JPH04228570A - 巻取式薄膜形成装置 - Google Patents

巻取式薄膜形成装置

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JPH04228570A
JPH04228570A JP13791791A JP13791791A JPH04228570A JP H04228570 A JPH04228570 A JP H04228570A JP 13791791 A JP13791791 A JP 13791791A JP 13791791 A JP13791791 A JP 13791791A JP H04228570 A JPH04228570 A JP H04228570A
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JP
Japan
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film
grid
vacuum chamber
filament
thin film
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Application number
JP13791791A
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English (en)
Inventor
Wasaburo Ota
太田 和三郎
Masashi Nakazawa
中沢 政志
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は巻取式薄膜形成装置に関
し、特に、強い反応性と、高真空中での成膜とを同時に
実現し、且つ、大面積ロ−ル基板上への均一な薄膜形成
、あるいは多層コ−ティングが可能となる、新規な構成
の巻取式薄膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】巻取式のフィルム基板上に薄膜を形成す
る手段は、従来、EB蒸着法、スパッタ法を中心に発展
してきた。しかし、従来の薄膜形成装置にあっては、形
成された膜の被薄膜形成基板(以下、基板という)との
密着性が弱かったり、良質な薄膜コ−ティングを生産性
良く得ることが困難であったり、均一な薄膜形成が困難
であったりする等の問題があった。さらに、巻取装置を
用いてフィルム基板上に前処理を行う場合には、前処理
を行いながら一度フィルムを送って、巻き戻してから成
膜、あるいは巻き戻しながら成膜するなど、生産工程が
手間取ったり、巻き付けを繰り返すうちにフィルム表面
等への不純物の混入、キズ等が発生することがあった。 ところで、本出願人は先に、薄膜形成装置として、基板
を蒸発源に対向させて保持する対向電極と蒸発源との間
にグリッドを配すると共に、グリッドと蒸発源との間に
熱電子発生用のフィラメントを配し、グリッドをフィラ
メントに対して正電位にし、薄膜形成を行う装置を提案
した(特開昭59−89763号、特公平1−5335
1号)。この装置では、蒸発源から蒸発した蒸発物質は
、先ずフィラメントからの熱電子によりイオン化される
。このようにイオン化された蒸発物質がグリッドを通過
すると、蒸発物質はグリッドから対電極に向かう電界の
作用により加速されて基板に衝突し、密着性の良い膜が
形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の薄膜形
成装置では、フィルム巻取式薄膜形成装置のようにキャ
ンロールに沿って湾曲している基板面、すなわち湾曲凸
面に対して薄膜形成をする場合に、グリッドからの電界
の作用が基板中心部と周辺部で大きく変化するため、基
板中心部と周辺部において必ずしも均一な膜厚にならず
、均一な薄膜を形成することが困難であった。また、薄
膜の物性の面においても必ずしも均一ではなかった。 また、上述の薄膜形成装置では、フィルム巻取式薄膜形
成装置のように、ある方向へ一方的に基板が移動してし
まう場合において、1つの工程で多層膜を形成すること
が困難であった。また、成膜と同時にフィルム基板のイ
オンボンバ−ドを行うことはできなかった。本発明は上
記事情に鑑みてなされたものであって、基板に対して極
めて強い密着性をもった薄膜を形成でき、良質、且つ均
一な薄膜形成が可能となる、新規な巻取式薄膜形成装置
を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、請求項1記載の巻取式薄膜形成装置は、活性ガス若し
くは不活性ガスあるいはこれら両者の混合ガスが導入さ
れる真空槽と、この真空槽内において蒸発物質を蒸発さ
せるための蒸発源と、上記真空槽内において上記蒸発源
とフィルム基板表面が対向するように配置されたフィル
ム巻取装置と、上記蒸発源とフィルム基板との間に配備
された熱電子発生用のフィラメントと、このフィラメン
トとフィルム基板との間に配備され蒸発物質を通過させ
うるグリッドと、上記真空槽内に所定の電気的状態を実
現するための電源手段と、上記真空槽内と上記電源手段
とを電気的に連結する導電手段とを有し、上記フィラメ
ントに対し、上記グリッドが正電位となるようにしたこ
とを特徴とする。
【0005】また、請求項2記載の巻取式薄膜形成装置
は、活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれら両者の
混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内において
真空槽を分割する手段と、分割された真空槽夫々に設置
された蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、上記真空
槽内において上記蒸発源とフィルム基板表面が対向する
ように配置されたフィルム巻取装置と、上記蒸発源とフ
ィルム基板との間に配備された熱電子発生用のフィラメ
ントと、このフィラメントとフィルム基板との間に配備
され蒸発物質を通過させうるグリッドと、上記真空槽内
に所定の電気的状態を実現するための電源手段と、真空
槽内と上記電源手段とを電気的に連結する導電手段とを
有し、上記フィラメントに対し、上記グリッドが正電位
となるようにしたことを特徴とする。
【0006】また、請求項3記載の巻取式薄膜形成装置
は、上記請求項1、請求項2記載の薄膜形成装置におい
て、グリッドを、フィルム基板の湾曲中心、すなわちフ
ィルム基板が蒸着時に接するフィルム巻取装置のキャン
ロ−ルの中心軸に対して同心円状に配置したことを特徴
とする。また、本発明の請求項4記載の巻取式薄膜形成
装置は、上記請求項1,2,3記載の薄膜形成装置にお
いて、グリッドを網目状に形成すると共に、グリッドの
網目の向きをフィルムの進行方向に対して斜めに配する
構造としたことを特徴とする。
【0007】また、請求項5記載の巻取式薄膜形成装置
は、活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれら両者の
混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内において
蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、上記真空槽内に
おいて上記蒸発源とフィルム基板表面が対向するように
配置されたフィルム巻取装置と、上記蒸発源とフィルム
基板との間に配備された熱電子発生用のフィラメントと
、このフィラメントとフィルム基板との間に配備され蒸
発物質を通過させうる第一のグリッドと、この第一のグ
リッドとフィルム基板との間に配備され蒸発物質を通過
させうるイオン偏向用の第二、もしくは第二、第三のグ
リッドと、上記真空槽内に所定の電気的状態を実現する
ための電源手段と、上記真空槽内と上記電源手段とを電
気的に連結する導電手段とを有し、上記フィラメントに
対し、上記グリッドが正電位となるようにしたことを特
徴とする。
【0008】
【作用】以下、本発明の巻取式薄膜形成装置の構成・作
用について説明する。請求項1記載の薄膜形成装置は、
真空槽と、蒸発物質を蒸発させうる蒸発源と、フィルム
基板と、フィルム巻取装置と、フィラメントと、グリッ
ドと、電源手段と、導電手段とを有する。真空槽は、そ
の内部空間に活性ガス、あるいは不活性ガス、若しくは
活性ガスと不活性ガスの混合ガスを導入しうるようにな
っており、蒸発源、フィルム基板、フィルム巻取装置、
フィラメント、グリッドは真空槽内に配備され、フィル
ム基板と蒸発源は互いに対向するように配備される。グ
リッドは蒸発物質を通過させうるものであって、蒸発源
とフィルム基板の間に介設され、電源手段により、フィ
ラメントに対し正電位にされる。従って、薄膜形成時に
は、発生する電界はグリッドからフィラメントに向かう
。また、このグリッドは、請求項3記載のように、フィ
ルム基板の湾曲中心、すなわち、フィルム基板が蒸着時
に接するフィルム巻取装置のキャンロ−ルの中心軸に対
して同心円状に配置される。フィラメントは熱電子発生
用であって、蒸発源とグリッドの間に配備される。電源
手段は、真空槽内に所定の電気的状態を実現するための
手段であり、この電源手段と真空槽内部が導電手段によ
り電気的に連結される。
【0009】次に、請求項2記載の薄膜形成装置は、真
空槽と、真空槽を複数の槽に分割する手段と、蒸発物質
を蒸発させうる蒸発源と、フィルム基板と、フィルム巻
取装置と、フィラメントと、グリッドと、電源手段と、
導電手段とを有する。真空槽は、その内部空間に活性ガ
ス、あるいは不活性ガス、若しくは活性ガスと不活性ガ
スの混合ガスを導入しうるようになっており、分割され
た真空槽夫々の導入ガス種、圧力を独自に調節できるよ
うになっており、蒸発源、フィルム基板、フィルム巻取
装置、フィラメント、グリッド等は真空槽内に配備され
、フィルム基板と蒸発源は互いに対向するように配備さ
れる。グリッドは蒸発物質を通過させうるものであって
、蒸発源とフィルム基板の間に介設され、電源手段によ
り、フィラメントに対し正電位にされる。従って、薄膜
形成時には、発生する電界はグリッドからフィラメント
に向かう。また、このグリッドは、請求項3記載のよう
に、フィルム基板の湾曲中心、すなわち、フィルム基板
が蒸着時に接するフィルム巻取装置のキャンロ−ルの中
心軸に対して同心円状に配置されるのが好ましい。フィ
ラメントは熱電子発生用であって、蒸発源とグリッドの
間に配備される。電源手段は、真空槽内に所定の電気的
状態を実現するための手段であり、この電源手段と真空
槽内部が導電手段により電気的に連結される。
【0010】次に、請求項5記載の薄膜形成装置は、真
空槽と、蒸発物質を蒸発させうる蒸発源と、巻取式フィ
ルム基板と、フィルム巻取装置と、フィラメントと、第
一グリッドと、第二、もしくは第二、第三のグリッドと
、電源手段と、導電手段とを有する。真空槽は、その内
部空間に活性ガス、あるいは不活性ガス、若しくは活性
ガスと不活性ガスの混合ガスを導入しうるようになって
おり、蒸発源、フィルム基板、フィルム巻取装置、フィ
ラメント、各グリッドは真空槽内に配備され、フィルム
基板と蒸発源は互いに対向するように配備される。各グ
リッドは蒸発物質を通過させうるものであって、蒸発源
とフィルム基板の間に介設され、電源手段により、フィ
ラメントに対し正電位にされる。従って、薄膜形成時に
は、発生する電界はグリッドからフィラメントに向かう
。また各グリッド間に電位分布を持たせ、蒸発源から拡
がった蒸発粒子のイオン化を促進すると共に、イオンの
入射方向を制御し、湾曲基板上の均一な成膜を可能にす
る。さらに、キャンロールに一番近いグリッドは、フィ
ルム基板の湾曲中心部(キャンロ−ル中心軸)に対して
同心円状に近い形状で配備されるのが好ましい。フィラ
メントは熱電子発生用であって、蒸発源とグリッドの間
に配備される。電源手段は、真空槽内に所定の電気的状
態を実現するための手段であり、この電源手段と真空槽
内部が導電手段により電気的に連結される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て詳細に説明する。図1は本発明の請求項1記載の巻取
式薄膜形成装置の一実施例を示す概略的要部構成図であ
る。図1に示す構成は真空槽内に配備され、真空槽内に
は、符号4で示すような公知の適宜の方法により、活性
ガス、及び/又は不活性ガスを導入できるようになって
おり、この真空槽は図示されない真空排気系に連結され
ている。フィルム巻取装置1は、公知のフィルム巻取式
薄膜形成装置に用いられるものと同様に、長手方向にフ
ィルム基板3を巻取しながらフィルム基板3上に成膜で
きるようになっており、フィルム基板3が成膜時に接す
る円筒状のキャンロ−ル2は、冷却又は加熱も可能とな
っている。蒸発源7は、その蒸発方向をキャンロ−ル2
の側にもっており、抵抗加熱式、あるいは電子銃式等、
通常の真空蒸着装置に用いられているものを用いる。ま
たフィルムの幅の広さにより、複数個の蒸発源をフィル
ムの幅方向に並べることもある。
【0012】フィラメント6は熱電子発生用であってタ
ングステン等からなり、その形状は、複数本のフィラメ
ントを平行に配列したり、網目状にしたりするなどして
、蒸発源7から蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバ
−するように定められている。グリッド5は蒸発した蒸
発物質をキャンロ−ル2側へ通過させうるように形状を
定めるのであるが、この例においては網目状である。 また、この例のように網目状のグリッドを用いた場合に
は、図2で示すように、グリッドの網目の向きをフィル
ム3の進行方向に対して斜めに配置するなど、幅方向で
の膜厚に偏りの無いようにする。フィラメント6はフィ
ラメント加熱用電源20に接続されているが、この電源
は直流、交流のどちらを用いても良い。グリッド5は、
直流電圧電源21の正極側に接続され、同電源の負側は
、図1の例ではフィラメント加熱用電源20の片側に接
続される。従って、グリッド5はフィラメント6に対し
て正電位となり、グリッド5とフィラメント6の間では
、電界はグリッド5からフィラメント6へ向かう。ここ
で、両電源の片側はそのまま接地されているが、この間
に直流電源を入れてフィラメント6にバイアスをかけて
も良い。また、同様に蒸発源7にバイアスをかけても良
い。 尚、図中における接地は必ずしも必要ではない。
【0013】この図1に示す構成の巻取式薄膜形成装置
では、フィラメント加熱用電源20とグリッド用直流電
源21の調節により安定なプラズマ状態を作ることがで
き、このプラズマ中で成膜することにより、良質な薄膜
を安定に供給することができる。特に、グリッド5の形
状を、フィルム基板の湾曲中心、すなわち、キャンロ−
ル2の中心軸を中心とした同心円状に配置することによ
り、より均一な薄膜形成が可能になる。また、上記のよ
うな構成において、図3に示すように蒸発源7,7’及
びフィラメント6,6’を複数個配置し、より均一な薄
膜を生産性良く得ることもできる。尚、実際には、上述
の電気的接続は導電手段の一部を構成するスイッチを含
み、これらのスイッチ操作により蒸着プロセスを実行す
るのであるが、これらのスイッチ類は図示を省略されて
いる。
【0014】以下、図1に示す装置例による薄膜形成に
ついて説明する。図1において、フィルム基板3を図の
如くフィルム巻取装置1に保持させると共に、蒸発物質
を蒸発源7に保持させる。この蒸発物質はもちろんどの
ような薄膜を形成するかに応じて選定される。また、真
空槽内には、予め、活性ガス、若しくは不活性ガス、あ
るいはこれらの混合ガスが10〜1/103Paの圧力
で導入される。尚、差当っての説明では、この導入ガス
を、例えばアルゴン等の不活性ガスであるとする。この
状態において装置を作動させ、蒸発源7を加熱すると蒸
着物質が蒸発する。この蒸発物質、すなわち、蒸発物質
の粒子はフィルム基板3に向かって拡がりつつ飛行する
が、その一部及び前記導入ガスがフィラメント6より放
出された熱電子との衝突によって、正イオンにイオン化
される。このように、一部イオン化された蒸発物質はグ
リッド5を通過するが、その際グリッド5近傍において
上下に振動運動する熱電子、及び前記イオン化された導
入ガスとの衝突により、さらにイオン化される。
【0015】グリッド5を通過した蒸発物質中、未だイ
オン化されていない部分は、さらに上記イオン化された
導入ガスとの衝突により、正イオンにイオン化され、イ
オン化率が高められる。こうして、正イオンにイオン化
された蒸発粒子は、グリッド5からキャンロ−ル2に向
かう電界の作用により加速され、フィルム基板3に高速
で衝突付着する。この時フィルム基板3は、フィルム巻
取装置1により移動を続け、ロ−ルフィルム上に次々と
成膜が行われる。この様にして形成された薄膜は、多く
は基板への高速粒子の衝突により形成されるので、フィ
ルム基板3への密着性に優れ、結晶性も良好である。ま
た、導入ガスとして、活性ガスを単独で、あるいは不活
性ガスと共に導入して成膜を行うと、蒸発物質を活性ガ
スと化合させ、反応性良く、且つ均一組成の化合物薄膜
を形成することができる。
【0016】以上のように、図1や図3に示す構成の薄
膜形成装置では、蒸発物質のイオン化率が極めて高く、
且つ安定しているので、化合物薄膜も所望の物性を持つ
ものを容易且つ確実に得ることができる。例えば、不活
性ガスとしてアルゴン、活性ガスとして酸素を導入して
、圧力を10〜1/102Paに調整し、蒸発物質とし
てインジウム、スズを選べば、酸化インジウム、酸化ス
ズのような透明導電性フィルムが得られる。また、この
装置では、良好な反応性により金属を蒸発材料として化
合物薄膜を形成することが可能なため、スパッタ等で発
生するタ−ゲットの組成変化による膜質の変化(ロ−ル
フィルムが長い場合には成膜時間もかかり、成膜開始時
と終了時での膜質変化も発生する)が無く、安定した膜
形成を行うことができる。
【0017】次に、図4は本発明の請求項2記載の巻取
式薄膜形成装置の一実施例を示す概略的要部構成図であ
る。図4に示す構成は真空槽内に配備され、符号8で示
すような分割手段によって分割された真空槽内には、符
号4a,4bで示すような公知の適宜の方法により、活
性ガス、及び/又は不活性ガスを導入できるようになっ
ており、この真空槽は図示されない真空排気系に連結さ
れている。フィルム巻取装置1は、公知のフィルム巻取
式薄膜形成装置に用いられるものと同様に、長手方向に
フィルム基板3を巻取しながらフィルム基板3上に成膜
できるようになっており、フィルム基板3が成膜時に接
する円筒状のキャンロ−ル2は、水冷も可能になってい
る。
【0018】蒸発源7a,7bは、その蒸発方向をキャ
ンロ−ル2の側にもっており、抵抗加熱式、あるいは電
子銃式等、通常の真空蒸着装置に用いられているものを
用いる。また、フィルム幅が大きい場合には、複数個の
蒸発源フィルムの幅方向に並べ、フィルム進行方向に対
し垂直方向の膜厚の均一性を図る。フィラメント6a,
6bは熱電子発生用であってタングステン等からなり、
その形状は、複数本のフィラメントを平行に配列したり
、網目状にしたりするなどして、蒸発源7a,7bから
蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバ−するように定
められている。グリッド5a,5bは蒸発した蒸発物質
をキャンロ−ル2側へ通過させうるように形状を定める
のであるが、この例においては網目状である。このグリ
ッド5a,5bは、通常は平面状の形をしているが、キ
ャンロ−ル2の径が小さいときなどは、図5に示すよう
にキャンロ−ル2の外周に沿って同心円状の形状にする
ことによって、膜厚分布を補正することもできる。また
、この例のように網目状のグリッドを用いた場合には、
先の図2で示したと同様に、グリッドの網目の向きをフ
ィルム3の進行方向に対して斜めに配置するなど、幅方
向での膜厚に偏りの無いようにする。
【0019】フィラメント6a,6bはフィラメント加
熱用電源20a,20bに接続されているが、この電源
は直流、交流のどちらを用いても良い。グリッド5a,
5bは、直流電圧電源21a,21bの正極側に接続さ
れ、同電源の負側は、図4の例ではフィラメント加熱用
電源20a,20bの片側に接続される。従って、グリ
ッド5a,5bはフィラメント6a,6bに対して正電
位となり、グリッド5a,5bとフィラメント6a,6
bの間では、電界はグリッド5a,5bからフィラメン
ト6a,6bへ向かう。ここで、両電源の片側はそのま
ま接地されているが、この間に直流電源を入れてフィラ
メント6a,6bにバイアスをかけても良い。また、同
様に蒸発源7a,7bにバイアスをかけても良い。尚、
図中における接地は必ずしも必要ではない。
【0020】この図4に示す構成の巻取式薄膜形成装置
では、フィラメント加熱用電源20a,20bとグリッ
ド用直流電源21a,21bの調節により、夫々の空間
において安定なプラズマ状態を作ることができ、このプ
ラズマ中で成膜することにより、良質な薄膜を安定に供
給することができる。特に、成膜空間を分割することに
より、夫々の成膜空間のプラズマの安定性を図ったり、
フィルム基板3上に多層コ−ティングを施す場合には、
フィルムの進行方向に対して後側で第一層を、先側で第
二層を成膜することによって、第一層と第二層の界面に
不純物の入り込むこともなく、密着性の良い膜を安定に
生産することができる。また、これら二層の膜厚制御は
、フィルムの進行速度と成膜速度によって決められるが
、その時々に応じて二つの成膜空間の幅を違えることに
よって膜厚を調節しても良い。また、三つ以上の成膜空
間を用いた場合にも、同様である。さらには、グリッド
5の形状を、図5に示すように、フィルム基板3の湾曲
中心、すなわち、蒸着時にフィルム基板が接するキャン
ロ−ル2の中心軸に対して同心円状に配置することによ
り、より均一な薄膜形成が可能になる。
【0021】また、上記のような構成の発展型としては
、図6に示すように蒸発源7,7’及びフィラメント6
a,6b,6b’を複数個配置し、より均一な薄膜を生
産性良く得ることもできる。また、図6、図7の空間A
,A’で示すように、フィルム3のボンバ−ド専用の槽
を設けることもできる。さらに、装置容量によっては、
図8に示すようにキャンロ−ル2を複数個設け、複数の
成膜空間、ボンバ−ド空間を設けることもでき、複数の
成膜空間では、本発明による成膜方法とスパッタ、真空
蒸着等の通常の真空プロセスとを併用しても良い。尚、
実際には、上述の電気的接続は導電手段の一部を構成す
るスイッチを含み、これらのスイッチ操作により蒸着プ
ロセスを実行するのであるが、これらのスイッチ類は図
示を省略されている。
【0022】以下、図4に示す装置例による薄膜形成に
ついて説明する。図4において、フィルム基板3を図の
如くフィルム巻取装置1に保持させると共に、蒸発物質
を蒸発源7a,7bに保持させる。この蒸発物質はもち
ろんどのような薄膜を形成するかに応じて選定される。 また、夫々の真空槽内には、予め、活性ガス、若しくは
不活性ガス、あるいはこれらの混合ガスが10〜1/1
03Paの圧力で導入される。ここで、図4において図
中右側に示すフィルム上成膜空間の第一層目側を第一真
空槽、左側の二層目側を第二真空槽とすると、その時々
により第一真空槽と第二真空槽の導入ガス種、導入量、
及び圧力が同じ場合と、違う場合がある。
【0023】この状態において装置を作動させ、蒸発源
7a,7bを加熱すると蒸着物質が蒸発する。この蒸発
物質、すなわち、蒸発物質の粒子はフィルム基板3に向
かって拡がりつつ飛行するが、その一部及び前記導入ガ
スがフィラメント6a,6bより放出された熱電子との
衝突によって、正イオンにイオン化される。このように
、一部イオン化された蒸発物質はグリッド5a,5bを
通過するが、その際グリッド近傍において上下に振動運
動する熱電子、及び前記イオン化された導入ガスとの衝
突により、さらにイオン化される。グリッド5a,5b
を通過した蒸発物質中、未だイオン化されていない部分
は、さらに上記イオン化された導入ガスとの衝突により
、正イオンにイオン化され、イオン化率が高められる。 こうして、正イオンにイオン化された蒸発粒子は、グリ
ッド5a,5bからキャンロ−ル2に向かう電界の作用
により加速され、フィルム基板3に高速で衝突付着する
。この時フィルム基板3は、フィルム巻取装置1により
移動を続け、ロ−ルフィルム上に次々と成膜が行われる
【0024】この様にして形成された薄膜は、多くは基
板への高速粒子の衝突により形成されるので、フィルム
基板3への密着性に優れ、結晶性も良好である。また、
導入ガスとして、活性ガスを単独で、あるいは不活性ガ
スと共に導入して成膜を行うと、蒸発物質を活性ガスと
化合させ、反応性良く、且つ均一組成の化合物薄膜を形
成することができる。以上のように、図4や図5に示す
構成の薄膜形成装置では、蒸発物質のイオン化率が極め
て高く、且つ安定しているので、化合物薄膜も所望の物
性を持つものを容易且つ確実に得ることができる。例え
ば、不活性ガスとして第一真空槽側にアルゴン、第二真
空槽側に活性ガスとして酸素を導入して、夫々圧力を1
0〜1/102Paに調整し、蒸発物質として第一真空
槽側に銀、第二真空槽側にインジウム、スズを選べば、
銀をアンダ−コ−トとした酸化インジウム、酸化スズ、
あるいはITOのような低抵抗透明導電性フィルムが得
られる。また、時には導電層と絶縁層を組み合わせた構
成のコ−ティングを行うこともできる。
【0025】この装置では、良好な反応性により金属を
蒸発材料として化合物薄膜を形成することが可能なため
、スパッタ等で発生するタ−ゲットの組成変化による膜
質の変化(ロ−ルフィルムが長い場合には、成膜時間も
かかり、成膜開始時と終了時での膜質変化も発生する)
が無く、安定した膜形成を行うことができる。また、第
一真空槽側では蒸発源を用いず、第二真空槽側に銀、ア
ルミニウム、インジウム、スズ等の金属、あるいはイン
ジウム−スズ等の合金を蒸発源として用いて、第一真空
槽側にアルゴン、第二真空槽側にアルゴンあるいは酸素
を用いれば、第一真空槽側でアルゴンガスによるイオン
ボンバ−ドを行った直後に、金属膜、あるいは酸化金属
膜を成膜することができ、非常に密着性の良い膜を得る
ことができる。もちろん、第一真空槽と第二真空槽にお
いて同様な蒸発源、導入ガス、成膜条件により、成膜時
の安定性を高めながら単一の薄膜を得ることもできる。 さらに第三、第四真空槽等、多数の槽を設け、ボンバ−
ドと成膜、さらに成膜後のプラズマ処理を行うこともで
きる。
【0026】次に、図9は請求項5記載の巻取式薄膜形
成装置の一実施例を示す概略的構成図である。図9に示
すように、蒸発源7、フィルム基板3、フィルム巻取装
置1、フィラメント6、第一、第二のグリッド15a,
15b等の構成は、ベースプレート31やベルジャー3
2等によって構成される真空槽30内に配備され、真空
槽30内には、符号4で示すような公知の適宜の方法に
より、活性ガス、及び/又は不活性ガスを導入できるよ
うになっており、この真空槽30は図示されない真空排
気系に連結されている。フィルム巻取装置1は、公知の
フィルム巻取式薄膜形成装置に用いられるものと同様に
、長手方向にフィルム基板3を巻取しながらフィルム基
板3上に成膜できるようになっており、フィルム基板3
が成膜時に接する円筒状のキャンロ−ル2は、水冷等に
よる冷却や、ヒーター等よる加熱も可能となっている。 蒸発源7は、その蒸発方向をキャンロ−ル2の側にもっ
ており、抵抗加熱式、及び誘導加熱式、あるいは電子銃
式等、通常の真空蒸着装置に用いられているものを用い
る。またフィルムの幅の広さにより、複数個の蒸発源を
フィルムの幅方向に並べ、フィルム進行方向に対し垂直
方向の膜厚の均一化を図る場合もある。フィラメント6
は熱電子発生用であってタングステン等からなり、その
形状は複数本のフィラメントを平行に配列したり、網目
状にしたりするなどして、蒸発源7から蒸発した蒸発物
質の粒子の拡がりをカバ−するように定められている。
【0027】第一、第二の各グリッド15a,15bは
蒸発した蒸発物質をキャンロ−ル2側へ通過させうるよ
うに形状を定めるのであるが、この例においては網目状
である。また、図中グリッド15aは平面上であり、グ
リッド15bは湾曲しているが、これは、蒸発源から拡
がった蒸発粒子イオンの基板への入射角度を、基板のど
の部分に対しても垂直に近くなるような電界効果が得ら
れるように構造を決定し、均一な薄膜形成を可能にする
ものである。フィラメント6はフィラメント加熱用電源
12に接続されているが、この電源は直流、交流のどち
らを用いても良い。グリッド15a,15bは、それぞ
れ直流電圧電源13a,13bの正極側に接続され、同
電源の負側は、図9の例ではフィラメント加熱用電源1
2の片側に接続される。従って、グリッド15a,15
bはフィラメント6に対して正電位となり、グリッド1
5a,15bとフィラメント6の間では、電界はグリッ
ド15a,15bからフィラメント6へ向かう。また、
グリッド15a とグリッド15b の間では、グリッ
ド15a からグリッド15bに電界が向かうようにす
ることにより、グリッド15a からグリッド15b 
を通じて基板3への電界が偏向され、基板上へのイオン
の入射角が制御される。さらには、図10に示すように
、もう一つのグリッド15c を設置することにより、
よりイオンが偏向しやすい電界分布を作ることが望まし
い。ここで、各電源の片側はそのまま接地されているが
、この間に直流電源を入れてフィラメント6、キャンロ
ール2にバイアスをかけても良い。また、同様に蒸発源
7にバイアスをかけても良い。尚、図中における接地は
必ずしも必要ではない。
【0028】この図9(あるいは図10)に示す構成の
巻取式薄膜形成装置では、フィラメント加熱用電源12
とグリッド用直流電源13a,13bの調節により、そ
れぞれの空間において安定なプラズマ状態を作ることが
でき、このプラズマ中で成膜することにより、蒸発粒子
のイオン化が進み、このイオンの持つエネルギーの作用
によって、良質な薄膜を安定に供給することができる。 特に、イオン偏向用のグリッド15b により、基板へ
のイオンの入射角度を垂直により近い状態にすることが
できるため、密着性の良い均質な膜を安定に生産するこ
とができる。尚、実際には、上述の電気的接続は導電手
段の一部を構成するスイッチを含み、これらのスイッチ
操作により蒸着プロセスを実行するのであるが、これら
のスイッチ類は図示を省略されている。また、各グリッ
ド用電源は、一つの電源で複数のグリッドの電源を兼ね
ていてもよく、その場合には電位分布を与えるための抵
抗等を配線中に接続すればよい。
【0029】以下、図9に示す装置例による薄膜形成に
ついて説明する。図9において、フィルム基板3を図の
如くフィルム巻取装置1に保持させると共に、蒸発物質
を蒸発源7に保持させる。この蒸発物質はもちろんどの
ような薄膜を形成するかに応じて選定される。また、真
空槽内には、予め、活性ガス、若しくは不活性ガス、あ
るいはこれらの混合ガスが10〜1/103Paの圧力
で導入される。この状態において装置を作動させ、蒸発
源7を加熱すると蒸着物質が蒸発する。この蒸発物質、
すなわち、蒸発物質の粒子はフィルム基板3に向かって
拡がりつつ飛行するが、その一部及び前記導入ガスがフ
ィラメント6より放出された熱電子との衝突によって、
正イオンにイオン化される。このように、一部イオン化
された蒸発物質はグリッド15a,15bを通過するが
、その際グリッド15a,15b近傍において上下に振
動運動する熱電子、及び前記イオン化された導入ガスと
の衝突により、さらにイオン化される。
【0030】グリッド15a,15bを通過した蒸発物
質中、未だイオン化されていない部分は、さらに上記イ
オン化された導入ガスとの衝突により、正イオンにイオ
ン化され、イオン化率が高められる。特にこの装置例の
場合、イオンが基板近傍に収集される電界のため、基板
到達粒子のイオン化がより進み易い。こうして、正イオ
ンにイオン化された蒸発粒子は、グリッド15a から
グリッド15b を通じキャンロ−ル2に向かう電界の
作用により加速されるとともに、フィルム基板3表面に
垂直に近い状態で、且つ高速で衝突付着する。この時フ
ィルム基板3は、フィルム巻取装置1により移動を続け
、ロ−ルフィルム上に次々と成膜が行われる。この様に
して形成された薄膜は、多くは基板への高速粒子の衝突
により形成されるので、フィルム基板3への密着性に優
れ、結晶性も良好である。さらには、成膜空間を移動中
のどの位置においても均質な薄膜形成が可能になるため
、膜成長方向に対しても均質性に優れた薄膜を形成する
ことができる。また、導入ガスとして、活性ガスを単独
で、あるいは不活性ガスと共に導入して成膜を行うと、
蒸発物質を活性ガスと化合させ、反応性良く、且つ均一
組成の化合物薄膜を形成することができる。
【0031】以上のように、図9や図10に示す構成の
薄膜形成装置では、蒸発物質のイオン化率が極めて高く
、且つ安定しているので、化合物薄膜も所望の物性を持
つものを容易且つ確実に得ることができると共に、基板
位置における膜質の変化も少ない。例えば、不活性ガス
としてアルゴン、活性ガスとして酸素を導入して、圧力
を10〜1/102Paに調整し、蒸発物質としてイン
ジウム、スズを選べば、酸化インジウム、酸化スズ、あ
るいはITOのような低抵抗透明導電性フィルムが得ら
れる。また、この装置では、良好な反応性により金属を
蒸発材料として化合物薄膜を形成することが可能なため
、スパッタ等で発生するタ−ゲットの組成変化による膜
質の変化(ロ−ルフィルムが長い場合には成膜時間もか
かり、成膜開始時と終了時での膜質変化も発生する)が
無く、安定した膜形成を行うことができる。
【0032】
【発明の効果】以上、各実施例に基づいて説明したよう
に、本発明の請求項1,2,3,4,5記載の薄膜形成
装置では、何れの場合も、蒸発物質及び導入ガスのイオ
ン化には、フィラメントによる熱電子が有効に寄与する
ので、1/102 Pa以下の圧力の高度の真空下にお
いても蒸発物質のイオン化が可能であり、このため、薄
膜中へのガス分子の取り込みを極めて少なくすることが
できるため、高純度の薄膜を得ることができ、また、薄
膜の構造も極めて緻密なものとすることが可能であり、
通常、薄膜の密度はバルクの密度よりも小さいとされて
いるが、本発明によれば、バルクの密度に極めて近似し
た密度が得られることも大きな特徴の一つである。また
、導入ガス分圧、供給電力等を変化させることによりア
モルファスに近い膜を得ることも可能であるため、特に
柔軟性のあるフィルム上への成膜に適した薄膜形成装置
である。また、本発明の薄膜形成装置では、蒸発物質が
イオン化し、高いエネルギ−を電気的に有する(電子・
イオン温度)ので、反応性を必要とする成膜、結晶化を
必要とする成膜において、温度(反応温度、結晶化温度
)という熱エネルギ−を与えずに実現できるので低温成
膜が可能となる。従って、本発明の巻取式薄膜形成装置
によれば、フィルム等の連続した大面積基板上に金属薄
膜等のような単一元素にて構成される薄膜ばかりでなく
、化合物薄膜なども密着性良く、化学量論的薄膜により
近い状態で、且つ均一な膜厚、及び均一な物性を有する
ように作製することができるため、大量生産にも十分対
応することができる。また、請求項2記載の薄膜形成装
置では、多層構成のコ−ティングも容易に可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の一実施例を示す巻取式薄
膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図2】網目状グリッドを用いた場合のグリッドの配置
方向の説明図である。
【図3】請求項1記載の発明の別の実施例を示す巻取式
薄膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図4】請求項2記載の発明の一実施例を示す巻取式薄
膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図5】請求項2記載の発明の別の実施例を示す巻取式
薄膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図6】請求項2記載の発明のさらに別の実施例を示す
巻取式薄膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図7】請求項2記載の発明のさらに別の実施例を示す
巻取式薄膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図8】請求項2記載の発明のさらに別の実施例を示す
巻取式薄膜形成装置の概略的要部構成図である。
【図9】請求項5記載の発明の一実施例を示す巻取式薄
膜形成装置の概略的構成図である。
【図10】請求項5記載の発明の別の実施例を示す巻取
式薄膜形成装置の概略的構成図である。
【符号の説明】
1・・・・フィルム巻取装置 2・・・・キャンロ−ル 3・・・・フィルム基板 4,4a,4b・・・ガス導入手段 5,5a,5b,5c,15a,15b,15c ・・
・・グリッド6,6’,6a,6b,6c・・・・フィ
ラメント7,7’,7a,7b・・・・蒸発源 8,8’・・・・真空槽分割手段 11・・・・蒸発源用電源 12,20,20a,20b,20c ・・・・フィラ
メント加熱用電源13a,13b,13c,21,21
a,21b,21c・・・・直流電圧電源30・・・・
真空槽 31・・・・ベースプレート 32・・・・ベルジャー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれ
    ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内
    において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、上記真
    空槽内において上記蒸発源とフィルム基板表面が対向す
    るように配置されたフィルム巻取装置と、上記蒸発源と
    フィルム基板との間に配備された熱電子発生用のフィラ
    メントと、このフィラメントとフィルム基板との間に配
    備され蒸発物質を通過させうるグリッドと、上記真空槽
    内に所定の電気的状態を実現するための電源手段と、上
    記真空槽内と上記電源手段とを電気的に連結する導電手
    段とを有し、上記フィラメントに対し、上記グリッドが
    正電位となるようにしたことを特徴とする巻取式薄膜形
    成装置。
  2. 【請求項2】活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれ
    ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内
    において真空槽を分割する手段と、分割された真空槽夫
    々に設置された蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、
    上記真空槽内において上記蒸発源とフィルム基板表面が
    対向するように配置されたフィルム巻取装置と、上記蒸
    発源とフィルム基板との間に配備された熱電子発生用の
    フィラメントと、このフィラメントとフィルム基板との
    間に配備され蒸発物質を通過させうるグリッドと、上記
    真空槽内に所定の電気的状態を実現するための電源手段
    と、真空槽内と上記電源手段とを電気的に連結する導電
    手段とを有し、上記フィラメントに対し上記グリッドが
    正電位となるようにしたことを特徴とする巻取式薄膜形
    成装置。
  3. 【請求項3】請求項1、請求項2記載の薄膜形成装置に
    おいて、グリッドを、フィルム基板の湾曲中心、すなわ
    ちフィルム基板が蒸着時に接するフィルム巻取装置のキ
    ャンロ−ルの中心軸に対して同心円状に配置したことを
    特徴とする巻取式薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2,3記載の薄膜形成装置にお
    いて、グリッドを網目状に形成すると共に、グリッドの
    網目の向きをフィルムの進行方向に対して斜めに配する
    構造としたことを特徴とする巻取式薄膜形成装置。
  5. 【請求項5】活性ガス若しくは不活性ガスあるいはこれ
    ら両者の混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内
    において蒸発物質を蒸発させるための蒸発源と、上記真
    空槽内において上記蒸発源とフィルム基板表面が対向す
    るように配置されたフィルム巻取装置と、上記蒸発源と
    フィルム基板との間に配備された熱電子発生用のフィラ
    メントと、このフィラメントとフィルム基板との間に配
    備され蒸発物質を通過させうる第一のグリッドと、この
    第一のグリッドとフィルム基板との間に配備され蒸発物
    質を通過させうるイオン偏向用の第二、もしくは第二、
    第三のグリッドと、上記真空槽内に所定の電気的状態を
    実現するための電源手段と、上記真空槽内と上記電源手
    段とを電気的に連結する導電手段とを有し、上記フィラ
    メントに対し、上記グリッドが正電位となるようにした
    ことを特徴とする巻取式薄膜形成装置。
JP13791791A 1990-08-03 1991-06-10 巻取式薄膜形成装置 Pending JPH04228570A (ja)

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JP20656990 1990-08-03
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH073453A (ja) * 1992-12-23 1995-01-06 Hughes Aircraft Co 物品をプラズマ処理する方法

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