JPH04236960A

JPH04236960A - 血液回収輸血装置

Info

Publication number: JPH04236960A
Application number: JP3078162A
Authority: JP
Inventors: Mamoru Nishijima; 西島　護; Yukihiko Sakaguchi; 幸彦坂口; Hiroshi Okamoto; 浩岡本; Kenzo Yasuura; 保浦　賢三
Original assignee: Sumitomo Bakelite Co Ltd
Current assignee: Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date: 1991-01-21
Filing date: 1991-01-21
Publication date: 1992-08-25

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、手術中又は手術後に
患者から失われる血液を回収、貯血して、再輸血するた
めの装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、後天的免疫不全症候郡（ＡＩＤＳ
）や肝炎の感染の恐れ、外部蛋白質に対する免疫反応等
の問題及び貯蔵血液自体の節約と云う観点から、外科手
術の最中に流出された患者自身の血液を術野から吸引回
収し、洗浄又は濾過等を行い返血する自己輸血が普及し
てきている。

【０００３】自己血回収、輸血方式は、一般には非洗浄
方式と洗浄方式の２つに大別され、以下の基本構造を有
している。非洗浄方式は単に血液を集血したものを血液
フィルター等を通すだけで返血する方式であり、安全上
の観点から汚染度の少ない胸部関係の手術に限られる。

【０００４】これに対して、洗浄方式は血液の流入部、
集血するリザーバー、吸引するポンプ、血液を洗浄、濃
縮する機構（遠心分離方式が普及）及び返血バッグから
なり接続構成されているが、個別に管理できる吸引機構
を有し、安全で簡便に回収集血できるものが求められて
いる。

【０００５】胸部関係の手術に使用されるものでは、非
洗浄式の装置は市販されているが、胸部ドレナージ用の
チューブが貯血バッグに接続されており、貯血後は貯血
バッグを分離して患者自身に返血する方式を採用してい
る。

【０００６】一方、これらのシステムが適用されるよう
な症例では、胸部ドレナージにおけるきめの細い術後管
理が必要とされる。即ち、術直後の排液量の管理、特に
１時間位の間、容量で云えば２００ｍｌ位迄を細く計測
でき、中でも５０ｃｃ迄はより細く計測して排液量を管
理することが肝要であり、また開胸時に収縮した肺を閉
胸後スムーズかつゆるやかに再膨張させる機能が不可欠
である。

【０００７】これに対して、バッグ状や単なる筒状又は
角状のボトル状のものでは、上記のような排液量の管理
が難しく、またバッグ状のものでは、胸部ドレナージ時
にコントロールされた適正な微陰圧で吸引するには適切
でない。

【０００８】このように、開胸術後に創傷部位からの排
血液を術後ケアーの一環として充分に管理できて、かつ
血液を回収し、濾過し、必要に応じて洗浄して返血する
のに適した、簡便な吸引器付血液回収・輸血装置として
は適切なものがないのが現状である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、自己血回収
・輸血のこのような現伏に鑑みてなされたもので、自己
血を回収し、濾過して患者に直に輸血する場合と、洗浄
、濃縮して返血する装置と組合せて使用する場合の双方
に対応できる装置であって、患者からの排血を適切な圧
力で吸引集血して貯血すると共に、血液抗凝固剤を有効
に投与でき、かつ生じた血栓も除去出来て、外気で汚染
されることなく安全に回収し、輸血出来、かつ術後管理
にも便利な血液回収・輸血装置を提供することを目的と
するものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】即ち本発明は、排血液を
吸引回収し輸血するための装置であって、集血容器を中
心とする集血部と、集液・水封部及び吸引圧設定部から
なる吸引集液部とから基本的に構成され、集血容器は、
上部に血液流入口、血液抗凝固剤を注入するためのポー
ト、吸引集液部との連結口、及び開閉機構を付設したエ
アーフィルターを設けると共に、血液流入口には濾過機
構を介して、開閉機構及び接続脱着部を付設したＣＴチ
ューブを接続し、該ＣＴチューブもしくは濾過機構には
血液抗凝固剤を注入するためのポートを配設し、下部は
細長形状になすと共に、ゴム栓を付設した接続口と、開
閉機構を付設した接続口とを設け、一方、集液・水封部
は集液室と水封室からなり、集液室の上部に流入口を設
けて、開閉機構を設けた連結チューブにより集液容器上
部の連結口と連結すると共に、水封室の上部は連結チュ
ーブにより吸引圧設定部の上部と連結したことを特徴と
する血液回収輸血装置である。

【００１１】以下、図面を参照して本発明による血液回
収・輸血装置の詳細について説明する。図１は集血部と
吸引集液部とをセットにした、本発明による装置の全体
を示す図で、図２は集血部を切り離して、吸引集液部を
排液のみの目的で使用する状態を示した図である。

【００１２】本発明による血液回収・輸血装置は、気体
流通的に連通した集血容器（１）を中心とする集血部と
、集液・水封部（１４）及び吸引圧設定部（２０）から
なる吸引集液部の２つの部分から基本的に構成されてお
り、図示した実施例のように集血容器（１）、集液・水
封部（１４）、及び吸引圧設定部（２０）を各々独立し
た個別の剛性容器で構成し、相互に連結チューブ（１９
）、（２１）で気体流通的に連通させても良いし、また
一体化した１個の容器で構成し、隔壁に連通口を設けて
も何等差し支えはない。また、集血容器（１）は、軟質
の素材で製作したバッグ状の容器であっても使用可能で
ある。

【００１３】集血容器（１）は、円筒形、球形、角形の
いずれでも良いが、取扱いし易いようにコンパクトにま
とめることが望ましく、集血した血液量が測定し易く、
かつ状態の観察が出来るように透明ないし半透明な材質
で作るのが良い。特に術直後の出血量を正確に計量でき
るように設計されているのが好ましく、特に２００ｍｌ
位迄が重要である。材質としては、軽量な材質であれば
特に制限はないが、例えば硬質塩化ビニール樹脂等を用
いるのが適当である。

【００１４】集血容器（１）の上部には、血液流入部と
して、濾過機構Ａ（４）を介して接続脱着部Ａ（５）で
開閉機構Ａ（６）を有するＣＴチューブ（７）と接続し
ている。ＣＴチューブ（７）はカテーテルを介して患者
の体内に通じており、血液が排出されてくる。また、濾
過機構Ａ（４）又はＣＴチューブ（７）には、クエン酸
等の血液抗凝固剤を注入するための注入ポート（８）が
設けられている。

【００１５】一方、集血容器（１）の下部には、ゴム栓
（１１）が付設されていて輸血回路セットの接続針が穿
刺出来る血液を送出するための接続口（１３）と、これ
と対になって血液洗浄機に通じる開閉機構Ｂ（１２）が
付設された接続口（１３’）が設けられており、ルアー
ロック機構が操作し易すく好しい。

【００１６】濾過機構Ａ（４）は、血液凝固物やその他
の破片を除去するためのもので、その設置位置は図の例
の如く集血容器（１）の血液流入口前でも、また容器内
でも差し支えなく、目詰まり等での交換を考慮した場合
前者が適切である。しかし、容器内ならコンパクトとな
り、各々いずれにしろ利点がある。尚、使用するフィル
ター等の目の荒さを変えて２段階として双方用いる方式
としても良い。濾過機構Ａ（４）には比較的目の荒いフ
ィルター１００〜２５０μが適切であり、前述した如く
２段構造とする場合は、第１段目はプレーフィルター状
にメッシュ状０．２〜０．５ｍ／ｍとし、第２段目はあ
る程度の細さのあるフィルター１００〜２５０μとする
のが適切である。

【００１７】集液・水封部（１４）は集液室（１５）と
水封室（１６）からなり、集液室（１５）の上部には排
液の流入口（１７）が設けられていて、接続脱着部Ｂ（
１８）を有する連結チューブ（１９）で、集血容器（１
）の上部に連結されている。また、水封室（１６）は上
部で、連結チューブ（２１）により吸引圧設定部（２０
）の上部に連結されており、吸引圧設定部（２０）は吸
引ポンプ等の陰圧源に接続されるようになっている。尚
、吸引圧設定部は、図１に示したような水柱式の他、吸
引ポンプ自体が圧力を微調整できる機構のものを用いて
も差しつかえない。

【００１８】図１に示すように集血部と吸引集液部とを
セットにした装置で集血した後は、集液室（１５）上部
の流入口（１７）から接続脱着部Ｂ（１８）を取りはず
し、ＣＴチューブ（７）端部の接続脱着部Ａ（５）を濾
過機構Ａ（４）から流入口（１７）へつなぎ替える。こ
れにより、図２に示すような低圧接続吸引のドレナージ
に切り換わり、集液室（１５）に溜った排血液は廃棄さ
れる。

【００１９】接続脱着部Ｂ（１８）を流入口（１７）か
ら取りはずす際には、集血容器（１）内に回収、貯溜さ
れた血液が汚染されないように、連結チューブ（１９）
に設けた開閉機構Ｃ（２２）を閉じる。また、開閉機構
Ｃ（２２）の代りに、連結チューブ内に逆流防止弁を設
けておくのも一つの方法であり、開閉操作が不要になる
利点がある。

【００２０】次に、回収、貯溜された血液の取扱い方法
について述べる。吸引集液部から切り離された集血部で
は、先ず、図３に示したように、接続脱着部Ｂ（１８）
を濾過機構Ａ（４）頂部の接続部（２５）に接続して、
集液容器（１）をクローズドにする。

【００２１】図３（ａ）は、回収した血液を、輸血回路
を介して直接患者に返血する場合の１実施例を示した図
である。集血容器（１）の下部に設けられた接続口（１
３）に付設したゴム栓（１１）に、輸血回路セットの接
続針（９）を穿刺し、輸血用フィルター（１０）を通し
て患者に輸血（返血）する。

【００２２】図３（ｂ）は、回収、貯溜した血液を、洗
浄、濃縮して貯血し、患者に返血する場合の１実施例を
示した図である。集血容器（１）下部の接続口（１３’
）にチューブを接続し、血液洗浄機（２７）に血液を送
るが、このとき濾過機構Ｂ（２６）を通すのが望ましい
。濾過機構Ｂ（２６）としては、比較的細かいフィルタ
ー（１００μ以下）を使用するのが適切である。

【００２３】尚、図３の（ａ）、（ｂ）いずれの場合に
も、集血容器（１）から血液を取り出す際には、上部に
設けたエアーフィルター（２３）の開閉機構Ｄ（２４）
を開いて、清浄な空気を導入する。また、集血容器（１
）内に貯溜された血液の凝固を防止するため、必要に応
じて注入ポート（８’）から血液抗凝固剤を注入する

【００２４】

【発明の効果】自己血回収において、本発明による装置
を使用することにより、患者より排出される血液を適切
な吸引圧で収集、貯血することができて、集血量も正確
に管理でき、特に術直後の排血量の計量が細くできて、
また、血栓を生じないように血液の抗凝固剤を有効に投
与でき、かつ生じた血液凝固物等は効果的に濾過、除去
でき、更に回収し、貯血した血液を患者自身に輸血する
には、血液フィルターを有する輸血回路セットを介して
直接返血する方法と、洗浄・濃縮装置で洗浄してから返
血する方法のいずれかに選択して使用できる利点を有し
、集血容器は吸引集液部と分離して、かつ汚染されるこ
となくクローズドの状態で使用出来る、簡便な吸引機構
付血液回収・輸血装置を提供するものであり、医療産業
上、極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】集血部と吸引集液部をセットにした、本発明に
よる血液回収輸血装置の一実施例を示す全体図である。

【図２】図１の集血部を切り離して、吸引集液部を排液
のみの目的で使用する状態を示す図である。

【図３】回収、貯溜した血液を集血容器から取り出す方
法を示した図である。

【符号の説明】

１　　　　集血容器１３、１３’　　接続口１４　　集液・水封部１５　　集液室１６　　水封室２０　　吸引圧設定部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】　　排血液を吸収回収し輸血するための装
置であって、集血容器を中心とする集血部と、集液・水
封部及び吸引圧設定部からなる吸引集液部とから基本的
に構成され、集血容器は、上部に血液流入口、血液抗凝
固剤を注入するためのポート、吸引集液部との連結口、
及び開閉機構を付設したエアーフィルターを設けると共
に、血液流入口には濾過機構を介して開閉機構及び接続
脱着部を付設したＣＴチューブを接続し、該ＣＴチュー
ブもしくは濾過機構には血液抗凝固剤を注入するための
ポートを配設し、下部は細長形状になすと共に、ゴム栓
を付設した接続口と、開閉機構を付設した接続口とを設
け、一方、集液・水封部は集液室と水封室からなり、集
液室の上部に流入口を設けて、開閉機構を設けた連結チ
ューブにより集液容器上部の連結口と連結すると共に、
水封室の上部は連結チューブにより吸引圧設定部の上部
と連結したことを特徴とする血液回収輸血装置。