JPH04236724A - 連続熱処理薄鋼板の塑性歪比制御方法 - Google Patents

連続熱処理薄鋼板の塑性歪比制御方法

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JPH04236724A
JPH04236724A JP258891A JP258891A JPH04236724A JP H04236724 A JPH04236724 A JP H04236724A JP 258891 A JP258891 A JP 258891A JP 258891 A JP258891 A JP 258891A JP H04236724 A JPH04236724 A JP H04236724A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄鋼板の連続熱処理ラ
インにおける温度制御方法に関し、低炭素鋼または極低
炭素鋼からなる薄鋼板あるいは表面処理鋼板等の製造に
際して、安定した深絞り性を保証するための薄鋼板製造
用連続熱処理ラインにおける温度制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば自動車や家電製品用の薄鋼板は
一般に、プレス成形によって深絞り加工が施されるため
、所期の深絞り性を具備すべく連続焼鈍ラインや連続メ
ッキライン等で熱処理が実施される。
【0003】この深絞り性は、当該鋼板が伸ばされたと
きに生じる板幅方向の歪みと板厚方向の歪みとの比、い
わゆる塑性歪比(ランクフォード値またはr値)によっ
て一般的に評価されている。
【0004】従来、この塑性歪比を測定するためには、
本出願人が開示した特開平2−1574号公報に述べら
れているように、(1)引っ張り試験を行うことにより
直接求める直接法、(2)試料を共振させることにより
求めたヤング率から塑性歪比を推定する共振法、(3)
X線回析によって特定結晶方位によって進路変更される
X線の強度から塑性歪比を求めるX線法、(4)超音波
探傷法などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かくして塑性歪比自体
は測定できるが、実際の熱処理ラインの処理温度・処理
速度の制御は、機械特性値すなわちオフラインでの引張
り試験にて得られた絞りや伸び等を基に決定し、鋼板温
度を測定して、その測定値を加熱温度や冷却速度にフィ
ードバックして実施している。
【0006】しかしながら、従来の温度制御には重大な
問題点があった。すなわち、オフラインで測定した機械
特性値から経験的に求められた温度を基にして処理温度
・処理速度を決定しているので、鋼板温度測定値をフィ
ードバックさせても、狙いの特性値に対してバラツキを
避けることができなかった。
【0007】また、処理温度・処理時間の目安となる機
械特性値が当該熱処理ラインだけの影響で決定されるも
のでないため、同様にバラツキが発生し、前工程で大幅
な条件変動があった場合には、大量の不具合品の発生の
恐れがあった。
【0008】一方、前述のように、塑性歪比自体は測定
できるものの、現在まで実際にオンラインで測定する試
みはない。現実に前記直接法および共振法は測定に多大
な手間がかかるとともに、そもそもオンライン測定には
適していない。またX線法はオンライン測定が可能であ
るとしても、使用する装置が大規模となり、かつ測定精
度を満足するためには10秒/回程度ごと塑性歪比を求
める必要があり、実用性に欠ける。
【0009】そこで、本発明者は、前記公報に開示され
た方法によりオンラインにて塑性歪比を測定することが
有効であることを知見している。しかし、この測定した
塑性歪比が実際の熱処理ラインでの処理温度・処理速度
の制御に対して有効であるか否か不明であった。
【0010】しかるに、実際に前記公報または特開昭6
4−83322号公報記載の超音波を利用した塑性歪比
に基づいて熱処理ラインでの処理温度・処理速度の制御
を行ったところ、予想以上の優れた効果が認められた。
【0011】したがって、本発明の主たる課題は、薄鋼
板の組成や前工程条件の影響を最小限度に抑制し、製造
された薄鋼板の特性値のバラツキをなくすとともに、狙
い通りの特性、主に深絞り性を有する薄鋼板の製造を可
能とする連続熱処理ラインにおける温度制御方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、薄鋼板の塑
性歪比をオンラインで測定し、このオンライン測定した
塑性歪比をフィードバックさせて、加熱時間・加熱速度
および冷却速度を制御することで解決できる。
【0013】また、薄鋼板の結晶粒度をオンラインで測
定し、このオンライン測定した結晶粒度をフィードバッ
クさせて、加熱時間・加熱速度および冷却速度を制御す
ることでも解決できる。
【0014】さらに、より高品質な薄鋼板の製造が要求
される場合、薄鋼板の塑性歪比と結晶粒度をオンライン
で測定し、オンライン測定した塑性歪比をオンライン測
定した結晶粒度を加味して補正し、この補正した塑性歪
比をフィードバックさせて、加熱時間・加熱速度および
冷却速度を制御することが望ましい。
【0015】
【作用】前述したように、薄鋼板はその用途から深絞り
性が良好であることが重要な性質であるので、引張試験
における塑性歪比、すなわち、r値が大きい材料ほど深
絞り性が優れている。平均r値と限界絞り比の関係を図
7に示す。両者の間には極めて強い相関があり、r値が
大きいほど限界絞り比が大きく、同一ブランクから深い
カップを絞ることができることを表している。また、狙
いの特性を実現すべく熱処理をする際に重要となるのが
、処理温度である。この処理温度とr値の関係を図8に
示す。この図8によると、ある一定の温度以上温度を上
げても、r値はさほど大きくならず、したがって、省エ
ネの点からあるいは他の特性を得るためにも適正なる温
度制御が必要となる。そこで、本発明によれば、薄鋼板
の塑性歪比をオンラインで測定し、このオンライン測定
した塑性歪比をフィードバックさせて、加熱時間・加熱
速度および冷却速度を制御するものである。
【0016】一方、結晶粒度の影響としては、結晶粒径
が小さくなるほど、降伏応力が上昇し、強度が上昇する
。そこで、熱間加工で、加工度、加工速度、加工温度、
終了温度さらにそれからの冷却速度を変化させることに
より結晶粒度を変化させて強度を下げたり、上げたりす
ることが可能である。そこで、本発明によれば、薄鋼板
の結晶粒度をオンラインで測定し、このオンライン測定
した結晶粒度値をフィードバックさせて、加熱時間・加
熱速度および冷却速度を制御するものである。他方、オ
ンラインr値計による測定値と実際のr値との関係は、
図2に示すように、誤差を避けられないが、結晶粒度値
を加味して補正することにより、その誤差を最小限に抑
えれることが判った。
【0017】そこで、本発明は、より品質精度を向上さ
せたい場合には、薄鋼板の塑性歪比と結晶粒度をオンラ
インで測定し、オンライン測定した塑性歪比をオンライ
ン測定した結晶粒度を加味して補正し、この補正した塑
性歪比をフィードバックさせて、加熱時間・加熱速度お
よび冷却速度を制御するものである。その結果、薄鋼板
の組成や前工程条件の影響を最小限度に抑制し、製造さ
れた薄鋼板の特性値のバラツキをなくすことができ、狙
い通りの特性を有する薄鋼板の製造することができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例によりさら
に具体的に説明する。
【0019】図1は本発明の温度制御方法の一実施例を
示す連続焼鈍ラインの概要図で、予めコイリングされた
連続薄鋼板Sが送出リール1より上ロール2…群と下ロ
ール3…群にと交互に掛けられ、反転曲げを受け、ある
程度のテンションを付与され、薄鋼板Sが上昇・下降し
ながら、加熱帯4および冷却帯5を進む過程で焼鈍がな
され、巻取リール6に巻取られる。この場合従来は、加
熱帯4の加熱時間・加熱速度および冷却帯5の冷却速度
は、オフラインで測定した機械特性値から経験的に求め
られた温度を基に設定されている。
【0020】本発明においては、冷却帯5を出た巻取リ
ール6の前段において、r値測定装置7および結晶粒度
測定装置8が設けら、薄鋼板Sのr値および結晶粒度が
それぞれオンライン測定される。
【0021】塑性歪比(r値)のオンライン測定方法と
しては、たとえば、特開平2−1547号または特開昭
64−83322号公報に開示の方法を採用することが
できる。
【0022】すなわち、前者の方法は、圧延された薄鋼
板中に、その板厚に対して十分低い周波数で発生させた
速度分散性の十分少ないS0 モードの超音波板波を、
圧延方向と圧延方向に対して45°だけ傾斜する方向と
圧延方向に対して直交する方向との3方向に一定距離だ
け伝播させ、その各伝播時間を測定し、その測定値を用
いて薄鋼板の主要結晶方位成分を導出することにより塑
性歪比の面内平均値rを求める方法である。この場合、
面内方位差Δrも求めることができる。
【0023】具体的に、本実施例に用いるr値測定装置
7は、探触子14と信号処理装置15を基本構成要素し
ている。図4はr値測定装置における探触子14を示す
斜視図で、ホルダ14aに設けた一対の倣いローラ14
b、14b間の適宜位置に全ての送受信子11a,11
b,12a,12b,13a,13bが配置され,薄鋼
板Sをローラ14b、14bに倣わせつつ送受信子11
a,11b,12a,12b,13a,13b上を摺動
させて、これら送受信子11a,11b,12a,12
b,13a,13bの薄鋼板Sに対する位置決めおよび
相互間の位置決めを行うようになっている。
【0024】次に、r値測定装置7のr値測定原理を図
5に沿って説明する。
【0025】50〜55は送受信子の構造を示しており
、送受信子は磁石50にプローブコイル51が重なった
構造となっており、プローブコイル51にパルサ52よ
りパルス電流が印加されると薄鋼板表面に誘電電流が誘
発され、それと磁石より発生する磁場との相互作用によ
りローレンツ力が発生する。プローブコイル51はその
流れる電流が発生させる板波の波長を1/2毎に向きが
変わるようになっており、前記ローレンツ力は結局、半
波長毎に力の向きを180°変えて発生するため、この
力により所定の波長の板波が発生する。発生した板波は
薄鋼板中を伝播した後、受信側プローブコイル51によ
って同様の原理によって電気信号に変換された後、プリ
アンプ53で増幅し、フィルタ54で所定の形に整形し
、その後、時間測定器55でその伝播時間が測定される
。勿論、この伝播時間の測定は、探触子14が図4のよ
うに構成されていることにより、圧延方向と圧延方向に
対して45°だけ傾斜する方向と圧延方向に対して直交
する方向との3方向に一定距離だけ伝播させ、3種類の
伝播時間を測定される。探触子14により3種類の伝播
時間が測定されると、そのデータは信号処理装置15に
入力され、この信号処理装置15はそのデータを用いて
演算し、薄鋼板Sの結晶方位分布関数の展開係数を求め
て、塑性歪比の面内平均値rを換算するものである。
【0026】一方、結晶粒度のオンライン測定方法とし
ては、たとえば、特開昭63−218853号公報を採
用することができる。
【0027】これは、鋼板の電磁的性質を利用して鋼板
を走行させながら連続的にその結晶粒度を測定する方法
であって、鋼板磁化時に発生するバルクハウゼン雑音に
起因する信号の鋼板速度依存性と、鋼板の透磁率に起因
する信号の鋼板速度依存性の差異を元に、バルクハウゼ
ン雑音信号を透磁率信号のべき乗数で除することにより
当該鋼板の結晶粒度を測定する方法である。
【0028】本実施例に用いる結晶粒度測定装置8にお
いては、図6に示すように、走行する薄鋼板Sを挟んで
電磁石56と検出コイルよりなるセンサ57が設けられ
ており、前記電磁石56は、コイル56aとヨーク56
bとにより構成し、そのコイル56aには増幅器58を
介して発進器59によって発進された交流電流を流すよ
うになっている。前記センサ57の出力は、ローパスフ
ィルタ60とハイパスフィルタ61に加えられるが、こ
こでセンサ57の出力信号の中で、ローパスフィルタ6
0を通過した低周波数側出力は励磁周波数およびそのn
次高周波の波形となり、薄鋼板Sを透過する磁束に比例
するため薄鋼板Sの透磁率に起因する信号S1 である
。 一方、ハイパスフィルタ61を通過した高周波側出力は
バルクハウゼン雑音の波形を示し、そのバルクハウゼン
雑音に起因する信号S2 である。
【0029】それぞれローパスフィルタ60およびハイ
パスフィルタ61を通過した信号、S1 、S2 は、
一方は電圧計62を介して演算器65に加えられ、他方
は増幅器63とカウンター64を介して演算器65に加
えられる。そして、前記信号S1 は薄鋼板Sの透過磁
束量Bt,一方信号S2 はバルクハウゼン雑音BNV
として、演算器65において、透過磁束量Btを適宜指
数でべき乗し、この値でバルクハウゼン雑音BNVを除
するものである。この演算結果と結晶粒度の関係は反比
例の関係にあり、したがって上記演算結果から結晶粒度
が測定できる。
【0030】r値測定装置7および結晶粒度測定装置8
により、薄鋼板Sのr値および結晶粒度がオンライン測
定されると、それら測定値が前述の信号処理装置15お
よび演算器65を含む演算処理装置9に入力され、r値
に結晶粒度が加味され、r値が補正されて、実際のr値
にほぼ近づけられる。
【0031】また、演算処理装置9では、図3のように
、r値の管理レンジを設定しておき、その値を超える場
合には、補正したr値をフィードバックさせ、オフライ
ンまたは経験から予め求めて設定しておいた加熱速度・
加熱時間および冷却速度を調節器10により変化させて
制御を行うものである。
【0032】一般には、低炭素鋼では、加熱帯4の加熱
温度上昇でr値が向上するが、鋼種によっては、冷却速
度をコントロールする方が好ましいものもあるので、鋼
種により制御態様を適宜選択するのが好ましい。
【0033】本実施例においては、薄鋼板の塑性歪比と
結晶粒度をオンラインで測定し、オンライン測定した塑
性歪比をオンライン測定した結晶粒度を加味して補正し
、この補正した塑性歪比をフィードバックさせて、加熱
時間・加熱速度および冷却速度を制御したが、それほど
高品質性が要求されない場合には、r値測定装置7のみ
を設けて、r値を測定し、図3に示すように、管理レン
ジを設定しておき、管理レンジを超える場合には、その
測定したr値をフィードバックさせて制御するようにし
てもよいし、結晶粒度測定装置のみを設け、結晶粒度を
測定し、上記と同様の方法で制御してもよい。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、薄鋼板の
組成や前工程条件の影響を最小限度に抑制し、製造され
た薄鋼板の特性値のバラツキをなくすことができ、狙い
通りの深絞り性を有する薄鋼板を製造することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の温度制御方法の一実施例を示す連続焼
鈍ラインの概要図である。
【図2】オンラインr値計の測定値と実際のr値との関
係を示す図である。
【図3】オンラインr値計の測定値と制御方法の関係を
示す図である。
【図4】r値測定装置における探触子を示す斜視図であ
る。
【図5】本実施例に用いるr値測定装置を示す概要図で
ある。
【図6】本実施例に用いる結晶粒度測定装置を示す概要
図である。
【図7】r値と限界絞り比の関係を示す図である。
【図8】r値と焼鈍温度の関係を示す図である。
【符号の説明】
4    加熱帯 5    冷却帯 7    r値測定装置 8    結晶粒度測定装置 9    演算処理装置 10  温度調節器 S    薄鋼板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  薄鋼板の塑性歪比をオンラインで測定
    し、このオンライン測定した塑性歪比をフィードバック
    させて、加熱および冷却条件の少なくとも一方の条件を
    制御することを特徴とする連続熱処理ラインにおける温
    度制御方法。
  2. 【請求項2】  薄鋼板の結晶粒度をオンラインで測定
    し、このオンライン測定した結晶粒度をフィードバック
    させて、加熱および冷却条件の少なくとも一方の条件を
    制御することを特徴とする連続熱処理ラインにおける温
    度制御方法。
  3. 【請求項3】  薄鋼板の塑性歪比と結晶粒度をオンラ
    インで測定し、オンライン測定した塑性歪比をオンライ
    ン測定した結晶粒度を加味して補正し、この補正した塑
    性歪比をフィードバックさせて、加熱および冷却条件の
    少なくとも一方の条件を制御することを特徴とする連続
    熱処理ラインにおける温度制御方法。
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