JPH11153581A - 焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法 - Google Patents
焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法Info
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- JPH11153581A JPH11153581A JP32149397A JP32149397A JPH11153581A JP H11153581 A JPH11153581 A JP H11153581A JP 32149397 A JP32149397 A JP 32149397A JP 32149397 A JP32149397 A JP 32149397A JP H11153581 A JPH11153581 A JP H11153581A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 最適焼鈍条件での焼鈍を可能とし、目標とす
る鋼板の機械的性質を得ると共に、コイル長手方向全長
にわたる材質の保証が可能な焼鈍中の鋼板の再結晶の進
行度のオンライン測定方法、測定装置並びに鋼板の連続
焼鈍方法の提供。 【解決手段】 焼鈍炉の加熱帯以降の少なくとも1ヵ所
で、鋼板の磁気的特性を測定する焼鈍中の鋼板の回復・
再結晶の進行度のオンライン測定方法、および、測定対
象の鋼板および標準試料の鋼板のそれぞれと相対向しか
つ交流電流を通じたコイル1およびコイル2と、測定対
象の鋼板中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出す
る検出手段3と、標準試料の鋼板中に生じた渦電流に基
づく磁界の強さを検出する検出手段4と、検出手段3、
4で検出されたそれぞれの検出値を比較する比較手段5
とを有する焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオン
ライン測定装置、並びに前記測定方法、測定装置を用い
た鋼板の連続焼鈍方法。
る鋼板の機械的性質を得ると共に、コイル長手方向全長
にわたる材質の保証が可能な焼鈍中の鋼板の再結晶の進
行度のオンライン測定方法、測定装置並びに鋼板の連続
焼鈍方法の提供。 【解決手段】 焼鈍炉の加熱帯以降の少なくとも1ヵ所
で、鋼板の磁気的特性を測定する焼鈍中の鋼板の回復・
再結晶の進行度のオンライン測定方法、および、測定対
象の鋼板および標準試料の鋼板のそれぞれと相対向しか
つ交流電流を通じたコイル1およびコイル2と、測定対
象の鋼板中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出す
る検出手段3と、標準試料の鋼板中に生じた渦電流に基
づく磁界の強さを検出する検出手段4と、検出手段3、
4で検出されたそれぞれの検出値を比較する比較手段5
とを有する焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオン
ライン測定装置、並びに前記測定方法、測定装置を用い
た鋼板の連続焼鈍方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般の冷延鋼板、
極薄物の缶用鋼板または連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造
工程における焼鈍工程、あるいはその後工程であるスキ
ンパスまたは2次圧延工程において、より高精度の材質
の制御並びに材質の保証を可能とし、さらには、省エネ
ルギー性に優れ、安定した操業を可能とする焼鈍中の鋼
板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法、測定
装置およびそれを用いた鋼板の連続焼鈍方法に関する。
極薄物の缶用鋼板または連続溶融亜鉛めっき鋼板の製造
工程における焼鈍工程、あるいはその後工程であるスキ
ンパスまたは2次圧延工程において、より高精度の材質
の制御並びに材質の保証を可能とし、さらには、省エネ
ルギー性に優れ、安定した操業を可能とする焼鈍中の鋼
板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法、測定
装置およびそれを用いた鋼板の連続焼鈍方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の冷延鋼板、極薄物の缶用鋼板ある
いはこれらと同様に焼鈍工程を含む連続溶融亜鉛めっき
鋼板などの製造において、焼鈍工程はこれらの製品の機
械的性質を支配する重要な工程である。これらの鋼板の
通常の製造工程は下記のとおりである。
いはこれらと同様に焼鈍工程を含む連続溶融亜鉛めっき
鋼板などの製造において、焼鈍工程はこれらの製品の機
械的性質を支配する重要な工程である。これらの鋼板の
通常の製造工程は下記のとおりである。
【0003】すなわち、溶鋼を連続鋳造法で200 〜300m
m 程度の厚みのスラブとし、得られたスラブを熱間圧延
し、1〜3mmの熱延鋼板とした後、酸洗、冷間圧延が行
われる。この状態で鋼板の厚みはほぼ製品の厚みに近い
ものとなるが、このままでは鋼板は加工硬化状態のまま
で、強度が過度に高く、延性にも乏しいため、成形性
(加工性)を改善するため焼鈍が施される。
m 程度の厚みのスラブとし、得られたスラブを熱間圧延
し、1〜3mmの熱延鋼板とした後、酸洗、冷間圧延が行
われる。この状態で鋼板の厚みはほぼ製品の厚みに近い
ものとなるが、このままでは鋼板は加工硬化状態のまま
で、強度が過度に高く、延性にも乏しいため、成形性
(加工性)を改善するため焼鈍が施される。
【0004】焼鈍は、コイルを2〜3段に積んでボック
ス状の炉体をかぶせて加熱する箱焼鈍法と、コイルを連
続的に巻き戻しながら高温の炉内を連続的に通板する連
続焼鈍法に大別できるが、その品質特性、生産性の面か
ら連続焼鈍法が主流となりつつある。連続焼鈍工程で
は、鋼板は、通常600 〜800 ℃の高温条件下、短時間加
熱されていわゆる再結晶組織が形成される。
ス状の炉体をかぶせて加熱する箱焼鈍法と、コイルを連
続的に巻き戻しながら高温の炉内を連続的に通板する連
続焼鈍法に大別できるが、その品質特性、生産性の面か
ら連続焼鈍法が主流となりつつある。連続焼鈍工程で
は、鋼板は、通常600 〜800 ℃の高温条件下、短時間加
熱されていわゆる再結晶組織が形成される。
【0005】また、特殊な用途向けの鋼板の場合は、金
属組織を回復組織あるいは部分再結晶組織とすることで
適正な強度と延性を確保する。このため、連続焼鈍材の
材質は、通常、工程条件を適正範囲に規制することで保
証されている。一方、連続焼鈍工程における材質制御を
行うための測定手段としては、放射温度計による測温が
主流となっている(第88回,第89回 西山記念講座『ス
トリップの連続焼鈍技術の進歩』 P163 「連続焼鈍にお
ける計測技術」)。
属組織を回復組織あるいは部分再結晶組織とすることで
適正な強度と延性を確保する。このため、連続焼鈍材の
材質は、通常、工程条件を適正範囲に規制することで保
証されている。一方、連続焼鈍工程における材質制御を
行うための測定手段としては、放射温度計による測温が
主流となっている(第88回,第89回 西山記念講座『ス
トリップの連続焼鈍技術の進歩』 P163 「連続焼鈍にお
ける計測技術」)。
【0006】放射温度計は応答性が早く、焼鈍環境を攪
乱することなく測定できるという優れた特性を有してい
るが、下記(1) 、(2) のような問題点がある。 (1) 鋼板表面の熱放射率の変動に基づく温度の測定誤
差:焼鈍は通常3〜5%程度の水素を含む窒素雰囲気中
で行われ、鋼板の表面は安定していると言われている。
乱することなく測定できるという優れた特性を有してい
るが、下記(1) 、(2) のような問題点がある。 (1) 鋼板表面の熱放射率の変動に基づく温度の測定誤
差:焼鈍は通常3〜5%程度の水素を含む窒素雰囲気中
で行われ、鋼板の表面は安定していると言われている。
【0007】しかし、炉のシールの悪化などが生じると
炉内雰囲気ガス中に水分が混入し、雰囲気ガスの露点が
上昇し、鋼板表面に酸化膜を形成することがある。この
酸化膜の厚さの変化は、鋼板表面の熱放射率の変化をも
たらし、放射温度計の測定誤差につながる。本発明者ら
は種々の調査を行った結果、焼鈍炉の炉内雰囲気ガスの
露点の変動はかなり大きく、特に設備の休工後の再稼働
時の焼鈍炉内雰囲気ガスの露点は+20℃を超えることも
ある。
炉内雰囲気ガス中に水分が混入し、雰囲気ガスの露点が
上昇し、鋼板表面に酸化膜を形成することがある。この
酸化膜の厚さの変化は、鋼板表面の熱放射率の変化をも
たらし、放射温度計の測定誤差につながる。本発明者ら
は種々の調査を行った結果、焼鈍炉の炉内雰囲気ガスの
露点の変動はかなり大きく、特に設備の休工後の再稼働
時の焼鈍炉内雰囲気ガスの露点は+20℃を超えることも
ある。
【0008】通常時の良好な操業条件では、雰囲気ガス
の露点は−40℃以下であるので、露点の変動による鋼板
表面の酸化膜の膜厚の変動は大きく、さらに、これらの
厳密な管理は困難であるため、上記した放射温度計の測
定誤差が避けられない。 (2) 温度測定結果と材質との対応における問題点:温度
測定結果は直接的に材質の変化と対応しない。
の露点は−40℃以下であるので、露点の変動による鋼板
表面の酸化膜の膜厚の変動は大きく、さらに、これらの
厳密な管理は困難であるため、上記した放射温度計の測
定誤差が避けられない。 (2) 温度測定結果と材質との対応における問題点:温度
測定結果は直接的に材質の変化と対応しない。
【0009】本発明における焼鈍条件の制御は、鋼板の
回復・再結晶現象の制御が目的であり、温度制御はあく
までも間接的なパラメーターの制御にすぎない。すなわ
ち、温度制御の場合は、焼鈍する鋼板の再結晶終了温度
を予め実験により求めておき、それ以上の温度で焼鈍す
ることで再結晶を完了させる。一方、鋼板の再結晶温度
に対しては影響を及ぼす因子が多く、鋼組成、熱延条
件、冷延条件および焼鈍時の加熱条件などがその主なも
のである。
回復・再結晶現象の制御が目的であり、温度制御はあく
までも間接的なパラメーターの制御にすぎない。すなわ
ち、温度制御の場合は、焼鈍する鋼板の再結晶終了温度
を予め実験により求めておき、それ以上の温度で焼鈍す
ることで再結晶を完了させる。一方、鋼板の再結晶温度
に対しては影響を及ぼす因子が多く、鋼組成、熱延条
件、冷延条件および焼鈍時の加熱条件などがその主なも
のである。
【0010】従来の低炭素アルミキルド鋼においては、
再結晶挙動は鋼板の温度との対応が良好であり、大きな
問題を生ずることはなかった。しかし、昨今、鋼板の薄
肉化が顕著に進むに伴い、詳細な機構は不明であるが、
従来の炉温などの操業データと再結晶挙動とが一義的に
対応し難くなっている。
再結晶挙動は鋼板の温度との対応が良好であり、大きな
問題を生ずることはなかった。しかし、昨今、鋼板の薄
肉化が顕著に進むに伴い、詳細な機構は不明であるが、
従来の炉温などの操業データと再結晶挙動とが一義的に
対応し難くなっている。
【0011】また、成分的にもCが100ppm以下のいわゆ
る極低炭素鋼が多量に使用されるようになり、特に優れ
た深絞り性が要求される用途にはNb,Ti,Bなどの炭窒
化物形成元素を添加したIF鋼も多く生産されるようにな
った。これらの新鋼種は従来鋼に比して、より複雑な再
結晶挙動を示すため、従来の放射温度計に基づく炉温の
制御だけでは焼鈍後の材質を十分な精度で制御すること
が困難であることが明らかとなった。
る極低炭素鋼が多量に使用されるようになり、特に優れ
た深絞り性が要求される用途にはNb,Ti,Bなどの炭窒
化物形成元素を添加したIF鋼も多く生産されるようにな
った。これらの新鋼種は従来鋼に比して、より複雑な再
結晶挙動を示すため、従来の放射温度計に基づく炉温の
制御だけでは焼鈍後の材質を十分な精度で制御すること
が困難であることが明らかとなった。
【0012】一方、焼鈍工程で使用するエネルギーを低
減するためには、より低温かつ高速の焼鈍条件が有利で
あり、これをつきつめると再結晶終了温度直上での焼鈍
が必要となる。しかし、焼鈍温度を低く設定しすぎる
と、いわゆる生焼け状態となり、鋼板のプレス成形時に
鋼板の破断を生じるなどの問題があった。
減するためには、より低温かつ高速の焼鈍条件が有利で
あり、これをつきつめると再結晶終了温度直上での焼鈍
が必要となる。しかし、焼鈍温度を低く設定しすぎる
と、いわゆる生焼け状態となり、鋼板のプレス成形時に
鋼板の破断を生じるなどの問題があった。
【0013】また、軟質で加工性に優れる極低炭素鋼と
しては、いわゆる回復焼鈍状態、部分再結晶状態の製品
も考えられる(特願平6−180100号)が、該鋼板を焼鈍
する場合、単なる温度制御では十分でなく、材質が、特
にコイルの長手方向の位置の違いで大きく変動し、炉
温、ライン速度の僅かな変動によっても大きく変動する
ため、実際の製品化の障害となっていた。
しては、いわゆる回復焼鈍状態、部分再結晶状態の製品
も考えられる(特願平6−180100号)が、該鋼板を焼鈍
する場合、単なる温度制御では十分でなく、材質が、特
にコイルの長手方向の位置の違いで大きく変動し、炉
温、ライン速度の僅かな変動によっても大きく変動する
ため、実際の製品化の障害となっていた。
【0014】焼鈍条件の制御方法としては、焼鈍後の鋼
板の硬度をオンラインで測定し、測定結果をフィードバ
ックして焼鈍条件を最適化する方法も考えられるが、迅
速性に問題があることに加え、ラインの停止あるいはラ
イン速度の低減が必要となることなどの問題があり、焼
鈍条件の制御方法としては十分とはいえなかった。一
方、板厚、板幅以外の鋼板の材質をオンラインで非接触
で測定する方法としては、X線を用いた方法が挙げら
れ、例えば集合組織を測定する方法として、特開昭55−
158544号公報、特開昭56−1341号公報、特開昭56−8533
号公報、特開昭50−62805 号公報が、また、鋼板中のオ
ーステナイト量を測定する方法として、特開昭56−3623
号公報が挙げられる。
板の硬度をオンラインで測定し、測定結果をフィードバ
ックして焼鈍条件を最適化する方法も考えられるが、迅
速性に問題があることに加え、ラインの停止あるいはラ
イン速度の低減が必要となることなどの問題があり、焼
鈍条件の制御方法としては十分とはいえなかった。一
方、板厚、板幅以外の鋼板の材質をオンラインで非接触
で測定する方法としては、X線を用いた方法が挙げら
れ、例えば集合組織を測定する方法として、特開昭55−
158544号公報、特開昭56−1341号公報、特開昭56−8533
号公報、特開昭50−62805 号公報が、また、鋼板中のオ
ーステナイト量を測定する方法として、特開昭56−3623
号公報が挙げられる。
【0015】しかし、これらの方法は、回折X線強度比
に基づく集合組織の測定であり、缶用鋼板などにおいて
最も重要視される硬度特性に対応する焼鈍中の回復・再
結晶の進行度を検知する方法については開示されていな
かった。またこれらの測定法は、要求される高度な測定
精度を満足するものではなかった。
に基づく集合組織の測定であり、缶用鋼板などにおいて
最も重要視される硬度特性に対応する焼鈍中の回復・再
結晶の進行度を検知する方法については開示されていな
かった。またこれらの測定法は、要求される高度な測定
精度を満足するものではなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋼板の連続
焼鈍工程における前記した従来技術の問題点を解決し、
連続焼鈍炉の加熱帯以降の鋼板の回復・再結晶の進行度
をオンラインで迅速に測定し、最適焼鈍条件での焼鈍を
可能とし、目標とする鋼板の機械的性質を得ると共に、
コイル長手方向全長にわたる材質の保証が可能な焼鈍中
の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法お
よび測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法を提供すること
を目的とする。
焼鈍工程における前記した従来技術の問題点を解決し、
連続焼鈍炉の加熱帯以降の鋼板の回復・再結晶の進行度
をオンラインで迅速に測定し、最適焼鈍条件での焼鈍を
可能とし、目標とする鋼板の機械的性質を得ると共に、
コイル長手方向全長にわたる材質の保証が可能な焼鈍中
の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法お
よび測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法を提供すること
を目的とする。
【0017】また、本発明は、従来安定製造が困難であ
った回復焼鈍、部分再結晶焼鈍条件下での製品の製造を
可能とする焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオン
ライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方
法を提供することを目的とする。
った回復焼鈍、部分再結晶焼鈍条件下での製品の製造を
可能とする焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオン
ライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方
法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、鋼板の連
続焼鈍工程において、焼鈍炉の加熱帯以降の少なくとも
1ヵ所で、鋼板の磁気的特性を測定することを特徴とす
る焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測
定方法である。前記した第1の発明においては、前記し
た磁気的特性の測定方法が、鋼板に交流磁場を付与し鋼
板中に渦電流を生ぜしめ、該渦電流に基づく磁界の強さ
を測定する方法であることが好ましい。
続焼鈍工程において、焼鈍炉の加熱帯以降の少なくとも
1ヵ所で、鋼板の磁気的特性を測定することを特徴とす
る焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測
定方法である。前記した第1の発明においては、前記し
た磁気的特性の測定方法が、鋼板に交流磁場を付与し鋼
板中に渦電流を生ぜしめ、該渦電流に基づく磁界の強さ
を測定する方法であることが好ましい。
【0019】第2の発明は、鋼板の連続焼鈍炉の加熱帯
以降に配設される焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度
のオンライン測定装置であって、測定対象の鋼板と相対
向しかつ交流電流を通じたコイル1と、標準試料の鋼板
と相対向しかつ交流電流を通じたコイル2と、前記測定
対象の鋼板中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出
する検出手段3と、前記標準試料の鋼板中に生じた渦電
流に基づく磁界の強さを検出する検出手段4と、前記し
たそれぞれの検出手段3、4で検出されたそれぞれの検
出値を比較する比較手段5とを有することを特徴とする
焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定
装置である。
以降に配設される焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度
のオンライン測定装置であって、測定対象の鋼板と相対
向しかつ交流電流を通じたコイル1と、標準試料の鋼板
と相対向しかつ交流電流を通じたコイル2と、前記測定
対象の鋼板中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出
する検出手段3と、前記標準試料の鋼板中に生じた渦電
流に基づく磁界の強さを検出する検出手段4と、前記し
たそれぞれの検出手段3、4で検出されたそれぞれの検
出値を比較する比較手段5とを有することを特徴とする
焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定
装置である。
【0020】第3の発明は、前記した第1の発明または
第2の発明の焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオ
ンライン測定方法またはオンライン測定装置を用いて得
られた回復・再結晶の進行度の測定値に基づき、焼鈍中
の鋼板の回復・再結晶の進行度を制御することを特徴と
する鋼板の連続焼鈍方法である。第4の発明は、前記し
た第1の発明または第2の発明の焼鈍中の鋼板の回復・
再結晶の進行度のオンライン測定方法またはオンライン
測定装置を用いて得られた回復・再結晶の進行度の測定
値に基づき、連続焼鈍炉の炉内温度および/または連続
焼鈍炉における鋼板の通板速度の制御によって、焼鈍中
の鋼板の回復・再結晶の進行度を制御することを特徴と
する鋼板の連続焼鈍方法である。
第2の発明の焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオ
ンライン測定方法またはオンライン測定装置を用いて得
られた回復・再結晶の進行度の測定値に基づき、焼鈍中
の鋼板の回復・再結晶の進行度を制御することを特徴と
する鋼板の連続焼鈍方法である。第4の発明は、前記し
た第1の発明または第2の発明の焼鈍中の鋼板の回復・
再結晶の進行度のオンライン測定方法またはオンライン
測定装置を用いて得られた回復・再結晶の進行度の測定
値に基づき、連続焼鈍炉の炉内温度および/または連続
焼鈍炉における鋼板の通板速度の制御によって、焼鈍中
の鋼板の回復・再結晶の進行度を制御することを特徴と
する鋼板の連続焼鈍方法である。
【0021】前記した第3の発明または第4の発明は、
より好ましくは、C含有量が0.0200wt%以下である鋼板
の連続焼鈍方法に用いられる。
より好ましくは、C含有量が0.0200wt%以下である鋼板
の連続焼鈍方法に用いられる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決
するために鋭意検討の結果、検出精度、回復・再結晶の
進行度との直接的な対応の有無、測定の迅速性、再現性
に加え、鋼板の通板状況変化に対する測定の安定性など
を総合的に考慮した結果、下記知見を得、本発明に想到
した。
する。本発明者らは、前記した従来技術の問題点を解決
するために鋭意検討の結果、検出精度、回復・再結晶の
進行度との直接的な対応の有無、測定の迅速性、再現性
に加え、鋼板の通板状況変化に対する測定の安定性など
を総合的に考慮した結果、下記知見を得、本発明に想到
した。
【0023】すなわち、鋼板の連続焼鈍工程における焼
鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方
法としては、鋼板の磁気的特性を測定すること、さらに
は、鋼板に交流磁場を付与し鋼板中の渦電流に基づく出
力を測定する方法が最も優れていると判断された。図2
に、本発明の焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオ
ンライン測定装置の一例を、側面図によって示す。
鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方
法としては、鋼板の磁気的特性を測定すること、さらに
は、鋼板に交流磁場を付与し鋼板中の渦電流に基づく出
力を測定する方法が最も優れていると判断された。図2
に、本発明の焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオ
ンライン測定装置の一例を、側面図によって示す。
【0024】図2において、1は測定対象の鋼板10と相
対向しかつ高周波の交流電流を通じたコイル、2は標準
試料の鋼板20と相対向しかつ高周波の交流電流を通じた
コイル、3は測定対象の鋼板10中に生じた渦電流に基づ
く磁界の強さを検出する検出手段、4は標準試料の鋼板
20中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出する検出
手段、5は検出手段3、4で検出されたそれぞれの検出
値を比較する比較手段、6は比較手段5の出力値に基づ
き連続焼鈍炉の炉内温度および/または連続焼鈍炉にお
ける鋼板の通板速度の制御を行う制御装置、7は連続焼
鈍工程を示す。
対向しかつ高周波の交流電流を通じたコイル、2は標準
試料の鋼板20と相対向しかつ高周波の交流電流を通じた
コイル、3は測定対象の鋼板10中に生じた渦電流に基づ
く磁界の強さを検出する検出手段、4は標準試料の鋼板
20中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出する検出
手段、5は検出手段3、4で検出されたそれぞれの検出
値を比較する比較手段、6は比較手段5の出力値に基づ
き連続焼鈍炉の炉内温度および/または連続焼鈍炉にお
ける鋼板の通板速度の制御を行う制御装置、7は連続焼
鈍工程を示す。
【0025】図2に例示される本発明のオンライン測定
装置は、好ましくは、連続焼鈍工程7における焼鈍炉加
熱帯出側以降の温度降下領域すなわち雰囲気温度が比較
的低いライン上の鋼板に相対向してコイル1を配設する
ことによって、測定装置上の問題を生じることなく焼鈍
中の鋼板の回復・再結晶の進行度を測定することができ
る。
装置は、好ましくは、連続焼鈍工程7における焼鈍炉加
熱帯出側以降の温度降下領域すなわち雰囲気温度が比較
的低いライン上の鋼板に相対向してコイル1を配設する
ことによって、測定装置上の問題を生じることなく焼鈍
中の鋼板の回復・再結晶の進行度を測定することができ
る。
【0026】なお、標準試料の鋼板20としては、測定対
象の鋼板と同じ鋼種の鋼板を用いることが好ましく、板
厚も同一であることが望ましいが、これらの補正も可能
である。なお、標準試料の鋼板20としては、完全に再結
晶した同じ組成、同じ板厚の鋼板が最も望ましい。
象の鋼板と同じ鋼種の鋼板を用いることが好ましく、板
厚も同一であることが望ましいが、これらの補正も可能
である。なお、標準試料の鋼板20としては、完全に再結
晶した同じ組成、同じ板厚の鋼板が最も望ましい。
【0027】冷間圧延を施された鋼板の連続焼鈍工程に
おいて、焼鈍炉の加熱帯以降の少なくとも1ヵ所におい
て、測定対象の鋼板および標準試料の鋼板のそれぞれに
相対向してコイルを配設し、両コイルに交流電流を流
し、各々の鋼板中に渦電流を発生させると、渦電流の値
は、各々の鋼板の電磁気的性質(透磁率などの変化によ
るインピーダンス変化)および各々の鋼板と各々のコイ
ルとの相対距離に依存する。
おいて、焼鈍炉の加熱帯以降の少なくとも1ヵ所におい
て、測定対象の鋼板および標準試料の鋼板のそれぞれに
相対向してコイルを配設し、両コイルに交流電流を流
し、各々の鋼板中に渦電流を発生させると、渦電流の値
は、各々の鋼板の電磁気的性質(透磁率などの変化によ
るインピーダンス変化)および各々の鋼板と各々のコイ
ルとの相対距離に依存する。
【0028】本発明においては、上記した相対距離を一
定に保つことによって、渦電流に基づく出力が鋼板の電
磁気的性質のみに対応するようにし、好ましくは、測定
対象の鋼板中で発生する渦電流に基づく出力と標準試料
の鋼板中で発生する渦電流に基づく出力との比較を行
う。上記した出力の比較法としては、測定対象の鋼板中
で発生する渦電流に基づく出力Aと標準試料の鋼板中で
発生する渦電流に基づく出力Bに基づき、AとBの差
分すなわち(A−B)または(B−A)を用いる方法、
A、Bの比すなわち(A/B)または(B/A)を用
いる方法などが挙げられ、その方法は特に制限されるも
のではない。
定に保つことによって、渦電流に基づく出力が鋼板の電
磁気的性質のみに対応するようにし、好ましくは、測定
対象の鋼板中で発生する渦電流に基づく出力と標準試料
の鋼板中で発生する渦電流に基づく出力との比較を行
う。上記した出力の比較法としては、測定対象の鋼板中
で発生する渦電流に基づく出力Aと標準試料の鋼板中で
発生する渦電流に基づく出力Bに基づき、AとBの差
分すなわち(A−B)または(B−A)を用いる方法、
A、Bの比すなわち(A/B)または(B/A)を用
いる方法などが挙げられ、その方法は特に制限されるも
のではない。
【0029】また、前記した鋼板中の渦電流に基づく出
力としては、渦電流に基づく磁界の強さを測定する。上
記した鋼板中の渦電流に基づく磁界の強さを検出する検
出方法としては、鋼板中の渦電流に基づく磁界の強さ
を、鋼板に交流磁場を付与するコイルでもある前記した
鋼板に相対向したコイルのインピーダンス変化もしくは
別個に設けたコイル(:二次コイル)中の誘導電圧を検
出することによって行うことができる。
力としては、渦電流に基づく磁界の強さを測定する。上
記した鋼板中の渦電流に基づく磁界の強さを検出する検
出方法としては、鋼板中の渦電流に基づく磁界の強さ
を、鋼板に交流磁場を付与するコイルでもある前記した
鋼板に相対向したコイルのインピーダンス変化もしくは
別個に設けたコイル(:二次コイル)中の誘導電圧を検
出することによって行うことができる。
【0030】本発明者らは、種々検討の結果、鋼板の電
磁気的特性は、本発明が対象とする極薄鋼板など鋼板の
強度特性と極めて高い精度で対応することが明らかとな
り、これらの知見を組み合わせることで本発明に到った
ものである。本発明は、組織に残留する歪み量の大小で
機械的性質(特に硬度、降伏応力、引張強度)が支配さ
れる極低炭素鋼板の連続焼鈍に対して特に有用である。
磁気的特性は、本発明が対象とする極薄鋼板など鋼板の
強度特性と極めて高い精度で対応することが明らかとな
り、これらの知見を組み合わせることで本発明に到った
ものである。本発明は、組織に残留する歪み量の大小で
機械的性質(特に硬度、降伏応力、引張強度)が支配さ
れる極低炭素鋼板の連続焼鈍に対して特に有用である。
【0031】これは、鋼板の電磁気的特性に対しては、
組織に残留する歪み量の大小のみならず、C原子の存在
状態(:固溶状態か、析出状態か、)なども大きな影響
を及ぼすのに対して、極低炭素鋼板の場合、鋼板の電磁
気的特性が主として組織に残留する歪み量の大小によっ
て定まるためである。本発明において鋼板の回復・再結
晶の進行の度合、すなわち冷間圧延で導入された加工歪
の解放の度合を定量化できる原理は下記の通りである。
組織に残留する歪み量の大小のみならず、C原子の存在
状態(:固溶状態か、析出状態か、)なども大きな影響
を及ぼすのに対して、極低炭素鋼板の場合、鋼板の電磁
気的特性が主として組織に残留する歪み量の大小によっ
て定まるためである。本発明において鋼板の回復・再結
晶の進行の度合、すなわち冷間圧延で導入された加工歪
の解放の度合を定量化できる原理は下記の通りである。
【0032】冷間圧延により、鋼板中に転位とよばれる
格子欠陥が高密度で導入される。転位はその運動で塑性
変形を生ずるものであるが、この密度が高くなるとそれ
らの相互作用で自身の運動が困難となり、硬度が高くな
り、いわゆる加工硬化状態と呼ばれる一種の不安定状態
となる。このような状態の鋼板に対して熱を加えると、
熱による格子振動の活発化で転位が消滅し、転位がより
容易に運動できるようになり、適度な強度と優れた延性
が確保される。
格子欠陥が高密度で導入される。転位はその運動で塑性
変形を生ずるものであるが、この密度が高くなるとそれ
らの相互作用で自身の運動が困難となり、硬度が高くな
り、いわゆる加工硬化状態と呼ばれる一種の不安定状態
となる。このような状態の鋼板に対して熱を加えると、
熱による格子振動の活発化で転位が消滅し、転位がより
容易に運動できるようになり、適度な強度と優れた延性
が確保される。
【0033】この転位の消滅過程が、回復あるいは再結
晶過程の進行と対応する。図3に、連続焼鈍に相当する
短時間焼鈍後のNb添加極低炭素鋼板の機械的特性と焼鈍
温度との関係を示すが、極低炭素鋼にNbを添加すること
で、再結晶温度が上昇することと(:従来鋼の再結晶温
度;680 ℃程度)、回復あるいは再結晶の進行度におよ
ぼす焼鈍温度の影響が顕著であることがわかる。
晶過程の進行と対応する。図3に、連続焼鈍に相当する
短時間焼鈍後のNb添加極低炭素鋼板の機械的特性と焼鈍
温度との関係を示すが、極低炭素鋼にNbを添加すること
で、再結晶温度が上昇することと(:従来鋼の再結晶温
度;680 ℃程度)、回復あるいは再結晶の進行度におよ
ぼす焼鈍温度の影響が顕著であることがわかる。
【0034】このような鋼板の歪の状態は、鋼板の磁気
的特性を解析することで知ることができる。すなわち、
外部からの磁化に対応して、磁壁が移動する際に、加工
硬化状態にある鋼板では、高密度の転位が磁壁の移動を
阻害する。したがって、ヒステリシスの形状が変化す
る。
的特性を解析することで知ることができる。すなわち、
外部からの磁化に対応して、磁壁が移動する際に、加工
硬化状態にある鋼板では、高密度の転位が磁壁の移動を
阻害する。したがって、ヒステリシスの形状が変化す
る。
【0035】この変化は渦電流の変化(インピーダンス
変化)として、外部から検知することが可能である。こ
のような現象を連続焼鈍工程の焼鈍炉の加熱帯以降のオ
ンラインに適用することが本発明の根幹技術である。以
下、本発明の詳細および限定理由について説明する。
変化)として、外部から検知することが可能である。こ
のような現象を連続焼鈍工程の焼鈍炉の加熱帯以降のオ
ンラインに適用することが本発明の根幹技術である。以
下、本発明の詳細および限定理由について説明する。
【0036】(1) 検出位置;冷間圧延を施された鋼板の
連続焼鈍工程において、焼鈍炉の加熱帯以降の少なくと
も1ヵ所において測定する。測定は、鋼板の加熱途中の
回復および再結晶の進行中に行ってもよいが、鋼板板温
が最高温度に到達した後、すなわち、事実上再結晶の進
行が終了した時点で測定してフィードバック制御するこ
とが好適であり、通常の焼鈍炉の構成では加熱帯の出側
以降が該当する。
連続焼鈍工程において、焼鈍炉の加熱帯以降の少なくと
も1ヵ所において測定する。測定は、鋼板の加熱途中の
回復および再結晶の進行中に行ってもよいが、鋼板板温
が最高温度に到達した後、すなわち、事実上再結晶の進
行が終了した時点で測定してフィードバック制御するこ
とが好適であり、通常の焼鈍炉の構成では加熱帯の出側
以降が該当する。
【0037】データのフィードバック制御などを行う場
合は、できるだけ焼鈍炉加熱帯出側の直近が望ましく、
少なくともインラインで測定すれば品質保証の機能を付
与することができる。 (2) 連続焼鈍後の鋼板の材質の制御方法;予め各鋼種毎
に回復および再結晶の進行率(:焼鈍後の硬度に対応)
と渦電流に基づく出力との相関関係すなわち検量線を求
めておき、これを元に、好ましくは焼鈍炉加熱帯出側の
鋼板に関する渦電流に基づく出力の測定データから回復
および再結晶の進行率を算出する。
合は、できるだけ焼鈍炉加熱帯出側の直近が望ましく、
少なくともインラインで測定すれば品質保証の機能を付
与することができる。 (2) 連続焼鈍後の鋼板の材質の制御方法;予め各鋼種毎
に回復および再結晶の進行率(:焼鈍後の硬度に対応)
と渦電流に基づく出力との相関関係すなわち検量線を求
めておき、これを元に、好ましくは焼鈍炉加熱帯出側の
鋼板に関する渦電流に基づく出力の測定データから回復
および再結晶の進行率を算出する。
【0038】なお、上記した再結晶進行率は、焼鈍後の
鋼板の硬度の値そのものを用いてもよく、また、基準鋼
板の硬度と焼鈍後の鋼板の硬度との比もしくは焼鈍後の
鋼板の硬度と基準鋼板の硬度との比を用いてもよい。本
発明においては、上記した方法で得られた測定結果に基
づき、連続焼鈍炉の炉内温度および/または連続焼鈍炉
における鋼板の通板速度の制御によって、焼鈍後の鋼板
の回復および再結晶の進行率を制御する。
鋼板の硬度の値そのものを用いてもよく、また、基準鋼
板の硬度と焼鈍後の鋼板の硬度との比もしくは焼鈍後の
鋼板の硬度と基準鋼板の硬度との比を用いてもよい。本
発明においては、上記した方法で得られた測定結果に基
づき、連続焼鈍炉の炉内温度および/または連続焼鈍炉
における鋼板の通板速度の制御によって、焼鈍後の鋼板
の回復および再結晶の進行率を制御する。
【0039】そのためには、焼鈍工程で鋼板に投入され
るトータルの熱エネルギーを制御する必要がある。この
場合、実用上は、焼鈍炉における鋼板の通板速度(:ラ
イン速度)を変化させることで均熱温度と同時に均熱時
間を制御できる。また、焼鈍炉の炉温を制御することで
も同様の効果が達成できるが、通板速度および炉温の両
者を制御することで生産性を低下させること無く目的を
達成することができる。
るトータルの熱エネルギーを制御する必要がある。この
場合、実用上は、焼鈍炉における鋼板の通板速度(:ラ
イン速度)を変化させることで均熱温度と同時に均熱時
間を制御できる。また、焼鈍炉の炉温を制御することで
も同様の効果が達成できるが、通板速度および炉温の両
者を制御することで生産性を低下させること無く目的を
達成することができる。
【0040】本発明においては、特に鋼種などを限定す
るものではないが、本発明は、特に下記の鋼種に対して
より有効に適用される。 〔C:0.0200wt%以下の鋼種〕C量が0.0200wt%以下と
なると鋼板の再結晶終了温度が上昇し、焼鈍時の再結晶
の進行度の測定を伴わない従来の温度測定のみでは材質
の変動が大きくなるため、本発明の適用が極めて効果的
である。
るものではないが、本発明は、特に下記の鋼種に対して
より有効に適用される。 〔C:0.0200wt%以下の鋼種〕C量が0.0200wt%以下と
なると鋼板の再結晶終了温度が上昇し、焼鈍時の再結晶
の進行度の測定を伴わない従来の温度測定のみでは材質
の変動が大きくなるため、本発明の適用が極めて効果的
である。
【0041】また、前記したように、極低炭素鋼板の場
合、鋼板の電磁気的特性が主として組織に残留する歪み
量の大小によって定まるため、本発明の方法を用いるこ
とによって鋼板の再結晶の進行度を適切に制御すること
ができる。この場合、本発明が特に有効となる鋼板は、
C:0.0200wt%以下、Si:1.5wt%以下、Mn:2.0wt %
以下、P:0.100wt %以下、Al:0.15wt%以下、残部:
Feおよび不可避的不純物元素の鋼板である。
合、鋼板の電磁気的特性が主として組織に残留する歪み
量の大小によって定まるため、本発明の方法を用いるこ
とによって鋼板の再結晶の進行度を適切に制御すること
ができる。この場合、本発明が特に有効となる鋼板は、
C:0.0200wt%以下、Si:1.5wt%以下、Mn:2.0wt %
以下、P:0.100wt %以下、Al:0.15wt%以下、残部:
Feおよび不可避的不純物元素の鋼板である。
【0042】〔Nb、Ti、Bを添加した鋼種〕上記成分に
加え、主として組織の微細化、時効性の制御、さらには
集合組織制御の目的でNb、Ti、Bの1種または2種以上
を添加した鋼板に対して本発明は特に有効となる。この
場合、本発明が特に有効となる鋼板は、C:0.0200wt%
以下、Si:1.5wt%以下、Mn:2.0wt %以下、P:0.100
wt %以下、Al:0.15wt%以下、選択添加元素として、N
b:0.002 〜0.1wt %、Ti:0.002 〜0.1wt %、B:0.0
002〜0.0040wt%の1種または2種以上、残部:Feおよ
び不可避的不純物元素の鋼板である。
加え、主として組織の微細化、時効性の制御、さらには
集合組織制御の目的でNb、Ti、Bの1種または2種以上
を添加した鋼板に対して本発明は特に有効となる。この
場合、本発明が特に有効となる鋼板は、C:0.0200wt%
以下、Si:1.5wt%以下、Mn:2.0wt %以下、P:0.100
wt %以下、Al:0.15wt%以下、選択添加元素として、N
b:0.002 〜0.1wt %、Ti:0.002 〜0.1wt %、B:0.0
002〜0.0040wt%の1種または2種以上、残部:Feおよ
び不可避的不純物元素の鋼板である。
【0043】これは、Nb、TiあるいはBを添加すること
によって、鋼板の再結晶温度が上昇し、必然的にこれら
の元素が添加されない場合よりも高温の焼鈍が必要とな
り、十分な材質制御が必要となるためである。また最も
重要なことは、これらの鋼板の再結晶温度は成分によっ
て一義的に決定されるものでなく、熱間圧延条件、冷間
圧延条件さらには連続焼鈍時の加熱条件によっても、微
妙に変動することである。
によって、鋼板の再結晶温度が上昇し、必然的にこれら
の元素が添加されない場合よりも高温の焼鈍が必要とな
り、十分な材質制御が必要となるためである。また最も
重要なことは、これらの鋼板の再結晶温度は成分によっ
て一義的に決定されるものでなく、熱間圧延条件、冷間
圧延条件さらには連続焼鈍時の加熱条件によっても、微
妙に変動することである。
【0044】従って、従来のように単に焼鈍均熱時の鋼
板温度の制御では材質の制御が十分でないことは当然と
いえる。さらに加えて、前記したように、鋼板の表面に
形成される酸化膜の状態も焼鈍雰囲気などで大きく変化
し、放射温度計の測定精度が低下する。これらを総合す
ると、結果として、鋼板の材質を、放射温度計で計測し
た不安定な温度測定値のみで制御することは困難であ
る。
板温度の制御では材質の制御が十分でないことは当然と
いえる。さらに加えて、前記したように、鋼板の表面に
形成される酸化膜の状態も焼鈍雰囲気などで大きく変化
し、放射温度計の測定精度が低下する。これらを総合す
ると、結果として、鋼板の材質を、放射温度計で計測し
た不安定な温度測定値のみで制御することは困難であ
る。
【0045】このため、従来の焼鈍においては、これら
の鋼板に対しては、焼鈍条件に余裕を持たすために、十
分に高いと考えられる高温の焼鈍を行うことで対処して
きたが、高温の焼鈍はエネルギー削減の観点から望まし
くない。これに対して、本発明によれば鋼板の再結晶の
進行度を精度良く把握できるため、必要最低限の温度で
の焼鈍が可能となり、大きな省エネルギー効果が得られ
る。
の鋼板に対しては、焼鈍条件に余裕を持たすために、十
分に高いと考えられる高温の焼鈍を行うことで対処して
きたが、高温の焼鈍はエネルギー削減の観点から望まし
くない。これに対して、本発明によれば鋼板の再結晶の
進行度を精度良く把握できるため、必要最低限の温度で
の焼鈍が可能となり、大きな省エネルギー効果が得られ
る。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。 (実施例1)冷延鋼板の連続焼鈍ラインにおける焼鈍炉
加熱帯出側で、前記した図2に示すオンライン測定装置
を用いて、標準試料の鋼板20中の渦電流に基づく磁界の
強さおよび焼鈍炉加熱帯出側の測定対象の鋼板10中の渦
電流に基づく磁界の強さを、各々別個に設けた二次コイ
ル中の誘導電圧を検出することによって測定し、〔コイ
ル1側(測定対象の鋼板10側)の二次コイル中の誘導電
圧−コイル2側(標準試料の鋼板20側)の二次コイル中
の誘導電圧〕(以下渦電流に基づく比較手段5の出力値
とも記す)を求めた。
明する。 (実施例1)冷延鋼板の連続焼鈍ラインにおける焼鈍炉
加熱帯出側で、前記した図2に示すオンライン測定装置
を用いて、標準試料の鋼板20中の渦電流に基づく磁界の
強さおよび焼鈍炉加熱帯出側の測定対象の鋼板10中の渦
電流に基づく磁界の強さを、各々別個に設けた二次コイ
ル中の誘導電圧を検出することによって測定し、〔コイ
ル1側(測定対象の鋼板10側)の二次コイル中の誘導電
圧−コイル2側(標準試料の鋼板20側)の二次コイル中
の誘導電圧〕(以下渦電流に基づく比較手段5の出力値
とも記す)を求めた。
【0047】焼鈍条件は下記条件とした。 〔焼鈍条件:〕 鋼板の通板速度;300 〜1000mpm 焼鈍雰囲気ガス;3〜5vol %−水素(残部:実質的に
窒素) 雰囲気ガス露点;−30℃ まず、0.0020wt%C−0.15wt%Mn−0.01wt%Si−0.055w
t %Al−0.0020wt%N−0.0150wt%Nb鋼を素材とする板
厚が0.22mmの冷延鋼板に対して、十分に高い焼鈍温度
(780 ℃)で通板速度を300mpmに規制して焼鈍を行い、
焼鈍炉加熱帯出側の鋼板について前記した測定を行っ
た。
窒素) 雰囲気ガス露点;−30℃ まず、0.0020wt%C−0.15wt%Mn−0.01wt%Si−0.055w
t %Al−0.0020wt%N−0.0150wt%Nb鋼を素材とする板
厚が0.22mmの冷延鋼板に対して、十分に高い焼鈍温度
(780 ℃)で通板速度を300mpmに規制して焼鈍を行い、
焼鈍炉加熱帯出側の鋼板について前記した測定を行っ
た。
【0048】コイルの先端から後端まで、鋼板中の渦電
流に基づく安定した出力が得られ、前記した出力値は、
実測した鋼板コイル長手方向の鋼板の硬度の分布と対応
していた。次いで、上記した鋼板について、焼鈍温度を
再結晶温度直下の710 ℃に設定して、炉温、通板速度を
適宜ランダムに変化させて同様の測定を行った。
流に基づく安定した出力が得られ、前記した出力値は、
実測した鋼板コイル長手方向の鋼板の硬度の分布と対応
していた。次いで、上記した鋼板について、焼鈍温度を
再結晶温度直下の710 ℃に設定して、炉温、通板速度を
適宜ランダムに変化させて同様の測定を行った。
【0049】この結果、鋼板コイル長手方向で、鋼板の
硬度の測定値に変動があり、鋼板の硬度の変動は、金属
組織学的調査から、再結晶が未達成であるためと判断さ
れた。本実験における鋼板中の渦電流に基づく比較手段
5の出力値(=コイル1側の二次コイル中の誘導電圧−
コイル2側の二次コイル中の誘導電圧)(:測定対象の
鋼板からの出力値−標準試料からの出力値)と鋼板の硬
度、金属組織との対応を図1に示す。
硬度の測定値に変動があり、鋼板の硬度の変動は、金属
組織学的調査から、再結晶が未達成であるためと判断さ
れた。本実験における鋼板中の渦電流に基づく比較手段
5の出力値(=コイル1側の二次コイル中の誘導電圧−
コイル2側の二次コイル中の誘導電圧)(:測定対象の
鋼板からの出力値−標準試料からの出力値)と鋼板の硬
度、金属組織との対応を図1に示す。
【0050】図1に示されるように、前記した鋼板中の
渦電流に基づく比較手段5の出力値が、再結晶の進行度
と対応し、鋼板の硬度と高い精度で対応していることが
わかる。次に、前記した図2に示すオンライン測定装置
を焼鈍炉加熱帯出側において鋼板の板幅方向に複数台設
置し、鋼板の板幅方向における鋼板中の渦電流に基づく
磁界の強さと鋼板の板幅方向における鋼板の硬度との対
応を調査した結果、両者は高い精度で対応していること
がわかった。
渦電流に基づく比較手段5の出力値が、再結晶の進行度
と対応し、鋼板の硬度と高い精度で対応していることが
わかる。次に、前記した図2に示すオンライン測定装置
を焼鈍炉加熱帯出側において鋼板の板幅方向に複数台設
置し、鋼板の板幅方向における鋼板中の渦電流に基づく
磁界の強さと鋼板の板幅方向における鋼板の硬度との対
応を調査した結果、両者は高い精度で対応していること
がわかった。
【0051】(実施例2)前記した図2に示すオンライ
ン測定装置を、焼鈍炉の後工程に設けられた調質圧延機
の出側または圧下率が10〜20%の冷間圧延を行う冷間圧
延機の出側に設置し、鋼板中の渦電流に基づく磁界の強
さと鋼板の硬度との対応を調査した。この結果、鋼板中
の渦電流に基づく磁界の強さは焼鈍炉の加熱帯出側での
測定結果よりもばらつきは増加しているが、いずれの場
合も鋼板の硬度と十分高い精度で対応した。
ン測定装置を、焼鈍炉の後工程に設けられた調質圧延機
の出側または圧下率が10〜20%の冷間圧延を行う冷間圧
延機の出側に設置し、鋼板中の渦電流に基づく磁界の強
さと鋼板の硬度との対応を調査した。この結果、鋼板中
の渦電流に基づく磁界の強さは焼鈍炉の加熱帯出側での
測定結果よりもばらつきは増加しているが、いずれの場
合も鋼板の硬度と十分高い精度で対応した。
【0052】(実施例3)冷延鋼板の連続焼鈍ラインに
おける焼鈍炉加熱帯出側で、前記した図2に示すオンラ
イン測定装置を用いて、標準試料の鋼板20中の渦電流に
基づく磁界の強さおよび焼鈍炉加熱帯出側の測定対象の
鋼板10中の渦電流に基づく磁界の強さを、各々別個に設
けた二次コイル中の誘導電圧を検出することによって測
定し、〔コイル1側(測定対象の鋼板10側)の二次コイ
ル中の誘導電圧−コイル2側(標準試料の鋼板20側)の
二次コイル中の誘導電圧〕(:渦電流に基づく比較手段
5の出力値)および前記した図1と同様の方法で作成し
た検量線の両者に基づき、連続焼鈍炉における鋼板の通
板速度を制御し、焼鈍実験を行った。
おける焼鈍炉加熱帯出側で、前記した図2に示すオンラ
イン測定装置を用いて、標準試料の鋼板20中の渦電流に
基づく磁界の強さおよび焼鈍炉加熱帯出側の測定対象の
鋼板10中の渦電流に基づく磁界の強さを、各々別個に設
けた二次コイル中の誘導電圧を検出することによって測
定し、〔コイル1側(測定対象の鋼板10側)の二次コイ
ル中の誘導電圧−コイル2側(標準試料の鋼板20側)の
二次コイル中の誘導電圧〕(:渦電流に基づく比較手段
5の出力値)および前記した図1と同様の方法で作成し
た検量線の両者に基づき、連続焼鈍炉における鋼板の通
板速度を制御し、焼鈍実験を行った。
【0053】供試材の冷延鋼板の製造条件は、下記のと
おりである。 (1) 鋼組成:0.0016%C−0.15%Mn−0.01%Si−0.01%
P−0.008 %S−0.045 %Al−0.0015%N−0.017 %Nb
〔単位はwt%を示す。〕 (2) 熱延条件:スラブ加熱温度; 1180 ℃、仕上げ圧延
温度;910 ℃、巻取り温度 ; 750 ℃、仕上げ板厚
;1.8 mm (3) 酸洗・冷延条件:酸洗実施後、冷間圧延 0.25mm 仕
上げ(冷間圧延圧下率:86%) この結果、硬度HR30T は目標どおりの47±1に制御でき
た。
おりである。 (1) 鋼組成:0.0016%C−0.15%Mn−0.01%Si−0.01%
P−0.008 %S−0.045 %Al−0.0015%N−0.017 %Nb
〔単位はwt%を示す。〕 (2) 熱延条件:スラブ加熱温度; 1180 ℃、仕上げ圧延
温度;910 ℃、巻取り温度 ; 750 ℃、仕上げ板厚
;1.8 mm (3) 酸洗・冷延条件:酸洗実施後、冷間圧延 0.25mm 仕
上げ(冷間圧延圧下率:86%) この結果、硬度HR30T は目標どおりの47±1に制御でき
た。
【0054】放射温度計を用いた従来法では、特にコイ
ルの先後端で、硬度の異常な増加を生じていたが、本発
明によれば、これらの問題を回避できることがわかっ
た。次いで、上記した鋼板を素材として、組織的に部分
再結晶組織を目標として製造を行った。焼鈍温度を670
℃に設定し、放射温度計のみで制御した従来法の場合、
このような部分再結晶状態に精度良く制御することは困
難であり、硬度は63〜58の範囲内で大きく変動した。
ルの先後端で、硬度の異常な増加を生じていたが、本発
明によれば、これらの問題を回避できることがわかっ
た。次いで、上記した鋼板を素材として、組織的に部分
再結晶組織を目標として製造を行った。焼鈍温度を670
℃に設定し、放射温度計のみで制御した従来法の場合、
このような部分再結晶状態に精度良く制御することは困
難であり、硬度は63〜58の範囲内で大きく変動した。
【0055】これに対して、本発明の測定装置、連続焼
鈍方法に基づき焼鈍炉における通板速度を制御した場
合、硬度を60±1の範囲内に制御できた。
鈍方法に基づき焼鈍炉における通板速度を制御した場
合、硬度を60±1の範囲内に制御できた。
【0056】
【発明の効果】本発明の効果を要約すると下記の通りと
なる。 (1) 鋼板の歪みの解放(回復および再結晶の進行)状況
をオンラインで迅速に測定し、得られた測定結果に基づ
き最適焼鈍条件での焼鈍を行うことが可能となり、各鋼
種の作り分け、硬度など鋼板の品質管理をオンラインで
簡易な方法で行うことが可能となった。
なる。 (1) 鋼板の歪みの解放(回復および再結晶の進行)状況
をオンラインで迅速に測定し、得られた測定結果に基づ
き最適焼鈍条件での焼鈍を行うことが可能となり、各鋼
種の作り分け、硬度など鋼板の品質管理をオンラインで
簡易な方法で行うことが可能となった。
【0057】(2) オンラインで得た鋼板の歪みの解放
(再結晶の進行)状況に関する情報に基づき、焼鈍ライ
ンの温度制御、通板速度制御など製造条件の制御がリア
ルタイムで行え、この結果、コイル長手方向などにおけ
る製品特性のばらつきを低減し、製品の歩留を改善する
ことができた。 (3) 本発明は、ステンレス鋼板など他の鋼種にも容易に
適用できる。
(再結晶の進行)状況に関する情報に基づき、焼鈍ライ
ンの温度制御、通板速度制御など製造条件の制御がリア
ルタイムで行え、この結果、コイル長手方向などにおけ
る製品特性のばらつきを低減し、製品の歩留を改善する
ことができた。 (3) 本発明は、ステンレス鋼板など他の鋼種にも容易に
適用できる。
【0058】(4) 本発明の測定装置は、焼鈍炉の温度
が、高温、低温のいずれの場合においても耐熱性に若干
の考慮を払うことで容易に適用でき、測定装置として保
守が容易である。
が、高温、低温のいずれの場合においても耐熱性に若干
の考慮を払うことで容易に適用でき、測定装置として保
守が容易である。
【図1】鋼板中の渦電流に基づく比較手段の出力値と鋼
板の硬度、金属組織との対応を示すグラフである。
板の硬度、金属組織との対応を示すグラフである。
【図2】本発明のオンライン測定装置の一例を示す側面
図である。
図である。
【図3】Nb添加極低炭素鋼板の機械的特性と焼鈍温度と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
1、2 コイル 3、4 渦電流に基づく磁界の強さを検出する検出手段 5 比較手段 6 制御装置 7 連続焼鈍工程 10 測定対象の鋼板 20 標準試料の鋼板
Claims (6)
- 【請求項1】 鋼板の連続焼鈍工程において、焼鈍炉の
加熱帯以降の少なくとも1ヵ所で、鋼板の磁気的特性を
測定することを特徴とする焼鈍中の鋼板の回復・再結晶
の進行度のオンライン測定方法。 - 【請求項2】 前記した磁気的特性の測定方法が、鋼板
に交流磁場を付与し鋼板中に渦電流を生ぜしめ、該渦電
流に基づく磁界の強さを測定する方法であることを特徴
とする請求項1記載の焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進
行度のオンライン測定方法。 - 【請求項3】 鋼板の連続焼鈍炉の加熱帯以降に配設さ
れる焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン
測定装置であって、測定対象の鋼板と相対向しかつ交流
電流を通じたコイル(1) と、標準試料の鋼板と相対向し
かつ交流電流を通じたコイル(2) と、前記測定対象の鋼
板中に生じた渦電流に基づく磁界の強さを検出する検出
手段(3) と、前記標準試料の鋼板中に生じた渦電流に基
づく磁界の強さを検出する検出手段(4) と、前記したそ
れぞれの検出手段(3) 、(4) で検出されたそれぞれの検
出値を比較する比較手段(5) とを有することを特徴とす
る焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測
定装置。 - 【請求項4】 前記した請求項1〜3いずれかに記載の
焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定
方法またはオンライン測定装置を用いて得られた回復・
再結晶の進行度の測定値に基づき、焼鈍中の鋼板の回復
・再結晶の進行度を制御することを特徴とする鋼板の連
続焼鈍方法。 - 【請求項5】 前記した請求項1〜3いずれかに記載の
焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定
方法またはオンライン測定装置を用いて得られた回復・
再結晶の進行度の測定値に基づき、連続焼鈍炉の炉内温
度および/または連続焼鈍炉における鋼板の通板速度の
制御によって、焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度を
制御することを特徴とする鋼板の連続焼鈍方法。 - 【請求項6】 連続焼鈍を行う鋼板のC含有量が0.0200
wt%以下であることを特徴とする請求項4または5記載
の鋼板の連続焼鈍方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32149397A JPH11153581A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32149397A JPH11153581A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11153581A true JPH11153581A (ja) | 1999-06-08 |
Family
ID=18133179
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32149397A Pending JPH11153581A (ja) | 1997-11-21 | 1997-11-21 | 焼鈍中の鋼板の回復・再結晶の進行度のオンライン測定方法および測定装置並びに鋼板の連続焼鈍方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11153581A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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EP3642372B1 (de) | 2017-06-20 | 2021-05-26 | SMS Group GmbH | Verfahren zum betreiben eines glühofens |
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-
1997
- 1997-11-21 JP JP32149397A patent/JPH11153581A/ja active Pending
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