JP2019170856A - 液面調整機構及び該液面調整機構を備える血液浄化装置 - Google Patents

液面調整機構及び該液面調整機構を備える血液浄化装置 Download PDF

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英次 金津
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Abstract

【課題】オーバーフローラインを用いなくともチャンバの液面調整が可能な液面調整機構及び該液面調整機構を備える血液浄化装置を提供する。【解決手段】チャンバ10と、一端側がチャンバの導入口の基端側に接続される第1の連通ラインと、一端側がチャンバの導出口に接続される第2の連通ラインと、第1の連通ラインに設けられる第1の電極51と、第2の連通ラインに設けられる第2の電極52と、一端側がチャンバの通気口に接続される通気ライン121と、通気ラインに設けられる開閉弁122と、チャンバ本体の液体の液面調整手段100と、を備え、第1の電極と第2の電極との間のインピーダンスに基づいて、液面調整手段の作動及び開閉弁の開閉を制御して、チャンバ本体に貯留される液体の液面を所定の高さに調整する液面調整機構。【選択図】図1

Description

本発明は、液面調整機構及びこの液面調整機構を備える血液浄化装置に関する。
血液透析や血漿交換、吸着療法等の体外循環治療においては、採取した患者の血液を体外循環させて再び体内に戻すための血液回路が用いられる。血液回路は、血液を浄化するダイアライザに患者から血液を送る動脈側ラインと、ダイアライザで浄化された血液を患者に戻すための静脈側ラインと、を主体として構成される。
静脈側ラインには、ラインに混入した気泡や凝固した血液等を除去するため、また、静脈圧を測定するため、一定量の血液を貯留するチャンバが設けられる。チャンバにおいては、チャンバ内の上部に空気層を形成するため、血液等の液体の液面高さを調整する液面調整が行われる。
血液回路に血液を流して血液浄化を開始する前には、生理食塩水、透析液等のプライミング液を用いて血液回路やダイアライザ内部を洗浄して残留物や気泡等を除去し、プライミング液で置換するプライミングと呼ばれる準備作業を行う。
現在では、多用途透析装置等にて、自動的にプライミングを実施する自動プライミング機能を備える血液浄化装置が一般的となっている。
自動プライミングを可能とするため、チャンバには所定の液面高さでプライミング液を排出できるようにオーバーフローラインが接続されており、動脈側ラインと静脈側ラインとを接続して閉回路を形成してプライミング液を循環させ、オーバーフローラインからプライミング液を排出させて液面調整を行う構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2014−188219号公報
オーバーフローラインは外部と連通する開放回路であるので、プライミング完了時に鉗子により手動でまたは自動クランプ等で閉鎖され、原則として血液浄化中に用いられることはない。
このように主にプライミング時のみに使用されるオーバーフローラインや該ラインを閉鎖する自動クランプ等は、血液回路の生産コスト増の一因となる。また、鉗子により手動でオーバーフローラインを閉鎖する場合は、医療従事者の手間がかかる。
従って、本発明は、オーバーフローラインを用いなくともチャンバの液面調整が可能な液面調整機構及び該液面調整機構を備える血液浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、液体を貯留するチャンバ本体と、先端部が前記チャンバ本体の内部における所定の高さまで延び該チャンバ本体に液体を導入する導入口と、前記チャンバ本体における該導入口の前記先端部よりも上部に配置され気体が流入または流出する通気口と、前記チャンバ本体の底部に配置され液体を導出する導出口と、を有するチャンバと、一端側が前記導入口の基端側に接続される第1の連通ラインと、一端側が前記導出口に接続される第2の連通ラインと、前記第1の連通ラインに設けられる第1の電極と、前記第2の連通ラインに設けられる第2の電極と、一端側が前記通気口に接続される通気ラインと、前記通気ラインに設けられる開閉弁と、前記チャンバ本体に貯留される液体の液面を上昇または下降させることが可能な液面調整手段と、を備え、前記第1の電極により電位が印加された前記導入口における液体と前記第2の電極により電位が印加された前記チャンバ本体に貯留される液体との接触の有無により変化する前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンスに基づいて、前記液面調整手段の作動及び前記開閉弁の開閉を制御して、前記チャンバ本体に貯留される液体の液面を所定の高さに調整する液面調整機構に関する。
また、本発明は、前記液面調整機構と、ポンプセグメント部を有する動脈側ラインと静脈側ラインとを含んで構成される血液回路と、前記動脈側ラインと前記静脈側ラインとの間に介在して配置され、前記血液回路を流れる血液を浄化可能な血液浄化手段と、前記血液回路に接続され、プライミング液を供給するプライミング液供給ラインと、前記ポンプセグメント部が装着され、前記動脈側ライン内の液体を間欠的に送液可能な血液ポンプと、前記第1の電極と、前記第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、を有する測定手段と、前記測定手段により測定されたインピーダンスの値に基づいて、前記液面調整手段の作動及び前記開閉弁の開閉を制御する制御手段と、を備え、前記動脈側ラインは、一端側に動脈側接続端を有し他端側が前記ポンプセグメント部の上流側に接続される動脈側上流ラインと、一端側が前記ポンプセグメント部の下流側に接続され他端側が前記血液浄化手段に接続される動脈側下流ラインと、を有し、前記静脈側ラインは、一端側が前記血液浄化手段に接続され他端側が前記導入口の基端側に接続される静脈側上流ラインと、一端側が前記導出口に接続され他端側に静脈側接続端を有する静脈側下流ラインと、を有し、前記第1の連通ラインは、前記動脈側下流ラインと、前記静脈側上流ラインと、を含んで構成され、前記第2の連通ラインは、前記静脈側下流ラインを含んで構成され、プライミング液は、前記動脈側接続端及び前記静脈側接続端から排出可能である血液浄化装置に関する。
また、前記通気ラインは、静脈圧を測定するための静脈圧センサが設けられ、前記液面調整手段は、前記通気ラインの他端側に設けられ、前記チャンバに対して気体の流入及び流出を行う液面調整ポンプであることが好ましい。
また、前記血液浄化手段に対し透析液の導入及び導出を行う透析液送液ポンプと、一端側が前記透析液送液ポンプに接続され他端側が前記血液浄化手段に接続される透析液導入ラインと、一端側が前記血液浄化手段に接続され他端側が前記透析液送液ポンプに接続される透析液導出ラインと、を含んで構成される透析液回路と、をさらに備え、前記プライミング液供給ラインとして、前記透析液導入ラインを用い、前記血液回路をプライミングするプライミング液として、前記血液浄化手段において逆ろ過された逆ろ過透析液を用い、前記第1の連通ラインは、前記透析液回路をさらに含んで構成されることが好ましい。
また、前記透析液回路は、前記透析液導入ラインまたは前記透析液導出ラインから分岐して、前記動脈側下流ラインまたは前記静脈側上流ラインに接続される透析液分岐ラインをさらに備え、プライミング液として、透析液を用いることが好ましい。
また、一端側からプライミング液を排出可能であり、他端側が分岐して前記静脈側接続端及び前記動脈側接続端に接続される排液ラインをさらに備え、前記第2の連通ラインは、前記動脈側上流ラインと、前記排液ラインと、をさらに含んで構成されることが好ましい。
また、前記測定部が設けられる装置本体をさらに備えており、前記第1の連通ラインの一部は、前記装置本体に配置されており、前記第1の電極は、前記第1の連通ラインのうち、前記装置本体に配置される部位に設けられることが好ましい。
また、前記血液浄化装置は、前記測定部が設けられる装置本体を備えており、前記第2の連通ラインの一部は、前記装置本体に配置されており、前記第2の電極は、前記第2の連通ラインのうち、前記装置本体に配置される部位に設けられることが好ましい。
本発明の液面調整機構によれば、第1の電極と第2の電極との間の導通の有無により、チャンバ本体に貯留される液体の液面が導入口の先端部に到達しているか否かを検出することができるので、液面調整手段の作動及び通気ラインに設けられる開閉弁の開閉を制御することで液面調整が可能となる。また、本発明の血液浄化装置によれば、プライミング時に動脈側接続部及び静脈側接続部からプライミング液を排出でき、液面調整が可能となる。
本発明の第1実施形態に係る血液浄化装置の全体構成を示す図である。 第1実施形態におけるチャンバの液面調整についての説明図である。 本発明の第2実施形態に係る血液浄化装置の全体構成を示す図である。 本発明の変形例1に係る血液浄化装置の全体構成を示す図である。 本発明の変形例1に係る血液浄化装置の全体構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る血液浄化装置の全体構成を示す図である。
以下、本発明の液面調整機構を適用可能な血液浄化装置の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の血液浄化装置は、腎不全患者や薬物中毒患者の血液を浄化すると共に、血液中の余分な水分を除去し、必要に応じて血液中に水分を補充(補液)する。
まず、第1実施形態の血液浄化装置1の全体構成及びチャンバの構成について図1及び2を参照しながら説明する。血液浄化装置1は、いわゆるHD(Hemodialysis)と呼ばれる血液透析を行う装置である。
図1に示すように、血液浄化装置1は、チャンバとしてのドリップチャンバ10と、液面調整手段としての液面調整ポンプ100と、血液回路20と、血液ポンプ200と、血液浄化手段としてのダイアライザ30と、透析液回路40と、透析液送液ポンプ400と、測定手段50と、制御手段60と、を備える。
ドリップチャンバ10は、図2(a)に示すように、チャンバ本体11と、このチャンバ本体11に液体を導入する導入口12と、気体が流入または流出する通気口13と、液体を導出するためチャンバ底部に配置される導出口14と、を有する。ドリップチャンバ10は、可撓性を有する材質により構成され、血液回路20内の気泡や血栓等を取り除くために後述する静脈側ライン22に設けられ、例えば20ml程度の所定量の液体を貯留可能である。
導入口12は、先端部がチャンバ本体11の内部における所定の高さまで延びている。
通気口13は、導入口12の先端部よりも上部に配置され、通気ライン121の一端側が接続される。この通気ライン121には、電磁弁で構成されて通気ライン121の流路を開閉する開閉弁122と、静脈側ライン22を流通する血液の圧力を検出する静脈圧センサ123が設けられる。また、通気ライン121の他端側は、液面調整ポンプ100に接続される。
液面調整ポンプ100は、開閉弁122を開状態として通気口13及び通気ライン121を介してチャンバ内に気体を流入させ、またチャンバ内から気体を流出させることにより、ドリップチャンバ10のチャンバ本体11に貯留される液体の液面高さを上昇または下降させることが可能である。また、液面調整ポンプ100を用いて所定の液面高さに調整された後、開閉弁122を閉状態とすることで、チャンバ内の液面高さを保持することができる。
血液回路20は、動脈側ライン21と、静脈側ライン22と、薬剤ライン23と、を備える。動脈側ライン21、静脈側ライン22及び薬剤ライン23は、いずれも液体が流通可能な可撓性を有するチューブを主体として構成される。
動脈側ライン21は、動脈側上流ライン21aと、動脈側下流ライン21bと、ポンプセグメント部21cと、で構成される。
動脈側上流ライン21aは、一端側に対象者(透析患者)の動脈に接続される動脈側接続端211を有し、他端側がポンプセグメント部21cの上流側に接続される。また、動脈側上流ライン21aに配置される気泡センサ212は、動脈側ライン21の内部を流通する血液中に含まれる気泡を検出する。
動脈側下流ライン21bは、一端側がポンプセグメント部21cの下流側に接続され他端側がダイアライザ30に接続される。
ポンプセグメント部21cは、後述の血液ポンプ200に装着される。
静脈側ライン22は、静脈側上流ライン22aと、静脈側下流ライン22bと、で構成される。
静脈側上流ライン22aは、一端側がダイアライザ30に接続され他端側がドリップチャンバ10の導入口12の基端側に接続される。
静脈側下流ライン22bは、一端側がドリップチャンバ10の導出口14に接続され他端側に対象者(透析患者)の静脈に接続される静脈側接続端221を有する。静脈側下流ライン22bには、気泡センサ222、静脈側クランプ223が配置される。
気泡センサ222は、静脈側ライン22の内部を流通する血液中に含まれる気泡を検出する。静脈側クランプ223は、静脈側下流ライン22bにおける気泡センサ222よりも下流側に配置される。静脈側クランプ223は、気泡センサ222による気泡の検出結果に応じて制御され、静脈側下流ライン22bの流路を開閉する。
薬剤ライン23は、血液透析中に必要な薬剤を動脈側ライン21に供給する。薬剤ライン23は、一端側(基端側)が薬剤を送り出す薬液ポンプ231に接続され、他端側(先端側)が動脈側下流ライン21bに接続される。また、薬剤ライン23には不図示のクランプ手段が設けられており、薬剤を注入するとき以外は、クランプ手段により流路は閉鎖された状態である。
血液ポンプ200は、装着されたポンプセグメント部21cを構成するチューブをローラーでしごくことにより、動脈側ライン21の内部の液体を送り出すことができる。
ダイアライザ30は、筒状に形成された容器本体31と、この容器本体31の内部に収容された透析膜(図示せず)と、を備え、容器本体31の内部は、透析膜により血液側流路と透析液側流路とに区画される(いずれも図示せず)。容器本体31には、血液側流路に連通する血液導入口311及び血液導出口312と、透析液側流路に連通する透析液導入口313及び透析液導出口314と、が形成される。
血液導入口311には、動脈側下流ライン21bの下流側が接続され、血液導出口312には、静脈側上流ライン22aの上流側が接続される。
以上のドリップチャンバ10、血液回路20、血液ポンプ200、ダイアライザ30によれば、対象者(透析患者)の動脈から取り出された血液は、血液ポンプ200により動脈側ライン21を流通してダイアライザ30の血液側流路に導入される。ダイアライザ30に導入された血液は、透析膜を介して後述する透析液回路40を流通する透析液により浄化される。ダイアライザ30において浄化された血液は、静脈側ライン22を流通して対象者の静脈に返血される。
透析液回路40は、本実施形態では、いわゆる密閉容量制御方式の透析液回路により構成される。この透析液回路40は、透析液供給ライン41と、透析液導入ライン42と、透析液導出ライン43と、透析液排液ライン44と、を備える。
透析液送液ポンプ400は、透析液チャンバ410と、バイパスライン420と、除水/逆ろ過ポンプ430と、を備える。
透析液チャンバ410は、一定容量(例えば、300ml〜500ml)の透析液を収容可能な硬質の容器411と、この容器411の内部を区画する軟質の隔膜(ダイアフラム)412と、を備える。透析液チャンバ410の内部は、隔膜412により送液収容部413及び排液収容部414に区画される。
バイパスライン420は、透析液導出ライン43と透析液排液ライン44とを接続する。
除水/逆ろ過ポンプ430は、バイパスライン420に配置される。除水/逆ろ過ポンプ430は、バイパスライン420の内部の透析液を透析液排液ライン44側に流通させる方向(除水方向)及び透析液導出ライン43側に流通させる方向(逆ろ過方向)に送液可能に駆動するポンプにより構成される。
透析液供給ライン41は、基端側が透析液供給装置(図示せず)に接続され、先端側が透析液チャンバ410に接続される。透析液供給ライン41は透析液チャンバ410の送液収容部413に透析液を供給する。
透析液導入ライン42は、透析液チャンバ410とダイアライザ30の透析液導入口313とを接続し、透析液チャンバ410の送液収容部413に収容された透析液をダイアライザ30の透析液側流路に導入する。
透析液導出ライン43は、ダイアライザ30の透析液導出口314と透析液チャンバ410とを接続し、ダイアライザ30から排出された透析液を透析液チャンバ410の排液収容部414に導出する。
透析液排液ライン44は、基端側が透析液チャンバ410に接続され、排液収容部414に収容された透析液の排液を排出する。
以上の透析液回路40及び透析液送液ポンプ400によれば、透析液チャンバ410を硬質の容器411及びこの容器411の内部を区画するダイアフラム412により構成することで、透析液チャンバ410からの透析液の導出量(送液収容部413への透析液の供給量)と、透析液チャンバ410(排液収容部414)に回収される排液の量と、を同量にできる。
これにより、除水/逆ろ過ポンプ430を停止させた状態では、ダイアライザ30に導入される透析液の流量とダイアライザ30から導出される透析液(排液)の量とを同量にできる。
また、除水/逆ろ過ポンプ430を逆ろ過方向に送液するように駆動させた場合には、透析液チャンバ410から排出された排液の一部がバイパスライン420及び透析液導出ライン43を通って再び透析液チャンバ410に回収される。そのため、ダイアライザ30から導出される透析液の量は、透析液チャンバ410に回収される量(即ち、透析液導入ライン42を流通する透析液の量)から、バイパスライン420を流通する透析液の量を減じた量となる。これにより、ダイアライザ30から導出される透析液の量は、バイパスライン420を通って再び透析液チャンバ410に回収される透析液(排液)の量分だけ、透析液導入ライン42を流通する透析液の流量よりも少なくなる。即ち、除水/逆ろ過ポンプ430を逆ろ過方向に送液するように駆動させた場合は、ダイアライザ30において、血液回路20に所定量の透析液が注入(逆ろ過)される(図1、3及び4A参照)。
一方、除水/逆ろ過ポンプ430を除水方向に送液するように駆動させた場合には、透析液導出ライン43を流通する透析液の量は、透析液チャンバ410に回収される透析液の量(即ち、透析液導入ライン42を流通する透析液の量)に、バイパスライン420を流通する透析液の量を加えた量となる。これにより、透析液導出ライン43を流通する透析液の量は、バイパスライン420を通って透析液排液ライン44に排出される透析液(排液)の量分だけ、透析液導入ライン42を流通する透析液の量よりも多くなる。即ち、除水/逆ろ過ポンプ430を除水方向に送液するように駆動させた場合は、ダイアライザ30において、血液から所定量の除水が行われる(図5参照)。
測定手段50は、第1の電極51と、第2の電極52と、第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスを測定する測定部54と、を備える。第1の電極51及び第2の電極52には測定部54からそれぞれ配線が接続される。
制御手段60は、情報処理装置(コンピュータ)により構成され、制御プログラムを実行することにより、血液浄化装置1の動作を制御する。
具体的には、制御手段60は、血液回路20及び透析液回路40に配置された各種のポンプやクランプ等の動作を制御して、血液浄化装置1により行われる各種工程(運転(透析)工程、洗浄工程、プライミング工程、脱血工程、補液工程、返血工程等)を実行する。
また、制御手段60は、血液回路20やダイアライザ30を洗浄し清浄化する準備工程であるプライミング工程、穿刺後に患者の血液を血液回路20に充填させて体外循環させる脱血工程、脱血工程に続いて行われる透析工程、血液回路20内の血液を患者の体内に戻す返血工程を行う。
上述の測定手段50が備える測定部54や制御手段60、液面調整ポンプ100、血液ポンプ200、透析液送液ポンプ400等の各種ポンプや、気泡センサ212、222、静脈側クランプ223は、血液浄化装置1における装置本体1aに配置される。
血液回路20におけるポンプセグメント部21cや静脈側下流ライン22bのうち気泡センサ222が取り付けられる部位等、血液回路20一部は装置本体1aに着脱可能に装着されて配置される。また、透析液回路40における透析液送液ポンプ400と接続される透析液導入ライン42及び透析液導出ライン43の一端側等、透析液回路40の一部も装置本体1aに配置される。
ここで、本発明の液面調整機構について、血液浄化装置1の構成を用いて説明する。
液面調整機構は、ドリップチャンバ10と、ドリップチャンバ10の導入口12の基端側に接続される第1の連通ライン101と、ドリップチャンバ10の導出口14に接続される第2の連通ライン102と、第1の連通ライン101に設けられる第1の電極51と、第2の連通ライン102に設けられる第2の電極52と、通気ライン121と、開閉弁122と、液面調整ポンプ100と、を備える。
第1の連通ライン101、ドリップチャンバ10及び第2の連通ライン102に液体を流すと、第1の連通ライン101を流れる液体は、導入口12の先端部からドリップチャンバ10の内部に導入される。
通気口13からチャンバ内部の空気を排出する、または、クランプ手段等により第2の連通ライン102の流量を第1の連通ラインの流量よりも小さくする等の操作をしない限り、ドリップチャンバ10の内部に導入された液体は、導出口14から導出されて第2の連通ライン102に流れて行き、液体はチャンバ本体11に貯留されない。従って、第1の連通ライン101及び第2の連通ライン102を流れる液体は、図2(a)に示すように液面調整前のドリップチャンバ10において電気的に絶縁された状態である。従って、第1の電極51及び第2の電極52によりそれぞれ所定の電位が印加された場合、各連通ライン101、102内においてそれぞれ所定の電位が保たれる。即ち、第1の電極51及び第2の電極52により各連通ライン101及び102を流れる液体は、所定の電圧が印加された状態であると言える。
このような状態において、液面調整ポンプ100を作動させてドリップチャンバ10内の空気を排出して行くと、ドリップチャンバ10内に導入される液体の液面は徐々に上昇して行き、図2(b)に示すように導入口12の先端部に到達して、導入口12における液体とドリップチャンバ10内に貯留される液体とが接触して導通する。導通による第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスの変化(低下)が測定部54により測定されて、導通が確認された時点で開閉弁122を閉鎖するように制御して、所定の高さに液面を保つことにより液面調整が行われる。
本実施形態において、第1の連通ライン101は、血液回路20における動脈側下流ライン21b及び静脈側上流ライン22aと、透析液回路40における透析液導入ライン42と透析液導出ライン43と、により構成される。ここで、動脈側ライン21は、血液ポンプ200のローラーによりしごかれるポンプセグメント部21cにおいて液体の流れが遮断されるので、動脈側上流ライン21aは動脈側下流ライン21bとは電気的に絶縁されており、第1の連通ライン101に含まれない。
第1の電極は第1の連通ライン101内であれば、いずれの位置に配置してもよく、本実施形態においては動脈側下流ライン21bに配置した。
第2の連通ライン102は、静脈側下流ライン22bにより構成され、第2の電極は、静脈側下流ライン22bに配置される。
以上説明した液面調整機構を備える血液浄化装置1において行うプライミング工程について、図1を参照して以下に説明する。
本実施形態においては、逆ろ過運転によるプライミング工程を行う。図1に示すように、静脈側クランプ223を開状態とし、血液回路20の動脈側接続端211及び静脈側接続端221は開放状態としておく。
透析液送液ポンプ400における除水/逆ろ過ポンプ430を、逆ろ過方向に送液するように駆動させ作動させる。除水/逆ろ過ポンプ430の送給量を400ml/minとすることで、プライミング液供給ラインとして用いられる透析液導入ライン42からダイアライザ30を介して血液回路20に400ml/minの逆ろ過透析液(プライミング液)が注入される。
血液ポンプ200は、血液回路20内の透析液を360ml/minの送液量で透析工程とは逆に送るように作動させ、動脈側接続端211から360ml/minの透析液が排出される。ドリップチャンバ10には、40ml/minの逆ろ過透析液が送液され、静脈側接続端221から40ml/minの逆ろ過透析液が排出される。
上述のように逆ろ過透析液がドリップチャンバ10内を流れている状態で、制御手段60により液面調整ポンプ100を駆動させ、チャンバ本体11に貯留される液体の液面が導入口12の先端部に到達したことを、第1の電極と第2の電極とのインピーダンスの値の変化を測定手段50により測定する。その測定結果に基づいて、制御手段60により開閉弁122を閉状態とする。これにより、ドリップチャンバ10の液面調整を簡易な操作により行えるので、制御手段60により自動でプライミング工程を実施することができる。
以上説明した第1実施形態の液面調整機構及び血液浄化装置1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)液面調整機構を、チャンバ本体11と導入口12と通気口13と導出口14とを有するドリップチャンバ10と、導入口12の基端側に接続され第1の電極51が設けられ、第1の連通ライン101と、導出口14に接続され第2の電極52が設けられ、第2の連通ライン102と、液面調整手段としての液面調整ポンプ100と、通気ライン121に設けられる開閉弁122と、を含んで構成した。これにより、導入口12における液体とチャンバ本体11に貯留される液体との接触の有無により変化する電極51、52間のインピーダンスに基づいて、液面調整ポンプ100及び開閉弁122の開閉を制御して、チャンバ本体11に貯留される液体の液面を所定の高さに調整することができる。
(2)液面調整機構を備える血液浄化装置1を、血液回路20と、血液浄化手段としてのダイアライザ30と、プライミング液供給ライン(透析液導入ライン42)と、血液ポンプ200と、第1の電極51及び第2の電極52間のインピーダンスを測定するための測定手段50と、液面調整手段としての液面調整ポンプ100及び開閉弁122を制御する制御手段と、を備え、第1の連通ライン101が動脈側下流ライン21bと静脈側上流ライン22aとを含んで構成し、第2の連通ライン102が静脈側下流ライン22bを含んで構成し、プライミング液が動脈側接続端211及び静脈側接続端221から排出可能であるものとした。これにより、プライミング液を排出するためのオーバーフローラインをドリップチャンバに取り付けなくとも、ドリップチャンバ10の液面調整が可能となりプライミング工程を実施することができる。
従って、プライミング時のみに使用されるオーバーフローラインや該ラインを閉鎖する自動クランプ等が不要となり、血液回路の生産コストを低減することができる。また、医療従事者によりオーバーフローラインを閉鎖する等の手間を省くことができる。また、オーバーフローラインの閉鎖が不十分であるために血液回路内の血液が外部に流出する等の事故の発生を未然に防止することができ、安全性を向上できる。
(3)通気ライン121に静脈圧を測定するための静脈圧センサ123設け、液面調整手段としての液面調整ポンプ100を通気ライン121の他端側に設けるものとした。これにより、従来から静脈圧を測定するために用いられるモニタラインを利用して、液面調整ポンプ100により、ドリップチャンバ10に対して気体の流入及び流出を行うことができる。
(4)血液浄化手段としてのダイアライザ30に対し透析液の導入及び導出を行う透析液送液ポンプ400と、透析液導入ライン42と透析液導出ライン43とを含んで構成される透析液回路40と、をさらに備え、プライミング液供給ラインとして透析液導入ライン42を用い、血液回路20をプライミングするプライミング液としてダイアライザ30において逆ろ過された逆ろ過透析液を用いるものとし、第1の連通ライン101は透析液回路40をさらに含んで構成されるものとした。これにより、第1の電極51は、血液回路20だけでなく、透析液回路40に対しても配置可能となり、電極の配置の自由度が高くなるので、血液浄化装置1の設計の自由度を高めることができる。また、プライミング液として逆ろ過透析液を用いるので、プライミング液供給ラインとして生理食塩水ライン等を別途設ける必要がなく、血液浄化装置1の構成を簡易化できる。
次に、本発明の第2実施形態に係る血液浄化装置1Aにつき、図3を参照しながら説明する。第2実施形態の血液浄化装置1Aは、主として、プライミング液を排出する排液ライン70を備える点、及び、第1の電極51及び第2の電極52が装置本体1a側に配置される点の2点で第1実施形態に係る血液浄化装置1とは異なる。尚、第2実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図3に示すように、血液浄化装置1Aは、チャンバとしてのドリップチャンバ10と、液面調整手段としての液面調整ポンプ100と、血液回路20と、血液ポンプ200と、血液浄化手段としてのダイアライザ30と、透析液回路40と、透析液送液ポンプ400と、測定手段50と、制御手段60と、排液ライン70と、を備える。
排液ライン70は、一端側からプライミング液を排出可能であり、他端側が分岐して静脈側接続端221及び動脈側接続端211に接続される。また、排液ライン70の一端側は、装置本体1aに配置される。
測定手段50は、第1の電極51と、第2の電極52と、第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスを測定する測定部54と、を備える。第1の電極51及び第2の電極52には測定部54からそれぞれ配線が接続される。また、測定部54は、装置本体1aに設けられる。
本実施形態において、第1の連通ライン101は、血液回路20における動脈側下流ライン21b及び静脈側上流ライン22aと透析液回路40とにより構成される。
第1の電極は第1の連通ライン101内であれば、いずれの位置に配置してもよく、本実施形態においては透析液導入ライン42のうち装置本体1a側に装着される部位に配置した。
第2の連通ライン102は、静脈側下流ライン22bと動脈側上流ライン21aと排液ライン70とにより構成される。
第2の電極は、第2の連通ライン102内であれば、いずれの位置に配置してもよく、本実施形態においては排液ライン70のうち装置本体1a側に装着される部位に配置した。
本実施形態のプライミング工程、液面調整の手順等は、プライミング液が排液ライン70から排出されること以外は第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上説明した第2実施形態の液面調整機構及び血液浄化装置1Aによれば、上述した(1)〜(4)の効果に加え、以下のような効果を奏する。
(5)血液浄化装置1Aは、一端側からプライミング液を排出可能であり、他端側が分岐して静脈側接続端221及び動脈側接続端211に接続される排液ライン70をさらに備え、第2の連通ライン102は、動脈側上流ライン21aと、排液ライン70と、をさらに含むものとした。これにより、プライミング液が排出されるラインを1本にまとめることができ、排液の作業が容易となる。また、第2の電極52は、静脈側下流ライン22bだけでなく、動脈側上流ライン21a及び排液ライン70に対しても配置可能となり、電極の配置の自由度が高くなるので、血液浄化装置1Aの設計の自由度を高めることができる。
(6)測定部54は装置本体1aに設けられており、第1の連通ライン101の一部は、装置本体1aに配置されており、第1の電極51は、第1の連通ライン101のうち、装置本体1aに配置される部位に設けられるものとした。これにより、第1の電極51は装置本体1a側に配置されるので、測定部54と第1の電極51とを装置本体1a側で接続することができ、測定手段50を簡易な構成とすることができる。
(7)測定部54は装置本体1aに設けられており、第2の連通ライン102の一部は、装置本体1aに配置されており、第2の電極52は、第2の連通ライン102のうち、装置本体1aに配置される部位に設けられるものとした。これにより、第2の電極52は装置本体1a側に配置されるので、測定部54と第2の電極52とを装置本体1a側で接続することができ、測定手段50を簡易な構成とすることができる。
次に、本発明の第2の実施形態の変形例1に係る血液浄化装置1Bにつき、図4A及び4Bを参照しながら説明する。変形例1の血液浄化装置1Aは、主として、血液浄化の方法としていわゆるオンラインHDFと呼ばれるオンライン血液ろ過透析(前希釈)による方法を用いる点、及び、プライミング液を排出する排液ライン70全体が装置本体1a側に配置される点の2点で第2実施形態に係る血液浄化装置1Aとは異なる。尚、変形例1の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図4A及び4Bに示すように、変形例1における血液浄化装置1Bは、チャンバとしてのドリップチャンバ10と、液面調整手段としての液面調整ポンプ100と、血液回路20と、血液ポンプ200と、血液浄化手段としてのダイアライザ30と、透析液回路40Bと、透析液送液ポンプ400と、測定手段50と、制御手段60と、排液ライン70と、を備える。
透析液回路40Bは、透析液供給ライン41と、透析液導入ライン42と、透析液導出ライン43と、透析液排液ライン44と、透析液導出ライン43から分岐して動脈側下流ライン21bに接続される透析液分岐ライン45Bと、を備える。透析液分岐ライン45Bには、該ライン45の流路を開閉可能なオンライン用クランプ451と、オンライン用補液ポンプ452が配置される。
測定手段50は、第1の電極51と、第2の電極52と、第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスを測定する測定部54と、を備える。第1の電極51及び第2の電極52には測定部54からそれぞれ配線が接続される。また、測定部54は、装置本体1aに設けられる。
排液ライン70は、一端側からプライミング液を排出可能であり、他端側が分岐して静脈側接続端221及び動脈側接続端211に接続される。また、排液ライン70は、装置本体1a内に配置されており、動脈側上流ライン21aの動脈側接続端211及び静脈側下流ライン22bの静脈側接続端221を装置本体1a内に配置された排液ライン70の2つの接続端に直接、接続する構成とした。
本変形例において、第1の連通ライン101は、血液回路20における動脈側下流ライン21b及び静脈側上流ライン22aと、透析液回路40Bにおける透析液導入ライン42と透析液導出ライン43とにより構成される。
第1の電極は第1の連通ライン101内であれば、いずれの位置に配置してもよく、本変形例においては透析液導出ライン43のうち装置本体1a側に装着される部位に、第2実施形態と同様の方法で配置した。
第2の連通ライン102は、静脈側下流ライン22bと動脈側上流ライン21aと排液ライン70とにより構成される。
第2の電極は、第2の連通ライン102内であれば、いずれの位置に配置してもよく、本実施形態においては装置本体1a側に装着された排液ライン70に配置した。
本変形例のプライミング工程について、図4A及び4Bを参照して以下に説明する。
本変形例においては、逆ろ過運転によるプライミング工程1を行った後、オンライン運転によるプライミング工程2を行う。
逆ろ過運転によるプライミング工程1は、図4Aに示すように、オンライン用クランプ451を閉状態とし、静脈側クランプ223を開状態とし、血液回路20の動脈側接続端211及び静脈側接続端221は排液ライン70に接続しておく。
本変形例におけるプライミング工程1は、オンライン用クランプ451を閉状態としたこと以外は、第2実施形態におけるプライミング工程と同様であるので、説明を省略する。
オンライン運転によるプライミング工程2は、図4Bに示すように、オンライン用クランプ451を開状態とし、静脈側クランプ223を開状態とし、血液回路20の動脈側接続端211及び静脈側接続端221は排液ライン70に接続しておく。
透析液送液ポンプ400における除水/逆ろ過ポンプ430を、逆ろ過方向に送液するように駆動させ作動させる。除水/逆ろ過ポンプ430の送給量を400ml/minとすることで、プライミング液供給ラインとして用いられる透析液導出ライン43から血液回路20における動脈側下流ライン21bに400ml/minの透析液(プライミング液)が注入される。
血液ポンプ200は、血液回路20内の透析液を360ml/minの送液量で透析工程とは逆に送るように作動させ、動脈側接続端211から360ml/minの透析液が排液ライン70の分岐した一端側に流される。ドリップチャンバ10には、40ml/minの透析液が送液され、静脈側接続端221から40ml/minの透析液が排液ライン70の分岐した他端側に流される。排液ライン70の分岐した側とは反対側から400ml/minの透析液(プライミング液)が排出される。
プライミング工程1に続けてプライミング工程2を行い、第1及び第2実施形態と同様に液面調整を行った。
以上説明した変形例1の液面調整機構及び血液浄化装置1Bによれば、上述した(1)〜(7)の効果に加え、以下のような効果を奏する。
(8)透析液回路40Bは、透析液導入ライン42と、透析液導出ライン43と、透析液導出ライン43から分岐して動脈側下流ライン21bに接続される透析液分岐ライン45Bと、を備え、プライミング液として、逆ろ過透析液または透析液を用いる構成とした。これにより、第1の電極51は、血液回路20における動脈側下流ライン21b及び静脈側上流ライン22aだけでなく、透析液回路40Bにおける透析液導入ライン42、透析液導出ライン43及び透析液分岐ライン45Bに対しても配置可能となり、電極の配置の自由度が高くなるので、血液浄化装置1Bの設計の自由を高めることができる。また、プライミング液として逆ろ過透析液または透析液を用いるので、プライミング液供給ラインとして生理食塩水ライン等を別途設ける必要がなく、血液浄化装置1Bの構成を簡易化できる。
(9)排液ライン70は、装置本体1a内に配置されており、動脈側上流ライン21aの動脈側接続端211及び静脈側下流ライン22bの静脈側接続端221を装置本体1a内に配置された排液ライン70の2つの接続端に直接、接続する構成とした。これにより、排液ライン70を取り扱わなくとも、装置本体1aに設けられた排液ライン70の2つの接続端に動脈側接続端211及び静脈側接続端221を簡単に接続することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る血液浄化装置1Cにつき、図5を参照しながら説明する。
第3実施形態の血液浄化装置1Cは、静脈側下流ライン22bに取り付けられる気泡センサ222を備えておらず、プライミング工程実施後、血液浄化中に測定手段50を用いて、第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスの変化をモニタし、気泡検出を行うものである。尚、血液浄化の方法としていわゆるオンラインHDFと呼ばれるオンライン血液ろ過透析(後希釈)による方法を用いた。尚、第3実施形態の説明にあたって、第1及び第2実施形態、変形例1と同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
図5は、血液浄化装置1Cを用いた血液浄化の一例として、オンラインHDFにおける透析工程(HD)を示す。
血液浄化装置1Cは、チャンバとしてのドリップチャンバ10と、液面調整手段としての液面調整ポンプ100と、血液回路20と、血液ポンプ200と、血液浄化手段としてのダイアライザ30と、透析液回路40Cと、透析液送液ポンプ400と、測定手段50と、制御手段60と、を備える。
透析液回路40Cは、透析液供給ライン41と、透析液導入ライン42と、透析液導出ライン43と、透析液排液ライン44と、透析液導入ライン42から分岐して静脈側上流ライン22aに接続される透析液分岐ライン45Cと、を備える。透析液分岐ライン45Cには、該ラインの流路を開閉可能なオンライン用クランプ451と、オンライン用補液ポンプ452が配置される。
本実施形態において、第1の連通ライン101は、血液回路20における動脈側下流ライン21b及び静脈側上流ライン22aと、透析液回路40Cにおける透析液導入ライン42と透析液導出ライン43と透析液分岐ライン45Cとにより構成される。
第1の電極は第1の連通ライン101内であれば、いずれの位置に配置してもよく、本実施形態においては動脈側下流ライン21bのうち装置本体1a側に装着される部位に、第2実施形態と同様の方法で配置した。
第2の連通ライン102は、静脈側下流ライン22bにより構成され、第2の電極52は、静脈側下流ライン22bのうち気泡センサ222よりも上流側に配置した。
透析工程は、図5に示すように、オンライン用クランプ451を閉状態とし、静脈側クランプ223を開状態とし、動脈側接続端211及び静脈側接続端221は穿刺針に接続され、穿刺針は患者の血管に穿刺される。
血液ポンプ200により患者の動脈から取り出された血液は、200ml/minで流通してダイアライザ30の血液導入口311に導入される。除水/逆ろ過ポンプ430を除水方向に例えば10ml/minで作動させると、ダイアライザ30に導入された血液は、透析膜を介して10ml/min除水され、透析液回路40を流通する透析液により浄化される。ダイアライザ30において浄化された血液は、静脈側ライン22を流通して対象者の静脈に返血される。
このような透析工程において、測定手段50により第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスの変化をモニタすることにより、第1の電極51と第2の電極52との間のラインに気泡が混入または発生した場合、インピーダンスの増加を検出し、測定手段50を気泡検出手段として用いることができる。また、透析工程に限らず、血液ろ過透析工程、急速補液工程、返血工程等のプライミング工程終了後において適用できる。
このように気泡検出手段として測定手段50を用いる場合、血液回路20内の気泡を検出するため、第1の電極51及び第2の電極52は、第1の連通ライン101及び第2の連通ライン102のうち、血液回路20に配置されることが好ましい。また、第1の電極51と第2の電極52との間の距離を長くすることにより、広い範囲で気泡を検出することができる。
以上説明した第3実施形態に係る血液浄化装置1Cによれば、以下のような効果を奏する。
(10)血液浄化装置1Cを、プライミング工程終了後の透析工程等において、測定手段50により第1の電極51と第2の電極52との間のインピーダンスの変化をモニタするものとした。これにより、第1の電極51と第2の電極52との間のラインに気泡が混入または発生した場合、インピーダンスの増加を検出することにより、気泡を検出することができる。従って、測定手段50を気泡検出手段として用いることができる。
(11)第1の電極51及び第2の電極52は、第1の連通ライン101及び第2の連通ライン102のうち、血液回路20に配置されるものとした。これにより、第1の電極51と第2の電極52との間の距離が長くなるので、広い範囲で気泡を検出することができる。
以上、本発明の液面調整機構及び血液浄化装置の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、本発明を適用した血液浄化方法として、血液透析(第1及び第2実施形態)やオンライン血液ろ過透析(変形例1及び第3実施形態)を示したがこれらに限らない。プライミング時に液面調整が必要なドリップチャンバを用いる血液浄化方法であれば、本発明を適用できる。
また、上述の実施形態では、ドリップチャンバ10は、チャンバ上部に基端側が垂直方向を向いた導入口を備える構成としたが、基端側が水平方向を向いた導入口を備える構成としてもよい。
また、上述の実施形態では、液面調整手段として液面調整ポンプを用いる例を示したがこれに限らない。液面調整手段としては、ドリップチャンバ本体に貯留される液体の液面高さを上下させることができる構成であればどのようなものでよく、例えば、ドリップチャンバの下流側ラインの流量を調整可能な流量調整弁や下流側ラインの流路を開閉可能なクランプ手段を用いてもよい。
また、上述の実施形態では、血液ポンプの一例として間欠的に送液する例を示したが、これに限らない。液体を連続的に送液可能な血液ポンプを用いる場合は、動脈側上流ラインと動脈側下流ラインとは電気的に絶縁とはならないので、動脈側上流ラインも第1の連通ラインに含まれる。この場合は、第2の連通ラインを構成する静脈側下流ラインと動脈側上流ラインとを接続しない構成を用いて、本発明の液面調整機構を適用すればよい。
1、1A、1B、1C 血液浄化装置
1a 装置本体
10 ドリップチャンバ(チャンバ)
11 チャンバ本体
12 導入口
13 通気口
14 導出口
20 血液回路
21 動脈側ライン
21a 動脈側上流ライン
21b 動脈側下流ライン
21c ポンプセグメント部
22 静脈側ライン
22a 静脈側上流ライン
22b 静脈側下流ライン
30 ダイアライザ(血液浄化手段)
40、40B 透析液回路
50 測定手段
51 第1の電極
52 第2の電極
54 測定部
60 制御手段
101 第1の連通ライン
102 第2の連通ライン
100 液面調整ポンプ(液面調整手段)
121 通気ライン
122 開閉弁
200 血液ポンプ

Claims (8)

  1. 液体を貯留するチャンバ本体と、先端部が前記チャンバ本体の内部における所定の高さまで延び該チャンバ本体に液体を導入する導入口と、前記チャンバ本体における該導入口の前記先端部よりも上部に配置され気体が流入または流出する通気口と、前記チャンバ本体の底部に配置され液体を導出する導出口と、を有するチャンバと、
    一端側が前記導入口の基端側に接続される第1の連通ラインと、
    一端側が前記導出口に接続される第2の連通ラインと、
    前記第1の連通ラインに設けられる第1の電極と、
    前記第2の連通ラインに設けられる第2の電極と、
    一端側が前記通気口に接続される通気ラインと、
    前記通気ラインに設けられる開閉弁と、
    前記チャンバ本体に貯留される液体の液面を上昇または下降させることが可能な液面調整手段と、
    を備え、
    前記第1の電極により電位が印加された前記導入口における液体と、前記第2の電極により電位が印加された前記チャンバ本体に貯留される液体と、の接触の有無により変化する前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンスに基づいて、前記液面調整手段の作動及び前記開閉弁の開閉を制御して、前記チャンバ本体に貯留される液体の液面を所定の高さに調整する液面調整機構。
  2. 請求項1に記載の液面調整機構と、
    ポンプセグメント部を有する動脈側ラインと静脈側ラインとを含んで構成される血液回路と、
    前記動脈側ラインと前記静脈側ラインとの間に介在して配置され、前記血液回路を流れる血液を浄化可能な血液浄化手段と、
    前記血液回路に接続され、プライミング液を供給するプライミング液供給ラインと、
    前記ポンプセグメント部が装着され、前記動脈側ライン内の液体を間欠的に送液可能な血液ポンプと、
    前記第1の電極と、前記第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間のインピーダンスを測定する測定部と、を有する測定手段と、
    前記測定手段により測定されたインピーダンスの値に基づいて、前記液面調整手段の作動及び前記開閉弁の開閉を制御する制御手段と、
    を備え、
    前記動脈側ラインは、一端側に動脈側接続端を有し他端側が前記ポンプセグメント部の上流側に接続される動脈側上流ラインと、一端側が前記ポンプセグメント部の下流側に接続され他端側が前記血液浄化手段に接続される動脈側下流ラインと、を有し、
    前記静脈側ラインは、一端側が前記血液浄化手段に接続され他端側が前記導入口の基端側に接続される静脈側上流ラインと、一端側が前記導出口に接続され他端側に静脈側接続端を有する静脈側下流ラインと、を有し、
    前記第1の連通ラインは、前記動脈側下流ラインと、前記静脈側上流ラインと、を含んで構成され、
    前記第2の連通ラインは、前記静脈側下流ラインを含んで構成され、
    プライミング液は、前記動脈側接続端及び前記静脈側接続端から排出可能である血液浄化装置。
  3. 前記通気ラインは、静脈圧を測定するための静脈圧センサが設けられ、
    前記液面調整手段は、前記通気ラインの他端側に設けられ、前記チャンバに対して気体の流入及び流出を行う液面調整ポンプである請求項2に記載の血液浄化装置。
  4. 前記血液浄化手段に対し透析液の導入及び導出を行う透析液送液ポンプと、
    一端側が前記透析液送液ポンプに接続され他端側が前記血液浄化手段に接続される透析液導入ラインと、一端側が前記血液浄化手段に接続され他端側が前記透析液送液ポンプに接続される透析液導出ラインと、を含んで構成される透析液回路と、
    をさらに備え、
    前記プライミング液供給ラインとして、前記透析液導入ラインを用い、
    前記血液回路をプライミングするプライミング液として、前記血液浄化手段において逆ろ過された逆ろ過透析液を用い、
    前記第1の連通ラインは、前記透析液回路をさらに含んで構成される請求項2または3に記載の血液浄化装置。
  5. 前記透析液回路は、前記透析液導入ラインまたは前記透析液導出ラインから分岐して、前記動脈側下流ラインまたは前記静脈側上流ラインに接続される透析液分岐ラインをさらに備え、
    プライミング液として、透析液を用いる請求項4に記載の血液浄化装置。
  6. 一端側からプライミング液を排出可能であり、他端側が分岐して前記静脈側接続端及び前記動脈側接続端に接続される排液ラインをさらに備え、
    前記第2の連通ラインは、前記動脈側上流ラインと、前記排液ラインと、をさらに含んで構成される請求項2〜5のいずれかに記載の血液浄化装置。
  7. 前記測定部が設けられる装置本体をさらに備えており、
    前記第1の連通ラインの一部は、前記装置本体に配置されており、
    前記第1の電極は、前記第1の連通ラインのうち、前記装置本体に配置される部位に設けられる請求項2〜6のいずれかに記載の血液浄化装置。
  8. 前記血液浄化装置は、前記測定部が設けられる装置本体を備えており、
    前記第2の連通ラインの一部は、前記装置本体に配置されており、
    前記第2の電極は、前記第2の連通ラインのうち、前記装置本体に配置される部位に設けられる請求項2〜7のいずれかに記載の血液浄化装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116099072A (zh) * 2022-10-27 2023-05-12 北京迈淩医疗技术发展有限公司 一种透析机预充系统及管路的预充方法

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