JP4909899B2 - プロセスラインの制御装置及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、連続焼鈍ラインやメッキラインなどのように、鋼材を連続して処理するプロセスラインの制御装置及びその制御方法に関する。
一般にプロセスラインと呼ばれるラインでは、鋼材に対して焼鈍やメッキが行われる。焼鈍は冷間圧延、硬化した鋼材を、700〜900℃くらいまで加熱し軟化させ、後工程で加工しやすくするための工程である。この場合、加熱することによって鉄原子は移動しやすくなるので、加工によって硬化した鋼の結晶は回復し、再結晶する。加熱および温度の保持条件に対応した大きさの新しい結晶粒が生成し成長する。
従来はコイルをそのまま箱型炉に入れ、焼鈍していた(これをバッチ焼鈍という)が、最近は連続的に焼鈍する連続焼鈍設備(CAL:Continuous Annealing Line)で処理することが多い。これはCALの方が生産量を多くできるためである。
前述の鋼材の材質には、機械的性質とよばれる強度や延性があり、これらの性質は、結晶粒径などの金属組織により決定される。このため、結晶粒径などの金属組織を把握することにより、機械的性質を算出することができる。
しかし、結晶粒径の計測は、試験片を切り出し、研磨し、顕微鏡で観察するなどの工程を必要とし、多くの手間と時間が必要である。このため、かねてより非破壊で結晶粒径を計測することが強く望まれている。この結晶粒径の測定を非破壊で行う方法の1つとして、超音波振動を用いた方法がある。
例えば、特許文献1には、材料内に打ち込んだ超音波の強度変化又は伝播速度の検出値に基づいて材料の結晶粒度又は集合組織を測定する方法が開示されている。
なお、超音波の送受信には近年開発されたレーザ超音波装置、又は電磁超音波装置などを用いることができ、例えば、特許文献2にはレーザ超音波装置の一例が開示されている。電磁超音波を利用する測定装置では、鋼材と接触させる必要があるが、レーザ超音波装置は材料表面から装置のヘッドまでの距離を長く取ることができる特徴があり、とりわけ熱間測定、及び、オンライン測定を行う必要がある場合には利用価値が高い。
この材質センサは耐久性等の観点から非接触、非破壊のものが望ましく、透磁率などの材質を直接測定するものの他、電気抵抗、超音波の伝播特性、放射線の散乱特性など材質と強い相関を示す物理量を検出し、結晶粒径、成形性などの材質に換算することで間接的に測定するものを用いることができる。このようなセンサは様々なものがあり、特許文献3には、磁束検出器で検出される磁束強度から鋼材の変態量を測定する装置が開示されている。
さらに、特許文献4には電磁超音波を利用したr値(ランクフォード値)の測定方法が開示されている。ここで、r値とは、鋼材に引張り応力を加えて変形させた場合に生ずる、板幅方向と板厚方向の歪みの比であり、深絞り性を表す指標である。r値が大きいほど、板厚の減少に対し、板幅の減少が大きいため深く絞る際に破断や強度低下を抑制し、成形性、特に深絞り性を向上させることができる。
結晶粒径の測定を非破壊で行う方法には、レーリー散乱を利用する方法、超音波の伝播速度を利用する方法などが提案されている。
CALやCGLにおいては、所望の製品品質が得られたかどうかを確認するために、焼鈍後の鋼材の結晶粒径の大きさや、r値が用いられることがある。一般に、結晶粒径は大きく均一であることが望ましく、またr値は大きい方がよい。これらを直接的に測定して、加熱温度を制御する方法が、特許文献5に示されている。
特開昭57−57255号公報 特開2001−255306号公報 特開昭56−82443号公報 特公平6−87054号公報 特許第2984869号
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献5に示されている方法では、以下の問題がある。
特許文献5の段落番号0014に記載されているフェライト粒径を測定する装置として、レーザ超音波を利用したセンサなどが例示されている。しかしCALなどでは最高速度100m/分程度が達成されており、それだけの高速で移動する鋼材の結晶粒径を測定することは現状の技術では非常に難しい。高速移動時には高周波の振動が乗ることがあり、ノイズが多くなる。
そこで、本発明の目的は、鋼材の材質の向上を図ることができるプロセスラインの制御装置及びその制御方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
前記目的を達成するため、本発明は、鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の温度をフィードフォワード制御するようにしたプロセスラインの制御装置である。
図1は、本発明のプロセスラインの制御装置に係る第1の実施形態を説明するためのブロック図である。 図2は、図1の鋼材の材質測定装置の構成を示すブロック図である。 図3は、図2の超音波信号処理装置の構成を示すブロック図である。 図4は、図2の材質モデルの実施の形態の構成を示すブロック図である。 図5は、超音波パルス列の一例を示す図である。 図6は、本発明が適用される連続焼鈍設備(CAL)の概略構成の一例を示す図である。 図7は、本発明のプロセスラインの制御装置に係る第2の実施形態を説明するためのブロック図である。 図8は、本発明のプロセスラインの制御装置に係る第3の実施形態を説明するためのブロック図である。 図9は、本発明のプロセスラインの制御装置に係る第4の実施形態を説明するためのブロック図である。 図10は、本発明のプロセスラインの制御方法に係る第1の実施形態を説明するためのブロック図である。 図11は、本発明のプロセスラインの制御方法に係る第1の実施形態を説明するためのブロック図である。 図12は、本発明に使用するデータベースの構成の一例を示す図である。
以下、本発明を実施形態に基づいて、図面を参照して説明する。以後の説明の対象は、後述する図6に示したCAL(連続焼鈍設備)とするが、焼鈍処理を行うCGLやその他の加熱、冷却を伴う設備においても同様に適用することができる。
図1は、本発明に係る第1の実施形態を説明するためのブロック図である。前述したように、CALでは、入側設備1、入側ルーパ2、焼鈍炉(以下単に炉と称する)3、出側ルーパ4、出側設備5の大きく分けて5つの設備で構成される。炉3は上流側から加熱装置と冷却装置で構成されるが、炉3内の各セクションの設定温度によっては、冷却装置が温度の保持装置になる場合もある。炉3内の各セクションの設定温度は、加熱装置・冷却装置の温度設定手段111によって、炉3内の加熱装置の温度設定値例えば800℃と、炉3内の冷却装置の温度設定値300℃がそれぞれ予め設定される。
後述する材質測定装置6、7はそれぞれ入側設備1、出側設備5に配置され、炉3内に搬入される前の鋼材及び炉3から搬出される鋼材の材質具体的には、結晶粒径及びr値が測定される。
加熱装置FF(フィードフォワード)制御手段112は、材質測定装置6の測定結果が入力され、ここで材質測定装置6の測定結果が炉3の加熱装置に対して例えば830℃に設定するのが妥当であるとと判断し、加熱装置FF制御手段112の出力として+30℃を、炉3の加熱装置に出力する。また、冷却装置FF(フィードフォワード)制御手段113は、材質測定装置6の測定結果が入力され、ここで材質測定装置6の測定結果が炉3の冷却装置に対して例えば290℃に設定するのが妥当であると判断し、冷却装置FF制御手段113の出力として−10℃を、炉3の冷却装置に出力する。
加熱装置FB(フィードバック)制御手段114は、材質測定装置7の測定結果が入力され、ここで材質測定装置7の測定結果が炉3の加熱装置に対して例えば810℃に設定するのが妥当であると判断し、加熱装置FB制御手段114の出力として+10℃を、炉3の加熱装置に出力する。また、冷却装置FB(フィードバック)制御手段115は、材質測定装置7の測定結果が入力され、ここで材質測定装置7の測定結果が炉3の冷却装置に対して例えば295℃に設定するのが妥当であると判断し、冷却装置FF制御手段115の出力として−5℃を、炉3の冷却装置に出力する。なお、図1の実施形態では、炉3内の鋼材の搬送速度は可変とせず一定のままとなっている。
このように構成されているので、鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む炉3を備えたプロセスラインにおいて、炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において材質測定装置6、7により鋼材の材質を測定し、該鋼材の材質の測定結果に基づいて、炉3の加熱装置及び冷却装置の制御が行われ、この結果鋼材の材質の向上を図ることができる。
ここで、材質測定装置6、7の一例について、図2乃至図5を参照して説明する。一般に、結晶粒径を測定する場合はレーザ超音波測定装置が用いられ、r値測定には電磁超音波測定装置が用いられるが、これに限定されなく、また複数の異なる材質測定装置を配置してもよいが、ここでは一括して材質測定装置として記述してある。材質測定装置6、7は、いずれも略同一構成であるので、ここでは材質測定装置6について説明する。
図2は、材質測定装置6を示したブロック図である。超音波発振器1から発せられるパルスレーザとしては、Qスイッチ動作ができるYAGレーザなどを用いる。ここで、Qスイッチ動作は、低Q値状態から高Q値状態へと変化させる動作のことである。例えば、固体レーザにおいて、発振を制御し高出力パルスを得る方法としてQスイッチ法がある。レーザのQスイッチ発振の原理は、最初レーザ共振器の光損失を大きくして発振を抑え光ポンピングが進み、レーザ媒質中の励起状態にある原子数がおおきくなった時点で共振器のQ値を急に高めることでジャイアントパルスが得られる。
超音波発振器61からのパルスレーザ光61aは、図示しないレンズにより絞るなどして目的とするビーム径として、測定対象である熱間圧延機により加工される被測定材、すなわち鋼材62の表面に照射される。鋼材62の表面で発生した超音波パルス62aは、鋼材62中を伝搬し、鋼材62の裏面を振動変位させると共に、鋼材62中を往復する多重反射を繰り返す。このため、鋼材62の裏面での振動変位(超音波検出レーザ光)62a’は、連続波レーザを用いた超音波検出器63により検出される。この検出信号63aは、図示しないデジタル波形記憶器(例えばデジタルオシロスコープ)などによって取り込まれ、超音波信号処理装置64により信号処理され、波形特徴パラメータ同定結果(多次関数係数ベクトル)64aが得られる。
波形特徴パラメータ同定結果64aは、結晶粒径算出装置65’に入力され、ここで結晶粒径が算出される。この算出された結晶粒径は、結晶粒径補正装置65に入力され、ここで後述する材質モデル67からの各サブ組織の体積分率により結晶粒径が補正される。この補正された結晶粒径が結晶粒径出力装置68において、例えば表示、音声等により外部から認識可能或いは外部から読み出し可能になっている。
ここで、超音波検出器63としては、例えばフォトリフラクティブ干渉計を用いる。干渉計の種類は、フォトリフラクティブ干渉計に限らず、ファブリペロー干渉計でもよい。また、鋼材表面が粗面でなければ、マイケルソン干渉計でもよい。
これにより、鋼材62の表面で生じている超音波振動を、レファレンス光と反射光との間に生じた光路の変化が生じることを利用して、結果として鋼材62の表面の振動変位に応じて干渉光の強度変化が生じる。
ここで、上記干渉計の周波数特性及び信頼性について説明する。すなわち、粒径1〜10ミクロンの計測に用いる数10〜100MHz程度の周波数範囲であれば、フォトリフラクティブ干渉計に比べてファブリペロー干渉計の方が感度が高く有利であるが、フォトリフラクティブ干渉計であっても実験結果よれば実用上問題がない。
一方、信頼性については、ファブリペロー干渉計は相対する2つのミラーの間隔を正確に保つようにミラーを逐次操作するため、緻密な制御機構が必要であり、故障の確率の面で多少信頼性が落ちる。これに対して、フォトリフラクティブ干渉計は、結晶内で基準光と反射光を干渉させるので、機構部が少なく故障の確率の面で信頼性が高い。
次に、超音波信号処理装置64での処理動作を、図3のブロック図を用いて説明する。まず、超音波検出器63により複数個の粗密波エコー信号63aを採取する(S641)。次にこれらの複数個粗密波エコー信号の周波数分析を行い(S642)、鋼材62の表面からの多重エコー信号のスペクトル強度の差から、各周波数毎の減衰曲線を同定(算出)する(S643)。さらに、必要であれば、拡散減衰補正、透過損失補正を行い、減衰定数の周波数特性を算出する。減衰定数の周波数特性は、4次曲線などの多次関数に最小二乗法などでフィッティングさせる(S644)、ことにより、多次関数の係数ベクトル64aを求める。
上記の減衰定数に4次曲線を最小自乗法などでフィッティングさせた際に得られる多次関数の係数ベクトルと、校正のための鋼材62から得られる散乱係数Sから、各サブ組織の体積率による補正を行う前の結晶粒径測定値doを算出する。
上記の通り、超音波検出器63により第1超音波パルス、第2超音波パルス、…、というような超音波パルス列が測定される。この超音波パルス列の一例を、図5に示す。この時、各超音波パルスに含まれているエネルギは,反射の際の損失や材料中の伝播に伴う減衰によって徐々に小さくなっている。第1超音波パルスあるいは第2超音波パルスの部分だけを取り出し、周波数解析してそれぞれのエネルギ(パワースペクトラム)を求めると、第2超音波パルスは第1超音波パルスに比べ、材料板厚tの2倍分だけ伝搬距離が長いため、結晶粒径の測定を非破壊で行う方法には、レーリー散乱を利用する方法、超音波の伝播速度を利用する方法、及び、超音波顕微鏡を用いる方法などが提案されている。
ここでは代表的な、超音波の結晶粒子による散乱(レーリー散乱)による減衰を利用した方法を示す。
超音波は、その振動形態の違いにより、縦波(P波=バルク波)、横波(S波)、表面波(L波=レイリー波、ラブ波)、板波(SOモード、AOモード)に分類される。このうち、レーリー散乱を利用する粒径測定方法では、縦波(バルク波)を用いる。
バルク波の減衰は減衰定数aを用いて(1)式で表される。
Figure 0004909899
ここで、
x:鋼材中の伝播距離
P,Po:音圧
である。
バルク波の周波数が″レーリー領域″の場合、減衰定数aは(2)式で示すように超音波周波数fの4次関数で近似される。
Figure 0004909899
ここで、
f:バルク波周波数
a1,a4:係数
である。
(ここで、(2)式の第1項は内部摩擦による吸収減衰項、第2項はレーリー散乱項である)
なお、このレーリー領域は、結晶粒径がバルク波の波長に比べて十分に小さい領域で、例えば(3)式の範囲とされている(特許文献5参照)。
Figure 0004909899
ここで、
d:結晶粒径
λ:バルク波の波長
である。
また、式(2)の4次の係数a4は、(4)式のように結晶粒径dの3乗に比例する係数であることが知られている。
Figure 0004909899
ここで、
S:散乱定数
である。
送信器で送信されるバルク波は、その波形中にある分布の周波数成分を含んでいるので、受信波形を周波数分析することにより各周波数成分の減衰率を得ることができる。さらに、送受信の時間差から鋼材内での伝播距離が判るので、伝播距離と各周波数成分の減衰率に基づき(2)式の各係数を同定することができる。更に、標準サンプルなどで予め散乱定数Sを決めておけば、(4)式により結晶粒径dを得ることができる。
上記(1)式に従ったエネルギの減衰が生ずる。第1超音波パルスのパワースペクトラムとの差として両者間の減衰量を求める。この曲線は上記(2)式の減衰定数aに伝搬距離の差2tを乗じたものに相当する。これより、単位伝搬距離での上記(2)式の各係数を最小2乗法などにより求める。そして、予め標準サンプルによって求めておいた散乱定数Sと上記のように求められた係数の内のa4とから、上記(3)式を逆算することにより、各サブ組織の体積率による補正を行う前の結晶粒径測定値doを求めることができる。しかし、本実施形態ではこの後に、材質モデル67に基づく材質予測計算により各相の組成、すなわち、各サブ組織の体積分率に従った補正を掛ける部分を設けたことで、これまでの実施形態とは異なる。
図2に示す通り、超音波振動計測による材質測定装置は、パルスレーザ光(励起光)を被測定材(鋼材)62に照射することにより、鋼材62に励起された超音波振動のパルスを計測し、この計測されたパルスのエネルギーレベル変化に基づいて、鋼材62を評価する点では、従来技術と同様である。
これは、図2の通り、化学成分661、温度条件・加工条件662、冷却条件663などの加工・熱処理条件入力装置66における入力値とし、材質モデル67に基づく材質予測計算を行い、各サブ組織の体積率、例えばパーライト率などを計算し、このパーライト率に応じて粒径計算値に補正を加える。一般に、パーライト率が高いほど、超音波振動による粒径計測値が大きくなる傾向にある。この補正は、材質予測計算の結果に基づくものに限定せず、組成を計測する材質センサによる入力でもよい。
材質予測計算は、例えば次のように行う。図4のように、材質モデル67は、大別して熱間加工モデル671、変態モデル672から構成される。
熱間加工モデル671は、ロールで圧下されている最中に発生する動的再結晶、これに引き続いて発生する回復、静的再結晶、粒成長などの現象を定式化することにより、圧延中と圧延後の粒径(単位体積当りの粒界面積)や残留転位密度などの例えばオーステナイト状態を計算するために設けられている。この熱間加工モデル671は、オーステナイト粒径、温度や速度に基づく温度・パス間時間情報、及び圧下パターンに基づく相当ひずみ・ひずみ速度情報とにより、演算結果(圧延オーステナイト粒径、転位密度など)を演算する。
なお、温度・パス間時間情報及び相当ひずみ・ひずみ速度情報は、圧延条件(入側板厚、出側板厚、加熱温度、パス間時間、ロール径、ロール回転数)に基づいて算出される。
変態モデル672は、各生成と成長を分離し、粒径、パーライト、ベイナイトの分率など変態後の組織状態を推定するために設けられている。
この変態モデル672は、図示しない熱間圧延機のランナウトテーブルでの冷却パターンに基づく温度情報によって、演算結果(フェライト粒径、各相の組織分率など)を出力する。なお、温度情報は、冷却条件(空冷・水冷区分、水量密度、冷却装置内通板速度、成分)及び変態モデルによる変態量の各々に基づいて演算される。上記のモデルのほか、Nb、V、Tiなどの微量添加元素の影響が考えられる場合は、析出粒子の影響を考慮した析出モデルを適宜用いても良い。なお、アルミやステンレスなどの一部の金属材料については、変態しないため、変態モデルを用いない場合もある。
これらの計算により、各サブ組織の体積分率を推定(計算)することができる(673)。この結果を超音波振動計測により得られた粒径doに考慮する。考慮は、例えば次のように行う。
Figure 0004909899
d:結晶粒径測定値(μm)
do:各サブ組織の体積率による補正を行う前の結晶粒径測定値(μm)
k:影響係数(予め多数のサンプルを測定し同定しておく)(−/%)
R:サブ組織体積分率(%)
上記の式のように超音波振動計測により計測された粒径に補正を加え、超音波振動計測の計測精度を向上させることができる。以下、測定された結晶粒径は、(5)式による補正を加えた値d又は補正前の値doを指すものとし、一括して記号Dで表すものとする。
前述の実施形態では、受信ヘッドから干渉計及び受信レーザ光源までの伝送路として光ファイバ伝送路を用いる。このようにすることにより、受信ヘッドがコンパクトになり、測定面の場所や向きの自由度が高いと言うメリットがある。また、連続的に高温にさらされるような測定条件でも小型の受信ヘッド部のみを冷却すればすむので、有利である。以上述べた図2〜図4に示す材質測定装置6においては、鋼材にフェライト組織のみならず、パーライトやマルテンサイトなどの組織が含まれる場合においても、結晶粒径を正確に測定することができる。この結果、前述した特許文献5の課題を解決できるばかりでなく、冷延鋼材としてCALに入ってくる鋼材の組織は、必ずしもフェライトだけではなく、パーライト、ベイナイトなどの組織が含まれる場合があり、それらの影響を取り除くことが必要になる用途にも適用できる。
加熱装置FF制御手段112および冷却装置FF制御手段113は、材質測定装置6の測定結果にもとづいて、それぞれ加熱装置、冷却装置の設定温度または鋼材の搬送速度をFF(フィードフォワード)的に制御する。例えば、材質測定装置6で測定した結果において、結晶粒径実績値がDiであり、当初の加熱装置の設定温度が結晶粒径Doを想定して計算されていたとすると、加熱装置の設定温度の修正分ΔTHは(6)式で表される。
Figure 0004909899
Figure 0004909899
つまり温度から結晶粒径への影響係数の逆数として求められる。
なお、この影響係数は線形の変数として記述しているが、数式モデルから得られるものでなくともよく、後述する本発明による制御方法において、求めることができる。
冷却装置に対する温度の修正も同様である。搬送速度の修正は、炉内のすべての鋼材に影響するため、必ずしも有効でない場合もあるが、たとえば材質測定装置6で結晶粒径を測定した結果において、なだらかで一様の変化を示している場合には、適用することができる。温度を変更する場合の鋼材が受ける熱収支と、速度を変更した場合の鋼材が受ける熱収支を考慮して、速度を変更すればよい。
加熱装置FB制御手段114および冷却装置FB制御手段115は、材質測定装置7の測定結果にもとづいて、それぞれ加熱装置、冷却装置の設定温度または鋼材の搬送速度をFB(フィードバック)的に制御する。例えば、材質測定装置7で測定した結果において、結晶粒径実績値がDoであり、目標とする結晶粒径がDaimとすると、加熱装置の設定温度の修正分ΔTHは、(7)式以下で表される。
Figure 0004909899
Figure 0004909899
ある。
予め設定された加熱装置・冷却装置の温度・速度設定手段111による温度に対して、加熱装置FF制御手段112および加熱装置FB制御手段114により加熱装置への温度設定を修正し、冷却装置FF制御手段113および冷却装置FB制御手段115により冷却装置への温度設定を修正する。もしくは予め設定された加熱装置・冷却装置の温度・速度設定手段111による速度に対して、加熱装置FF制御手段112、加熱装置FB制御手段114、冷却装置FF制御手段113、および冷却装置FB制御手段115による加熱冷却炉内の鋼材の搬送速度設定を修正する。
図6はCALの概略構成の一例を示すもので、入側設備1、入側ルーパ2、焼鈍炉(加熱冷却炉、以下単に炉と称する)3、出側ルーパ4、出側設備5の大きく分けて5つの設備で構成される。入側設備1は、鋼材(コイル)を払い出すためのペイオフリール11、鋼材を切断する切断機12、切断した鋼材と鋼材を接合するための溶接機13、ブライドルロール14、鋼材表面を洗浄する洗浄装置15、ブライドルロール16を備えている。
入側ルーパ2は、溶接機13で溶接している間入側設備1の鋼材を停止しなければならないが、良好な焼鈍のためには炉内搬送速度を一定に保つ必要があり、この炉内搬送速度を保つために鋼材を蓄えたり、一定速度で炉側に払い出すための装置であって、入側ルーパ本体22を備えている。
炉3は、ブライドルロール31、加熱セクション32、均熱セクション33、冷却セクション(1)34、冷却セクション(2)35を備え、各セクションで所望の温度に設定され、通過する鋼材の温度を制御している。
出側ルーパ4は、入側ルーパ1と同様に、出側設備5で停止する場合があるので、炉内搬送速度を一定に保つために、出側ルーパ本体42を備えている。
出側設備5は、ブライドルロール51、スキンパスミル52、テンションレベラ53、ブライドルロール54、端部切断機55、板厚・板幅センサを含む検査装置56、ブライドルロール57、油付着機58、切断機59、巻き取り機50などを備え、検査装置56による検査のために減速・停止したり、端部切断機55と切断機59により鋼材を切断のために停止することがあり、鋼材搬送速度が変動する。
メッキライン(CGL:Continuous Galvanized Line)でも、たとえば溶融メッキラインではメッキ処理の前に焼鈍処理を行うことが普通で、鋼材を加熱することにより、CALと同様の材質特性を得て、表面をガスにより還元して活性化させ、メッキを着けやすくする。CGLの構成は、図6のCALにおける炉3の出側にメッキ装置が付加されたものであることが多い。
ここで、前述の材質測定装置6の設置範囲は、具体的には入側設備1であって、溶接機13の後段からブライドルロール14と、洗浄装置15と、ブライドルロール16の後段のまでの間の適当な位置に設置する。また、前述の材質測定装置7の設置範囲は、具体的には出側設備5であって、ブライドルロール51の前段からスキンパスミル52と、テンションレベラ53と、ブライドルロール54と、端部切断機55と、検査装置56と、ブライドルロール57と、油付着機58と、切断機59の後段までの間の適当な位置に設置する。
以上述べた第1の実施形態によれば、材質測定装置6を入側設備1に設置し、材質測定装置7を出側設備5に設置し、これらの材質測定装置6、7により結晶粒径又はr値を測定するようにしたので、鋼材の材質の向上を図ることができる。以下、このことについて具体的に説明する。入側設備1は、焼鈍炉3の加熱処理装置の前側の位置に設置されていて、鋼材が停止する状態になる。これは、ペイオフリール11からの鋼材と鋼材を溶接する間は、入側設備1では鋼材が停止状態になるからである。このように、鋼材が停止状態になるため、材質測定装置6の一例である結晶粒径を測定するレーザ超音波測定装置を使用しても、例えば1000m/分程度で移動する鋼材のプロセスラインにおいて、鋼材の移動時に鋼材に高周波振動が加わり、ノイズが多く発生することの影響がなくなることから鋼材の結晶粒径を高精度に測定することができる。また、材質測定装置6の一例であるr値を測定する電磁超音波測定装置を使用しても、前述したように入側設備1では鋼材が停止状態になるから、鋼材に対して接触子を接触させることで鋼材のr値を測定しても、鋼材に疵がつくおそれもない。
さらに、出側設備2には、検査装置56があるため、これによる検査を行う際、鋼材の速度を減速・停止したり、また出側設備2には、切断機59があるため、これによる切断のために鋼材が停止することから、出側設備2に設置される材質測定装置7は、材質測定装置6と同様に、材質測定装置の一例であるレーザ超音波測定装置を使用しても、鋼材の移動時に鋼材に高周波振動が加わり、ノイズが多く発生することの影響がなくなることから鋼材の結晶粒径を高精度に測定することができ、また、材質測定装置6の一例であるr値を測定する電磁超音波測定装置を使用しても、鋼材に対して接触子を接触させることで鋼材のr値を測定しても、鋼材に疵がつくおそれもない。
さらに、第1の実施形態によれば前述の材質測定装置6、7で測定した材質の実績やラインの実績情報などをもとにモデル化することができ、そのラインの特徴にあったモデルを構築し制御に使うことができるため、より高精度の制御が可能となり、高品質の製品が得られる。材質の良否判定も下流工程での手作業が不要になる。
図7は、本発明に係る第2の実施形態を説明するためのブロック図であり、図1と異なる点は一つの炉3を、加熱装置を有する炉3a及び冷却装置を有する炉3bに分割し、この分割した部分、具体的には図6の均熱セクション33と冷却セクション(1)34の間の最適な位置において、材質測定装置8を設置し、以下のように炉の加熱装置及び冷却装置の温度制御を行うようにしたものである。具体的には、
鋼材の材質を材質測定装置8により測定し、該鋼材の材質の測定結果に基づいて、炉3aの加熱装置(中間制御手段)116及び炉3bの冷却装置(中間制御手段)117の温度補正を行うようにしたものである。
このように構成した第2の実施形態も、前述した第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図8は、本発明に係る第3の実施形態を説明するためのブロック図である。
炉3内の鋼材の搬送速度は、速度設定手段118によって、炉3内の鋼材の搬送速度設定値例えば10m/secと設定される。
材質測定装置6、7はそれぞれ入側設備1、出側設備5に配置され、炉3内に搬入される前の鋼材及び炉3から搬出される鋼材の材質具体的には、結晶粒径及びr値が測定される。
加熱装置FF(フィードフォワード)制御手段122は、材質測定装置6の測定結果が入力され、ここで材質測定装置6の測定結果が炉3の鋼材の搬送速度に対して例えば10.1m/secに設定するのが妥当であると判断し、加熱装置FF制御手段122の出力として+0.1m/secを、炉3の速度制御装置に出力する。また、冷却装置FF(フィードフォワード)制御手段123は、材質測定装置6の測定結果が入力され、ここで材質測定装置6の測定結果が炉3の冷却装置に対して例えば9.9m/secに設定するのが妥当であると判断し、冷却装置FF制御手段113の出力として−0.1m/secを、炉3の速度制御装置に出力する。
加熱装置FB(フィードバック)制御手段124は、材質測定装置7の測定結果が入力され、ここで材質測定装置7の測定結果が炉3の速度制御装置に対して例えば10.2m/secに設定するのが妥当であると判断し、加熱装置FB制御手段124の出力として+0.2m/secを、炉3の速度制御装置に出力する。また、冷却装置FB(フィードバック)制御手段125は、材質測定装置7の測定結果が入力され、ここで材質測定装置7の測定結果が炉3の速度制御装置に対して例えば9.8m/secに設定するのが妥当と判断し、冷却装置FF制御手段125の出力として−0.2m/secを、炉3の速度制御装置に出力する。なお、図8の実施形態では、炉3内の加熱装置及び冷却装置の温度は可変とせず一定のままとなっている。
このように構成されているので、鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱処理装置及び冷却処理装置を含む炉を備えたプロセスラインにおいて、炉の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において材質測定装置により鋼材の材質を測定し、該鋼材の材質の測定結果に基づいて、炉の鋼材の搬送速度制御を行うようにしたので、この結果鋼材の材質の向上を図ることができる。
図9は、本発明に係る第4の実施形態を説明するためのブロック図であり、図8と異なる点は、炉3aと炉3bの間、具体的には、図6の炉3aの均熱セクション33と炉3bの冷却セクション(1)34間に材質測定装置8を設置し、この測定結果に基づいて炉3aと炉3bの搬送速度を制御するようにしたものである。材質測定装置8としては、例えば前述した材質測定装置6、7と同様に、結晶粒径を測定するレーザ超音波測定装置及びr値を測定する電磁超音波測定装置を使用する。この材質測定装置8には、鋼材の材質の測定精度は、多少下がる。
材質測定装置8の測定結果にもとづいて、加熱装置3aの設定温度をFB(フィードバック)的に制御する。制御方法は図1と考え方は同様であるが、加熱された後、材質測定装置8で材質を測定された結果、結晶粒径実績値がDoであり、目標とする結晶粒径がDaimとすると、加熱装置の設定温度の修正分ΔTHは(7)式と同様に求めることができる。
冷却装置中間制御手段127は、材質測定装置8の測定結果にもとづいて、冷却装置の設定温度をFF(フィードフォワード)的に制御する。制御方法は同様であり、冷却された後、材質測定装置8で材質を測定された結果、結晶粒径実績値がDiであり、当初の加熱装置の設定温度が結晶粒径Doを想定して計算されていたとすると、ΔTHは(6)式と同様に求めることができる。
図10は、前述した図1(炉3の温度制御)と図8(鋼材の搬送速度度制)を組み合わせた制御装置
又は図7(炉3の温度制御)と図9(鋼材の搬送速度度制)を組み合わせた制御装置に適用される制御方法を説明するためのブロック図である。
図10において、データベース131は、炉3の加熱装置設定温度実績値、冷却装置設定温度実績値、鋼材搬送速度実績値、等の実績データを収集し記録する。またラインに板厚計、板幅計、鋼材の温度計、張力計などセンサが配置されていれば、それらの測定値も記録する。また加熱処理前、加熱処理後、冷却処理後に鋼材の材質を測定しその結果を記録する。またライン全体を統括する上位計算機133から、鋼材の板厚目標値、板幅目標値、化学成分などの情報を得て、記録する。図12にデータベースの構成の一例を示す。
すなわち、鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う炉3を備えたプロセスラインの制御方法において、図1、図8に示すように炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において各々材質測定装置6、7により鋼材の材質を測定し、この測定結果を判定基準に基づき材質の良否を判定し、この判定結果のうち良と判定された、炉3の各位置における加熱温度及び冷却温度の設定値、その実績値及び又は鋼材の搬送速度の設定値を含む処理条件をデータベース131に記録する工程と、データベース131に記録されている、良と判定された処理条件を読み出し炉3に適用する工程とを含むプロセスラインの制御方法である。
以上述べた制御方法は、図1、図8のみならず図7、図9にも適用できるものであって、図7、図9の場合には、炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置並びに炉3の加熱処理部及び冷却処理部の間の位置において炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において各々材質測定装置6、7並び8により鋼材の材質を測定している点が、図1、図8とは異なる。
材質良否判定手段132は、データベース131で収集した種々の情報から、材質測定装置7における鋼材の材質データ、またはラインの下流工程で材質検査された鋼材の材質データを元にして、材質良否判定を行う。図11において、製品ID I123456−01とI123456−02は、鋼種LC(低炭素鋼)、UL(極低炭素鋼)やサイズは同じであるが、加熱装置、冷却装置で処理された温度が異なるものとする。この場合、I123456−02の方がより目標値に近い結晶粒径とr値を得ているので、その場合の加熱装置、冷却装置での温度を次材以降の設定値候補としてピックアップしておく。もちろん多数の鋼材を対象としてこの種のデータを集め、統計処理などを施して、温度設定などを決める必要がある。
図11は、前述した図1(炉3の温度制御)と図8(鋼材の搬送速度度制)を組み合わせた制御装置
又は図7(炉3の温度制御)と図9(鋼材の搬送速度度制)を組み合わせた制御装置に適用される制御方法を説明するためのブロック図である。
すなわち、鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱処理装置及び冷却処理装置を含む炉3を備えたプロセスラインの制御方法において、炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において各々材質測定装置6、7により鋼材の材質を測定し、該鋼材の材質の測定結果をデータベース131に記録すると共に、炉3の各位置における加熱温度及び冷却温度の設定値、その実績値及び又は鋼材の搬送速度の設定値、その実績値並びに鋼材の板厚、板幅等の材質の良否を判定するに必要な情報をデータベース131に記録する工程と、データベース131に記録された情報に基づき材質の良否を判定し、この良と判定された炉3の加熱処理及び冷却処理の温度設定と、鋼材の搬送速度をそれぞれデータベース131に記録する工程と、データベース131に各情報が記録する工程が完了後に処理する鋼材に対してデータベース131に記録されている良と判定された鋼材と同様の処理条件を前記プロセスラインに適用する工程を含むプロセスラインの制御方法である。
以上述べた制御方法は、図1、図8のみならず図7、図9にも適用できるものであって、図7、図9の場合には、炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置並びに炉3の加熱処理部及び冷却処理部の間の位置において炉3の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において各々材質測定装置6、7並び8により鋼材の材質を測定している点が、図1、図8とは異なる。
以上述べたように、データベース131には材質良好と判定された鋼材の処理条件が記録されているので、鋼材の処理条件を読み出して、次材以降の炉3の設定に反映させることができる。このとき、良好とされた鋼材の処理条件を読み出す場合、複数の処理条件を平均化するなどの処理が必要になる場合がある。
(1)式のところで述べた温度から結晶粒径への影響係数の求め方の例として以下の方法がある。
炉内の加熱装置、冷却装置のセクションが、n個あったとして、それぞれの温度実績値および搬送速度などから求められる鋼材への入熱をQi(i=1〜n)、材質測定装置6における結晶粒径をDi、材質測定装置7における結晶粒径をDoとすると、回帰式を(8)式で定義する。
Figure 0004909899
ここで、Q(i)(i=1−n)は焼鈍炉内の加熱装置、冷却装置のセクションが、n個あったとして、それぞれの温度実績値および搬送速度などから求められる鋼材への入熱を示す。Diは材質測定装置6における結晶粒径を示す。Doは材質測定装置7における結晶粒径を示す。a(0),a(1),...a(n),a(n+1)は加熱炉の各セクションにおける熱量から出側結晶粒径への影響係数を示す。
データベース131に蓄えられたデータに基づき、(8)式の各係数をもとめれば、それぞれのセクションにおける熱量から出側結晶粒径への影響係数を求めることができる。熱量から温度および速度への換算は一般的な考えで行うことができる。また結晶粒径だけでなくr値も同様である。また重回帰式でなくてもよく、例えばニューラルネットワークでもよい。ニューラルネットワークでは、入力層を上記の入熱、結晶粒径Diなどに取り、出力層をDoとして、測定したDoを教示信号として、学習させることができる。この場合、ニューラルネットワークの重みが、正規化された影響係数に相当する。
また結晶粒径やr値と鋼材の焼鈍温度との関係は、一部数式でモデル化されているものの、実際の焼鈍設備は長い距離を持った設備であり、分布定数系として扱わなければならず、数式から容易に温度設定を算出できるわけではない。
このため、加熱処理前、加熱処理後、冷却処理後に材質測定装置6、7及び又6、7、8により、鋼材の材質を測定しその結果をデータベース131に記録する。また炉3の各位置における加熱温度および冷却温度の実績値、鋼材の搬送速度実績値、鋼材の板厚、板幅、化学成分など必要な情報もデータベース131に記録する。さらにそれらの加熱装置および冷却装置の温度設定または加熱装置と冷却装置における鋼材の搬送速度で所望の材質が得られたかどうかの判定を行い、その結果もデータベース131に記録する。それ以後に処理する鋼材に対して、良と判定された同様の条件の加熱処理、冷却処理、搬送速度をデータベース131から検索し適用することで、良好な鋼材材質を得ることができる。
またデータベース131に記録された情報から、鋼材の材質と、加熱装置および冷却装置の温度設定、鋼材の搬送速度の間のモデルを自動生成し、制御に使用する。
(変形例)
前述した図2の材質測定装置においては、加工・熱処理条件入力装置66及び材質モデル設定装置67を備えたものについて説明したが、本発明に適用される材質測定装置6、7、8としては加工・熱処理条件入力装置66及び材質モデル設定装置67を備えていないものであってもよい。本発明に適用する材質測定装置6、7、8は、結晶粒径と、r値が測定できるものであれば何でも良い。
[発明の効果]
本発明によれば、鋼材の材質の向上を図ることができるプロセスラインの制御装置及びその制御方法を提供できる。
本発明は、連続焼鈍設備に限らず、焼鈍処理を行うメッキライン、その他の加熱、冷却を伴う設備にも適用できる。

Claims (16)

  1. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の温度をフィードフォワード制御するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  2. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該加熱処理前の鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の冷却装置の後側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度補正を行うようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  3. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱処理の温度をフィードフォワード制御するようにし、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置及び前記焼鈍炉の加熱処理後の位置と冷却処理前の位置との間において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の冷却処理の温度をフィードフォワード制御するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  4. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置の温度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置及び前記焼鈍炉の加熱装置の後側位置と前記焼鈍炉の冷却装置の前側位置との間において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の冷却装置の温度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の冷却装置の後側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度補正を行うようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  5. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワード制御するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  6. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の冷却装置の後側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度補正を行うようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  7. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワード制御し、
    前記焼鈍炉の加熱処理後の位置と冷却処理前の位置との間及び前記焼鈍炉の冷却処理後の位置において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードバック制御するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  8. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の加熱装置の後側位置と前記焼鈍炉の冷却装置の前側位置との間及び前記焼鈍炉の冷却装置の後側位置において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度補正を行うようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  9. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の温度及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワード制御するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  10. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度設定、及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の冷却装置の後側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度、及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度を補正するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  11. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の温度及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワード制御し、
    前記焼鈍炉の冷却処理後の位置においてレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の温度及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードバック制御するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  12. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインにおいて、
    前記焼鈍炉の加熱装置の前側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度、及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度をフィードフォワードに設定し、
    前記焼鈍炉の冷却装置の後側位置において前記鋼材の結晶粒径をレーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果に基づいて、前記焼鈍炉の加熱装置及び冷却装置の温度、及び前記焼鈍炉の鋼材の搬送速度を補正するようにしたことを特徴とするプロセスラインの制御装置。
  13. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインの制御方法において、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果を判定基準に基づき材質の良否を判定し、該判定結果のうち良と判定された判定結果に対応する処理条件をデータベースに記録する工程と、
    前記データベースに記録されている前記良と判定された判定結果に対応する前記処理条件を読み出し前記焼鈍炉に適用する工程と、
    を含むことを特徴とするプロセスラインの制御方法
  14. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う焼鈍炉を備えたプロセスラインの制御方法において、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置、及び前記焼鈍炉の加熱処理部と冷却処理部との間の位置において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果を判定基準に基づき材質の良否を判定し、該判定結果のうち良と判定された判定結果に対応する処理条件をデータベースに記録する工程と、
    前記データベースに記録されている前記良と判定された判定結果に対応する前記処理条件を読み出し前記焼鈍炉に適用する工程と、
    を含むことを特徴とするプロセスラインの制御方法。
  15. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインの制御方法において、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置において各レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果をデータベースに記録すると共に、該鋼材の結晶粒径の測定結果に対応する処理条件及び該鋼材の材質の良否を判定するに必要な情報を前記データベースに記録する工程と、
    前記データベースに記録された情報に基づき前記鋼材の材質の良否を判定し、前記良と判定された判定結果に対応する処理条件を前記データベースに記録する工程と、
    前記データベースに記録されている前記良と判定された判定結果に対応する前記処理条件を前記プロセスラインに適用する工程と、
    を含むことを特徴とするプロセスラインの制御方法。
  16. 鋼材を連続して加熱処理及び冷却処理を行う加熱装置及び冷却装置を含む焼鈍炉を備えたプロセスラインの制御方法において、
    前記焼鈍炉の加熱処理前の位置及び冷却処理後の位置、及び前記焼鈍炉の加熱装置と冷却装置との間の位置において各々レーザ超音波により結晶粒径を測定する材質測定装置により前記鋼材の結晶粒径を測定し、該鋼材の結晶粒径の測定結果をデータベースに記録すると共に、該鋼材の結晶粒径の測定結果に対応する処理条件及び該鋼材の材質の良否を判定するに必要な情報を前記データベースに記録する工程と、
    前記データベースに記録された情報に基づき前記鋼材の材質の良否を判定し、前記良と判定された判定結果に対応する処理条件を前記データベースに記録する工程と、
    前記データベースに記録されている前記良と判定された判定結果に対応する前記処理条件を前記プロセスラインに適用する工程と、
    を含むことを特徴とするプロセスラインの制御方法。
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