JPH0423571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、泡消火設備におけるプレツシヤ
ー・サイド・プロポシヨナー方式の減圧開の泡混
合器に関するものである。

〔従来技術〕

従来、石油貯蔵タンクなどの大型対象物の泡消
火設備では、連続して長時間、大流量、所定比率
の泡原液を消火水中に混入する必要がある。この
ため泡原液タンクが大型となるが、これを無圧タ
ンクとするためにプレツシヤー・サイド・プロポ
ーシヨナー方式の混合器が一般に採用されてい
た。この方式の混合器は、第１図に示すように送
水ポンプPWとベンチユリａの送水官pw中に導
水管ｐ１，ｐ２を備えた調圧弁VWと、泡原液ポ
ンプPFとベンチユリａとの間の泡原液管pf中に
導水管p′１，p′２を備えた等圧弁VFとを設け、
弁VWにより泡発生器の動作個数に無関係にベン
チユリａの二次側を所定の圧力としまた弁VFに
より泡原液を消火水と同圧でベンチユリａ中に所
定比で混入するようにしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしこの種装置では、弁が別個に設けられて
いたので、各弁を結ぶ導水管および弁の支持など
が必要となり手数や費用がかかり大型となつた。
さらに等圧弁VFとベンチユリａとの間の泡原液
管pfの長さによる圧力損失の変化により正確な混
合比が得られない欠点があつた。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は以上の点にかんがみ、泡発生器の動
作個数に関係なく所定の圧力で消火水が放出で
き、また泡原液が消火水と等圧の状態で消火水中
に所定比率で混入される別途に配管や支持する必
要のない調圧弁機構と泡原液混合機構と泡原液の
等圧弁機構とを一体に備えた小型で安価な泡消火
設備の減圧開の泡混合器を得ることを目的とした
もので、プレツシヤー・サイド・プロポシヨナー
方式の混合器であつて、弁本体が頭部と頸部と胴
部とよりなり、胴部の一次側と二次側とを区画す
る隔壁に設けられた第１の弁座口と、この弁座口
に対応し一次側に設けられたシリンダ内を摺動す
るリング状の段部を有する円錐状の第１の絞弁
と、シリンダ内の消火水をレギユレータを介して
二次側へ流出させる通水口とを備えた消火水の調
圧弁機構と、胴部の二次側と頸部とを区画する隔
壁に設けられた第２の弁座口と、この弁座口に対
応し上記第１の絞弁と連結されたニードル状の第
２の絞弁とを備えた泡原液混合機構と、頭部を
上、下室に区画するダイヤフラムと、頸部の泡原
液流入口を囲むように設けられた隔壁の一対の第
３の弁座口と、この弁座口に対応し上記ダイヤフ
ラムと連結された複弁と、一次側と頭部下室とを
連通する連通孔と、頸部と頭部上室とを連通する
連通孔とを備えた泡原液の等圧弁機構とが一体に
構成されたことを特徴とする調圧機能を備えた減
圧開の泡混合器を特徴とする。

〔実施例〕

以下、この考案の一実施例の泡混合器を第２図
により説明する。図において、泡混合器本体は胴
部１と頸部２と頭部３とに区分される。

胴部１には、送水ポンプと接続される一次側と
泡発生器に接続される二次側とを区分する隔壁４
と、一次側にシリンダ５とが設けられる。隔壁４
には第１の弁座口６が、弁座口６の下面のシリン
ダ５内には弁座口６に対応してスプリング７で上
向きに付勢された円錐状の第１の絞弁８が設けら
れる。また絞弁８にはその側壁にリング状の段部
９と消火水を流入させる通水口１０が、シリンダ
底面にはシリンダ５内の消火水を電磁弁VEとレ
ギユレータVRを介して二次側へ流出される通水
口１１が設けられ、消火水の調圧弁機構が構成さ
れる。この場合のレギユレータVRは内部のスプ
リングを調整することにより二次側の所定圧で弁
が開閉される。

胴部１の二次側と頸部２との間には、隔壁１２
が、隔壁１２には第２の弁座口１３が、また弁座
口１３に対応して上記第１の絞弁８と連結棒１４
で接続されたニードル状の第２の絞弁１５が設け
られ、両弁８，１５が常に所定の流過口径比にな
るように形成されて、泡原液混合機構が構成され
る。

頸部２には、泡原液ポンプと接続される泡原液
流入口１６とそれを囲む隔壁１７が、また頭部３
には、頭部３を上、下室に区画するダイヤフラム
１８が設けられる。隔壁１７には一対の第３の弁
座口１９が、またこれら弁座口１９と対応してダ
イヤフラム１８と連結棒２０で接続された複弁２
１とが設けられる。さらに一次側と下室とを連通
する連通孔２２と、上記連結棒２０中に頸部２と
上室とを連通する連通孔２３が設けられて、泡原
液の等圧弁機構が構成される。

以下、この考案の混合器の動作を説明する。

電磁弁VEが閉じられた状態で図示されないポ
ンプが起動されると、混合器の絞弁８はスプリン
グ７の力により弁座口６を閉塞しているので、消
火水は通水口１０を通してシリンダ５内に流れ込
み絞弁８を確実に閉塞させる。またこの消火水は
連通孔２２を介して頭部３の下室に流れ込み、ダ
イヤフラム１８を押し上げ複弁２１の弁座口１９
が開き、泡原液は泡原液流入口１６と弁座口１９
と連通孔２３を介して頭部３の上室に流れ込みダ
イヤフラム１８を押し下げ、消火水と泡原液の圧
力がバランスされ複弁２１が閉塞され待機状態と
される。

火災が発生し電磁弁VEと送水ポンプおよび泡
原液ポンプが起動すると、シリンダ５内の消火水
は電磁弁VEおよびレギユレータVRを介して２
次側に流れ、シリンダ５内の圧力が減圧され、絞
弁８および１５は絞弁８の段部９に加わる圧力水
により降下し、水と泡原液とが混合器の２次側へ
と流れ始める。二次側の圧力がレギユレータVR
で設定された所定圧以上となると、レギユレータ
VRの弁が閉方向へ移動し、通水口１０を通じて
流入する消火水によりシリンダ５内の圧力が上が
り絞弁８が上昇し弁座口６が絞られ二次側の圧力
が降下し、二次側を所定圧に保持する。一方消火
水と泡原液との圧力は、連通口２２と２３とを通
じて頭部３の上、下室へと伝達されるので、その
圧力差に応じてダイヤフラム１８が上下し、それ
に従つて弁座口１９と複弁２１との間の流過口径
が調整され、以後泡原液は消火水の一次側の圧力
と等圧の状態に保持されて、弁座口１３を通じて
所定圧に保持された二次側の消火水へ弁８と１５
との流過口径比で定まる所定の混合比で混入さ
れ、図示されない泡発生器へと流れ火源に泡が放
出される。

例えば、複数の泡発生器が動作して混合器の二
次側の圧力が低下しレギユレータVRの設定圧よ
り低下すると、レギユレータVRの弁が開きシリ
ンダ５内の圧力が低下し、それに応じて絞弁８が
降下し混合器の二次側の圧力を所定圧に上げると
レギユレータVRの弁を閉じる。そして消火作動
中、二次側の圧力に応じてレギユレータVRは開
閉動作を繰り返し、弁８を上下し混合器の二次側
を以後所定圧に維持する。またこの間、弁８に連
結された弁１５もこれに応じて上下し、上記混合
比と変わらぬ混合比で泡原液が消火水に混合され
泡発生器に送られ続ける。

また何らかの原因で泡原液の圧力が変化しても
それに応じて弁座口１９と複弁２１との間の流過
口径が調整され、泡原液は消火水の一次圧と等圧
の状態で二次側の消火水と混合され続ける。

以上の実施例では、連結棒２０を中空として頭
部３と上室と頸部２とを結ぶ連結口を形成した
が、弁本体の壁内に直接設けるようにしてもよ
い。

〔効果〕

この考案の泡混合器は以上のように構成され動
作するので、泡発生器の動作個数に関係なく所定
の圧力で消火水が放水でき、また泡原液が消火水
と等圧の状態で消火水中に所定比率で混入される
別途に配管や支持する必要のない調圧弁機構と泡
原液混合機構と泡原液の等圧弁機構を一体に備え
た小型で安価な減圧開の泡消火設備の混合器が得
られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の混合装置の概略図、第２図はこ
の考案の泡混合器の１実施例の断面図である。 １……胴部、２……頸部、３……頭部、４，１
２，１７……隔壁、５……シリンダ、６，１３，
１９……弁座口、７……スプリング、８，１５…
…絞弁、９……段部、１０，１１……通水口、１
４，２０……連結棒、１６……泡原液流入口、１
８……ダイヤフラム、２１……複弁、２２，２３
……連通孔、VR……レギユレータ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プレツシヤー・サイド・プロポシヨナー方式の
   泡混合器であつて、 弁本体が頭部と頸部と胴部とよりなり、胴部の
   一次側と二次側とを区画する隔壁に設けられた第
   １の弁座口と、この弁座口に対応して一次側に設
   けられたシリンダ内を摺動するリング状の段部を
   有する円錐状の第１の絞弁と、シリンダ内の消火
   水をレギユレータを介して二次側へ流出させる通
   水口とを備えた消火水の調圧弁機構と、 胴部の二次側と頸部とを区画する隔壁に設けら
   れた第２の弁座口と、この弁座口に対応し上記第
   １の絞弁と連結されたニードル状の第２の絞弁と
   を備えた泡原液混合機構と、 頭部を上、下室に区画するダイヤフラムと、頸
   部の泡原液流入口を囲むように設けられた隔壁の
   一対の第３の弁座口と、この弁座口に対応し上記
   ダイヤフラムと連結された複弁と、一次側と頭部
   下室とを連通する連通孔と、頸部と頭部上室とを
   連通する連通孔とを備えた泡原液の等圧弁機構と
   が、 一体に構成されたことを特徴とする調圧機能を
   備えた減圧開の泡混合器。