JPH1179976A - 徐放性製剤の製造法 - Google Patents

徐放性製剤の製造法

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JPH1179976A
JPH1179976A JP10198872A JP19887298A JPH1179976A JP H1179976 A JPH1179976 A JP H1179976A JP 10198872 A JP10198872 A JP 10198872A JP 19887298 A JP19887298 A JP 19887298A JP H1179976 A JPH1179976 A JP H1179976A
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重行 高田
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敬子 平
Susumu Iwasa
進 岩佐
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薬物含量が高く、初期放出の抑制された、かつ
安定した放出性を示す徐放性マイクロカプセルの提供。 【解決手段】生理活性物質を、脂溶性物質、特にビタミ
ンEを含有する生体内分解性高分子重合物の有機溶媒溶
液に添加し分散・乳化させることを特徴とする徐放性マ
イクロカプセルの製造法、および該製造法により得られ
る徐放性マイクロカプセル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、投与直後の生理活
性物質の過剰量の初期放出が抑制され、投与直後から長
期に亘って一定量の生理活性物質を安定的に放出する徐
放性マイクロカプセルおよびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の生理活性ポリペプチドや低分子水
溶性薬物の徐放性マイクロカプセルについては多くの報
告があるが[クリティカル リビュー イン セラピュー
ティック ドラッグ キャリアー システム(Critical Rev
iews in Therapeutic Drug Carrier Systems), 12巻, 1
-9頁(1995); 特表平2-503315号公報; EPA 0586238; ジ
ャーナル オブ ファーマシューティカル サイエンス(J.
Pharm.Sci.), 75巻, 750-755頁(1986); 特開昭57-11851
2号公報]、それらの多くが、(1)製造工程において薬物
の外水相への漏出が大きく薬物の封入率が低い、(2)得
られるカプセルは一般的に多孔質で初期放出が大きい、
また、(3)製造工程により生理活性物質が変性し、十分
な生物学的利用率が得られない、と云う欠点を有してお
り、満足すべき長期の徐放性を達成していないのが現状
である。マイクロスフィアの徐放性の改善について、特
開昭61-63613号には、ポリ乳酸を基剤とするマイクロス
フィアの投与一定時間経過後の活性成分の放出速度の低
下を防止する目的で、活性成分を分散させるポリ乳酸の
有機溶媒溶液中に、該溶媒に溶解しかつ生体内で消化さ
れる脂溶性の添加物(中鎖脂肪酸トリグリセリド、低級
脂肪酸トリグリセリド等)を均一に溶解することが記載
されている。しかしながら、他の基剤への応用や活性成
分の水溶液を用いるマイクロカプセルの調製についての
示唆はない。特開平8-151321号公報には、無晶型水溶性
生理活性物質と高分子重合物とを含み、S/O/W型乳
化物から製造されるマイクロカプセルが開示されている
が、薬物の水溶液を内水相として用いるマイクロカプセ
ルの製造法や水溶性生理活性ペプチドの金属複合体を用
いる方法については一切記載されていない。また、EP
0765660号公報には、無晶型2−ピペラジノン
−1−酢酸誘導体を含有するマイクロカプセルが記載さ
れており、その製造において、S/O/W型乳化物が用
いられている。しかし薬物水溶液を内水相として用いる
マイクロカプセルの製造法や水溶性生理活性ペプチドの
金属複合体を用いる方法についての記載はない。一般
に、水溶性生理活性物質のマイクロカプセルの製造にお
いては、薬物含量の均質性や操作性の点で、薬物を固体
状で用いる例えば、S/O型よりもW/O型の方が優れ
ており、工業規模での大量生産においては、W/O型で
用いることが望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】生体内分解性高分子重
合物を用いた徐放性製剤は、生理活性物質の初期放出、
特に投与1日以内の過剰量の放出が抑制され、しかも長
期に亘って一定量の生理活性物質が安定的に放出される
のが好ましい。このような生理活性物質の生理活性を保
持しながら、初期放出が少なく、かつ長期に亘る一定し
た徐放性を有する均質なマイクロカプセルを簡便に製造
しうる製造法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意研究した結果、水溶性生理活性物質の
徐放性マイクロカプセルの製造法において、該生体内分
解性高分子重合物の有機溶媒溶液に、あらかじめ油脂類
を約3%〜約30%添加した均一有機溶媒溶液を油相とし
て用いることにより、投与直後の生理活性物質の過剰量
の初期放出が抑制され、しかも長期に亘って一定した放
出性を示す、非常に優れた徐放性マイクロカプセルを製
造できることを見出した。これに基づいてさらに鋭意研
究した結果、本発明を完成した。すなわち、本発明は
(1)水溶性生理活性物質のマイクロカプセルの製造法
において、水溶性生理活性物質を含む水溶液を内水相と
し、生体内分解性高分子重合物及び油脂類を含む均一有
機溶媒溶液を油相とするw/o型乳化物を形成させ、有
機溶媒を除去することを特徴とする徐放性マイクロカプ
セルの製造法、(2)w/o型乳化物を水相に分散さ
せ、水中乾燥法により有機溶媒を除去する上記(1)記載
の製造法、(3)水溶性生理活性物質と塩基性物質とを
含む水溶液を内水相とする上記(1)記載の製造法、
(4)水溶性生理活性物質が分子量約200から約80,
000のポリペプチドである上記(1)記載の製造法、
(5)水溶性生理活性物質がインテグリン拮抗物質であ
る上記(1)記載の製造法、
【0005】(6)インテグリン拮抗物質がGPIIb/II
Ia 拮抗物質である上記(5)記載の製造法、(7)GPIIb
/IIIa 拮抗物質が、式(I)
【化2】 〔式中、A1及びA2はそれぞれプロトン受容基又はプロ
トン受容基に変換し得る基を、Dはヘテロ原子及び/又
は5もしくは6員環を介していてもよい2ないし6の原
子鎖のスペーサー(但し、5もしくは6員環は結合位置
により2又は3原子鎖と換算する)を、R1は水素原子
又は炭化水素基を、R2は水素原子又はα−アミノ酸か
ら−CH(NH2)COOHを除いた残基を示すか、又は
1とR2は結合して5もしくは6員環を形成してもよ
く、Pはヘテロ原子及び/又は5もしくは6員環を介し
ていてもよい1ないし10の原子鎖のスペーサー(但
し、5もしくは6員環は結合位置により2又は3原子鎖
と換算する)を、Yはエステル化又はアミド化されてい
てもよいカルボキシル基を、nは0ないし8の整数を示
す。〕で表される2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体または
その塩である上記(6)記載の製造法、(8)2-ピペラジノ
ン-1-酢酸誘導体(I)が(S)-4-(4-グアニジノベンゾイル
アミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢酸である上記
(7)記載の製造法、(9)2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体
(I)の塩が(S)-4-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)アセ
チル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピル-
2-オキソピペラジン-1-酢酸 塩酸塩である上記(7)記載
の製造法、(10)2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体(I)の塩
が(S)-4-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル-3-
[3-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピル-2-オキ
ソピペラジン-1-酢酸 2塩酸塩である上記(7)記載の製
造法、(11)生体内分解性高分子重合物が脂肪族ポリエ
ステルである上記(1)記載の製造法、(12)脂肪族ポリ
エステルが乳酸・グリコール酸共重合物である上記(11)
記載の製造法、(13)油脂類が脂溶性ビタミンである上
記(1)記載の製造法、(14)脂溶性ビタミンがα−トコ
フェロールである上記(13)記載の製造法、
【0006】(15)油脂類の徐放性マイクロカプセル全
量に対する最終含有率が約3%ないし約30%(w/w)で
ある上記(1)記載の製造法、(16)水溶性生理活性物質
と塩基性物質とを含む水溶液を内水相とし、生体内分解
性高分子重合物と油脂類とを含む均一有機溶媒溶液を油
相とするW/O型乳化物を水相に分散させてW/O/W
型乳化物を形成させ、水中乾燥に付し有機溶媒を除去す
る上記(1)記載の製造法、(17)塩基性物質が塩基性ア
ミノ酸である上記(3)または(16)記載の製造法、(18)
塩基性アミノ酸がL-アルギニンである上記(17)記載の製
造法、(19)塩基性物質の徐放性マイクロカプセル全量
に対する最終含有率が約1%ないし約8%(w/w)である
上記(3)または(16)記載の製造法、(20)水溶性生理活
性ペプチドの金属複合体を、生体内分解性高分子重合物
と油脂類とを含む均一有機溶媒溶液に分散させたS/O
型分散液より有機溶媒を除去することを特徴とする徐放
性マイクロカプセルの製造法、(21)S/O型分散液を
水相に分散させてS/O/W型乳化物を形成させ、水中
乾燥法により有機溶媒を除去する上記(20)記載の製造
法、(22)水溶性生理活性ペプチドがヒト成長ホルモン
である上記(20)記載の製造法、(23)水溶性生理活性ペ
プチドの金属複合体がヒト成長ホルモンの亜鉛複合体で
ある上記(20)記載の製造法、(24)上記(1)記載の製造
法で製造される徐放性マイクロカプセル、(25)上記(2
0)記載の製造法で製造される徐放性マイクロカプセル、
(26)水溶性生理活性物質を含む水溶液を内水相とし、
生体内分解性高分子重合物を含む有機溶媒溶液を油相と
するw/o型乳化物を形成させ、有機溶媒を除去するこ
とを特徴とする徐放性マイクロカプセルの製造のための
油脂類の使用、(27)水溶性生理活性ペプチドの金属複
合体の徐放性マイクロカプセルの製造のための油脂類の
使用、などに関する。
【0007】本明細書において、アミノ酸、ペプチド、
保護基などに関して略号で表示する場合、IUPAC-IUB Co
mmission on Biochemical Nomenclatureによる略号ある
いは当該分野における慣用略号に基づくものとし、また
アミノ酸に光学異性体がありうる場合は、特に明示しな
ければL体を示すものとする。本明細書中マイクロカプ
セルとは、生理活性物質と高分子重合物を含有する微粒
子マイクロスフェア、マイクロパーティクル、ナノパー
ティクル、ナノスフェア、ナノカプセルの総称を意味す
る。本明細書中S/O/W型乳化物およびW/O/W型乳化
物とは、それぞれ固/油/水(水中油中固相)型乳化物およ
び水/油/水(水中油中水相)型乳化物を意味する。本発明
に用いられる水溶性生理活性物質としては水溶性の薬物
であれば特に限定されないが、生理活性ポリペプチドあ
るいは抗血小板剤(例えば、インテグリン拮抗物質)、
抗腫瘍剤、抗生物質、解熱鎮痛消炎剤、鎮咳去痰剤、鎮
静剤、筋弛緩剤、抗てんかん剤、抗潰瘍剤、抗鬱剤、抗
アレルギー剤、強心剤、不整脈治療剤、血管拡張剤、降
圧利尿剤、糖尿病治療剤、抗凝血剤、止血剤、抗結核
剤、ホルモン剤、麻薬拮抗剤、骨吸収抑制剤、骨形成促
進剤、血管新生抑制剤などとして用いられる化合物など
が挙げられる。
【0008】該水溶性生理活性物質としては、25℃に
おいて水に対する溶解度が0.1%(w/w)以上、好ま
しくは1%(w/w)以上であるものが具体的に挙げられ
る。本発明の構成成分である生理活性ポリペプチドとし
ては、哺乳動物にとって有用な生理活性を有し、臨床上
用いることができる種々のペプチドまたはタンパク質が
挙げられる。該「生理活性ポリペプチド」は、その分子
量が、モノマーとして、例えば約200ないし約20
0,000のものが用いられ、好ましくは約200ない
し約80,000のものが汎用される。好ましい生理活
性ポリペプチドには、生化学の分野で高次構造を有する
と云われるタンパク質に分類される高分子が含まれる。
本発明で用いられる生理活性ポリペプチドの種類は、本
発明の目的が達成される限り特に限定されないが、その
活性の代表的なものとしては、例えば成長因子類、サイ
トカイン類、酵素類およびホルモン類などが挙げられ
る。より具体的には、例えば以下のペプチドないしタン
パク質などが挙げられる。
【0009】(1)成長因子類としては、例えば神経成
長因子(NGF−1,NGF−1など)、神経栄養因子
(NTF)、上皮細胞成長因子(EGF)、血小板由来増殖
因子(PDGF)、インスリン様成長因子(IGF−1,
IGF−2,IGF−3など)、繊維芽細胞増殖因子
(aFGF,bFGF)、骨形成原成長因子(BMP−
1,BMP−2,BMP−3,BMP−4など)、心房
性ナトリウム利尿因子(ANP)、軟骨誘導因子などが
挙げられる。 (2)サイトカイン類としては、例えばインターフェロ
ン類(IFN−α,−β,−γなど)、インターロイキン
類(IL−1〜IL−11など)、カケクチン、オンコ
スタチン、コロニー刺激因子類(G−CSF,M−CS
F,GM−CSFなど)、トロンボポエチン(TPO),
エリスロポエチン(EPO)などが挙げられる。 (3)酵素類としては、例えば組織プラスミノーゲン・
アクチベータ(tPA)、ウロキナーゼ(UK)、スト
レプトキナーゼ、プロテインC、メタロプロテアーゼ
類、スーパーオキシド・ディスムターゼ(SOD)、第
VIII及びIX因子などが挙げられる。 (4)ホルモン類としては、例えば成長ホルモン(G
H)、成長ホルモン放出因子(GRF)、インスリン、グ
ルカゴン、ガストリン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホ
ルモン(ACTH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、卵
胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、ヒ
ト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、カルシトニンなどが
挙げられる。該生理活性ポリペプチドの好ましい例とし
ては、例えばホルモン類〔例えば、成長ホルモン類(ヒ
ト成長ホルモン類など)、インスリン類(ヒトインスリ
ン類など)など〕、サイトカイン類(例えば、インター
フェロン類、インターロイキン類など)などが挙げられ
る。
【0010】本発明で用いられる生理活性ポリペプチド
は、天然由来あるいは遺伝子組換えやペプチド合成技術
によって人工的に得られた合成品、半合成品、遺伝子組
換体〔例えば、遺伝子組換えヒト成長ホルモン(以下、
rhGHと略称することがある)〕いずれでもよい。これ
らはその活性に影響のない限り糖鎖を有していてもよ
く、また糖鎖構造が本来の構造と異なっていてもよい。
さらに、これらは任意の生理活性ポリペプチドまたは蛋
白のムテイン、誘導体、類縁体および活性フラグメント
なども含む。以下において「生理活性ポリペプチド」、
「成長ホルモン類」、「インスリン類」、「インターフェ
ロン類」、「インターロイキン類」は、それぞれこれら糖
鎖を有しているもの、ムテイン、誘導体、類縁体および
活性フラグメントを含む。さらに生理活性ポリペプチド
が任意のポリペプチドのムテイン、誘導体、類縁体であ
る場合、その作用機作は作動性あるい拮抗性のいずれで
もよい。また、本発明で用いられる生理活性ポリペプチ
ドは、金属原子と複合体(コンプレックス)を形成して
いてもよい。ポリペプチドの金属複合体(金属コンプレ
ックス)としては、ポリペプチドの水不溶性または水難
溶性多価金属複合体や金属錯体などが挙げられる。かか
る金属複合体を形成させる金属としては、生体に悪影響
をおよぼさない金属であれば特に限定されないが、水溶
性多価金属(2価、3価あるいは4価の金属、例えば
鉄、銅、亜鉛等の遷移金属、アルミニウム等のIIIb族金
属、錫等のIVb族金属など)が好ましい。また、ポリペ
プチドの金属複合体としては、生理活性ポリペプチドと
水溶性多価金属塩(例えば、前記多価金属と塩酸、硫
酸、硝酸、チオシアン酸等の無機酸との塩あるいは前記
多価金属と脂肪族カルボン酸(例えば、脂肪族モノ、
ジ、トリカルボン酸、好ましくは、炭素数2ないし9の
脂肪族カルボン酸など)、芳香族酸(例えば、安息香
酸、サリチル酸など)などの有機酸との塩)の接触によ
り得られる生理活性ポリペプチド金属塩が好ましい。該
生理活性ペプチド金属塩は、生理活性ポリペプチドと水
溶性多価金属塩とを両者の溶解性を極端に下げない範囲
で選択されたpHに調製された水溶液中で混合すること
により生成され得る。この際、生理活性ポリペプチドと
水溶性多価金属塩との量比(モル比)は、例えば1:1〜
1:1000、好ましくは1:1〜1:100、より好
ましくは1:1〜1:50であり、両者の濃度はそれぞ
れ単独の溶解度範囲内でかつ生成する複合体の溶解度以
上である事が望まれる。また水溶液は、必要に応じて弱
酸性、中性あるいは弱酸性に調製される。生理活性ポリ
ペプチドが分子内に酸性基(例、カルボキシル基、スル
ホ基など)を有する場合、マイクロカプセルへの取り込
み率の向上、及び放出性のコントロールの目的で、多価
金属との水不溶性または水難溶性複合体とすることは有
効である。
【0011】抗血小板剤としてはインテグリン拮抗物
質、さらにはGPIIb/IIIa 拮抗物質が挙げられる。G
PIIb/IIIa 拮抗物質としては例えば、蛇毒ペプチド
(例、バルブリン(barbourin)、あるいはArg−Gly
−Asp 配列を有するペプチド、例えばArg−Gly−As
p−Ser、(Arg−Gly−Asp−Ser)テトラマー、Gl
y−Arg−Gly−Asp−Ser−Pro、シクロ−S,S−
〔Ac−Cys(Nα−メチル)Arg−Gly−D−Asn−ペ
ニシラミン〕−NH2(SK&F−106760:ファ
ーマシューティカル リサーチ(Pharm. Res.),11巻,1
358-1390頁 1994年)、さらにGPIIb/IIIa 拮抗作用と
同様の活性を有する化合物、例えば(S)−4−〔(4−
アミジノベンゾイル)グリシル〕−3−メトキシ−カル
ボニルメチル−2−オキソピペラジン−1−酢酸、4−
(4−アミジノベンゾイルグリシル)−2−オキソピペラ
ジン−1,3−2酢酸・塩酸塩、L−Tyr−N−(ブチ
ルスルホニル)−O−〔4−(4−ピペリジニル)ブチ
ル〕モノハイドロクロライド(L−700462/MK
−383:サーキュレーション(Circulation) 88巻,1
512-1517頁,1993年)、エチル 3S−〔4−〔〔4−
(アミノイミノメチル)フェニル〕アミノ〕−1,4−ジ
オキソブチル〕アミノ−4−ペンチノエート 塩酸塩
(SC−54684A:Circulation,91巻,403-410
頁,1995年)、〔1−〔N−(p−アミジノフェニル)−
L−Tyr〕−4−ピペリジニル〕酢酸(Ro−44−9
883:Thromb. Haemostas.,70巻,817-821頁,1993
年)、サイクリック〔D−2−アミノブチリル−N−2
−メチル−L−Arg−Gly−L−Asp−3−アミノメチ
ル−安息香酸〕メタンスルフォン酸塩(DMP728:
Circulation,89巻,3-12頁,1994年)、式
【化3】 で表される(3S-trans)-5-[[[4'-(アミノイミノメチル)-
[1,1'-ビフェニル]-4-イル]オキシ]メチル]-2-オキソ-
ピロリジン-3-酢酸 (Fradafiban; BIBU 52: Circulatio
n, 96, 1130-1138, 1997)、2(S)-[(p-トルエンスルホニ
ル)アミノ]-3-[[[5,6,7,8-テトラヒドロ-4-オキソ-5-[2
-(ピペリジン-4-イル)エチル]-4H-ピラゾロ[1,5-a][1,
4]ジアゼピン-2-イル]カルボニル]アミノ]プロピオン酸
(L-738,167:The Journal of Pharmacology and Experi
mental Therapeutics, 281, 677-689, 1997)、式
【化4】 で表されるイントリフィバン(Intrifiban)[インテグ
リン(Integrelin)] (Circulation, 94, 2083-2089, 1
996)、式
【化5】 で表されるFK−633(特開平5−148207)、な
どが挙げられる。またGPIIb/IIIa 拮抗物質としては
例えば、前記式(I)で表される2-ピペラジノン-1-酢酸
誘導体(I)またはその塩が挙げられる。前記式(I)で
表される2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体(I)として
は、例えば、WO96/33982に記載された化合物
などが挙げられるが、なかでも、A1及びA2がそれぞれ
(1)置換基としてC2-8アルコキシカルボニルオキシ
基またはC2-8アルコキシカルボニル基をそれぞれ有し
ていてもよいアミジノ基またはグアニジノ基、(2)オ
キソ基またはハロゲン化されていてもよいC1-4アルキ
ル基で置換されていてもよいオキサジアゾリル基を有し
ていてもよいアミノ基、または(3)オキソ基またはハ
ロゲン化されていてもよいC1-4アルキル基で置換され
ていてもよいオキサジアゾリル基[好ましくは、(1)
メトキシカルボニルオキシをそれぞれ有していてもよい
アミジノ基またはグアニジノ基または(2)置換基とし
て5−オキソ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル
または5−トリフルオロメチル−1,2,4−オキサジア
ゾール−3−イルを有していてもよいアミノ基]であ
り、Dが式
【化6】 〔式中、aは0〜2の整数を示す〕で表される基[好ま
しくは、フェニレン基]であり、R1が水素原子であ
り、R2が水素原子又はC1-4アルコキシ基で置換されて
いてもよいフェニル基を有していてもよいC1-4アルキ
ル基[好ましくは、水素原子又はp−メトキシベンジル
基]であり、Pが式−Z−B−〔式中、Zは結合手、−
NH−または−NH−CO−を示し、Bは式
【化7】 (式中、bは0〜1の整数を示し、cは1〜5の整数を
示す)で表される基を示す〕で表される基[好ましく
は、式
【化8】 で表される基]であり、Yが式−CO−R7〔式中、R7
は(1)ヒドロキシ基、(2)置換基としてC1-4アル
コキシ−カルボニル基または5−メチル−2−オキソ−
1,3−ジオキソレン−4−イル基をそれぞれ有してい
てもよいC1-8アルコキシ基またはC2-12アルケニリル
オキシ基、または(3)式−OCH(R7a)OCOR
8(式中、R7aは水素原子またはC1-6アルキル基を示
し、R8はC1-6アルキル基またはC5-7シクロアルキル
オキシ基を示す)で表される基を示す〕で表される基
[好ましくは、カルボキシル基]であり、nが1〜4の
整数[好ましくは、2〜3の整数]である2-ピペラジノ
ン-1-酢酸誘導体が好ましく、さらに2-ピペラジノン-1
-酢酸誘導体としては(S)-4-(4-グアニジノベンゾイ
ルアミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイル
アミノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢酸や
(S)-4-(4-アミジノベンゾイルアミノ)アセチル-3-
[3-(4-アミジノベンゾイルアミノ)]プロピル-2-オキ
ソピペラジン-1-酢酸、あるいはその塩酸塩や酢酸塩な
どが挙げられる。なかでも、(S)-4-(4-グアニジノ
ベンゾイルアミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベ
ンゾイルアミノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢
酸の塩酸塩、とりわけ、(S)-4-(4-グアニジノベン
ゾイルアミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベンゾ
イルアミノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢酸モ
ノ塩酸塩または(S)-4-(4-グアニジノベンゾイルア
ミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢酸ジ塩酸塩が
好ましく用いられ、(S)-4-(4-グアニジノベンゾイ
ルアミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイル
アミノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢酸ジ塩酸
塩は、(S)-4-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)アセ
チル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピ
ル-2-オキソピペラジン-1-酢酸モノ塩酸塩を含有する
溶液に濃塩酸を加え、pHを約1〜2(好ましくは約
1.5)に調整することにより製造することができる。
また、得られた(S)-4-(4-グアニジノベンゾイルア
ミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニジノベンゾイルアミ
ノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-1-酢酸ジ塩酸塩
は、エタノールなどを用いて結晶化することもできる。
【0012】前記抗腫瘍剤としては、ブレオマイシン,
メソトレキセート,アクチノマイシンD,マイトマイシ
ンC,硫酸ビンブラスチン,硫酸ビンクリスチン,ダウ
ノルビシン,アドリアマイシン,ネオカルチノスタチ
ン,シトシンアラビノシド,フルオロウラシル,テトラ
ヒドロフリル−5−フルオロウラシル,クレスチン,ピ
シバニール,レンチナン,レバミゾール,ベスタチン,
グリチルリチン,ポリIC,ポリAU,ポリICLCな
どのポリ核酸類[免疫応答(山村雄一、森沢成司編;19
77年発行)143頁]などが挙げられる。上記抗生物質
としては、例えばゲンタマイシン,ジベカシン,カネン
ドマイシン,リビドマイシン,トブラマイシン,アミカ
シン,フラジオマイシン,シソマイシン,塩酸テトラサ
イクリン,塩酸オキシテトラサイクリン,ロリテトラサ
イクリン,塩酸ドキシサイクリン,アンピシリン,ピペ
ラシリン,チカルシリン,セファロチン,セファロリジ
ン,セフォチアム,セフスロジン,セフメノキシム,セ
フメタゾール,セファゾリン,セフォタキシム,セフォ
ペラゾン,セフチゾキシム,モキサラクタム,チエナマ
イシン,スルファゼシン,アズスレオナムなどが挙げら
れる。
【0013】前記の解熱,鎮痛,消炎剤としては、サリ
チル酸,スルピリン,フルフェナム酸,ジクロフェナッ
ク,インドメタシン,モルヒネ,塩酸ペチジン,酒石酸
レボルファノール,オキシモルフォンなどが挙げられ
る。鎮咳去痰剤としては、塩酸エフェドリン,塩酸メチ
ルエフェドリン,塩酸ノスカピン,リン酸コデイン,リ
ン酸ジヒドロコデイン,塩酸アロクラマイド,塩酸クロ
フェダノール,塩酸ピコペリダミン,クロペラスチン,
塩酸プロトキロール,塩酸イソプロテレノール,硫酸サ
ルブタモール,硫酸テルブタリンなどが挙げられる。鎮
静剤としては、クロルプロマジン,プロクロルペラジ
ン,トリフロペラジン,硫酸アトロピン,臭化メチルス
コポラミンなどが挙げられる。筋弛緩剤としては、メタ
ンスルホン酸プリジノール,塩化ツボクラリン,臭化パ
ンクロニウムなどが挙げられる。抗てんかん剤として
は、フェニトイン,エトサクシミド,アセタゾラミドナ
トリウム,クロルジアゼポキシドなどが挙げられる。抗
潰瘍剤としては、メトクロプロミド,塩酸ヒスチジンな
どが挙げられる。抗うつ剤としては、イミプラミン,ク
ロミプラミン,ノキシプチリン,硫酸フェネルジンなど
が挙げられる。抗アレルギー剤としては、塩酸ジフェン
ヒドラミン,マレイン酸クロルフェニラミン,塩酸トリ
ペレナミン,塩酸クレミゾール,塩酸ジフェニルピラリ
ン,塩酸メトキシフェナミンなどが挙げられる。
【0014】強心剤としては、トランスパイオキソカン
ファー,テオフィロール,アミノフィリン,塩酸エチレ
フリンなどが挙げられる。不整脈治療剤としては、プロ
プラノール,アルプレノロール,ブフェトロール,オキ
シプレノロールなどが挙げられる。血管拡張剤として
は、塩酸オキシフェドリン,ジルチアゼム,塩酸トラゾ
リン,ヘキソベンジン,硫酸バメタンなどが挙げられ
る。降圧利尿剤としては、ヘキサメトニウムブロミド,
ペントリニウム,塩酸メカミルアミン,塩酸エカラジ
ン,クロニジンなどが挙げられる。糖尿病治療剤として
は、グリミジンナトリウム,グリピザイド,塩酸フェン
フォルミン,塩酸ブフォルミン,メトフォルミンなどが
挙げられる。抗凝血剤としては、ヘパリンナトリウム,
クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。止血剤として
は、トロンボプラスチン,トロンビン,メナジオン亜硫
酸水素ナトリウム,アセトメナフトン,ε−アミノカプ
ロン酸,トラネキサム酸,カルバゾクロムスルホン酸ナ
トリウム,アドレノクロムモノアミノグアニジンメタン
スルホン酸塩などが挙げられる。抗結核剤としては、イ
ソニアジド,エタンブトール,パラアミノサリチル酸な
どが挙げられる。ホルモン剤としては、プレドニゾロ
ン,リン酸ナトリウムプレドニゾロン,デキサメタゾン
硫酸ナトリウム,ベタメタゾンリン酸ナトリウム,リン
酸ヘキセストロール,酢酸ヘキセストロール,メチマゾ
ールなどが挙げられる。
【0015】麻薬拮抗剤としては、酒石酸レバロルファ
ン,塩酸ナロルフィン,塩酸ナロキソンなどが挙げられ
る。骨吸収抑制剤としては、(硫黄含有アルキル)アミ
ノメチレンビスフォスフォン酸などが挙げられる。骨形
成促進剤としては、ビタミンK2や副甲状腺ホルモン、
あるいは式(II)
【化9】 〔式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、k
は0または1を、k'は0、1または2を示す〕で表され
る化合物またはその塩などが挙げられる(特開平3−2
32880号、特開平4−364179号公報)。
【0016】血管新生抑制剤としては、血管新生抑制ス
テロイド[サイエンス(Science), 221巻, 719頁(198
3)]、フマギリン[ヨーロッパ特許公開第325199号公
報]、フマギロール誘導体[ヨーロッパ特許公開第3570
61号、同第359036号、同第386667号、同第415294号公
報]などが挙げられる。生理活性物質はそれ自身(遊離
体)であっても、薬理学的に許容される塩(例えば、生
理活性物質がアミノ基などの塩基性基を有する場合、無
機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸、あるいは有機酸、例え
ば炭酸、コハク酸などとの塩、生理活性物質がカルボキ
シル基などの酸性基を有する場合、無機塩基、例えばナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属、あるいは有機
塩基化合物、例えばトリエチルアミンなどの有機アミン
類、アルギニンなどの塩基性アミノ酸類との塩)であっ
てもよい。生理活性物質の遊離体が水溶性でない場合、
水溶性の塩に変換して用いてもよい。徐放性マイクロカ
プセルにおいて、生理活性物質の配合量はその種類、所
望の薬理効果あるいは効果の持続時間などによって異な
るが、例えばマイクロカプセルに対して好ましくは約
0.01%〜約50%(W/W)が用いられる。さらに好まし
くは約0.1%〜約30%(W/W)が用いられる。
【0017】本発明で用いる生体内分解性高分子重合物
の具体例としては、ポリ脂肪酸エステル(例、ポリ乳
酸、ポリグリコール酸、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、
ポリ乳酸カプロラクトンなど)、ポリ−α−シアノアク
リル酸エステル、ポリ−β−ヒドロキシ酪酸、ポリアル
キレンオキサレート(例、ポリトリメチレンオキサレー
ト、ポリテトラメチレンオキサレートなど)、ポリオル
ソエステル、ポリオルソカーボネート、あるいはその他
のポリカーボネート(例、ポリエチレンカーボネート、
ポリエチレンプロピレンカーボネートなど)、ポリアミ
ノ酸(例、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸、ポ
リ−L−アラニン、ポリ−γ−メチル−L−グルタミン
酸など)、ヒアルロン酸エステルなどが挙げられる。こ
れらの高分子重合物は1種(単独重合物)でもよく、ま
た2種以上の共重合物、あるいは単なる混合物でもよ
く、またそれらの塩でもよい。
【0018】これらの生体内分解性高分子重合物の生体
内分解性は、例えば高分子重合物を注射剤として投与し
た場合、高分子重合物から分解生成した水溶性低分子量
断片の高分子重合物投与総量に対する割合(w/w%)で
定義され、一般に、皮下又は筋肉内投与後の3カ月間で
10%以上、好ましくは、皮下又は筋肉内投与後の1年
間で80%以上である。該生体内分解性高分子重合物は
好ましくは脂肪族ポリエステル(脂肪酸ポリエステル)
である。該生体内分解性高分子重合物の好ましい具体例
としては、脂肪族ポリエステルが挙げられ、とりわけヒ
ドロキシカルボン酸の単独重合物または共重合物あるい
はそれらの混合物などが挙げられる。該ヒドロキシカル
ボン酸としては特に限定されないが、一般式
【化10】 [式中、Rは水素又はアルキル基を示す。]で表わされる
ヒドロキシカルボン酸が好ましい具体例として挙げられ
る。上記式中、Rで示されるアルキル基としては、例え
ば炭素数1から8の直鎖あるいは分枝状のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、第3級ブチル、ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチル等)が好ましい。これらの中で、炭
素数1〜3の直鎖あるいは分枝状のアルキル基が特に好
ましい。
【0019】上記ヒドロキシカルボン酸の好ましい具体
例としては、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪
酸(例、2-ヒドロキシ酪酸)、2'-ヒドロキシ吉草
酸、2-ヒドロキシ-3-メチル酪酸、2-ヒドロキシカプ
ロン酸、2-ヒドロキシイソカプロン酸、2-ヒドロキシ
カプリル酸などが挙げられる。このうち特に、グリコー
ル酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸、2-ヒドロキシ-3-メ
チル酪酸、2-ヒドロキシカプロン酸が好ましい。さら
に、グリコール酸、乳酸、2-ヒドロキシ酪酸が特に好
ましい。これらのヒドロキシカルボン酸において、D−
体、L−体及びD,L−体が存在するものは、そのいず
れを用いてもよいが、D,L−体が好ましい。該共重合
物の共重合の形式は、ランダム、ブロック、グラフトの
何れでもよい。これらのグリコール酸共重合物において
は、生体内での分解が比較的速やかで単独で用いた場合
の放出期間が1ケ月以内のものが好ましい。特に、乳酸
・グリコール酸単独重合物または共重合物(以下、どち
らか一方の酸の単独重合物及び相方の共重合物を含め
て、単に、乳酸・グリコール酸重合物と称する。また、
PLGAと略記することがある)又はヒドロキシ酪酸・
グリコール酸重合物(以下、どちらか一方の酸の単独重
合物及び相方の共重合物を含め単にヒドロキシ酪酸・グ
リコール酸共重合物と称す)が好ましい。本発明に使用
される生体内分解性高分子重合物は、一般的な合成法
(例えば、特開昭61−28521号公報参照)で問題
なく合成できる。
【0020】本発明に使用されるこれらの生体内分解性
高分子重合物の重量平均分子量は、約2,000ないし
約800,000のものが好ましく、より好ましくは約
5,000ないし約200,000の範囲から選定され
る。上記高分子重合物として乳酸・グリコール酸共重合
物を用いる場合、乳酸/グリコール酸のモル比は、好ま
しくは約100/0ないし約25/75、より好ましく
は約100/0ないし約50/50である。乳酸・グリ
コール酸共重合物の重量平均分子量は、好ましくは約
5,000ないし約30,000、より好ましくは約5,
000から約20,000である。上記の高分子重合物
としてヒドロキシ酪酸・グリコール酸共重合物(例、2
−ヒドロキシ酪酸・グリコール酸共重合物)を用いる場
合、ヒドロキシ酪酸/グリコール酸のモル比は好ましく
は100/0ないし約25/75、より好ましくは約1
00/0ないし約50/50である。特に、2−ヒドロ
キシ酪酸/グリコール酸のモル比は好ましくは約60/
40ないし約30/70である。ヒドロキシ酪酸・グリ
コール酸共重合物の重量平均分子量は好ましくは約5,
000ないし約25,000、より好ましくは約5,00
0から約20,000である。上記高分子重合物として
酪酸・グリコール酸共重合物を用いる場合、酪酸/グリ
コール酸のモル比は好ましくは約100/0ないし約2
5/75である。上記高分子重合物として例えばポリ乳
酸(A)とグリコール酸・2−ヒドロキシ酪酸共重合物
(B)との混合物を用いる場合、(A)/(B)で表わされ
る混合比が約10/90から約90/10(重量比)の
範囲で使用される。好ましくは約25/75から約75
/25(重量比)の範囲である。ポリ乳酸の重量平均分
子量は約5,000から約30,000のものが好まし
い。さらに約6,000から約20,000のものが特に
好ましい。
【0021】なお、本明細書における重量平均分子量と
は、ポリスチレンを基準物質とするゲルパーミェーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)で測定した高分子重合
物のポリスチレン重量換算の平均分子量をいう。さらに
具体的には、重量平均分子量が120,000、52,0
00、22,000、9,200、5,050、2,95
0、1,055、580、162の9種類のポリスチレ
ンを基準物質とし、GPCカラムKF804L×2(昭
和電工製)、RIモニターL−3300(日立製作所
製)を使用、移動相としてクロロホルムを用いたGPC
で測定したポリスチレン換算の分子量をいう。該高分子
重合物の多分散性は重量平均分子量/数平均分子量とし
て定義され、一般に1ないし3.5、好ましくは1.5な
いし2.5である。これら生体内分解性高分子重合物の
使用量は、生理活性物質の薬理活性の強さと、該物質の
放出の速度及び期間などによって決まり、例えば生理活
性物質に対して約0.2ないし約10000倍(重量
比)、好ましくは約1ないし約1000倍(重量比)の
量をマイクロカプセル基剤として用いるのがよい。油相
中の生体内分解性高分子重合物の濃度は、約0.5ない
し約90%(W/W)、さらに好ましくは約2ないし約6
0%(W/W)から選ばれる。
【0022】上記生体内分解性高分子重合物の有機溶媒
液に添加する油脂類としては、該有機溶媒液中において
相分離を起こすことなく溶解し、かつ生体内で分解・吸
収されるものであればいずれでもよいが、脂肪酸または
その塩、グリセリン脂肪酸エステルおよびプロピレング
リコール脂肪酸エステルを除く油脂類が好ましく、例え
ば脂溶性ビタミン(ビタミンA、ビタミンD、ビタミン
E、ビタミンKなど)、中鎖脂肪酸トリグリセリド(ミ
グリオールなどの炭素数8〜12の脂肪酸のトリグリセ
ロール)、コレステロール、リン脂質類などが挙げられ
る。上記生体内分解性高分子重合物の有機溶媒液に添加
する油脂類としては、脂溶性ビタミン、コレステロー
ル、リン脂質類などが好ましく用いられ、なかでも、脂
溶性ビタミンが好ましく、とりわけ、α−トコフェロー
ル(ビタミンE)または酢酸トコフェロール(ビタミン
E酢酸塩)などが好ましく用いられる。生体内分解性高
分子重合物の有機溶媒液中に添加する油脂類は、徐放性
マイクロカプセル全量に対する油脂類の最終含有率が約
1%〜約50%(W/W)、さらに好ましくは約3%〜約3
0%(W/W)となる量が用いられる。また本発明におい
て、W/O法あるいはW/O/W法により徐放性マイクロ
カプセルを製造する場合、生理活性物質を含有する水相
にさらに塩基性物質を添加してもよく、生理活性物質が
酸性の薬物あるいは薬物の酸性塩(塩酸塩など)(例え
ば水相の pHが6以下となる)の場合に添加することが
望ましい。塩基性物質としては例えば、L-ヒスチジン、
L-アルギニン、L-リジンなどの塩基性アミノ酸や N-メ
チルグルカミンなどが挙げられる。生理活性物質の水溶
液中に添加する塩基性物質は、徐放性マイクロカプセル
全量に対する塩基性物質の最終含有率が約0.1%〜約
20%(W/W)、さらに好ましくは約1%〜約8%(W/W)と
なる量が用いられる。
【0023】本発明製造法においては、有機溶媒の除去
に水中乾燥法を適用する場合、外水相に浸透圧調節剤を
含有させることが好ましい。該浸透圧調節剤としては、
水溶液とした場合、浸透圧を示すものであればいかなる
物質であってもよい。該浸透圧調節剤の具体例として
は、例えば水溶性の多価アルコール類、水溶性の一価ア
ルコール類、水溶性の無機物(例、無機塩)、水溶性の
単糖類、二糖類、オリゴ糖及び多糖類あるいはそれらの
誘導体、水溶性の有機酸又はその塩、水溶性のアミノ
酸、水溶性のペプチド、タンパク質あるいはそれらの誘
導体などが挙げられる。これらのうち水溶性の多価アル
コール類、水溶性の無機物、水溶性の単糖類、二糖類、
オリゴ糖及び多糖類あるいはそれらの誘導体、水溶性の
有機酸又はその塩が好ましい。さらに、塩類、水溶性の
多価アルコール類及び水溶性の無機物が特に好ましい。
上記水溶性の無機塩としては、例えば塩化カリウム、塩
化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化
カリウム、ヨウ化ナトリウム等のハロゲン化アルカリ金
属、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等のハロゲン化
アルカリ土類金属、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の
アルカリ金属硫酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム等のアルカリ土類金属硫酸塩、リン酸二水素カリウ
ム、リン酸水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸二
水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナト
リウム等のアルカリ金属リン酸塩類などが挙げられる。
このうち、塩化ナトリウムが好ましい。
【0024】上記水溶性の多価アルコール類としては、
例えばグリセリン等の二価アルコール類、アラビトー
ル、キシリトール、アドニトール等の五価アルコール
類、マンニトール、ソルビトール等の六価アルコール類
などが挙げられる。これらのうち六価のアルコール類が
好ましい。上記水溶性の一価アルコール類としては、例
えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等が挙げられる。これらのうちエタノールが好ましい。
上記水溶性の単糖類としては、例えばアラビノース、キ
シロース、リボース、2−デオキシリボース等の五炭糖
類、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、マンノース、ソル
ボース、ラムノース、フコース等の六炭糖類が挙げられ
る。これらのうち六炭糖類が好ましい。上記水溶性の二
糖類としては、例えば麦芽糖、セロビオース、α−トレ
ハロース、乳糖、ショ糖などが挙げられる。これらのう
ち乳糖及びショ糖が好ましい。
【0025】上記水溶性のオリゴ糖としては、例えばマ
ルトトリオース、ラフィノース等の三糖類、スタキオー
ス等の四糖類などが挙げられる。これらのうち三糖類が
好ましい。上記水溶性の多糖類としては、例えばセルロ
ース、デンプン、グリコーゲン等のグルカン類、ペクチ
ン酸等のガラクツロナン類、アルギン酸等のマンヌロナ
ン類、イヌリン、レバン等のフルクタン類、キチン等の
N−アセチルグリコサミン重合体類、イネワラのキシラ
ン等のキシラン類、マンナン、グルコマンナン、ガラク
トマンナン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ヘパ
リン等のジヘテログルカン類などが挙げられる。これら
のうちグルカン類、ジヘテログルカン類が好ましい。上
記水溶性の単糖類、二糖類、オリゴ糖及び多糖類の誘導
体としては、例えばグルコサミン、ガラクトサミン、グ
ルクロン酸、ガラクツロン酸などが挙げられる。
【0026】上記水溶性の有機酸又はその塩としては、
例えばクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、これらのアルカリ
金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)などが挙げ
られる。上記水溶性のアミノ酸としては、例えばグリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェ
ニルアラニン、チロシン、トリプトファン、セリン、ト
レオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、システイ
ン、メチオニン等の中性アミノ酸、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸等の酸性アミノ酸、リジン、アルギニン、ヒ
スチジン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。またこれ
らの水溶性アミノ酸の酸(例、塩酸、硫酸、リン酸等)
又はアルカリ(例、ナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属等)との塩を用いてもよい。水溶性のペプチド、タ
ンパク質あるいはそれらの誘導体としては、例えばカゼ
イン、グロブリン、プロラミン、アルブミン、ゼラチ
ン、プロタミン、ヒストンなどが挙げられる。
【0027】浸透圧調節剤は単独で使用しても、1種以
上を混合して使用してもよい。これらの浸透圧調節剤の
外水相中での濃度は、浸透圧調節剤が非イオン性物質の
場合、約0.001ないし約60%(W/W)で、好ましくは
約0.01ないし約40%(W/W)、より好ましくは約0.
05ないし約30%(W/W)である。また、浸透圧調節剤
がイオン性物質の場合、上記の濃度を全体のイオン価で
除した濃度が用いられる。浸透圧調節剤の添加濃度は、
その溶解度以下である必要はなく、一部が有機溶媒中で
分散状態であってもよい。以下に、本発明の製造法の各
工程について詳述する。水溶性生理活性物質の水溶液を
水相として用いるマイクロカプセルの製造法において
は、まず、水溶性生理活性物質(以下、薬物と略するこ
ともある)を水に溶解し、これに必要であれば前記の塩
基性アミノ酸などの塩基性物質、さらに薬物保持物質
(例えば、ゼラチン、寒天、ポリビニールアルコールな
ど)を加えて溶解し、水相(内水相)を調製する。内水
相における薬物の濃度は、好ましくは約0.1ないし約
150%(W/V)である。さらに好ましくは約20ない
し約130%(W/V)である。特に好ましくは約60な
いし約120%(W/V)である。該水相には、薬物の安
定性、溶解性を保つためのpH調整剤として、炭酸、酢
酸、シュウ酸、クエン酸、リン酸、塩酸等、水酸化ナト
リウム、アルギニン、リジンおよびそれらの塩などを添
加してもよい。また、さらに薬物の安定化剤として、ア
ルブミン、ゼラチン、クエン酸、エチレンジアミン四酢
酸ナトリウム、デキストリン、亜硫酸水素ナトリウム、
ポリエチレングリコール等のポリオール化合物などを、
あるいは保存剤として、一般に用いられるパラオキシ安
息香酸エステル類(メチルパラベン、プロピルパラベン
など)、ベンジルアルコール、クロロブタノール、チメ
ロサールなどを添加してもよい。
【0028】このようにして得られた水相を、生体内分
解性高分子重合物(以下、ポリマーと略することもあ
る)および油脂類を含む均一な有機溶媒溶液(油相)中
に加え、ついで乳化操作を行い、W/O型乳化物を製造
する。該乳化操作は、公知の分散法、例えば断続振とう
法、プロペラ型撹拌機あるいはタービン型撹拌機などの
ミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモジナイザー
法、超音波照射法等により行われる。上記したポリマー
溶液(油相)は、ポリマーを水と実質的に混和しない有
機溶媒に溶解したものが用いられる。該有機溶媒の水に
対する溶解度は、好ましくは、常温(20℃)で3%
(W/W)以下である。また有機溶媒の沸点は120℃以
下であることが好ましい。有機溶媒としては、例えばハ
ロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン,クロロホル
ム,クロロエタン,トリクロロエタン,四塩化炭素な
ど)、炭素数3以上のアルキルエーテル類(例、イソプ
ロピルエーテルなど)、脂肪酸のアルキル(炭素数4以
上)エステル(例、酢酸ブチルなど)、芳香族炭化水素
(例、ベンゼン,トルエン,キシレンなど)等が挙げら
れる。これらは2種以上適宜の割合で混合して用いても
よい。有機溶媒は、さらに好ましくはハロゲン化炭化水
素(例、ジクロロメタン,クロロホルム,クロロエタ
ン,トリクロロエタン,四塩化炭素など)である。有機
溶媒は、特に好ましくはジクロロメタンである。
【0029】ついで、このようにして製造されたW/O
型乳化物から有機溶媒を常法に従い除去する。溶媒の除
去方法としては、例えば噴霧乾燥法や水中乾燥法などが
挙げられるが水中乾燥法が好ましく用いられる。噴霧乾
燥法は、得られたW/O型乳化物をノズル等を用いてス
プレードライヤ(噴霧乾燥器)の乾燥室内に噴霧し、極
めて短期間内に微粒化液滴内の溶媒を揮発させる方法で
あり、該ノズルとしては例えば、二流体ノズル型、圧力
ノズル型、回転ディスク型等がある。該水中乾燥法は、
W/O型乳化物を水相(外水相)中に加え、W/O/W
型乳化物を形成させた後、油相中の溶媒を除去すること
により行われる。外水相の体積は、一般的には油相体積
の約1ないし約10,000倍から選ばれる。さらに好
ましくは、約2ないし約5,000倍から選ばれる。特
に好ましくは、約5ないし約2,000倍から選ばれ
る。上記外水相中に乳化剤を加えてもよい。該乳化剤
は、一般に安定なW/O/W型乳化物を形成できるもの
であればいずれでもよい。具体的には、例えばアニオン
性界面活性剤(オレイン酸ナトリウム,ステアリン酸ナ
トリウム,ラウリル硫酸ナトリウムなど)、非イオン性
界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル〔ツイーン(Tween)80,ツイーン(Tween)6
0,アトラスパウダー社〕,ポリオキシエチレンヒマシ
油誘導体〔HCO-60,HCO-50,日光ケミカルズ〕など),
ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール,カルボ
キシメチルセルロース,レシチン,ゼラチン,ヒアルロ
ン酸などが挙げられる。乳化剤は、好ましくはポリビニ
ルアルコールである。これら乳化剤の中の1種類か、い
くつかを組み合わせて使用してもよい。使用の際の濃度
は、約0.001から約20%(W/W)の範囲から適宜選
択できる。さらに好ましくは約0.01から約10%(W
/W)の範囲で用いられる。特に好ましくは約0.05か
ら約5%(W/W)の範囲で用いられる。また、外水相中
に前記した浸透圧調節剤を加えてもよい。
【0030】本発明の製造法において、W/O/W型乳
化物を形成させる際にW/O型乳化物の粘度を約150
センチポアズ(cp)ないし約10,000cpに調整す
ることが好ましい。粘度を調整する方法としては、例え
ば(1)油相の生体内分解性高分子重合物の濃度を調整
する、(2)水相と油相との量比を調整する、(3)W
/O型乳化物の温度を調整する、(4)外水相の温度を
調整する、(5)W/O型乳化物を外水相に注入する際
に、例えばラインヒーター、クーラーなどでW/O型乳
化物の温度を調整するなどの方法が挙げられ、これらの
方法は単独でも、組み合わせて使用してもよい。上記方
法においては、要は、W/O型乳化物がW/O/W型乳
化物になる時のW/O型乳化物の粘度が約150cpな
いし約10,000cpになるようにしさえすればよ
い。上記(1)において、油相の生体内分解性ポリマー
の濃度を調整する場合の濃度は、生体内分解性ポリマー
の種類、有機溶媒の種類等で変化するので一義的に決定
されるものではないが、好ましくは約10ないし約80
%(W/W)である。上記(2)において、水相と油相と
の量比を調整する場合の量比は、薬物の種類および量、
油相の性質によって一義的に決定されるものではない
が、好ましくはW/O=約1%ないし約50%(V/
V)である。
【0031】上記(3)において、W/O型乳化物の温
度を調整する場合の温度は、例えば約−20℃ないし有
機溶媒の沸点の範囲、好ましくは約0℃ないし約30
℃、更に好ましくは約10℃ないし約20℃である。W
/O型乳化物の粘度の調整の時期は、上記(1)および
(2)の場合は、W/O型乳化物を製造する時点で行う
ことができる。また、上記(4)において、例えば外水
相にW/O型乳化物を添加する際に外水相の温度をあら
かじめ調整しておくことにより、上記(3)と同様の結
果となるようにすればよい。外水相の温度は、例えば約
5℃ないし約30℃、好ましくは約10℃ないし約25
℃、更に好ましくは約12℃ないし約20℃である。有
機溶媒を除去する方法は、自体公知の方法に従って行う
ことができる。例えばプロペラ型撹拌機あるいはマグネ
チックスターラーなどで撹拌しながら常圧もしくは徐々
に減圧にして有機溶媒を蒸発させる方法、ロータリーエ
バポレーターなどを用いて真空度を調節しながら有機溶
媒を蒸発させる方法などが挙げられる。
【0032】一方、水難溶性の生理活性ペプチドの金属
塩を生理活性物質として用いる場合には、生理活性ペプ
チド金属塩を生体内分解性高分子重合物と油脂類とを含
有する有機溶媒液に分散させて得られた分散液をよく混
合して、生理活性ペプチド金属塩が有機溶媒液中におい
て実質的に均一に分散・懸濁している分散安定性の高い
有機溶媒分散液(以下、便宜上S/O型乳化物と称するこ
とがある)を得る。上記有機溶媒としては、前記W/O
型乳化物の調製において生体内分解性高分子重合物と油
脂類とを含有する油相の調製に用いられるのと同様の有
機溶媒が用いられる。上記s/o型乳化物の調製には、公
知の分散法が用いられる。該分散法としては、例えば、
断続振とう法、プロペラ型撹拌機あるいはタービン型撹
拌機などのミキサーによる方法、コロイドミル法、ホモ
ジナイザー法、超音波照射法などが挙げられる。この場
合、所望により水不溶性溶媒と共に水溶性溶媒を用いる
ことも有効である。該水溶性溶媒は、水溶性を有し、上
記水不溶性溶媒と混合し得るものであればいかなるもの
でもよい。該水溶性溶媒の具体例としては、例えばアル
コール類(例、メタノール、エタノール、プロピルアル
コール、イソプロピルアルコール等)、アセトン、アセ
トニトリルなどが挙げられる。s/o型乳化物の調製に
おいては、生理活性物質をより細かく微粒化して分散さ
せることが好ましく、微粒子の粒径は通常約1nmないし
約30μm、好ましくは約1nmないし約5μm、最も好ま
しくは約1nmないし約1μmである。
【0033】次いで、このようにして製造されたS/O
型乳化物は、前記W/O型乳化物の場合と同様の手法に
より有機溶媒除去に付されるが、好ましくは水中乾燥法
に付す。好ましくは、外水相中に上記濃度の浸透圧調節
剤を含有させて行う。すなわち、該油相をさらに浸透圧
調節剤を含有した第2相目の水相中に加え、S/O/W
型乳化物を形成させた後、油相中の有機溶媒を除去さ
せ、マイクロカプセルを製造する。S/O/W型水中乾
燥法における外水相に乳化剤を加えてもよく、その例と
しては、前記W/O/W型乳化物を形成する際に用いら
れるものと同様の乳化剤が用いられる。
【0034】油相中の有機溶媒の除去は、通常用いられ
る方法が採用される。該方法としては、プロペラ型撹拌
機、あるいはマグネチックスターラーなどで撹拌しなが
ら徐々に減圧して行うか、ロータリーエバポレーターな
どを用いて、真空度を調節しながら除去する。この場
合、高分子重合物の固化がある程度進行し、内層から生
理活性物質の放出による損失が減少した時点で、溶媒の
除去をより完全にする目的で、S/O/W型乳化物を徐
々に加温して行うと所要時間を短縮することができる。
また、温度以外の方法で増粘化及び固化を行う場合は、
単にS/O/W型乳化物を撹拌下放置するか、加温する
か、窒素ガスなどを吹き付けるか、することなどによっ
て除去してもよい。この溶媒の除去過程は生理活性物質
の放出をコントロールするマイクロカプセルの表面構造
を大きく左右する重要な過程である。例えば、除去の速
度を速く行うことによって、表面に多くの細孔を生じ、
またより大きな細孔となり、生理活性物質の放出速度を
高める。
【0035】このようにして得られたマイクロカプセル
は遠心分離あるいは濾過して分取した後、マイクロカプ
セルの表面に付着している遊離の生理活性物質、該生理
活性物質の保持物質などを、蒸留水で数回繰り返し洗浄
し、必要であれば加温し減圧下でマイクロカプセル中の
水分の除去及びマイクロカプセル剤中の溶媒の除去をよ
り完全に行う。得られたマイクロカプセルは、通常蒸留
水などに再分散後、凍結乾燥して保管されるが凍結乾燥
の際に、凝集防止剤を加えてもよい。該凝集防止剤とし
ては、例えばマンニトールなどの水溶性多糖類、澱粉類
(例、コーンスターチなど)、無機塩類、アミノ酸、タ
ンパク質などが挙げられる。これらのうち好ましくはマ
ンニトールである。マイクロカプセルと凝集防止剤との
混合比(重量比)は、約50:1ないし約1:1、好ま
しくは約20:1ないし約1:1、更に好ましくは約1
0:1ないし約5:1である。洗浄中の粒子同士の凝集
を防ぐために、洗浄液である蒸留水に凝集防止剤を加え
てもよい。該凝集防止剤としては、例えばマンニトー
ル,ラクトース,ブドウ糖,などの水溶性多糖、グリシ
ン等のアミノ酸、フィブリン,コラーゲン等のタンパク
質、塩化ナトリウム,リン酸水素ナトリウム等の無機塩
類などが挙げられる。凝集防止剤は、好ましくはマンニ
トールである。
【0036】また、凍結乾燥の後、所望により、減圧下
加温してマイクロカプセル中の水分および有機溶媒の除
去をさらに行ってもよい。加熱温度が基剤として用いた
生体内分解性ポリマーのガラス転移温度未満では、生理
活性ペプチドの過剰量の初期放出性改善の効果がなく、
また高温過ぎるとマイクロカプセルの融着,変形,生理
活性物質の分解,劣化等の危険性が増大する。加熱温度
は一概にいえないが、基剤として用いた生体内分解性ポ
リマーの物性(例、分子量,安定性等),生理活性ペプ
チド,マイクロカプセルの平均粒子径,加熱時間,マイ
クロカプセルの乾燥程度,加熱方法等を考慮し適宜決定
することができる。好ましくは、基剤として用いた生体
内分解性ポリマーのガラス転移温度以上で、該マイクロ
カプセルの各粒子が互いに付着しない程度の温度で加熱
乾燥する。より好ましくは、基剤として用いた生体内分
解性ポリマーのガラス転移温度からガラス転移温度より
約30℃高い温度範囲内で加熱乾燥する。ここにおい
て、ガラス転移温度とは、示差走査熱量計を用い、加温
速度毎分10または20℃で昇温した際に得られる中間
点ガラス転移温度をいう。
【0037】加熱乾燥時間も加熱温度,処理するマイク
ロカプセル量などによって異なるが、一般的にはマイク
ロカプセル自体の温度が所定の温度に達した後、約24
ないし約120時間が好ましい。さらに約48ないし約
120時間が好ましい。加熱方法は特に限定されない
が、マイクロカプセルが均一に加熱される方法であれば
いかなる方法を用いてもよい。上記で得られたマイクロ
カプセルは、必要であれば軽く粉砕した後、篩過して、
大きすぎるマイクロカプセル部分を除去する。マイクロ
カプセルの粒子径は、徐放性の程度により懸濁剤として
使用する場合には、その分散性、通針性を満足させる範
囲であればよく、例えば、平均径として約0.5〜40
0μmの範囲が挙げられ、より好ましくは約2〜200
μmの範囲にあることが望まれる。マイクロカプセルを
無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする方法、ガ
ンマ線を滅菌する方法、防腐剤を添加する方法などが挙
げられるが、特に限定されない。
【0038】本発明製造法により製造されたマイクロカ
プセルは、経口的および非経口的に投与できる。例え
ば、筋肉内、皮下、血管、臓器、あるいは関節腔、腫瘍
などの病巣に容易に注射剤及び埋め込み剤として投与す
ることができる。また、種々の製剤に成型して投与する
こともでき、そのような製剤を製造する際の原料物質と
しても使用され得る。上記製剤としては、注射剤、経口
投与製剤(例、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤)、経
鼻投与製剤、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)などが挙げ
られる。これらの製剤は、常法に従って製造することが
できる。例えば、本発明のマイクロカプセルを注射剤と
するには、本発明のマイクロカプセルを分散剤(例、ツ
イーン(Tween)80、HCO 60(日光ケミカルズ
製)、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリ
ウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパ
ラベン、ベジールアルコール、クロロブタノールな
ど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、グリセリン、ソ
ルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性懸濁剤に、
あるいはオリーブ油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、
コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに分
散して油性懸濁剤に成形され、徐放性注射剤とする。さ
らに、上記のマイクロカプセルの徐放性注射剤は、懸濁
剤として、上記の組成以外に、賦形剤(例、マンニトー
ル、ソルビトール、ラクトース、ブドウ糖など)を加え
て、再分散した後、凍結乾燥もしくは噴霧乾燥して固型
化し、用時に、注射用蒸留水あるいは適当な分散剤を加
えると、より安定した徐放性注射剤が得られる。
【0039】本発明製造法により得られるマイクロカプ
セルを例えば錠剤にするには、一般に公知の製法に準じ
て行うことができる。例えば賦形剤(例、乳糖、結晶セ
ルロース、白糖、トウモロコシデンプン等のデンプン類
など)、崩壊剤(例、トウモロコシデンプン等のデンプ
ン類、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチ
ルスターチナトリウム、炭酸カルシウムなど)、結合剤
(例、結晶セルロース、アラビアゴム、デキストリン、
カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリド
ン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)又は滑沢剤
(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレ
ングリコール6000など)などを添加して圧縮成形す
る。
【0040】本発明製造法により得られるマイクロカプ
セルを例えば経鼻投与製剤にするには、固状、半固状又
は液状のものに成形され、いずれも一般に用いられる製
法で行うことができる。例えば、上記固状のものとして
は、該マイクロカプセルをそのまま、あるいは賦形剤
(例、グルコース、マンニトール、デンプン、微結晶セ
ルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース
誘導体、アクリル酸重合物など)などを添加、混合して
粉状の組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤
の場合とほとんど同様で、油性あるいは水性懸濁剤とす
る。半固状の場合は、水性又は油性のゲル剤、あるいは
軟膏状のものがよい。また、これらはいずれも、pH調
節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナト
リウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステ
ル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)
などを加えてもよい。
【0041】本発明製造法により得られるマイクロカプ
セルを坐剤とするには、油性又は水性の固状、半固状あ
るいは液状のものをそれぞれ油性基剤又は水性基剤とし
て用いて、自体公知の方法で製造しうる。上記組成物に
用いる油性基剤としては、マイクロカプセルを溶解しな
いものであればよく、例えば高級脂肪酸のグリセリド
[例、カカオ脂、ワイテプゾル類(ダイナマイトノーベ
ル社)など]、中鎖脂肪酸トリグリセリド[例、ミグリオ
ール類(ダイナマイトノーベル社)など]、あるいは植
物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げら
れる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレング
リコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤とし
ては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール
重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【0042】本発明製造法により得られるマイクロカプ
セルは、初期バーストが抑制されかつ一定した薬物量を
長期に亘って放出するため、低毒性で一定した薬効が得
られ、安全で効能の高い徐放剤となり得る。しかも、慢
性疾患の治療に応用することによりこれまで頻回投与を
余儀なくされた患者に対しては、その肉体的負担をなく
しコンプライアンスを得ることが出来る。例えば下垂体
小人症の場合には、成長ホルモンの投与はかかせないも
のであり、従来乳幼児あるいは若年患者に対しては数カ
月から10年以上の長期に亘り連日あるいは隔日に皮下あ
るいは筋肉内投与されているが、本発明製造法により得
られる徐放性マイクロカプセルにおいては数週間から数
カ月に一度の投与で十分な薬効が得られるため、これら
の患者のコンプライアンスの改善に大いに寄与できる。
また例えば水溶性生理活性物質が、抗血栓剤である本発
明の徐放性マイクロカプセルを血栓症の治療に用いる場
合には、通常の投与法では抗血栓作用の副作用として出
血傾向が懸念されるが、本発明の徐放性マイクロカプセ
ルでは副作用を発現しない薬効濃度領域内に血中濃度を
長期に亘って安定的に維持できるため、長期に亘る当該
慢性疾患の治療だけでなく、その予防にも積極的に使用
できる。このように、本発明のマイクロカプセルは、副
作用や毒性が低いので(例えば、マウス、ラット、イ
ヌ、ウマ、ウシ、ヒトなどの温血哺乳動物)に安全に投
与できる。
【0043】徐放性マイクロカプセルの投与量として
は、主薬である生理活性物質の種類と含量、剤形、薬物
放出の持続時間、投与対象動物、投与目的により種々異
なるが、該主薬の有効量であればよい。例えば生理活性
ペプチドあるいはその塩の徐放性マイクロカプセルが1
週間型製剤である場合、好ましくは、成人1人当たり約
0.0001ないし10mg/kg体重の範囲から適宜選ぶ
ことができる。さらに好ましくは約0.0005ないし
1mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。投与回
数は、1週間に1回、2週間に1回、あるいは1ケ月に
1回など、該生理活性ペプチドの種類と含量、剤型、放
出の持続時間、対象疾患、対象動物などによって適宜選
ぶことができる。徐放性製剤の有効成分である生理活性
ポリペプチドが、例えばヒト成長ホルモンで、2週間型
製剤を下垂体性小人症の患者に投与する場合には、有効
成分として通常、約0.01ないし約5mg/kg体重、好
ましくは約0.03ないし約1mg/kg体重の範囲から適
宜選び、2週間に1回投与するのがよい。また生理活性
物質がインスリンの場合、糖尿病患者に対する投与量
は、有効成分として通常、約0.001ないし約1mg/k
g体重、好ましくは約0.01ないし約0.2mg/kgの範
囲から適宜選び、1週間に1回投与するのがよい。
【0044】例えば抗血小板薬である前記一般式(I)
で表わされる2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体又はその
塩の徐放性マイクロカプセルを、不安定狭心症患者、P
TCA(経皮的冠動脈内血管形成術)又は冠動脈血栓溶
解療法施行時の虚血性合併症又は冠動脈の再閉塞もしく
は再狭窄発症患者に経口投与する場合、成人(体重50
kg)に1回当たりの投与量として、マイクロカプセルの
適量が約1mgないし10g、好ましくは約1mgないし2
gの範囲(通常、主薬である化合物(I)として1回に
つき約1ないし500mg、好ましくは約10ないし20
0mgになる範囲)から、適宜選択することができる。
又、不安定狭心症患者、PTCA又は冠動脈血栓溶解療
法施行後の虚血性合併症又は冠動脈の再閉塞もしくは再
狭窄発症患者に非経口投与する場合、例えば上記注射剤
として投与する場合の懸濁溶液の容量は、約0.1ない
し5ml、好ましくは約0.5ないし3mlの範囲(通常、
成人(体重50kg)の1回当たりの投与量が、主薬であ
る化合物(I)として、約0.05〜50mg、好ましくは
1〜20mgになるような範囲)から適宜選ぶことができ
る。本発明製造法により得られる徐放性マイクロカプセ
ルは、常温あるいは冷所に保存されるが、好ましくは冷
所である。ここでいう常温あるいは冷所とは日本薬局方
において定義されるものである。すなわち、常温とは1
5ないし25℃、冷所とは15℃以下を意味する。
【0045】
【発明の実施の形態】以下に実施例および試験例を挙げ
て、さらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定
するものではない。
【実施例】
実施例1 (S)-4-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル-3
-[3-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピル-2-
オキソピペラジン-1-酢酸(以下、化合物Aと略称す
る)の塩酸塩500mg及びL−アルギニン150mgを蒸
留水1mlに溶解し、内水相とした。一方、乳酸・グリコ
ール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/50(モ
ル%),重量平均分子量8,000)3850mg及びビ
タミンE500mgを塩化メチレン7.5mlに溶解し油相
とした。油相を内水相に加え、小型ホモジナイザー(ポ
リトロン)で乳化しW/O型乳化物を得た。このW/O乳
化物を15℃に冷却した2.7%NaCl含有0.1%P
VA水溶液800ml(外水相)中でホモミキサーを使用
して乳化し、W/O/W型乳化物とした。この後、通常の
プロペラ撹拌機で3時間緩徐に撹拌し、塩化メチレンの
揮散と共にマイクロカプセルが固化するのを待って遠心
分離機を用いて捕集した。捕集したマイクロカプセル
は、精製水で水洗後、凍結乾燥に供した。マイクロカプ
セル20mgをアセトニトリル/蒸留水の2:1混液3ml
に溶解後、0.5N KOH−エタノール溶液3mlを添加
して25℃で20時間加水分解した。窒素ガス気流下で
蒸発乾固した残渣を0.5N HClで中和後、最終アミ
ノ酸濃度約200nmol/mlとなるように0.01N HC
lを用いて希釈し、アミノ酸分析計(日立L-8500A)に
供してアルギニンを定量した。マイクロカプセル中アル
ギニン含量は1.6%で、また、後述の実施例5に記載
の方法で定量したマイクロカプセル中ビタミンE含量は
10%であった。
【0046】実施例2 化合物Aの塩酸塩500mg及びL-アルギニン150mgを
蒸留水1mlに溶解し、内水相とした。一方、乳酸・グリ
コール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/50
(モル%),重量平均分子量8,000)4100mg及び
ビタミンE250mgを塩化メチレン8mlに溶解し油相と
した。油相を内水相に加え、小型ホモジナイザー(ポリ
トロン)で乳化しW/O型乳化物を得た。このW/O乳化
物を15℃に冷却した2.7%NaCl含有0.1% P
VA水溶液800ml(外水相)中でホモミキサーを使用
して乳化し、W/O/W型乳化物とした。この後、通常の
プロペラ撹拌機で3時間緩徐に撹拌し、塩化メチレンの
揮散と共にマイクロカプセルが固化するのを待って遠心
分離機を用いて捕集した。捕集したマイクロカプセル
は、精製水で水洗後、マンニトール440mgを加えて凍
結乾燥した。
【0047】実施例3 化合物Aの塩酸塩750mg及びL-アルギニン150mgを
蒸留水2mlに溶解し、内水相とした。一方、乳酸・グリ
コール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/50
(モル%),重量平均分子量9,000)3600mg及び
ビタミンE500mgを塩化メチレン10mlに溶解し油相
とした。以下、実施例2と同様にW/O型乳化物、さら
にW/O/W型乳化物を調製しマイクロカプセル凍結乾燥
品を得た。得られたマイクロカプセル中のアルギニン及
びビタミンEの含量はそれぞれ1.5%(w/w)及び10
%(w/w)であった。 実施例4 化合物Aの塩酸塩500mg及びL-アルギニン150mgを
蒸留水1mlに溶解し、内水相とした。一方、乳酸・グリ
コール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/50
(モル%),重量平均分子量9,000)4100mg及び
ビタミンE250mgを塩化メチレン8mlに溶解し油相と
した。以下、実施例2と同様にW/O型乳化物、さらに
W/O/W型乳化物を調製しマイクロカプセル凍結乾燥品
を得た。得られたマイクロカプセル中のアルギニン含量
及びビタミンEの含量はそれぞれ1.8%(w/w)及び
5.2%(w/w)であった。
【0048】比較例1 化合物A200mgを蒸留水0.5mlに溶解し、内水相と
した。一方、乳酸・グリコール酸共重合体(乳酸/グリ
コール酸=50/50(モル%),重量平均分子量9,0
00)1800mgを塩化メチレン2mlに溶解し油相とし
た。以下、実施例3と同様にW/O型乳化物、さらにW/
O/W型乳化物を調製しマイクロカプセル凍結乾燥品を
得た。〔表1〕に実施例4および比較例1で得られたマ
イクロカプセルの特性を示す。
【表1】 製 法 薬物封入率 1日放出量 (In vitro溶出試験) 実施例4 96 % 10 % 比較例1 88 % 68 % 〔表1〕の結果より、化合物Aの塩酸塩を用いて内水相
に3%アルギニンを、油相に5%ビタミンEを添加して
マイクロカプセルを調製することにより、マイクロカプ
セル中への薬物封入率が向上し、in vitro溶出試験での
初期放出(1日放出量)を抑制することが可能となっ
た。
【0049】試験例1 前記実施例1及び比較例1で得られたそれぞれのマイク
ロカプセルを、SDラット(雄性、6週齢)に薬物量と
して20mg/kgで皮下投与し、投与後の血漿中濃度をE
LISAにより測定した。得られた結果を〔図1〕に示
す。〔図1〕においては、実施例1によるマイクロカプ
セルを曲線A、比較例1によるマイクロカプセルを曲線
Bで示す。投与1時間後の薬物血漿中濃度は、実施例1
および比較例1のマイクロカプセルにおいて、それぞれ
689ng/mlおよび2926ng/mlであった。化合物Aの
塩酸塩を用いて内水相に3%アルギニンを、油相に10
%ビタミンEを添加して調製したマイクロカプセルにお
いては、投与後初期の薬物濃度の上昇が抑制され、その
後の血漿中濃度の変動も少なく、約2週間有効血漿中濃
度を安定して持続させることが可能となった。
【0050】参考例1 アミノ末端にメチオニン付加した組換え型ヒト成長ホル
モン(特開昭62−171699号公報の参考例14に
記載の方法に準じて製造した。以下、Met-hGH と略
記する)水溶液(710mg/355ml 5mM NH4HCO
3, pH7.8)に、Zn(OAc)2 2H2O (71mg/5ml
2O)溶液3.5ml (Met-hGH:Zn=1:7 モル)を
撹拌しながら徐々に滴下した。生成した不溶性Met-h
GH/Zn複合体を2,500rpmで20分間遠心分離
し、上清を除去した後、蒸留水100mlを加えて再分散
し 凍結乾燥した。
【0051】実施例5 乳酸・グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=5
0/50(モル%),重量平均分子量15,000 和光
純薬製)1275mg及びビタミンE 150mgを塩化メ
チレン 2.0mlとアセトニトリル 0.4mlとの混液に溶
解し油相とした。この油相に参考例1で得たMet-hG
H/Zn複合体 75mgを分散し、まず超音波照射にて5
分間、さらに小型ホモジナイザー(ポリトロン)を用い
て15,000 rpmで1分間微粒化した。このS/O分散
液を15℃に冷却した10%マンニトール含有0.1%
ポリビニルピロリドン(PVA)水溶液800mlに添加
し、ホモミキサーを用いて乳化しS/O/W型乳化物を得
た。次いで通常のプロペラ撹拌機で3時間緩徐に撹拌
し、塩化メチレンの揮散と共に生成するマイクロカプセ
ルを遠心分離機を用いて捕集し、精製水で水洗後、凍結
乾燥に供した。得られたマイクロカプセル20mgに5ml
の酢酸エチルと1mlの0.1M酢酸緩衝液(pH=4)を加
えて10分間振盪し、2,500rpm, 10分間遠心分
離した。得られた酢酸エチル層の紫外線(UV)吸収(2
94nm)を吸光度計(BeckmanDU 7400)で測定し、マイ
クロカプセル中ビタミンE含量を定量した。マイクロカ
プセル中ビタミンE含量は10%であった。
【0052】実施例6 乳酸・グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=5
0/50(モル%),重量平均分子量15,000)13
50mg及びビタミンE 300mgを塩化メチレン2.0ml
とアセトニトリル 0.4mlとの混液に溶解し油相とし
た。この油相に参考例1で得たhGH/Zn複合体 75
mgを分散し、まず超音波照射にて5分間、さらに小型ホ
モジナイザー(ポリトロン)を用いて15,000rpmで
1分間微粒化した。以下、実施例5と同様にS/O分散
液、さらにS/O/W型乳化物の調製を経て、マイクロカ
プセル凍結乾燥品を得た。また、実施例5に記載の方法
で定量したマイクロカプセル中のビタミンE含量は17
%であった。
【0053】比較例2 乳酸・グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=5
0/50(モル%),重量平均分子量15,000)1
425mgを塩化メチレン2.0mlとアセトニトリル0.4
mlとの混液に溶解し油相とした。この油相に実施例1で
得たMet-hGH/Zn複合体75mgを分散し、まず超音
波照射にて5分間、さらに小型ホモジナイザー(ポリト
ロン)を用いて15,000rpmで1分間微粒化した。以
下、実施例6と同様にS/O分散液、さらにS/O/W型
乳化物の調製を経て、マイクロカプセル凍結乾燥品を得
た。
【0054】試験例2 実施例5、6及び比較例2で得られたマイクロカプセル
をSDラット(雄性、6週齢)に皮下投与し(hGHとし
て15mg/kg)、血清中濃度をRIAにより測定した。得
られた結果を〔図2〕に示す。〔図2〕に示すように、
比較例2のマイクロカプセルを曲線A、実施例5および
6のマイクロカプセルをそれぞれ曲線BおよびCで示
す。投与1時間後のhGH血漿中濃度は、比較例2、実
施例5および6のマイクロカプセルにおいて、それぞれ
813ng/ml, 633ng/mlおよび844ng/mlであっ
た。投与2週後までの血中薬物濃度時間曲線下面積(A
UC)から算出した生物学的利用能(BA)は、hGH溶
液の静脈内投与に比較してそれぞれ42%, 56%およ
び57%であった。また投与2週後までのAUCに対す
る投与1日後までのAUCの割合を初期バースト率(I
B)とした時、それぞれ83%, 79%および72%で
あった。油相に10%ビタミンEを添加して調製された
実施例1のマイクロカプセルでは、投与後初期(1時間
後)のhGH血漿中濃度(C1h)の上昇が抑制され、
その後2週に亘り高い血清中濃度を維持し、BAの増大
とIBの抑制が達成された。また油相に17%ビタミン
Eを添加して調製された実施例1のマイクロカプセルで
は、C1hに大きな変化はないが、その後2週間に亘り
高い血清中濃度を維持し、同様にBAの増大とIBの抑
制が達成された。
【0055】実施例7 化合物Aの2塩酸塩500mg及びL−アルギニン300
mgを蒸留水1mlに溶解し、内水相とした。一方、乳酸・
グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/5
0(モル%),重量平均分子量8,000)3950mg
及びビタミンE250mgを塩化メチレン7.5mlに溶解
し油相とした。油相を内水相に加え、小型ホモジナイザ
ー(ポリトロン)で乳化しW/O型乳化物を得た。この
W/O乳化物を15℃に冷却した2.7%NaCl含有
0.1%PVA水溶液800ml(外水相)中でホモミキ
サーを使用して乳化し、W/O/W型乳化物とした。この
後、通常のプロペラ撹拌機で3時間緩徐に撹拌し、塩化
メチレンの揮散と共にマイクロカプセルが固化するのを
待って遠心分離機を用いて捕集した。捕集したマイクロ
カプセルは、精製水で水洗後、凍結乾燥に供した。マイ
クロカプセル中、薬物封入率は90%であった。
【0056】実施例8 化合物Aの2塩酸塩500mg及びL−アルギニン300
mgを蒸留水1mlに溶解し、内水相とした。一方、乳酸・
グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/5
0(モル%),重量平均分子量10,000)3160m
g及び乳酸・グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール
酸=50/50(モル%),重量平均分子量7,000)
790mgの2種類の乳酸・グリコール酸共重合体395
0mgとビタミンE250mgとを塩化メチレン15mlに溶
解し油相とした。油相を内水相に加え、小型ホモジナイ
ザー(ポリトロン)で乳化しW/O型乳化物を得た。こ
のW/O乳化物を15℃に冷却した2.7%NaCl含有
0.1%PVA水溶液800ml(外水相)中でホモミキ
サーを使用して乳化し、W/O/W型乳化物とした。この
後、通常のプロペラ撹拌機で3時間緩徐に撹拌し、塩化
メチレンの揮散と共にマイクロカプセルが固化するのを
待って遠心分離機を用いて捕集した。捕集したマイクロ
カプセル中、薬物封入率は91%であった。
【0057】
【発明の効果】本発明において、生体内分解性高分子重
合物の有機溶媒液に相分離を起こすことなく溶解する油
脂類を添加することにより、生理活性物質を高含量に含
有し、かつ初期放出の少ない安定した放出性を示すマイ
クロカプセルを調製できる。このマイクロカプセルを使
用することにより、生理活性物質の副作用を軽減させつ
つ長期にわたる投与が可能となり、また投与回数の減少
により患者のコンプライアンスの向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験例1で用いたマイクロカプセル投与後の薬
物血中濃度の経時変化を示す。
【図2】試験例2で用いたマイクロカプセル投与後の薬
物血漿中濃度の経時変化を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 38/22 A61K 37/32 38/27 37/36 38/43 37/465 38/44 37/50 38/46 37/54 38/48 37/547 38/21 37/66 H

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性生理活性物質のマイクロカプセルの
    製造法において、水溶性生理活性物質を含む水溶液を内
    水相とし、生体内分解性高分子重合物及び油脂類を含む
    均一有機溶媒溶液を油相とするw/o型乳化物を形成さ
    せ、有機溶媒を除去することを特徴とする徐放性マイク
    ロカプセルの製造法。
  2. 【請求項2】w/o型乳化物を水相に分散させ、水中乾
    燥法により有機溶媒を除去する請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】水溶性生理活性物質と塩基性物質とを含む
    水溶液を内水相とする請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】水溶性生理活性物質が分子量約200から
    約80,000のポリペプチドである請求項1記載の製
    造法。
  5. 【請求項5】水溶性生理活性物質がインテグリン拮抗物
    質である請求項1記載の製造法。
  6. 【請求項6】インテグリン拮抗物質がGPIIb/IIIa 拮
    抗物質である請求項5記載の製造法。
  7. 【請求項7】GPIIb/IIIa 拮抗物質が、式(I) 【化1】 〔式中、A1及びA2はそれぞれプロトン受容基又はプロ
    トン受容基に変換し得る基を、Dはヘテロ原子及び/又
    は5もしくは6員環を介していてもよい2ないし6の原
    子鎖のスペーサー(但し、5もしくは6員環は結合位置
    により2又は3原子鎖と換算する)を、R1は水素原子
    又は炭化水素基を、R2は水素原子又はα−アミノ酸か
    ら−CH(NH2)COOHを除いた残基を示すか、又は
    1とR2は結合して5もしくは6員環を形成してもよ
    く、Pはヘテロ原子及び/又は5もしくは6員環を介し
    ていてもよい1ないし10の原子鎖のスペーサー(但
    し、5もしくは6員環は結合位置により2又は3原子鎖
    と換算する)を、Yはエステル化又はアミド化されてい
    てもよいカルボキシル基を、nは0ないし8の整数を示
    す。〕で表される2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体または
    その塩である請求項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体が(S)-4-(4-
    グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル-3-[3-(4-グアニ
    ジノベンゾイルアミノ)]プロピル-2-オキソピペラジン-
    1-酢酸である請求項7記載の製造法。
  9. 【請求項9】2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体の塩が(S)-4
    -(4-グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル-3-[3-(4-グ
    アニジノベンゾイルアミノ)]プロピル-2-オキソピペラ
    ジン-1-酢酸 塩酸塩である請求項7記載の製造法。
  10. 【請求項10】2-ピペラジノン-1-酢酸誘導体の塩が(S)
    -4-(4-グアニジノベンゾイルアミノ)アセチル-3-[3-(4-
    グアニジノベンゾイルアミノ)]プロピル-2-オキソピペ
    ラジン-1-酢酸 2塩酸塩である請求項7記載の製造
    法。
  11. 【請求項11】生体内分解性高分子重合物が脂肪族ポリ
    エステルである請求項1記載の製造法。
  12. 【請求項12】脂肪族ポリエステルが乳酸・グリコール
    酸共重合物である請求項11記載の製造法。
  13. 【請求項13】油脂類が脂溶性ビタミンである請求項1
    記載の製造法。
  14. 【請求項14】脂溶性ビタミンがα−トコフェロールで
    ある請求項13記載の製造法。
  15. 【請求項15】油脂類の徐放性マイクロカプセル全量に
    対する最終含有率が約3%ないし約30%(w/w)である
    請求項1記載の製造法。
  16. 【請求項16】水溶性生理活性物質と塩基性物質とを含
    む水溶液を内水相とし、生体内分解性高分子重合物と油
    脂類とを含む均一有機溶媒溶液を油相とするW/O型乳
    化物を水相に分散させてW/O/W型乳化物を形成さ
    せ、水中乾燥に付し有機溶媒を除去する請求項1記載の
    製造法。
  17. 【請求項17】塩基性物質が塩基性アミノ酸である請求
    項3または16記載の製造法。
  18. 【請求項18】塩基性アミノ酸がL-アルギニンである請
    求項17記載の製造法。
  19. 【請求項19】塩基性物質の徐放性マイクロカプセル全
    量に対する最終含有率が約1%ないし約8%(w/w)であ
    る請求項3または16記載の製造法。
  20. 【請求項20】水溶性生理活性ペプチドの金属複合体
    を、生体内分解性高分子重合物と油脂類とを含む均一有
    機溶媒溶液に分散させたS/O型分散液より有機溶媒を
    除去することを特徴とする徐放性マイクロカプセルの製
    造法。
  21. 【請求項21】S/O型分散液を水相に分散させてS/
    O/W型乳化物を形成させ、水中乾燥法により有機溶媒
    を除去する請求項20記載の製造法。
  22. 【請求項22】水溶性生理活性ペプチドがヒト成長ホル
    モンである請求項20記載の製造法。
  23. 【請求項23】水溶性生理活性ペプチドの金属複合体が
    ヒト成長ホルモンの亜鉛複合体である請求項20記載の
    製造法。
  24. 【請求項24】請求項1記載の製造法で製造される徐放
    性マイクロカプセル。
  25. 【請求項25】請求項20記載の製造法で製造される徐
    放性マイクロカプセル。
  26. 【請求項26】水溶性生理活性物質を含む水溶液を内水
    相とし、生体内分解性高分子重合物を含む有機溶媒溶液
    を油相とするw/o型乳化物を形成させ、有機溶媒を除
    去することを特徴とする徐放性マイクロカプセルの製造
    のための油脂類の使用。
  27. 【請求項27】水溶性生理活性ペプチドの金属複合体の
    徐放性マイクロカプセルの製造のための油脂類の使用。
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