JPH0432562A - 薄膜形成装置 - Google Patents

薄膜形成装置

Info

Publication number
JPH0432562A
JPH0432562A JP13883490A JP13883490A JPH0432562A JP H0432562 A JPH0432562 A JP H0432562A JP 13883490 A JP13883490 A JP 13883490A JP 13883490 A JP13883490 A JP 13883490A JP H0432562 A JPH0432562 A JP H0432562A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
grid
film forming
evaporation
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13883490A
Other languages
English (en)
Inventor
Wasaburo Ota
太田 和三郎
Masashi Nakazawa
中沢 政志
Yuji Onodera
小野寺 祐二
Kazuhiro Umeki
和博 梅木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Optical Industries Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Optical Industries Co Ltd
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Optical Industries Co Ltd, Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Optical Industries Co Ltd
Priority to JP13883490A priority Critical patent/JPH0432562A/ja
Publication of JPH0432562A publication Critical patent/JPH0432562A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は薄膜形成装置に関し、特に、CVD法(化学的
蒸着法)の長所である強い反応性と、PVD法(物理的
蒸着法)の長所である高真空中での成膜とを同時に実現
することができ、且つ、多層膜及び混合膜の形成をも容
易に行うことのできる新規な薄膜形成装置に関する。
〔従来の技術〕
従来、被薄膜形成基板上に薄膜を形成する薄膜形成装置
としては、CVD法やPVD法などを利用したものが良
く知られており、CVD法による装置は反応性が強<、
PVD法による装置は高真空中において緻密な強い薄膜
を形成できるなどの長所を有している。
これらCVD法やPVD法などを利用した薄膜形成装置
としては、従来より種々のものが提案されており、その
方法も極めて多岐にわたっている。
しかし、従来の薄膜形成装置にあっては、形成された薄
膜と被薄膜形成基板(以下、基板と称する)との密着性
が弱かったり、あるいは耐熱性の無い基板上への薄膜形
成が困難であったり、また、良好な多層膜及び混合膜を
得ることが困難であるといった問題があった。また、量
産性に優れている方式のものも少なかった。
そこで、これらの問題を解決するため、水出原人は先に
、薄膜形成装置として、基板を蒸発源に対向させて対向
電極に保持し、この対向電極と蒸発源との間にグリッド
を配置すると共に、このグリッドと蒸発源との間に熱電
子発生用のフィラメントを配し、上記グリッドをフィラ
メントに対して正電位にして薄膜形成を行う装置を提案
した(特開昭59−89763号公報)。
この薄膜形成装置では、蒸発源から蒸発した蒸発物質は
、先ずフィラメントからの熱電子によりイオン化され、
このイオン化された蒸発物質は、グリッドを通過するこ
とにより、グリッドから対向電極に向かう電界の作用に
より加速されて被薄膜形成基板に衝突し、密着性の良い
薄膜が形成され、蒸発した蒸発物質と、導入したガス分
子との化合物薄膜を形成することも可能であるという特
徴を有している。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記従来の薄膜形成装置では、単一真空槽内
において多層膜等を形成する場合には、複数の蒸発源を
必要とするため、 ■ 絶縁物を蒸着する場合には、グリッドへの絶縁物の
付着を防止する機構が無いため、これを防止するために
は、真空槽が大口径となる。
■ 導電性物質を蒸着する場合には、別々のグリッドを
必要とするため、蒸発源の位置が真空槽の中心から外れ
るために、蒸着面積が狭くなり、基板への堆積量の減少
によるコストの増大、真空槽の大口径化が避けられず、
混合膜形成時には混合状態を均一にし難い。
■ 複数の蒸発源側々について、蒸発源用電源が必要と
なり、装置上の制約で改造が困難になったり、コスト高
になったり、蒸発量を増加させることかできない。
等の問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、基板
に対して極めて強い密着性を持った薄膜を形成でき、耐
熱性の無いプラスティック等も基板として用いうろこと
が可能で、尚且つ、良好な多層膜及び混合膜形成も容易
となる、新規な薄膜形成装置を提供することを目的とす
る。
また、本発明は、種々の蒸発物質を省スペースで蒸着し
、グリッドに絶縁物が付着することによって発生するア
ーク放電を防止し、蒸発物質量を増加させる目的で、電
源や装置スペースにとられれず、安価に既存の蒸着装置
を改造して、導電性膜や絶縁性膜の組合せによる多層膜
をより容易に蒸着できる薄膜形成装置を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の薄膜
形成装置は、活性ガス若しくは不活性ガス、あるいはこ
れら両者の混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽
内において複数個設置された蒸発物質を蒸発させるため
の蒸発源と、上記真空槽内において上記蒸発源と対向す
るように配置され被薄膜形成基板を保持する対電極と、
上記複数の蒸発源の一つ以上と上記対電極との間の夫々
に配備された熱電子発生用のフィラメントと、このフィ
ラメントと上記対電極との間に配備され蒸発物質を通過
させうるグリッドと、上記真空槽内に所定の電気的状態
を実現するための電源手段と、上記真空槽内と上記電源
手段とを電気的に連結する導電手段とを備え、上記フィ
ラメントに対し、上記グリッドが正電位となるようにし
た治具構成を上記複数の蒸発源の内一つ以上構成すると
共に、各蒸発源と対電極との距離関係を同じ若しくは夫
々異なるようにし、且つ、複数の蒸発源、グリッド、フ
ィラメント等の操作を夫々独立に行うことを可能とし、
夫々側々にまたは同時に成膜操作を行うことにより、多
層膜及び混合膜を成膜可能としたことを特徴とする。
また、請求項2記載の薄膜形成装置は、請求項1記載の
薄膜形成装置において、複数の蒸発源の内、一つあるい
は複数個の蒸発源の周囲、あるいは一部を防着板で被っ
たことを特徴とする。
また、請求項3記載の薄膜形成装置は、上記請求項1、
請求項2記載の薄膜形成装置において、グリッドの回転
機構、及び移動機構を設けたことを特徴とする。
また、請求項4記載の薄膜形成装置は、上記請求項1.
請求項1、請求項3記載の薄膜形成装置において、複数
の蒸発源が一つのグリッドを共有し、複数の蒸発物質が
同時に通過しうるーっのグリッドを有することを特徴と
する。
また、請求項5記載の薄膜形成装置は、上記請求項1、
請求項1、請求項3、請求項4記載の薄膜形成装置にお
いて、複数の蒸発源を同一回路内で直列、若しくは並列
に接続したことを特徴とする。
〔作  用〕
本発明の薄膜形成装置は、上述したように、真空槽と、
複数個の蒸発物質を蒸発させうる蒸発源と、対電極と、
フィラメントと、グリッドと、ガス導入手段と、電源手
段と、導電手段とを有する。
上記真空槽は、その内部空間に活性ガス若しくは不活性
ガス、あるいは活性ガスと不活性ガスの混合ガスを導入
しうるようになっており、蒸発源、対電極、フィラメン
ト、グリッドは真空槽内に配備される。
上記蒸発源は、真空槽内に二つ以上設置され、対電極側
に蒸発物質を蒸発できる構造になっており、対電極との
距離関係は夫々同じでも違った状態でも良い。
上記対電極は、蒸発源に対向するように配備されており
、この対電極は、蒸発源と対向する側に被薄膜形成基板
を保持するようになっており、場合により基板回転等に
より基板位置の移動が可能となっている。
上記グリッドは蒸発物質を通過させうるちのであって、
蒸発源と対電極の間に介設され、電源手段により、フィ
ラメントに対し正電位にされる。
従って、薄膜形成時には、発生する電界はグリッドから
フィラメントに向かう。
上記フィラメントは熱電子発生用であって、蒸発源とグ
リッドの間に配備される。
上記電源手段は、真空槽内に所定の電気的状態を実現す
るための手段であり、この電源手段と真空槽内部が導電
手段により電気的に連結される。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説
明する。
第1図は本発明の一実施例を示す薄膜形成装置の概略的
構成図である。
第1図において、符号1はペルジャー、符号2はベース
プレート、符号3はバッキングを夫々示し、ペルジャー
1とベースプレート2はバッキング3により一体化され
て真空槽を構成しており、この真空槽の内部空間には、
符号4で示す導入パイプやバルブ等を用いた公知の適宜
の方法により、活性ガス、及び/または不活性ガスを導
入できるようになっている。また、ベースプレート2の
中央部に穿設された孔2人は、図示されない真空系に連
結されている。
上記ベースプレート2には、真空槽内部の機密性を保ち
、且つ、ベースプレート2との電気的絶縁性を保ちつつ
、支持体を兼ねた電極12.13.16゜19が配設さ
れている。これらt極12.13.16.19は、真空
槽内部と外側とを電気的に連結するものであって、他の
配線具と共に導電手段を構成している。
上記支持体兼用の電極12.13.16.19の内、−
対の電極13及び16の間には、その間にタングステン
、モリブデン、タンタル等の金属をボート状に形成した
、抵抗加熱式の蒸発源14.17が支持されている。
尚、蒸発源の形状は、ボート状゛に代えてコイル状、ま
たはルツボ状としても良い。また、このような蒸発源に
代えて電子ビーム蒸発源等、従来の真空蒸着方式で用い
られている蒸発源を適宜使用することができる。また蒸
発111i14.17と基板25間の距離は蒸発物質の
性質等により夫々違っており、場合によっては第1図、
第2図に示すように防着板5を設ける等により、蒸発物
質への不純物の混入防止、廻り込み防止、またはグリッ
ド、フィラメント等への不純物の付着防止等の手段が取
られる。
一対の電極12の間には、タングステン等による熱電子
発生用のフィラメントISが支持さ九ている。
このフィラメント15の形状は、複数本のフィラメント
を平行に配列したり、網目状にしたりするなどして、蒸
発源14から蒸発した蒸発物質の粒子の拡がりをカバー
するように定められている。
電極19にはグリッド11が支持されており、このグリ
ッド11は、蒸発した蒸発物質を対電極7側へ通過させ
うる様に形状を定めるのであるが、この例においては網
目状になっている。
電極8は対電極7に接続されており、この対電極7の蒸
発源14.17に対向する側の面に、被薄膜形成基板2
5が適宜の方法で保持されている。また、対電極7は、
支持体を兼ねた回転軸6等により自転運動等を行い、基
板位置を成膜空間中で移動できるようになっている。ま
た、電極8は図においてはそのまま接地されているが、
この間に直流電源を入れて対電極7にバイアスをかけて
もよい。
蒸発源14.17を支持する電極13.16は、加熱用
の交流電源20.21に接続されている。尚、この電源
は交流電源に代えて直流電源にしても良く、直流電源の
場合には、正負の向きはどちらの場合でも良い。また、
電源20.21は一台で兼用し、場合によりスイッチ等
によって切り換えて使用するようにしても良い。
フィラメント15を支持する電極12は電源10に接続
されているが、電源10は、上記電源20.21と同様
に、交流、直流、及び場合により切り換え式のどれを用
いても良い。
電極19は、直流電圧電源9の正極側に接続され、同電
源の負側は、第1図の例では電極12夫々の片側に接続
される。従って、グリッド11はフィラメント15に対
して正電位となり、グリッド11とフィラメント15の
間では、電界はグリッド11からフィラメント15へ向
かう、ここで、第1図における電源9の片側は、そのま
ま接地さ九ているが、この間に直流電源をいれて蒸発源
14.17、及び/またはフィラメント15にバイアス
をかけても良い。また、電源9は、上述の他の電源と同
様に切り換え式であってもよい。尚、図中における接地
は、必ずしも必要ではない。
さて、第1図に示す構成の薄膜形成装置においては、フ
ィラメント加熱用電源10とグリッド用直流電源9の調
節により、夫々安定なプラズマ状態を作ることができ、
これらのプラズマ状態は、蒸発物質等により夫々独自の
状態にすることができる。
フィラメント15により発生する熱電子は、導入ガスや
蒸発物質の一部をイオン化するのに供されるが、グリッ
ド11からの電界により引き寄せられ、最終的にはグリ
ッド11に吸収されるため、基板25へは達せず、基板
25に対する電子衝撃による加熱がなく、基板温度の上
昇が防止される。
尚、実際には、上記電気的接続は、導電手段の一部を構
成するスイッチを含み、これらのスイッチ操作により蒸
着プロセスを実行するのであるが、これらのスイッチ類
は、図示を省略されている。
以下、第1図に示す構成の薄膜形成装置による薄膜形成
について説明する。
第1図において、先ずペルジャー1を開き、被薄膜形成
基板25を図示の如く対電極7に保持させて、蒸発物質
を蒸発源14に保持させる。この蒸発物質は、勿論どの
ような薄膜を形成するかに応じて定められる。
次に真空槽のペルジャー1を閉じた後、真空槽内を10
−’Pa以下程度に排気した後、真空槽内に、予め活性
ガス若しくは不活性ガス、あるいはこれらの混合ガスを
10〜1O−3Paの圧力で導入する。
差当っての説明では、この導入ガスを、例えばアルゴン
(Ar)等の不活性ガスであるとする。
この状態において装置を作動させ、蒸発源14を加熱す
ると蒸発物質が蒸発する。この蒸発物質、すなわち、蒸
発物質の粒子は、被薄膜形成基板25に向かって拡がり
つつ飛行するが、その一部、及び前記導入ガスがフィラ
メント15より放出された熱電子との衝突によって正イ
オンにイオン化される。
このように、一部イオン化された蒸発物質はグリッド1
1を通過するが、その際グリッド近傍において上下に振
動運動する熱電子、及び前記イオン化された導入ガスと
の衝突により、さらにイオン化される。
グリッド11を通過した蒸発物質中、未だイオン化され
ていない部分は、さらに上記イオン化された導入ガスと
の衝突により正イオンにイオン化され、イオン化率が高
められる。このとき、真空蒸着や微量ガス導入真空蒸着
、微量ガス導入プラズマ蒸着の場合には、平均自由行程
が長く、ガス分子、イオン等との衝突による蒸発物質の
散乱が少ないため、蒸発源一基板間距離が長くても蒸発
物質の基板到達確率は高い。しかし、ガス圧が高い場合
には、蒸発物質の基板上への到達確率が低くなり、蒸発
物質が多量に必要になるため、コストが高くなってしま
う。また、膜厚分布を考えると、ガス圧が高い場合には
、蒸発源一基板間距離が短くても、ガス分子、イオン等
による散乱作用により蒸発物質の飛程が拡がるため、均
一になり易いので長くする必要も無い。従って、蒸発源
−基板間距菊を目的に応じて変化させた方が良い。
さて、こうして正イオンにイオン化された蒸発物質は、
グリッド11から対電極7へ向かう電界の作用により、
被蒸着基板25に向かって加速され、被蒸着基板25に
高速で衝突付着する。
このようにして形成された薄膜は、基板へのイオン粒子
の衝突により形成されるので、基板25への密着性に優
れ、結晶性が良好である。
また、導入ガスとして、活性ガスを単独で、あるいは不
活性ガスと共に導入して成膜を行うと、蒸発物質を活性
ガスと化合させ、化合物薄膜を形成することができる。
尚、本発明の薄膜形成装置では、蒸発物質のイオン化率
が極めて高く、且つ安定しているので、化合物薄膜も所
望の物性を持つものを、容易且つ確実に得ることができ
る。
ここで、第1図に示す構成の装置を用いて多層膜を形成
する場合について述べる。
先ず、成膜しようとする薄膜によって蒸発物質を選択し
、夫々の蒸発源14.17に蒸発物質を載せる。そして
、第一層目として蒸発源14を加熱し、前述した方法に
よって基板25上に成膜する。次に、第二層目として、
蒸発源17を用いて真空蒸着する場合には、グリッド1
1を回転支持棒23によって回転させ、蒸発源17の法
線方向と一致する角度と同じ、またはそれ以上に回転さ
せ、蒸発物がグリッド11に付着し、グリッド11が蒸
発物によって被われることによって発生する異常放電、
及び不純物の混入を防止した後、成膜を行う。また、上
記の場合と反対に、グリッド11を回転させた状態で、
蒸発源17により絶縁物薄膜を成膜し、次に蒸発源14
により成膜を行うことができる。更には、回転支持棒2
3を水平方向に移動させることで、より一層グリッドに
絶縁物が付着するのを防ぐことができる。また、三層以
上積層する場合には、これらの方式を組み合わせて成膜
を行うことができる。
以上のように、本発明の薄膜形成装置では、第−層、第
二層、第三層と順次成膜を行い、多層膜を形成すること
ができる。
さて、以上のように、本発明の薄膜形成装置では、作製
する薄膜により蒸発源一基板間距離を変えて、作製する
薄膜に適した成膜条件で薄膜を形成できる。また、フィ
ラメント、蒸発源周辺を防着板5等で被い、直接これら
やグリッドに絶縁物等が付着するのを防止することによ
って、安定した成膜条件で膜形成を行うことも可能にな
る。また、場合によっては真空槽内に3個以上の蒸発源
を設け、夫々の蒸発物にあった方式を選択し、多層膜を
形成することができる。
例えば、不活性ガスとしてアルゴン、活性ガスとして酸
素を導入して、圧力を10〜10−”Paに調整し、蒸
発物質として導電性薄膜形成側の蒸発源にインジウム、
スズ等を選択し、絶縁性薄膜形成側の蒸発源にはSi、
Si○等を用いれば、Si○、/In、○a/5in2
/In2O3の四層反射帯電防止膜等を安定して形成す
ることができる。
次に、第2図は本発明の別の実施例を示す薄膜形成装置
の概略的構成図であって、この薄膜形成装置では、蒸発
源17側にもフィラメント18とその電源24とを設け
、混合膜の形成に適した構成としたものである。尚、第
1図と同符号のものは同様の構成部材である。
以下、第2図に示す装置による混合膜形成について説明
する。
混合膜形成の場合には、二つ以上の蒸発源(第2図の場
合は14と17)から別の蒸発物質を蒸発させ、場合に
よっては基板25を回転させて膜厚むら、組成むらを抑
え、それにより基板上で混合して成膜を行う。
第2図に示す薄膜形成装置では、別々の蒸発源14、1
7を用いているため、夫々の成膜条件、成膜速度、成膜
空間の広さ(割合)、基板回転(移動)速度等を変化さ
せることによって、混合比の異なる種々の薄膜を、積層
膜中において膜の成長方向に対して混合比を均一にした
、再現性のある混合膜を得ることができる。もちろん、
成膜中に成膜条件を変化させて、成膜初期と終了時の膜
組成を変化させることもできる。また、第2図に示す構
成の薄膜形成装置は、複数の蒸発源が一つのグリッド1
1を共有することで省スペースであると同時に、蒸発面
積が広くなり、基板25への堆積量の増大、膜厚分布の
均一化や蒸発物質とイオン化された導入ガスとの衝突す
る空間を拡げ、イオン化の機会を増加させることの効果
を有する装置である。
例えば、不活性ガスとしてアルゴン、活性ガスとして酸
素を導入して、圧力を10〜1O−2Paに調整し、蒸
発物質として、蒸発源14にはInを、蒸発源17には
Snを用いれば、InzOaとSnO。
の混合膜、また、蒸発物質としてTi、Zrを用いれば
、T iOz (屈折率n =2.4) 、 ZrO,
(n=2.1)の混合膜ができ、その混合比を変化させ
ることにより抵抗率、屈折率等を変化させることができ
る。
また、混合膜形成の場合には、第3図の実施例に示す薄
膜形成装置のように、蒸発源14.17を直列、または
並列に接続させることで、装置上の制約を緩和して蒸発
源を増加させることができ、蒸発量の増加、成膜速度を
高く設定できる、蒸発物質への熱伝導性の改善による蒸
発物質の突沸の防止の効果を得る装置を、既存の装置を
安価に改造することで実施できる。
例えば、電源が40OA、15Vの場合、■蒸発源−個
接続し、電気容量400A、5vで蒸着を行っている場
合には、蒸発源を二個直列に接続し、■蒸発源−個接続
し、電気容量200 A、IOVで蒸着を行っている場
合には、蒸発源を二個並列に接続することで上記効果が
得られる。
ところで、第1図乃至第3図に示す薄膜形成装置におい
ては、蒸発物質及び導入ガスのイオン化には、フィラメ
ントによる熱電子が有効に寄与するので、1O−2Pa
以下の圧力の高度の真空下においても蒸発物質のイオン
化が可能であり、このため、薄膜中へのガス分子の取り
込みを極めて少なくすることができ、高純度の薄膜を得
ることができる。また、薄膜の構造も極めて緻密なもの
とすることが可能であり、加えて、低い基板温度で密着
性の良い薄膜を形成することができるため、ガラスのみ
ならず、プラスティック上への光学薄膜の形成等に非常
に適した装置である。
[発明の効果〕 以上説明したように、本発明の薄膜形成装置によれば、
低いガス圧力でもイオン化が高められる方法を用いて成
膜を行うため、化合物薄膜等の多層膜でも密着性良く、
緻密に形成でき、対応可能なガス圧範囲も幅広いので、
量産時等にも均一な膜厚分布が得られやすい。
また、蒸発物質がイオン化し、高いエネルギー(電子・
イオン温度)を電気的に有するので、反応性を必要とす
る成膜、結晶化を必要とする成膜を温度(反応温度、結
晶化温度)という熱エネルギーを与えずに実現できるの
で、光学薄膜等に多く用いられる多層膜、混合膜の低温
成膜が可能となる。
また、本発明の薄膜形成装置では、導電性物質の組合せ
による多層膜形成の際には、グリッドに付着する絶縁性
物質が非常に少なくなるために。
安定なプラズマ条件で良質な多層膜を得ることができる
また、混合膜形成時には、複数の蒸発源から蒸発物質を
蒸発させて、混合比、混合状態の良い良質な混合膜を得
ることができる。
また、種々の物質を省スペースで蒸着し、蒸着物質量の
増大を図るための既存装置の改造を、電源や装置スペー
スにとられれずに安価に改造できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す薄膜形成装置の概略的構
成図、第2図及び第3図は本発明の夫々側の実施例を示
す薄膜形成装置の概略的構成図である。 1・・・・ペルジャー、2・・・・ベースプレート、3
・・・・・バッキング、4・・・・ガス導入パイプ及び
バルブ、5・・・・防着板、6・・・・回転軸、7・・
・・対電極、8・・・・電極、9,10,24・・・・
直流電源、11・・・・グリッド、12.13.16.
19・・・・支持体兼用の電極、14、17・・・・蒸
発源、15.18・・・・フィラメント、20゜21・
・・・交流電源、25・・・・被薄膜形成基板。 Ir)7  口 売Z圀

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.活性ガス若しくは不活性ガス、あるいはこれら両者
    の混合ガスが導入される真空槽と、この真空槽内におい
    て複数個設置された蒸発物質を蒸発させるための蒸発源
    と、上記真空槽内において上記蒸発源と対向するように
    配置され被薄膜形成基板を保持する対電極と、上記複数
    の蒸発源の一つ以上と上記対電極との間の夫々に配備さ
    れた熱電子発生用のフィラメントと、このフィラメント
    と上記対電極との間に配備され蒸発物質を通過させうる
    グリッドと、上記真空槽内に所定の電気的状態を実現す
    るための電源手段と、上記真空槽内と上記電源手段とを
    電気的に連結する導電手段とを備え、上記フィラメント
    に対し、上記グリッドが正電位となるようにした治具構
    成を上記複数の蒸発源の内一つ以上構成すると共に、各
    蒸発源と対電極との距離関係を同じ若しくは夫々異なる
    ようにし、且つ、複数の蒸発源、グリッド、フィラメン
    ト等の操作を夫々独立に行うことを可能とし、夫々別々
    にまたは同時に成膜操作を行うことにより、多層膜及び
    混合膜を成膜可能としたことを特徴とする薄膜形成装置
  2. 2.請求項1記載の薄膜形成装置において、複数の蒸発
    源の内、一つあるいは複数個の蒸発源の周囲、あるいは
    一部を防着板で被ったことを特徴とする薄膜形成装置。
  3. 3.請求項1、請求項2記載の薄膜形成装置において、
    グリッドの回転機構、及び移動機構を設けたことを特徴
    とする薄膜形成装置。
  4. 4.請求項1、請求項2、請求項3記載の薄膜形成装置
    において、複数の蒸発源が一つのグリッドを共有し、複
    数の蒸発物質が同時に通過しうる一つのグリッドを有す
    ることを特徴とする薄膜形成装置。
  5. 5.請求項1、請求項2、請求項3、請求項4記載の薄
    膜形成装置において、複数の蒸発源を同一回路内で直列
    、若しくは並列に接続したことを特徴とする薄膜形成装
    置。
JP13883490A 1990-05-29 1990-05-29 薄膜形成装置 Pending JPH0432562A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13883490A JPH0432562A (ja) 1990-05-29 1990-05-29 薄膜形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13883490A JPH0432562A (ja) 1990-05-29 1990-05-29 薄膜形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0432562A true JPH0432562A (ja) 1992-02-04

Family

ID=15231307

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13883490A Pending JPH0432562A (ja) 1990-05-29 1990-05-29 薄膜形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0432562A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5133849A (en) Thin film forming apparatus
KR20050039240A (ko) 보호막을 개선한 플라즈마 디스플레이 패널
JP2834797B2 (ja) 薄膜形成装置
JPH0432562A (ja) 薄膜形成装置
US5114559A (en) Thin film deposition system
JP3026578B2 (ja) 薄膜形成装置
US4966095A (en) Apparatus for forming a thin film
JPH03166364A (ja) 薄膜形成装置
JPH0472060A (ja) 薄膜形成装置
JP2774541B2 (ja) 薄膜形成装置
JP2971541B2 (ja) 薄膜形成装置
JP3174313B2 (ja) 薄膜形成装置
JP2768960B2 (ja) 薄膜形成装置
JPH04221066A (ja) 薄膜蒸着装置
JPH0421772A (ja) 薄膜形成装置
JPH04341561A (ja) 薄膜形成装置
JPH04228570A (ja) 巻取式薄膜形成装置
JPH04165065A (ja) 薄膜形成装置
JPH0499169A (ja) 薄膜形成装置
JPH0375360A (ja) 薄膜形成装置
JPH09209131A (ja) 薄膜形成装置
JPH02258973A (ja) 薄膜形成装置
JPH0459962A (ja) 薄膜形成装置
JPH03291372A (ja) 薄膜形成装置
JPH01177365A (ja) 薄膜形成装置