JPH0422938B2 - - Google Patents

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JPH0422938B2
JPH0422938B2 JP17550886A JP17550886A JPH0422938B2 JP H0422938 B2 JPH0422938 B2 JP H0422938B2 JP 17550886 A JP17550886 A JP 17550886A JP 17550886 A JP17550886 A JP 17550886A JP H0422938 B2 JPH0422938 B2 JP H0422938B2
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JP
Japan
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thermoplastic resin
rubber
latex
graft
polymer
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JP17550886A
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English (en)
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JPS6333460A (ja
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Teruhiko Sugimori
Takayuki Tajiri
Fumio Suzuki
Hideaki Habara
Jutaro Fukuda
Harumoto Sato
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP86117933A priority patent/EP0227098B1/en
Priority to DE3689258T priority patent/DE3689258T2/de
Priority to AU66948/86A priority patent/AU600459B2/en
Priority to CA000526195A priority patent/CA1291283C/en
Priority to US06/946,058 priority patent/US4880877A/en
Publication of JPS6333460A publication Critical patent/JPS6333460A/ja
Priority to US07/394,720 priority patent/US4992510A/en
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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビニル系単量体をグラフト重合して
なるグラフトゴム重合体と熱可塑性樹脂とを混合
してゴム変性熱可塑性樹脂を製造する方法に関
し、より詳しくは、グラフトゴム重合体ラテツク
スの凝析物と熱可塑性樹脂とを特定の有機薬剤の
存在下で混合することにより、グラフトゴム粒子
の分散性に優れたゴム変性熱可塑性樹脂を少ない
熱使用量で効率良く製造する方法に関する。 〔従来の技術〕 ABS樹脂に代表されるゴム変性熱可塑性樹脂
の殆どは、ゴムラテツクスに対してビニル系単量
体をグラフト重合して得られる重合体と熱可塑性
樹脂とを混合、混練して得られる樹脂である。そ
の製造工程は、乳化グラフト重合工程、凝固工
程、脱水乾燥工程、ブレンド工程および溶融押出
工程より構成されるのが一般的である。乳化グラ
フト重合工程は、ジエン系ゴムラテツクス、ビニ
ル系ゴムラテツクス、天然ゴムラテツクス、シリ
コン系ゴムラテツクス等に、アクリル系単量体、
シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル単量体等
を乳化グラフト重合させてグラフト重合体ラテツ
クスを製造する工程である。凝固工程は、グラフ
ト重合体ラテツクスに多価塩、酸等の凝固剤を加
えて乳化状態を破壊し、重合体を凝析させて粉体
とする工程である。脱水、乾燥工程は、粉体とな
つた重合体と水の混合物より、遠心脱水法等の手
段により水相を分離し、さらに流動乾燥法等の手
段により粉体を乾燥して乾粉を得る工程である。
ブレンド工程は、前記乾粉と他の熱可塑性樹脂お
よび安定剤、滑剤、可塑剤等の添加剤をブレンド
する工程であり、溶融押出工程はブレンドされた
原料をスクリユー押出機等の装置により溶融、混
練してストランド状に押出し、ペレツト状に賦形
する工程である。 以上の各工程を経て製造されるゴム変性熱可塑
性樹脂の製造上および品質上の問題点としては、
第一に使用熱量が多大であることが挙げられる。
これは乾燥工程において大量の熱風を使用するこ
とに起因する。第二の問題点は、凝固工程におい
てグラフトゴム粒子を完全に固着させることに起
因して、ブレンド後の溶融、混練操作で固着した
グラフトゴム粒子を熱可塑性樹脂中へ分散させる
のに多大の動力を必要とすることである。最悪の
場合には、グラフトゴム粒子を熱可塑性樹脂中へ
一様に分散させることが工業的に不可能となる。 ゴム変性熱可塑性樹脂を製造する際の、工業的
競争力の低下につながるかかる問題を包含する旧
来の製造法を改良するため、幾つかの提案が知ら
れており、そのうちの一部は工業的に実施されて
いる。その一つは乾燥工程における熱使用量を削
減するもので、一般に脱水押出機と呼称される脱
水機能を有するスクリユー式押出機を利用したも
のである。この方法は、凝固、脱水後のグラフト
ゴム湿粉と他の熱可塑性樹脂および添加剤とをブ
レンドした後、あるいはグラフトゴム湿粉を単独
で脱水押出機に供給する第一の方式と、グラフト
ゴムラテツクスと凝固剤を場合によつては他の熱
可塑性樹脂や添加剤と共に前記脱水押出機に供給
する第二の方式とに大別される。 かかる方法では大量の熱風を使用する乾燥工程
が無いため、使用熱量削減の観点からは効果は大
きいが、熱可塑性樹脂中へグラフトゴム粒子を一
様に分散させる観点からは旧来の技術と同じレベ
ルにある。すなわち、第一の方式ではグラフトゴ
ム粒子が完全に固着した状態で処理を行なつてい
るため、粒子の分散の観点からは旧来技術と同等
である。また、第二の方式では処理装置内におい
て、まずラテツクスと凝固剤が混合された後、
100℃程度あるいはそれ以下の温度範囲で脱水が
行なわれ、通常この時点でグラフトゴム粒子は互
いに固着した状態になる。しかる後に温度の上昇
に伴い、熱可塑性樹脂と互いに溶融し合い、混練
操作を受けるため、第一の方式とは供給される原
料の状態が異なるだけで、粒子の分散の観点から
は、旧来技術の域を出るものではない。 他の方法として、グラフトゴム重合体のラテツ
クス、凝固剤および単量体を混合して、有機相と
水相で構成される二相混合物とした後、水相を分
離し、有機相に含まれる単量体を重合させる方法
および前記二相混合物のまま水相を分離すること
なく単量体を重合させた後、水相を分離し、重合
体を乾燥する方法が提案されている。これらの方
法はグラフトゴム粒子が完全に固着しあう過程を
有していないので前述の脱水押出機を用いる方法
に比較すると粒子の分散という意味では非常に特
徴的である。しかしながら、前者の方法では餅状
となつたグラフト重合体および単量体から成る高
粘性混合物を暴走反応を起させることなく重合さ
せる必要があり、装置面、操作面に困難があるた
め必ずしも優れた手法とは言い難い。しかもゴム
変性熱可塑性樹脂においては、ゴム成分の含有量
が樹脂の基本的物性に多大の影響をおよぼす理由
から、通常の塊状重合法で行なわれるように重合
率変動の大きい低重合率で重合を終了し、残存す
る単量体を脱揮する手法は使えず、操作上重合率
の変動が小さくなる高重合率に至るまで反応を進
行させる必要があるため、反応物は一般の塊状重
合系と比較しても高粘性且つ高温となつて、その
取扱いは非常に難しいものとなる。また、後者の
方法は、懸濁重合法によつて単量体を重合させる
手法であつて、系の粘度が小さく反応熱の除去も
容易である反面、脱水、乾燥工程を必要とする問
題点が残されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ゴム変性熱可塑性樹脂の製造方法についてはこ
のように多くの提案がなされているが、該樹脂の
基本的物性の発現に不可欠であるグラフトゴム粒
子の一様な分散と使用熱量の削減とを同時に解決
し、高品質で且つ競争力ある該樹脂の製造方法が
完成されるまでには至つていないのが現状であ
る。 本発明者らはかかる現状に鑑み、熱可塑性樹脂
中におけるグラフトゴム粒子の一様な分散を可能
にし、しかも省エネルギーであるゴム変性熱可塑
性樹脂の製造方法として、特願昭60−110989号の
方法を提案し、従来法の問題点の解決をはかつ
た。本発明者らは、さらに検討を続けた結果、前
記提案の持つ利点を失うことなく、使用有機薬剤
量を減少させ、有機薬剤を除去するに必要な熱量
を減少させるとともに、使用装置の生産性を向上
し得る手法を見出し本発明を完成するに至つた。 〔問題点を解決するための手段〕 すなわち本発明のゴム変性熱可塑性樹脂の製造
方法は、ゴムラテツクスにビニル系単量体を乳化
グラフト重合してなるグラフトゴム重合体(1)、有
機薬剤(B)に可溶な熱可塑性樹脂(2)、および有機薬
剤(B)に可溶でなくともよい熱可塑性樹脂(3)からな
るゴム変性熱可塑性樹脂を製造するに際し、 () 下記(A)、(B)および(C)を混合する工程 (A) グラフトゴム重合体(1)のラテツクス、 (B) グラフトゴム重合体(1)と熱可塑性樹脂(2)と
を合わせた重合体(4)に対して10〜600重量%
の、熱可塑性樹脂(2)を溶解し得る能力を有
し、かつ水に対する溶解度が、(A)、(B)および
(C)を混合する温度において5重量%以下であ
る有機薬剤、 (C) グラフトゴム重合体(1)に対して10重量%以
下の、ラテツクス(A)を凝析し得る水溶性薬
剤、 () 工程()で得られた二相混合物から水相
を分離除去する工程、 () 工程()で水相を分離除去した混合物と
熱可塑性樹脂(2)とを均一に混合し混練する工
程、 () 工程()で得られた混合物に熱可塑性樹
脂(3)の一部を添加する工程、 () 工程()で得られた混合物から、有機薬
剤(B)および該混合物中に残存する水分を熱的な
手段により除去する工程、および () 熱可塑性樹脂(3)の残部を混合する工程、 を順次実施することを特徴とする。 また、本発明の製造方法においては、上記標準
方法に代え、熱可塑性樹脂(3)の一部を添加する工
程()を省略して、熱可塑性樹脂(3)の全てを工
程()で混合してもよい。 更に、本発明の製造方法においては、上記標準
方法に代え、熱可塑性樹脂(2)を全く使用せずに工
程()を省略してもよい。 更に、本発明の製造方法においては、上記標準
方法に代え、熱可塑性樹脂(2)を全く使用せずに工
程()を省略するとともに、熱可塑性樹脂(3)の
一部を添加する工程()を省略して、熱可塑性
樹脂(3)の全てを工程()で混合してもよい。 本発明で用いるゴムラテツクスは、目的とする
ゴム変性熱可塑性樹脂の使用温度範囲においてゴ
ム弾性を有する重合体のラテツクスであれば何ら
制限されることなく各種のものが使用でき、例え
ばポリブタジエン、ポリイソプレン、SBR等の
ジエン系ゴムのラテツクス;エチレン−プロピレ
ンゴム、エチレン−酢酸ビニルゴム等のオレフイ
ン系ゴムのラテツクス;ポリエチルメタクリレー
ト、ポリエチルアクリレート、ポリブチルメタク
リレート、ポリブチルアクリレート等のアクリル
系ゴムのラテツクス;ポリジメチルシロキサン等
のシリコン系ゴムのラテツクス等が挙げられる。
これらのゴムラテツクスは単独で使用してもよい
し、二種以上を併用してもよい。 このようなゴムラテツクスに含まれるゴム粒子
を、従来の方法で熱可塑性樹脂へ一様に分散させ
るのは極めて困難であり、また仮りにそれが可能
であつてもゴムと熱可塑性樹脂の相溶性が悪い等
の原因で満足な物性を発現するには至らなかつ
た。そこで相溶性を向上し、ゴム粒子の一様な分
散を可能にし、優れた物性を発現させる手段とし
てグラフト重合が行なわれる。このグラフト重合
において使用される単量体は、重合方式が乳化ラ
ジカル重合である点からビニル系単量体が使用さ
れ、ブレンドされる熱可塑性樹脂との相溶性、接
着性等の観点から最適のものが選ばれるのが一般
的である。本発明においてもこの事情は変らな
い。従つて本発明において使用する、ゴムにグラ
フト重合させるビニル系単量体は、従来より用い
られてきたアクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル系単量体、スチレン、アル
フアメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体、
メチルメタクリレート、フエニルメタクリレート
等のメタクリレート、メチルクロロアクリレー
ト、2−クロロエチルメタクリレート等のハロゲ
ン化ビニル系単量体および他のラジカル重合可能
な単量体である。 本発明で用いる熱可塑性樹脂(2)としては、後述
する有機薬剤(B)に可溶なものが全て使用できる。
アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロ
ニトリル−α−メチルスチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−α−メチルスチレン−N−フエニル
マレイミド共重合体、ポリスチレン、ポリメチル
メタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスルホン、ポリエチレンテレフタレー
ト等がその代表的例である。 一方、熱可塑性樹脂(3)は、熱可塑性樹脂(2)のよ
うに有機薬剤(B)に可溶である必要はないが、具体
的には上記熱可塑性樹脂(2)で例示した樹脂と同様
なものが挙げられる。熱可塑性樹脂(2)と熱可塑性
樹脂(3)とは同一のものであつても良いし、異なる
ものであつても良い。 本発明で使用可能な有機薬剤(B)は、グラフトゴ
ム重合体(1)のラテツクス(A)(以下、ラテツクス(A)
と略称する)、有機薬剤(B)および水溶性薬剤(C)を
混合する温度(D)の水に対する溶解度が5重量%以
下、好ましくは2重量%以下の有機薬剤であり、
かつ熱可塑性樹脂(2)を溶解することのできる有機
薬剤である。この有機薬剤は、グラフトゴム重合
体(1)と熱可塑性樹脂(2)とを合計した重合体(4)に対
して、10〜600重量%、好ましくは20〜200重量%
の範囲で使用される。この場合、有機薬剤(B)の水
への溶解度が温度(D)において、5重量%以上であ
れば、工程()で二相分離する際に水相が白濁
する現象が生じる。一方、有機薬剤の使用量がラ
テツクス(A)中に含まれるグラフトゴム重合体(1)お
よび熱可塑性樹脂(2)とを合計した重合体(4)に対し
て10重量%未満であれば本発明の効果が発現せ
ず、逆に有機薬剤(B)を600重量%を超えて使用す
れば、該有機薬剤の分離の多くの熱量を必要とす
ることになり、工業的見地から好ましくない。 本発明で使用可能な有機薬剤(B)の具体例として
は、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、p−シ
メン、テトラリン、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、トリクレン、クロルベンゼン、
エピクロルヒドリン、メチル−n−プロピルケト
ン、アセトフエノン、酢酸−n−プロピル、酢酸
−n−ブチル、1−ニトロプロパン等の非重合性
有機薬剤およびスチレン、メタクリル酸メチル、
α−メチルスチレン等の重合性有機薬剤が挙げら
れるが、これらに制限されるものではなく、前記
条件を満たすものであれば、単独でまたは二種以
上を混合して使用できる。 本発明において使用可能な凝固性能を有する水
溶性薬剤(C)は、使用するラテツクス(A)を凝析する
能力を有する水溶性物質であれば如何なる物質で
あつてもよく、製造する樹脂の品質低下を招かな
い見地から前記グラフトゴム重合体(1)に対して10
重量%以下、好ましくは5重量%以下、さらに好
ましくは3重量%以下の範囲で使用される。な
お、水溶性薬剤は一般に0.2重量%以上使用する。
水溶性薬剤(C)の具体例としては、例えば硫酸アル
ミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カ
ルシウム等の多価塩類、硫酸、塩酸、硝酸等の無
機酸類、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類が挙げ
られる。 本発明においては、先ず工程()でラテツク
ス(A)、有機薬剤(B)および凝固剤(C)を混合すると、
該混合物はグラフトゴム重合体(1)、有機薬剤(B)お
よび微少量の該有機薬剤に可溶な重合助剤等で構
成される有機相と、凝固剤、水および微少量の水
溶性重合助剤等から構成される水相とに分離す
る。 工程()におけるラテツクス(A)、有機薬剤(B)
および凝固性水溶性薬剤(C)の混合順序は特に限定
されないが、通常はラテツクス(A)、凝固性水溶性
薬剤(C)、有機薬剤(B)の順で混合する。 工程()では、工程()で得られた二相混
合物から水相と有機相とを分離する。分離手段と
しては、デカンテーシヨン、遠心脱水、圧搾脱水
等の通常の手段が使用できる。 次に、工程()で、工程()で水相を分離
除去した混合物と熱可塑性樹脂(2)とを十分に混
合、混練する。 熱可塑性樹脂(2)は、工程()で特定量の有機
薬剤(B)の存在下でグラフトゴム重合体(1)と混合、
混練されることにより、グラフトゴム重合体(1)中
のグラフトゴム重合体粒子を熱可塑性樹脂(2)中に
均一に分散させ、以後の工程でグラフトゴム重合
体粒子が再凝集して分散不良になるのを防止する
機能を有している。このような「均一分散機能」
または「再凝集防止機能」を発現させるには、熱
可塑性樹脂(2)の量が、後述のフリー重合体を多量
に含むグラフトゴム重合体(1)を用いる場合を除
き、グラフトゴム重合体(1)の量に対して一定量以
上であることと、熱可塑性樹脂(2)とグラフトゴム
重合体(1)とが混合混練される際に一定量以上の有
機薬剤が存在することの二点が重要である。 熱可塑性樹脂(2)の添加量は、グラフトゴム重合
体(1)の種類および最終ゴム変性熱可塑性樹脂製品
の目的とする物性等によつて異なるが、通常、ゴ
ム変性熱可塑性樹脂製品中に含まれる熱可塑性樹
脂より少なく用いることが適当である。ゴム変性
熱可塑性樹脂製品を作るのに必要な熱可塑性樹脂
の全量を熱可塑性樹脂(2)として添加すると、グラ
フトゴム重合体粒子を熱可塑性樹脂(2)中に均一に
分散させるために多量の有機薬剤が必要となり
()の工程で除去すべき有機薬剤の量が増加し、
従つて除去に必要な熱エネルギーが増大するとい
う不都合を生じる。さらに、グラフトゴム重合体
(1)のグラフトゴム粒子を均一分散するために混
合、混練すべき重合体の量も増加するので、混合
エネルギーが増大し混合装置の生産性が低下する
という不利益も生じる。 本発明ではこのような不利益を回避するため
に、ゴム変性熱可塑性樹脂製品を製造するのに必
要な熱可塑性樹脂を、有機薬剤(B)に可溶な熱可塑
性樹脂(2)と熱可塑性樹脂(3)とに分けて混合する。 一方、グラフトゴム重合体(1)の重合時に多量の
ビニル系単量体を使用すると、ビニル系単量体が
ゴムにグラフト重合せずに単独で重合した重合体
(以下、フリー重合体と略称する)がグラフト重
合体中に多量に含まれ、このフリー重合体が上述
した熱可塑性樹脂(2)のかわりに「再凝集防止機
能」を発揮する場合がある。したがつて、このよ
うな場合には、工程()で熱可塑性樹脂(2)を全
く混合混練せずに、ゴム変性熱可塑性樹脂製品を
得るのに必要な熱可塑性樹脂を全量熱可塑性樹脂
(3)として、工程()および工程()で、また
は工程()で混合してもよい。 熱可塑性樹脂(3)は、工程()および工程
()で、または工程()で混合する。このう
ち工程()で混合(添加)される熱可塑性樹脂
(3)は、次の工程()において混合物が着色され
るのを軽減する機能を有するもので、この工程
()で十分に混合混練する必要はない。すなわ
ち、工程()では、通常、混合物を加熱し、所
望により減圧しながら混合物中の有機薬剤(B)およ
び残存する水分を蒸発させてこれらを除去する。
混合物から有機薬剤(B)が除去されると、有機薬剤
(B)による溶解または可塑化効果が消滅し、ここで
の混合物はグラフトゴム重合体(1)、熱可塑性樹脂
(2)および熱可塑性樹脂(3)の混合物である重合体(5)
としての溶融流動挙動を呈するようになる。通常
このような操作()は、押出機中で行なわれる
が、押出機中での混合物の処理を円滑に行うに
は、混合物の温度を重合体(5)の流動開始温度以上
にしておく必要がある。さらに、有機薬剤(B)と残
存水分の蒸発は比較的短時間のうちに行なわれ、
外部からの熱補給および剪断発熱による加熱もあ
まり期待できない。有機薬剤(B)と残存水分の蒸発
潜熱の大部分を、混合物の温度低下による顕熱で
まかなわねばならないことを考慮すると、混合物
は、重合体(5)の流動開始温度より相当高い温度に
加熱する必要が生じてくる。 ところが、グラフトゴム重合体(1)に含まれるゴ
ム成分、特にポリブタジエンなどのジエン系ゴム
は、このような高温にさらされると熱劣化し黄色
に着色する。この黄着色現象は、重合体(5)中のゴ
ム成分量が多くなると特に顕著であり、特にジエ
ン系ゴム成分量が40重量%を越えるような重合体
(5)では著しい。すなわち、製品のゴム成分量が同
一の重合体であつても、ゴム成分量の多い重合体
(5)に対し工程()の処理を行つた後工程()
で熱可塑性樹脂(3)を混合した製品の着色状態は、
工程()で熱可塑性樹脂(3)を混合し、重合体(5)
に含まれるゴム成分量を少なくした状態で工程
()の処理をした製品の着色状態より悪くなる。
したがつて、ゴム変性熱可塑性樹脂製品の着色を
軽減する意味からは、熱可塑性樹脂(3)の少なくと
も一部を工程()で混合するのが望ましい。 一方、ゴム変性熱可塑性樹脂製品中に、多量の
有機薬剤が残存すると、その可塑化効果により熱
変形温度、硬度などが低下し、さらに成形時に成
形物中に有機薬剤蒸気の気泡が混入したり、食品
用途などでは有機薬剤の毒性などが問題となるの
で、ゴム変性熱可塑性樹脂製品中の有機薬剤残存
量はできるだけ少ない方が望ましい。通常、1重
量%以下、さらに望ましくは、0.5重量%以下に
する必要がある。この「残存有機薬剤濃度低減機
能」に対しては熱可塑性樹脂(3)を工程()で混
合するのが望ましい。その理由は、重合体と有機
薬剤との混合物からの有機薬剤の蒸発速度特性に
あると考えられる。すなわち混合物中の有機薬剤
濃度が高い領域では、混合物の温度を有機薬剤の
沸点以上にすることによつて、混合物中の有機薬
剤は比較的速やかに脱気除去することができる。
しかし混合物中の有機薬剤濃度が低くなり、ほぼ
5〜1重量%以下(ただしこの値は、重合体と有
機薬剤の組合せにより変化する)になると、有機
薬剤の蒸発速度は大幅に低下し、混合物中から有
機薬剤を脱気除去するのが困難となる。そこで、
熱可塑性樹脂(3)を混合しない状態で工程()の
処理を行い混合物中の有機薬剤濃度を5〜1重量
%以下に下げた後、工程()で熱可塑性樹脂(3)
を混合して混合物中の有機薬剤を稀釈する方が有
利となるわけである。 したがつて、熱可塑性樹脂(3)の全量を工程
()と工程()で混合してもよいが、上述の
「着色低減機能」と「残存有機薬剤濃度低減機能」
を調和させるよう、熱可塑性樹脂(3)を、工程
()と工程()で分配して混合することが望
ましい。 工程()は、工程()で得られた混合物
(主としてグラフトゴム重合体、熱可塑性樹脂お
よび有機薬剤で構成される有機相)から、有機薬
剤(B)および残存する水分を、熱的な手段を含む通
常の脱揮手法によつて除去する工程であり、この
工程により、熱可塑性樹脂中にグラフトゴム粒子
が一様に分散したゴム変性熱可塑性樹脂が得られ
る。 工程()は、工程()で得られた脱揮され
たゴム変性熱可塑性樹脂に熱可塑性樹脂(3)の残部
を混合する工程で、この工程を経て目的とするゴ
ム変性熱可塑性樹脂が製造される。 本発明の方法によつてグラフトゴム粒子が熱可
塑性樹脂中に一様に分散可能となる理由は、グラ
フトゴム粒子が完全に固着する従来の工程を経る
ことなく、常に分散した状態、若しくは軟凝集し
た状態で最終製品へ至るためと考えられる。また
本発明の方法においては、従来、大量の熱損失を
生じていた乾燥機を使用する必要がなく、ベント
式押出機、薄膜式蒸発機等の通常の脱揮機能を有
する装置によつての製造ができるため、ゴム変性
熱可塑性樹脂工業に対してコスト面での多大な寄
与がもたらされる。 〔発明の実施例〕 以下に本発明の方法を実施例および参考例によ
つて具体的に説明する。なお、実施例および参考
例中の部は全て重量基準である。 実施例1、2、4、5および参考例3 0.36μmの平均粒子径を有するポリブタジエン
ラテツクスにアクリロニトリルおよびスチレンを
第1表に従つてグラフト重合させてグラフトゴム
重合体のラテツクスを得た。 第1表 ポリブタジエンラテツクス(ポリブタジエン固形
分換算40部) 114.3部 アクリロニトリル 15〃 スチレン 45〃 ラウリン酸ナトリウム0.5〃 水酸化ナトリウム 0.01〃 ロンガリツト 0.2〃 硫酸第一鉄 0.002〃 EDTA−2ナトリウム塩 0.1〃 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.3〃 ラウリルメルカプタン 0.3〃 脱イオン水 125〃 重合温度 70℃ 重合時間 240分 一方、第2表に従つて熱可塑性樹脂(2)および(3)
として使用するアクリロニトリル−スチレン共重
合体を製造した。 第2表 アクリロニトリル 25部 スチレン 75〃 アゾビスイソブチロニトリル 0.3〃 ラウリルメルカプタン 0.5〃 ポリビニルアルコール(重合度900) 0.07〃 硫酸ナトリウム 0.3〃 水 250〃 重合温度 75℃ 重合時間 240分 重合終了後、得られたアクリロニトリル−スチ
レン共重合体の懸濁液を遠心脱水し、80℃で乾燥
して該共重合体の粉体を得た。 次いで、前記グラフトゴム重合体のラテツクス
300部(固形分換算100部)、第3表の第2欄に示
した量のトルエン、0.1重量%の希硫酸水溶液
1000部および全重合体に対して0.1重量%の老化
防止剤(イルガノツクス1076、チバガイガー社
製)と0.5重量%の成形助剤(アーマイドHT、ラ
イオンアーマー社製)を10のバツチ式ニーダー
を用い70℃で5分間混合したところ、混合液は水
相と餅状の有機相に分離した。そこで水相を分離
除去した後、第3表第3欄に示した量の前記共重
合体の粉末を加え70℃で約10分間混合混練したと
ころ、有機相は、直径が1mmから5mm程度の軟ら
かい粒状物になり、各粒状物は前記餅状物と前記
共重合体粉末が均一に混合された状態であつた。
この粒状物にさらに第3表第4欄に示した量の前
記共重合体の粉末を加え約2分間混合したとこ
ろ、前記粒状物中に前記共重合体粉末が分散した
粒状物が得られた。この粒状物を2軸造粒機に供
給しストラント状に賦形し、これをペレタイザー
でカツトしてペレツト状物にした。このペレツト
状物に前記の成形助剤を同量混合した後、これを
2つの供給口と一つのベント口を持つ30mmφ、
L/D=30の単軸押出機の第1供給口から供給し
ベント部でトルエンおよび残存水分を除去し、次
に第2供給口から第3表第5欄に示す量の前記共
重合体粉末を供給し溶融混合して押出機先端のダ
イスからストランドとして吐出させ、これをペレ
タイザーでカツトして製品ペレツトを得た。得ら
れたペレツトは滑らかで、フイツシユアイと呼ば
れる不均一部分の存在は認められなかつた。これ
を射出成形して各種のテストピースを作成し、各
種物性値を測定したところ第3表に示す結果が得
られた。これらの値は本実施例で製造したゴム変
性熱可塑性樹脂が優れたものであることを示して
いる。
【表】
【表】 比較例 1 実施例1で製造したグラフトゴム重合体のラテ
ツクスを常法により硫酸凝固し、得られた重合体
湿粉を洗浄、脱水、乾燥してグラフトゴム重合体
乾燥粉を得た。このグラフトゴム重合体、実施例
1で製造したアクリロニトリル−スチレン共重合
体および実施例1で使用したと同量の添加剤を混
合し、スクリユー式押出機を用いてペレツト状に
加工した。このとき得られたペレツトの組成は実
施例1で得られたペレツトと同一であつたがその
表面にはブツが多数存在しており、商品価値が認
められないものであつた。さらに、得られたペレ
ツトを射出成形し、実施例1と同一のテストを行
なつて第4表に示した評価結果を得た。
【表】 実施例6、7、9、10および参考例8 実施例1と同一の薬剤を用いて第5表の処方に
従つてグラフトゴム重合体のラテツクスを製造し
た。 第5表 ポリブタジエンラテツクス(ポリブタジエン固形
分換算80部) 228.6部 アクリロニトリル 5〃 スチレン 15〃 ラウリン酸ナトリウム 0.4〃 水酸化ナトリウム 0.01〃 ロンガリツト 0.15〃 硫酸第一鉄 0.001〃 EDTA−2ナトリウム塩 0.05〃 tert−ブチルパーオキサイド 0.1〃 ラウリルメルカプタン 0.1〃 脱イオン水 50〃 重合温度 70℃ 重合時間 280分 このグラフトゴム重合体ラテツクス60部(固形
分換算20部)、第6表第2欄に示した量のエチル
ベンゼンおよび1重量%濃度の硫酸アルミニウム
水溶液40部を混合したところ、混合液は実施例1
と同様に二相に分離した。水相を分離した後、実
施例1で使用したアクリロニトリル−スチレン共
重合体を、第6表の第3欄、第4欄および第5欄
に示した量使用して、実施例1と同一の手法で処
理し、ペレツト状に賦形した。得られたペレツト
の表面は滑らかで、ブツの存在は認められなかつ
た。このペレツトを射出成形して各種テストピー
スを作り、実施例1と同一の手順で各種物性を測
定したところ、第6表に示す評価結果を得た。こ
れらの値は本実施例で製造したゴム変性熱可塑性
樹脂が優れたものであることを示している。
【表】
【表】 実施例11、12、14、15および参考例13 0.14μmの平均粒子径を有するSBRゴムラテツ
クスにメタクリル酸メチルおよびアクリル酸メチ
ルを第7表に従つてグラフト重合してグラフトゴ
ム重合体のラテツクスを得た。 第7表 SBRゴムラテツクス(SBRゴム固形分換算50部)
100部 メタクリル酸メチル 45〃 アクリル酸メチル 5〃 ロジン酸カリウム 1〃 ロンガリツト 0.2〃 硫酸第一鉄 0.003〃 EDTA−2ナトリウム塩 0.1〃 キユメンハイドロパーオキサイド 0.4〃 オクチルメルカプタン 0.2〃 脱イオン水 150〃 重合温度 65℃ 重合時間 240分 一方、第8表に従つて熱可塑性樹脂(2)および(3)
として使用するポリメタクリル酸メチルを製造し
た。 第8表 メタクリル酸メチル 100部 アゾビスイソブチロニトリル 0.3〃 ラウリルメルカプタン 0.5〃 ポリビニルアルコール(重合度900) 0.07〃 硫酸ナトリウム 0.25〃 水 200〃 重合温度 80℃ 重合時間 180分 重合終了後、得られたポリメタクリル酸メチル
の懸濁液を遠心脱水し、80℃で乾燥して該重合体
の粉体を得た。 次いで前記グラフトゴム重合体のラテツクス90
部(固形分換算30部)、第9表の第2欄に示した
量のクロロホルムおよび0.1重量%の希硫酸マグ
ネシウム水溶液300部を混合したところ混合液は
水相と餅状の有機相に分離した。そこで、実施例
1で使用した装置を使用し、第9表の第3欄、第
4欄および第5欄に示した量の前記ポリメタクリ
ル酸メチル粉体を加え実施例1と同様に処理し、
混合物をペレツト状に賦形した。このとき得られ
たペレツトの表面は滑らかで、ブツの存在は認め
られなかつた。さらにこのペレツトを射出成形し
て各種テストピースを作成し、各種物性値を測定
したところ第9表に示す結果が得られた。これら
の結果は本実施例で製造したゴム変性熱可塑性樹
脂が優れたものであることを示している。
【表】 実施例16および参考例17 実施例1と同一の薬剤を使用し、第10表の処方
にしたがいグラフトゴム重合体のラテツクスを製
造した。 第10表 ポリブタジエンラテツクス(ポリブタジエン固形
分換算30部) 85.7部 アクリロニトリル 17.5〃 スチレン 52.5〃 ラウリン酸ナトリウム 0.6〃 水酸化ナトリウム 0.01〃 ロンガリツト 0.3〃 硫酸第一鉄 0.002〃 EDTA−2ナトリウム塩 0.12〃 tert−ブチルハイドロパーオキサイド 0.35〃 ラウリルメルカプタン 0.35〃 脱イオン水 143〃 重合温度 70℃ 重合時間 240分 得られたグラフトゴム重合体ラテツクスのポリ
ブタジエンへのグラフト率は40%であり、グラフ
トゴム重合体中にフリー重合体を58部含むもので
あつた。 このグラフトゴム重合体ラテツクス160部(固
形分換算53部)、第11表第2欄に示した量のトル
エン、0.1重量%濃度の希硫酸1000部および実施
例1で用いたと同一同量の老化防止剤と成形助剤
を混合したところ、混合液は実施例1と同様に二
相分離したので、これを実施例1と同一のアクリ
ロニトリル−スチレン共重合体を第11表第3欄か
ら第5欄に示した量使用して、実施例1と同様に
処理してペレツト状物を得た。 得られたペレツトは滑らかで、フイツシユアイ
の存在は認められなかつた。これを射出成形して
各種のテストピースを作成し、各種物性値を測定
したところ第11表に示す結果が得られた。
【表】
【表】 参考例 18 参考例3の製品ペレツトを、参考例3で使用し
た30mmφ、L/D=30の単軸押出機の第1供給口
から再度供給し、ベント口を160torr absの真空
に引きながらペレツトに賦形し、ペレツト中の残
存トルエンの除去を試みた。(第2供給口は密閉
した。)さらに得られたペレツトを使用して同様
の操作を繰返し、残存トルエン量の減少過程を調
べた。この結果を第12表に示す。
〔発明の効果〕
本発明方法の効果を従来法と比較すれと、まず
プロセス的な利点として重合体を粉末状にする必
要が無いという点が挙げられる。さらに具体的に
は、 (1) ラテツクスを凝析し湿粉を得た後の、脱水、
乾燥、粉体の空輪、貯蔵などの工程が省略で
き、プロセスの簡略化が可能である。 (2) 乾燥器における熱損失を回避できる。など、
コスト低減効果が大きい。さらに (3) 粉塵の発生が無く、作業環境を汚染しない。
などの効果もある。 また、品質面について従来法と比較すると、 (4) 本発明では有機薬剤の存在下にグラフトゴム
重合体を熱可塑性樹脂に分散させるので、グラ
フトゴム重合体粒子が相互に固着せず、グラフ
トゴム重合体の均質な分散が可能となるため、
従来より高品質のゴム変性熱可塑性樹脂の製造
が可能となる。 (5) 特に、フイツシユアイなどの外観不良の少な
いゴム変性熱可塑性樹脂の製造が可能である。 という効果がある。 さらに本発明では、熱可塑性樹脂の添加時期、
使用効果を詳細に解析することにより、 (6) 有機薬剤の使用量を少なくすることができ
る。 (7) 装置の体積使用効率を向上させることができ
る。 このように、本発明により、高品質のゴム変性
熱可塑性樹脂を低コストで生産する技術が提供さ
れる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ゴムラテツクスにビニル系単量体を乳化グラ
    フト重合してなるグラフトゴム重合体(1)、有機薬
    剤(B)に可溶な熱可塑性樹脂(2)、および有機薬剤(B)
    に可溶でなくともよい熱可塑性樹脂(3)からなるゴ
    ム変性熱可塑性樹脂を製造するに際し、 () 下記(A)、(B)および(C)を混合する工程 (A) グラフトゴム重合体(1)のラテツクス、 (B) グラフトゴム重合体(1)と熱可塑性樹脂(2)と
    を合わせた重合体(4)に対して10〜600重量%
    の、熱可塑性樹脂(2)を溶解し得る能力を有
    し、かつ水に対する溶解度が、(A)、(B)および
    (C)を混合する温度において5重量%以下であ
    る有機薬剤、 (C) グラフトゴム重合体(1)に対して10重量%以
    下の、ラテツクス(A)を凝析し得る水溶性薬
    剤、 () 工程()で得られた二相混合物から水相
    を分離除去する工程、 () 工程()で水相を分離除去した混合物と
    熱可塑性樹脂(2)とを均一に混合し混練する工
    程、 () 工程()で得られた混合物に熱可塑性樹
    脂(3)の一部を添加する工程、 () 工程()で得られた混合物から、有機薬
    剤(B)および該混合物中に残存する水分を熱的な
    手段により除去する工程、および () 熱可塑性樹脂(3)の残部を混合する工程、 を順次実施することを特徴とするゴム変性熱可塑
    性樹脂の製造方法。 2 ゴムラテツクスにビニル系単量体を乳化グラ
    フト重合してなるグラフトゴム重合体(1)、有機薬
    剤(B)に可溶な熱可塑性樹脂(2)、および有機薬剤(B)
    に可溶でなくともよい熱可塑性樹脂(3)からなるゴ
    ム変性熱可塑性樹脂を製造するに際し、 () 下記(A)、(B)および(C)を混合する工程 (A) グラフトゴム重合体(1)のラテツクス、 (B) グラフトゴム重合体(1)と熱可塑性樹脂(2)と
    を合わせた重合体(4)に対して10〜600重量%
    の、熱可塑性樹脂(2)を溶解し得る能力を有
    し、かつ水に対する溶解度が、(A)、(B)および
    (C)を混合する温度において5重量%以下であ
    る有機薬剤、 (C) グラフトゴム重合体(1)に対して10重量%以
    下の、ラテツクス(A)を凝析し得る水溶性薬
    剤、 () 工程()で得られた二相混合物から水相
    を分離除去する工程、 () 工程()で水相を分離除去した混合物と
    熱可塑性樹脂(2)とを均一に混合し混練する工
    程、 () 工程()で得られた混合物から、有機薬
    剤(B)および該混合物中に残存する水分を熱的な
    手段により除去する工程、および () 熱可塑性樹脂(3)を混合する工程、 を順次実施することを特徴とするゴム変性熱可塑
    性樹脂の製造方法。 3 ゴムラテツクスにビニル系単量体を乳化グラ
    フト重合してなるグラフトゴム重合体(1)および有
    機薬剤(B)に可溶でなくともよい熱可塑性樹脂(3)か
    らなるゴム変性熱可塑性樹脂を製造するに際し、 () 下記(A)、(B)および(C)を混合する工程 (A) グラフトゴム重合体(1)のラテツクス、 (B) グラフトゴム重合体(1)に対して10〜600重
    量%の、水に対する溶解度が、(A)、(B)および
    (C)を混合する温度において5重量%以下であ
    る有機薬剤、 (C) グラフトゴム重合体(1)に対して10重量%以
    下の、ラテツクス(A)を凝析し得る水溶性薬
    剤、 () 工程()で得られた二相混合物から水相
    を分離除去する工程、 () 工程()で得られた混合物に熱可塑性樹
    脂(3)の一部を添加する工程、 () 工程()で得られた混合物から、有機薬
    剤(B)および該混合物中に残存する水分を熱的な
    手段により除去する工程、および () 熱可塑性樹脂(3)の残部を混合する工程、 を順次実施することを特徴とするゴム変性熱可塑
    性樹脂の製造方法。 4 ゴムラテツクスにビニル系単量体を乳化グラ
    フト重合してなるグラフトゴム重合体(1)および有
    機薬剤(B)に可溶でなくともよい熱可塑性樹脂(3)か
    らなるゴム変性熱可塑性樹脂を製造するに際し、 () 下記(A)、(B)および(C)を混合する工程 (A) グラフトゴム重合体(1)のラテツクス、 (B) グラフトゴム重合体(1)に対して10〜600重
    量%の、水に対する溶解度が、(A)、(B)および
    (C)を混合する温度において5重量%以下であ
    る有機薬剤、 (C) グラフトゴム重合体(1)に対して10重量%以
    下の、ラテツクス(A)を凝析し得る水溶性薬
    剤、 () 工程()で得られた二相混合物から水相
    を分離除去する工程、 () 工程()で得られた混合物から、有機薬
    剤(B)および該混合物中に残存する水分を熱的な
    手段により除去する工程、および () 熱可塑性樹脂(3)を混合する工程、 を順次実施することを特徴とするゴム変性熱可塑
    性樹脂の製造方法。
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DE3689258T DE3689258T2 (de) 1985-12-25 1986-12-23 Verfahren zur Herstellung von mit Gummi modifizierten thermoplastischen Harzen.
AU66948/86A AU600459B2 (en) 1985-12-25 1986-12-23 Method for producing rubber modified thermoplastic resins
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