JPH04231893A - 時計用歯車機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は特に時計に使用する歯車
機構に関する。

【０００２】

【従来の技術】ハート形カムは時計学に、特にクロノグ
ラフに屡々使用されており、したがってこれらは「クロ
ノグラフハート」と名付けられている。このハートはク
ロノグラフのカウンタの車輪に固定され、このカウンタ
の針を、動作時にセットしてクロノグラフを停止させて
からゼロにリセットできるようにしている。

【０００３】このような構成の一例は米国特許第３，９
０１，０２０号に見出される。この場合には、第２のカ
ウンタのハートがクロノグラフの車輪の他に駆動部材を
も支持している一つの軸に取り付けられている。これら
車輪および駆動部材はこの軸上で一方が他方の上に重ね
られている。

【０００４】付図の図１ないし図６は従来技術のハート
の形を成す他のカム構造の他にそれらの動作方法をも示
している。

【０００５】したがって、図１により、ハート１の輪郭
に点２および肩と呼ばれる二つの対向する横の丸い面３
および４があることがわかる。このハートには実質上二
つの肩３と４との間に、その軸がカムの全般的平面に垂
直で且つこのハートをカウンタ、たとえばクロノグラフ
の秒カウンタまたは分カウンタ、の車輪７の軸６に取り
付けることができるようにするオリフィス５が設けられ
ている。図２でわかるように、肩３および４をわずかに
とがらせることもできる。

【０００６】図３ａないし図３ｄは、クロノグラフのカ
ウンタを、ハート形を成すこのようなカムの補助により
、ゼロにリセットする古典的機構の連続段階を上から見
た図を示している。このゼロリセット機構は、その先端
の一方に斜面９を有し且つその他方の先端で固定軸１０
の周りを回転するハンマー８により動作する。概略的に
示してあるカウンタの針は車輪７の軸６に固定されてお
り、参照数字１１で示してある。

【０００７】クロノグラフを動作させるときハンマー８
は図３ａに示すように車輪７から離れて設置されており
、この車輪はしたがって、針１１を支持しながら時計方
向に回転することができる。クロノグラフが停止すると
、この停止はここに説明しない手段により行われ、その
手段についてはたとえば上記の特許の明細書で見ること
ができるが、車輪７が停止し、針１１は、車輪７がクロ
ノグラフの唯一のカウンタであると仮定して、クロノグ
ラフの動作開始からの経過時間を示す。一般にクロノグ
ラフには三つのカウンタ（時、分、および秒）が設けら
れており、これらカウンタにはすべて上述のものと同様
のハートが設けられていることに注目すべきである。

【０００８】図３ａに示してない機構の動作により、ハ
ンマー８を矢Ｆの方向にその斜面９がハート１の周辺に
接触するまで回転することが可能である。この結果機構
は図３ｂに示す構成となる。ハンマーはゼロリセット用
押ボタンに接続されているので、力を加えてこの力をハ
ート１に伝えることができ、ハート１は軸６に対し偏心
して取り付けられているので、斜面９が二つの肩３およ
び４に接触するまで（図３ｄを参照）ハート１は自由に
回転する（図３ｃ）。この図３ｄの位置で針１１はその
元の、または基準の位置に戻る。

【０００９】この場合ハート１にはカウンタの車輪７を
戻すという機能があるだけである。これから離れて、既
に上に述べたように、カウンタの、これはたとえば秒カ
ウンタであるが、この車輪７とは別に、他の車輪、たと
えば分カウンタをも駆動することが屡々必要である。

【００１０】図４は秒カウンタ車輪を駆動することがで
きるようにする従来技術の方法を示している。この趣旨
でハート１の上に、その回転時にそれ自身ハート１５を
備えている秒カウンタ車輪１４と噛合う中間車輪１３と
係合することができるような仕方でカムの周辺を超えて
延びる駆動部材１２が設けられている。クロノグラフを
始動させるときハンマー８はハート１と接触していず、
したがって車輪７はその駆動部材１２を介して車輪１３
および１４の双方を駆動することができる。かくして、
車輪７が完全な回転を行ってしまうと、駆動部材１２は
車輪１３および１４を１ステップだけ前進させる。

【００１１】クロノグラフがゼロ位置にリセットされる
と、車輪１３は駆動部材１２の平面から軸方向に変位す
る（点線で表した上方位置）。ハンマー８はかくして、
上に既に説明したように、車輪７の秒カウンタを０に戻
す。

【００１２】

【発明が解決しようとする課題】この初期の装置では、
上述の特許の場合のように、駆動部材１２がハートの平
面の外に設置され、車輪１３と係合してハンマー８の動
作を妨害しないようになっている。事実上この駆動部材
１２がカウンタの車輪７の上面に、ハート１と同じ平面
に、直接設置されていたとすれば、一定の状態でゼロに
戻り動作中に駆動部材１２ハンマー８の軌道内に入り、
これによりハンマー８を妨害する危険を生ずる。

【００１３】いずれの場合でもこのような装置ではハー
ト１により形成される集団、カウンタの車輪７および駆
動部材１２、の高さが大きくなる。いずれの場合でも一
方においてゼロリセット機能を保持しながら他方におい
て他のカウンタの駆動を行い、これら機能を行う部材が
占める高さを減らすのが望ましい。

【００１４】上に示した従来技術の説明は、クロノグラ
フのような、時計に使用する歯車機構に適用できる。し
かし、本発明はこの分野の用途に限られない。これに反
して、本発明は一組の可動回転部材を最初の位置に戻す
ことが関係する各々の場合の他の用途に有利に利用する
ことができる。

【００１５】

【課題を解決するための手段】本発明は、第１の回転可
能な車輪と、第２の回転可能な車輪とを備え、前記第１
の車輪は駆動力により最初の位置から最終の位置まで駆
動されるようになっており、前記第１の車輪は前記駆動
力を加えられることができる歯車から構成され、該歯車
が一軸上に取り付けられている歯車機構であって、前記
歯車と一体に回転可能なカムの他に、前記第１の車輪に
対して所定の減速比で前記第２の車輪と係合するように
なっている歯車手段とを備え、更に前記カムと協働して
前記第１の車輪をその最初の位置まで戻す手段をも備え
ている歯車機構に関する。

【００１６】本発明によれば第２の車輪と係合するよう
になっているこれら歯車手段が前記カムの輪郭の部分を
形成している。

【００１７】

【作用】本発明のこれら特徴により、またそれら特定の
形状の結果として、ハートは二つの機能、ゼロに戻すと
いう従来どおりの機能ばかりでなく、歯車系の他の部材
を駆動する機能をも行う。かくして機構の構造は一つは
同じ結果を得るのに必要な部品の数を減らし、更にカム
の平面の外側にある駆動部材を不要にすることが可能で
あるから厚さが減るという点で簡単になる。この後者の
特徴は本発明にクロノグラフ機構へのその用途において
特定の利点を与える。それはこの装置の厚さを可能な限
り小さくすることが絶え間無い目的だからである。

【００１８】

【実施例】本発明について今度は本発明の一実施例に関
して例を用いておよび付図を参照して非限的例により更
に詳細に説明する。

【００１９】図７はクロノグラフ機構に適用した本発明
による歯車機構を示す。この場合には、歯車機構は板２
０とブリッジ２２との間に取り付けられている。機構は
この場合に秒針を構成し且つブリッジ２２に固定された
管２８に回転可能に取り付けられている軸２６を有する
第１の車輪２４を備えている。歯車３０は軸２６に取り
付けられており、第１の車輪２４を駆動するように時計
駆動機構（図示せず）からの駆動力により駆動されるこ
とができる。第１の車輪２４はこのようにしてその最初
の位置から最終位置まで駆動される。ハートの形状をし
ているカム３２は歯車３０と一体に回転できるようにな
っている。機構はまた、この後で説明するように、所定
の減速比で第１の車輪２４に結合している第２の車輪３
４を備えている。歯車機構はまた前記カム３２と協働し
て第１の車輪２４をその最初の位置に戻す手段３６を備
えている。この特定の場合には、これら手段３６は図７
に図示してない位置で板２０の上に関節でつながれてい
るハンマーを備えている。

【００２０】図６は、点線で示した対称な従来のハート
１の輪郭と非対称である本発明によるハート３２の輪郭
との相違を示している。ハート３２には点３８および二
つの肩４０および４２がある。本発明によるハートは非
対称であるから、左半部４４Ｇとこれと曲率が異なる右
半部４４Ｄとを有する。その他に点３８には左側に直線
状の縁４６、右に凹状構成４８があるから点３８の形状
は従来のハート１の形状とは異なっていることが注目さ
れる。

【００２１】右および左という言葉は、カム３２が前述
の駆動力の作用下で時計方向に回転する図６を参照して
使用されることに注目すべきである。したがって凹状縁
４８は第１の車輪２４が動いている間は前方位置にあり
、直線縁４６は後方にある。

【００２２】図５に示すように、ハート３２の点３８は
現在の場合は中間車輪である第２の車輪３４の歯と係合
している。換言すれば、この点３８はカム３２の輪郭の
部分を形成し、第２の車輪３４を前進させるための係合
手段として働いている。

【００２３】図７は第２の車輪を、ハンマー３６がカム
３２に作用するとカム３２を持ち上げることができる刄
５０の作用のもとにカム３２の平面から外へ動かすため
に軸方向に変位させることができることを示す。本発明
のこの実施例では第２の車輪３４は今度は自らが車輪５
６およびカム５８が固定されている軸５４を有する第３
の車輪５２と係合している。本発明のこれらの特徴の更
に詳細な説明は本発明の出願人によるスイス特許出願書
第０１２６１／９０−７の明細書で見ることができる。

【００２４】記述した機構をクロノグラフに使用すると
きは、第１の車輪２４をたとえば秒カウンタとすること
ができるが、第３の車輪５２は分カウンタとすることが
できる。これら二つのカウンタの間の減速比はしたがっ
て６０：１である。

【００２５】この機構の働きを今度は図５および図７を
参照して説明することにする。駆動力を車輪３０に加え
ると車輪３０は時計方向（矢Ｆ´）に回転してこれと共
に、軸２６に接続されている針５９（図５にのみ示す）
を駆動する。車輪３０はしたがって第２の車輪３４をも
回転可能に駆動する。

【００２６】説明しやすくするため、第２の車輪３４の
歯６０の二つに６０ａおよび６０ｂの番号を付けてある
。第１の車輪２４が１回転するごとに点３８の前縁４８
が第２の車輪３４の歯６０の一つ、たとえばおよび図５
に示すように、歯６０ａと接触する。ハート３２の点３
８はこのようにして歯６０ａを歯６０ａおよび６０ｂの
最初の位置（点線で示す）の間にある位置まで反時計方
向に半ステップだけ前進させる。

【００２７】第２の車輪３４が動く場合には、第３の車
輪５２も回転し、車輪５６は矢Ｆ´の方向に半ステップ
だけ変位する。その上、この車輪５６は、その端が前記
歯車５６の二つの歯の間にあるときだけ安定位置にある
ジャンパ５７により、所定位置に保持される。このジャ
ンパ５７は、不安定位置にあるとき、その安定位置を再
び得るために矢Ｆ´の方向に更に半ステップだけ車輪５
６を動かす。車輪５６のこの回転により車輪３４も半ス
テップだけ変位する。かくして歯６０ａは歯６０ｂの最
初の位置を取る。

【００２８】換言すれば、第１の車輪２４の１回転の各
回転を半ステップ二つによる第２の車輪３４の１回転を
含むものと見なすことができ、第１の半ステップの変位
がハート３２により行われ、第２の半ステップの変位が
ジャンパ５７により行われる。ここでカム３２の点３８
の輪郭は歯６０の先端の輪郭に正確に適合しており、こ
れにより歯車の良好な噛合せを確保していることに注目
すべきである。

【００２９】車輪の最終位置に到達すると（クロノグラ
フの場合には測定すべき時間が満了すると）、上述の動
きが停止し、針５９が第１の車輪２４の位置を示すので
、読取るべき機構を始動させてから経過した時間に到達
することが可能である。

【００３０】それ故図３ａないし図３ｄを参照して上で
説明したように第１の車輪２４をハンマー３６の作用に
よりその始動位置にリセットすることに進む。ここで、
第１の車輪２４は、時計方向の回転および反対方向の回
転のいずれの回転によってもその始動位置まで戻すこと
ができることに注目すべきである。

【００３１】図８は、ハンマー３６および特にその点６
２がハート３２の点３８の凹状縁４８と接触する特別の
場合に始動位置にリセットする状況を示している。

【００３２】Ｆ１　がハンマー３６により凹状縁４８の
表面に垂直に加えられる力を表しており、ｄ１が車輪２
４の回転軸６４からＦ１に下した垂線の長さであると考
えれば、ハンマー３６によりハート３２に加えられるモ
ーメントＭ１はＦ１×ｄ１に等しい。同じようにして、
Ｆ２　がハンマー３６により従来のハート１（点線で示
す）の点の縁に垂直に加えられる力を表しており、ｄ２
が軸６４のＦ２の垂線からの距離であると仮定すれば、
モーメントＭ２はＦ２×ｄ２に等しく、これはモーメン
トＭ１より小さいことがわかる。

【００３３】このようにしてハート３２の点３８の形状
を特別なものにすることにより車輪の始動位置へのリセ
ット操作が改善される。この車輪はこのようにして反時
計方向に（矢Ｆ″の方向に）回転することに注目するこ
とができる。

【００３４】図９はハンマー３６がハート３２の点３８
と接触する特定の場合を示している。この場合には、モ
ーメントＭ１はモーメントＭ２よりわずかだけ優れてい
るが、それでも始動位置へのリセット操作がわずかに改
善される。この場合には車輪２４は時計方向（方向Ｆ´
）に駆動されることに注目することができる。

【００３５】本発明の他の実施例ではハート２０Ｂの点
２２は二つの凹面４８を備えることができる（図１０を
参照のこと）。

【図面の簡単な説明】

【図１】，

【図２】従来技術の、二つの実施例でのハート形カムの
輪郭を示す平面図である。

【図３】カウンタの車輪をハート形カムによりゼロに戻
す古典的装置の連続する段階を示す。

【図４】従来技術のクロノグラフの歯車機構の部分の断
面図を示す。

【図５】歯車機構の他の車輪と係合している本発明によ
るカムを上から見た図である。

【図６】従来技術のカムの輪郭と本発明によるカムの輪
郭との比較図を示す。

【図７】歯車機構の部分の、および本発明によるカムの
、図５のＶＩＩ−ＶＩＩ線に沿う断面図である。

【図８】，

【図９】ハンマーの本発明によるカムに作用する各種機
構を示す。

【図１０】ハート形カムの点の本発明の第２の実施例の
詳細図である。

【符号の説明】

２０　　板 ２２　　ブリッジ ２４　　第１の車輪 ２６　　軸 ３０　　歯車 ３２　　カム ３４　　第２の車輪

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　第１の回転可能な車輪と、少なくとも
   一つの第２の回転可能な車輪とを備え、前記第１の車輪
   は駆動力により最初の位置から最終の位置まで駆動され
   るようになっており、前記第１の車輪は前記駆動力を加
   えられることができる歯車から構成され、該歯車が一軸
   上に取り付けられている歯車機構であって、該歯車機構
   は前記歯車と一体に回転可能なカムの他に、前記第１の
   車輪に対して所定の減速比で前記第２の車輪と係合する
   ようになっている歯車手段をも備え、更に前記カムと協
   働して前記第１の車輪をその最初の位置まで戻す手段を
   も備えているものにおいて、第２の車輪と係合するよう
   になっている前記歯車手段が前記カムの輪郭の部分を形
   成していることを特徴とする歯車機構。