JPH04228127A - 情報記録用薄膜、情報記録部材及びそれらの製造方法 - Google Patents

情報記録用薄膜、情報記録部材及びそれらの製造方法

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JPH04228127A
JPH04228127A JP3102508A JP10250891A JPH04228127A JP H04228127 A JPH04228127 A JP H04228127A JP 3102508 A JP3102508 A JP 3102508A JP 10250891 A JP10250891 A JP 10250891A JP H04228127 A JPH04228127 A JP H04228127A
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JP3102508A
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English (en)
Inventor
Motoyasu Terao
元康 寺尾
Keikichi Ando
安藤 圭吉
Shigenori Okamine
岡峯 成範
Yasushi Miyauchi
靖 宮内
正彦 ▲高▼橋
Masahiko Takahashi
Masaaki Futamoto
二本 正昭
Norihito Tamura
礼仁 田村
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Hitachi Ltd
Maxell Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光,電子線,電流
等の記録用エネルギーによって,たとえば映像や音声な
どのアナログ信号をFM変調したものや,たとえば電子
計算機のデータや,ファクシミリ信号やディジタルオー
ディオ信号などのディジタル情報を,リアルタイムで記
録することが可能な情報の記録用薄膜に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レーザー光等のエネルギービームによっ
て薄膜に記録を行う記録原理は種々あるが、非晶質−結
晶質間、結晶質−結晶質間、非晶質−非晶質間の相変化
による記録や、上下2層間の反応(合金化)を利用する
記録及び光磁気記録等は、膜の形状変化をほとんど伴わ
ないので、2枚のディスクを貼りあわせた両面ディスク
ができること、記録の書き換えができることという長所
を持っている。
【0003】しかし、相変化による記録では、多数回記
録の書き換えを行なった時に生じる記録膜の流動のため
に、書き換え可能回数が制限されるという問題点がある
。これは、非晶質化のために記録膜を融解させる部分で
、両側の保護層の記録膜側が熱膨張し、反対側は記録膜
側ほどには熱膨張しないために保護層が記録膜側にふく
らみ、記録膜が押されて温度の低い方へ流れるものであ
る。記録レーザーパワーが特に高い場合は、記録膜の一
部が気化し、これによって記録膜が押される効果も加わ
る。一回の記録による流動はごくわずかであるが、記録
トラック上の同一場所を繰り返して多数回融解させると
、その部分の膜厚が減少して読み出しエラーの原因とな
る。この問題点に対する対策として、記録膜の膜厚を薄
くすることが、ソサエティ・オブ・フォト・オプティカ
ル・インストゥルーメンテーション・エンジニアーズの
プロシーディングズ第1078巻(1989年)第27
頁から第34頁(Proceedings of So
ciety of Photo−Optical In
strumentation Engineers(S
PIE),1078,(1989) PP27−34)
(以下、第1の従来技術という)において提案されてい
る。これは、記録膜を薄くすることによって記録膜の発
熱量を小さくして上下の保護層の温度上昇による変形を
防ぎ、また、上下の保護層への融解した記録膜の付着力
及び粘性によって記録膜の流動速度を低下させることを
狙ったものである。
【0004】また、ゲルマニウム(Ge)膜を反応性イ
オンエッチングして、表面に100nm以下程度の凹凸
構造を作ったものが、アプライド.フィジックス.レタ
−ズ(Applied  Physics  Lett
ers)第40巻、第8号、第662〜664頁記載の
論文〕「テキスチャ−ド・ゲルマニウム・オプテイカル
・ストレ−ジ・メディアム(Textured  ge
rmaniumoptical  storage  
medium)」(以下、第2の従来技術という)およ
び米国特許第4422159号(以下、第3の従来技術
という)に記載されており、第2の従来技術では上記凹
凸構造の記録膜の変形による記録のみ記載されているの
に対し、第3の従来技術では記録膜の変形による記録の
他に記録膜の酸化による変形についても示唆がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来技術では、記録膜が相対的に厚い場合に比べて
書き換え可能回数が向上したが、完全に流動を止めるも
のではないので、コンピユ−タ−のファイルメモリとし
て使用する場合などに要求される、無制限の多数回書き
換えを実現することはできない。また、第2、第3の従
来技術では、記録膜に変形や酸化を起こさせて記録する
ので、記録の書き換えを行うことができず、用途が制限
される。また、膜表面の酸化などにより特性が変化しや
すく、保存寿命が短い。保護膜がないか、あっても酸素
を通しやすく熱変形しやすい有機物の保護膜を凹凸面側
に設けているからである。従って、第2、第3の従来技
術では、熱変形あるいは酸化により記録はできるものの
多数回書き換えは保証できない。これに対して、本発明
では、高融点の無機物の保護膜を凹凸面側に接して設け
ているため、エネルギ−ビ−ム照射による記録膜の流動
をほとんど完全に防止でき、多数回書き換えが可能であ
る。
【0006】また、一方、光磁気記録では、記録膜の熱
伝導率が高いために横方向(記録膜面内方向)の熱拡散
が大きく、記録信号に厳密に忠実な記録点が形成されに
くいという問題点がある。また、膜組成によっては磁化
容易軸方向が膜面に完全に垂直になりにくい。
【0007】本発明の目的は、エネルギ−ビ−ムの照射
を受けて物理的性質が変化する情報記録用薄膜、または
部材の少なくとも一方の面に、記録膜の流動および熱伝
導を押さえるための凹部または凹凸を設けることにより
、多数回の記録書き換えが可能で、高感度であり、しか
も長寿命の情報記録用薄膜を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、そのような情報記
録用薄膜の製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は、そのような情報記
録用薄膜を用いた情報記録部材を提供することにある。   本発明の第4の目的は、そのような情報記録部材の
製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、(1)基板
上に直接又は無機物及び有機物のうち少なくとも一者か
ら成る保護層を介して形成された、記録用エネルギービ
ームの照射を受けて物理的性質が変化する情報記録用薄
膜において、該情報記録用薄膜の少なくとも一方の面の
表面は、凹部を有し、さらにその凹部がある側に接して
無機物保護層を有することにより、上記物理的性質の変
化時に副作用として生ずる流動または熱伝導を押さえた
ことを特徴とする情報記録用薄膜、(2)上記1記載の
情報記録用薄膜において、上記凹部の半値幅の平均値は
5nmから200nmの範囲であり、該凹部と凹部との
間隔の平均値は5nmから600nmの範囲であること
を特徴とする情報記録用薄膜、(3)上記1又は2記載
の情報記録用薄膜において、上記無機物保護層を形成す
る材料が上記情報記録用薄膜の凹部に少なくとも入り込
んでいることを特徴とする情報記録用薄膜によって達成
される。
【0011】上記第2の目的は、(4)基板上に直接又
は無機物及び有機物のうち少なくとも一者から成る保護
層を介して形成された記録用エネルギービームの照射を
受けて物理的性質が変化する情報記録用薄膜上に、微小
な島状の金属膜を形成し、これをマスクとしてイオンエ
ツチングして、該情報記録用薄膜に凹部を形成し、さら
にその凹部がある側に接して無機物保護層を有すること
により、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる
流動または熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録
用薄膜の形成方法、(5)基板上に直接又は無機物及び
有機物のうち少なくとも一者から成る保護層を介して形
成された記録用エネルギービームの照射を受けて物理的
性質が変化する情報記録用薄膜上に、フオトレジスト又
は電子線レジストを形成する工程と、パターン照射及び
現像によつて該レジストを所望のパターンとする工程と
、該レジストのパターンをマスクとして該情報記録用薄
膜をエッチングしてその表面に凹部を形成し、さらにそ
の凹部がある側に接して無機物保護層を形成する工程と
を有することにより、上記物理的性質の変化時に副作用
として生ずる流動又は熱伝導を押さえたことを特徴とす
る情報記録用薄膜の形成方法、(6)上記5記載の情報
記録用薄膜の形成方法において、上記パターン照射は、
2つ以上のレーザビーム又は電子線の干渉を利用して行
なうことを特徴とする情報記録用薄膜の形成方法によっ
て達成される。  上記第3の目的は、(7)基板と、
該基板上に配置され、記録用エネルギービームの照射を
受けて物理的性質が変化する情報の記録用薄膜とを少な
くとも有する情報記録部材において、上記記録用薄膜の
少なくとも一方の面は、その表面に凹凸を有し、さらに
その凹部がある側に接して無機物保護層を有することに
より、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる流
動または熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部
材、(8)上記7記載の情報記録部材において、上記凹
凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が、上記記録用薄
膜に形成されたアドレス又は同期信号を示す凹部の半値
幅の小さい方の1/2以下の大きさであることを特徴と
する情報記録部材、(9)上記7又は8記載の情報記録
部材において、上記記録用薄膜の基板側と逆側の表面に
上記凹凸を有することを特徴とする情報記録部材、(1
0)上記7又は8記載の情報記録部材において、上記記
録用薄膜の基板側の表面は実質的に平坦であり、その逆
側の表面に上記凹凸を有することを特徴とする情報記録
部材、(11)上記7から10のいずれかに記載の情報
記録部材において、上記凹凸の凹部の半値幅の平均値が
5nmから200nmの範囲であり、凹部と凹部との間
隔の平均値が5nmから600nmの範囲であることを
特徴とする情報記録部材、(12)上記7から11のい
ずれかに記載の情報記録部材において、上記記録用薄膜
の一方の面に接して第2の記録用薄膜を有することを特
徴とする情報記録部材、(13)上記12記載の情報記
録部材において、上記凹凸は、上記記録用薄膜の第2の
記録用薄膜と接する面に有することを特徴とする情報記
録部材、(14)基板及び該基板上に配置され、記録用
エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する
情報の記録用薄膜の2層以上を少なくとも有する情報記
録部材において、少なくとも2層の上記記録用薄膜が互
いに接する表面に凹凸を有し、さらにその凹凸がある側
に接して無機物保護層を有することにより、上記物理的
性質の変化時に副作用として生ずる流動または熱伝導を
押さえたことを特徴とする情報記録部材、(15)上記
14記載の情報記録部材において、上記凹凸の凹部又は
凸部の大きい方の半値幅が、上記記録用薄膜に形成され
たアドレス又は同期信号を示す凹部の半値幅の小さい方
の1/2以下の大きさであることを特徴とする情報記録
部材、(16)上記14又は15記載の情報記録部材に
おいて、上記凹凸の凹部の半値幅の平均値が5nmから
200nmの範囲であり、凹部と凹部との間隔の平均値
が5nmから600nmの範囲であることを特徴とする
情報記録部材、(17)基板及び該基板上に配置され、
記録用エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変
化する情報の記録用薄膜の2層以上を少なくとも有する
情報記録部材において、少なくとも2層の上記記録用薄
膜は、それぞれ少なくともその一方の面の表面に凹凸を
有し、さらにその凹凸がある側に接して無機物保護層を
有することにより、上記物理的性質の変化時に副作用と
して生ずる流動または熱伝導を押さえたことを特徴とす
る情報記録部材、(18)上記17記載の情報記録部材
において、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅
が、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号
を示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさで
あることを特徴とする情報記録部材、(19)上記17
又は18記載の情報記録部材において、上記凹凸の凹部
の半値幅の平均値が5nmから200nmの範囲であり
、凹部と凹部との間隔の平均値が5nmから600nm
の範囲であることを特徴とする情報記録部材によって達
成される。上記第4の目的は、(20)基板上に、記録
用エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化す
る情報の記録用薄膜を形成する工程、該記録用薄膜上に
イオンエッチングの速度が部分的に異なる第2の薄膜を
形成する工程及び該第2の薄膜をイオンエッチングし、
該第2の薄膜に微細な孔又は溝を形成し、さらに該第2
の薄膜の上からイオンエッチングし、上記記録用薄膜の
表面に凹凸を形成し、さらにその凹凸がある側に接して
無機物保護層を形成する工程を有することにより、上記
物理的性質の変化時に副作用として生ずる流動または熱
伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部材の製造方
法、(21)上記20記載の情報記録部材の製造方法に
おいて、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が
、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号を
示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさであ
ることを特徴とする情報記録部材の製造方法、(22)
上記20又は21記載の情報記録部材の製造方法におい
て、上記第2の薄膜は、所望の形状の結晶粒を持ち、該
結晶粒の中心間の距離の平均値は10nmから800n
mの範囲であることを特徴とする情報記録部材の製造方
法、(23)基板上に、イオンエッチングの速度が部分
的に異なる第2の薄膜を形成する工程、該第2の薄膜を
イオンエッチングし、該第2の薄膜の表面に微細な凹凸
を形成する工程、該第2の薄膜上に、記録用エネルギー
ビームの照射を受けて物理的性質が変化する情報の記録
用薄膜を形成し、少なくとも該記録用薄膜の基板側の表
面に凹凸を形成する工程を有することにより、上記物理
的性質の変化時に副作用として生ずる流動または熱伝導
を押さえたことを特徴とする情報記録部材の製造方法、
(24)上記23記載の情報記録部材の製造方法におい
て、上記記録用薄膜に形成された凹凸の凹部又は凸部の
大きい方の半値幅が、上記記録用薄膜に形成されたアド
レス又は同期信号を示す凹部の半値幅の小さい方の1/
2以下の大きさであることを特徴とする情報記録部材の
製造方法、(25)上記23又は24記載の情報記録部
材の製造方法において、上記第2の薄膜は、所望の形状
の結晶粒よりなり、該結晶粒の中心間の距離の平均値は
10nmから800nmの範囲であることを特徴とする
情報記録部材の製造方法、(26)基板上に、記録用エ
ネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する情
報の記録用薄膜を形成する工程、該記録用薄膜上に微細
な島状の部分よりなる第2の薄膜を形成する工程、およ
び該第2の薄膜の上からイオンエッチングし、該記録用
薄膜の表面に凹凸を形成し、さらにその凹凸がある側に
接して無機物保護層を形成する工程を有することにより
、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる流動ま
たは熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部材の
製造方法、(27)上記26記載の情報記録部材の製造
方法において、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半
値幅が、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期
信号を示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大き
さであることを特徴とする情報記録部材の製造方法(ア
ドレス又は同期信号の凹部に比べ本発明の上記凹部を小
さくするのは、本発明の凹部は信号として分解されない
ことが望ましいからである。)(28)上記26又は2
7記載の情報記録部材の製造方法において、上記第2の
薄膜は、所望の形状の結晶粒を持ち、該結晶粒の中心間
の距離の平均値は10nmから800nmの範囲である
ことを特徴とする情報記録部材の製造方法、  (29
)基板上に、微細な島状の部分よりなる第2の薄膜を形
成する工程、該第2の薄膜上に、記録用エネルギービー
ムの照射を受けて物理的性質が変化する情報の記録用薄
膜を形成し、少なくとも該記録用薄膜の基板側の表面に
凹凸を形成する工程を有することにより、上記物理的性
質の変化時に副作用として生ずる流動または熱伝導を押
さえたことを特徴とする情報記録部材の製造方法、(3
0)上記29記載の情報記録部材の製造方法において、
上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が、上記記
録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号を示す凹部
の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさであることを
特徴とする情報記録部材の製造方法、(31)上記29
又は30記載の情報記録部材の製造方法において、上記
第2の薄膜は、所望の形状の結晶粒を持ち、該結晶粒の
中心間の距離の平均値は10nmから800nmの範囲
であることを特徴とする情報記録部材の製造方法、(3
2)上記29、30又は31記載の情報記録部材の製造
方法において、上記記録用薄膜は、その基板側と逆の表
面に、上記基板側の表面の凹凸に対応した凹凸を有する
ことを特徴とする情報記録部材の製造方法、(33)上
記20から32のいずれかに記載の情報記録部材の製造
方法において、上記第2の薄膜は、融点が150℃から
4000℃の範囲にある材質からなることを特徴とする
情報記録部材の製造方法、(34)上記20から33の
いずれかに記載の情報記録部材の製造方法において、上
記第2の薄膜は、熱伝導率が6W/m・Kから420W
/m・Kの範囲にある材質からなることを特徴とする情
報記録部材の製造方法、(35)上記20から34のい
ずれかに記載の情報記録部材の製造方法において、上記
第2の薄膜は、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、  Zr、Nb、
Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Sn、S
b、Te、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、
Au、Tl、Pb、Bi及びCより成る群より選ばれた
少なくとも一者を主成分とする材質であることを特徴と
する情報記録部材の製造方法(36)基板上に、記録用
エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する
情報の記録用薄膜を形成する工程、及び上記記録用薄膜
をイオンエッチングし、上記記録用薄膜の表面に微細な
孔又は溝などの凹凸を形成し、さらにその凹凸がある側
に接して無機物保護層を形成する工程を有することによ
り、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる流動
または熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部材
の製造方法、(37)上記36記載の情報記録部材の製
造方法において、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の
半値幅が、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同
期信号を示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大
きさであることを特徴とする情報記録部材の製造方法、
によって達成される。
【0012】本発明の情報記録部材は、記録用薄膜を基
板上に直接設けてもよいし、有機物、無機物の保護膜等
の1層又は多層の膜を介して設けてもよい。この記録用
薄膜は、記録用エネルギービームの照射を受けて膜の変
形をほとんど伴わずにその物理的性質が変化するもので
ある。
【0013】情報記録用薄膜の表面に凹部又は凹凸を設
ける方法は種々の方法を用いることができる。記録膜を
柱状構造を持った非晶質状態として、柱と柱の間をマス
ク層を用いずにエッチングしたり、ピンホールを持った
非晶質状態として、ピンホールの周辺をエッチングする
方法も用いることができる。例えば、記録用薄膜を多結
晶状態として、その粒界からエッチングする方法を用い
ることができる。エッチングはエッチング液を用いて行
なっても良いが、イオンエッチング(反応性ガスや不活
性ガスによるスパッタエッチング、イオンビームエッチ
ング、イオンミリング)によることが好ましい。
【0014】また、好ましい方法として、記録用薄膜の
上に微小な粒状又は柱状の結晶粒を持つ第2の薄膜を形
成し、これをマスクとして記録用薄膜をイオンエッチン
グ(スパッタエッチング)する方法がある。微小な粒状
又は柱状の結晶粒を持つ薄膜を形成する方法としては、
凝集しやすい金属あるいは融点の高い金属をスパッタリ
ングや蒸着で形成する方法が有る。この膜の同じスパッ
タ条件下でのスパッタ速度は記録用薄膜のスパッタ速度
の1/3以下であるのが好ましく、1/5以下であれば
特に好ましい。記録用薄膜がTeやSeを主成分とする
相変化記録用薄膜の場合、金属等に比べて非常にスパッ
タエッチングされやすいので、凹凸や凹部の形成が容易
である。
【0015】記録用薄膜表面に凹凸や凹部を形成するの
に、短波長光(青色光、紫外線、X線等を含む)用のフ
オトレジスト又は電子線レジストを用いてもよい。記録
膜上に直接又は別の層を介してレジストを塗布し、微細
パターンの露光(電子線照射)を行なった後現像して不
要なレジストを除去する。次にこのレジスト層をマスク
にして、エツチング液によるエツチング又はイオンエツ
チングにより記録膜に凹凸や凹部を形成する。その後フ
オトレジスト層を除去する。上記のフオトレジスト層へ
のパターン照射は、密着マスクを使用して行なってもよ
いが、短波長レーザビーム又は電子線の干渉縞を利用す
ると規則正しいパターンを容易に形成することができる
。ポジ型のレジストを用いれば整列した柱状の記録用薄
膜が得られ、ネガ型のレジストを用いれば繰り返し井桁
状の記録用薄膜が得られる。
【0016】また、記録用薄膜表面に凹凸や凹部を形成
するのに必ずしも記録用薄膜表面をエッチングする必要
は無く、記録用薄膜の下地層又は基板に凹凸を設け、そ
の上に記録用薄膜を形成しても良い。これによって記録
用薄膜表面にも凹凸が表れる。下地層や基板のエッチン
グには、上記の記録用薄膜のエッチングに用いた方法を
そのまま使用できる。また、この場合は、下地層と記録
用薄膜の間や基板と下地層との間の接着性も改善される
【0017】上記の記録用薄膜や下地層(下部保護層)
に凹凸や凹部を設けるのに、エッチング以外の方法によ
っても良い。例えば選択的膜成長を行なっても良い。記
録用薄膜を選択的に膜成長させるには、例えば下地層上
に島状(アイランド)の金属膜を着け、その上に真空蒸
着等によって記録用薄膜を形成すれば、島状金属膜の上
の記録用薄膜の形成速度が大きく、表面に凹凸を持った
記録用薄膜が得られる。また、このようにして成長させ
る柱状の記録用薄膜と記録用薄膜の間の凹部に、上部保
護層の材質を同時に、または後で成長させても良い。ま
た、逆に、まず上部保護層の材質を柱状に成長させ、そ
の間に記録用薄膜を成長させても良い。凹部の大きさ(
凹凸のときもその凹部の大きさ、以下このような数量的
な扱いのとき同じ)は、凹部の半値幅の平均値が5nm
以上200nm以下であることが好ましく、10nm以
上150nm以下であることがより好ましく、20nm
以上100nm以下であることが最も好ましい。凹部と
凹部の間隔の平均値は5nm以上600nm以下である
のが好ましく、10nm以上450nm以下であるのが
より好ましく、20nm以上300nm以下であるのが
最も好ましい。
【0018】逆に凹凸の凸部についてみると、凸部と凸
部との間隔の平均値は5nm以上200nm以下である
のが好ましく、凸部の半値幅の平均値は5nm以上60
0nm以下であるのが好ましい。凹部や凸部の半値幅や
間隔は、第11図に示すように、凹部の半値幅が凸部と
凸部との間隔であり(図のm)、凸部の半値幅が凹部と
凹部との間隔であり(図のn)、また凹部の周期と凸部
の周期は同じである(図のl)。
【0019】これらの条件は、凹凸や凹部の効果が有り
、また、半値直径が0.5〜1.5μmの光スポットで
情報を読み出した時にノイズが大きくならないために必
要である。
【0020】保護膜は、凹部を完全に埋めることが望ま
しいので、その厚さは、10nmから300nmの範囲
が望ましい。10nm以下だと保護効果がほとんどなく
、300nm以上だとクラックが入りやすいからである
【0021】記録膜用薄膜が相変化型記録用薄膜である
場合、凹部の一部が記録用薄膜の下面あるいはその下の
層、例えば、下部保護層(下地層)まで達している、す
なわち記録用薄膜が少なくとも部分的に切れていると効
果が大きいが、凹部が記録用薄膜の下面に達していなく
ても凹部を形成しない場合に比べると効果が有る。
【0022】さらに、記録用薄膜が相変化型記録用薄膜
である場合、記録用薄膜上部の保護層が上記の凹部に少
なくとも部分的に入り込んでいることが記録用薄膜の流
動を制限するために有効である。上部の保護層を形成後
保護層の表面をスパッタエッチングして凹凸の程度を弱
めたり平坦にしてもよい。
【0023】また、2層より成る光磁気記録用薄膜等の
場合は、磁性記録用薄膜の第一層を形成した後その表面
に凹凸を形成し、次いで前記記録用薄膜と磁気特性の異
なる磁性記録用薄膜の第二層を積層する。この場合、上
記凹凸は記録用薄膜の下の層まで達してもよいが達しな
い方が好ましい。次に、その表面の凸部分をイオンエッ
チングし、膜の表面を平坦にして同一面内に特性の異な
る島状の記録用薄膜をほぼ均一に混在させる構造にする
ことが磁気特性を制御するのに有効である。第二層のエ
ッチングは行なわなくても記録用薄膜は使用可能である
。多層より成る記録用薄膜では適当な層数を積層した後
、表面に凹凸を形成し、その後残りの層を形成してもよ
いし、凹凸形成を複数の層間で行なってもよい。もちろ
ん、基板、あるいは下部保護層に凹凸を形成するのも、
その上に形成する記録用薄膜にも凹凸が生ずることにな
り、好ましい。記録用薄膜を完全に形成後凹凸を形成す
るのも効果がある。層間の反応や相互拡散による記録用
薄膜でも光磁気記録用薄膜について述べた各種方法が有
効である。
【0024】上記のような所望の寸法の凹部又は凹凸を
、上記記録用薄膜の表面に形成するためのマスクとする
前記第2の薄膜は、粒状又は柱状の結晶粒を持つ膜であ
ることが好ましく、その結晶粒の中心間の距離の平均値
は10nm以上800nm以下の範囲であることが好ま
しく、20nm以上600nm以下の範囲であることが
より好ましい。結晶の粒径は、中心間の距離の50%以
上が好ましく、80%以上がより好ましい。マスクとす
る第2の薄膜は連続膜でなく、島状の不連続膜でもよい
。この時結晶粒を島と読み換えれば上記の大きさの条件
は同じである。上記マスクとする第2の薄膜の膜厚は5
nm以上600nm以下が好ましく10nm以上450
nm以下がより好ましい。島状の不連続膜では平均膜厚
がこれより薄くてもよい。この第2の薄膜の融点は15
0℃以上4000℃以下の範囲が好ましく、1200℃
以上3600℃以下がより好ましく、1400℃以上3
400℃以下が特に好ましい。
【0025】ところで、上記記録用薄膜の熱伝導率が極
めて小さい場合、マスクとする第2の薄膜である金属膜
形成時の記録用薄膜の表面の温度が上昇し、均一な粒状
又は柱状の結晶粒を持つ第2の薄膜を形成することが困
難である。その場合は熱伝導率が大きい金属元素を主成
分とする薄膜をマスク下地層として形成し、その上にこ
のマスク下地層より熱伝導率が小さい薄膜を形成すれば
容易に粒状又は柱状の結晶粒を持つ第2の薄膜を形成で
きる。
【0026】上記マスクとする第2の薄膜の熱伝導率は
6W/m・K以上420W/m・K以下が好ましく、2
0W/m・K以上250W/m・K以下がより好ましい
【0027】上記金属元素を主成分とするマスク下地層
の熱伝導率は200W/m・K以上430W/m・K以
下が好ましく、膜厚は2nm以上50nm以下が好まし
い。上記マスクとする第2の薄膜は、金属元素を主成分
とする薄膜であるのが好ましいが、酸化物、窒化物、硫
化物、セレン化物、弗化物、炭化物等の化合物薄膜でも
よい。
【0028】第2の薄膜には、Al、Si、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Z
r、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、In
、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Re、Os、I
r、Pt、Au、Tl、Pb、Bi及びCより成る群よ
り選ばれた少なくとも一者を用いるのが好ましい。特に
Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Zr、Nb、Mo
、Tc、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Re、O
s、Ir、Pt及びCより成る群より選ばれた少なくと
も一者を用いるのがより好ましい。
【0029】保護層材質としては、酸化物、低酸化物、
硫化物、窒化物、セレン化物、炭化物、ホウ化物などの
無機絶縁物(誘電体)材料が好ましく、読み出し用レ−
ザ光を透過させるものが好ましい。融点または軟化点が
、記録膜材料より高ければ、さらに好ましい。それらの
例は、たとえば主成分が、CeO2,La2O3,Si
O,SiO2,In2O3,Al2O3,GeO,Ge
O2、PbO,SnO,SnO2,Bi2O3,TeO
2,WO2,WO3,Ta2O5,Sc2O3,Y2O
3,TiO2,ZrO2,CdS,CdSe,(ZnS
)80(SiO2)20,ZnSe,In2S3,In
2Se3、Sb2S3,Sb2Se3,Ga2S3,G
a2Se3,MgF2,CeF2,CaF2,GeS,
GeSe,GeSe2,SnS,SnSe,PbS,P
bSe,Bi2S3,Bi2Se3,TaN,Si3N
4,AlN,Si,Ti,B4C,SiC,BN,Bお
よびCのうちの少なくとも一者または二者以上の混合物
に近い組成のものである。保護層材質として有機物を用
いた場合は、記録時の熱で融解、軟化、分解などが起こ
りやすいので、記録膜が変形・流動しやすくなる。また
、酸素や水分を透過させるので、記録膜が酸化されやす
く、記録.記録書き換え、読み出し特性を安定に保つこ
とができない。
【0030】記録用薄膜が相変化型記録用薄膜である場
合、その平均膜厚は5nm以上120nm以下が好まし
く、10nm以上50nm以下が特に好ましい。記録用
薄膜が光磁気記録膜である場合、その平均膜厚は10n
m以上400nm以下が好ましく、20nm以上200
nm以下が特に好ましい。いずれも平均膜厚は、記録用
薄膜の凹凸をならして平坦にしたと考えたときの膜厚で
ある。
【0031】
【作用】記録用薄膜表面に凹凸や凹部を形成することに
よって、流動や横方向の熱伝導や磁力線の広がりを防止
できる。その他、結晶粒径を制限することができてノイ
ズや消え残りを低減できる、表面積が増加することによ
って記録用薄膜と他の層との間の接着性が改善される。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0033】実施例1 第3図に示すように、射出成形時にトラッキング用の溝
とアドレスを示すピット(いずれも図示せず)を表面に
形成したディスク状ポリカーボネート基板5上に、マグ
ネトロンスパッタリングによって、まず高熱伝導率の第
2下部保護層6である厚さ約100nmのAl2O3膜
を、次に低熱伝導率の第1下部保護層4である厚さ約1
20nmの(ZnS)80(SiO2)20膜を形成し
、その上に厚さ約60nmのGe−Sb−Teよりなる
相変化型の記録用薄膜2を形成し、さらにマスク用の第
2の薄膜1として、平均厚さ約20nmのTi膜を形成
した。このTi膜は第1図に示したような粒状の多結晶
膜であった。
【0034】次にこのディスクをアルゴンガスを用い、
ガス圧10mTorrでスパッタエッチングした。この
時第2の薄膜1の結晶と結晶の間の部分が特にエッチン
グされ第2の薄膜1が島状(アイランド)となった。さ
らにエッチングを継続することによりTiの島と島の間
の部分の記録用薄膜がエッチングされた。この時島状の
第2の薄膜1も徐々にエッチングされて薄く小さくなる
が、完全になくなってからも少しエッチングした。これ
によって記録用薄膜2には第2図にその断面の一部を示
したような凹凸が形成され、その凹部の一部は第1下部
保護層4まで達した。この時、記録用薄膜2の平均膜厚
は25nmとなった。Tiの島が少し残った状態でエッ
チングを終えてもよいが、その場合は多数回書き換えに
よってTiが記録用薄膜中に拡散することによるわずか
な特性変化が見られた。なお、エッチングにはアルゴン
−酸素ガスを用いてもよく、アルゴン−酸素ガス中にC
Cl2F2等を添加しても良い。
【0035】エッチング後、第4図に示すように、さら
にマグネトロンスパッタリングによって上部保護層7で
ある厚さ約210nmの(ZnS)80(SiO2)2
0膜を形成し、次いで金属反射層8として、厚さ約10
0nmのAl96Cu4膜を形成した。次に紫外線硬化
樹脂9を塗布し、紫外線を照射して硬化させた。最後に
同様にして作製したもう一枚のディスクと、上記紫外線
硬化樹脂側を内側にして貼り合わせた。Al96Cu4
膜のCu含有量は1〜45原子%の範囲で良好な特性が
得られ、記録膜にう凹部を形成しない場合にも有効であ
る。  ディスク断面の走査型電子顕微鏡観察の結果、
(ZnS)80(SiO2)20膜が記録用薄膜のスパ
ッタエッチングによって掘られた部分に入り込み、融解
した記録用薄膜が流動するのを阻止する効果を期待でき
ることが分かった。
【0036】上記のようにして形成したディスクへの情
報の記録・再生は次のようにして行なった。ディスクを
1800rpmで回転させ、半導体レーザ(波長830
nm)の光を記録が行なわれないレベル(1mW)に保
って、記録ヘッド中のレンズで集光して基板を通して一
方の記録用薄膜に照射した。反射光を検出することによ
って、記録用薄膜上に焦点が来るように自動焦点合わせ
を行ない、さらにトラッキング用の溝と溝の間に光スポ
ットの中心が常に一致するようにトラッキングを行なっ
た。  次に、レーザパワーを結晶化が起こる6mWと
、非晶質に近い状態への変化が起こる15mWとの間で
記録すべき情報信号にしたがって変化させることにより
記録を行なった。記録信号として、ここでは一定周波数
の信号またはディジタルデータ信号を用いた。記録され
た部分の、非晶質に近い状態のところを記録点と考える
。 このような記録方法は、すでに記録されている部分に対
して行なっても記録されていた情報が新たに記録した情
報に書き換えられる。もちろん、一定パワーの照射で消
去した後、パワー変調した照射で記録してもよい。読み
出しは次のようにして行なった。ディスクを1800r
pmで回転させ、記録時と同じようにトラッキングと自
動焦点合わせを行ないながら、1mWのレーザ光で反射
光の強弱を検出し、再生信号を得た。この再生信号をス
ペクトラムアナライザに入れ、記録した一定周波数の情
報信号(搬送波)とノイズとの比を求めた。
【0037】記録用薄膜の膜厚を25nmとし、第2の
薄膜であるTi膜を形成せずに作製した、表面に凹凸の
ない記録用薄膜を持った従来ディスクと、本実施例のデ
ィスクとの、多数回オーバーライト時の再生信号ノイズ
の増加は下記の通りであった。
【0038】 凹凸の形成によって多数回書き換え特性が大幅に向上し
たことが分かる。
【0039】Ti膜の形成条件と形成後の熱処理条件を
変えて、Ti膜の結晶粒径の大きさを変えてスパッタエ
ッチングを行ない、記録用薄膜の凹凸の形状を変えた実
験の結果、その凹部の半値幅(最大深さの半分のところ
における幅、平均値、以下同じ)が5nm以上200n
m以下であり、凹部と凹部の間隔(隣接する2つの凹部
の中心の距離、平均値、以下同じ)が5nm以上600
nm以下の範囲では従来ディスクの初回記録のノイズレ
ベルと比べた時の本実施例のディスクの106回書き換
え後のノイズ増加分は6dB以下であった。また、凹部
の半値幅の平均値が10nm以上150nm以下、凹部
と凹部の間隔の平均値が10nm以上450nm以下の
範囲では、106回書き換え後のノイズの増加分は3d
B以下であった。さらに、凹部の半値幅の平均値が20
nm以上100nm以下、凹部と凹部の間隔の平均値が
20nm以上300nm以下の範囲では、106回書き
換え後のノイズの増加分は2dB以下であった。オーバ
ーライトした時の消去比(前に書かれていた信号の信号
レベルの減少率)も従来ディスクの30dBから本実施
例では33dB以上に改善された。
【0040】別の製膜方法として、第1下部保護層の表
面に島状のTi膜を形成し、その上に、真空蒸着によっ
て記録用薄膜を形成すると、蒸着の初期に記録用薄膜は
選択的に成長し、表面に凹凸を持った記録用薄膜を得る
ことができた。上部保護層や反射層の形成は上記の方法
と同様とした時、ほぼ同様の記録・読み出し特性が得ら
れた。
【0041】記録用薄膜として膜厚1.5nm程度のP
t膜とCo膜を交互に多層積層した超構造光磁気記録用
薄膜を用いて同様に凹凸を形成した場合は、膜面に垂直
に磁化するのが容易になるという効果が有った。
【0042】Bi2Te3とSb2Se3との積層膜等
、層間の反応や合金化や相互拡散を利用した記録用薄膜
の表面にに凹凸を形成した場合にも記録信号に忠実な再
生信号が得られる等の効果が有る。
【0043】上記のマスクとして用いる薄膜1のTiの
一部または全部をAl、Si、V、Cr、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、T
c、Ru、Rh、Pd、Ag、In、Sn、Sb、Te
、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、T
l、Pb、Bi及びCより成る群より選ばれた少なくと
も一者を主成分とするもので置き換えても同様の特性が
得られた。これらのうちTi、V、Cr、Fe、Co、
Ni、Zr、Nb、Tc、Ru、Rh、Pd、Hf、T
a、W、Re、Os、Ir、Pt及びCが特に好ましい
。これらの材料の融点及び熱伝導率は例として下記の通
りである。
【0044】   また、上記の下部保護層のうち記録用薄膜側の第1
下部保護層の(ZnS)80(SiO2)20の一部又
は全部をZnS、CdS、In2S3、ZnSe、Cd
Se、In2Se3、SiO2、SiO、TiO2及び
ZrO2より成るA群より選ばれた少なくとも一者に近
い組成のもので置き換え、基板側の第2下部保護層のA
l2O3の一部または全部をTa2O5、Y2O3、S
i3N4、AlN、Al、SiN2、Al2SiN3、
AlSi2N3、Si−Al−O−N及びSiCより成
るB群より選ばれた少なくとも一者に近い組成の材料を
主成分とするもので置き換えても同様の結果が得られる
。これらのうちではAl2O3及びAl−Si−N系材
料が特に好ましい。これらの材料の熱伝導率は例として
下記の通りである。 SiO2 :  1 W/m・K ZnS  :  2 W/m・K TiO2 :  5 W/m・K ZrO2 :  3 W/m・K Si3N4:18 W/m・K Al2O3:46 W/m・K Y2O3  :15 W/m・K AlN  :30 W/m・K SiC  :  8 W/m・K 例えば、上記の第1下部保護層を(ZnS)80(Si
O2)20、第2下部保護層をAlSiN2、第1下部
保護層をZrO2、第2下部保護層をAlSiN2、第
1下部保護層をSiO2、第2下部保護層をAl2O3
又は第1下部保護層をY2O3を少量含むZrO2、第
2下部保護層をAl2O3としても同様の結果が得られ
た。
【0045】本実施例の第1下部保護層の酸化物、ある
いは硫化物を主成分とする薄膜の熱伝導率は1W/m・
K以上6W/m・K以下、上記の第2下部保護層の酸化
物、あるいは窒化物を主成分とする薄膜の熱伝導率は8
W/m・K以上60W/m・K以下が好ましく10W/
m・K以上50W/m・K以下が特に好ましい。上記の
Ge−Sb−Te相変化記録用薄膜を用いてかつ、熱伝
導率の異なる保護層材質を用いた場合、記録レーザパワ
ーと105回オーバーライトした時のノイズ増加は次の
ように変化した。
【0046】   また、記録用薄膜の非晶質に近い状態の部分の屈折
率と平均膜厚の積(記録膜のある部分の屈折率5.1)
が100nm以上、600nm以下、中間層の屈折率と
膜厚の積が50nm以上、600nm以下の範囲で再生
信号CN比46dB以上が得られた。中間層の膜厚が1
50nm以上300nm以下の範囲でCN比が48dB
以上であった。記録用薄膜の結晶状態の部分の屈折率と
平均膜厚の積が上記の範囲内に有るようにしても差し支
えない。中間層を形成しない場合は、記録感度が約50
%低下するが、他の特性に大きな変化は無く、使用可能
であった。
【0047】第5図に示したように、ガラス基板5上に
形成した紫外線硬化樹脂層11の表面に案内溝を形成し
、その上に4図のディスクと同様な記録層を順序を逆に
(金属反射層8のAlCu膜から)構成し、もう一枚の
ディスクと貼り合せずに使用しても、ほぼ同様な効果が
得られた。この場合、最上部にさらに有機物保護膜12
を形成するのが好ましい。ただし、これらの場合はレ−
ザ光は基板とは反対の側から入射させた。
【0048】上記の第1、第2下部保護層の形成の際、
第6図に示したインラインスパッタ装置を用い、例えば
Al2O3のタ−ゲット13と(ZnS)80(SiO
2)20のタ−ゲット14を並べ、スパッタ室15内で
基板5を矢印Cの方向に移動させながらスパッタすると
、1つのスパッタ室で、Al2O3層と(ZnS)80
(SiO2)20層の積層膜が容易に得られる。これら
の層間では組成が連続的に変化している。
【0049】実施例2 実施例1と同様にしてディスクを形成したが、記録用薄
膜としてはTb−Fe−Co光磁気記録膜を用いた。
【0050】第7図に示すように、実施例1と同様に第
1下部保護層4まで形成し、その上に第1の記録用薄膜
16としてTb−Fe−Co光磁気記録膜を形成した。 ついでその表面にマスクとする第2の薄膜(図示せず)
としてTi膜を形成し、実施例1と同様にして第1の記
録用薄膜16の表面にその膜厚の約1/3の深さの凹部
を持つ凹凸を形成した後、第二記録層17としてTb−
Dy−Fe−Co光磁気記録用薄膜を積層し、その後上
記のスパッタエッチング条件とは異なるスパッタエッチ
ングによりTb−Dy−Fe−Co光磁気記録用薄膜表
面の凸部を削って膜表面を平坦にした。さらに実施例1
と同様にして上部保護層7、金属反射層8を積層した。 これにより界面に凹凸を持つ2層の記録用薄膜が得られ
た。
【0051】本実施例では、光磁気ヘッドと磁場用コイ
ルを用い、記録点の両端にディジタル情報の1を対応さ
せるピットエッジ方式の記録を行なった。読み出しはカ
ー効果による偏光面の回転を利用して行なった。再生信
号のエッジの原信号からのズレ量を、記録用薄膜表面に
凹凸を形成していないディスクと比較すると、少なくと
も5ns改善されていることが分かった。また、記録感
度も約10%向上した。
【0052】また、2層間の交換結合力を強める等の効
果が得られた。このため、表面に凹凸を形成していない
場合にはオーバーライトが困難であったが、本実施例の
記録用薄膜界面に凹凸を形成したディスクではオーバー
ライトが可能であった。
【0053】また、第8図及び第9図に説明に必要な部
分のみ示したディスクのように、上記の2度目のスパッ
タエッチングの程度を軽くしたり、あるいは2度目のス
パッタエッチングを行わないで製造したディスクでも良
好な記録、再生が行えた。また、第10図に示したディ
スクように、第2の記録用薄膜まで形成してからスパッ
タエッチングして製造したディスクでもオーバーライト
が可能であり、横方向の熱伝導が防止できるので記録感
度の向上、隣接トラック消去の防止、記録点の形状改善
等の効果があった。
【0054】本実施例を磁気ヘッドで記録・読み出しを
行なう磁気ディスク用記録用薄膜について実施した場合
も、磁気異方性向上等の効果があった。
【0055】実施例3 実施例1とほぼ同様にして、第3図、射出成形時にトラ
ツキング用の溝とアドレスを示すピツト(いずれも図示
せず)を表面に形成したデイスク状ポリカーボネート基
板上5に、マグネトロンスパツタリングによつて、まず
高熱伝導率の第2の下部保護層6として厚さ約100n
mのAl2O3層を、次に低熱伝導率の第1の下部保護
層4として厚さ約120nmの(ZnS)80(SiO
2)20層を形成し、その上に厚さ約60nmのGe−
Sb−Teよりなる相変化型の記録用薄膜2を形成し、
さらに平均厚さ約5nmのTi膜をマスク用の第2の薄
膜1として形成した。このTi膜は、上記の厚さである
と、12図島状(アイランド状)になっている。
【0056】次にこのデイスクを酸素を20モル%を含
むアルゴンガスを用い、ガス圧20mTorrで逆スパ
ツタ(イオンエツチング)することによりTiの島と島
の間の部分の記録用薄膜2をエツチングした。この時T
iの島も徐徐にエツチングされて小さくなるが、完全に
なくなつてからも少しエツチングを継続した。これによ
つて記録用薄膜2には13図その断面の一部を示したよ
うな凹部が形成され、その一部は第1の下部保護層4ま
で達した。この時、記録用薄膜の平均膜厚は約25nm
となつた。Tiの島が少し残つた状態でエツチングを終
えてもよいが、その場合は多数回書き換えによつてTi
が記録用薄膜中に拡散することによる僅かな特性変化が
見られた。なお、アルゴン−酸素ガスの代わりに純アル
ゴンガスを用いてもよく、アルゴン−酸素にCCl2F
2等を添加してもよい。
【0057】エツチング後さらにマグネトロンスパツタ
リングによつて上部保護層である厚さ約210nmの(
ZnS)80(SiO2)20層を形成し、次いで厚さ
約100nmのNi−Crよりなる金属反射層を形成し
た。次に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射して硬
化させた。最後に同様にして作製したもう一枚のデイス
クと、上記の紫外線硬化樹脂層側を内側にして貼り合わ
せた。
【0058】デイスク断面の走査電子顕微鏡観察の結果
、上記上部保護層としての(ZnS)80(SiO2)
20層が、イオンエツチングによつて堀られた記録用薄
膜間に入り込み、融解した記録用薄膜の流動を阻止する
効果を発揮することが分かつた。
【0059】上記のようにして形成したデイスクへの情
報の記録・再生は実施例1と同じ方法で行なつた。
【0060】記録用薄膜の膜厚を25nmとし、第2の
薄膜であるTi膜を形成せず作製した、表面の凹凸の少
ない記録用薄膜を持つた従来デイスクと、本実施例のデ
イスクとの、多数回オーバーライト時の再生信号ノイズ
の増加は下記のとおりであつた。
【0061】   凹部の形成によつて105 回以上での多数回書き
換え特性が大幅に向上したことが分かる。
【0062】第2の薄膜であるTi膜の形成条件と形成
後の熱処理条件を変えて記録用薄膜の凹部の形状を変え
た実験の結果、凹部の半値幅(最大深さの半分のところ
における幅)が5nm以上200nm以下であり、凹部
と凹部の間隔(隣接する2つの凹部の中心間の距離)が
5nm以上600nm以下の範囲では従来デイスクの初
回記録のノイズレベルと比べた時の本実施例のデイスク
の106 回書き換え後のノイズ増加分は6dB以下で
あつた。また、凹部の半値幅が10nm以上150nm
以下、凹部と凹部の間隔が10nm以上450nm以下
の範囲では、106 回書き換え後のノイズ増加分は3
dB以下であつた。さらに、凹部の半値幅が20nm以
上100nm以下、凹部と凹部の間隔が20nm以上3
00nm以下の範囲では、106 回書き換え後のノイ
ズ増加分は1dB以下であつた。オーバーライトした時
の消去比(前に書かれていた信号の信号レベルの減少率
)も従来デイスクの30dBから本実施例では35dB
以上に改善された。記録用薄膜の平均膜厚を変化させた
時、10nm以上120nm以下の範囲で10−4以下
の再生信号エラーレートが得られたが、さらに、15n
m以上50nm以下ではエラーレートが10−5以下と
なつた。
【0063】別の製膜方法として、第1の下部保護層の
表面に島状のTi膜を形成し、その上に真空蒸着によつ
て記録用薄膜を形成すると、蒸着の初期に記録用薄膜は
選択的に成長し、表面に凹凸を持つた記録用薄膜を得る
ことができた。上部保護層や反射層の形成は上記の方法
と同様とした時、ほぼ同様の記録・読み出し特性が得ら
れた。
【0064】上記(ZnS)80(SiO2)保護層の
代わりに、酸化物、低酸化物、硫化物、窒化物、セレン
化物、炭化物、ホウ化物などの無機絶縁物(誘電体)材
料であって、たとえば主成分が、CeO2,La2O3
,SiO,SiO2,In2O3,Al2O3,GeO
,GeO2、PbO,SnO,SnO2,Bi2O3,
TeO2,WO2,WO3,Ta2O5,Sc2O3,
Y2O3,TiO2,ZrO2,CdS,CdSe,Z
nSe,In2S3,In2Se3、Sb2S3,Sb
2Se3,Ga2S3,Ga2Se3,MgF2,Ce
F2,CaF2,GeS,GeSe,GeSe2,Sn
S,SnSe,PbS,PbSe,Bi2S3,Bi2
Se3,TaN,Si3N4,AlN,Si,Ti,B
4C,SiC,BN,BおよびCのうちの少なくとも一
者または二者以上の混合物に近い組成であるものを用い
てもほぼ同様の結果が得られる。  しかし、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリスチレンなどの有機物保護膜では
、  10回以上の記録書き換えで保護膜が劣化し、記
録膜が流動・変形するため、搬送波対雑音比が3dB以
上低下した。
【0065】実施例4 記録用薄膜形成までは、記録用薄膜膜厚を40nmとす
ること以外は実施例3と同様にし、記録用薄膜上にポジ
型紫外線フオトレジストを形成した後、エキシマレーザ
の光ビームを2つに分け、それぞれビームエキスパンダ
ーを通して再び交差させる時の干渉縞にレジストを感光
させた。次にデイスクを回転軸の回りに90度回転させ
、再び干渉縞に感光させた。次にフオトレジストを現像
すると、フオトレジストはレーザ光を照射された部分が
除去され、碁盤の目状に切られた。次にデイスクを再び
スパツタ装置内に入れてフオトレジストをマスクとして
記録用薄膜をエツチングした。次にフオトレジストを溶
剤によつて除去し、もう一度スパツタリング装置に入れ
て、上部保護層のスパツタリング以降の工程を実施例3
と同様にして行ない、デイスクを完成させた。本実施例
のデイスクにおいても実施例1と同様に多数回書き換え
によるノイズの増加は見られなかつた。
【0066】実施例5 実施例4と同様にしてデイスクを形成したが、記録用薄
膜としてはTb−Fe−Co光磁気記録用薄膜を用いた
。この場合には光磁気用光ヘツドと磁場用コイルを用い
、記録点の両端にデイジタル情報の1を対応させるピツ
トエツジ方式の記録を行つた。読み出し信号はカー効果
による偏光面の回転を利用して行う。再生信号のエツジ
の原信号からのズレ量を、記録用薄膜表面に凹部を形成
していないデイスクと比較すると、少なくとも5ns改
善されていることがわかつた。また、記録感度も約10
%向上した。
【0067】Tb−Fe−Co光磁気記録用薄膜の組成
を変化させ、極端な場合、Coだけの薄膜として垂直磁
気異方性を低下させると、表面に凹部を形成していない
場合には再生信号強度が低下したが、本実施例の記録用
薄膜表面に凹部を形成したデイスクでは46dB以上の
搬送波対雑音比が得られた。PtとCo又はPdとCo
の多層積層光磁気記録膜でも、全体を1つの記録膜と考
えて同様にして凹部を形成すると、同様な効果があった
【0068】Bi2Te3とSb2Se3との積層膜な
ど、層間の反応や合金化や相互拡散を利用した記録用薄
膜に凹部を形成した場合にも同様な効果があった。
【0069】本実施例を磁気ヘツドで記録・読み出しを
行う磁気デイスク用記録媒体について実施した場合も、
磁気異方性向上などの効果があった。
【0070】実施例6 射出成形時にトラッキング用の溝とアドレスを示すピッ
トを表面に形成したディスク状ポリカーボネート基板上
に、マグネトロンスパッタリングによって、まず下部保
護層である厚さ約100nmの(ZnS)80(SiO
2)20膜を形成し、その上に厚さ約60nmのGe−
Sb−Teよりなる相変化型の記録用薄膜を形成した。 次にこの記録用薄膜を、アルゴンガスを用い、ガス圧1
0mTorrでスパッタエッチングした。この時、記録
用薄膜がもともと持っている柱状構造と柱状構造の間の
部分が特にエッチングされ、記録用薄膜には凹凸が形成
されて、その凹部の一部は下部保護層まで達した。この
時、記録用薄膜の平均膜厚は20nmとなった。なお、
エッチングにはアルゴン−酸素ガスを用いてもよく、ア
ルゴン−酸素ガス中にCCl2F2等を添加しても良い
【0071】エッチング後、さらにマグネトロンスパッ
タリングによって上部保護層である厚さ約50nmの(
ZnS)80(SiO2)20膜を形成し、次いで金属
反射層として、厚さ約100nmのAl96Cu4膜を
形成した。次に紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線を照射
して硬化させた。最後に同様にして作製したもう一枚の
ディスクと、上記紫外線硬化樹脂側を内側にして貼り合
わせた。Al96Cu4膜のCu含有量は1〜45原子
%の範囲で良好な特性が得られる。  ディスク断面の
走査型電子顕微鏡観察の結果、(ZnS)80(SiO
2)20膜が記録用薄膜のスパッタエッチングによって
掘られた部分に入り込み、融解した記録用薄膜が流動す
るのを阻止する効果を期待できることが分かった。
【0072】上記のようにして形成したディスクへの情
報の記録・再生は実施例1と同様にして行なった。
【0073】実施例7 実施例1と同様にしてディスクを形成した。記録用薄膜
としてはGe−Sb−Teよりなる相変化型の記録用薄
膜を用いた。
【0074】図14に示したように、実施例1と同様に
基板18上に下部保護層19を形成し、その上に記録用
薄膜としてGe−Sb−Teよりなる相変化型の記録用
薄膜20を形成した。ついでその表面にマスクとする第
2の薄膜としてSnS膜を形成した。SnS膜のトラッ
キング用溝の傾斜部分では膜の構造が乱れており、この
あとスパッタエッチングするとこの部分のSnS膜と記
録用薄膜とが共に無くなり、記録用薄膜がトラックごと
に分離された。この上にさらに実施例1と同様にして上
部保護層21を形成した。さらにこの上に金属反射層を
積層した。これにより、オーバーライトによる記録書換
え時に、熱伝導によって隣のトラックが消去されてしま
うということが無くなり、高密度記録が可能となる。同
様な方法でV字型の溝内の記録膜を除去することも可能
である。第2の薄膜をつけずに記録膜を直接スパッタエ
ッチングしてもよい。これらの方法は、Tb−Fe−C
o光磁気記録膜でもほぼ同様に行なえる。
【0075】本実施例の場合は、凹部が大きくてもノイ
ズが増加するおそれは無いので、凸部凹部または凸部の
大きい方の半値幅が、アドレスまたは同期信号を示す凹
部の半値幅の一番小さいものの1/2以下の大きさであ
る必要は無い。
【0076】実施例8 実施例1と同様にしてディスクを形成した。記録用薄膜
としてはGe−Sb−Teよりなる相変化型の記録用薄
膜を用いた。基板のトラッキング用溝の形状は、V字型
であった。
【0077】実施例1と同様に下部保護層まで形成し、
その上に第1の記録用薄膜としてGe−Sb−Teより
なる相変化型の記録用薄膜を形成した。ついでその表面
にマスクとする第2の薄膜としてSnS膜を形成した。 SnS膜のトラッキング用溝内の部分では膜の構造が乱
れており、このあとスパッタエッチングすると溝内のS
nS膜と記録膜とが共に無くなり、記録用薄膜がトラッ
クごとに分離された。第2の薄膜をつけずに記録膜を直
接スパッタエッチングしてもよい。記録用薄膜を分離し
た後、第2の記録用薄膜として組成比の異なるGe−S
b−Teよりなる相変化型の記録用薄膜を積層した。こ
れにより、溝間では2層、溝内では1層の記録用薄膜が
得られた。この上にさらに実施例1と同様にして上部保
護層、金属反射層を積層した。
【0078】上記の記録用部材では、情報の読み出しは
2つの波長で行う。たとえば、溝間に書かれている情報
を一方の波長で読み出すときは、溝内に書かれている情
報は、この波長では非晶質状態の反射率と結晶状態の反
射率とが同じであるために見えない。逆に、溝内に書か
れている情報を他方の波長で読み出すときは、溝間に書
かれている情報は、この波長では非晶質状態の反射率と
結晶状態の反射率とが同じであるために見えない。従っ
て、トラックピッチが狭くても良好な読み出しが行える
【0079】本実施例の場合は、凹部が大きくてもノイ
ズが増加するおそれは無いので、凹部または凸部の大き
い方の半値幅が、アドレスまたは同期信号を示す凹部の
半値幅の小さい方の1/2以下の大きさである必要は無
い。
【0080】実施例9 実施例1とほぼ同様にしてディスクを形成したが、基板
表面の凹凸形成用原盤として、トラッキング用溝の形状
がU字型であり、深さがトラック方向に約2ミクロンの
周期で周期的に変わるものを用いた。記録用薄膜として
はGe−Sb−Te相変化記録膜を用いた。
【0081】実施例1と同様に下部保護層まで形成し、
その上に記録用薄膜としてGe−Sb−Te相変化記録
膜を形成した。ついでその表面にマスクとする第2の薄
膜としてSnS膜を形成した。SnS膜のトラッキング
用溝の傾斜部分およびトラック方向の周期的な深さの変
化の傾斜部では、膜の構造が乱れており、このあとスパ
ッタエッチングすると傾斜部分のSnS膜と記録膜とが
共に無くなり、記録用薄膜がトラックごとに、また、さ
らにトラック方向に周期的に分離された。第2の薄膜を
つけずに記録膜を直接スパッタエッチングしてもよい。 トラックに直角方向に切ったときの断面図は図14と同
じである。トラックの中央部でトラックに平行に切った
ときの断面図も図14と同じである。これにより記録点
毎に分離された記録用薄膜が得られた。この上にさらに
実施例1と同様にして上部保護層、金属反射層を積層し
た。トラッキング用溝の周期的な深さの変化からクロッ
ク信号を得ながら、正確にそれぞれの分離された記録膜
上に記録していくことにより、高密度の記録が行える。
【0082】本実施例の場合は、凹部が大きくてもノイ
ズが増加するおそれは無いので、凹部または凸部の大き
い方の半値幅が、アドレスまたは同期信号を示す凹部の
半値幅の小さい方の1/2以下の大きさである必要は無
い。
【0083】以上の実施例ではディスク状の情報記録部
材について述べたが、本発明はテープ状、カード状等の
他の形状の情報記録部材にも適用できる。
【0084】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように相変化光
ディスクに対しては記録用薄膜の流動をほぼ完全に防止
できるので書き換え可能回数を大幅に向上させる効果が
有る。また、結晶粒の大きさが制限されるので消え残り
も低減できる。さらに、記録用薄膜の表面に凹凸や凹部
を形成する際に少なくとも部分的に結晶化が起こるので
、従来は必要だったディスク作製後の記録用薄膜の初期
結晶化が不要になるか、簡単になるという効果も有る。 また、光磁気ディスクや2層膜の合金化によって記録す
るディスク等に対しては特に、記録用薄膜面内の熱伝導
を防止するので再生信号の忠実度を向上させ、記録感度
を向上させる効果が有る。また、光磁気ディスクや磁気
ディスクに対しては記録用薄膜面内の磁力線の広がりを
防止するので、すなわち形状異方性を持つので、垂直磁
気異方性の小さい記録用薄膜組成でも垂直磁化が可能で
あり、組成の許容範囲が広がるという効果も有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の情報記録部材の記録用薄膜
上に形成された第2の薄膜である多結晶状Ti膜の平面
【図2】凹凸を持つ記録用薄膜の部分の断面図
【図3】
本発明の一実施例の情報記録部材の製造工程を説明する
ためのその一部分の断面図
【図4】本発明の一実施例の情報記録部材の一部の断面
【図5】本発明の他の実施例の情報記録部材の一部の断
面図
【図6】複数のタ−ゲットを有するスパッタ装置の部分
断面図
【図7】本発明のさらに他の実施例の情報記録部材の一
部の断面図
【図8】本発明のさらに他の実施例の情報記録部材の一
部の断面図
【図9】本発明のさらに他の実施例の情報記録部材の一
部の断面図
【図10】本発明のさらに他の実施例の情報記録部材の
一部の断面図
【図11】記録用薄膜上に形成された凹凸を説明するた
めの摸式的な斜視図
【図12】本発明の一実施例の情報記録部材の記録用薄
膜上に形成された第2の薄膜である島状Ti膜の平面図
【図13】凹凸を持つ記録用薄膜の一部分の断面図
【図
14】トラック間を分離した記録用薄膜の一部分の断面
【符号の説明】
1…第2の薄膜、2…記録用薄膜、4…第1下部保護層
、5…基板、6…第2下部保護層、7…上部保護層、8
…金属反射層、9…紫外線硬化樹脂、11…紫外線硬化
樹脂層、12…有機物保護膜、13、14…タ−ゲット
、15…スパッタ室、16…第1の記録用薄膜、17…
第2の記録用薄膜、C…矢印(基板の移動方向)、18
…基板、19…下部保護層、20…記録用薄膜、21…
上部保護層。

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に直接又は無機物及び有機物のうち
    少なくとも一者から成る保護層を介して形成された、記
    録用エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化
    する情報記録用薄膜において、該情報記録用薄膜の少な
    くとも一方の面の表面は、凹部を有し、さらにその凹部
    がある側に接して無機物保護層を有することにより、上
    記物理的性質の変化時に副作用として生ずる流動または
    熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録用薄膜。
  2. 【請求項2】請求項1記載の情報記録用薄膜において、
    上記凹部の半値幅の平均値は5nmから200nmの範
    囲であり、該凹部と凹部との間隔の平均値は5nmから
    600nmの範囲であることを特徴とする情報記録用薄
    膜。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の情報記録用薄膜にお
    いて、上記無機物保護層を形成する材料が該上記情報記
    録用薄膜の凹部に少なくとも入り込んでいることを特徴
    とする情報記録用薄膜。
  4. 【請求項4】基板上に直接又は無機物及び有機物のうち
    少なくとも一者から成る保護層を介して形成された記録
    用エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化す
    る情報記録用薄膜上に、微小な島状の金属膜を形成し、
    これをマスクとしてイオンエツチングして、該情報記録
    用薄膜に凹部を形成し、さらにその凹部がある側に接し
    て無機物保護層を形成することにより、上記物理的性質
    の変化時に副作用として生ずる流動または熱伝導を押さ
    えたことを特徴とする情報記録用薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】基板上に直接又は無機物及び有機物のうち
    少なくとも一者から成る保護層を介して形成された記録
    用エネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化す
    る情報記録用薄膜上に、フオトレジスト又は電子線レジ
    ストを形成する工程と、パターン照射及び現像によつて
    該レジストを所望のパターンとする工程と、該レジスト
    のパターンをマスクとして該情報記録用薄膜をエッチン
    グしてその表面に凹部を形成し、さらにその凹部がある
    側に接して無機物保護層を形成する工程とを有すること
    により、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる
    流動または熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録
    用薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】請求項5記載の情報記録用薄膜の形成方法
    において、上記パターン照射は、2つ以上のレーザビー
    ム又は電子線の干渉を利用して行なうことを特徴とする
    情報記録用薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】基板と、該基板上に配置され、記録用エネ
    ルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する情報
    の記録用薄膜とを少なくとも有し、さらにその凹凸があ
    る側に接して無機物保護層を有することにより、上記物
    理的性質の変化時に副作用として生ずる流動または熱伝
    導を押さえた情報記録部材において、上記記録用薄膜の
    少なくとも一方の面は、その表面に凹凸を有し、さらに
    その凹凸がある側に接して無機物保護層を有することに
    より、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる流
    動または熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部
    材。
  8. 【請求項8】請求項7記載の情報記録部材において、上
    記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が、上記記録
    用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号を示す凹部の
    半値幅の小さい方の1/2以下の大きさであることを特
    徴とする情報記録部材。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の情報記録部材におい
    て、上記記録用薄膜の基板側と逆側の表面に上記凹凸を
    有することを特徴とする情報記録部材。
  10. 【請求項10】請求項7又は8記載の情報記録部材にお
    いて、上記記録用薄膜の基板側の表面は実質的に平坦で
    あり、その逆側の表面に上記凹凸を有することを特徴と
    する情報記録部材。
  11. 【請求項11】請求項7から10のいずれかに記載の情
    報記録部材において、上記凹凸の凹部の半値幅の平均値
    が5nmから200nmの範囲であり、凹部と凹部との
    間隔の平均値が5nmから600nmの範囲であること
    を特徴とする情報記録部材。
  12. 【請求項12】請求項7から11のいずれかに記載の情
    報記録部材において、上記記録用薄膜の一方の面に接し
    て第2の記録用薄膜を有することを特徴とする情報記録
    部材。
  13. 【請求項13】請求項12記載の情報記録部材において
    、上記凹凸は、上記記録用薄膜の第2の記録用薄膜と接
    する面に有することを特徴とする情報記録部材。
  14. 【請求項14】基板及び該基板上に配置され、記録用エ
    ネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する情
    報の記録用薄膜の2層以上を少なくとも有する情報記録
    部材において、少なくとも2層の上記記録用薄膜が互い
    に接する表面に凹凸を有し、さらにその凹凸がある側に
    接して無機物保護層を有することにより、上記物理的性
    質の変化時に副作用として生ずる流動または熱伝導を押
    さえたことを特徴とする情報記録部材。
  15. 【請求項15】請求項14記載の情報記録部材において
    、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が、上記
    記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号を示す凹
    部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさであること
    を特徴とする情報記録部材。
  16. 【請求項16】請求項14又は15記載の情報記録部材
    において、上記凹凸の凹部の半値幅の平均値が5nmか
    ら200nmの範囲であり、凹部と凹部との間隔の平均
    値が5nmから600nmの範囲であることを特徴とす
    る情報記録部材。
  17. 【請求項17】基板及び該基板上に配置され、記録用エ
    ネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する情
    報の記録用薄膜の2層以上を少なくとも有する情報記録
    部材において、少なくとも2層の上記記録用薄膜は、そ
    れぞれ少なくともその一方の面の表面に凹凸を有し、さ
    らにその凹凸がある側に接して無機物保護層を有するこ
    とにより、上記物理的性質の変化時に副作用として生ず
    る流動または熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記
    録部材。
  18. 【請求項18】請求項17記載の情報記録部材において
    、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が、上記
    記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号を示す凹
    部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさであること
    を特徴とする情報記録部材。
  19. 【請求項19】請求項17又は18記載の情報記録部材
    において、上記凹凸の凹部の半値幅の平均値が5nmか
    ら200nmの範囲であり、凹部と凹部との間隔の平均
    値が5nmから600nmの範囲であることを特徴とす
    る情報記録部材。
  20. 【請求項20】基板上に、記録用エネルギービームの照
    射を受けて物理的性質が変化する情報の記録用薄膜を形
    成する工程、該記録用薄膜上にイオンエッチングの速度
    が部分的に異なる第2の薄膜を形成する工程及び該第2
    の薄膜をイオンエッチングし、該第2の薄膜に微細な孔
    又は溝を形成し、さらに該第2の薄膜の上からイオンエ
    ッチングし、上記記録用薄膜の表面に凹凸を形成し、さ
    らにその凹凸がある側に接して無機物保護層を形成する
    工程を有することにより、上記物理的性質の変化時に副
    作用として生ずる流動又は熱伝導を押さえたことを特徴
    とする情報記録部材の製造方法。
  21. 【請求項21】請求項20記載の情報記録部材の製造方
    法において、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値
    幅が、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信
    号を示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさ
    であることを特徴とする情報記録部材の製造方法。
  22. 【請求項22】請求項20又は21記載の情報記録部材
    の製造方法において、上記第2の薄膜は、所望の形状の
    結晶粒を持ち、該結晶粒の中心間の距離の平均値は10
    nmから800nmの範囲であることを特徴とする情報
    記録部材の製造方法。
  23. 【請求項23】基板上に、イオンエッチングの速度が部
    分的に異なる第2の薄膜を形成する工程、該第2の薄膜
    をイオンエッチングし、該第2の薄膜の表面に微細な凹
    凸を形成する工程、該第2の薄膜上に、記録用エネルギ
    ービームの照射を受けて物理的性質が変化する情報の記
    録用薄膜を形成し、少なくとも該記録用薄膜の基板側の
    表面に凹凸を形成し、さらにその凹凸がある側に接して
    無機物保護層を形成する工程を有することにより、上記
    物理的性質の変化時に副作用として生ずる流動または熱
    伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部材の製造方
    法。
  24. 【請求項24】請求項23記載の情報記録部材の製造方
    法において、上記記録用薄膜に形成された凹凸の凹部又
    は凸部の大きい方の半値幅が、上記記録用薄膜に形成さ
    れたアドレス又は同期信号を示す凹部の半値幅の小さい
    方の1/2以下の大きさであることを特徴とする情報記
    録部材の製造方法。
  25. 【請求項25】請求項23又は24記載の情報記録部材
    の製造方法において、上記第2の薄膜は、所望の形状の
    結晶粒よりなり、該結晶粒の中心間の距離の平均値は1
    0nmから800nmの範囲であることを特徴とする情
    報記録部材の製造方法。
  26. 【請求項26】基板上に、記録用エネルギービームの照
    射を受けて物理的性質が変化する情報の記録用薄膜を形
    成する工程、該記録用薄膜上に微細な島状の部分よりな
    る第2の薄膜を形成する工程及び該第2の薄膜の上から
    イオンエッチングし、該記録用薄膜の表面に凹凸を形成
    し、さらにその凹凸がある側に接して無機物保護層を形
    成する工程を有することにより、上記物理的性質の変化
    時に副作用として生ずる流動または熱伝導を押さえたこ
    とを特徴とする情報記録部材の製造方法。
  27. 【請求項27】請求項26記載の情報記録部材の製造方
    法において、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値
    幅が、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信
    号を示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさ
    であることを特徴とする情報記録部材の製造方法。
  28. 【請求項28】請求項26又は27記載の情報記録部材
    の製造方法において、上記第2の薄膜は、所望の形状の
    結晶粒を持ち、該結晶粒の中心間の距離の平均値は10
    nmから800nmの範囲であることを特徴とする情報
    記録部材の製造方法。
  29. 【請求項29】基板上に、微細な島状の部分よりなる第
    2の薄膜を形成する工程、該第2の薄膜上に、記録用エ
    ネルギービームの照射を受けて物理的性質が変化する情
    報の記録用薄膜を形成し、少なくとも該記録用薄膜の基
    板側の表面に凹凸を形成し、さらにその凹凸がある側に
    接して無機物保護層を形成する工程を有することにより
    、上記物理的性質の変化時に副作用として生ずる流動ま
    たは熱伝導を押さえたことを特徴とする情報記録部材の
    製造方法。
  30. 【請求項30】請求項29記載の情報記録部材の製造方
    法において、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値
    幅が、上記記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信
    号を示す凹部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさ
    であることを特徴とする情報記録部材の製造方法。
  31. 【請求項31】請求項29又は30記載の情報記録部材
    の製造方法において、上記第2の薄膜は、所望の形状の
    結晶粒を持ち、該結晶粒の中心間の距離の平均値は10
    nmから800nmの範囲であることを特徴とする情報
    記録部材の製造方法。
  32. 【請求項32】請求項29、30又は31記載の情報記
    録部材の製造方法において、上記記録用薄膜は、その基
    板側と逆の表面に、上記基板側の表面の凹凸に対応した
    凹凸を有することを特徴とする情報記録部材の製造方法
  33. 【請求項33】請求項20から32のいずれかに記載の
    情報記録部材の製造方法において、上記第2の薄膜は、
    融点が150℃から4000℃の範囲にある材質からな
    ることを特徴とする情報記録部材の製造方法。
  34. 【請求項34】請求項20から33のいずれかに記載の
    情報記録部材の製造方法において、上記第2の薄膜は、
    熱伝導率が6W/m・Kから420W/m・Kの範囲に
    ある材質からなることを特徴とする情報記録部材の製造
    方法。
  35. 【請求項35】請求項20から34のいずれかに記載の
    情報記録部材の製造方法において、上記第2の薄膜は、
    Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni
    、Cu、Zn、Ge、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、
    Rh、Pd、Ag、In、Sn、Sb、Te、Hf、T
    a、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Tl、Pb、
    Bi及びCより成る群より選ばれた少なくとも一者を主
    成分とする材質であることを特徴とする情報記録部材の
    製造方法。
  36. 【請求項36】基板上に、記録用エネルギービームの照
    射を受けて物理的性質が変化する情報の記録用薄膜を形
    成する工程、及び上記記録用薄膜をイオンエッチングし
    、上記記録用薄膜の表面に微細な孔又は溝などの凹凸を
    形成し、さらにその凹凸がある側に接して無機物保護層
    を形成する工程を有することにより、上記物理的性質の
    変化時に副作用として生ずる流動または熱伝導を押さえ
    たことを特徴とする情報記録部材の製造方法、【請求項
    37】上記36記載の情報記録部材の製造方法において
    、上記凹凸の凹部又は凸部の大きい方の半値幅が、上記
    記録用薄膜に形成されたアドレス又は同期信号を示す凹
    部の半値幅の小さい方の1/2以下の大きさであること
    を特徴とする情報記録部材の製造方法、
JP3102508A 1990-05-09 1991-05-08 情報記録用薄膜、情報記録部材及びそれらの製造方法 Withdrawn JPH04228127A (ja)

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