JPH04231886A - 核磁気共鳴スペクトルで望ましくない側波帯を補償する方法とその装置 - Google Patents

核磁気共鳴スペクトルで望ましくない側波帯を補償する方法とその装置

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JPH04231886A
JPH04231886A JP3106033A JP10603391A JPH04231886A JP H04231886 A JPH04231886 A JP H04231886A JP 3106033 A JP3106033 A JP 3106033A JP 10603391 A JP10603391 A JP 10603391A JP H04231886 A JPH04231886 A JP H04231886A
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signal
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nuclear magnetic
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JP3106033A
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Daniel Marek
ダニエル・マレック
Anton Kuster
アントン・クスター
Arne Kasten
アルネ・カステン
Werner Tschopp
ウエルネル・ハー・チヨップ
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Spectrospin AG
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、核磁気共鳴スペクト
ルで望ましない側波帯を補償する方法とその装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴分光(以下、NMR分光と称
する)で高分解能のスペクトルを検出するには、均一磁
場の不均一成分を突き止め、その成分から改善されたス
ペクトル線の分解を得るため、均一磁場内で測定すべき
試料を回転運動にかけている。しかし、この回転運動の
ために、望ましない側波帯、所謂回転側波帯が生じる。 これ等の側波帯は実際のNMRスペクトル線のそれぞれ
の両側に生じる。
【0003】この回転側波帯の出現には、実質上三つの
原因がある。即ち、 −有効試料体積内の静的磁場B0の不均一性、試料の回
転運動と共に原子核の歳差周波数の変調に通ずる所謂B
0不均一性。B0不均一性は試料の周囲の磁場を発生す
る磁石自体、また強磁性、反磁性あるいは常磁性の物質
に起因する。
【0004】−高周波磁場B1の不均一性、有効試料体
積内の送信コイルと受信コイルから送信期間中に発生し
、受信期間中に受信コイルに誘起する核磁気信号が一緒
に影響する所謂B1不均一性。および、−一方でずれ及
び/又は回転軸に対して捩じれた試料の対称軸によって
、また他方で試料セルが理想的な回転対称の寸法を保有
してないことによる、試料の非理想的な回転運動。両方
の原因は、実質上試料と高周波受信コイルの間の浮遊容
量が回転周波数と共に周期的に変化する結果になる。こ
の浮遊容量は受信共振回路の非常に小さい容量に対して
一緒に計数されるので、これによって共振回路の周期的
な離調と、核磁気信号の位相変調とが生じる。更に、高
周波損失の原因になる試料でのこの非理想的な回転運動
は、受信共振回路の減衰の周期的な変動と、核磁気信号
の振幅変調に通ずる。この位相および振幅変調は、試料
の非理想的回転運動に起因するが、Q変調と呼ばれてい
る。この変調は、特に 400 MHz以上の高周波で
乱れ、ここでは受信共振回路が非常に小さい容量値を有
し、そのため擾乱容量の影響が大きな役目を演ずる。
【0005】更に良く理解するため、図1と図2に基づ
き回転側波帯の現象と原因を説明する。
【0006】図1aには、一つのスペクトル線に付属す
る回転側波帯B,B′とC,C′を伴う主週波帯Aの典
型的な波形が示してある。これ等の回転側波帯は上に説
明した三つの原因に応じて各成分に分解できる。
【0007】図1bには、B0不均一性によって生じる
成分が示してある。これ等の側波帯は主周波帯Aに対し
て対称で、この主周波帯と同じ位相を有する。これ等の
実験結果は、専門書の雑誌 ”Journal of 
Magnetic Resonance 82”, p
p. 427 − 433のH. Levittによっ
て理論的に確認されている。
【0008】図1cには、上に述べたB1不均一性によ
る成分が示してある。実験結果によると、これ等の側波
帯は主周波帯Aに対して非対称で、少なくとも受信コイ
ルの幾何学形状により主周波帯Aの二倍の回転周波数ω
M の数倍だけ離れていて、同様に主周波帯Aと同じ位
相を有する。
【0009】図1dには、Q変調による側波帯成分が示
してある。これ等の側波帯の成分は主周波帯に対して非
対称で、この主周波帯に対して任意の位相を有する。非
対称性は主に受信共振回路の容量性の周期的な離調の結
果である。これは主に核磁気信号の位相変調をもたらす
【0010】図2には、受信共振回路の周期的な離調度
Δωから核磁気信号の振幅変調AMと位相変調φMがど
のようにして生じるのかが示してある。変調周波数は共
振回路の帯域幅に比べて小さいので、図2に示すような
準定常的な考察方法を使用することができる。二重変調
周波数を伴う振幅変調a(t) を得るが、この変調は
僅かな変調のずれを無視できる(図2a)。
【0011】乱れているのは、図2bに示す位相変調φ
Mである。この変調は単純な変調周波数を伴って発生す
る。
【0012】従来の技術では、好ましくない回転側波帯
を低減するため、種々の装置上の処置が提案されていて
、それ等の処置はその発生場所で回転側波帯の原因を低
減すべきである。
【0013】これ等の公知処置には、静的磁場B0の均
一性を、例えば大きくて精密な補正コイル(シムコイル
系,Shimspule−Systeme)によって改
善することが付属する。しかし、これ等の補正系は高周
波受信コイルの磁化率に起因する静的磁場の不均一性を
満足に相殺していない。このことは、非常に小さい磁化
率の値を有する高周波受信コイルに対する特別な材料選
択によってのみ達成できる。
【0014】B1均一性の改善には、従来の技術で、高
周波受信コイルの幾何学形状を最良の磁場均一性に合わ
せることが提案されている。
【0015】しかし、Q変調の問題はこのような処置で
は除去できない。核磁気共鳴分光で時間の経過と共に増
大する静的磁場の磁場強度によって、非理想的な試料の
回転運動に起因する望ましない側波帯成分も増大する(
Q変調)。このQ変調によって生じる望ましない側波帯
は回転運動に影響を与える部分(試料セル、ロータ、空
気タービン)の機械精度を改善することによってのみ最
小にできる。しかし、この場合、達成可能な精度の限界
に達している。
【0016】”Journal of Magneti
c Resonance 80”, pp. 547 
− 552, (1988) には、内部基準信号を使
用して、展開(Deconvolution)によって
装置の誤差を後で補償する方法が開示されている。デジ
タルフィルターによって、理想化されたスペクトルが前
記展開法によって発生させる基準信号を引き出している
。この専門書に提案されている処置は、回転側波帯を後
で消去するために使用することもできる。
【0017】回転側波帯を低減するため従来の技術で提
案されている装置上の処置を用いて、主周波帯強度の約
 10 %の比較的弱い側波帯強度を得ているが、この
値を更に1%より少ない所望の量にすることは非常に困
難である。このことは、Q変調によって生じる側波帯成
分に対して特に当てはまる。
【0018】しかし、従来の技術で達成される側波帯強
度が主周波帯の強度に比べて小さいと言うことを前提に
している。
【0019】ドイツ特許第 28 16 225号明細
書、特に請求項1、図3および明細書の第2頁、第 2
5 〜 64 行によれば、核磁気共鳴分光器の試料を
回転させることによって生じる核磁気共鳴スペクトルの
側波帯を一定の周波数範囲にわたって消去する方法とそ
の装置が公知である。この方法によって、大きな振幅を
有するシャープな側波帯成分の代わりに、振幅の小さい
広い成分が生じる。しかし、側波帯成分の積分はそれぞ
れ同じ大きさである。従って、この公知の方法は回転側
波帯を補償することにならない。つまり、側波帯が消去
するのでなく、広くなった丘として現れる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、従
来の技術で提案されている装置上の処置で得られる回転
側波帯の強度から出発して、この側波帯を更に低減する
、核磁気共鳴分光で望ましない側波帯を補償する方法と
装置を可能することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
により、核磁気共鳴分光計の試料を回転させて生じる少
なくとも一つの様式のNMR側波帯(H0,H1,Q変
調側波帯)を補償する方法の場合、以下の過程、−試料
回転の回転周波数と位相を検出する−検出した核磁気信
号の振幅と位相を変調する。その場合、変調信号は周波
数が試料の回転周波数と同じ、および整数倍である多数
の成分から合成され、その場合、−Q変調補償の場合で
は、変調成分は試料の回転に位相を同じにして同期し、
そして、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合、一方で変調成分
が試料回転に位相を合わせて同期し、他方で送信パルス
のスタートあるいは核磁気信号を励起するパルスシーケ
ンスが変調成分に位相を合わせて同期し、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合であって、核磁気
信号が多数のパルス励起から加算されている場合、一方
で変調成分と試料回転の間の位相関係が種々の検出期間
で異なるが、単一の各検出期間では一定であり、そして
、他方、送信パルスあるいは核磁気信号を励起するパル
スシーケンスのスタート時点と変調成分が、全ての励起
期間にわたって一定の位相関係にある、ことによって解
決されている。
【0022】更に、上記の課題は、この発明により、核
磁気共鳴分光計の試料を回転させて生じる少なくとも一
つの様式のNMR側波帯(H0,H1,Q変調側波帯)
を補償する方法の場合、以下の過程、 −試料回転の回転周波数と位相を検出する−検出した核
磁気信号の振幅と位相を変調する。その場合、変調信号
が核磁気周波数スペクトルから検出された位相位置と生
じた各回転側波帯の強度とに応じて、多数の成分から合
成され、その場合、 −Q変調補償の場合では、変調成分は試料の回転に位相
を同じにして同期し、そして、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合、諸変調成分の周
波数がそれぞれ試料の回転周波数とその整数倍に等しい
く、これ等の成分の位相がそれぞれ試料回転周波数の位
相に対して一定比率にあり、核磁気信号を励起する送信
パルスあるいはパルスシーケンスのスタートが変調信号
に位相同期している、ことによって解決されている。
【0023】更に、上記の課題は、この発明により、パ
ルス化した核磁気共鳴分光計で試料の非理想的回転運動
によって生じる側波帯(Q変調)を補償する方法の場合
、以下の過程、 −試料回転の回転周波数と位相を検出する、−望ましく
ない側波帯成分の数と補償すべき周波数を検出する、お
よび、 −それぞれ一定の位相角ほど互いに位相がずれ、多数の
パルス励起から生じる核磁気信号を加算し、その場合、
N個の側波帯成分を消去するため、それぞれ位相が、

0024】
【外2】
【0025】ずれた2N個の核磁気信号の和が必要であ
る、ことによって解決されている。
【0026】更に、上記の課題は、この発明により、下
記要素、 −直流磁界中で回転する試料を取り囲むように配設され
、試料ヘッドによって高周波信号を受信し、この信号を
試料に放射し、しかもそれによって試料から放出された
核磁気信号を受信し、試料ヘッドに伝送する一個の送信
および受信コイルと、 −試料ヘッドに導入すべき高周波信号を発生し、試料ヘ
ッドによって受信された核磁気信号からスペストルを発
生する信号発生および評価装置と、を備え、核磁気共鳴
分光計の試料を回転させて生じる少なくとも一つの様式
のNMR側波帯(H0,H1,Q変調側波帯)を補償す
る装置の場合、 −試料の回転運動の周波数と位相を検出する検出装置と
、 −検出した試料の回転運動の周波数と位相に対応する検
出装置の信号を受信して、これ等の信号に応じて、試料
から出力され、試料ヘッドで検出された核磁気信号の振
幅と位相を変調するための振幅および位相変調信号を発
生させ、その場合、補償電圧発生器が位相および振幅設
定手段を保有し、これ等の手段が核磁気共鳴周波数スペ
クトルから検出された発生した回転側波帯の位相位置と
強度に応じて、導入される設定信号に依存して、多数の
成分から構成して変調信号を発生させる、補償電圧発生
器と、を備え、その場合、 −検出した核磁気信号を補償電圧発生器によって発生さ
せた変調信号で振幅変調し、 −検出した核磁気信号を補償電圧発生器によって発生さ
せた変調信号で位相変調し、その場合、−Q変調補償の
場合には、変調信号を位相を一定にして試料回転に同期
させ、 −H0 とH1 側波帯を補償する場合には、変調成分
の周波数が試料回転周波数に等しいおよびその整数倍で
あり、これ等の成分の位相がそれぞれ試料回転の位相に
一定の比率であり、核磁気信号を励起する送信パルスま
たはパルスシーケンスの開始が変調信号に同期している
、ことによって解決されている。
【0027】この発明による他の有利な構成は、特許請
求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0028】
【作用】上記の方法は変調過程に対して個々の周波数成
分の振幅と位相を別々に設定して、そのように調節した
周波数成分を加算し、振幅変調と位相変調に導入するこ
とによって有利に構成される。
【0029】この代わりに、変調過程に対して、試料の
回転周波数の整数倍に等しい周波数の予め多数の余弦信
号と正弦信号を発生すると有利である。その信号の振幅
はそれぞれ補償するのに必要な振幅に設定され、そのよ
うにして発生し、振幅に合わせた正弦信号と余弦信号を
加算し、振幅変調と位相変調に導入される。
【0030】これ等の変調信号は、デジタル周波数発生
器でも適当な係数を指定して発生させることができる。
【0031】この発明により、側波帯に全く無関係な、
上記の課題を解決する、核磁気共鳴スペストルを得る方
法の一つまたはそれ以上が得られる。この場合、電算機
の中で振幅変調と位相変調がスペクトルに対応する複素
数時間信号に複素係数A(t) exp(jφ(t))
を乗算して行われル。ここで、A(t) は振幅変調の
時間関数で、φ(t)は位相変調の時間関数である。
【0032】この発明による有利な構成では、補償発生
器に、 −補償すべき各側波帯の対に対して、位相変調器と振幅
変調器に導入される信号の位相と振幅をそれぞれ調節す
るための、連続的に独立して調節でいる二つの移相器と
独立して調節できる二つの減衰器、および独立して調節
できる二つの減衰器、がある。
【0033】この発明の有利な構成では、補償発生器に
、 −各発振器モジュールが各正弦および余弦信号の必要な
振幅を調節するための連続可変できる減衰回路と、正弦
信号から余弦信号を誘導する固定された 90°位相可
変器と、各減衰回路に対して一個の極性切換器を有し、
補償すべき各側波帯の対に対して、試料の回転周波数を
含めて整数倍に等しい周波数の余弦および正弦信号を発
生させるそれぞれの発振器モジュールと、−加算回路の
出力信号をそれぞれ振幅変調器と位相変調器に導入し、
極性切換器によって出力された正弦信号と余弦信号を加
算する加算回路と、がある。
【0034】この補償発生器は、振幅変調と位相変調に
対する変調信号を対応する係数を指定して発生させるデ
ジタル周波数発生器であってもよい。
【0035】この発明で提案する方法およびその装置に
よって、回転側波帯の振幅と位相を個々に所望の値に調
節できるので、回転側波帯成分の強度を主周波帯の強度
の1%以下に簡単にできる。
【0036】
【実施例】この発明を以下に図面に基づき実施例でより
詳しく説明する。
【0037】核磁気共鳴分光で好ましない側波帯を補償
するこの発明による方法と装置を説明する前に、受信し
た核磁気信号の変調の原理と、核磁気信号の振幅変調と
位相変調のスペクトルへの影響を図3に基づき説明する
【0038】受信回路から供給される様な、回転側波帯
のない核磁気信号は、
【0039】
【外3】
【0040】で表せる。
【0041】この信号を振幅変調AMと位相変調φM 
に支配される。
【0042】振幅変調に対して、
【0043】
【外4】
【0044】となる。
【0045】位相変調φM に対して、
【0046】
【外5】
【0047】となる。
【0048】変調された核磁気信号は、
【0049】
【外6】
【0050】となる。
【0051】変調振幅が小さい場合、つまり│Δφ(t
)│2 ≪1の場合、
【0052】
【外7】
【0053】更に、│Δa(t)・Δφ(t)│≪1の
場合、
【0054】
【外8】
【0055】
【外9】
【0056】
【外10】
【0057】となる。
【0058】受信器では、この信号は中間周波数で下方
に混合され、そこで象限検出にかける。互いに直交して
いて、ωs の回りの周波数を保有する二つの低周波信
号yA (t) とyB (t) が生じる。
【0059】
【外11】
【0060】
【外12】
【0061】
【外13】
【0062】なし、更に、関係式
【0063】
【外14】
【0064】を考慮すると、
【0065】
【外15】
【0066】が得られる。
【0067】電算機中では、この複素関数に関してフー
リエ変換が行われる。その場合、複
【0068】
【外16】
【0069】
【外17】
【0070】
【外18】
【0071】
【外19】
【0072】ここで、a(ω) は吸収信号、d(ω)
 は分散信号を意味する。即ち、
【0073】
【外20】
【0074】
【外21】
【0075】式(5)のa(ω) およびd(ω) の
添え字0,+1と−1はそれぞれ、 ωR =ωS,  ωR =ωS +ωm とωR =
ωS −ωm を意味する。
【0076】
【外22】
【0077】
【外23】
【0078】
【外24】
【0079】
【外25】
【0080】
【外26】
【0081】
【外27】
【0082】
【外28】
【0083】
【外29】
【0084】
【外30】
【0085】この実数部分は、図3にφ1,φ2 =0
°,90°,  180°の場合に対して示してある。
【0086】振幅と位相を同時に変調した場合、両方の
側波帯は以下のようになる。即ち、上部側波帯(OSB
):
【0087】
【外31】
【0088】下部側波帯(USB):
【0089】
【外32】
【0090】ここで、係数は
【0091】
【外33】
【0092】となる。
【0093】これ等の関係式と図3に示すグラフから、
変調度が小さいと言う仮定の下で、振幅変調と位相変調
がある場合、一定の変調周波数を有する変調はそれぞれ
ただ二つの側波帯となる。これ等の第一は主周波帯に対
して小さく、第二は振幅変調の場合、主周波帯に対して
対称で、位相変調の場合、主周波帯に対して非対称であ
る。
【0094】しかし、これ等の変調側波帯を用いると、
回転側波帯も主周波帯に比べて小さい場合(例えば、 
10 %より小さい)にのみ、回転側波帯を正確に補償
できる。しかし、この仮定は今日の従来技術の公知手段
で満たされる。
【0095】この場合、正弦波位相変調信号は理論的に
無限に広い周波数スペクトルを供給することが判る。し
かし、Δφの位相シフトが小さい場合、即ち(Δφ)2
が1より充分小さい場合、スペクトルは支配的な主周波
帯と共にただ二つの側波帯に制限される。残りの全ての
側波帯は理論的に存在しているが、その強度は無視でき
るほど小さくい。
【0096】この発明で提案する核磁気信号の振幅およ
び位相変調を用いて、両方の側波帯の振幅と位相が個々
に任意の値に調節できることも容易に判る。即ち、上で
説明した等式系(11)を考慮すると、その等式は、4
つの未知量Δa,Δφ,φ1,φ2 と4つの既知量C
01, C02, Cu1, Cu2を有する線型系で
ある。この場合、後者の4つは上部および下部側波帯の
吸収および分散成分の所望の振幅である。これ等の等式
系を求めることができる。
【0097】予め行った上記数学的な推定とその結論は
、位相変調の位相変化が小さい場合に当てはまる。これ
等の結果は、個々の側波帯毎に補償でき、その場合に他
には影響を及ぼさないので、簡単な補償方法になる。 しかし、この補償方法は補償すべき回転側波帯が同様に
主周波帯より小さい場合にのみ適用できる。しかしなが
ら、回転側波帯が大きい場合、この発明による方法で補
償することが未だ可能であるが、ただ非常に骨の折れる
状態であることを銘記することが大切である。何故なら
、個々の側波帯の対は最早互いに無関係に補償できない
からである。
【0098】既に図1に基づき説明したように、B0お
よびB1不均一性によって誘起する回転側波帯は主周波
帯と同じであるが反対向きの位相を有する。即ち、回転
側波帯は主周波帯に対して一定の位相関係を保持してい
て、この位相関係は回転運動の位相に無関係である。こ
の特性は、核磁気信号を励起するための送信パルスを変
調信号に位相同期させて開始し、変調側波帯にも伝送す
る必要がある。
【0099】Q変調による回転側波帯は主周波帯に対し
て任意の異なる位相を有するので、必ずしも上に説明し
た位相同期性を必要としない。しかし、この側波帯の位
相は試料の回転に直接関係しているので、側波帯を補償
するための変調信号は必ず試料回転と位相同期している
必要がある。更に、側波帯と共にNMRスペクトルを各
パルス励起毎に同じに維持し、補償過程を非常に容易に
することを望のであれば、ここではその外、励起パルス
の開始と回転周波数との間の位相を同期させることが必
要である。
【0100】図4に基づき、振幅変調と位相変調信号を
発生させるのに有利な方法を説明する。
【0101】個々の周波数成分の振幅と位相を個別に調
節する。個々の周波数成分を加算し、それぞれ振幅変調
器と位相変調器に導入する。核磁気信号は、それぞれこ
れ等の変調に導入される振幅変調信号a(t) と位相
変調信号φ(t) によって振幅および位相変調される
。図4には、必要な個々の周波数成分の位相位置を信号
検出の開始点t0 に同期させることが明確に示してあ
る。
【0102】これを実現するには、側波帯の対毎にそれ
それ二つの連続可変できる移相器と二つの調節可能な減
衰器(アテネータ)が必要である。側波帯を三次まで補
償できるには、6個の連続可変できる移相器と、振幅を
調節するため、6個の調節可能な減衰器が必要である。
【0103】図5には、上記の方法の代わりに採用でき
る、振幅変調と位相変調に対して信号を発生させる有利
な方法が示してある。この方法は連続可変できる位相移
動器なしでよい。先ず、周波数ωm,2ωm,3ωm 
・・・の余弦信号と正弦信号を発生させ、調節可能な減
衰回路(アテネータ)を用いて必要な振幅に調節して、
加算し、位相変調器と振幅変調器に導入する。主周波帯
が吸収している場合、正弦信号は振幅変調器内で対称な
吸収側波帯を発生し、位相変調器内では非対称な分散側
波帯を発生する。この事情は上で説明した核磁気信号の
変調の誘導と図3のグラフから理解できる。即ち、対称
および非対称の吸収側波帯と分散側波帯を発生させるこ
とができる。従って、上部および下部側波帯に対して任
意の位相と振幅を形成できる。
【0104】図8には、最後に示した方法によて変調信
号を発生する補償発生器の実施例が示してある。この実
施例は、側波帯を三次まで補償するために使用される。 図示する補償発生器18には、基本周波数ωm,2ωm
 と3ωm を発生させる3個の位相の定まった発振器
21,22と23がある。これ等の基本周波数は導入さ
れた回転周波数ωm から誘導されていて、この周波数
に同期している。これ等の基本周波数ωm,2ωm と
3ωm はそれぞれ信号発生器モジュール31,32と
33に導入される。これ等の3つの信号発生器モジュー
ルの構造は原理的に同じであるから、ただ一個の信号発
生器モジュール31のみ詳細に示す。各信号発生器モジ
ュールには、一個の位相移動器35と4個の調節可能な
減衰器341,342,343 と344 がある。こ
れ等の減衰器は信号に応じてそれぞれ導入される調節信
号S1〜S4に必要な振幅を有する信号 sinωm 
t と cosωm t を発生する。このように振幅
と位相位置に関して設定された信号 sinωm t 
と cosωm t は、それぞれ極性切換器36と3
7に導入される。これ等の切換器は調節信号P1によっ
て調節される切換状態に応じて、対称と非対称の吸収側
波帯と分散側波帯に対する正弦信号と余弦信号を発生さ
せる。最後に、個々の周波数ωm,2ωm,3ωm の
正弦信号と余弦信号は加算器40と41中で加算される
。加算器40と41の各出力信号43と44は位相変調
器および振幅変調器に導入される。電算機中で信号検出
の開始に同期するため、補償発生器に入力された信号ω
m は加算回路42を介して電算機に信号45として導
入される。
【0105】図8に示す装置の上記説明により、連続可
変できる移相器なしで済ませることが明らかである。図
8に示す装置によって、対称および非対称の吸収側波帯
と分散側波帯を発生させることができる。従って、上部
および下部側波帯に任意の位相と振幅を形成できる。側
波帯を3次まで補償するには、三つの正弦関数と対応す
る余弦関数を発生させる3個の固定 90 °移相器が
必要である。更に、変調周波数当たり、4個の調節可能
な減衰器が、つまり全部で 12 個の減衰器と、次い
で減衰器当たり一個の極性切換器が必要である。図8の
回路で実現される第二の方法の利点は、連続可変できる
移相器が不要である点にある。
【0106】もちろん、上記の等式系11により変調信
号の適当な係数を予め指定して周波数発生器中でデジタ
ル式に変調信号を発生させることもできる。
【0107】図6のフローチャートには、Q変調によっ
て生じる側波帯を補償する他の方法が示してある。中間
の列には、図7の光検出器12から送信される試料の回
転に相当するパルス19が示してある。図6に示す方法
は、核磁気信号が多数のパルス励起を加算して生じるこ
とを前提にしている。図6には、図示する二つの核磁気
信号K1とK2のスタート時間が変調信号に対して異な
った位相を有することがはっきりと示してある。第二核
磁気信号を位相変調電圧と比較した時、この核磁気信号
の開始は正確に 180°位相がずれている。両方の核
磁気信号を加算すると、零となる位相変調が生じる。何
故なら、この位相変調は第一および第二核磁気信号の変
調信号を加算して正確に相殺されるからである。
【0108】しかし、図6に基づき説明した方法によっ
て、Q変調によってもたらされる側波帯を周波数成分ω
m で補償することしかできない。Q変調は周波数成分
ωm の外に高次の成分2ωm,3ωm 等も有する場
合、変調電圧に対して同じように異なった位相のずれを
有する筈であるスタート時点で二つ以上の核磁気信号を
加算する必要がある。
【0109】例えば、成分ωm と2ωm を同時に消
去する場合、変調電圧の基本周波数成分に対してそれぞ
れn・ 90 °(n=0,1,2,3)だけ位相をず
らして励起される4つの核磁気信号を加算する必要があ
る。
【0110】より正確には、4つの核磁気信号はQ変調
の基本周波数成分に対してそれぞれ90 °位相をずら
して励起される。即ち、
【0111】
【外34】
【0112】従って、4つの核磁気信号の変調電圧 m
A (t), mB (t), mC (t), mD
 (t) は、
【0113】
【外35】
【0114】
【外36】
【0115】
【外37】
【0116】
【外38】
【0117】によって与えられる。ここで、上記の式に
Δt=π/2ωm が代入される。
【0118】従って、
【0119】
【外39】
【0120】
【外40】
【0121】
【外41】
【0122】
【外42】
【0123】となる。
【0124】4つの元の核磁気信号を加算して生じる核
磁気信号は、4つの個別変調の和
【0125】
【外43】
【0126】から生じる一つの信号によって変調される
【0127】この和は零であるから、この方法によって
実際に変調成分ωmと2ωm の補償ができること示す
【0128】3つの成分、つまりωm,2ωm と3ω
mの消去は、n・ 60 °(n=0,1,2,3,4
,5)だけ位相をずらして励起される6つの核磁気信号
の和を必要とする。
【0129】一般に、Nつの成分を消去するには、それ
ぞれn・360 °(n=0,1,2,・・・2N−1
)の位相ずれを有する2N個の核磁気信号の和を必要と
する。
【0130】最後に述べたQ変調によって誘起される側
波帯を補償する方法の場合、加算する核磁気信号の数が
多くなればなるほど、高くする必要のある回転周波数の
安定度を必要とする。この方法は、B0不均一性および
B1不均一性によって誘起する回転側波帯を補償する場
合、機能を発揮しない。これ等の側波帯では、回転の位
相に無関係である主周波帯に対して一定の位相関係とな
る。図7には、ブッロク回路にして、核磁気共鳴スペク
トルで望ましない側波帯を補償するこの発明による装置
の好適実施例が示してある。図7に詳細に示すことが下
記のことである。即ち、試料10はエヤータービン11
によって静的な磁場B0中で回転する。エヤータービン
11のロータは光検出器12によって出射される光ビー
ムによって試料の回転の周波数と位相を捕捉するために
使用される光学マークを担持している。試料セルは、試
料ヘッド回路網7に接続している送信および受信コイル
によって取り囲まれている。試料ヘッド回路7は、水晶
安定化された基本発振器1によって駆動する周波数処理
装置17から高周波送信信号4を受け取る。この信号は
増幅回路8を介して試料ヘッド回路網に導入される。こ
の試料ヘッド回路網7によって受信される核磁気共鳴信
号は、初段増幅回路8を介して振幅変調器13に導入さ
れる。この振幅変調器によってここに提案する方法の振
幅変調が行われる。このように振幅変調された核磁気信
号は象限検出を有するスーパーヘテロダイン受信器に導
入される。補償発生器18は光検出器12から試料10
の回転運動の周波数と位相に関する信号19を受け取る
。これ等の信号19に応じて、補償発生器18は振幅変
調信号44と位相変調信号43を発生する。これ等の変
調信号はそれぞれ振幅変調器13と位相変調器14に導
入される。位相変調器14は、受信した位相変調信号4
3によって受信器9の核磁気信号の位相を変調して、こ
の信号が象限検出器に導入される。更に、位相変調器1
4は周波数処理装置17内の局部発振器の信号3を受信
する。更に、補償発生器18は回転信号ωm の位相位
置を与える信号45を電算機16に導入する。この電算
機は受信器9によって象限検出によって実数と虚数成分
に分割される核磁気信号を受信する。次いで、電算機1
6は高周波送信パルスのトリガー信号を周波数処理装置
17に供給する。
【0131】補償発生器18が図8に示す装置であると
好ましい。この装置は外部から補償調節用の他の信号を
受け取る。
【0132】もちろん、図7に示す振幅変調器13と位
相変調器14の位置は必然的なものではない。これ等の
変調器は、実際的に受信通路の任意の適当な位置に組み
込める。特に、これ等の変調器は直接受信共振回路に装
備することもできる。例えば、位相変調器を容量ダイオ
ードで実現できる。このダイオードは共振回路を周期的
に離調させるので、位相変調を発生させる。振幅変調器
は動作点を周期的に変えるダイオードで実現できる。従
って、共振回路の周期的な減衰をもたらす。更に、位相
変調器は任意の局部発振器通路でも、受信通路、例えば
振幅変調器13の直ぐ後にでも組み込める。共鳴周波数
とその減衰を変調することによって、位相変調と振幅変
調を直接受信共振回路で発生させることもできる。この
後者の方法は、回転側波帯を発生した直後に補償し、時
間的に安定な補償となる利点を有する。更に、この方法
では、Q変調の場合にのみ、反射測定ブリッジを試料ヘ
ッド回路網を介して受信共振回路に接続することによっ
て、補償のバランスを核磁気信号を用いないでも行える
。調節されたブリッジでは、測定が共振回路の複素イン
ピーダンスの小さいな変動に対して極度に敏感で、Q変
調にも敏感である。従って、Q変調を簡単に零に補償で
きる。どの補償過程の結果も直ちに使用でき、計算で変
換されるべきでないことも判る。
【0133】受信共振回路の共鳴周波数を変調するには
、例えば容量ダイオード、両面に蒸着し、容量作用する
金属層を有する圧電基板、あるいは駆動周波数を試料の
回転から導く機械的に駆動するコンデンサ基板を使用で
きる。圧電セラミックスの基板に組み込んだ短絡導体ル
ープを共振回路の誘導負荷の近くに組み込み、受信共振
回路の共鳴周波数を電磁誘導的に変調することもできる
。受信共振回路の減衰を変調するには、例えばダイオー
ドあるいは電界効果トランジスタを使用できる。これ等
は動作点を変えて可変抵抗として働く。
【0134】今まで説明た変調信号を有利に発生させる
ことの代わりに、電算機16中に記憶した複素時間信号
に複素係数A(t) ・exp (jφ(t))を乗算
して、振幅変調器と位相変調器の機能はスペクトルを演
算処理するためにも使用できる。この場合、A(t) 
は振幅変調関数で、φ(t) は位相変調関数である。 しかし、この補償も試料の回転周波数と回転運動の位相
に関する連続的な情報を必要としている。各核磁気共鳴
スペクトルを測定する場合、必然的にこれ等の量を一緒
に測定し、記憶する必要がある。
【0135】上記計算方法には、電算機内に記憶したた
だ一つの核磁気信号の手による補償過程を実行できると
言う利点がある。どの補償過程でも、スピン系を新たに
励起し、全ての信号を利用するため、核磁気信号が静ま
るまで待つ必要はない。更に、多数の励起からの核磁気
信号を加算し、これによってS/N比を改善し、このよ
うに記憶した雑音の少ない信号に関して計算による補償
方法をより正確に使用することができる。そのため、電
算機がフーリエ変換を非常に高速に実行できる場合、相
殺過程で生じる周波数スペクトルの種々の変化を実用上
同時に見れる。このことは、大きな単純化を意味する。
【0136】Q変調補償の場合でも、この発明によるど
の方法でも、変調信号は周波数が試料の回転周波数に等
しい成分、および試料の回転周波数の整数倍である多数
の成分から合成される。
【0137】核磁気共鳴分光計の試料の回転によって誘
起される側波帯(H0,H1,Q変調の側波帯)の少な
くとも一つのタイプを補償する方法を前提として、この
発明は以下の過程によって構成されている。
【0138】−試料回転の回転周波数(ωm )と位相
を検出する −検出した核磁気信号の振幅と位相を変調する。その場
合、変調信号を周波数が試料の回転周波数(ωm )と
その整数倍である成分である多数の成分から合成される
、その場合、 −Q変調補償の場合では、変調成分は試料の回転に位相
を同じにして同期し、そして、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合、一方で変調成分
が試料回転に位相を合わせて同期し、他方で送信パルス
のスタートあるいは核磁気信号を励起するパルスシーケ
ンスが変調成分に位相を合わせて同期し、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合であって、核磁気
信号が多数のパルス励起から加算されている場合、一方
で変調成分と試料回転の間の位相関係が種々の検出期間
で異なるが、単一の各検出期間では一定であり、そして
、他方、送信パルスあるいは核磁気信号を励起するパル
スシーケンスのスタート時点と変調成分が、全ての励起
期間にわたって任意であるが、一定の位相関係にある。
【0139】これ等の過程は、一方で個々の送信パルス
によって、あるいは励起された個々のパルスシーケンス
により核磁気信号を検出する場合、どのように生じるの
かを与える。従って、H0 とH1 の側波帯成分の場
合、変調成分の周波数のみが試料の回転周波数に常時一
致するか、あるいはこの回転周波数の整数倍である。こ
れに反して、個々の検出周期間の位相位置は異なる。特
許請求の範囲の第2項と第6項以外の独立した方法の利
点は、検出期間が異なる場合、変調成分と試料回転の間
の位相関係が異なり、このため、必要であれば、信号を
加算する場合に生じる系統誤差を抑制することが容易に
なるので、付加的な自由度が得られる点にある。
【0140】
【発明の効果】上に説明したように、この発明による方
法およびこの方法を実行する装置を用いて得られる利点
は、従来の技術で提唱されている装置上の処置によって
、試料回転による回転側波帯の強度から、核磁気共鳴ス
ペクトルで望ましくない側波帯を更に低減する補償方法
とその装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】核磁気スペクトル線の付属回転側波帯B,B′
およびC,C′を有する主周波帯Aの典型的な波形図で
、(a)一般的な形状;(b)B0不均一性による場合
の成分を示す;(c)B1不均一性による場合の成分を
示す。(d)Q変調による側波帯成分。
【図2】受信共振回路の離調Δωによって生じる核磁気
信号Kの振幅変調AM(a)と位相変調φM (b)を
示す波形図。
【図3】核磁気信号の振幅変調と位相変調の周波数スペ
クトルに対する影響を示すグラフ。
【図4】振幅変調と位相変調用の信号を発生させる第一
の方法を示すグラフ。
【図5】振幅変調と位相変調用の信号を発生させる第二
の方法を示すグラフ。
【図6】Q変調の基本周波数を補償することを説明する
グラフ。
【図7】回転側波帯を補償する回路装置の実施例を示す
ブロック回路図。
【図8】図7に示す補償発生器の実施方式を示すブロッ
ク回路図。
【符号の説明】
ω0     受信共振回路の共振周波数ωm    
 試料回転の周波数 ωs     中間周波数への混合による低周波数y1
     受信共振回路から供給されている核磁気信号
y2     変調された核磁気信号 7      試料ヘッド回路網 8      前段増幅器 9      受信器 10    試料 12    光受信器 13    振幅変調器 14    位相変調器 16    電算機 17    周波数処理装置 18    補償電圧発生器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  核磁気共鳴分光計の試料の回転によっ
    て誘起する少なくとも一種の側波帯(H0,H1,Q変
    調側波帯)を補償する方法において、以下の過程、−試
    料回転の回転周波数(ωm )と位相を検出する−検出
    した核磁気信号の振幅と位相を変調する。その場合、変
    調信号は周波数が試料の回転周波数(ωm )と同じ、
    および整数倍である多数の成分から合成され、その場合
    、 −Q変調補償の場合では、変調成分は試料の回転に位相
    を同じにして同期し、そして、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合、一方で変調成分
    が試料回転に位相を合わせて同期し、他方で送信パルス
    のスタートあるいは核磁気信号を励起するパルスシーケ
    ンスが変調成分に位相を合わせて同期し、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合であって、核磁気
    信号が多数のパルス励起から加算されている場合、一方
    で変調成分と試料回転の間の位相関係が種々の検出期間
    で異なるが、単一の各検出期間では一定であり、そして
    、他方、送信パルスあるいは核磁気信号を励起するパル
    スシーケンスのスタート時点と変調成分が、全ての励起
    期間にわたって一定の位相関係にある、ことを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】  核磁気共鳴分光計の試料の回転によっ
    て誘起する少なくとも一種の側波帯(H0,H1,Q変
    調側波帯)を補償する方法において、以下の過程、−試
    料回転の回転周波数(ωm )と位相を検出する−検出
    した核磁気信号の振幅と位相を変調する。その場合、変
    調信号が核磁気周波数スペクトルから検出された位相位
    置と生じた各回転側波帯の強度とに応じて、多数の成分
    から合成され、その場合、 −Q変調補償の場合では、変調成分は試料の回転に位相
    を同じにして同期し、そして、 −H0 とH1 の側波帯成分の場合、諸変調成分の周
    波数がそれぞれ試料の回転周波数(ωm )とその整数
    倍に等しいく、これ等の成分の位相がそれぞれ試料回転
    周波数の位相に対して一定比率にあり、核磁気信号を励
    起する送信パルスあるいはパルスシーケンスのスタート
    が変調信号に位相同期している、ことを特徴とする方法
  3. 【請求項3】  変調過程に対して、個々の周波数成分
    の振幅と位相は独立に設定され、このように設定された
    周波数成分は加算され、振幅変調と位相変調に導入され
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】  変調過程で試料の回転周波数(ωm 
    )の整数倍に等しい周波数(ωm,2ωm,3ωm )
    を有する多数の正弦信号と余弦信号を予め発生させ、こ
    れ等の信号の振幅を補償に必要な振幅にそれぞれ調節し
    、このように発生させた正弦信号と余弦信号を加算し、
    振幅および位相変調に導入することを特徴とする請求項
    1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】  変調信号はデジタル周波数発生器中で
    対応する係数を与えて発生することを特徴とする請求項
    3または4に記載の方法。
  6. 【請求項6】  パルス化された核磁気共鳴分光計で、
    試料の理想的でない回転運動によって誘起されるQ変調
    による側波帯を補償する方法において、以下の過程、−
    試料回転の回転周波数(ωm )と位相を検出する、−
    望ましくない側波帯成分の数(N)と補償すべき周波数
    (ωm,2ωm,3ωm ・・・)を検出する、および
    、−それぞれ一定の位相角(Δφ)ほど互いに位相がず
    れ、多数のパルス励起から生じる核磁気信号を加算し、
    その場合、N個の側波帯成分を消去するため、それぞれ
    位相が、 【外1】 ずれた2N個の核磁気信号の和が必要である、ことを特
    徴とする方法。
  7. 【請求項7】  核磁気スペクトルを発生させた後、こ
    のスペクトルを処理するため、請求項1〜6の一つまた
    はそれ以上の項の方法を使用する場合、電算機で、振幅
    および位相変調がそのスペクトルに相当する複素時間信
    号に複素係数A(t)exp(jφ(t))を乗算して
    行われ、ここでA(t) が振幅変調の時間関数であり
    、φ(t) が位相変調の時間関数であることを特徴と
    する使用方法。
  8. 【請求項8】  下記要素、 −直流磁界(B0 )中で回転する試料(10)を取り
    囲むように配設され、試料ヘッド(7)によって高周波
    信号を受信し、この信号を試料に放射し、しかもそれに
    よって試料から放出された核磁気信号を受信し、試料ヘ
    ッドに伝送する一個の送信および受信コイル(6)と、
    −試料ヘッド(7)に導入すべき高周波信号を発生し、
    試料ヘッド(7)によって受信された核磁気信号からス
    ペストルを発生する信号発生および評価装置(5,8,
    9,16,17)と、を備え、核磁気共鳴分光計の試料
    の回転によって誘起される、少なくとも1種の側波帯(
    H0,H1,Q変調側波帯)を補償する装置において、
    −試料(10)の回転運動の周波数(ωm )と位相を
    検出する検出装置(12)と、 −検出した試料(10)の回転運動の周波数(ωm )
    と位相に対応する検出装置(12)の信号を受信して、
    これ等の信号に応じて、試料(10)から出力され、試
    料ヘッドで検出された核磁気信号の振幅と位相を変調す
    るための振幅および位相変調信号を発生させ、その場合
    、補償電圧発生器(18)が位相および振幅設定手段(
    21,31;22,32;23,33)を保有し、これ
    等の手段が核磁気共鳴周波数スペクトルから検出された
    発生した回転側波帯の位相位置と強度に応じて、導入さ
    れる設定信号に依存して、多数の成分から構成して変調
    信号を発生させる、補償電圧発生器(18)と、を備え
    、その場合、 −検出した核磁気信号を補償電圧発生器(18)によっ
    て発生させた変調信号で振幅変調し、 −検出した核磁気信号を補償電圧発生器(18)によっ
    て発生させた変調信号で位相変調し、その場合、−Q変
    調補償の場合には、変調信号を位相を一定にして試料回
    転に同期させ、 −H0 とH1 側波帯を補償する場合には、変調成分
    の周波数が試料回転周波数(ωm )に等しいおよびそ
    の整数倍であり、これ等の成分の位相がそれぞれ試料回
    転の位相に一定の比率であり、核磁気信号を励起する送
    信パルスまたはパルスシーケンスの開始が変調信号に同
    期している、ことを特徴とする装置。
  9. 【請求項9】  補償電圧発生器(18)は、位相およ
    び振幅調節手段として、 −補償すべき各側波帯の対に対してそれぞれ二つの連続
    的で分離した調節可能な移相器と、 −位相変調と振幅変調に導入すべき信号の位相と振幅を
    別々に調節する独立した二つの可変減衰回路と、を保有
    することを特徴とする請求項8に記載の装置。
  10. 【請求項10】  補償電圧発生器(18)は、位相お
    よび振幅調節手段として、 −どの発振器モジュールも各正弦および余弦信号の必要
    な振幅を調節するため連続的に可変できる減衰回路(3
    41,342,343,344 )と、正弦信号から余
    弦信号を導く一定の 90 °移相器(35)と、各減
    衰回路に対して一個の極性切換開閉器(36,37)と
    を保有し、補償すべき側波帯の対の各々に対して、試料
    の単一回転周波数(ωm )を含めた整数倍に等しい周
    波数を有する正弦および余弦信号を発生させるそれぞれ
    一個の発振器モジュール(21,31;22,32;2
    3,33)と、そして、 −加算回路の出力信号がそれぞれ振幅および位相  変
    調器に導入され、極性切換開閉器によって与えられる正
    弦および余弦信号の各々を加算する加算回路(40,4
    2)と、を保有することを特徴とする請求項8に記載の
    装置。
  11. 【請求項11】  補償電圧発生器(18)は変調信号
    を適当な係数を指定して発生させるデジタル周波数発生
    器として構成されていることを特徴とする請求項8に記
    載の装置。
  12. 【請求項12】  位相および振幅変調は、受信共振回
    路の共鳴周波数を、例えば容量ダイオードで、及び/又
    はその減衰を、例えばダイオードによって変調して、受
    信共振回路中で行われることを特徴とする請求項8〜1
    1の何れか1項に記載の装置。
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