JPH04231163A - バイマテリアル部品の成形による製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、バイマテリアル部品の成形によ
る製造方法に関する。

【０００２】更に詳しくは、本発明は、アルミニウム合
金のコアが他のアルミニウム合金のマトリックスにイン
サートされている部品に関する。

【０００３】この特定の構造物は、例えば、特性を部分
的に修正するためにシリンダーヘッドのような自動車部
品を製作するために、また成形によって得られる航空部
品にチャネルを組み込むために使用される。

【０００４】上記部品はその使用の際に局部的に特定の
歪み、特に熱性歪みを受けること、作動に対する好まし
くない影響を避けるために、これらの歪みに対して基礎
材料よりも優れた応答性を有するインサート物を上記部
品に組み込むことが一般に行われていることは実際知ら
れている。

【０００５】しかしながら、これらのバイマテリアル部
品の製造では、特にインサート物とマトリックスの間の
接続に問題があることが判明している。

【０００６】実際に、部品の構成要素間の接着性は常に
適当なわけではなく、従って（例えば熱伝導度のような
）機械的又は物理的な性質は不十分である。また、成形
はインサート物を配した型に溶融状態の金属を充填する
ことによって実施されるので、インサート物を形成する
金属が成形金属の溶融温度より低いか又はその付近の溶
融温度を有する場合にはインサート物の変形が生じ、イ
ンサート物が正しく位置決めされない。

【０００７】本発明者は、バイマテリアル部品の提供に
興味を持ち、そのような部品を製造する際に起る問題の
解決方法を探究し、解決方法を知見した。この解決方法
が、本発明の主題をなすものである。

【０００８】本発明は、アルミニウム合金のコアが他の
アルミニウム合金のマトリックスにインサートされてな
るバイマテリアル部品を成形により製造する方法に関し
、この方法はコア表面に存在するアルミナの天然被膜を
除去し、その直後に、コアを、周囲温度〜１０００°Ｋ
　で酸素１モルに対して−５００ＫＪ　以上の遊離の酸
化物形成エネルギーを有し、コア及びマトリックスの溶
融温度より高い溶融温度を有し、液状アルミニウムに可
溶性であり且つアルミニウムと共晶を形成する金属のガ
ス不透過性フィルムで被覆し、被覆したコアを、少なく
とも３０％のコアが表面的に再溶融する温度で溶融状態
にあるマトリックスの合金を充填した型に配することを
特徴とする。

【０００９】このように、本発明の第１の特徴は、コア
を形成する合金の表面に必然的に存在するアルミナの天
然被膜を除去することにある。これは塩基又は酸ピクリ
ングによって達成される。この操作により、部品要素間
を治金学的に結合するための大きな障害が除去され得る
。この操作は、アルミナの新たな被膜が形成されるのを
避けるために次の工程を実施する直前に実施すべきであ
る。

【００１０】本発明の第２の特徴は、経時的な酸化を避
けるためにガス不透過性フィルムでコアを被覆すること
である。このフィルムは、酸化に対して十分な耐性を有
するために、周囲温度〜１０００°Ｋ　で−５００ＫＪ
　／酸素１モル以上の遊離の酸化物形成エネルギーを有
する金属からなっている。この金属は、鋳込みの際にコ
アとマトリックスの間に治金学的連続性を得るためにア
ルミニウムに可溶性でなければならない。また、金属は
、溶解するまでインサート物を酸化から確実に保護する
ためにコア及びマトリックスの溶融温度より高い溶融温
度を有するべきである。このフィルムの目的は、インサ
ート物の表面に常に存在してマトリックスとの結合の障
害となるアルミナ被膜を液体アルミニウム合金に対して
大きな親和力を有する金属被覆で置き換えることにある
。

【００１１】本発明の第３の特徴は、被覆したコアを型
に配し、鋳込み操作の際に熱的バランスで少なくとも３
０％までコアの表面が再溶融するような温度で溶融状態
にあるマトリックスの合金を型に充填することにある。

【００１２】これらの特徴の組合せにより、所望する治
金学的連続性が得られ、９０〜　１００％の結合水準を
達成できる。

【００１３】しかしながら、これらの条件下でも、イン
サート物を形成する金属が成形金属の温度より低いか又
は近い温度を有する場合には、インサート物の変形を防
ぐことができず、インサート物を正しく位置決めできな
い。この場合には、本発明でも耐火物の分散物を含むコ
アを使用する。

【００１４】これらの耐火物は、マトリックスの鋳込中
インサート物を完全な形で保持する１種の骨格を形成す
る働きを有する。実際にインサート物は部分的に再溶融
されるが、骨格は耐火性材料、即ち鋳込み条件下で溶融
しない材料から構成されているので、インサート物はも
との形を保持し得る。更に、骨格がアルミニウム合金中
に存在していると、文献に数多く記載されている機械的
性質及び寸法安定性の改良という利点が得られる。

【００１５】この骨格は繊維状又は粒子状の耐火性セラ
ミック材料からなっていてもよく、通常アルミニウム合
金及び好ましくはアルミナと共に使用される。好ましく
は、その形態は、予備成形品が製造されるようにインサ
ートに類似している。骨格はコアとして使用される合金
に対して５〜６０容量％含む。それより少ない割合には
予備成形品を製造するのが困難となり、より多い割合に
は繊維を一般的な予備成形品の製造方法によって圧縮で
きない。

【００１６】１０〜４０容量％のときに最良の結果が得
られる。

【００１７】本発明で使用される合金は、コアの３０％
が部分的に溶融する温度でマトリックスの合金が全体的
に液体であるように組合される。好ましくは、アルミニ
ウム協会（Ａｌｕｍｉｎｉｕｍ　Ａｓｓｏｃｉａｔｉｏ
ｎ）　の基準で　２００シリーズの合金がコアとして使
用され、３００　及び６０００シリーズの合金がマトリ
ックスとして使用される。例えば、合金２０４．２　（
Ａ−Ｕ５ＧＴとも呼称され、主に銅４．２　〜　４．９
重量％、マグネシウム０．２　〜０．３５重量％、チタ
ン０．１５〜０．２５重量％を含有するアルミニウム合
金）がコアとして適当であり、Ｆｒｅｎｃｈ　ＡＦＮＯ
Ｒ基準で合金Ｂ３８０　（Ａ−Ｓ９Ｕ３とも呼称され、
ケイ素約９％、銅約３％を含有するアルミニウム合金）
、ＡＦＮＯＲ基準でＡ−Ｓ７Ｇに相当する合金Ａ３５６
　及びＡ３５７　（ケイ約７重量％、マグネシウム約　
０．３％又は　０．７％を含有するアルミニウム合金）
、或いは合金６０６１がマトリックスとして適当である
。

【００１８】成形は通常、砂型又は金型を用いて低圧下
又は加圧下重力により実施するか、ロストワックス法を
用いて実施する。

【００１９】フィルムを製造するのに最も適した金属と
して好ましくはニッケル、コバルト、銀又は金である。

【００２０】十分気密性とするために、フィルムの厚さ
は好ましくは０．５　〜５μｍ　である。しかしながら
１〜２μｍ　の範囲の厚さでも良好な結果が得られる。 ５μｍ　を超えると、あまり厚すぎ、マトリックスへの
フィルムの溶解が非常にゆっくりになる。

【００２１】ニッケルの場合、金属被覆を得る最良の方
法は酸化物被膜を除去するために脱脂（ｓｃｏｕｒｉｎ
ｇ）及びピクリングを行った後化学的に析出させること
からなることが判明している。

【００２２】これらの条件下、被覆は腐蝕に対して良好
に作用する。被覆は処理される部品の形にかかわらず均
一に析出し得る被覆力を有し、金属基板によく接着し、
熱処理によって更に改良され得る。

【００２３】更に、被覆は表面上又は表面付近の繊維に
も完全によく接着する。

【００２４】本発明を更に説明するために、それぞれ公
知技術及び本発明によって得られる部品の顕微鏡写真を
添付した図１及び２に示す。これらの部品は、長さ数１
０μのアルミナ繊維（商標名　　ＳＡＦＦＩＬ）２０容
量％で強化された合金Ａ２０４．２　（Ａ−Ｕ５ＧＴ）
のインサート物、及び合金Ｂ３８０　（Ａ−Ｓ９Ｕ３）
のマトリックスから製造された。図２に示した部品のイ
ンサート物は、マトリックスの成形前に厚さ　２μｍ　
のニッケルフィルムで被覆した。

【００２５】図１の顕微鏡写真は曲線１によって表わさ
れるようにインサート物とマトリックスの間が不連続で
あることを示し、図２の顕微鏡写真においてはインサー
ト物とマトリックスの間の結合は完全である。

【００２６】本発明は、特に、ターボージーゼルエンジ
ンのシリンダーヘッド上に内部バルブの接続片（ｂｒｉ
ｄｇｉｎｇ　ｐｉｅｃｅ）を製造するために、及び航空
用成形部品に複雑な形状のダクトをインサートするため
に適用される。

【図面の簡単な説明】

【図１】公知技術による部品の金属組織を示す顕微鏡写
真である。

【図２】本発明による部品の金属組織を示す顕微鏡写真
である。

Claims (16)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　アルミニウム合金のコアが他のアルミ
   ニウム合金のマトリックスにインサートされているバイ
   マテリアル部品を成形により製造する方法であって、コ
   アの表面に存在するアルミナの天然被膜を除去し、その
   直後に、コアを、周囲温度〜１０００°Ｋ　で−５００
   ＫＪ　／酸素１モル以上の遊離の酸化物形成エネルギー
   を有し、コア及びマトリックスの溶融温度より高い溶融
   温度を有し、液状アルミニウムに可溶性であり且つアル
   ミニウムと共晶を形成する金属のガス不透過性フィルム
   で被覆し、被覆したコアを少なくとも３０％のコアが表
   面的に再溶融する温度で溶融状態にあるマトリックスの
   合金を充填した型に配することを特徴とする前記方法。
2. 【請求項２】　　耐火性骨格を含むコアを使用すること
   を特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 【請求項３】　　マトリックスとして使用される合金が
   アルミニウム協会の基準で３００　及び６０００シリー
   ズに属することを特徴とする請求項１に記載の方法。
4. 【請求項４】　　合金がＡ３５１　、Ａ３５６　、Ｂ３
   ８０　及びＡＡ６０６１からなる群に属することを特徴
   とする請求項３に記載の方法。
5. 【請求項５】　　コアとして使用される合金がアルミニ
   ウム協会の基準で２００シリーズに属することを特徴と
   する請求項１に記載の方法。
6. 【請求項６】　　合金がＡ２０４．２　であることを特
   徴とする請求項５に記載の方法。
7. 【請求項７】　　耐火性繊維製品がアルミナを主成分と
   することを特徴とする請求項１に記載の方法。
8. 【請求項８】　　コア中の繊維の割合が５〜６０容量％
   であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
9. 【請求項９】　　繊維の割合が１０〜４０容量％である
   ことを特徴とする請求項８に記載の方法。
10. 【請求項１０】　　フィルムを形成する金属がニッケル
    であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
11. 【請求項１１】　　フィルムを形成する金属がコバルト
    であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
12. 【請求項１２】　　フィルムを形成する金属が銀である
    ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
13. 【請求項１３】　　フィルムを形成する金属が金である
    ことを特徴とする請求項１に記載の方法。
14. 【請求項１４】　　フィルムが厚さ　０．５μｍ　〜５
    μｍ　を有することを特徴とする請求項１に記載の方法
    。
15. 【請求項１５】　　フィルムが厚さ１μｍ　〜２μｍ　
    を有することを特徴とする請求項１３に記載の方法。
16. 【請求項１６】　　ニッケルフィルムを化学的な方法で
    形成することを特徴とする請求項１に記載の方法。