JPH0423497Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は一般家庭の食卓において焼肉、焼魚、
焼鳥等の焼物料理をする際に使用する遠赤外線を
利用した小型の焼物器に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の遠赤外線を利用した家庭の食卓
で使用できる小型の焼物器はなく、一般に使用さ
れている小型の焼物器は、器体の両側下部にガス
バーナを対設し底部に水を入れる汁受皿を備え上
部に焼網、五徳等を設け、該焼網又は五徳の上に
肉、魚、鳥等を載せ、ガスバーナに点火しこの燃
焼に伴う高温の空気をこれらに直接作用させて焼
物料理を行うものであつた。

〔考案が解決しようとする課題〕 従来の上記技術ではガスバーナの燃焼に伴う高
温の空気が直接肉、魚、鳥等に作用して焼上げる
ものであるから、表面ばかりが焦げ内部を十分に
焼くことが難しく、又熱効率も良くないという問
題点があつた。

本考案は従来の技術の有する上記問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは家庭
で使用できる小型の焼物器であつて、遠赤外線を
利用して肉、魚等の内部まで十分に焼上げること
ができ表面だけが焼け過ぎることがないように焼
物料理が行え、かつ熱効率を良くして料理時間の
短縮を計ることができる焼物器を提供しようとす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における焼
物器は中央部に上方へ突出してバーナ体を立設し
たコンロを設ける一方、底部中央に前記バーナ体
を挿通する開口を穿ちその周囲に汁受用の環状凹
部を形成し、かつ該環状凹部周縁にバーナ体を囲
む側壁を周設し、該側壁の上端に焼網等を載置可
能とした汁受体を設け、該汁受体を前記コンロ上
に開口にバーナ体を挿通して載せ、バーナ体のバ
ーナヘツドを覆う半球状等に形成した遠赤外線放
熱体を、汁受体の開口の周辺段部に支持具等適宜
手段でバーナヘツドとの間に所定の間隙を存して
被冠せしめたものである。

〔作用〕

本考案は上記構成としたので、汁受体の汁受用
の環状凹部に水を入れて、汁受体の上端に焼網等
を載せてその上に魚肉等焼料理をする材料を並
べ、バーナ体のバーナヘツドに点火するとバーナ
炎により遠赤外線放熱体が加熱され、遠赤外線を
上方に向かつて放射しかつ該発熱体からの輻射熱
と該放熱体の下端周縁から外方に向かつてバーナ
の燃焼に伴う高温の空気が四方に流出して上昇し
て行く。したがつて、焼網上の料理材料には下方
より遠赤外線が照射され輻射熱及び高温の空気が
作用して、料理材料を焼上げる。そして、焼上げ
る過程において料理材料から滴下する煮汁はほと
んど汁受用の環状凹部に貯留する水に落下する。

〔実施例〕

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて説
明する。

第１図及び第２図において、Ａは器体９と器体
９に嵌着する天板５と器体９の中心部から外方に
向かつて配設したガス供給管と、器体９の中心部
に立設するバーナ体１とから構成されるコンロ
で、器体９の外側において前記ガス供給管１０の
一端にガスコツク１１が設けられ、他方器体９の
中心部においてはそのガス供給管１０の上面に、
ガスノズル（図示せず）、一次空気取入れ孔１２、
一次空気調節孔１３、混合室１４及びバーナヘツ
ド１ａ等から成るバーナ体１を器体９から上方に
突出して立設している。天板５はバーナ体１の下
部周辺を器体９の下方から流入する空気が上昇で
きる間隙１５を存して、バーナ体１の下部を包囲
するように立上がり部１６を形成し山形状とした
もので、後述する汁受体Ｂを支承する５個の支承
突部１７を天板５の中心から放射状に等間隔に設
けている。

Ｂは底部中央に上記バーナ体１を挿通する開口
２を穿ちその周囲に水を貯留し滴下する煮汁を受
ける汁受用の環状凹部３を形成し、該環状凹部３
の周縁にバーナ体１を囲むように側壁４を周設し
てなる汁受体で、側壁４の中腹には点火口２０が
穿設され、上端には焼網又は五徳等（図示せず）
をずれ動くことがないように載せる支承段部１８
が設けられ、また、底部中央の開口２には周壁１
９とこれに連ねて段部８が設けられ、バーナ体１
のバーナヘツド１ａを覆う遠赤外線放熱体６を取
り付ける支持具７の支柱７ａを嵌入する嵌入孔が
穿設されている。このように構成した汁受体Ｂを
上記コンロＡの天板５の上に載置すると、汁受体
Ｂの底と天板５との間に間隙が生じ二次空気がこ
こからも流入し、天板５の立上がり部と環状凹部
３の底部とに導かれて二次空気がバーナ体１にそ
つて上昇し燃焼に供せられるようになつている。
次に、支持具７は上下に配設したリング７ｂ，７
ｃの外周に３本の支柱７ａを固着したものであ
り、前記嵌入孔に支柱７ａを嵌め同時に下段のリ
ング７ｃを周壁１９に外嵌し段部８で支承して支
持具７を着脱自在に立設できるものである。遠赤
外線放熱体６はバーナ体１の火炎により加熱され
ると遠赤外線を上方に向かつて放射するもので、
ステンレス基板に遠赤外線放射物質を施したも
の、又は全体を遠赤外線を放射するセラミツクで
形成したもので、その形状は半球状又は円錐状等
が良い。この遠赤外線放熱体６には支持具７の支
柱７ａを嵌める嵌入孔６ａが穿設され、支柱７ａ
に嵌め入れると支持具７の上段のリング７ｂに遠
赤外線放熱体６の内面が当接して支持具７に着脱
自在に取り付けることができ、焼物器の使用後の
清掃が容易に行えるようになつている。

そして、上記したコンロＡの天板５の上に汁受
体Ｂをその開口２にバーナ体１を挿通して載せ、
バーナ体１のバーナヘツド１ａを覆う半球状の遠
赤外線放熱体６を支持具７によりバーナヘツド１
ａとの間に所定の間隔を存して被冠せしめ、汁受
体Ｂの上端支承段部１８に焼網又は五徳を載せて
使用するものである。

尚、上記実施例では都市ガス或いはプロパンガ
スをガス管を接続して使用するコンロＡを示した
が、ブタンガス等を燃料とするガスボンベを器体
９内に挿入して使用するコンロでも良く、この場
合熱源がコンロの上方にあるのでガスボンベが加
熱されることが少なく安全な焼物器として使用す
ることができる。

〔考案の効果〕

本考案にればバーナ体のバーナヘツドを覆う遠
赤外線放熱体をバーナヘツドと所定の間隙を存し
て被冠し、遠赤外線放熱体をバーナ炎により加熱
して遠赤外線を肉、魚等の焼物の下面に向かつて
照射するので、焼物の内部を焼上げることが容易
となる。そして、バーナの燃焼に伴う高温の空気
が即座に上昇して直接焼物に作用するのではな
く、高温の空気が遠赤外線放熱体の下端周縁から
四方に広く分散して流出しその後上昇して焼物に
作用するので焼物の表面だけが焦げ過ぎてしまう
ということなく、上記遠赤外線の働きとにより焼
物の表面が焦げ過ぎることなく内部まで十分に焼
上げることが簡単にできる。

また、遠赤外線の照射と、遠赤外線放熱体から
の輻射熱及び高温の空気の作用とによる相乗効果
により熱効率がよくなり調理時間を短縮できエネ
ルギーの節約ができる。さらに、焼物の煮汁はほ
とんど汁受体の汁受用の環状凹部に貯留する水に
落下するので、におい及び煙の発生を少なくする
ことができいる。しかも、構造上焼物器を小型化
することが容易で家庭の食卓において手軽に使用
でき焼物料理を楽しむことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る焼物器の一部破断正面
図、第２図は同一部破断平面図である。 １……バーナ体、１ａ……バーナヘツド、２…
…開口、３……環状凹部、４……側壁、６……遠
赤外線放熱体、７……支持具、８……段部、Ａ…
…コンロ、Ｂ……汁受体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央部に上方へ突出してバーナ体１を立設した
   コンロＡを設ける一方、底部中央に前記バーナ体
   １を挿通する開口２を穿ちその周囲に汁受用の環
   状凹部３を形成し、かつ該環状凹部３周縁にバー
   ナ体１を囲む側壁４を周設し、該側壁４の上端に
   焼網等を載置可能とした汁受体Ｂを設け、該汁受
   体Ｂを前記コンロＡ上に開口２にバーナ体１を挿
   通して載せ、バーナ体１のバーナヘツド１ａを覆
   う半球状等に形成した遠赤外線放熱体６を、汁受
   体Ｂの開口２の周辺段部８に支持具７等適宜手段
   でバーナヘツド１ａとの間に所定の間隙を存して
   被冠せしめたことを特徴とする焼物器。