JP3114609B2 - 表面性状の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

表面性状の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法に係り、特に表面性状の優れた合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合金化溶融亜鉛めっき鋼板は種々の優れ
た特徴を有するために、各種の防錆鋼板として広く使用
されている。
【0003】この合金化溶融亜鉛めっき鋼板を自動車用
防錆鋼板として使用するためには、耐食性、塗装適合性
の他に、車体製造工程において要求される性能として、
プレス成形性、スポット溶接性、接着性、及び化成処理
性に優れていること、更には安価で需要家に供給できる
こと、即ち製造コストが安価であることが重要である。
【0004】しかし、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、一
般に冷延鋼板に比べて、プレス成形性が劣るという欠点
を有する。これは合金化溶融亜鉛めっき鋼板とプレス金
型との摺動抵抗が、冷延鋼板の場合に比較して高いこと
が原因であり、この摺動抵抗が高いと、プレス時に、プ
レス金型ビード部近傍の合金化溶融亜鉛めっき鋼板がプ
レス金型に流入しにくくなり、鋼板の破断が生じ易くな
る。
【0005】合金化溶融亜鉛めっき鋼板のプレス成形性
を向上させる方法としては、一般に、高粘度の潤滑油を
塗布する方法が広く用いられているが、この方法では、
潤滑油が高粘度のために、次の塗装工程での脱脂不良に
よる塗装欠陥や、潤滑油切れによるプレス成形の不安定
や、プレス性能が不安定になる等の問題がある。
【0006】そこで、近年では合金化溶融亜鉛めっき鋼
板のめっき層の表面に鉄系めっき被膜を電気めっき法で
形成させた二層めっき鋼板が利用されるようになった。
【0007】この鉄系めっき被膜はプレス成形時の摺動
抵抗が低減されるほか、塗装適合性を向上させる効果を
有する。
【0008】しかし、この二層めっき鋼板を溶融亜鉛め
っき設備(CGL)で製造するには電気亜鉛めっき設備
を増設する必要があり、設備投資により固定費と電気亜
鉛めっき操業による変動費の上昇、即ち製造コストの上
昇を招くと云う問題がある。
【0009】上記問題を解決する方法として、特開平2
−190483号公報は、亜鉛系めっき鋼板の表面に電
解処理、浸漬処理、塗布酸化処理、または加熱処理を施
すことにより、ZnOを主体とする酸化膜を生成させて
溶接性、または加工性を向上させる技術(以下先行技術
1)を開示しており、特開平3−17282号公報は、
Fe、NiおよびCoから選ばれた一種、又は二種以上
の金属を亜鉛系めっき鋼板の表面に置換析出させる方法
(以下先行技術2)を開示しており、特開平3−191
093号公報は、Ni酸化物を生成させてプレス成形性
および化成処理性を向上させる技術(以下先行技術3)
を開示しており、そして特開昭60−63394号公報
は、不活性被膜成分の水溶液を塗布する方法(以下先行
技術4)を開示している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術1に
おいては、以下のような問題がある。先行技術1では、
各種の処理によりめっき表面にZnOを主体とする酸化
物を生成させる方法であるため、プレス金型とめっき鋼
板との間の摺動抵抗の低減効果は小さく、プレス成形性
の改善効果が小さい。また、ZnOを主体とする酸化物
では接着性を劣化させる。
【0011】先行技術2においては、以下のような問題
がある。先行技術1では、Ni、Fe等の金属を析出さ
せるので、金属の接着性に対する濡れ性が小さいために
充分な接着性が得られない。また、被膜の金属的性質が
強いためにプレス成形性、スポット溶接性の改善効果が
小さいという問題がある。
【0012】また、水溶液のpHが低く、置換析出効率
が低いために、充分な付着量を確保できないという問題
や、付着量を確保するために水溶液の温度を高くする必
要が生じ、エネルギー原単位の上昇を招いたり、水溶液
の加熱設備を設けるなど、設備コストが上昇すると云う
問題がある。
【0013】先行技術3においては、Ni酸化物単相の
被膜であるため、プレス成形性は向上するが、接着性を
劣化させると云う問題がある。
【0014】先行技術4においては、不活性被膜を生成
させる方法であるため、化成処理性や接着性を劣化させ
るという問題がある。
【0015】上記のような問題点を解決するために、本
出願人は特願平7−216589号として、FeCl2
及びNiCl2 を含有し、Fe含有量(g/l)とNi
含有量(g/l)との和に対するFe含有量(g/l)
の比率が、0.004 〜0.9 の範囲にあり、pHが2.0 〜3.
5 の範囲内で且つ温度が20〜70℃の範囲にある水溶液を
調製し、前記水溶液に亜鉛系めっき鋼板を処理すること
により、亜鉛系めっき鋼板の表面にFe−Ni−O系被
膜を形成させた亜鉛系めっき鋼板製造方法を出願してい
る(以下先行技術5と云う)。 先行技術5はプレス成
形性、スポット溶接性、接着性及び化成処理性に優れ、
更には安価で需要家に供給できる等の効果を期待できる
ものである。
【0016】一方、亜鉛系めっき鋼板の中、特に合金化
溶融亜鉛めっき鋼板の場合は、特性上、自動車の外板等
の外観品質の要求レペルが非常に厳しい用途に用いられ
る場合が多く、上記のようなFe−Ni−O系被膜を形
成させた合金化溶融亜鉛めっき鋼板についても、上記特
性に加えて合金化の不均一及び合金化後の被膜処理ムラ
に起因する表面の視覚的ムラ等のない表面性状の優れた
ものが要求されている。
【0017】本発明は上記のような問題点の解決を図る
ために成されたものであり、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の長手方向、巾方向の合金化度を均一にし、Fe−Ni
−O系被膜の適正な付着量を形成して、プレス成形性、
スポット溶接性、接着性及び化成処理性に、更に表面性
状の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は溶
融亜鉛めっきラインでFe−Ni−O系被膜を有する合
金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方法において、前記
めっきラインに誘導加熱装置とエッジヒーターを具えた
合金化炉と冷却装置との間に、出入れ可能な保熱装置を
設け、その後にFe−Ni−O系被膜処理設備を設け
て、合金化処理のヒートサイクルを加熱帯と冷却帯、又
は加熱帯と保熱帯と冷却帯に切換えて合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の下地構造を制御し、その後FeCl2 及びN
iCl2 を含有し、Fe含有量(g/l)とNi含有量
(g/l)との和に対するFe含有量(g/l)の比率
が、0.004 〜0.9 の範囲にあり、pHが2.0 〜3.5 の範
囲内で且つ温度が20〜70℃の範囲にある水溶液で合金化
溶融亜鉛めっき鋼板を処理し、合金化溶融亜鉛めっき鋼
板に付着量10〜550mg/m2 の被膜を形成するこ
とを特徴とする表面性状の優れた合金化溶融亜鉛めっき
鋼板の製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の上述した限定理由に
基づいて説明する。本発明では、合金化溶融亜鉛めっき
鋼板のめっき層の表面にFe−Ni−O系被膜を形成さ
せるために用いる水溶液(以下被膜処理液と云う)とし
て、FeCl2 及びNiCl2 を含有する水溶液を選定
したのは、金属塩として塩化物を用いると、置換析出物
が高いからである。
【0020】即ち、同一塩濃度、同一処理時間で硝酸塩
および硫酸塩と比較すると、塩化物の金属塩の方がNi
およびFeの付着量が多く、生産性が向上するからであ
る。
【0021】Fe−Ni−O系被膜を形成させるため
の、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の被膜処理液による処理
方法としては、浸漬法を採用してFe−Ni−O系被膜
をむらなく均一に形成させる。
【0022】この発明に用いる被膜処理液中のFe含有
量(g/l)とNi含有量(g/l)との和に対するF
e含有量(g/l)の比率を適正な範囲内にすることに
よって、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に所望のFe
−Ni−O系被膜を形成させることができる。被膜処理
液中のFe/(Fe+Ni)が0.004 未満では接着性の
改善効果がなく、一方、被膜処理液中のFe/(Fe+
Ni)が0.9 を超えるとスポット溶接性の改善効果が低
下する。従って、被膜処理液中のFe/(Fe+Ni)
は0.004 〜0.9 の範囲にした。
【0023】また、被膜処理液中のpHを適正な範囲に
することにより、効率良く被膜を形成することができ
る。pHが2.0 未満では水素ガス発生量が極端に増大す
るため、NiおよびFeの置換析出効果が低下し、一定
の塩濃度および所定の処理時間ではNiおよびFeの付
着量が少なくなり、生産性を低下させる。
【0024】また、被膜がNiおよびFeの金属主体と
なりプレス成形性、スポット溶接性、および接着性の向
上効果が得られない。
【0025】pHが低い場合でも、塩濃度を高くすれば
単位時間当たりのNiおよびFeの付着量を増加させる
ことが可能であるが、処理液コストの上昇を招く他、ス
ラッジの増大などが起こり、好ましくない。
【0026】一方、pHが3.5 を超えると、被膜処理液
中のFeの酸化が激しく、スラッジによる製品の表面欠
陥を発生させ易くなり好ましくない。
【0027】また、被膜処理液の温度が高いと置換析出
反応速度が大きく、Ni及びFeの析出効率が良く、生
産性が向上する。
【0028】この温度が20℃未満では、反応速度が遅
く、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の特性改善に必要なNi
及びFe付着量を確保するために長時間を要し、生産性
が低下する。一方、この温度が70℃を超えると、被膜
処理液中への不純物イオンの混入量増加等による被膜処
理液劣化の進行が早くなるほか、被膜処理液を高温に保
持するための設備や熱エネルギーを要し、製造コストの
上昇を招く。
【0029】本発明によるFe−Ni−O系被膜は付着
量を10mg/m2 〜550mg/m2 の範囲で形成す
ることが必要である。
【0030】付着量が10mg/m2 未満の場合は、プ
レス成形性の向上効果が得られず、付着量が550mg
/m2 を超えた場合には、後述する実施例に示すよう
に、Fe−Ni−O系被膜を形成した合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の表面外観が悪く、また、微小な疵等による欠
陥の発見が困難である。
【0031】付着量が600mg/m2 を超えた場合
に、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の欠陥を見落として、欠
陥の混入した商品を需要家に流出させる危険性があり、
更には需要家における商品製造工程において、欠陥を見
逃し、最終商品の商品価値を損ない、需要家に多大な迷
惑をかける危険性がある。
【0032】一方、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金度
(Fe%)は8%〜12%の範囲にする。
【0033】合金化度(Fe%)が8%未満では合金化
が未発達で焼きむら等が生じ易い。また、耐フレーキン
グ性が低下する。合金化度(Fe%)が12%を超えた
場合ではプレス成形時にパウタリンクを生じやすい。
【0034】この場合、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合
金度(Fe%)は8%〜12%の範囲にあっても、Fe
−Ni−O系被膜を形成した場合、Fe−Ni−O系被
膜の付着量のバラメータであるNi付着量mg/m2
の間には図1に示す逆相関がある。
【0035】ここではNiCl2 を115g/l、Fe
Cl2 を28g/l含有させた被膜処理液で合金度の異
なる合金化溶融亜鉛めっき鋼板を処理したものである。
被膜処理時間を11秒、被膜処理液の温度を50℃であ
る。
【0036】図1から明らかなように合金化溶融亜鉛め
っき鋼板の合金度(Fe%)が大きくなると、Ni付着
量mg/m2 が減少する。即ち、Fe−Ni−O系被膜
の付着量が減少する。
【0037】図1において、合金化溶融亜鉛めっき鋼板
の合金度(Fe%)が低い下地のめっき層の構造はζ相
Aであり、合金度(Fe%)が高い下地のめっき層の構
造はδ1相Bであった。
【0038】上記のことから、ζ相を主体とした下地の
めっき層の場合はNi付着量mg/m2 が多く付着し、
δ1相を主体とした下地のめっき層の場合はNi付着量
mg/m2 が少なく付着することを得た。
【0039】本発明では図1に基づいて、合金化溶融亜
鉛めっき鋼板の長手方向、巾方向での合金度(Fe%)
の均一化を図るべく、溶融亜鉛めっきラインに、誘導加
熱装置とエッジヒーターを具えた合金化炉と冷却装置と
の間に、出入れ可能な保熱装置を設け、その後にFe−
Ni−O系被膜処理設備を設けて、合金化処理のヒート
サイクルを加熱帯と冷却帯、又は加熱帯と保熱帯と冷却
帯に切換えて合金化溶融亜鉛めっき鋼板の下地構造を制
御するものである。
【0040】図2は本発明の一実施の形態の合金化処理
工程及び被膜処理工程の説明図である。図2において、
溶融亜鉛めっき鋼板1aは溶融亜鉛ポット2で溶融亜鉛
めっきされ、ワイピングノズル3でめっき付着量を調整
する。付着量を調整した溶融亜鉛めっき鋼板1bは合金
化炉4で合金化処理する。
【0041】ここでは誘導加熱装置4aとエッジヒータ
ー4bを具えており、溶融亜鉛めっき鋼板の長手方向、
巾方向が均一に加熱できるようにしている。
【0042】合金化炉4で加熱された溶融亜鉛めっき鋼
板1bは保熱装置5によって、低温長時間加熱処理さ
れ、冷却装置6c、6dを経て、次工程のFe−Ni−
O系被膜処理設備7で被膜処理液により、被膜処理され
る。
【0043】一方、合金化炉4で加熱された溶融亜鉛め
っき鋼板1bは冷却装置6a、冷却装置6bで冷却さ
れ、更に冷却装置6c、6dで冷却されて高温短時間加
熱処理されて、次工程のFe−Ni−O系被膜処理設備
7で被膜処理液により、被膜処理される。8はスキンパ
スミルである。
【0044】上記は図3に示すように、矢印で示す合金
化処理のヒートサイクルを加熱帯と冷却帯による高温短
時間加熱処理、又は太矢印で示す加熱帯と保熱帯と冷却
帯による低温長時間加熱処理として、切換えて合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の下地構造を制御するものである。即
ち、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度(Fe%)を
8〜12%に規定した中で、低温長時間加熱処理と高温
短時間加熱処理によって、めっき層の構造をζ相を主体
とした下地のめっき層とδ1相を主体とした下地のめっ
き層に制御し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の長手方向及
び巾方向の合金化度(Fe%)のバラツキを小さくし
て、Fe−Ni−O系被膜を形成した合金化溶融亜鉛め
っき鋼板が優れた表面性状を有するようにしたものであ
る。
【0045】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。表1は本発明に用いた鋼板の組成%である。
【0046】
【表1】
【0047】この鋼板を図2に示すような溶融亜鉛めっ
きラインで溶融亜鉛めっきし、更に合金化工程で上記し
た低温長時間加熱処理又は高温短時間加熱処理によっ
て、めっき層の構造をζ相を主体とした下地のめっき層
とδ1相を主体とした下地のめっき層に制御し、Fe−
Ni−O系被膜を形成したものである。
【0048】低温長時間加熱処理の温度は470℃〜4
80℃、高温短時間加熱処理の温度は500〜510℃
とした。比較例の場合は、450℃〜470℃とし、合
金化度(Fe%)の低いもので、その一部が合金化度
(Fe%)8〜12% から外れたものを対象とした。
なお、被膜処理液での浸漬処理条件は以下とした。
【0049】浸漬時間:11秒 被膜処理液温度:50℃ 被膜処理液組成:FeCl2 ─115g/l、NiCl
2 ─ 28g/l、pH ─ 2.0
【0050】表面性状の評価は○印は需要家を対象とし
たもので、合金化の不均一及び合金化後の被膜処理ムラ
に起因する表面の視覚的ムラ等が無いもの、×印は表面
の視覚的ムラ等が有するものとした。その場合の結果を
表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】表2から明らかなように、本発明による実
施例No.1〜No.8では合金化度が8〜12%内に全部入っ
ており、バラツキが小さくζ相を主体とした下地のめっ
き層とδ1相を主体とした下地のめっき層が得られてい
る。それによって、Ni付着量が適正な範囲に保持され
ており、Ni付着量換算によるFe−Ni−O系被膜付
着量が適正な範囲に保持される。これに対して、比較例
のNo.9、No.10 では合金化度(Fe%)が巾方向で一部
が8.0 %を割った値を生じてバラツキ、焼きむら等によ
り表面性状が×となった。
【0053】上記実施例に示したように、本発明によれ
ば、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の合金化度(Fe%)を
適正な範囲に保持し、長手方向、巾方向の合金化度を均
一にして、表面性状の優れたFe−Ni−O系被膜形成
合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造することがてきる。
【0054】また、本実施例においては、Fe−Ni−
O系被膜を形成した合金化溶融めっき鋼板が上記した表
面性状の良好に加えて、プレス成形性、スポット溶接
性、接着性、化成処理性も良好であった。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の長手方向、巾方向の合金化度を均一
にし、Fe−Ni−O系被膜の適正な付着量を形成し
て、プレス成形性、スポット溶接性、接着性及び化成処
理性に、更に表面性状の優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼
板の製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のFe−Ni−O系被膜を形成した合金
化溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層の合金化度(Fe%)
とFe−Ni−O系被膜中のNi付着量(mg/m2
の関係を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態の合金化処理工程及び被
膜処理工程の説明図である。
【図3】本発明による合金化処理のヒートサイクルを示
す図である。
【符号の説明】
A 合金化度(Fe%)が小さいξ相を主体とした領域 B 合金化度(Fe%)が大きいδ1相を主体とした領
域 1a 溶融亜鉛めっき鋼板の原板 1b 溶融亜鉛めっき鋼板 1c 合金化溶融亜鉛めっき鋼板 2 溶融亜鉛ポット 3 ワイピングノズル 4 合金化炉 4a 誘導加熱装置 4b エッジヒーター 5 保熱装置 6a〜6d 冷却装置 7 Fe−Ni−O系被膜処理設備 8 スキンパスミル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 櫻井 理孝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−228020(JP,A) 特開 平9−263923(JP,A) 特開 平9−263918(JP,A) 特開 平9−263965(JP,A) 国際公開96/10103(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40 C23C 22/00 - 22/86 C23C 28/00 - 30/00 C25D 3/00 - 7/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融亜鉛めっきラインでFe−Ni−O
    系被膜を有する合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造する方
    法において、前記めっきラインに誘導加熱装置とエッジ
    ヒーターを具えた合金化炉と冷却装置との間に、出入れ
    可能な保熱装置を設け、その後にFe−Ni−O系被膜
    処理設備を設けて、合金化処理のヒートサイクルを加熱
    帯と冷却帯、又は加熱帯と保熱帯と冷却帯に切換えて合
    金化溶融亜鉛めっき鋼板の下地構造を制御し、その後F
    eCl2 及びNiCl2 を含有し、Fe含有量(g/
    l)とNi含有量(g/l)との和に対するFe含有量
    (g/l)の比率が、0.004 〜0.9 の範囲にあり、pH
    が2.0 〜3.5 の範囲内で且つ温度が20〜70℃の範囲にあ
    る水溶液で合金化溶融亜鉛めっき鋼板を処理し、合金化
    溶融亜鉛めっき鋼板に付着量10〜550mg/m2
    被膜を形成することを特徴とする表面性状の優れた合金
    化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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