤を付着させ、リティ
ナーに詰め接着したものを冷蔵1時間、更に冷凍(−2
5℃)下で一夜放置したものを解凍後、接着力をみたと
ころ、接着強度は十分あり、調理後の風味も良好であっ
た。
【0028】
【実施例4】実施例2と同じ大豆タンパク質溶液を、5
N−KOHでpH12に調製し、反応温度を20℃とし
て、5時間保持後、pH7.0に戻した溶液を今まで述
べた実施例と同様に処理して、アルカリ処理大豆タンパ
ク質55部、アルギン酸ナトリウム15部、酸性ピロリ
ン酸カルシウム10部、ピロリン酸ナトリウム15部、
L−アスコルビン酸ナトリウム5部を混合し、接着剤を
調製した。次に実施例3と同じ方法で各種生肉片の表面
処理を行い、上記接着剤を実施例1と同様に付着させ接
着肉を作製したところ、接着力は十分あり、pHの異常
、変色もみられず、調理したものの風味も良好であった
。なお、表面処理液としてショ糖脂肪酸エステルを併有
しないものを使用した場合、接着力は上記には劣るもの
の同様にすぐれた風味、品質を有する接着肉が得られた
【0029】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。す
なわち、(1)通常の生肉のpH(5.3〜5.9)の
範囲内で、生肉の品質(組織、色調、香味)を損ねるこ
となく、生肉片を強固に接着することができる。(2)
生肉の接着面が変色せず、調理後の味も変化せず、栄養
素の破壊もない。(3)温和な条件で処理できるので、
取扱が容易、かつ安全である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】    第一物質として、大豆タンパク質
    をアルカリ処理したものを粉末化し、これにアルギン酸
    ナトリウムを添加したもの、第二物質として、酸性ピロ
    リン酸カルシウムとピロリン酸ナトリウム、第三物質と
    して、還元性物質を混合した粉体混合物を接着剤として
    生肉片の表面に付着せしめ、2枚もしくは2枚以上の生
    肉片を圧着し、常温又は冷蔵下で接着させることを特徴
    とする生肉片の接着方法。
  2. 【請求項2】  被接着用生肉片を予め塩化カルシウム
    と必要に応じて界面活性剤を含む混合溶液で表面処理し
    たものを用いることを特徴とする請求項1の生肉片の接
    着方法。
  3. 【請求項3】  接着剤の混合粉末は生肉片に付着させ
    たとき、生肉片の表面pHが5.0〜6.0の範囲内に
    あるように粉末の混合比率を決めて接着させることを特
    徴とする請求項1又は請求項2の生肉片の接着方法。
  4. 【請求項4】    大豆タンパク質のアルカリ処理は
    大豆タンパク質溶液を水酸化ナトリウム又は水酸化カリ
    ウムでpH10〜13に調整し、反応温度を20〜40
    ℃として、4〜6時間保持後、pHを微酸性から微アル
    カリ性に戻すことからなるものであることを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の生肉片の接
    着方法。
  5. 【請求項5】  接着剤の組成として請求項4に記載し
    た大豆タンパク質を主成分としてこれを接着剤中に少な
    くとも50%以上含むことを特徴とし、更にこの中にア
    ルギン酸ナトリウムを5〜30部、酸性ピロリン酸カル
    シウムを3〜20部、ピリロリン酸ナトリウムを5〜3
    0部、及び還元性物質を1〜10部混合して調製するこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の生肉片の接着方法。
  6. 【請求項6】  請求項1〜請求項5のいずれか1項に
    記載の接着方法によって生肉片を接着してなる肉。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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