JPH0956817A - ドリップチャンバー - Google Patents

ドリップチャンバー

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JPH0956817A
JPH0956817A JP7218615A JP21861595A JPH0956817A JP H0956817 A JPH0956817 A JP H0956817A JP 7218615 A JP7218615 A JP 7218615A JP 21861595 A JP21861595 A JP 21861595A JP H0956817 A JPH0956817 A JP H0956817A
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blood
chamber
air
drip chamber
tube
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JP7218615A
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Takeshi Shibata
猛 柴田
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Scitec KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ドリップチャンバーの機能を何ら損なうことな
く、その内部で血液と空気とを遮断することができ、血
液凝固や汚染を確実に防止することで品質を格段に向上
させ、また、コストを低減する。 【解決手段】ドリップチャンバー10の管本体11内
に、空気チャンバー11aと血液チャンバー11bとに
区分する伸縮自在な隔膜20を設け、空気チャンバー1
1aに、その中の空気に対して隔膜20を介して接する
血液チャンバー11b内の血液の圧力を測定する圧力計
30を連通するよう接続し、血液チャンバー11bに、
血液流入口12と血液流出口13とを設けると共に、血
液回路内に混じった空気を除去する空気除去ライン14
を連通するよう接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体中の血液を体
外に導き循環させる血液回路の途中に設けられるドリッ
プチャンバーに関するものであり、そのうち特に人の医
療に用いられるものである。ここで血液回路は、例えば
人工腎臓装置における血液透析に代表される血液浄化療
法等に用いられるものである。ドリップチャンバーは、
一般にエアートラップとも称される血液回路用部品であ
り、血液回路の通常は動脈及び静脈側に設けられてい
る。
【0002】かかるドリップチャンバーの主たる機能
は、体外循環中の血液回路内の空気を捕捉して人体に空
気が入らないようにすること、そして、血液回路内の血
液の圧力を測定する機構の一部を構成していること、更
に、ドリップチャンバーに網目のフィルターを設けて夾
雑物を補捉し人体を保護すること等である。
【0003】
【従来の技術】従来、この種のドリップチャンバーとし
ては、例えば、図4に示すようなものが知られている。
このドリップチャンバーは、血液回路を構成する血液チ
ューブより大径の管本体2に血液流入口3や血液流出口
4等を設けて構成されたものである。人体外に導かれた
血液は、管本体2の上部(または側壁)の血液流入口3
より管本体2中に流入して血液溜りBを形成し、下部の
血液流出口4より再び人体内へ戻るように設定されてい
る。
【0004】管本体2内の血液溜りBの上部には空気層
Aが形成され、血液に空気が混入した場合はこの空気層
Aで捕捉されて、人体へ空気が入らないようになってい
た。また、管本体2の上部には、空気層Aにおける余分
な空気を除去するための液面調整ライン7が連通するよ
う接続され、その先端にはシリンジ8が設けられてい
る。
【0005】更に、管本体2の上部には圧ライン4が連
通するよう接続されており、この圧ライン4の先端には
圧力計5が連結されている。圧力計5は管本体2内の空
気層Aを介して体外循環中の血液の圧力を計測し監視す
るための計器である。
【0006】ところで血液は、体外で異物に触れると凝
固しやすい。更に空気に触れると、血液の凝固能は活性
化される。従って、安全に血液を体外循環させるために
血液抗凝固剤が使用されるが、抗凝固剤の使用は生理的
にも経済的にも極力小さくする必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来のドリップチャンバーでは、その管本体2
内で血液溜りBの血液が空気層Aと常に広い面積で接触
するので、血液の凝固を活性化してしまうという構造上
大きな問題があった。これに鑑みて、血液溜りBの上層
部に生理食塩水の層を設け、血液と空気との直接接触を
避ける等の工夫が一部で試みられているが、生理食塩水
の層は完全な状態で維持しにくくいため、抗凝固剤の使
用を極力押えつつ血液凝固を防ぐという課題を十分には
解決できないでいた。
【0008】また、管本体2内の血液の液面レベルの調
節は、人為的に液面調整ライン7からの空気の出し入れ
により行われるが、調整が不適切の場合に管本体2内の
空気層Aの空気が人体へ入るおそれがあった。また、空
気層Aの空気は、滅菌処理されたものではなく、室内の
空気をそのまま利用したものであるため、空中のバクテ
リアにより血液が汚染されるおそれも無視できない。
【0009】更にまた、管本体2に圧ライン4を介して
連通された圧力計5は、透析装置等の一部を構成してお
り無菌状態ではないため、圧ライン4を通じて血液が圧
力計5へ達して血液が汚染されるおそれもあった。その
一方、圧力計5自体も血液により損傷する場合も有り得
る。このため、圧ライン4の先端が接続された圧力計5
の入口には、空気だけが通過できる高価なエアーフィル
ター6を設ける必要があり、コストアップの要因ともな
っていた。
【0010】本発明は、以上のような従来技術が有する
問題点に着目してなされたもので、ドリップチャンバー
の機能を何ら損なうことなく、その内部で血液と空気と
を遮断することができ、血液凝固や汚染を確実に防止す
ることで品質を格段に向上させ、また、コストを低減す
ることもできるドリップチャンバーを提供することを目
的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述した問題点
を解決すべく鋭意検討の結果生じたものであり、かかる
本発明の要旨とするところは、請求項1記載の発明で
は、生体中の血液を体外に導き循環させる血液回路の途
中に設けられるドリップチャンバー(10,10A)に
おいて、前記血液回路を構成する血液チューブ(1)よ
り大径の管本体(11)内に、該管本体(11)内を空
気チャンバー(11a)と血液チャンバー(11b)と
に区分する伸縮自在な隔膜(20)を設け、前記空気チ
ャンバー(11a)に、該空気チャンバー(11a)内
の空気に対して前記隔膜(20)を介して接する前記血
液チャンバー(11b)内の血液の圧力を測定する圧力
計(30)を連通するよう接続し、前記血液チャンバー
(11b)に、血液流入口(12,12A)と血液流出
口(13)とを設けると共に、血液回路内に混じった空
気を除去する空気除去ライン(14)を連通するよう接
続したことを特徴とするドリップチャンバー(10,1
0A)に存する。
【0012】また、請求項2記載の発明では、前記管本
体(11)の上部を空気チャンバー(11a)とし、そ
の下の血液チャンバー(11b)の最上部に前記空気除
去ライン(14)を連通するよう接続し、血液チャンバ
ー(11b)の最下部に前記血液流出口(13)を設
け、前記空気除去ライン(14)の接続口(14a)と
血液流出口(13)との間に前記血液流入口(12,1
2A)を設けたことを特徴とする請求項1記載のドリッ
プチャンバー(10,10A)に存する。
【0013】また、請求項3記載の発明では、生体中の
血液を体外に導き循環させる血液回路の途中に設けられ
るドリップチャンバー(10B)において、前記血液回
路を構成する血液チューブ(1)より大径の血液チャン
バー管(51)に、血液流入管(52)を連通するよう
接続すると共に血液流出口(13)を設け、更に空気除
去ライン(14)を連通するよう接続し、前記血液流入
管(52)の途中に、その外周を覆うように空気チャン
バー管(53)を設け、該空気チャンバー管(53)で
包囲された血液流入管(52)途中を伸縮自在な隔膜
(20)で形成し、前記空気チャンバー管(53)に、
該空気チャンバー管(53)内の空気に対して前記隔膜
(20)を介して接する前記血液流入管(52)途中の
血液の圧力を測定する圧力計(30)を連通するよう接
続したことを特徴とするドリップチャンバー(10B)
に存する。
【0014】更にまた、請求項4記載の発明では、前記
血液流出口(13)に、血液中に混じった夾雑物を捕捉
するフィルター(16)を設けたことを特徴とする請求
項1,2または3記載のドリップチャンバー(10,1
0A,10B)に存する。
【0015】次に前述した解決手段に基づく作用を説明
する。先ず請求項1に係るドリップチャンバー(10,
10A)によれば、その主要部を成す管本体(11)
に、該管本体(11)内を空気チャンバー(11a)と
血液チャンバー(11b)とに区分する伸縮自在な隔膜
(20)を設けたから、管本体(11)内にて圧測定用
の空気と血液とは直接接触することがなく完全に分離さ
れる。
【0016】それにより、血液の上層に生理食塩水の層
を設けるような面倒であり不確実な方策を講じることな
く、また抗凝固剤を減量しても、確実に血液凝固を防ぐ
ことができる。更に、血液チャンバー(11b)内の血
液が汚染のおそれがある空気とは接触しないため、きわ
めて衛生的な状態を保つことが可能になる。
【0017】前記隔膜(20)は、圧の変化に応じて自
在に伸縮し、血液と接触しても何ら影響のないような材
質により成形すればよい。すなわち、隔膜(20)は血
液チャンバー(11b)内の血液の圧力に応じて適宜伸
縮するものであるため、空気チャンバー(11a)に連
通接続した圧力計(30)によって、空気チャンバー
(11a)内の空気に隔膜(20)を介して接する血液
チャンバー(11b)内の血液の圧力を正確に測定する
ことができる。
【0018】また、圧力計(30)の側に、隔膜(2
0)で隔てられた血液が流入することはないから、血液
が、一般には無菌状態ではない圧力計(30)により汚
染される心配はなく、また圧力計(30)が血液により
損傷することを防ぐための高価なエアーフィルター(1
6)も不要となる。
【0019】血液回路によって人体外に導かれた血液
は、管本体(11)の血液流入口(12,12A)より
管本体(11)中に流入して血液流出口(13)より再
び人体内へ戻るが、このような循環過程で血液中に空気
が混入した場合、かかる余分な空気は血液チャンバー
(11b)に連通接続した空気除去ライン(14)から
適宜抜き出せばよい。例えば、空気除去ライン(14)
の先端に吸引手段としてのシリンジを直接つなげてもよ
く、或はいわゆる混注ボタンを設けておき、これに吸引
針を穿刺して空気を抜くようにしてもよい。
【0020】請求項2に係るドリップチャンバー(1
0,10A)によれば、前記管本体(11)の上部を空
気チャンバー(11a)とし、その下に血液チャンバー
(11b)を設けるから、その間を仕切る隔膜(20)
が血液チャンバー(11b)内の血液の重みにより不当
に撓むことはない。そして、血液チャンバー(11b)
の最上部に空気除去ライン(14)を連通するよう接続
し、最下部に血液流出口(13)を設け、空気除去ライ
ン(14)の接続口(14a)と血液流出口(13)と
の間に血液流入口(12,12A)を設ける。それによ
り、血液流入口(12,12A)より混入した空気は空
気除去ライン(14)が連通する最上部側へ速やかに浮
かび上がるから、誤って血液流出口(13)より排出さ
れるようなことはない。
【0021】具体的な血液流入口(12,12A)の位
置やその方向は、血液チャンバー(11b)の下部にて
血液の流出方向と逆向きとなるよう設けたり、或はなる
べく血液流出口(13)と離して血液チャンバー(11
b)の上部に横向きに血液が流入するように設けてもよ
いものである。
【0022】請求項3に係るドリップチャンバー(10
B)によれば、主として血液中に混じった空気を除去す
る血液チャンバー管(51)に対し、主として血液回路
途中の血液の圧力を測定監視する空気チャンバー管(5
3)を分離独立させたから、各チャンバーにおける機能
をより明確に発揮させることが可能となる。
【0023】更にまた、請求項4記載に係るドリップチ
ャンバー(10,10A,10B)によれば、前記血液
流出口(13)に設けたフィルター(16)により、血
液中に混じった夾雑物を捕捉することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の各種
実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形
態を示している。本実施形態に係るドリップチャンバー
10は、生体中の血液を体外に導き循環させる血液回路
の途中に設けられる部品である。血液回路は、例えば人
工腎臓装置における血液透析に代表される血液浄化療法
等に用いられるものである。このような血液透析におい
て血液は、血液回路の途中にある血液ポンプで人体から
導き出され血液透析器(ダイアライザー)へ送られ、血
液透析器で浄化された血液はドリップチャンバー10の
血液流入口12より管本体11内へ入り、血液流出口1
3を経て人体へ戻るようになっている。
【0025】図1に示すように、ドリップチャンバー1
0は、血液回路を構成する血液チューブ1より大径の管
本体11が主要部を成している。この管本体11は、下
端側が漏斗状になるような形状に、例えば透明な塩化ビ
ニル樹脂等により成形されたものである。管本体11内
には、該管本体11内を空気チャンバー11aと血液チ
ャンバー11bとに区分する伸縮自在な隔膜20が設け
られている。この隔膜20は上向きにすぼまる漏斗状の
薄膜状部材であり、圧の微妙な変化に応じて自在に伸縮
でき、しかも血液と接触しても何ら影響のないような材
質、例えば塩化ビニルの薄膜により成形すればよい。
【0026】また、隔膜20は管本体11の上端寄りの
位置にて管本体11内を上下に仕切るように配置され、
その上側が比較的小容積の空気チャンバー11aとな
り、下側が大容積の血液チャンバー11bとなるよう設
定されている。血液チャンバー11a内の血液は、漏斗
状の隔膜20を介してその上の空気チャンバー11a内
の空気に管本体11の断面積より広い面積で接触してい
る。
【0027】空気チャンバー11aには、その中の空気
に対し前記隔膜20を介して接する血液チャンバー11
b内の血液圧力を測定する圧力計(マノメーター)30
が連通するよう接続されている。圧力計30は、ごく一
般的な圧力計測手段であり、空気圧を介して血液回路中
の血液の圧力を計測するものである。詳しくは圧力計3
0は、円管断面の圧ライン31を介して空気チャンバー
11aに連通接続されている。なお、圧ライン31の一
端は管本体11の上端面に開口している。
【0028】一方、血液チャンバー11bには、血液流
入口12と血液流出口13とが設けられており、また血
液回路内に混じった空気を除去する円管断面の空気除去
ライン14も連通するよう接続されている。血液流入口
12は、管本体11の下端部寄りの位置に、斜め上方に
血液が導かれるように設けられている。その一方血液流
出口13は、管本体11の下端の円錐頂部である血液チ
ャンバー11bの最下部に、真下方向に血液が排出され
るように設けられている。すなわち、本実施の形態で
は、血液流入口12と血液流出口13とは、管本体11
の下部にてほぼ逆向きとなるように設定されている。
【0029】また、血液流出口13の管本体11内側に
突出する部位には、血液中に混じった夾雑物を捕捉する
フィルター16が設けられている。更にまた、血液チャ
ンバー11bには、血液回路内に混じった空気を除去す
るための空気除去ライン14が連通するように接続され
ている。更に詳しく言えば、空気除去ライン14は、管
本体11の上端より空気チャンバー11a内を貫通し、
隔膜20の漏斗状の頂部に開口して、血液チャンバー1
1b内に連通接続されている。すなわち、空気除去ライ
ン14の一端は血液チャンバー11bの最上部に連通接
続されている。空気除去ライン14の他端には、吸引手
段としてのシリンジ15が直接つなげられている。な
お、前記血液流入口12は、空気除去ライン14の接続
口14aと血液流出口13との間に位置するようになっ
ている。
【0030】次に作用を説明する。図1に示すドリップ
チャンバー10によれば、その管本体11内を隔膜20
により空気チャンバー11aと血液チャンバー11bと
に上下に区分したから、管本体11内にて圧測定用の空
気と血液とは直接接触することがなく完全に分離され
る。血液チャンバー11b内には空気は存在しないた
め、血液は空気と接触することなく人体へ戻り、血液凝
固能の活性化が抑えられる。通常、血液凝固能が活性化
すると、血液回路途中にある血液透析器やにフィブリン
等の付着が著しくなるのだが、前記ドリップチャンバー
10ではそのような不都合は生じない。
【0031】それにより、従来技術の如く血液の上層に
生理食塩水の層を設けるような面倒であり不確実な方策
を講じる必要はなく、また抗凝固剤を減量しても、確実
に血液凝固を防ぐことができる。すなわち、血液抗凝固
剤の使用を減らすことができ、またドリップチャンバー
10内の血液層,生理食塩層及び空気層の維持調節のた
めの面倒な作業が無くなり、使い勝手が非常に簡単にな
った。
【0032】また、血液チャンバー11bと空気チャン
バー11aとを分離したことにより、人体へ空気が入る
おそれが大幅に改善されたため、ドリップチャンバー1
0は小型化でき血液充填量を少なくできる。かかる血液
充填量の減少は、ドリップチャンバー10内での血液の
よどみの減少につながり血液凝固の問題が大幅に改善さ
れた。
【0033】更にまた、血液チャンバー11b内の血液
は、汚染のおそれある空気とは全く接触しないため、血
液回路中の血液をきわめて衛生的な状態を保つことが可
能になる。ところで、血液透析を開始する場合、それに
先立ち、ドリップチャンバー10を含む血液回路内の空
気は生理食塩水で置換すればよい。なお、洗浄・液体充
填工程においては、血液チャンバー11b内の空気は、
ドリップチャンバー10の上下を反転させて除去すれば
よい。
【0034】血液透析中、すなわち血液回路中を血液が
循環している際、管本体11内を仕切る隔膜20は血液
チャンバー11b内の血液の圧力に応じて適宜伸縮す
る。そのため、空気チャンバー11aに連通接続した圧
力計30によって、空気チャンバー11a内の空気に隔
膜20を介して接する血液チャンバー11b内の血液の
圧力を正確に測定することができる。
【0035】空気チャンバー11aの下に血液チャンバ
ー11bはあるから、その間を仕切る隔膜20が血液チ
ャンバー11b内の血液の重みにより不当に撓むことは
ない。また、圧力計30側に血液が流入することはない
から、血液が、一般には無菌状態ではない圧力計30に
より汚染される心配はなく、また圧力計30が血液によ
り損傷することを防ぐための高価なエアーフィルターも
不要となる。
【0036】透析中に血液回路により人体外に導かれた
血液は、管本体11の血液流入口12より管本体11中
に流入して血液流出口13より再び人体内へ戻る。この
ような循環過程で血液中に空気が混入した場合、かかる
余分な空気は血液と一緒に血液流入口12より上向きに
血液チヤンバー11b内に導入され、空気除去ライン1
4が連通している最上部へ速やかに浮かび上がる。この
ような血液流入口12の配置及び方向により、これとは
ほぼ逆向きに血液が流れる血液流出口13より空気が誤
って排出されるようなことはない。
【0037】前述したように血液中に空気が混入した場
合、かかる余分な空気は容易に血液チャンバー11bの
最上部、すなわち隔膜20の上向き頂部に捕捉され、こ
こに連通接続した空気除去ライン14から適宜外部へ抜
き出せばよい。本実施の形態では、空気除去ライン14
の先端に吸引手段としてのシリンジ15が直接つなげら
れているため、空気を除去する作業はきわめて容易であ
る。血液中に混じった夾雑物は、血液流出口13に設け
たフィルター16により捕捉することができ、血液は清
浄化される。
【0038】図2は本発明の第2の実施の形態を示して
いる。本実施形態に係るドリップチャンバー10Aは、
基本的な構造は第1の実施形態に係るドリップチャンバ
ー10と共通するが、血液流入口12Aの位置や空気除
去ライン14の先端に混注ボタン17を設けた点で相違
する。図2に示すように血液流入口12Aは、血液流出
口13と離れた管本体11のやや上端部寄りの位置に、
横方向すなわち血液流出方向と略直角に血液が流入する
ように設けられている。
【0039】空気除去ライン14の先端には、シリンジ
15ではなく混注ボタン17が設けられている。ここで
混注ボタン17は、空気除去ライン14の先端にその開
口を塞ぐように取付けられ、空気除去用の注射針が穿刺
可能な弾性体17aを備えた部品である。弾性体17a
は、塩化ビニル、或はゴム、シリコンゴム等、注射針を
容易に穿刺でき、かつ注射針を抜くと穿刺孔が塞がれる
弾性を有す材質をボタン状に成形したものである。な
お、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し
て重複した説明を省略する。
【0040】本実施の形態によれば、血液流入口12A
と血液流出口13とは逆向きではないが互いに離れてい
るため、血液流入口12Aより血液中に混じって管本体
11内に流入した空気が、誤って血液流出口13より排
出されることはない。また、空気除去ライン14の先端
に捕捉された空気は随時、混注ボタン17に注射針を刺
して抜き取ることが容易にでき、空気除去ライン14内
に僅かな空気も残留しないようにして、より完全に血液
に対する空気の接触を回避することができる。更に、混
注ボタン17に注射針を刺して、管本体11内に薬液等
を容易に注入することもできる。
【0041】図3は本発明の第3の実施の形態を示して
いる。本実施形態に係るドリップチャンバー10Bは、
前記各実施形態の管本体11に相当する血液チャンバー
管51に、血液流入管52を連通するよう接続する共に
血液流出口13を設け、更に空気除去ライン14を連通
するように接続し、血液流入管52の途中に、その外周
を覆うように空気チャンバー管53を設けたものであ
る。
【0042】空気チャンバー管53で包囲された血液流
入管52途中は伸縮自在な隔膜20で形成されている。
また、空気チャンバー管53に、その内部の空気に対し
て前記隔膜20を介して接する血液流入管52途中の血
液の圧力を測定する圧力計30が連通するよう接続され
ている。なお、空気除去ライン14の先端には混注ボタ
ン17(シリンジ15でもよい。)が設けられており、
血液流出口13には血液中に混じった夾雑物を捕捉する
フィルター16が設けられている。
【0043】本実施の形態によれば、空気チャンバーと
血液チャンバーとが1つの管本体内にて隔膜で仕切られ
る前記各実施形態とは異なり、別々に設けられている。
それにより、血液回路内の空気を捕捉して人体に空気が
入らないようにする機能や、血液回路内の血液の圧力を
測定する機能を更に精密に発揮させることができる。な
お、本発明に係るドリップチャンバーの具体的構成は、
図示した各種実施の形態に限定されるものではない。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るドリップチャンバーによれ
ば、ドリップチャンバーの機能を何ら損なうことなく、
その内部で血液と空気とを遮断することができるから、
血液凝固能の活性化が抑制でき、血液凝固を確実に防止
することができる。また、空気による血液の汚染を確実
に防止することもでき、安全性を向上させることができ
る。
【0045】また、血液チャンバーと空気チャンバーを
分離したことにより、人体へ空気が入るおそれが大巾に
改善されたため、ドリップチャンバーは小型化でき血液
充填量を少なくすることが可能となり、かかる血液充填
量の減少は、ドリップチャンバー内での血液のよどみの
減少につながり、より一層血液凝固の問題を改善するこ
とが可能となった。
【0046】また、血液凝固剤の使用を大幅に抑制で
き、更に、ドリップチャンバー内の血液層、生理食塩層
及び空気層の維持調節のための面倒な作業が無くなり、
使い勝手が良くなった。更にまた、圧力計保護用の高価
なエアーフィルターが不要となったため、コストを低減
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るドリップチャ
ンバーを示す正面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るドリップチャ
ンバーを示す正面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るドリップチャ
ンバーを示す正面図である。
【図4】従来のドリップチャンバーを示す正面図であ
る。
【符号の説明】
10,10A,10B…ドリップチャンバー 11…管本体 11a…空気チヤンバー 11b…血液チャンバー 12,12A…血液流入口 13…血液流出口 14…空気除去ライン 15…シリンジ 16…フィルター 17…混注ボタン 20…隔膜 30…圧力計 31…圧ライン 51…血液チャンバー管 52…血液流入管 53…空気チャンバー管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体中の血液を体外に導き循環させる血液
    回路の途中に設けられるドリップチャンバーにおいて、 前記血液回路を構成する血液チューブより大径の管本体
    内に、該管本体内を空気チャンバーと血液チャンバーと
    に区分する伸縮自在な隔膜を設け、 前記空気チャンバーに、該空気チャンバー内の空気に対
    して隔膜を介して接する血液チャンバー内の血液の圧力
    を測定する圧力計を連通するよう接続し、 前記血液チャンバーに、血液流入口と血液流出口とを設
    けると共に、血液回路内に混じった空気を除去する空気
    除去ラインを連通するよう接続したことを特徴とするド
    リップチャンバー。
  2. 【請求項2】前記管本体の上部を空気チャンバーとし、
    その下の血液チャンバーの最上部に前記空気除去ライン
    を連通するよう接続し、血液チャンバーの最下部に前記
    血液流出口を設け、前記空気除去ラインの接続口と血液
    流出口との間に前記血液流入口を設けたことを特徴とす
    る請求項1記載のドリップチャンバー。
  3. 【請求項3】生体中の血液を体外に導き循環させる血液
    回路の途中に設けられるドリップチャンバーにおいて、 前記血液回路を構成する血液チューブより大径の血液チ
    ャンバー管に、血液流入管を連通するよう接続すると共
    に血液流出口を設け、更に空気除去ラインを連通するよ
    う接続し、 前記血液流入管の途中に、その外周を覆うように空気チ
    ャンバー管を設け、該空気チャンバー管で包囲された血
    液流入管途中を伸縮自在な隔膜で形成し、 前記空気チャンバー管に、該空気チャンバー管内の空気
    に対して前記隔膜を介して接する前記血液流入管途中の
    血液の圧力を測定する圧力計を連通するよう接続したこ
    とを特徴とするドリップチャンバー。
  4. 【請求項4】前記血液流出口に、血液中に混じった夾雑
    物を捕捉するフィルターを設けたことを特徴とする請求
    項1,2または3記載のドリップチャンバー。
JP7218615A 1995-08-28 1995-08-28 ドリップチャンバー Pending JPH0956817A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002253668A (ja) * 2001-02-28 2002-09-10 Jms Co Ltd 血液回路自動脱気システム
JP2013521043A (ja) * 2010-03-05 2013-06-10 ツバリ,シャハール 動物の体内に液体を投与するための、特に血管内注入を介して治療剤を投与するための装置

Cited By (3)

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