JP3114245B2 - 持続性製剤の製造方法 - Google Patents

持続性製剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は生理活性物質をポリラ
クチド類によって持続性製剤化する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリラクチド類、例えばポリL−乳酸
(以下PLAと略記する)やポリL−乳酸・グリコール
酸(以下PLGAと略記する)を用いたマイクロカプセ
ル型持続性製剤は公知であり、当該技術を利用して生理
活性物質を持続性製剤化する試みは広く展開されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば特公昭50-17525
には、疎水性薬物とPLAを有機溶媒に溶解させた後、
溶媒を除去して製剤化する方法が開示されており、また
特開昭55-33414には、前記溶解を行なった後、相分離剤
を添加して乳化し、その後溶媒を留去する液中乾燥法が
開示されている。しかしながらこれらの方法は親水性薬
物には適用できないという欠点があり、親水性薬物に適
用できる方法としては、特開昭60-100516にW/O/W
型の3層エマルジョンを水中乾燥させる方法が開示さ
れ、また特開平1-216918にはO/O型またはW/O型エ
マルジョンを液中乾燥させる方法等が開示されている。
しかしこれらの方法によって得られるマイクロカプセル
はバーストを生じ易く、薬物放出速度が不安定であり、
持続性製剤としては致命的な問題を有している。
【0004】本発明者らは上記の様な状況に鑑み、広範
な生理活性物質に適用することが可能であると共に、バ
ーストの恐れが少なく、薬物放出速度が一定になる様に
持続性製剤の製造法を確立する目的で種々研究を行い、
本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の構成の説明】本発明に係る持続性製剤の製造方
法とは、生理活性物質または生理活性物質含有水溶液を
ポリラクチド類含有溶液と混合し、得られた混合液を更
に晶析媒体と混合して微小粒体を晶析させることを要旨
とするものである。
【0006】本発明方法が適用される生理活性物質は、
水溶性であれば、そのままポリラクチド類含有溶液と混
合するか、あるいはいったん水溶液状態にしてからポリ
ラクチド類含有溶液と混合する方法のいずれも採用でき
る。
【0007】この様な生理活性物質としては、例えば生
理活性ペプチド、抗癌剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタ
ミン剤、糖尿病治療剤、ホルモン剤などが挙げられる。
【0008】生理活性ポリペプチドとしては、例えばイ
ンシュリン様成長因子I、リゾチーム、インシュリン、
ソマトスタチン、カルシトニン、インターフェロン、イ
ンターロイキン、エリスロポエチン、コロニー刺激因
子、組織プラスミノーゲンアクチベーター、ウロキナー
ゼ、成長ホルモン、神経成長因子、血液凝固因子などが
挙げられる。
【0009】抗癌剤としては、例えばアドリアマイシ
ン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、シスプラチ
ン、5′−フルオロウラシルなどが挙げられる。
【0010】抗菌剤としては、例えばペニシリンG、ア
ンピシリン等のペニシリン系抗生剤、セファゾリンナト
リウム、セファレキシン等のセフェム系抗生剤、硫酸ス
トレプトマイシン、カナマイシン等のアミノグルコシド
系抗生剤、エリスロマイシン等のマクロライド系抗生
剤、塩酸テトラサイクリン等のテトラサイクリン系抗生
剤、クロラムフェニコール等のクロラムフェニコール系
抗生剤、塩酸バンコマイシン等のペプチド系抗生剤、エ
ノキサシン、オフロキサシン等のキノロン系抗生剤等が
挙げられる。
【0011】抗炎症剤としては、例えばアスピリン、酢
酸コルチゾン、イブプロフェン等が挙げられる。
【0012】抗ヒスタミン剤としては、例えばジフェン
ヒドラミン、塩酸プロメタジン等が挙げられる。
【0013】糖尿病治療薬としては、例えばトルブタミ
ド、クロルプロパミド等が挙げられる。
【0014】ホルモン剤としては、例えばメチルテスト
ステロン、ACTH、HCG等が挙げられる。
【0015】本発明におけるポリラクチド類としては、
前記PLAやPLGAで代表される生分解性ポリエステ
ルが使用され、PLAやPLGAの他、ポリ(α−リン
ゴ酸)、ポリ(β−リンゴ酸)、ポリ(α,β−リンゴ
酸)、グリコール酸−リンゴ酸−乳酸共重合体、リンゴ
酸−グリコール酸共重合体等が使用可能なものとして例
示される。
【0016】本発明は、まず生理活性物質もしくは生理
活性物質含有水溶液をポリラクチド類含有水溶液と混合
するが、混合の手順、例えば前者を後者に加えるか、そ
の逆とするか、或いは両者を同時に少量づつ混合してい
くか等については特段の制限がなくまた混合後の攪拌を
どの様に行うかは自由である。
【0017】ポリラクチド類の溶媒についても特に限定
されないが、ポリラクチド類や晶析媒体との組合わせに
よって最適なものを選択するのが良く、要はこれらを混
合したときに、生理活性物質を含有する晶析物質を晶析
することができる様な溶媒および晶析媒体の組合わせを
選択することが推奨される。ポリラクチド類としてPL
Aを用いるときは、PLAの溶媒として好ましいのはア
セトニトリルおよびジオキサンであり、晶析媒体として
好ましいのは低級アルコールと低級ケトンであり、特に
好ましいのはアセトニトリルと低級アルコール(特にエ
タノール)の組合わせである。
【0018】生理活性物質とポリラクチド類を含む溶液
は、次いで晶析媒体と混合されるが、このときの混合態
様も一切限定されない。従って、前者を後者に加えた
り、その逆の添加を行ったり、或いは両者を少量づつ混
合していくこともできるが、もっとも好ましいのは前者
を後者中へ滴下していく方法であり。この方法によれば
ミクロン単位の微小粒体を安定して製造することが容易
になる。こうして得られた生理活性物質を含有する晶析
物質は常法によって固液分離(例えば濾過)した後、乾
燥する。
【0019】本発明で使用される生理活性物質またはそ
の水溶液、ポリラクチド類溶液および晶析媒体の好まし
い重量比、ポリラクチド類溶液の好ましい濃度は、本発
明で使用される生理活性物質の種類、目的とする薬理効
果および薬物放出持続時間等により異なるが、生理活性
物質1重量部に対し、ポリラクチド類溶液10〜10000重
量部、晶析媒体10〜10000 重量部、ポリラクチド類溶液
の濃度は5から10重量%程度であるが、使用される生理
活性物質、ポリラクチド類溶液の溶媒および晶析媒体の
種類により適宜選択できる。
【0020】本発明の製剤には、医薬製剤に通常使用さ
れる他の物質、例えば希釈剤、担体、結合剤、賦形剤お
よび補助剤を含有させることができる。
【0021】この様にして得られた持続性製剤は、通常
人または動物の皮下または筋肉中に投与される。以下、
この発明の持続性製剤製造法を実施例により説明する。
【0022】
【実施例】実施例1 インシュリン様成長因子I(50mg)を0.01N塩
酸(2ml)に溶解した。別にPLA(0.95g、分
子量;2000、日本合成ゴム)をアセトニトリル(1
6ml)に溶解し、先のインシュリン様成長因子I溶液
と混合した。混合液中では、インシュリン様成長因子I
及びPLAがほぼ溶解状態にある。この混合溶液を無水
エタノール(50ml、99.5%)中に滴下し、一昼
夜熟成後、濾過し、無水エタノールで洗浄し、減圧乾燥
を行い製剤を得た。
【0023】実施例2 ニワトリ卵白リゾチーム(50mg)を0.01N塩酸
(2ml)に溶解した。別にPLA(0.95g、分子
量;2000)をアセトニトリル(16ml)に溶解
し、先のリゾチーム溶液と混合した。混合液中では、リ
ゾチーム及びPLAがほぼ溶解状態にある。この混合液
を無水エタノール(50ml、99.5%)中に滴下
し、一昼夜熟成後、濾過し、無水エタノールで洗浄し、
減圧乾燥を行い製剤を得た。
【0024】比較例1 特開平1-216918の記載に準じて比較実験を行った。即ち
インシュリン様成長因子I(50mg)を0.01N塩酸(2m
l)に溶解した。別のPLA(0.95g 、分子量;2000)
をアセトニトリル(8ml)で溶解し、先のインシュリン
様成長因子I溶液と混合した。予め調製したソルビタン
セスキオレエート(4g 、ニッコールSO−15、日本油
脂)と綿実油(100ml、ナカライテスク)の混合液を
丸底フラスコに入れ、減圧下で攪拌(3角翼パドル、90
0rpm)しながら先の混液を滴下し、液中乾燥を行った。
液中乾燥の8時間後、濾過し、n−ヘキサンで洗浄した
後、減圧乾燥し、篩過し、粒子サイズ74〜149 μm のも
のをサンプルとした。
【0025】参考試験例 実施例1で得られた本発明の持続性製剤と比較例1で得
られた持続性製剤を用い、下記要領で放出速度を調べ
た。即ち10ml容のポリプロピレン製丸底スピッツにサン
プル(約20mg)を精秤し、0.25%クレゾール水溶液を添
加した0.1 Mトリス緩衝液(pH=7.4 ,10ml)を加
え、密栓後インキュベータに入れ、10rpm,37℃で処理し
た。一定時間経過毎に溶出液中のインシュリン様成長因
子I濃度をELlSA法(ジャーナル・オブ・エンドク
リノロジー 第125巻(1990)327〜335)
で定量した。結果は図1に示す通りであり、比較例1の
製剤では初期バーストにより放出率が急上昇したが、実
施例1の製剤では初期バーストを見せず、放出率は時間
の1次関数で示された。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されているか
ら、生理活性物質が親水性であるか否かを問わず、粒子
サイズが均一で且つバーストの少ない持続性製剤を得る
ことが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1と比較例1の薬剤放出実験を示す結果
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61K 47/34 A61K 37/54 B01J 13/06 B01J 13/02 E (56)参考文献 特開 昭60−67417(JP,A) 特開 平2−247117(JP,A) 特開 昭59−66425(JP,A) 特開 昭60−48923(JP,A) 特開 平4−208217(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 9/14,9/50

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生理活性物質または生理活性物質含有水
    溶液を、ポリ−L乳酸のアセトニトリルまたはジオキサ
    ン溶液に混合して溶解し、得られた混合液を低級アル
    コールまたは低級ケトンと混合して微小粒体を晶析させ
    ることを特徴とする持続性製剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 生理活性物質含有水溶液を、ポリ−L乳
    酸のアセトニトリル溶液に混合して溶解し、得られた混
    合溶液を低級アルコールまたは低級ケトンと混合して微
    小粒体を晶析させることを特徴とする持続性製剤の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 生理活性物質含有水溶液を、ポリ−L乳
    酸のアセトニトリル溶液に混合して溶解し、得られた混
    合溶液をエタノールと混合した後、少なくとも1昼夜熟
    成して微小粒体を晶析させることを特徴とする持続性製
    剤の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記生理活性物質1重量部に対し、5〜
    10重量%のポリ−L乳酸溶液10〜10000重量
    部、低級アルコールまたは低級ケトン10〜10000
    重量部を用いる請求項1〜3のいずれかに記載の持続性
    製剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 生理活性物質が生理活性ポリぺプチドで
    ある請求項1〜4のいずれかに記載の持続性製剤の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 生理活性物質がリゾチームまたはインシ
    ュリン様成長因子Iである請求項1〜5のいずれかに記
    載の持続性製剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方
    法により得られた持続性製剤。
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