JPH04224686A - 溶融亜鉛または亜鉛合金めっきクロム含有鋼板の製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛または亜鉛合金めっきクロム含有鋼板の製造方法

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JPH04224686A
JPH04224686A JP40696790A JP40696790A JPH04224686A JP H04224686 A JPH04224686 A JP H04224686A JP 40696790 A JP40696790 A JP 40696790A JP 40696790 A JP40696790 A JP 40696790A JP H04224686 A JPH04224686 A JP H04224686A
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加 藤  康
Misako Tochihara
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融亜鉛または亜鉛合
金めっきクロム(以下Crと略称する)含有鋼板の製造
方法に関し、特に、溶融めっき性に優れた(不めっき率
が少ない)方法で、めっき密着性および耐食性に優れた
溶融亜鉛または亜鉛合金めっきCr含有鋼板が得られる
製造方法であり、従来非常に困難とされていたステンレ
ス鋼板等のCr含有鋼板への溶融亜鉛めっきを容易に行
えるものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、普通鋼板に溶融亜鉛めっきを施
した冷延鋼板は、自動車のボディ用、家電用、建材用な
ど広範囲に渡って使用されている。その主たる理由は、
亜鉛の犠牲防食効果により鋼板自身の耐食性を上げるこ
とにあるのは周知の事実である。その製造方法は、ゼン
ジミア法(米国特許第2,197,622号)に代表さ
れるようにイン・ライン・焼鈍(溶融めっき工程中に焼
鈍工程がある)を含んでおり、しかも溶融亜鉛めっきを
行う直前に鋼板表面に生成している酸化物をH2 −N
2 混合ガス雰囲気中で還元し、めっきを行う表面を清
浄な鋼板表面としてから溶融亜鉛めっき槽に浸漬して溶
融めっきするという手順を取っている。このように、得
られる溶融亜鉛めっきの性質には、溶融めっき層に浸漬
する前の鋼板表面の酸化スケールの存在が大きく影響し
、鋼板表面が完全に清浄な表面でない場合には溶融亜鉛
浴へ浸漬した時に下地鉄と溶融亜鉛との合金層の生成が
起こらずに、その結果不めっき部分や溶融めっき層のめ
っき密着性の不良が生じる。
【0003】ところで最近ステンレス等のCr含有鋼板
に溶融亜鉛または亜鉛合金をめっきし、屋根や壁用の建
築用外装材、車のフロアー材等に用いようとの要求があ
る。しかしながらこれらの材料は鋼中のCr量が高いの
で鋼板表面に生成する酸化膜はFeO からCr2O3
 へと変化する。このCr2O3 を、上述したように
溶融亜鉛または亜鉛合金めっきに先立つ還元焼鈍により
還元するには、熱力学的な関係より明らかなように高H
2 濃度でしかも低D.P.(露点)の雰囲気中で還元
焼鈍をすることが必須である。従って、これらの条件を
満足させるには鋼板の加熱温度にもよるが、少なくとも
D.P.−70℃以下のガス雰囲気が必要であり、実際
にこの条件下で還元焼鈍して亜鉛または亜鉛合金めっき
鋼板を製造するのは現実的に不可能であった。従って、
Crを多量に含有した鋼板への溶融亜鉛または亜鉛合金
めっきは、通常の工程を通した場合いずれもめっき性と
めっき密着性が悪く、満足できる品質の溶融亜鉛または
亜鉛合金めっき製品が得られなかった。
【0004】そこで、Crを多量に含有した鋼板に溶融
亜鉛または亜鉛合金めっきする際に、あらかじめ鋼板表
面に異種金属被覆を施して、溶融めっきを行う方法が提
案されている。例えば、特開平2−194155号公報
や特開平2−194156号公報では、Cr含有鋼板に
溶融亜鉛または亜鉛合金めっきを行う際の下地前処理と
してNiやFe−B系のプレめっきを行う方法が示され
ているが、それぞれ、以下に示すような問題がある。す
なわち、Niプレめっきを行う方法では、溶融めっき後
に、めっき層中とりわけ鋼板近傍にNiプレめっき層が
残存し、亜鉛または亜鉛合金めっき層との間で著しいガ
ルバニックコロージョンを生じて、亜鉛または亜鉛合金
めっき自体の耐食性が著しく低下する。また、Fe−B
プレめっきを行う方法では、生成する亜鉛または亜鉛合
金とFe−Bとからなる合金層厚みが厚く、さらに生成
する合金層自身がもろく、加工性に劣り、さらに加工部
の耐食性が劣るという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来非常に
困難とされていたステンレス鋼板等のCr含有鋼板への
溶融亜鉛または亜鉛合金めっきを、特別な還元焼鈍工程
を設けることなく簡易にめっき性良く行うことができ、
めっき密着性、耐食性に優れた溶融亜鉛または亜鉛合金
めっきCr含有鋼板が得られるめっき方法を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、3重量%以上
のクロムを含有する鋼板表面に、目付量が片面当り0.
1〜10g/m2 の鉄−リン被覆層を形成し、該鉄−
リン被覆層上にアルミニウムを0.05〜80重量%含
有する溶融亜鉛または亜鉛合金めっきを行うことを特徴
とする溶融亜鉛または亜鉛合金めっきクロム含有鋼板の
製造方法を提供する。
【0007】本発明者等は、以下に示す知見により本発
明に至った。供試材として、11wt%Cr−0.2w
t%Si−0.3wt%Mn−0.02wt%Al−0
.15wt%Tiを含むSUH409の板厚1.0mm
冷延鋼板の表面に、予め片面当り0.03〜13g/m
2 の目付量のFe−P(P含量0.07wt%)プレ
めっきを施した。
【0008】図4に示す縦型溶融めっき装置5は、開放
された下端を溶融めっき浴10に浸漬されたハウジング
3を備え、このハウジング3側面に設けられたガス導入
口13を介して雰囲気ガス4をハウジング3内に導入す
る。一方供試材1は、このハウジング内の雰囲気ガス4
の所望の位置に配置し、次に溶融めっき浴10内に浸漬
されることができるようハウジング1の上部を貫通して
ハウジング1内に挿入された支持棒2により支持される
。ハウジング3内の雰囲気ガス4はハウジング3の外側
に設けられた赤外加熱炉9により所定の温度に加熱され
る。
【0009】図5に示すヒートパターンは、供試材1を
5〜50℃/secの加熱速度で加熱し、T1 =75
0℃で5〜50秒間保持し、放冷した後T2 =460
、630℃で溶融めっき浴へ6秒間浸漬するパターンを
示す。なお溶融めっき浴への侵入板温(T3 )は、T
3 =T2 +10〜20℃とした。供試材1は、溶融
めっき浴からあげて30℃/sec以上の冷却速度で冷
却する。
【0010】前述の組成の供試材を、加熱雰囲気として
、露点が−10℃のN2 −20%H2 ガスを用い、
図4に示す実験用の縦型溶融めっき装置により、図5に
示すヒートパターンで溶融めっきを行った。溶融めっき
浴として、Zn−0.2%Al(浴温460℃)および
Zn−55%Al(浴温630℃)を用い、Zn合金目
付量を片面当り100g/m2とした。
【0011】図1に、下地Fe−Pプレめっき目付量を
かえて、その上に溶融めっきした後の溶融めっき性(不
めっき率)とFe−Pプレめっき目付量の関係を示した
。溶融めっき性(不めっき率)得られためっき鋼板の不
めっき部(めっきされていない部分)の面積割合、すな
わち、不めっき率=(不めっき部分の面積/測定部分の
面積)×100で定義される不めっき率で評価した。 図1に示す結果から、溶融めっき性の改善には下地Fe
−Pめっきが有効であり、その効果はその目付量が片面
あたり0.1g/m2 以上で顕著であり、全く不めっ
きが生じないことがわかる。
【0012】図2に、同様にして得られた下地Fe−P
プレめっき目付量とその上に設けられた溶融めっき層の
めっき密着性との関係を示す。ここで、めっき密着性は
以下の方法で評価した。
【0013】めっき密着性 2t(t:板厚)曲げ、曲げ戻し後の加工部のめっき層
のクラック発生程度を20倍のルーペを用いて観察した
。 評価基準 A:ほとんどクラック発生無し B:クラック発生少ない C:クラック発生中程度 D:クラック発生多い
【0014】図2の結果から、溶融めっき後の密着性の
改善には下地Fe−Pめっきが有効であり、その効果は
、Fe−P目付量が片面あたり0.1g/m2 以上で
顕著であり、また、10g/m2 を超えると逆にめっ
き密着性が低下することがわかる。
【0015】すなわち、本発明の主眼であるステンレス
鋼等のCr含有鋼板に、不めっきがなく、めっき密着性
の優れた溶融亜鉛または亜鉛合金めっきを行うには、C
r含有鋼板に予め下地処理として片面当り0.1g/m
2 〜10g/m2 のFe−Pめっきを施すことが必
要であることがわかる。その効果は、Fe−P目付量が
0.1g/m2 未満では不十分で、10g/m2 を
超えると、溶融めっき時に生成する亜鉛または亜鉛合金
とFe−Pとの合金層厚みが大きくなり、加工時にめっ
き層に割れが生じ易くなるので、Fe−Pめっき目付量
の上限は10g/m2 に限定される。
【0016】本発明に用いるCr含有鋼板は、3wt%
以上のCrを含有する鋼板を用いる。一般的に、鋼中へ
のCrの添加は耐食性改善に寄与することが知られてい
るが、本発明のように、溶融亜鉛または亜鉛合金めっき
を施されても、同様な傾向にあり、Cr量が3wt%未
満では耐食性の点で不十分であるため、鋼中のCr量は
3wt%以上とした。具体的には、ステンレス鋼、耐熱
鋼等が挙げられる。
【0017】このような鋼板には、通常、その用途に応
じ、ニッケル(0〜15重量%程度)、チタン(0〜0
.5重量%程度)、モリブデン(0〜2.5重量%程度
)、ニオブ(0〜0.5重量%程度)、アルミニウム(
0〜5重量%程度)、ジルコニウム(0〜0.5重量%
程度)、マンガン(0〜2重量%程度)、ケイ素(0〜
1重量%程度)、銅(0〜1重量%程度)、バナジウム
(0〜0.5重量%程度)などが添加されているが、こ
れらは、その添加量が一般的な範囲であれば、本発明の
趣旨を損ねることはないので、これらが添加されている
鋼板を用いてもよい。
【0018】本発明の溶融亜鉛または亜鉛合金めっきに
用いるめっき浴は、0.05〜80wt%のアルミニウ
ムを含有する。溶融亜鉛めっき浴に添加されるアルミニ
ウム量は、一般的に知られているように、純亜鉛の場合
には鉄素地と脆弱な金属間化合物を形成しやすい。この
金属間化合物の形成はアルミニウムを0.05wt%以
上含有させることによって防止できるので、アルミニウ
ム量の下限を0.05wt%とした。また、アルミニウ
ム量が80wt%を超えると、溶融めっき後のめっき鋼
板の亜鉛めっき層自体の犠牲防食能が低下する。また、
本発明法で下地にFe−Pめっきを施した上に溶融亜鉛
または亜鉛合金めっきしても、めっき密着性改善効果が
小さいので、アルミニウム量の上限を80wt%とした
【0019】本発明の溶融亜鉛めっきは、アルミニウム
を含む亜鉛めっきをいい、亜鉛合金めっきは、Al以外
にSi、Mg、Pb等を含有する亜鉛合金めっきをいう
。溶融亜鉛または亜鉛合金めっき厚みは、特に限定され
ないが、従来の普通鋼板における溶融めっきと同様に、
片面あたり50〜200g/m2程度が好ましい。
【0020】Cr含有鋼板へのFe−Pプレめっきは、
好ましくは電気めっきにより形成され硫酸塩浴または塩
化物浴いずれでも実施することができる。プレめっき層
中へのP含有量のコントロールは、Fe電気めっき浴中
に次亜リン酸ナトリウムなどのリン化合物の添加により
可能であり、好ましくはFe−Pめっき層中のP含有量
は0.01〜1wt%に管理されるべきである。その理
由は、P含有量が0.01wt%未満では溶融めっき後
のめっき密着性が不十分であり、1wt%を超えるとF
e−Pめっき自身の均一電着性が低下し、溶融めっき性
や溶融めっき後のめっき密着性改善に十分寄与しないか
らである。
【0021】
【実施例】以下実施例に基づき本発明の効果を説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない
【0022】表1に示す組成の板厚0.8mmの冷延板
を供試材として用い、下地プレめっきとしてFe−P、
Fe、NiまたはFe−Bを電気めっき法により施した
。これらの下地めっきの電気めっき条件は、以下に示す
通りである。 (a)Fe−Pめっき 鋼板を予めアルカリ脱脂、塩酸酸洗処理した後、FeS
O4・7H2O,200g/l + Na2SO4,1
00g/l を含有した60℃のめっき液中に、次亜リ
ン酸ナトリウムを0.01〜2g/l添加しためっき浴
中(pH1.2〜1.5)で、50〜80A/dm2 
の陰極電解処理を施すことによりFe−Pめっきを行っ
た。Fe−P目付量は投入電気量を変化させることによ
りコントロールし、P含有量は次亜リン酸の添加量を変
化させることによりコントロールした。 結果を表2に示す。
【0023】(b)Feめっき 鋼板を予めアルカリ電解脱脂、塩酸酸洗処理した後Fe
SO4・7H2O,200g/l + Na2SO4,
100g/l を含有した60℃のめっき液中(pH1
.2〜1.5)で、50〜80A/dm2 の陰極電解
処理を施すことによりFeめっきを行った。Fe目付量
は、投入電気量を変化させることによりコントロールし
た。結果を表2に示す。
【0024】(c)Niめっき 鋼板を予めアルカリ電解脱脂、塩酸酸洗処理した後Ni
SO4・6H2O,300g/l + Na2SO4,
100g/l を含有した60℃のめっき液中(pH1
.0〜1.2)で、10〜20A/dm2 の陰極電解
処理を施すことによりNiめっきを行った。Ni目付量
は、投入電気量を変化させることによりコントロールし
た。結果を表2に示す。
【0025】(d)Fe−Bめっき 鋼板を予めアルカリ電解脱脂、塩酸酸洗処理した後Fe
SO4・7H2O,200g/l + Na2SO4,
100g/l + 0.5g/l酒石酸を含有した60
℃のめっき液中(pH1.0〜1.3)で、50A/d
m2 の陰極電解処理を施すことによりFe−Bめっき
を行った。目付量は、投入電気量を変化させることによ
りコントロールした。結果を表2に示す。
【表1】
【0026】以上の(a)〜(d)の方法によって得ら
れたプレめっき鋼板を用いて図4に示した縦型溶融めっ
き装置を用いて溶融めっき実験を行った。この時に、溶
融めっき浴に浸漬する前の鋼板加熱雰囲気は、N2 −
50%H2 でD.P.−20℃とした。また、その時
のヒートパターンを図3に示した。プレめっき鋼板を1
0℃/secで加熱し、800℃(T1 )で10秒間
保持し、470〜680℃(T2 )で溶融めっき浴へ
4秒間浸漬した。溶融めっき浴への侵入板温(T3 )
は、溶融めっき浴温+10℃とした。溶融めっき浴から
引き上げた後の平均冷却温度は30℃/secとした。
【0027】溶融めっき浴中のAl濃度は、0.18w
t%(浴温470℃)、4.6wt%(浴温450℃)
、48wt%(浴温640℃)、55wt%(浴温65
0℃)、72wt%(浴温660℃)および84wt%
(浴温680℃)の6水準とした。なお、めっき目付量
は、片面あたり70g/m2 とした。
【0028】得られた溶融亜鉛合金めっき鋼板について
前述の溶融めっき性(不めっき率)、めっき密着性およ
び以下に示す耐食性について評価した。耐食性得られた
めっき鋼板に、張り出し高さ6mmのエリクセン加工を
行って、次に示すサイクル腐食試験を行い、試験後のサ
ビの状態を目視により判定した。下記の工程を1サイク
ルとし、1日に3サイクル行い合計360サイクル行っ
た。 噴霧  5%NaCl  50℃  2時間乾燥   
             50℃  2時間湿潤  
              50℃  相対湿度95
%以上  2時間 放置(自然乾燥)    35℃  2時間評価は、以
下の基準で行った。 A……白サビ発生のみで赤サビ発生なしB……赤サビ発
生小 C……赤サビ発生中 D……赤サビ発生大 表2に評価結果を示す。
【表2】
【0029】表1および表2に示す結果から、以下のこ
とがわかる。
【0030】実施例1〜4、12、13および比較例1
〜7、15〜17の結果より、鋼板の下地前処理として
予め本発明の範囲内でFe−Pプレめっきを施すことに
よりその後の溶融めっき時に全く不めっきが生じず、ま
た、めっき密着性に優れ、耐食性に著しく優れた溶融亜
鉛または亜鉛合金めっきCr含有鋼板が得られる。しか
しながら、Fe−Pプレめっきの目付量が0.1g/m
2未満の場合には、完全に不めっきを防止することがで
きず、また、めっき密着性も悪く、耐食性も十分とはい
えないことがわかる。下地のFe−Pプレめっき目付量
が片面あたり10g/m2 を超えると、溶融めっき時
の不めっき防止に対する効果は、十分ではあるが、溶融
めっき時に生成する合金層厚みが大きくなる傾向にあり
、めっき密着性が低下する。したがって、加工部の耐食
性も悪くなることがわかる。一方、下地Fe−Pプレめ
っき層中のP濃度が1%を超えると、Fe−P電気めっ
き時の均一電着性が低下し、溶融めっき時に不めっきが
生じ易くなり、まためっき密着性、耐食性が低下するこ
とがわかる。
【0031】下地めっきとして、Feプレめっきを施し
た場合には、その後に形成する溶融亜鉛または亜鉛合金
めっきの不めっきが完全に防止されず、めっき密着性も
十分とはいえない。したがって、得られた溶融亜鉛また
は亜鉛合金めっき鋼板の耐食性も不十分であり、建材を
始めとした外装材に用いられた場合には、亜鉛めっきの
特質である犠牲防食効果が不十分であり赤サビ発生が顕
著となり、外装材として用いることは難しいことがわか
る。
【0032】下地めっきとしてNiプレめっきを施した
場合には、その後に形成する溶融亜鉛めっき時に生じる
不めっきは完全に防止できるが、めっき密着性が下地F
e−Pプレめっきをした場合に比べて劣り、その結果、
得られるめっき鋼板の耐食性とりわけ加工部での耐食性
が著しく劣っていることがわかる。下地にNiプレめっ
きを施すと、溶融亜鉛合金層中にNiが残存し、Znめ
っき層と局部的にガルバノ腐食を起こして、亜鉛層の消
失速度が大きくなるためと考えられる。
【0033】下地にFe−Bプレめっきを施した場合に
は、その後に形成する溶融亜鉛めっき時に生じる不めっ
きは完全に防止できるが、めっき密着性が下地Fe−B
プレめっきを施した場合に比べて劣り、耐食性も不十分
である。このことは、めっき密着性は合金層厚みが大き
くなると低下することが一般的に知られており、下地に
Fe−Bプレめっきを施した場合には、Fe−Pの場合
に比べて溶融亜鉛めっき時に生成する亜鉛とFe−Bと
の合金層厚みが厚いためと考えられる。したがって、加
工部の耐食性は加工により亜鉛めっき層にクラックが導
入され易くなり、低下する。
【0034】実施例1〜11と比較例2、8〜14の比
較結果より、下地Fe−Pプレめっきを施して、その後
溶融亜鉛または亜鉛合金めっきを行うと、素材として用
いる鋼板のCr含有量が種々異なっても溶融めっき時の
不めっきが完全に防止でき、なおかつめっき密着性と耐
食性に優れた溶融亜鉛または亜鉛合金めっきCr含有鋼
板が得られることがわかる。
【0035】実施例14、15、比較例18の結果より
溶融亜鉛めっき浴中のAl濃度が80wt%を超えると
、下地Fe−Pプレめっきを施しても、その後の溶融亜
鉛または亜鉛合金めっき後のめっき密着性が低下し、ま
たそのために得られるめっき鋼板の加工部の耐食性が低
下することがわかる。
【0036】
【発明の効果】上述の如く、本発明方法を用いることに
より従来難しいとされていたCr含有鋼板への溶融亜鉛
または亜鉛合金めっきが、特別な還元工程を行うことな
く、通常の工程で可能となり、めっき密着性と耐食性に
優れた溶融亜鉛または亜鉛合金めっきCr含有鋼板の製
造が容易となり、産業の発展に対して多大なる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例および比較例の実験結果を示すグラフで
ある。
【図2】実施例および比較例の実験結果を示すグラフで
ある。
【図3】実施例および比較例の溶融めっきのヒートパタ
ーンを示すグラフである。
【図4】縦型溶融めっき装置を説明する模式図である。
【図5】供試材の溶融めっきのヒートパターンを示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1    供試材 2    支持棒 3    ハウジング 4    雰囲気ガス 5    縦型めっき装置 9    赤外加熱炉 10  溶融めっき浴 13  ガス導入口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  3重量%以上のクロムを含有する鋼板
    表面に、目付量が片面当り0.1〜10g/m2 の鉄
    −リン被覆層を形成し、該鉄−リン被覆層上にアルミニ
    ウムを0.05〜80重量%含有する溶融亜鉛または亜
    鉛合金めっきを行うことを特徴とする溶融亜鉛または亜
    鉛合金めっきクロム含有鋼板の製造方法。
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